JP2002192163A - 急速ろ過浄水方法 - Google Patents
急速ろ過浄水方法Info
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- JP2002192163A JP2002192163A JP2000400499A JP2000400499A JP2002192163A JP 2002192163 A JP2002192163 A JP 2002192163A JP 2000400499 A JP2000400499 A JP 2000400499A JP 2000400499 A JP2000400499 A JP 2000400499A JP 2002192163 A JP2002192163 A JP 2002192163A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 凝集剤由来の残留物質の低減、ろ過損失水頭
の急激な上昇の抑制および汚泥発生量の低減を達成す
る。 【解決手段】 原水に対して凝集剤注入、急速撹拌、緩
速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理を施して浄水する急速
ろ過浄水方法において、急速攪拌G値を300S - 1以上
とする。 【効果】 凝集剤が有効に機能するようになり、凝集剤
由来の残留物質が減り、ろ材の目詰まりが抑制され、ろ
過損失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過剰な凝
集剤も減り、汚泥発生量も低減できる。
の急激な上昇の抑制および汚泥発生量の低減を達成す
る。 【解決手段】 原水に対して凝集剤注入、急速撹拌、緩
速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理を施して浄水する急速
ろ過浄水方法において、急速攪拌G値を300S - 1以上
とする。 【効果】 凝集剤が有効に機能するようになり、凝集剤
由来の残留物質が減り、ろ材の目詰まりが抑制され、ろ
過損失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過剰な凝
集剤も減り、汚泥発生量も低減できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、急速ろ過浄水方法
に関し、さらに詳しくは、凝集剤由来の残留物質の低
減、ろ過損失水頭の急激な上昇の抑制および汚泥発生量
の低減を達成できる急速ろ過浄水方法に関する。
に関し、さらに詳しくは、凝集剤由来の残留物質の低
減、ろ過損失水頭の急激な上昇の抑制および汚泥発生量
の低減を達成できる急速ろ過浄水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下水、河川水或いは湖沼水等を原水と
する浄水施設においては、原水中に含まれる濁度、色
度、有機物、細菌類等の不純物を図8に示すプロセスで
除去している。このプロセスによる浄水方法を急速ろ過
浄水方法と言う。
する浄水施設においては、原水中に含まれる濁度、色
度、有機物、細菌類等の不純物を図8に示すプロセスで
除去している。このプロセスによる浄水方法を急速ろ過
浄水方法と言う。
【0003】図8に示すプロセスでは、原水を急速撹拌
池に導入し、ここに凝集剤を注入し(S1)、撹拌翼を
回転させることにより急速撹拌する(S2)。これによ
り、凝集剤が原水に急速混和し、原水中の濁度成分が微
細フロック化される。次いで、急速撹拌処理水を緩速撹
拌池に導き、前記急速撹拌よりも低速で撹拌翼を回転さ
せることにより緩速撹拌する(S3)。これにより、時
間をかけて、微細フロックを大きなフロックに成長させ
る。次いで、緩速撹拌処理水を沈殿池に導き、フロック
を沈殿させ(S4)、分離除去する。次いで、沈殿処理
水(沈殿槽の上澄水)を砂ろ過池或いは透過膜に導き、
急速ろ過し(S5)、残留している微細フロック等を除
去する。そして、ろ過処理水に塩素を添加し(S6)、
消毒して上水とする。
池に導入し、ここに凝集剤を注入し(S1)、撹拌翼を
回転させることにより急速撹拌する(S2)。これによ
り、凝集剤が原水に急速混和し、原水中の濁度成分が微
細フロック化される。次いで、急速撹拌処理水を緩速撹
拌池に導き、前記急速撹拌よりも低速で撹拌翼を回転さ
せることにより緩速撹拌する(S3)。これにより、時
間をかけて、微細フロックを大きなフロックに成長させ
る。次いで、緩速撹拌処理水を沈殿池に導き、フロック
