JP2002192447A - リセス皿取り扱い治具 - Google Patents

リセス皿取り扱い治具

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JP2002192447A
JP2002192447A JP2000392059A JP2000392059A JP2002192447A JP 2002192447 A JP2002192447 A JP 2002192447A JP 2000392059 A JP2000392059 A JP 2000392059A JP 2000392059 A JP2000392059 A JP 2000392059A JP 2002192447 A JP2002192447 A JP 2002192447A
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recess plate
lens
jig
plate
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Kunio Nakagawa
邦男 中川
Susumu Kanda
享 神田
Atsushi Yano
敦 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1個貼りあるいは多数個貼りのリセス皿を用
いるリセス加工においてレンズの貼り剥がし作業や冷却
作業を効率良くかつ的確に行うことができるリセス皿取
り扱い治具を提供する。 【解決手段】 1個または多数個のレンズLをリセス皿
1、11に加熱接着し、レンズを工具に押し付けて相対
運動させることによりレンズを研削研磨加工するリセス
加工におけるリセス皿1、11に対するレンズLの貼り
剥がし作業に際して、リセス皿1、11を真空吸引力に
よりリセス皿を吸着する真空吸引手段22〜24または
磁力によりリセス皿を吸着する磁石手段を備えたリセス
皿固定治具21(25)を用いる。また、レンズLを加
熱接着したリセス皿1、11の冷却に際しては、リセス
皿1、11の一部分に集中的に冷却用風を当てて冷却
し、冷却時間を短縮するとともにレンズLに発生する接
着歪等による変形をなくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1個または多数個
のレンズ等の光学素子をリセス皿(レンズ保持具)に加
熱接着して加工するリセス加工において、リセス皿に対
する光学素子の貼り剥がし作業や光学素子を加熱接着し
たリセス皿の冷却作業に際してリセス皿を保持するリセ
ス皿取り扱い治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラやビデオ等に用いられる球面レン
ズをはじめとする球面形状の光学素子(以下、単にレン
ズという)を研削あるいは研磨加工する場合、リセス皿
に1個ないし多数個のレンズを貼り付け、このリセス皿
に貼り付けられた1個ないし多数個のレンズに研削ある
いは研磨工具等を押し付けて相対回転させることにより
レンズを加工している。
【0003】このようにレンズを貼り付けるリセス皿を
用いて加工するリセス加工においては、加工前にレンズ
をリセス皿に加熱接着により貼り付け、加工後にリセス
皿からレンズを剥がす作業が行われる。リセス皿へのレ
ンズの貼り付けは、リセス皿本体を80℃〜120℃に
加熱し、熱可塑性接着剤等の接着剤をレンズ保持面に熔
着、塗布して、レンズを貼り付け、その後に、リセス皿
を冷却することにより接着面を固化してレンズをレンズ
保持面に仮止め保持する。そして、リセス皿に貼り付け
られたレンズは、レンズの球面形状の曲率を凹凸反転し
た皿状の研削あるいは研磨工具に押し付けられ相対的に
回転させることにより、研削あるいは研磨加工される。
加工が終了すると、レンズは再び加熱されたリセス皿か
ら剥がされ、洗浄、検査された後に、次工程へ流され
る。すなわち、レンズの貼り付けまたは剥がしの際に
は、熱可塑性接着剤等の接着剤が塗り易くかつレンズが
貼り易い温度、また、塗布した接着剤が溶け出しレンズ
を剥がし易い状態になる温度、にリセス皿を加熱し、接
着剤が固化しない間にレンズを素早く貼り付けまた剥が
している。
【0004】以下に従来のレンズの貼り剥がし作業およ
び冷却作業について、図9ないし図13を参照して説明
する。
【0005】図9には多数個貼りリセス皿を示し、図1
0には1個貼りリセス皿を示す。また、図11の(a)
および(b)にはそれぞれ凸レンズLaと凹レンズLb
の一例を示す。図9の(a)および(b)に示す多数個
貼りリセス皿1は、略半球面状のレンズ保持面2と加工
装置等への取付け部としてねじ等が形成された軸部3と
その基準面4とを備え、レンズ保持面2にはレンズL
(LaまたはLb)(図11の(a)および(b)参
照)を受け入れて位置決めするリセス穴5が複数形成さ
れ、このリセス穴5は加工するレンズL(La、Lb)
の外径や曲率半径、または加工の難易度などによりリセ
ス穴5の数が決定される。リセス穴5は、レンズLの外
周部L1 を保持する外輪帯部6とレンズ裏面L2 を保持
する内輪帯部7とを有し、レンズLを貼り付けるリセス
穴5の中心部には、多数個貼りリセス皿の加熱時の熱膨
張によりレンズLとリセス皿1の間に閉じ込められた空
