JP2000158334A - 作業用トレー及び研削方法 - Google Patents

作業用トレー及び研削方法

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JP2000158334A
JP2000158334A JP33936598A JP33936598A JP2000158334A JP 2000158334 A JP2000158334 A JP 2000158334A JP 33936598 A JP33936598 A JP 33936598A JP 33936598 A JP33936598 A JP 33936598A JP 2000158334 A JP2000158334 A JP 2000158334A
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elastic pad
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一尚 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウェーハ等の被加工物を研削する場合
において、被加工物の保持状態を安定させることによ
り、研削、搬送を安定的に行うと共に、被加工物の品質
を低下させないようにする。 【解決手段】 無数の気孔が少なくとも表面に形成され
弾性による復元力と密着性とで押圧した際に気孔が潰れ
負圧が生じて吸着力を有する所定の厚さからなる弾性パ
ッド12とこの弾性パッドを固定する硬質基台11とか
ら構成される作業用トレー10に被加工物を保持して研
削を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハ等
の被加工物を研削する際に被加工物を保持する保持部材
と、それを用いて被加工物の研削を行う研削方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、表面に複数のLSI等が形成さ
れた半導体ウェーハは、放熱性を良くするために、また
は、薄型化のために、個々のペレットに分割される前に
裏面が研削されて所定の厚さとなる。
【0003】このような研削は、図9に示すように、チ
ャックテーブル40に保持された半導体ウェーハ41の
裏面42に対し、研削手段43が回転しながらその下端
に配設された研削砥石44が接触することにより行われ
るが、半導体ウェーハ41の表面45に傷が付くのを防
止するために、図示したように保持テープ46が貼着さ
れる。即ち、半導体ウェーハ41の表面45が直接チャ
ックテーブル40に保持されるのではなく、表面45に
貼着された保持テープ46がチャックテーブル40に保
持されることにより、回路が形成された表面45が保護
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、研削に
より、半導体ウェーハ41の厚さが例えば数十μmと薄
くなると、紙のようにペラペラの状態になって保持テー
プ46の剛性では半導体ウェーハ41を安定的に保持す
ることができず、全体に撓みが生じて不安定な状態とな
り、研削及びその後の搬送に支障が生じるという問題が
ある。
【0005】また、保持テープ46には粘着層が形成さ
れており、粘着剤が個々のペレットの表面に付着して品
質の低下を招くという問題もある。更に、剥離した後の
保持テープ46は、粘着力が低下するため再利用されず
廃棄されることになって不経済であると共に、自然環境
を汚染するという問題もある。このような問題点は、半
導体ウェーハの研削において特に顕著であるが、半導体
ウェーハだけでなく、他の被加工物を研削する際にも同
様に発生しうる。
【0006】このように、被加工物、特に半導体ウェー
ハの研削においては、被加工物の保持状態を安定させる
ことにより、研削、搬送時の支障を生じなくすると共
に、被加工物の品質を低下させず、自然環境を汚染しな
いようにすることに解決すべき課題を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の具体的手段として本発明は、無数の気孔が少なくとも
表面に形成され弾性による復元力と密着性とで押圧した
際に気孔が潰れ負圧が生じて吸着力を有する所定の厚さ
からなる弾性パッドと、該弾性パッドを固定する硬質基
台とから構成される作業用トレーを提供するものであ
る。
【0008】そして、硬質基台には、弾性パッドにエア