を沈殿させ(S4)、分離除去する。次いで、沈殿処理
水(沈殿槽の上澄水)を砂ろ過池或いは透過膜に導き、
急速ろ過し(S5)、残留している微細フロック等を除
去する。そして、ろ過処理水に塩素を添加し(S6)、
消毒して上水とする。
【0004】前記凝集剤としては、特公平4−7579
6号公報および特許第2732067号公報に開示され
た鉄と無機アニオンポリマーである重合ケイ酸(シリ
カ)とを組み合わせた鉄−シリカ無機高分子凝集剤(以
下、PSIと云う)やポリ塩化アルミニウム凝集剤(以
下、PACと云う)が知られている。PSIは、鉄によ
る荷電中和能力とシリカによる架橋作用とを高いレベル
で調和させたものであり、フロック形成速度やフロック
粒径がPACの2倍程度となり、沈殿効率を大幅に向上
させる。
6号公報および特許第2732067号公報に開示され
た鉄と無機アニオンポリマーである重合ケイ酸(シリ
カ)とを組み合わせた鉄−シリカ無機高分子凝集剤(以
下、PSIと云う)やポリ塩化アルミニウム凝集剤(以
下、PACと云う)が知られている。PSIは、鉄によ
る荷電中和能力とシリカによる架橋作用とを高いレベル
で調和させたものであり、フロック形成速度やフロック
粒径がPACの2倍程度となり、沈殿効率を大幅に向上
させる。
【0005】前記急速攪拌操作(S2)における急速攪
拌G値は、凝集剤の種類を問わず、100S - 1程度で
ある。ここでG値とは、撹拌強度を示す指標である。具
体的には、次式で示すように、撹拌翼のエネルギー消費
率ε0(erg/cm3・sec)を水の粘性係数μで除した値
の平方根であり、単位はS - 1(l/sec)である。 G=√(ε0/μ)
拌G値は、凝集剤の種類を問わず、100S - 1程度で
ある。ここでG値とは、撹拌強度を示す指標である。具
体的には、次式で示すように、撹拌翼のエネルギー消費
率ε0(erg/cm3・sec)を水の粘性係数μで除した値
の平方根であり、単位はS - 1(l/sec)である。 G=√(ε0/μ)
【0006】また、上記急速攪拌操作(S2)における
急速攪拌時間は、1〜5分間であった。
急速攪拌時間は、1〜5分間であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の急速ろ過浄水方
法では、次のような問題点があった。 (1) 凝集剤に由来する物質が沈殿処理水中に多量に
残留し、これが急速ろ過処理(S5)でろ材に捕捉さ
れ、砂ろ過池或いは透過膜が目詰まりを起こし、短時間
でろ過損失水頭が上昇し、ろ過継続時間が減少する不具
合が発生していた。特に凝集剤としてPSIを用いた場
合、シリカが沈殿処理水中に多量に残留し、このシリカ
が急速ろ過処理(S5)のろ材の目詰まりを起こし、短
時間でろ過損失水頭を上昇させる不具合が発生してい
た。 (2) 濁度成分の除去率を向上させるために凝集剤が
多量に注入される場合があり、過剰な凝集剤が沈殿処理
(S5)での汚泥発生量の増加を招いていた。
法では、次のような問題点があった。 (1) 凝集剤に由来する物質が沈殿処理水中に多量に
残留し、これが急速ろ過処理(S5)でろ材に捕捉さ
れ、砂ろ過池或いは透過膜が目詰まりを起こし、短時間
でろ過損失水頭が上昇し、ろ過継続時間が減少する不具
合が発生していた。特に凝集剤としてPSIを用いた場
合、シリカが沈殿処理水中に多量に残留し、このシリカ
が急速ろ過処理(S5)のろ材の目詰まりを起こし、短
時間でろ過損失水頭を上昇させる不具合が発生してい
た。 (2) 濁度成分の除去率を向上させるために凝集剤が
多量に注入される場合があり、過剰な凝集剤が沈殿処理
(S5)での汚泥発生量の増加を招いていた。
【0008】そこで、本発明の目的は、凝集剤由来の残
留物質の低減、ろ過損失水頭の急激な上昇の抑制および
汚泥発生量の低減を達成できる急速ろ過浄水方法を提供
することにある。
留物質の低減、ろ過損失水頭の急激な上昇の抑制および
汚泥発生量の低減を達成できる急速ろ過浄水方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、地下水、河川水或いは湖沼水等の原水に対して凝集
剤注入、急速撹拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理
を施して浄水する急速ろ過浄水方法において、急速攪拌
G値を300S - 1以上としたことを特徴とする急速ろ
過浄水方法を提供する。上記第1の観点による急速ろ過
浄水方法では、急速攪拌G値を300S - 1以上とし
