JP2002193923A - アミノ安息香酸誘導体 - Google Patents

アミノ安息香酸誘導体

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JP2002193923A
JP2002193923A JP2000395413A JP2000395413A JP2002193923A JP 2002193923 A JP2002193923 A JP 2002193923A JP 2000395413 A JP2000395413 A JP 2000395413A JP 2000395413 A JP2000395413 A JP 2000395413A JP 2002193923 A JP2002193923 A JP 2002193923A
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hydrogen atom
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JP2000395413A
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Hisaya Wada
久弥 和田
Hajime Asanuma
肇 浅沼
Tetsuo Takayama
哲男 高山
Masakazu Sato
正和 佐藤
Takehiro Yamagishi
武弘 山岸
Masashi Shibuya
正史 渋谷
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 VEGFによって誘導される血管新生が関与
する疾患の治療及びVEGFによって誘導される病的症
状の改善のためのVEGF受容体拮抗剤として用いられ
る化合物を提供すること。 【解決手段】 下記式(1) 【化19】 {式中、R1は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキ
ル基であり、R2は式R5S(式中、R5は炭素原子数1
−6のアルキル基である。)で表される基又は下記式
(2) 【化20】 (式中、R6は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキ
ル基である。)で表される基であり、R3は水素原子又
は炭素原子数1−6のアルキル基であり、R4は炭素原
子数14−20のアルキル基であり、Xは下記式(3) 【化21】 又は下記式(4) 【化22】 [式中、Yは酸素原子又は式NR7(式中、R7は水素原
子又は単結合である。)で表される基である。]で表さ
れる基であり、Aは酸素原子又は式N(R8)CO(式
中、R8は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキル基
である。)で表される基であり、nは0又は1であ
る。}で表される化合物又はその医薬上許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管内皮細胞の特
異的増殖因子であるVEGFの受容体への結合を阻害す
るVEGF受容体拮抗剤に関する。
【0002】
【従来の技術】VEGF(vascular endothelial growt
h factor)は血管内皮細胞に極めて特異性の高い増殖因
子であり、VEGFとその受容体は発生発育や胎盤形成
などの生理的な血管新生において中心的な役割を果たし
ている。VEGFの受容体としては、Flt−1(fms-
like tyrosine kinase)及びKDR(kinase insert do
main containing receptor)が報告されている(Advanc
es in Cancer Research、第67巻、第281頁−第3
16頁、1995年)。VEGFとその受容体は、生理
的な血管新生のみならず、糖尿病性網膜症、リウマチ性
関節炎、固形腫瘍(Advances in Cancer Research、第
67巻、第281頁−第316頁、1995年)、バセ
ドウ病(甲状腺機能亢進症)(J.Clin.Invest.、第96
巻、第1295頁−第1302頁、1995年)、動脈
硬化症(Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol.、第19
巻、第131頁−第139頁、1999年)などの疾患
に見られる病的な血管新生にも中心的な役割を果たして
おり、そのような疾患の進展に深く関与していることが
示唆されている。また、VEGFとその受容体は、血管
新生だけではなく、樹状細胞の成熟抑制による腫瘍免疫
機能低下(Nature Medicine、第2巻、第1096頁−
第1103頁、1996年)などの病的な症状にも関与
していることが示唆されている。したがって、VEGF
とその受容体との結合を阻害する物質は、VEGFによ
る病的な血管新生が関与している種々の疾患の治療及び
VEGFによる病的な症状の改善に有用であると考えら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、VEGFに
よって誘導される血管新生が関与する疾患の治療及びV
EGFによって誘導される病的症状の改善のためのVE
GF受容体拮抗剤として用いられる化合物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物は、下記
式(1)
【0005】
【化5】
【0006】{式中、R1は水素原子又は炭素原子数1
−6のアルキル基であり、R2は式R5S(式中、R5
炭素原子数1−6のアルキル基である。)で表される基
又は下記式(2)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R6は水素原子又は炭素原子数1
−6のアルキル基である。)で表される基であり、R3