ーを供給し被加工物を開放するためのエアー供給孔が形
成されること、弾性パッドに被加工物が押圧され、被加
工物が保持されることを付加的要件とするものである。
【0009】また本発明は、無数の気孔が少なくとも表
面に形成され弾性による復元力と密着性とで押圧した際
に気孔が潰れ負圧が生じて吸着力を有する所定の厚さか
らなる弾性パッドと該弾性パッドを固定する硬質基台と
から構成された作業用トレーに半導体ウェーハを押圧し
吸着させる工程と、研削装置のチャックテーブルに半導
体ウェーハが吸着された作業用トレーを載置する工程
と、チャックテーブルに対峙して配設されている研削手
段によって半導体ウェーハを所定の厚さに研削する工程
と、研削が終了した後、半導体ウェーハから作業用トレ
ーを離脱させる工程とから少なくとも構成される研削方
法を提供する。
【0010】そして、半導体ウェーハから離脱した作業
用トレーに次に研削すべき半導体ウェーハが吸着され、
作業用トレーが再利用されることを付加的要件とする。
【0011】本発明に係る作業用トレー及び研削方法に
よれば、被加工物が極めて薄くなった場合にも安定的に
保持される。また、従来使用していた保持テープを使用
しないため、被加工物に粘着剤が付着することがないと
共に、保持テープを廃棄せずに済む。更に、作業用トレ
ーは何回でも使用することができるため、ひとつの作業
用トレーを用いていくつもの被加工物を研削することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、半導
体ウェーハの研削時に用いる作業用トレー及びそれを用
いた研削方法について説明する。
【0013】図1は、本発明に係る作業用トレー10を
示しており、この作業用トレー10は、硬質基台11と
弾性パッド12とが一体となった構成になっている。
【0014】硬質基台11は、図2に示すように、例え
ばアルミニウム、プラスチック等の硬質部材からなり、
数mm程度の厚みを有して撓むことがないよう構成さ
れ、表面に開口する複数のエアー供給孔13を備えてい
る。なお、図1の例においては硬質基台11は円形に形
成されているが、被加工物の形状に合わせた形状とする
のが望ましい。
【0015】一方、弾性パッド12は、図3において誇
張して示すように、無数の気孔14が少なくとも表面1
5に形成され、合成樹脂等の弾性のある部材により硬質
基台11の形状に対応した形状に形成されている。ま
た、隣り合う気孔と気孔との間には、幅が数十μm程度
の隙間16が形成され、ここをエアーが流通可能となっ
ている。このような弾性パッド13は、例えば、ダース
ボンド社から提供されており、また、その厚さは被加工
物の性質を考慮して決められるが、500μm前後が好
ましい。なお、弾性パッド13には粘着層は形成されて
いない。
【0016】このように硬質基台11と弾性パッド12
とが一体となった作業用トレー10に半導体ウェーハを
保持させて、例えば裏面の研削を行うときは、図4に示
すように、弾性パッド12の上に裏面側21を上にして
半導体ウェーハ20を載置して上方から押圧する。する
と、図3に示した気孔14がつぶれ、押圧を解除する
と、弾性パッド12が有する弾性による復元力と密着性
とによって気孔14に負圧が生じ、この負圧が吸引力と
なって表面15において半導体ウェーハ20の表面を吸
引し、図5に示すように、弾性パッド12と半導体ウェ
ーハ20とが一体となる。
【0017】このとき、両者は密着していて吸着力は安
定しており、時間が経過しても弱まることがなく、半導
体ウェーハ20の裏面21を研削する際も両者の一体性
は維持される。このように、弾性パッド12に半導体ウ
ェーハ20の表面を押圧するだけで容易かつ強固に半導
体ウェーハ20を保持することができる。
【0018】こうして作業用トレー10に保持された半
導体ウェーハ20は、例えば、図6に示す研削装置22
に搬送されてその裏面が研削される。
【0019】図6に示す研削装置22においては、作業
用トレー10に保持された半導体ウェーハ20は、ま
ず、カセット23に複数段にわたって収容され、ウェー
ハ搬送装置24によって一枚ずつ取り出される。
【0020】ウェーハ搬送装置24は、図7において拡
大して示すように、半導体ウェーハ20を保持した作業
用トレー10を保持するトレー保持部25と、所要角度
旋回可能な二本のアームからなる進退アーム26と、進
退アーム26を旋回させる旋回手段27と、旋回手段2