た。これにより、凝集剤が有効に機能するようになり、
凝集剤由来の残留物質が減り、ろ材の目詰まりが抑制さ
れ、ろ過損失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過
剰な凝集剤も減り、汚泥発生量も低減できる。
は、地下水、河川水或いは湖沼水等の原水に対して凝集
剤注入、急速撹拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理
を施して浄水する急速ろ過浄水方法において、急速攪拌
G値を300S - 1以上としたことを特徴とする急速ろ
過浄水方法を提供する。上記第1の観点による急速ろ過
浄水方法では、急速攪拌G値を300S - 1以上とし
た。これにより、凝集剤が有効に機能するようになり、
凝集剤由来の残留物質が減り、ろ材の目詰まりが抑制さ
れ、ろ過損失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過
剰な凝集剤も減り、汚泥発生量も低減できる。
【0010】第2の観点では、本発明は、地下水、河川
水或いは湖沼水等の原水に対して凝集剤注入、急速撹
拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理を施して浄水す
る急速ろ過浄水方法において、凝集剤として鉄シリカ系
無機高分子凝集剤を用いた場合の急速攪拌G値を650
〜1000S - 1としたことを特徴とする急速ろ過浄水
方法を提供する。上記第2の観点による急速ろ過浄水方
法では、急速攪拌G値を650〜1000S - 1とし
た。これにより、鉄シリカ系無機高分子凝集剤(PS
I)が有効に機能するようになり、沈殿処理水中に残留
するシリカが減り、ろ材の目詰まりが抑制され、ろ過損
失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過剰な凝集剤
も減り、汚泥発生量も低減できる。
水或いは湖沼水等の原水に対して凝集剤注入、急速撹
拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理を施して浄水す
る急速ろ過浄水方法において、凝集剤として鉄シリカ系
無機高分子凝集剤を用いた場合の急速攪拌G値を650
〜1000S - 1としたことを特徴とする急速ろ過浄水
方法を提供する。上記第2の観点による急速ろ過浄水方
法では、急速攪拌G値を650〜1000S - 1とし
た。これにより、鉄シリカ系無機高分子凝集剤(PS
I)が有効に機能するようになり、沈殿処理水中に残留
するシリカが減り、ろ材の目詰まりが抑制され、ろ過損
失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過剰な凝集剤
も減り、汚泥発生量も低減できる。
【0011】第3の観点では、本発明は、地下水、河川
水或いは湖沼水等の原水に対して凝集剤注入、急速撹
拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理を施して浄水す
る急速ろ過浄水方法において、凝集剤としてポリ塩化ア
ルミニウム凝集剤を用いた場合の急速攪拌G値を300
〜1000S - 1としたことを特徴とする急速ろ過浄水
方法を提供する。上記第3の観点による急速ろ過浄水方
法では、急速攪拌G値を300〜1000S - 1とし
た。これにより、ポリ塩化アルミニウム凝集剤(PA
C)が有効に機能するようになり、沈殿処理水中に残留
するアルミニウムが減り、ろ材の目詰まりが抑制され、
ろ過損失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過剰な
凝集剤も減り、汚泥発生量も低減できる。
水或いは湖沼水等の原水に対して凝集剤注入、急速撹
拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ過の各処理を施して浄水す
る急速ろ過浄水方法において、凝集剤としてポリ塩化ア
ルミニウム凝集剤を用いた場合の急速攪拌G値を300
〜1000S - 1としたことを特徴とする急速ろ過浄水
方法を提供する。上記第3の観点による急速ろ過浄水方
法では、急速攪拌G値を300〜1000S - 1とし
た。これにより、ポリ塩化アルミニウム凝集剤(PA
C)が有効に機能するようになり、沈殿処理水中に残留
するアルミニウムが減り、ろ材の目詰まりが抑制され、
ろ過損失水頭の急激な上昇が抑制される。また、過剰な
凝集剤も減り、汚泥発生量も低減できる。