は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキル基であり、
4は炭素原子数14−20のアルキル基であり、Xは
下記式(3)
【0009】
【化7】
【0010】又は下記式(4)
【0011】
【化8】
【0012】[式中、Yは酸素原子又は式NR7(式
中、R7は水素原子又は単結合である。)で表される基
である。]で表される基であり、Aは酸素原子又は式N
(R8)CO(式中、R8は水素原子又は炭素原子数1−6
のアルキル基である。)で表される基であり、nは0又
は1である。}で表される化合物又はその医薬上許容さ
れる塩である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、炭素原子数1−
6のアルキル基とは炭素原子数1−6の直鎖状、分岐鎖
状又は環状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、t−ブ
チル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、
1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、
シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−エチ
ルブチル基などが挙げられる。
【0014】本発明において、炭素原子数14−20の
アルキル基とは炭素原子数14−20の直鎖状又は分岐
鎖状のアルキル基を示し、例えばテトラデシル基、オク
タデシル基、17−メチルオクタデシル基、17,17
−ジメチルオクタデシル基、ノナデシル基、エイコサニ
ル基などが挙げられる。
【0015】また、本発明において医薬上許容される塩
としては、例えば硫酸、塩酸、燐酸などの鉱酸との塩、
酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機
酸との塩、トリメチルアミン、メチルアミンなどのアミ
ンとの塩、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシ
ウムイオンなどの金属イオンとの塩などが挙げられる。
【0016】式(1)において、R4は好ましくは炭素
原子数18のアルキル基である。R1及びR6は水素原子
又は炭素原子数1−6のアルキル基のいずれでもよい
が、特に好ましくは水素原子である。Xは好ましくは式
(3)では2位及び6位置換であり、式(4)では2位
及び5位置換である。
【0017】本発明の化合物は下記反応式で示される方
法で製造することができる。式中、R1、R2、R3
4、X、A及びnは前記と同意義であり、YはA−
4、OH、NO2又はNH2であり、haloはハロゲン原
子、Rは炭素原子数1−6のアルキル基である。
【0018】
【化9】
【0019】式(5)の化合物を式(6)のカルボン酸
と縮合させ、YがA−R4である式(7)の本発明化合
物、YがOH又はNO2である式(7)の化合物を得
る。縮合剤としては、1−[3−(ジメチルアミノ)プ
ロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩と1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾールのような、アミンとカルボン
酸からアミドを製造する際に一般的に使用される試薬を
用いる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド
などの反応に不活性な溶媒などが用いられる。又は式
(6)のカルボン酸を一般的に用いられる方法にて酸ハ
ロゲン化物又は混合酸無水物に変換後、式(5)の化合
物と塩基存在下反応させることによっても式(7)の本
発明の化合物を得ることができる。塩基としてはピリジ
ンやトリエチルアミンなどが用いられる。溶媒としては
塩化メチレンなどの反応に不活性な溶媒が挙げられる。
【0020】YがOHである式(7)の化合物を塩基存
在下、R4-haloと反応させて式(8)の本発明化合物を
得ることができる。塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭
酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが
用いられる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムア
ミドなどの反応に不活性な溶媒などが用いられる。
【0021】YがNO2である式(7)の化合物のニト
ロ基をアミノ基に還元してYがNH2である式(7)の
化合物を得る。還元方法としては塩化アンモニウム、塩
酸又は酢酸などの酸存在下での鉄又はスズなどの金属及
び金属塩を用いた還元、パラジウム−炭素、ラネーニッ
ケル、酸化白金などの触媒を用いた接触還元、パラジウ
ム−炭素触媒存在下ギ酸アンモニウムによる還元などが
挙げられる。溶媒としてはメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、アセトニトリルなどの反応に不
活性な溶媒が挙げられる。YがNH2である式(7)の
化合物を塩基存在下、R4COClと反応させて式
(9)の本発明化合物を得る。塩基としてはピリジンや
トリエチルアミンなどが用いられる。溶媒としては塩化
メチレンなどの反応に不活性な溶媒が挙げられる。或い
は、YがNH2である式(7)の化合物をカルボン酸R4
CO2Hと縮合剤存在下、又はカルボン酸R4CO2Hを
一般的に用いられる方法にて混合酸無水物に変換後、塩
基存在下反応させることによっても式(9)の本発明化
合物を得ることができる。縮合剤としては、1−[3−
(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイ
ミド塩酸塩と1−ヒドロキシベンゾトリアゾールのよう