7を上下動させる上下動手段28とから構成され、図示
したように、トレー保持部25に作業用トレー10を載
置して進退アーム26が旋回すると共に、旋回手段27
が上下動することにより、半導体ウェーハ20を保持し
た作業用トレー10がカセット23から取り出されてチ
ャックテーブル29に搬送され、吸引保持される。
【0021】そして、チャックテーブル29に保持され
た作業用トレー10は、ターンテーブル30の回転によ
り研削手段31の直下に位置付けられる。研削手段31
においては、回転可能なスピンドル32の先端部にマウ
ンタ33を介して研削砥石34が装着されており、スピ
ンドル32の回転に伴って研削砥石34が回転すると共
に、研削手段31が下降することにより半導体ウェーハ
20の裏面21が研削され、ここでは例えば粗仕上げが
行われる。このとき、半導体ウェーハ20は剛性の高い
作業用トレー10に保持されているので、半導体ウェー
ハ20がかなり薄くなっていたとしても支持状態は安定
している。従って、研削を精密かつ円滑に行うことがで
きる。
【0022】次に、更にターンテーブル30が所要角度
回転することにより半導体ウェーハ20が研削手段35
の直下に位置付けられ、上記と同様にして研削が行わ
れ、ここでは例えば鏡面仕上げがなされる。ここでも上
記と同様に、半導体ウェーハ20は剛性の高い作業用ト
レー10に保持されているので、半導体ウェーハ20が
かなり薄くなっていたとしても支持状態は安定してお
り、研削を精密かつ円滑に行うことができる。
【0023】このようにして半導体ウェーハ20の研削
が終了すると、ターンテーブル30が更に回転し、図8
にその内部構造を示すウェーハ搬送アーム36において
吸引孔37から吸引作用が施されて半導体ウェーハ20
が吸着されると共に、ウェーハ搬送アーム36が旋回す
ることによりスピンナー洗浄乾燥装置38に位置付けら
れ、ここでスピンナー洗浄、乾燥が行われる。そして、
乾燥後の半導体ウェーハ20を保持した作業用トレー1
0は、ウェーハ搬送装置24のトレー保持部25に保持
されてカセット39に収容される。
【0024】このとき、研削後の半導体ウェーハ20
は、厚さが例えば数十μmと極めて薄くなっている場合
もあるが、硬質基台11を有する作業用トレー10に保
持されているので、カセット39への収容にも不都合が
生じることがない。また、カセット39に収容された半
導体ウェーハ20は、作業用トレー10に保持されたま
まの状態で以降の工程に搬送すれば、搬送時に支障が生
じることもない。
【0025】なお、本実施の形態においては、カセット
23から半導体ウェーハを搬出し、研削後の半導体ウェ
ーハをカセット39内に搬入する場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、例えば、作業用ト
レー10に対する半導体ウェーハの着脱を適宜行う手段
を設け、作業用トレー10が研削装置を循環するように
構成してもよい。
【0026】半導体ウェーハ20から作業用トレー10
を離脱させるときは、図3に示した硬質基台11のエア
ー供給孔13に高圧エアーを供給する。すると、供給さ
れたエアーは、隙間16を通って気孔14に入り込み、
これによって吸着力が弱まって作業用トレー10を半導
体ウェーハ20から容易に離脱させることができる。
【0027】なお、研削される半導体ウェーハ20が、
CSP(Chip Scale Package)等に対応したものである
場合は、その表面にバンプと呼ばれる突起が形成されて
おり、このバンプが原因で研削時の研削手段31、35
からの押圧力により半導体ウェーハ20が割れてしまう
こともあり得るが、本発明のように弾性パッド12を用
いて半導体ウェーハ20を保持した場合には、弾性パッ
ド12にバンプが埋没するため、半導体ウェーハ20が
割れることがない。
【0028】このように、本発明に係る作業用トレーを
用いて半導体ウェーハを保持して研削を行う場合には、
従来使用していたような保持テープが不要となるため、
半導体ウェーハ20に粘着剤が付着して品質を低下させ
るといったことがない。
【0029】また、半導体ウェーハ20が離脱した後の
弾性パッド12は、気孔14が元の形状に戻っていて吸
着力も低下しないため、何回でも再利用することができ
る。即ち、一枚の弾性パッド12を使用して何枚もの半
導体ウェーハを研削することができるため、一枚の半導
体ウェーハごとにそれぞれ保持テープを貼着し、研削後
はそれらを再利用せずに廃棄していた従来の方法と比べ