【0012】第4の観点では、本発明は、上記構成の急
速ろ過浄水方法において、急速攪拌時間を5分間以上と
したことを特徴とする急速ろ過浄水方法を提供する。上
記第4の観点による急速ろ過浄水方法では、急速攪拌時
間を5分間以上とした。これにより、凝集剤が有効に機
能するようになり、凝集剤由来の残留物質が減り、ろ材
の目詰まりが抑制され、ろ過損失水頭の急激な上昇が抑
制される。また、過剰な凝集剤も減り、汚泥発生量も低
減できる。
速ろ過浄水方法において、急速攪拌時間を5分間以上と
したことを特徴とする急速ろ過浄水方法を提供する。上
記第4の観点による急速ろ過浄水方法では、急速攪拌時
間を5分間以上とした。これにより、凝集剤が有効に機
能するようになり、凝集剤由来の残留物質が減り、ろ材
の目詰まりが抑制され、ろ過損失水頭の急激な上昇が抑
制される。また、過剰な凝集剤も減り、汚泥発生量も低
減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、これにより本発明が限定されるものではな
い。
する。なお、これにより本発明が限定されるものではな
い。
【0014】−第1実施形態− 原水として河川表流水(濁度7.64度、色度18.1
度、水温15.2℃)を用いた。凝集剤としてPSI−
1(モル比Fe:Si=1:1)、PSI−3(モル比
Fe:Si=1:3)およびPACの3種類を用い、注
入モル濃度で0.13mmol-metal/Lとなるように注入
した。急速攪拌G値は、60,150,300,65
0,1000S - 1の5条件とした。急速攪拌時間は、
5分間とした。また、緩速攪拌G値は20S - 1、緩速
攪拌時間は10分間、沈降時間は40分間とした。ま
た、各沈殿処理水に対して、0.45μmメンブランフ
ィルターで吸引ろ過抵抗試験を行った。
度、水温15.2℃)を用いた。凝集剤としてPSI−
1(モル比Fe:Si=1:1)、PSI−3(モル比
Fe:Si=1:3)およびPACの3種類を用い、注
入モル濃度で0.13mmol-metal/Lとなるように注入
した。急速攪拌G値は、60,150,300,65
0,1000S - 1の5条件とした。急速攪拌時間は、
5分間とした。また、緩速攪拌G値は20S - 1、緩速
攪拌時間は10分間、沈降時間は40分間とした。ま
た、各沈殿処理水に対して、0.45μmメンブランフ
ィルターで吸引ろ過抵抗試験を行った。
【0015】図1の第1表に、各沈殿処理水の水質の測
定結果を示す。第1表より明らかな通り、急速撹拌G値
を150S - 1以上に高めることにより、沈殿処理水の
濁度および色度の除去効果が向上した。また、沈殿処理
水中に残存する凝集剤由来の鉄およびシリカも低減でき
た。特に、PSIの場合は、急速撹拌G値が650〜1
000S - 1において最も高い効果を得られた。また、
PACの場合は、急速撹拌G値が150〜300S - 1
において最も高い効果を得られた。
定結果を示す。第1表より明らかな通り、急速撹拌G値
を150S - 1以上に高めることにより、沈殿処理水の
濁度および色度の除去効果が向上した。また、沈殿処理
水中に残存する凝集剤由来の鉄およびシリカも低減でき
た。特に、PSIの場合は、急速撹拌G値が650〜1
000S - 1において最も高い効果を得られた。また、
PACの場合は、急速撹拌G値が150〜300S - 1
において最も高い効果を得られた。
【0016】図2の第2表に、各沈殿処理水500ml
を吸引ろ過するのに要した時間を示す。第2表より明ら
かな通り、急速撹拌G値を150S - 1以上に高めるこ
とにより、ろ過所要時間を短縮できた。
を吸引ろ過するのに要した時間を示す。第2表より明ら
かな通り、急速撹拌G値を150S - 1以上に高めるこ
とにより、ろ過所要時間を短縮できた。
【0017】なお、第1表と第2表を比較すると、残留
シリカ濃度とろ過所要時間の相関が非常に強いことが判
る。これは、残留シリカ濃度がろ過抵抗を支配している
ことを意味している。
シリカ濃度とろ過所要時間の相関が非常に強いことが判
る。これは、残留シリカ濃度がろ過抵抗を支配している
ことを意味している。
【0018】−第2の実施形態− 原水として河川表流水(濁度6.40度、色度13.9
度、水温17.0℃)を用いた。凝集剤としてPSI−
1(モル比Fe:Si=1:1)、PSI−3(モル比
Fe:Si=1:3)およびPACの3種類を用い、注
入モル濃度で0.12mmol-metal/Lとなるように注入
した。急速攪拌G値は、PSIの場合は650S - 1、
