JP2002191631A - 使い捨ての排泄物処理用着用物品 - Google Patents

使い捨ての排泄物処理用着用物品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟便等の排泄物を収容することができる使い
捨ての着用物品を低い粘着力で身体に止着できるように
改良する。 【解決手段】 使い捨ての排泄物処理用着用物品が扁平
な袋１を有し、袋１の上面シート２６に形成された開口
２８の周囲には排泄物に対する導入手段２３が形成され
る。導入手段２３は、弾性伸縮性かつ可撓性の導入管２
９と導入管２９の上端開口３１の周囲に形成されたフラ
ンジ部３２とを有する。フランジ部３２の上面には粘着
剤３３が塗布される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、便、特に軟便を
処理するのに好適な使い捨ての排泄物処理用着用物品に
関する。
【０００２】
【従来の技術】ＷＯ ９９／０００９２号公報には、便
処理用の着用物品であるバッグが開示されている。この
バッグは、開口と開口を囲むフランジとを有し、フラン
ジの上面には粘着剤が塗布されている。このバッグは使
い捨ておむつと一体にして着用することができるもの
で、着用するときには、バッグを使い捨ておむつの内側
に置き、フランジを肛門の周囲に貼り付ける。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記公知のバッグで
は、使い捨ておむつが身体に対してずれると、その動き
がバッグに伝わってフランジを肛門の周囲から剥すよう
に作用するから、その作用に負けることがないようにフ
ランジに塗布した粘着剤の粘着力を高くしなければなら
ない。また、このバッグが軟便を収容して重くなったと
きにバッグとおむつとの間に隙間があいていると、バッ
グは肛門の周囲から垂れ下がるから、フランジの粘着剤
はバッグの重さに耐え得るように粘着力を高くしておか
なければならない。しかし、フランジ部の粘着力をこの
ように高くすることの反作用として、フランジ部を肌か
ら剥そうとするときに痛みを伴うようになったり、粘着
剤で肌がかぶれ易くなったりするということがある。
【０００４】この発明では、軟便等の排泄物を処理する
ための袋を備えた使い捨ての着用物品において、その袋
を強い粘着力によって肌へ止着する必要がないように改
良することを課題にしている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題解決のために、
この発明が対象とするのは、上面シートと下面シートと
を有する扁平な袋の前記上面シートに排泄物を前記袋の
中へ導く導入手段が形成され、前記手段には肌に対して
剥離可能な粘着性を有する止着手段が含まれる使い捨て
の排泄物処理用着用物品である。
【０００６】かかる排泄物処理用着用物品において、こ
の発明が特徴とするところは、前記導入手段が、前記上
面シートに設けられた開口の周囲から上方ヘ延びていて
上下方向への弾性伸縮性を有し、かつ不透液性材料で形
成されている可撓性の管状部と、前記管状部の上端開口
の周囲に形成されたフランジ部とからなり、前記止着手
段が前記フランジ部の上面に塗布された粘着剤であるこ
と、にある。
【０００７】
【発明の実施の形態】使い捨ての排泄物処理用着用物品
として軟便処理用の袋を例にとり、添付の図面を参照し
て説明すると、以下のとおりである。
【０００８】図１は、軟便処理用の袋１がこれと併用さ
れる使い捨ておむつ２の内側に載せられた状態を示す部
分破断平面図である。おむつ２は、周知慣用のもので、
透液性表面シート３と、不透液性裏面シート４と、これ
ら両シート３，４間に介在する吸液性コア６とを有す
る。おむつ２の胴周り方向ヘ延びる端縁部７，８と脚周
り方向ヘ延びる側縁部９とには、胴周り弾性部材１０，
１１と脚周り弾性部材１２とがあって、これら弾性部材
１１，１２がそれぞれの周り方向へ伸長された状態で表
裏面シート３，４の少なくとも一方の内面に接合してい
る。おむつ２の後胴周り域の両側縁部１３には、テープ
ファスナ１４が取り付けられている。
【０００９】袋１は、おむつ２の前後方向（図の上下方
向）へ長くなるように矩形に形成されていて、前部２１
と後部２２とを有し、後部２２の幅方向中央には軟便導
入部２３が形成されている。袋１は、前部２１をおむつ
２の前方へ向け、軟便導入部２３を肛門の周囲に止着し
ておむつ２とともに着用する。
【００１０】図２，３は、袋１の斜視図と、同図のＩＩ
Ｉ−ＩＩＩ線断面図である。袋１は、矩形の上面シート
２６と下面シート２７とを重ね合わせ、互いの周縁部を
接着または溶着によって接合することにより形成されて