な、アミンとカルボン酸からアミドを製造する際に一般
的に使用される試薬を用いる。溶媒としては、N,N−
ジメチルホルムアミド、塩化メチレンなどの反応に不活
性な溶媒などが用いられる。塩基としてはピリジンやト
リエチルアミンなどが用いられる。
【0022】R3が水素原子である式(8)及び式
(9)の化合物を塩基存在下、R-haloと反応させるこ
とにより、YがOR4及びNRCOR4である式(10)
の本発明化合物を得ることができる。塩基としては、水
素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムな
どが挙げられる。溶媒としては、N,N−ジメチルホル
ムアミドなどの反応に不活性な溶媒などが用いられる。
【0023】R1がアルキル基である本発明の化合物及
びR1がアルキル基であり、かつR2がアルコキシカルボ
ニル基を含む基である本発明の化合物は、エステル基を
加水分解する通常の方法で加水分解し、それぞれR1
水素原子である本発明の化合物及びR1が水素原子であ
り、かつR2がカルボキシル基を含む基である本発明の
化合物に導くことができる。
【0024】本発明のVEGF受容体拮抗剤は、上記式
(1)で表される化合物又はその医薬上許容される塩を
有効成分として含み、さらに任意の医薬上許容される担
体、希釈剤または賦形剤を含む医薬製剤を含有する。本
発明に係る化合物は、経口又は非経口的に投与すること
ができる。その投与剤型は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、
散剤、粉剤、トローチ剤、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、
懸濁剤、坐剤、注射剤などであり、いずれも慣用の製剤
技術(例えば、第12改正日本薬局方に規定する方法)
によって製造することができる。これらの投与剤型は、
患者の症状、年齢及び治療の目的に応じて適宜選択する
ことができる。各種剤型の製剤の製造においては、常用
の賦形剤(例えば、結晶セルロース、デンプン、乳糖、
マンニトールなど)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤
(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)、
崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ムなど)などを用いることができる。本発明に係る化合
物の投与量は、成人を治療する場合で1日1〜2000
mgであり、これを1日1回又は数回に分けて投与す
る。この投与量は、患者の年齢、体重及び症状によって
適宜増減することができる。
【0025】
【実施例】[実施例1]5−アミノ−2−メチルチオ安
息香酸メチル 204 mg、6−(オクタデシルオキシ)−
2−ナフトエ酸 456 mg、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール水和物278mg及び1−[3−(ジメチルアミノ)
プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 395 mg
の混合物にN,N−ジメチルホルムアミド 10 mlを加
え、80℃にて4.5時間撹拌した。反応液に水を加え
て酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン:
酢酸エチル=6:2:1にて溶出)にて精製し、下記化
合物1(融点:150〜152℃) 232 mgを得た。
【0026】
【化10】
【0027】[実施例2]実施例1と同様の方法によ
り、下記式で示される5−(5−ヒドロキシインドール
−2−カルボキサミド)−2−メチルチオ安息香酸メチ
ル(融点:79〜82℃)及び5−(5−ヒドロキシイ
ンドール−2−カルボキサミド)−2−(4−メトキシ
カルボニルフェニルオキシ)安息香酸メチル(融点:2
44〜247℃)を得た。
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】上記化11の化合物 1.49 g及び1−ブロ
モオクタデカン 1.68 gをN,N−ジメチルホルムアミド
20 mlに溶解させた溶液に無水炭酸カリウム 880 mgを
加えて80℃で3時間攪拌した。反応液に水を加えて酢
酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去
して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:酢酸エチル=30:1にて溶出)に
て精製後、クロロホルム−メタノールで再結晶して下記
化合物2(融点:116〜118℃) 623 mgを得た。
【0031】
【化13】
【0032】上記と同様の方法により、化12の化合物
を反応させて、下記化合物3(融点:120〜122
℃)を得た。
【0033】
【化14】
【0034】[実施例3]5−ベンジルオキシインドー
ル 2.87 gをN,N−ジメチルホルムアミド 30 mlに溶解
させた溶液に油性水素化ナトリウム(60%) 799 mg
を加えて室温で20分攪拌した後、ブロモ酢酸エチル
3.22 gを加えて、さらに室温で1.5時間攪拌した。反
応液に水を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和
食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し
た。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン:酢
酸エチル=1:3:1にて溶出)にて精製し、5−ベン
ジルオキシ−1−インドリル酢酸エチル(油状物質)
3.17 gを得た。