PACの場合は150S - 1とした。急速攪拌時間は、
0.5分間,1分間,3分間,5分間,7分間の5条件
とした。また、緩速攪拌G値は20S - 1、緩速攪拌時
間は15分間、沈降時間は40分間とした。
度、水温17.0℃)を用いた。凝集剤としてPSI−
1(モル比Fe:Si=1:1)、PSI−3(モル比
Fe:Si=1:3)およびPACの3種類を用い、注
入モル濃度で0.12mmol-metal/Lとなるように注入
した。急速攪拌G値は、PSIの場合は650S - 1、
PACの場合は150S - 1とした。急速攪拌時間は、
0.5分間,1分間,3分間,5分間,7分間の5条件
とした。また、緩速攪拌G値は20S - 1、緩速攪拌時
間は15分間、沈降時間は40分間とした。
【0019】図3の第3表に、各沈殿処理水の水質の測
定結果を示す。第3表より明らかな通り、急速撹拌時間
を5分間以上とすることにより、沈殿処理水の濁度およ
び色度の除去効果が向上した。
定結果を示す。第3表より明らかな通り、急速撹拌時間
を5分間以上とすることにより、沈殿処理水の濁度およ
び色度の除去効果が向上した。
【0020】−第3の実施形態− 原水として河川表流水(濁度2.66度、色度5.7度、
水温4.0℃)を用いた。凝集剤としてPACを用い、
注入モル濃度で0.07mmol-Al/Lとなるように注入
した。急速攪拌G値は、60,150,300,65
0,1000,1350S - 1の6条件とした。急速攪
拌時間は、5分間とした。また、緩速攪拌G値は20S
- 1、緩速攪拌時間は10分間、沈降時間は40分間と
した。また、各沈殿処理水に対して、0.45μmメン
ブランフィルターで吸引ろ過抵抗試験を行った。
水温4.0℃)を用いた。凝集剤としてPACを用い、
注入モル濃度で0.07mmol-Al/Lとなるように注入
した。急速攪拌G値は、60,150,300,65
0,1000,1350S - 1の6条件とした。急速攪
拌時間は、5分間とした。また、緩速攪拌G値は20S
- 1、緩速攪拌時間は10分間、沈降時間は40分間と
した。また、各沈殿処理水に対して、0.45μmメン
ブランフィルターで吸引ろ過抵抗試験を行った。
【0021】図4の第4表に、各沈殿処理水の水質の測
定結果を示す。第4表より明らかな通り、沈殿処理水の
濁度および色度の除去効果は、急速撹拌G値が300S
- 1で最も高くなった。また、沈殿処理水中に残存する
凝集剤由来のアルミニウムは、急速撹拌G値が1000
S - 1で最も少なくなった。
定結果を示す。第4表より明らかな通り、沈殿処理水の
濁度および色度の除去効果は、急速撹拌G値が300S
- 1で最も高くなった。また、沈殿処理水中に残存する
凝集剤由来のアルミニウムは、急速撹拌G値が1000
S - 1で最も少なくなった。
【0022】図5の第5表に、各沈殿処理水500ml
を吸引ろ過するのに要した時間を示す。第5表より明ら
かな通り、急速撹拌G値を300S - 1以上に高めるこ
とにより、ろ過所要時間を短縮できた。
を吸引ろ過するのに要した時間を示す。第5表より明ら
かな通り、急速撹拌G値を300S - 1以上に高めるこ
とにより、ろ過所要時間を短縮できた。
【0023】なお、第4表と第5表を比較すると、残留
アルミニウム濃度とろ過所要時間の相関が非常に強いこ
とが判る。これは、残留アルミニウム濃度がろ過抵抗を
支配していることを意味している。
アルミニウム濃度とろ過所要時間の相関が非常に強いこ
とが判る。これは、残留アルミニウム濃度がろ過抵抗を
支配していることを意味している。
【0024】−第4の実施形態− 原水として河川表流水(濁度2.21度、色度5.7度、
水温3.5℃)を用いた。凝集剤としてPSI−1(モ
ル比Fe:Si=1:1)およびPSI−3(モル比F
e:Si=1:3)の2種類を用い、注入モル濃度は
0.06,0.10mmol-metal/Lの2条件となるように
注入した。急速攪拌G値は、150,650,1000
S - 1の3条件とした。急速攪拌時間は、5分間とし
た。また、緩速攪拌G値は20S - 1、緩速攪拌時間は
10分間、沈降時間は40分間とした。
水温3.5℃)を用いた。凝集剤としてPSI−1(モ
ル比Fe:Si=1:1)およびPSI−3(モル比F
e:Si=1:3)の2種類を用い、注入モル濃度は
0.06,0.10mmol-metal/Lの2条件となるように
注入した。急速攪拌G値は、150,650,1000
S - 1の3条件とした。急速攪拌時間は、5分間とし