おり、上面シート２６には袋１の内外へ通じる開口２８
が設けられ、下面シート２７には袋１の前後両端部にま
ち３０が設けられている。開口２８の周囲には軟便導入
部２３が形成されている。軟便導入部２３は、軟便を袋
１へ導き入れることが可能な導入管２９を有し、この導
入管２９が開口２８の周囲からほぼ直立した状態で上方
へ延びている。導入管２９は、上端開口３１を有し、開
口３１の周囲にはフランジ部３２が形成されている。フ
ランジ部３２の上面には粘着剤３３が全面的に、または
間欠的に塗布されている。
【００１１】袋１において、上面シート２６は透液性不
織布や透液性開孔プラスチックフィルム、不透液性プラ
スチックフィルムで形成される。下面シート２７は不透
液性プラスチックフィルム、より好ましくは通気不透液
性のプラスチックフィルムによって形成される。上下面
シート２６，２７間には粉砕パルプや高吸水性ポリマー
粉末等の吸水性材料からなる吸液層３６が形成され、よ
り好ましくは吸液層３６の上に発泡ポリウレタンや発泡
ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の柔軟弾性材料から
なる体液分配層３７が形成される。
【００１２】導入管２９は、図の上下方向へ弾性的に伸
縮可能であり、かつ、その周囲のいずれの方向において
も上面シート２６へ向かって少なくとも４５°傾くこと
ができるもので、例えばウレタンゴムやシリコンゴム等
の不透液性弾性材料に伸縮を容易にするための蛇腹状の
凹凸３８を設けることによって作られる。導入管２９は
また、上下方向へ伸縮するコイルスプリングの外周に耐
水圧５０ｍｍ／Ｈ２Ｏ以上を有する実質的に不透液性の
不織布や不透液性のプラスチックフィルム等を貼ること
によって形成されていてもよい。導入管２９の基端部３
９は、上面シート２６に対して水密に接合している。導
入管２９の頂部に位置するフランジ部３２は、柔軟な弾
性シート、例えば発泡ポリエチレンシートや発泡ポリウ
レタンシート等によって形成される。フランジ部３２
は、幅方向中央部の上面または下面に前後方向ヘ延びる
溝４１が形成されていると、溝４１を中心に上下方向へ
容易に屈曲して肛門周囲の肌に密着し易くなる。
【００１３】図４は、吸液層３６と体液分配層３７との
斜視図である。粉砕パルプまたは粉砕パルプと高吸水性
ポリマー粉末とが圧縮されてなるパネル状の吸液層３６
の上には、ティシュペーパ等の吸水性シート４２または
ネット状の透水性シートの上面に三次元網状構造を有す
る発泡ポリウレタン等のブロック４４が複数個接合して
なる体液分配層３７が載せられている。ブロック４４ど
うしの間には溝４６が形成され、導入管２９から導かれ
た軟便等を袋１の各部位へ案内することができる。また
ブロック４４は、その高さを調整することによって、上
下面シート２６，２７を適宜の寸法だけ離間させ、袋１
内部への軟便の流入を容易にすることができる。各ブロ
ック４４は、吸水性シート４２に接合していることによ
って相互の位置が一定に保たれる。
【００１４】かような袋１における軟便導入部２３で
は、導入管２９の上端開口３１の径ｄと導入管２９の高
さｈとがｄ≧ｈの関係にあり、また上端開口３１の径ｄ
と上面シート２６の開口２８の径ｗとがｄ≧ｗの関係に
あることが好ましい。かかる軟便導入部２３は、導入管
２９が大きく傾いて上面シート２６に接近するようなこ
とがあっても、上端開口３１は容易に塞がれることがな
い。
【００１５】このような袋１のフランジ部３２を肛門の
周囲に貼った状態で袋１をおむつ２とともに着用したと
きには、おむつ２によって袋１が下から支えられるの
で、フランジ部３２にはそれを肌から剥離するような力
が作用しない。また、袋１がおむつ２とともに身体に対
してずれ動くことがあれば、導入管２９が変形してその
動きに追随し、フランジ部３２にはそれを肌から剥離す
るような力が作用し難い。さらにはまた、おむつ２が身
体に対してずり下がり、おむつ２と袋１とが多少離間す
るようなことがあれば、袋１の重さによって導入管２９
が伸長して袋１がおむつ２に届き、袋１はおむつ２によ
って下から支えられるようになるのでフランジ部３２に
作用する袋１の重さが軽減される。この袋１では、弾性
伸縮性の導入管２９がこのように作用するので、フラン
ジ部３２に塗布する粘着剤３３として粘着力の強いもの
を使用する必要がない。そのようなフランジ部３２は、
肌から剥離するときに傷みを感じさせることがないばか
りでなく、肌がかぶれる原因にもなりにくい。
【００１６】また、袋１の上面シート２６が透液性のも
のである場合には、排泄される尿を袋１の前部２１で受
け止め、この尿を上面シート２６を透過させて袋１の内
側へ導くことができる。かかる透過を容易にするため
に、上面シート２６が開孔プラスチックフィルムからな