【0035】上記で得た化合物 3.1 gをメタノール 20
ml及び酢酸エチル 20 mlに溶解させた溶液に10%パラ
ジウム−炭素 300 mgを加えて水素雰囲気下、室温で1
8時間攪拌した。反応液をろ過して触媒を除去し、ろ液
を減圧下留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:
1〜3:2にて順次溶出)にて精製後、5−ヒドロキシ
−1−インドリル酢酸エチル(油状物質)1.91 gを得
た。
【0036】上記で得た5−ヒドロキシ−1−インドリ
ル酢酸エチル 1.8 g及び1−ブロモオクタデカン 3.28
gをN,N−ジメチルホルムアミド 15 mlに溶解させた溶
液に無水炭酸カリウム 1.7 gを加えて80℃で5時間攪
拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルにて抽出し、有
機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムに
て乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキ
サン:酢酸エチル=1:5:1にて溶出)にて精製し、
5−(オクタデシルオキシ)−1−インドリル酢酸エチ
ル(油状物質)3.17 gを得た。
【0037】上記で得た5−(オクタデシルオキシ)−
1−インドリル酢酸エチル 1.36 gをエタノール 10 ml
及びテトラヒドロフラン 10 mlに溶解させた溶液に水酸
化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム 1.15 g、水 10
ml)を加えて50℃で1.5時間攪拌した。反応液に1
0%塩酸を加えて酸性とし、析出した固体をろ過後、水
にて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、5−(オク
タデシルオキシ)−1−インドリル酢酸(融点:103
〜106℃) 1.19 g を得た。
【0038】上記で得た5−(オクタデシルオキシ)−
1−インドリル酢酸を実施例1と同様の方法にて反応さ
せて、下記化合物4(融点:147〜148.5℃)を
得た。
【0039】
【化15】
【0040】[実施例4]5−ニトロ−2−ベンゾフラ
ンカルボン酸 4.14 gをN,N−ジメチルホルムアミド10
0 mlに懸濁させた溶液に5−アミノ−2−メチルチオ安
息香酸メチル 4.01 g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール水和物 4.06 g及び1−[3−(ジメチルアミノ)
プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 7.94 g
を加え、室温にて8時間撹拌した。反応液に飽和食塩水
を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生
成物をヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒にて洗浄し、2
−メチルチオ−5−(5−ニトロベンゾフラン−2−カ
ルボキサミド)安息香酸メチルの粗生成物 10.4 gを得
た。引き続き、得られた粗生成物 10.3 g、鉄粉 12.2
g、1M塩化アンモニウム水溶液 12 ml及びアセトニト
リル 30 mlを懸濁させた混合物を80℃で3.5時間攪
拌した。反応混合物をセライトにてろ過、引き続きクロ
ロホルムにて洗浄し、ろ液を無水硫酸マグネシウムにて
乾燥して溶媒を減圧下留去した。粗生成物をアセトニト
リルから再結晶して5−(5−アミノベンゾフラン−2
−カルボキサミド)−2−メチルチオ安息香酸メチル
(融点:184〜185.5℃) 2.67 gを得た。
【0041】上記で得られた化合物 2.63 g及びトリエ
チルアミン 1.63 gを塩化メチレン 50 mlに溶解させた
溶液にステアロイルクロライド 2.42 gを加えて室温で
14時間攪拌した。反応液に水及びクロロホルムを加え
て攪拌した後、析出物をろ過し、得られた粗結晶をテト
ラヒドロフランから再結晶して下記化合物5(融点:1
66.5〜167.5℃) 4.24 gを得た。
【0042】
【化16】
【0043】[実施例5]油性水素化ナトリウム(60
%) 540 mgをN,N−ジメチルホルムアミド 50mlに懸
濁させた混合物に 3.43 gの化合物5を室温で加えた
後、氷冷下でヨウ化メチル 1.03 mlを加えて、室温で1
3.5時間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加えて酢酸
エチルにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて
乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=7:3〜3:2にて順次溶出)にて精製し、下記化合
物6(油状物質) 3.29 gを得た。
【0044】
【化17】
【0045】[実施例6]145 mgの化合物1をエタノー
ル 2 mlに懸濁させた溶液に水酸化ナトリウム水溶液
(水酸化ナトリウム 94 mg、水 2 ml)を加えて3.5時
間加熱還流した。反応液に5%塩酸を加えて酸性とし、
析出した固体をろ過後、水にて洗浄した。得られた固体
を減圧乾燥し、下記化合物7(融点:233〜243
℃) 135 mg を得た。
【0046】
【化18】
【0047】[実施例7]化合物2〜化合物6を用いて
実施例6と同様の操作を行い、下記表1に示される化合
物を得た。
【0048】
【表1】
【0049】[試験例] 文献(Cell Growth & Differentiation、第7巻、第213
頁-第221頁、1996年)記載の方法に準拠し、以下の試験
を行った。KDR を強制発現させたNIH3T3細胞(7×104