た。また、緩速攪拌G値は20S - 1、緩速攪拌時間は
10分間、沈降時間は40分間とした。
【0025】図6の第6表に、各沈殿処理水の水質の測
定結果を示す。第6表の急速撹拌G値650S - 1、凝
集剤注入モル濃度0.10mmol-Fe/Lの沈殿処理水の
水質と、急速撹拌G値1000S - 1、凝集剤注入モル
濃度0.06mmol-Fe/Lの沈殿処理水の水質とは、ほ
ぼ同等に浄化されている。従って、低い急速撹拌G値で
高い凝集剤注入モル濃度とするよりも、高い急速撹拌G
値で低い凝集剤注入モル濃度とする方が、凝集剤を節減
でき、コストを低減できるので、好ましい。
定結果を示す。第6表の急速撹拌G値650S - 1、凝
集剤注入モル濃度0.10mmol-Fe/Lの沈殿処理水の
水質と、急速撹拌G値1000S - 1、凝集剤注入モル
濃度0.06mmol-Fe/Lの沈殿処理水の水質とは、ほ
ぼ同等に浄化されている。従って、低い急速撹拌G値で
高い凝集剤注入モル濃度とするよりも、高い急速撹拌G
値で低い凝集剤注入モル濃度とする方が、凝集剤を節減
でき、コストを低減できるので、好ましい。
【0026】−第5の実施形態− 原水として河川表流水(濁度2.66度、色度5.7度、
水温3.5℃)を用いた。凝集剤としてPACを用い、
注入率で30〜50mg/Lとなるように注入した。急
速攪拌G値は、100,300S - 1の2条件とした。
急速攪拌時間は、5分間とした。また、緩速攪拌G値は
20S - 1、緩速攪拌時間は10分間、沈降時間は40
分間とした。
水温3.5℃)を用いた。凝集剤としてPACを用い、
注入率で30〜50mg/Lとなるように注入した。急
速攪拌G値は、100,300S - 1の2条件とした。
急速攪拌時間は、5分間とした。また、緩速攪拌G値は
20S - 1、緩速攪拌時間は10分間、沈降時間は40
分間とした。
【0027】図7に、各沈殿処理水の水質の測定結果を
示す。図7より明らかな通り、急速撹拌G値を300S
- 1に高めることにより、同じ水質ならPAC注入率を
低減でき、同じPAC注入率なら水質を向上できた。
示す。図7より明らかな通り、急速撹拌G値を300S
- 1に高めることにより、同じ水質ならPAC注入率を
低減でき、同じPAC注入率なら水質を向上できた。
【0028】−結論− 上記第1の実施形態から第5の実施形態より総合的に判
断すると、急速撹拌G値を300S - 1以上にすべきで
あり、PSIを用いた場合は650〜1000S- 1とす
るのが好ましく、PACを用いた場合は300〜100
0S - 1とするのが好ましい。また、急速攪拌時間は、
5分間以上とするのが好ましい。
断すると、急速撹拌G値を300S - 1以上にすべきで
あり、PSIを用いた場合は650〜1000S- 1とす
るのが好ましく、PACを用いた場合は300〜100
0S - 1とするのが好ましい。また、急速攪拌時間は、
5分間以上とするのが好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明の急速ろ過浄水方法によれば、凝
集剤が有効に機能するようになり、凝集剤由来の残留物
質が減り、ろ材の目詰まりが抑制され、ろ過損失水頭の
急激な上昇が抑制される。また、過剰な凝集剤も減り、
汚泥発生量も低減できる。
集剤が有効に機能するようになり、凝集剤由来の残留物
質が減り、ろ材の目詰まりが抑制され、ろ過損失水頭の
急激な上昇が抑制される。また、過剰な凝集剤も減り、
汚泥発生量も低減できる。
【図1】第1の実施形態に係る水質の測定結果を示す図
表である。
表である。
【図2】第1の実施形態に係るろ過所要時間を示す図表
である。
である。
【図3】第2の実施形態に係る水質の測定結果を示す図
表である。
表である。
【図4】第3の実施形態に係る水質の測定結果を示す図
表である。
表である。
【図5】第3の実施形態に係るろ過所要時間の測定結果
を示す図表である。
を示す図表である。
【図6】第4の実施形態に係る水質の測定結果を示す図
表である。
表である。
【図7】第5の実施形態に係る水質の測定結果を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図8】急速ろ過浄水方法のプロセスを示す説明図であ
る。
る。
S1 凝集剤注入処理 S2 急速撹拌処理 S3 緩速撹拌処理 S4 沈殿処理 S5 急速ろ過処理