気がレンズLを押し上げてしまうことを防止するために
排気孔9が設けられており、レンズLがリセス穴5に確
実に貼り付けられ保持される構造となっている。また、
図10に図示する1個貼りリセス皿11は、1個のリセ
ス穴15からなり、外輪帯部16、内輪帯部17および
排気孔19を同様に備えた構造となっている。
【0006】次に、多数個貼りリセス皿を用いた時の従
来のレンズの貼り剥がし作業を例にして、凸レンズLa
の貼り剥がし作業の手順について図12を用いて説明す
る。
【0007】先ず、レンズの貼り付けは、同図(a)に
示すように、多数個貼りリセス皿1をヒータ150の上
に置き、接着剤が塗り易くかつレンズLaが貼り易い所
定の温度に加熱する。次いで、同図(b)に示すよう
に、加熱された多数個貼りリセス皿1を、手袋151を
はめた手でヒータ150から移動させて作業台153の
上に載せ、他方の手で多数個貼りリセス皿1を保持しな
がら、接着剤152をリセス穴5の内輪帯部7に塗布す
る。そして、同図(c)に示すように、同様に他方の手
で多数個貼りリセス皿1を保持しながら、リセス皿1の
余熱を利用し塗布した接着剤152が軟化している間
に、レンズ裏面L2 が内輪帯部7全体に均一になるよう
に押し付け、レンズ外周部L1 が外輪帯部6からはみ出
して傾かないようにレンズLaを貼り付ける。所定数の
レンズLaの貼り付けが終わると、同図(d)に示すよ
うに、多数個貼りリセス皿1は冷却され、接着剤152
の固化が行われる。この冷却に際しては、レンズLaを
貼り付けたリセス皿1は冷却用ファン(不図示)にて冷
却用風154が当てられて強制冷却され、常温へと冷却
移行されている。通常、リセス皿の材質としては、鋳物
やアルミ材が多用されており、材質が鋳物である場合、
冷却時間は体積380〜400cm3 のもので40分〜
60分を要している。その後に、研削あるいは研磨加工
により所望の球面精度に加工される。
【0008】一方、レンズの加工終了後におけるレンズ
の剥がしは、同図(e)に示すように、多数個貼りリセ
ス皿1をヒータ150の上に置き、貼り付け時に塗布し
た接着剤152が溶け出してレンズLaが剥がし易い所
定の温度に加熱し、そして、同図(f)に示すように、
加熱された多数個貼りリセス皿1を、手袋151をはめ
た手でヒータ150から移動させて作業台153の上に
載せ、レンズ加工面L 3 を吸着ペン155等により吸い
付け多数個貼りリセス皿1のリセス穴5からレンズLa
を剥がす。
【0009】また、図13は、1個貼りリセス皿を用い
たときの従来のレンズLの貼り剥がし作業を説明するた
めの図であり、特に、凹レンズLbを貼り剥がす場合に
ついて図示する。リセス皿11の形状およびレンズLの
貼り付け数に違いがあるものの、前述した多数個貼りリ
セス皿1の貼り剥がし作業と同様に行われている。
【0010】前述した一連の作業は手作業により行わ
れ、作業者は加熱されたリセス皿1、11を作業台15
3の上に載せ、手でリセス皿1、11を保持しながらレ
ンズL(La、Lb)の貼り剥がし作業を行っており、
また、レンズLを加熱接着したリセス皿1、11の冷却
は、強制冷却によって行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、リセス
皿にレンズを貼り付ける作業およびリセス皿からレンズ
を剥がす作業は手作業で行われており、多数個貼りリセ
ス皿の場合には、レンズの貼り数やレンズの径によっ
て、リセス皿自体の重量が5.0kgf程度にまで及
び、手で保持するには重くそして不安定である。また、
レンズの貼り数が多いリセス皿は貼り時間が長くなるの
で、リセス皿を保持する手が熱くなる。すなわち、貼り
剥がしの際、加熱された自重の重いリセス皿で、貼り付
け数の多い皿を長時間保持しながら作業するには至難の
技であった。さらに、1個貼りリセス皿の場合、小径で
あるために接着剤の汚れが手袋に付着しやすいため、手
袋の指先にリセス皿やレンズが付いてしまうなど、貼り
剥がしに手間がかかるという問題を有していた。
【0012】また、外周部の肉厚が薄くなっている形状
の凸レンズや凸メニスカスレンズ等においては、レンズ
外周部は剛性が低く外部からの力に対して変形しやす
い。このような形状のレンズをリセス穴に貼り付ける場
合、前述したと同様にリセス皿で保持するとき、リセス
皿を加熱してからレンズ接着後、リセス皿を強制冷却す
ると、接着剤が固化するに至る過程で、リセス皿上で表
層部にあるレンズおよび接着剤の急冷却が進み、レンズ
は歪みを起こして変形したまま固着保持されることとな
る。このように変形が生じたままレンズを研削あるいは
研磨加工すると、加工後にリセス皿からレンズを剥がす
と、接着歪が開放されることにより、レンズが歪曲現象
を起こし、加工面に「クセ」や「アス」と呼ばれるうね
り形状が生じるという問題があった。このような変形を
回避する方法として、強制冷却ではなく、自然放置にて
冷却速度を緩慢にすることにより歪の発生度合いを少な
くすることが一般的であるが、この方法では、リセス皿
材質が鋳物材で体積380〜400cm3 のものでは2
00分〜210分も冷却時間に要し、非効率的であると
いう問題があった。
【0013】そこで、本発明は、前述した従来技術の有
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、1個