/well)を24穴コラーゲンコートプレートに播種し、
10%子牛血清及び200μg/ml Geneticin G418を含
むDulbecco's modified Eagle's medium (DMEM)中、5
%炭酸ガス雰囲気下、37℃にて24時間培養した。そ
の細胞を緩衝液A[DMEM中に10mM HEPES( N-2-hydroxye
thylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid)と0.1% BSA
(bovine serum albumin)を含む]中、4℃にて30分間
プレインキュベートした。その後、培地を緩衝液B(DM
EM中に10mM HEPESと0.5 % BSAを含む)に交換し、各々
の試験化合物をジメチルスルホキシドに溶解後緩衝液B
で所定の濃度に希釈して調製した試験液と[125I]-VE
GF(最終濃度を25pMにする)を添加し、4℃にて90
分間結合反応を行わせた。反応終了後、細胞を氷冷した
緩衝液Aにて3回洗浄した。引き続き、各wellに 0.5M
NaOH 0.5mlを加え、室温にて30分かけて細胞を融解し
た。各wellの細胞融解物の放射活性をガンマカウンター
にて測定して[125I]-VEGFの総結合量を算出した。
[125I]-VEGFの非特異的結合を、10nMの非標識VE
GF共存下での競合アッセイ(competition assay)に
より測定し、[125I]-VEGFの総結合量との差から[
125I]-VEGFの特異的結合量を算出した。試験化合
物の結合阻害率を次の式により計算した。
【0050】
【式1】
【0051】この値から試験化合物の50%結合阻害濃
度(IC50)を算出した。その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明の化合物は、VEGF受容体への
リガンドの結合の阻害活性を有しており、VEGF依存
性の血管内皮細胞増殖を阻害することによって血管新生
を阻害したり、VEGFによる樹状細胞への成熟抑制を
解除することによって低下した免疫機能を正常化させる
と考えられる。したがって、本発明の化合物は、糖尿病
性網膜症、リウマチ性関節炎、固形腫瘍、バセドウ病、
動脈硬化症などのVEGFによって誘導される血管新生
が関与する疾患の治療剤として期待される。また、本発
明の化合物には、癌患者の免疫機能低下などのVEGF
の作用によって誘導される病的症状の改善効果が期待さ
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 5/14 A61P 5/14 9/10 9/10 101 101 19/02 19/02 27/02 27/02 29/00 101 29/00 101 35/00 35/00 37/02 37/02 43/00 111 43/00 111 C07D 209/08 C07D 209/08 209/42 209/42 307/85 307/85 (72)発明者 高山 哲男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 佐藤 正和 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 山岸 武弘 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 渋谷 正史 埼玉県川口市芝5374−18−601 Fターム(参考) 4C037 QA13 4C086 AA01 AA02 AA03 BA06 BC13 MA01 MA04 NA14 ZA33 ZA36 ZA45 ZA96 ZB07 ZB15 ZB26 ZC06 ZC42 4C204 BB01 BB09 CB03 DB26 EB02 FB01 FB24 GB25 4C206 AA01 AA02 AA03 DA17 DB15 MA01 MA04 NA14 ZA33 ZA36 ZA45 ZA96 ZB07 ZB15 ZB26 ZC06 ZC42 4H006 AA01 AB20 TA05 TB04 TB61

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 {式中、R1は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキ
    ル基であり、R2は式R5S(式中、R5は炭素原子数1
    −6のアルキル基である。)で表される基又は下記式
    (2) 【化2】 (式中、R6は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキ
    ル基である。)で表される基であり、R3は水素原子又
    は炭素原子数1−6のアルキル基であり、R4は炭素原
    子数14−20のアルキル基であり、Xは下記式(3) 【化3】 又は下記式(4) 【化4】 [式中、Yは酸素原子又は式NR7(式中、R7は水素原
    子又は単結合である。)で表される基である。]で表さ
    れる基であり、Aは酸素原子又は式N(R8)CO(式
    中、R8は水素原子又は炭素原子数1−6のアルキル基
    である。)で表される基であり、nは0又は1であ
    る。}で表される化合物又はその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】式(1)において、R1が水素原子であ
    り、R4がオクタデシル基であることを特徴とする請求
    項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の化合物又はその医薬
    上許容される塩を有効成分として含むことを特徴とする
    VEGF受容体拮抗剤。
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