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 孝雄 東京都世田谷区桜丘五丁目48番16号 水道 機工株式会社内 Fターム(参考) 4D015 BA21 BB05 CA14 DA04 DA12 DA35 EA07 EA32 FA16 FA17 FA23 4D062 BA21 BB05 CA14 DA04 DA12 DA35 EA07 EA32 FA16 FA17 FA23
Claims (4)
- 【請求項1】 地下水、河川水或いは湖沼水等の原水に
対して凝集剤注入、急速撹拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ
過の各処理を施して浄水する急速ろ過浄水方法におい
て、 急速攪拌G値を300S - 1以上としたことを特徴とす
る急速ろ過浄水方法。 - 【請求項2】 地下水、河川水或いは湖沼水等の原水に
対して凝集剤注入、急速撹拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ
過の各処理を施して浄水する急速ろ過浄水方法におい
て、 凝集剤として鉄シリカ系無機高分子凝集剤を用いた場合
の急速攪拌G値を650〜1000S - 1としたことを
特徴とする急速ろ過浄水方法。 - 【請求項3】 地下水、河川水或いは湖沼水等の原水に
対して凝集剤注入、急速撹拌、緩速撹拌、沈殿、急速ろ
過の各処理を施して浄水する急速ろ過浄水方法におい
て、 凝集剤としてポリ塩化アルミニウム凝集剤を用いた場合
の急速攪拌G値を300〜1000S - 1としたことを
特徴とする急速ろ過浄水方法。 - 【請求項4】 急速攪拌時間を5分間以上としたことを
特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の急
速ろ過浄水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000400499A JP2002192163A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 急速ろ過浄水方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000400499A JP2002192163A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 急速ろ過浄水方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002192163A true JP2002192163A (ja) | 2002-07-10 |
Family
ID=18865087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000400499A Pending JP2002192163A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 急速ろ過浄水方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002192163A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006000715A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-01-05 | Japan Organo Co Ltd | 凝集沈殿処理装置及び凝集沈殿処理方法 |
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JP2011000565A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Fuso Kensetsu Kogyo Kk | 地下水の前処理方法 |
CN104787864A (zh) * | 2015-03-30 | 2015-07-22 | 湖南科技大学 | 一种用于印染废水处理的复合脱色絮凝剂的制备方法 |
JP2017159199A (ja) * | 2016-03-07 | 2017-09-14 | 株式会社東芝 | 固液分離装置及び制御装置 |
-
2000
- 2000-12-28 JP JP2000400499A patent/JP2002192163A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060926 |
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