貼りあるいは多数個貼りのリセス皿を用いるリセス加工
においてレンズの貼り剥がし作業や冷却作業を効率良く
かつ的確に行うことができるリセス皿取り扱い治具を提
供すること、さらに詳細には、レンズの貼り剥がし作業
を簡便にかつ的確に行うことができるリセス皿を固定し
保持する治具、および凸レンズや凸メニスカスレンズ等
の外周部の肉厚の薄いレンズを加熱接着したリセス皿を
冷却する際の接着歪みを回避することができるとともに
冷却時間の短縮を図ることができるリセス皿冷却用の治
具を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のリセス皿取り扱い治具は、1個または多数
個の光学素子をリセス皿に加熱接着し、前記光学素子を
研削あるいは研磨工具に押し付けて相対運動させること
により前記光学素子を研削あるいは研磨加工するリセス
加工において用いるリセス皿の取り扱い治具において、
加工前の光学素子の貼り付けおよび加工後の光学素子の
剥がしに際してリセス皿を固定し保持する治具が、真空
吸引力によりリセス皿を吸着する真空吸引手段または磁
力によりリセス皿を吸着する磁石手段を備えていること
を特徴とする。
【0015】本発明のリセス皿取り扱い治具は、1個ま
たは多数個の光学素子をリセス皿に加熱接着し、前記光
学素子を研削あるいは研磨工具に押し付けて相対運動さ
せることにより前記光学素子を研削あるいは研磨加工す
るリセス加工において用いるリセス皿の取り扱い治具に
おいて、加工前の光学素子の貼り付けおよび加工後の光
学素子の剥がしに際してリセス皿を固定し保持する治具
が、リセス皿を回転自在に保持する手段を備えているこ
とを特徴とする。
【0016】本発明のリセス皿取り扱い治具において
は、前記リセス皿を固定し保持する治具がリセス皿を直
接加熱することができるヒータを内蔵していることが好
ましい。
【0017】本発明のリセス皿取り扱い治具において
は、前記リセス皿を回転自在に保持する手段は、リセス
皿の軸部を受け入れるリセス皿受け台と該リセス皿受け
台を回転可能に支持する本体部とを備えていることが好
ましい。
【0018】また、本発明のリセス皿取り扱い治具は、
1個または多数個の光学素子をリセス皿に加熱接着し、
前記光学素子を研削あるいは研磨工具に押し付けて相対
運動させることにより前記光学素子を研削あるいは研磨
加工するリセス加工において用いるリセス皿の取り扱い
治具において、光学素子を加熱接着したリセス皿を冷却
するための治具は、リセス皿を載置する冷却台にリセス
皿の一部分に冷却用風を当てることができる貫通穴が形
成されており、前記貫通穴を介してリセス皿の一部分に
冷却用風を当ててリセス皿を冷却するように構成されて
いることを特徴とする。
【0019】本発明のリセス皿取り扱い治具において
は、前記冷却台の貫通穴にリセス皿の軸部を挿入して、
該軸部に冷却用風を当ててリセス皿を冷却することが好
ましい。
【0020】本発明のリセス皿取り扱い治具において
は、光学素子を加熱接着したリセス皿を冷却するための
治具は、前記冷却台上に前記リセス皿を上部から蓋をす
る風避けカバーを備えていることが好ましい。
【0021】
【作用】本発明によれば、一個のレンズまたは多数個の
レンズをリセス皿に加熱接着により貼り付けてから加工
するリセス加工において、加工前のレンズの貼り付けあ
るいは加工後のレンズの剥がし作業を、真空吸引手段、
磁石手段あるいは回転自在に保持する手段を備えたリセ
ス皿固定治具を用いて行うことにより、レンズの貼り剥
がし作業を簡便にかつ正確に行うことができ、作業ロス
を最小限に抑えることができる。
【0022】また、凸レンズや凸メニスカスレンズが加
熱接着されたリセス皿の一部分を集中的に冷却すること
により、レンズのリセス加工におけるリセス皿の冷却時
間を短縮するとともにリセス皿のレンズ面を冷却用風か
ら保護してレンズの接着歪み等の変形を確実に抑えるこ
とができ、所定の精度を確実に効率よく得ることができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0024】(実施例1)図1の(a)は、本発明の一
実施例としての真空吸引タイプのリセス皿固定治具の構
成を示す斜視図であり、図1の(b)ないし(f)は、
1個貼りリセス皿に対するレンズの貼り剥がし作業を示
す概略図である。
【0025】図1の(a)に示すリセス皿固定治具21
は、真空吸引力によりリセス皿を吸着する真空吸引手段
を備えるものであり、固定治具21の上面には複数の吸
引孔22が開けられ、これらの吸引孔22には固定治具
21の内部の穴23を介してバキュームポンプ24に連
通され、バキュームポンプ24の作動により固定治具2
1の上面に真空吸引力を作用させ、固定治具上面に載置
される1個貼りリセス皿11を吸引孔22を介して吸引
して吸着保持することができる構成となっている。1個
貼りリセス皿11は、加熱および冷却を繰り返しても変
形しにくい材質で、しかも磁性体あるいは非磁性体のい
ずれであっても良い。
【0026】以下に、凹レンズLb(図11の(b)参
照)を例にして1個貼りリセス皿11(図10参照)に
対するレンズの貼り剥がし作業を説明する。
【0027】図1の(b)ないし(f)において、作業
者は、火傷対策のため、手袋51をはめて作業する。先