ると、極めて経済的である。また、保持テープを使用し
ないため、保持テープを廃棄せずに済み、自然環境の汚
染を減少させることができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る作業
用トレー及び研削方法によれば、被加工物が薄くなった
場合にも安定的に保持されるため、研削、搬送に何ら支
障が生じることがない。
【0031】また、従来使用していた保持テープを使用
しないため、被加工物に粘着剤が付着することがなく、
被加工物の品質の低下を招くことがないと共に、保持テ
ープを廃棄せずに済むため、自然環境の汚染を大幅に低
減することができる。
【0032】更に、作業用トレーは何回でも使用するこ
とができるため、ひとつの作業用トレーでいくつもの被
加工物を研削することができ、何回でも再利用できて経
済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業用トレーの一例を示す斜視図
である。
【図2】同作業用トレーを示す分解斜視図である。
【図3】同作業用トレーを構成する弾性パッドの内部構
造を示す断面図である。
【図4】同作業用トレーに半導体ウェーハを保持させる
様子を示す斜視図である。
【図5】同作業用トレーに半導体ウェーハが保持された
状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る研削方法に使用される研削装置の
一例を示す斜視図である。
【図7】同研削装置を構成するウェーハ搬送装置を示す
斜視図である。
【図8】同研削装置を構成するウェーハ搬送アームの内
部構造を示す断面図である。
【図9】従来の研削方法により半導体ウェーハを研削す
る様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10……作業用トレー 11……硬質基台 12……弾
性パッド 13……エアー供給孔 14……気孔 15……表面
16……隙間 20……半導体ウェーハ 21……裏面 22……研削
装置 23……カセット 24……ウェーハ搬送装置 25……トレー保持部 2
6……進退アーム 27……旋回手段 28……上下動手段 29……チャ
ックテーブル 30……ターンテーブル 31……研削手段 32……
スピンドル 33……マウンタ 34……研削砥石 35……研削手
段 36……ウェーハ搬送アーム 37……吸引孔 38……スピンナー洗浄乾燥装置 39……カセット 40……チャックテーブル 41……半導体ウェーハ
42……裏面 43……研削手段 44……研削砥石 45……表面
46……保護テープ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無数の気孔が少なくとも表面に形成され
    弾性による復元力と密着性とで押圧した際に気孔が潰れ
    負圧が生じて吸着力を有する所定の厚さからなる弾性パ
    ッドと、該弾性パッドを固定する硬質基台とから構成さ
    れる作業用トレー。
  2. 【請求項2】 硬質基台には、弾性パッドにエアーを供
    給し被加工物を開放するためのエアー供給孔が形成され
    る請求項1に記載の作業用トレー。
  3. 【請求項3】 弾性パッドに被加工物が押圧され、該被
    加工物が保持される請求項1または2に記載の作業用ト
    レー。
  4. 【請求項4】 無数の気孔が少なくとも表面に形成され
    弾性による復元力と密着性とで押圧した際に気孔が潰れ
    負圧が生じて吸着力を有する所定の厚さからなる弾性パ
    ッドと該弾性パッドを固定する硬質基台とから構成され
    た作業用トレーに半導体ウェーハを押圧し吸着させる工
    程と、 研削装置のチャックテーブルに該半導体ウェーハが吸着
    された作業用トレーを載置する工程と、 該チャックテーブルに対峙して配設されている研削手段
    によって該半導体ウェーハを所定の厚さに研削する工程
    と、 研削が終了した後、該半導体ウェーハから作業用トレー
    を離脱させる工程とから少なくとも構成される研削方
    法。
  5. 【請求項5】 半導体ウェーハから離脱した作業用トレ
    ーに次に研削すべき半導体ウェーハが吸着され、該作業
    用トレーが再利用される請求項4に記載の研削方法。
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