る場合にはそのフィルムの内面を坪量２０〜５０ｇ／ｍ
２を有する親水性繊維の集合体によって裏打ちすること
が好ましい。また、上面シート２６が透液性の不織布か
らなる場合には、その不織布の内面をその不織布よりも
高密度な親水性の繊維集合体４０（図３参照）によって
裏打ちすることが好ましい。ただし、尿をこのように処
理する必要がない場合には、不透液性の上面シート２６
を使用してこの発明を実施することができる。
【００１７】袋１の下面シート２７は、その外面の一部
分に粘着剤を塗布したり商品名マジックテープ（登録商
標）で知られるメカニカルファスナの雄部材を取り付け
たりすることによって、おむつ２の表面シート３に対し
て剥離可能に止着することができる。
【００１８】図示例においては、袋１が使い捨ておむつ
２とともに使用されているが、かかるおむつ２は、袋１
の着用手段の一例に過ぎない。袋１は、おむつカバ−や
パンツとともに着用することもできる。
【００１９】
【発明の効果】この発明に係る使い捨ての排泄物処理用
着用物品は、扁平な袋に弾性伸縮性かつ可撓性の排泄物
導入管を設けるとともに、その導入管の頂部開口の周囲
に粘着性のフランジ部を設けたから、この排泄物処理用
着用物品を着用しているときには、袋が身体に対してず
れるように動けば導入管がその動きに追随し、フランジ
部にはそれを肌から剥離させるような力が及び難い。そ
れゆえ、この排泄物処理用着用物品では、フランジ部の
粘着力を低く抑えてフランジ部を肌から剥そうとすると
きの痛みを軽減したり、粘着剤による肌のかぶれを防止
したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】使い捨ておむつに載せられた排泄物処理用着用
物品の平面図。
【図２】排泄物処理用着用物品の斜視図。
【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図。
【図４】吸液層と体液分配層との斜視図。
【符号の説明】
１ 排泄物処理用着用物品（袋） ２３ 導入手段 ２６ 上面シート ２７ 下面シート ２８ 開口 ２９ 管状部（導入管） ３１ 上端開口 ３２ フランジ部 ３３ 止着手段（粘着剤） ３６ 吸液層 ３７ 分配層 ｄ 径 ｈ 長さ（高さ） ｗ 径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3B029 BD12 BD14 BD21 4C098 AA09 CC29 CC36 CD01 CE07 CE08 DD03 DD05 DD13 DD25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上面シートと下面シートとを有する扁平
    な袋の前記上面シートに排泄物を前記袋の中へ導く導入
    手段が形成され、前記手段には肌に対して剥離可能な粘
    着性を有する止着手段が含まれる使い捨ての排泄物処理
    用着用物品において、 前記導入手段は、前記上面シートに設けられた開口の周
    囲から上方ヘ延びていて上下方向への弾性伸縮性を有
    し、かつ不透液性材料で形成されている可撓性の管状部
    と、前記管状部の上端開口の周囲に形成されたフランジ
    部とからなり、前記止着手段が前記フランジ部の上面に
    塗布された粘着剤であることを特徴とする前記排泄物処
    理用着用物品。
  2. 【請求項２】 前記上面シートの開口面積は、前記管状
    部の上端開口の面積よりも大きいかまたは等しい請求項
    １記載の排泄物処理用着用物品。
  3. 【請求項３】 前記管状部の上端開口の径は、前記管状
    部の長さよりも大きいかまたは等しい請求項１または２
    記載の排泄物処理用着用物品。
  4. 【請求項４】 前記管状部は、その周囲のいずれの方向
    においても前記上面シートへ向かって少なくとも４５°
    傾斜可能である請求項１〜３のいずれかに記載の排泄物
    処理用着用物品。
  5. 【請求項５】 前記袋は、前記上面シートが透液性のも
    のであり、前記下面シートが不透液性のものである請求
    項１〜４のいずれかに記載の排泄物処理用着用物品。
  6. 【請求項６】 前記袋の下面には、粘着剤およびメカニ
    カルファスナのいずれかからなる止着手段が設けられて
    いる請求項１〜５のいずれかに記載の排泄物処理用着用
    物品。
  7. 【請求項７】 前記袋の中には、前記排泄物に対する吸
    液層と分配層とが形成されている請求項１〜６のいずれ
    かに記載の排泄物処理用着用物品。
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