ず、レンズLbを貼り付ける際には、リセス皿11をヒ
ータ50の上に置き、接着剤52が塗り易くかつ凹レン
ズLbが貼り易い所定の温度に加熱し(同図(b)参
照)、所定の温度に達した1個貼りリセス皿11を手袋
51をはめた手で掴み、ヒータ50から真空吸引タイプ
のリセス皿固定治具21に移動させて固定治具上面に載
せ、熱可塑性接着剤等の接着剤52をリセス皿11のリ
セス穴15の内輪帯部17に均一に塗布する(同図
(c)参照)。このとき、バキュームポンプ24を作動
させることにより、リセス皿固定治具21の表面の吸引
孔22に真空吸引力が作用して、1個貼りリセス皿11
は固定治具上面に吸着保持される。これにより、リセス
皿11は安定するため、接着剤52が塗りやすくなり、
手でリセス皿11を保持する必要がない。そして、同図
(d)に示すように、接着剤52がリセス皿11の余熱
で軟化している間にレンズLbを素早く貼り付け、レン
ズ裏面L2 が内輪帯部17全体に均一になるように押し
付け、レンズ外周部L1 が外輪帯部16からはみ出して
傾かないようにレンズLbを貼り付ける。この際に、リ
セス皿11は、真空吸引力によりリセス皿固定治具21
の上面にしっかりと固定されているために、仮にはみ出
した接着剤52で手袋51が汚れてもリセス皿11が手
袋51につくことがない。レンズLbの貼り付けが終わ
ると、1個貼りリセス皿11は冷却される。その後、1
個貼りリセス皿11に貼り付けられたレンズLbは、研
削あるいは研磨加工により所望の球面精度に加工され
る。
【0028】一方、研削あるいは研磨加工の終了したレ
ンズLbの剥がしは、同図(e)および(f)に示すよ
うに、1個貼りリセス皿11をヒータ50の上に置き、
貼り付け時に塗布した接着剤52が溶け出してレンズL
bが剥がし易い所定の温度に加熱し、所定の温度に達し
た1個貼りリセス皿11を、手袋51をはめた手で掴
み、ヒータ50から前記のリセス皿固定治具21に移動
しその上面に載せる。レンズLbは、1個貼りリセス皿
11の余熱によって接着剤52が軟化している間に素早
くレンズ加工面L3 を吸着ペン55等により吸引しまた
は指で掴み1個貼りリセス皿11のリセス穴15からレ
ンズLbを剥がす。この際に1個貼りリセス皿11はリ
セス皿固定治具21の上面に真空吸引力によりしっかり
と保持されているために、レンズLbが剥がし易くなっ
ている。
【0029】以上のように、本実施例の真空吸引タイプ
のリセス皿固定治具を用いることにより、レンズの貼り
剥がしが容易で、しかも作業が素早くできるので、貼り
剥がし作業時の熱による指先の負担や作業の手間を極力
抑えることができる。
【0030】次に、1個貼り凹レンズの貼り剥がし時間
を例にとって、本実施例の真空吸引タイプのリセス皿固
定治具と従来のリセス皿固定治具(図13参照)との分
析結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】以上のように、本実施例の真空吸引タイプ
のリセス皿固定治具により、1皿当たりの年間貼り剥が
しの省力時間は2分で、月産3万個加工のレンズでは年
間で50時間の省力が可能になる。なお、本実施例では
真空吸引タイプのリセス皿固定治具で凹形状のレンズの
貼り剥がしの一例について説明したが、レンズの径が変
わっても、また凸形状のレンズであっても、同様になん
ら問題なく使用が可能である。
【0033】(実施例2)図2の(a)は、本発明の他
の実施例としての磁石タイプのリセス皿固定治具の構成
を示す斜視図であり、図2の(b)ないし(f)は、1
個貼りリセス皿に対するレンズの貼り剥がし作業を示す
概略図である。
【0034】図2の(a)に示すリセス皿固定治具25
は、磁石手段を備え、レバースイッチ26により磁力の
on、offが可能で、レンズの貼り剥がし時に、磁石
により1個貼りリセス皿を吸着して固定保持することが
できる構成となっている。
【0035】本実施例における1個貼りリセス皿11に
対するレンズの貼り剥がし作業を、凹レンズLbを例に
して、図2の(b)ないし(f)に図示する。本実施例
においては、1個貼りリセス皿11は加熱および冷却を
繰り返しても変形しにくい磁性体の材質で作製され、リ
セス皿固定治具25は、レバースイッチ26によって磁
力をonすることで、1個貼りリセス皿11を固定治具
上面に磁力によって吸着保持する。また、作業者は、同
様に火傷対策のため、手袋51をはめて貼り剥がし作業
を行う。本実施例においては、図2の(b)ないし
(f)に図示するように、前述した実施例1の真空吸引
タイプの固定治具とはリセス皿を保持する方式が異なる
けれども、作業手順は同様であるので省略する。
【0036】本実施例の磁石タイプのリセス皿固定治具
25においても、前述した実施例1の真空吸引タイプの
リセス皿固定治具21と同様に、レンズLbの貼り剥が
しが容易でしかも作業が素早くできるので、貼り剥がし
作業時の熱による指先の負担や、作業の手間を極力抑え
ることができる。
【0037】次に、1個貼り凹レンズの貼り剥がし時間
を例にとって、本実施例の磁石タイプのリセス皿固定治
具と従来のリセス皿固定治具(図13参照)との分析結
果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】以上のように、本実施例の磁石タイプのリ
セス皿固定治具により、1皿当たりの年間貼り剥がしの
省力時間は2分で、月産3万個加工のレンズでは年間で
50時間の省力が可能になる。なお、本実施例では磁石
タイプのリセス皿固定治具で凹形状のレンズの貼り剥が
しの一例について説明したが、レンズの径が変わって
も、また凸形状のレンズであっても、前述した実施例1
と同様になんら問題なく使用が可能である。
【0040】(実施例3)図3の(a)は、本発明の他
の実施例としての回転機能タイプのリセス皿固定治具の
構成を示す断面図であり、図3の(b)ないし(f)
は、多数個貼りリセス皿に対するレンズの貼り剥がし作
業を示す概略図である。
【0041】図3の(a)に示すリセス皿固定治具31
は、中央部に凹部34が設けられた固定治具本体部32
と、多数個貼りリセス皿1の軸部3を受け入れてリセス
皿1を保持することができる形状に形成されたリセス皿
受け台33とから構成され、リセス皿受け台33は、固
定治具本体部32の凹部34に挿入され、凹部34とリ
セス皿受け台33との間に配設したベアリング35によ
り、固定治具本体部32に対して回転し得るように構成
されている。また、多数個貼りリセス皿1においては、
その軸部3と基準面4はレンズの加工の際にレンズの精
度を決定する重要な役割をもっており、リセス皿1をリ
セス皿受け台33に装着する際には、保護布36を用い
て、軸部3や基準面4を保護するとともにリセス皿受け
台33に固定的に保持するようにする。また、多数個貼
りリセス皿1は加工する装置により異なるためリセス皿
1の軸部3の径も加工する装置に応じて異なるけれど
も、保護布36の充填量をコントロールすることによ
り、軸部3の径の違いに対応可能となっている。
【0042】以下に、図3の(b)ないし(f)を参照
し、多数個貼りリセス皿1と凸レンズLaを例にして、
レンズの貼り剥がし作業について説明する。
【0043】作業者は、火傷対策のため、手袋51をは
めて貼り剥がし作業を行う。先ず、レンズLaを貼り付
ける際には、多数個貼りリセス皿1をヒータ50の上に
置き、接着剤52が塗り易くかつレンズLが貼り易い所
定の温度に加熱する。所定の温度に達した多数個貼りリ
セス皿1を手袋51をはめた手で掴み(同図(b)参
照)、ヒータ50からリセス皿固定治具31へ移動させ
てそのリセス皿受け台33の中に挿入する(同図(c)
参照)。この挿入時、予めリセス受け台33内の入れて
おいた保護布36の弾性およびリセス皿受け台36とリ
セス皿1の軸部3の隙間充填によって、前述したレンズ
の精度を決定するのに重要な軸部3と基準面4の保護と
貼り剥がし時の安定化に重要なリセス皿1を確実に保持
することができる。
【0044】加熱された多数個貼りリセス皿1に接着剤
52を塗布するには、同図(c)に示すように、回転自
在なリセス皿受け台33あるいはリセス皿1を手で軽く
回転させながら、リセス皿1のリセス穴5の内輪帯部7
に接着剤52を均一に塗布する。そして、レンズLaの
貼りは、接着剤52が多数個貼りリセス皿1の余熱で軟
化している間に、多数個貼りリセス皿1を手で軽く回転
させながら、レンズLaを素早く貼り付け、レンズ裏面
2 が内輪帯部7全体に均一になるように押し付けてレ
ンズLaを貼り付ける(同図(d)参照)。この際に、
多数個貼りリセス皿1は、回転機能タイプのリセス皿固
定治具31のリセス皿受け台33にしっかりと保持され
ているため、自重の重い多数個貼りリセス皿1を支える
ための手の力がほとんど必要としない。その後、所定の
冷却時間を経過した多数個貼りリセス皿1に貼られたレ
ンズLaは、研削あるいは研磨加工により所望の球面精
度に加工される。
【0045】一方、研削あるいは研磨加工が終了したレ
ンズLaの剥がしは、同図(e)および(f)に示すよ
うに、多数個貼りリセス皿1を前記貼り付け時と同様の
ヒータ50の上に置き、貼り付け時に塗布した接着剤5
2が溶け出してレンズLaが剥がし易い所定の温度に加
熱し、所定の温度に達した多数個貼りリセス皿1を、手
袋51をはめた手で掴み、ヒータ50から回転機能タイ
プのリセス皿固定治具31に移動し、リセス皿1の軸部
3をリセス皿受け台33の中に貼り付け時と同様に保護
布36を介して挿入する。レンズLaは、リセス皿1の
余熱によって接着剤52が軟化している間に吸着ペン5
5等によりレンズ加工面L3 を吸引して素早くリセス皿
1のリセス穴5からレンズLaを剥がす。この際に、リ
セス皿1は、貼り付け時と同様に、回転機能タイプのリ
セス皿固定治具31のリセス皿受け台33にしっかりと
保持されているため、自重の重い多数個貼りリセス皿1
を支えるための手の力が殆ど必要としない。
【0046】以上のように、本実施例の回転機能タイプ
のリセス皿固定治具においても、レンズの貼り剥がしが
容易でしかも作業が素早くできるので、貼り剥がし作業
時の熱による指先の負担や作業の手間を極力抑えること
ができる。
【0047】次に、平均的な多数個貼り数の30個貼り
凸レンズの貼り剥がし時間を例にとって、本実施例の回
転機能タイプのリセス皿固定治具と従来のリセス皿固定
治具(図12参照)との分析結果を表3示す。
【0048】
【表3】
【0049】以上のように、本実施例の回転機能タイプ
のリセス皿固定治具により、平均的な貼り数30個貼り
の凸レンズの1皿当たりの年間貼り剥がしの省力時間は
1.2時間になり、月産5万個のレンズの年間省力時間
は100時間に及ぶ。なお、本実施例では、多数個貼り
のリセス皿で凸形状の30個貼りレンズの貼り剥がしの
一例について説明したが、レンズの貼り数やリセス皿の
径の大小を問わず、また、凹形状のリセス皿で凹形状の
レンズの貼り剥がしであっても、同様になんら問題なく
使用することができ、十分な対応が可能となる。
【0050】(実施例4)図4および図5は、それぞ
れ、本発明のさらに他の実施例としてのヒータ内蔵型の
真空吸引タイプと磁石タイプのリセス皿固定治具の構成
を示し、図4の(a)および(b)に図示するヒータ内
蔵型の真空吸引タイプのリセス皿固定治具21aは、前
述した実施例1で示した真空吸引タイプのリセス皿固定
治具21にヒータ28を内蔵するリセス皿固定治具であ
り、図5の(a)および(b)に図示するヒータ内蔵型
の磁石タイプのリセス皿固定治具25aは、前述した実
施例2で示した磁石タイプのリセス皿固定治具25にヒ
ータ28を内蔵するリセス皿固定治具である。これらの
リセス皿固定治具21a、25aは、ともにヒータ28
を内蔵するものであって、図4の(b)および図5の
(b)に示すように、リセス皿固定治具上でリセス皿を
加熱することができ、リセス皿11の加熱とレンズLa
(またはLb)の貼り剥がしを同じリセス皿固定治具上
で行うことを可能にするものであり、その間にリセス皿
11を移動させる作業を不要にする。
【0051】以下に、1個貼りリセス皿に対するレンズ
の貼り剥がし作業を凹レンズを例にして図4の(b)お
よび図5の(b)を用いて説明する。ヒータ内蔵型のリ
セス皿固定治具21a、25aの貼り作業は、前述した
実施例とは異なり、リセス皿固定治具21a、25a上
に1個貼りリセス皿11を載置してこれを内蔵するヒー
タ28で加熱する。この加熱に際しては、接着剤52が
塗り易くかつ凹レンズLbが貼り易い所定の温度に加熱
する。また、加熱しながら同時に接着剤52を塗布する
こともできる。そして、接着剤52を塗布した後に直ぐ
にレンズLbを貼り付けることができる。これにより、
リセス皿11を加熱した後にリセス皿11をリセス皿固
定治具21a、25a上に移動させる作業が不要になる
とともに、加熱しながら接着剤52を塗布し、その後に
直ぐにレンズLbの貼り付けができるため作業時間を大
幅に短縮することもできる。
【0052】一方、ヒータ内蔵型のリセス皿固定治具2
1a、25aの剥がし作業は、前述したように、ヒータ
28とリセス皿固定治具21a、25aとの間でのリセ
ス皿11の移動作業が不要になるので、レンズLbの研
削あるいは研磨加工が終了した1個貼りリセス皿11を
直接ヒータ内蔵型のリセス皿固定治具21a、25aの
上に載置し、接着剤52が溶け出してレンズLbが剥が
し易い所定の温度に加熱しながらリセス皿11のリセス
穴15からレンズLbを剥がすことができる。
【0053】以上のように、本実施例のヒータ内蔵型の
リセス皿固定治具21a、25aを用いることにより、
レンズLの貼り剥がしが容易でしかも作業が素早くでき
るので、貼り剥がし作業時の熱による指先の負担や作業
の手間を極力抑えることができる。
【0054】次に、1個貼り凹レンズの貼り剥がし時間
を例に、本実施例のヒータ内蔵型の磁石タイプおよび真
空吸着タイプのリセス固定治具と従来のリセス固定治具
との分析結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】以上のように、本実施例のヒータ内蔵型の
真空吸引タイプおよび磁石タイプのリセス皿固定治具に
より、1皿当たりの年間貼り剥がしの省力時間は4.4
分で、月産3万個加工のレンズでは年間で110時間の
省力が可能になる。なお、本実施例では、リセス皿固定
治具で凹形状のレンズの貼り剥がしの一例について説明
したが、レンズの径が変わっても、また凸形状のレンズ
であっても、前述と同様になんら問題なく使用が可能な
リセス皿固定治具である。
【0057】(実施例5)図6は本発明の他の実施例と
してのリセス皿冷却用の治具の構成を示す概略図であ
り、多数個貼りリセス皿を冷却する態様を示し、図7は
本発明の他の実施例としてのリセス皿冷却用の治具の構
成を示す概略図であり、1個貼りリセス皿を冷却する態
様を示す。
【0058】多数個貼りリセス皿1や1個貼りリセス皿
11においては、これらのリセス皿を加熱して接着剤を
塗布した後にレンズLを貼り付けるために、レンズの加
工前に接着剤を固化するために冷却する必要があるが、
この冷却には通常冷却用ファンにて冷却用風を当てて冷
却する強制冷却が行われている(図12の(d)および
図13の(d)参照)。しかしながら、レンズLの外周
部の肉厚が薄くなっている凸レンズや凸メニスカスレン
ズの貼り付けに際して、強制冷却を行うと、前述したよ
うに、リセス皿上で表層部にあるレンズおよび接着剤の
急冷却が進み、レンズは歪みを起こして変形したまま固
着保持されることとなり、このように変形が生じたまま
レンズを加工すると、研削あるいは研磨加工後に、リセ
ス皿からレンズを剥がすと、接着歪が開放されることに
より、レンズが歪曲現象を起こし、加工面に「クセ」や
「アス」と呼ばれるうねり形状が生じるという問題があ
った。そのため、レンズLの外周部の肉厚が薄くなって
いる凸レンズや凸メニスカスレンズの貼り付けでは、
「クセ」や「アス」と呼ばれるうねり形状の発生を回避
するために、自然放置による自然冷却が行われている。
ところで、図6に示すような多数個貼りリセス皿1にお
いて、例えば、材質が鋳物材で体積380〜400cm
3 のものを100℃から室温(26℃)まで強制冷却す
ると、図8に示すように、その冷却時間は40分〜60
分程度となるが、自然冷却では、冷却時間は200分〜
210分を要し、非効率的である。
【0059】そこで、本実施例においては、凸レンズや
凸メニスカスレンズ等の外周部の肉厚の薄いレンズを加
熱接着により貼り付けるリセス皿を冷却する際の問題点
を回避するとともに冷却時間の短縮を図るものである。
【0060】図6には、多数個貼りリセス皿1を冷却す
る態様を示し、多数個貼りリセス皿1を冷却するための
作業台(冷却台)41には、リセス皿1の軸部3を挿入
しうるように貫通穴42が設けられ、作業台41の下方
において、冷却ファン(不図示)にて冷却用風45を生
じさせるように構成されている。また、冷却用風45の
向きが外因(作業台41の支持部や空調等)にて変わ
り、冷却用風45がリセス皿1上のレンズLaに当たる
ことがあるため、リセス皿1を覆うことができる風避け
カバー43を設け、冷却用風45がリセス皿1に貼り付
けられているレンズLaに直接当たらない構造とする。
このように構成される冷却用の治具を用いることによ
り、レンズLaを加熱接着した多数個貼りリセス皿1
を、その軸部3が作業台41の貫通穴42に挿入するよ
うに、作業台41上に載置し、作業台41の下方でリセ
ス皿1の軸部3に冷却用風45を当ててリセス皿1を強
制冷却する。このように、加熱されたリセス皿1の一部
分を集中的に冷却して冷却時間の短縮を図ると同時にリ
セス皿1のレンズ面を冷却用風45から保護することが
できる。
【0061】図8には、体積380cm3 の鋳物で作製
された多数個貼りリセス皿1を100℃に加熱した後に
強制冷却、自然放置による冷却および本実施例による冷
却を行った場合の冷却時間の推移を示し、本実施例によ
る冷却では、自然冷却に比較し、約1/2の時間で室温
の26〜27℃に達している。さらに、レンズLaの形
状が図6に示すような凸レンズである場合、レンズの研
磨面に発生する「クセ」や「アス」は、本実施例による
冷却や自然放置による自然冷却の場合には発生しない
が、強制冷却の場合には約15%の発生率となってい
る。
【0062】また、図7には1個貼りリセス皿を冷却す
る態様を示す。1個貼りリセス皿の冷却においても、冷
却するための作業台41に貫通する貫通穴42を設け
て、該貫通穴42から1個貼りリセス皿11の一部分を
集中的に冷却する。これによって、1個貼りリセス皿1
1においても冷却時間の短縮を図ることができると同時
にリセス皿のレンズ面を冷却用風から保護し、レンズの
研磨面に発生する「クセ」や「アス」の発生を回避する
ことができる。
【0063】以上のように、本実施例では、リセス皿の
表層部のレンズや接着剤は、自然放置に近い形で冷却速
度が抑えられ、熱伝導性の鈍いリセス皿を強制冷却する
ことができ、リセス加工におけるリセス皿の冷却時間を
短縮するとともにリセス皿のレンズ面を冷却用風から保
護してレンズの接着歪み等の変形を確実に抑えることが
でき、所定の精度を確実に効率よく得ることができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一個のレンズまたは多数個のレンズをリセス皿に加熱接
着により貼り付けてから加工するリセス加工において、
加工前のレンズの貼り付けあるいは加工後のレンズの剥
がし作業を簡便にかつ正確に行うことができ、作業ロス
を最小限に抑えることができ、さらに、貼り剥がし作業
を安全に遂行することができるよう配慮され作業性に優
れたリセス皿固定治具を提供することができる。
【0065】また、リセス皿を冷却するための治具を用
いて凸レンズや凸メニスカスレンズが加熱接着されたリ
セス皿の一部分を集中的に冷却することにより、レンズ
のリセス加工におけるリセス皿の冷却時間を短縮すると
ともにリセス皿のレンズ面を冷却用風から保護してレン
ズの接着歪み等の変形を確実に抑えることができ、所定
の精度を確実に効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例としての真空吸引タ
イプのリセス皿固定治具の構成を示す斜視図であり、
(b)ないし(f)は1個貼りリセス皿に対するレンズ
の貼り剥がし作業を示す概略図である。
【図2】(a)は本発明の他の実施例としての磁石タイ
プのリセス皿固定治具の構成を示す斜視図であり、
(b)ないし(f)は1個貼りリセス皿に対するレンズ
の貼り剥がし作業を示す概略図である。
【図3】(a)は本発明の他の実施例としての回転機能
タイプのリセス皿固定治具の構成を示す断面図であり、
(b)ないし(f)は多数個貼りリセス皿に対するレン
ズの貼り剥がし作業を示す概略図である。
【図4】(a)は本発明の他の実施例としてのヒータ内
蔵型の真空吸引タイプのリセス皿固定治具の構成を示す
斜視図であり、(b)は1個貼りリセス皿に対するレン
ズの貼り剥がし作業を示す概略図である。
【図5】(a)は本発明の他の実施例としてのヒータ内
蔵型の磁石タイプのリセス皿固定治具の構成を示す斜視
図であり、(b)は1個貼りリセス皿に対するレンズの
貼り剥がし作業を示す概略図である。
【図6】本発明の他の実施例としてのリセス皿冷却用の
治具の構成を示す概略図であり、多数個貼りリセス皿を
冷却する態様を示す。
【図7】本発明の他の実施例としてのリセス皿冷却用の
治具の構成を示す概略図であり、多数個貼りリセス皿を
冷却する態様を示す。
【図8】多数個貼りリセス皿の冷却に際して、冷却方法
別のリセス皿温度推移を示す図表である。
【図9】(a)は多数個貼りリセス皿の上面図であり、
(b)は多数個貼りリセス皿の一部を破断して示す側面
図である。
【図10】(a)は1個貼りリセス皿の上面図であり、
(b)は1個貼りリセス皿の断面図である。
【図11】(a)は凸レンズを示し、(b)は凹レンズ
を示す。
【図12】従来の多数個貼りリセス皿に対するレンズの
貼り剥がし作業を示す概略図である。
【図13】従来の1個貼りリセス皿に対するレンズの貼
り剥がし作業を示す概略図である。
【符号の説明】
La 凸レンズ Lb 凹レンズ L1 レンズ外周部 L2 レンズ裏面 L3 レンズ加工面 1 多数個貼りリセス皿 2 レンズ保持面 3 軸部 4 基準面 5 リセス穴 6 外輪帯部 7 内輪帯部 9 排気孔 11 1個貼りリセス皿 15 リセス穴 16 外輪帯部 17 内輪帯部 19 排気孔 21 (真空吸引タイプ)リセス皿固定治具 21a ヒータ内蔵型(真空吸引タイプ)リセス皿固
定治具 22(22a) 吸引孔 24(24a) バキュームポンプ 25 (磁石タイプ)リセス皿固定治具 25a ヒータ内蔵型(磁石タイプ)リセス皿固定治
具 26(26a) レバースイッチ 28 (内蔵)ヒータ 31 (回転機能タイプ)リセス皿固定治具 32 本体部 33 リセス皿受け台 34 凹部 35 ベアリング 36 保護布 41 (冷却用)作業台 42 貫通穴 43 風避けカバー 45 冷却用風 50 ヒータ 51 手袋 52 接着剤 55 吸着ペン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 敦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3C016 DA01 DA15 3C049 AA02 AB05 CA01 CB04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個または多数個の光学素子をリセス皿
    に加熱接着し、前記光学素子を研削あるいは研磨工具に
    押し付けて相対運動させることにより前記光学素子を研
    削あるいは研磨加工するリセス加工において用いるリセ
    ス皿の取り扱い治具において、加工前の光学素子の貼り
    付けおよび加工後の光学素子の剥がしに際してリセス皿
    を固定し保持する治具が、真空吸引力によりリセス皿を
    吸着する真空吸引手段または磁力によりリセス皿を吸着
    する磁石手段を備えていることを特徴とするリセス皿取
    り扱い治具。
  2. 【請求項2】 前記リセス皿を固定し保持する治具が、
    リセス皿を直接加熱することができるヒータを内蔵して
    いることを特徴とする請求項1記載のリセス皿取り扱い
    治具。
  3. 【請求項3】 1個または多数個の光学素子をリセス皿
    に加熱接着し、前記光学素子を研削あるいは研磨工具に
    押し付けて相対運動させることにより前記光学素子を研
    削あるいは研磨加工するリセス加工において用いるリセ
    ス皿の取り扱い治具において、加工前の光学素子の貼り
    付けおよび加工後の光学素子の剥がしに際してリセス皿
    を固定し保持する治具が、リセス皿を回転自在に保持す
    る手段を備えていることを特徴とするリセス皿取り扱い
    治具。
  4. 【請求項4】 前記リセス皿を回転自在に保持する手段
    は、リセス皿の軸部を受け入れるリセス皿受け台と該リ
    セス皿受け台を回転可能に支持する本体部とを備えてい
    ることを特徴とする請求項3記載のリセス皿取り扱い治
    具。
  5. 【請求項5】 1個または多数個の光学素子をリセス皿
    に加熱接着し、前記光学素子を研削あるいは研磨工具に
    押し付けて相対運動させることにより前記光学素子を研
    削あるいは研磨加工するリセス加工において用いるリセ
    ス皿の取り扱い治具において、光学素子を加熱接着した
    リセス皿を冷却するための治具は、リセス皿を載置する
    冷却台にリセス皿の一部分に冷却用風を当てることがで
    きる貫通穴が形成されており、前記貫通穴を介してリセ
    ス皿の一部分に冷却用風を当ててリセス皿を冷却するよ
    うに構成されていることを特徴とするリセス皿取り扱い
    治具。
  6. 【請求項6】 前記冷却台の貫通穴にリセス皿の軸部を
    挿入して、該軸部に冷却用風を当ててリセス皿を冷却す
    ることを特徴とする請求項5記載のリセス皿取り扱い治
    具。
  7. 【請求項7】 光学素子を加熱接着したリセス皿を冷却
    するための治具は、前記冷却台上に前記リセス皿を上部
    から蓋をする風避けカバーを備えていることを特徴とす
    る請求項5または6記載のリセス皿取り扱い治具。
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