JP2002191421A - 緑色の金合金宝飾品の製造方法とその製品 - Google Patents

緑色の金合金宝飾品の製造方法とその製品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緑色の金合金宝飾品の製造方法とその製品を
提供する。 【解決手段】 金に銅を15〜67.5重量%の範囲内
で添加した金−銅合金を加工して宝飾加工品とした後、
これを下記の着色用水溶液のいずれかで処理してその表
面に薄膜を形成してその表面に緑青を形成させることに
より、光沢のある緑色の金合金宝飾品を製造する。 1)酢酸、硫酸銅と食塩の混合水溶液、2)塩化アンモ
ニウムと希硫酸の混合水溶液、3)硫酸銅、ロッセル塩
と苛性ソーダの混合水溶液、4)硫酸銅、緑青、明ばん
混合溶液、チオ硫酸ソーダと酢酸鉛の混合水溶液、5)
酢酸銅、硝酸銅、塩化アンモニウム、明礬、塩化第二水
銀の混合水溶液、6)硫酸アンモニウム、硫酸銅、アン
モニアの混合溶液、7)酢酸銅、塩化アンモニウム、塩
化第二水銀、炭酸銅、亜比酸の混合水溶液、8)硫酸
銅、明礬、塩化第二水銀、硝酸銅、塩化アンモニウムの
混合水溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緑色の金合金宝飾
品の製造方法とその製品に係るものであり、さらに詳し
くは、金合金宝飾品の表面に緑青の薄膜を形成させて光
沢のある緑色を有する新しい金合金宝飾品を製造する方
法、及びその製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の金合金宝飾品市場には、有色の金
合金宝飾品として、黄色、白色、ピンク、薄黄緑色にカ
ラーリングしたものが商品として出回っていた。本発明
は、有色の金合金宝飾品の製造に係わるものであり、宝
飾加工品の表面に特殊な着色処理を施すことによって緑
色(グリーン)の光沢を放つ薄膜を形成させ、その製品
を、これまでにないカラーゴールド宝飾品、また、新規
の高付加価値の宝飾品として、ゴールドジュエリーのマ
ーケットに提供するものである。
【0003】しかるに、現在までに金合金の宝飾品とし
て開発されたカラーゴールド宝飾品は、金(Au)に他
の元素を合金化することによって着色したAu−Ag−
Cu合金の黄色、Au−Ag合金の淡緑黄色、Au−C
u合金のピンク、Au−Al合金の紫色、Au−Cd合
金の黄緑色、Au−Cu−NiあるいはAu−Pd−A
g合金の白色があった。しかし、Au−Al合金の紫
色、Au−Cd合金の黄緑色は、耐候性が悪く、これら
の装身具を身につけていると、大気中で比較的早く変色
してしまうという問題があり、これらは、現在はほとん
ど市場に出されていない。
【0004】したがって、従来は、金合金宝飾品のカラ
ーコンビネーションとして、もっぱら上記の白色、黄
色、ピンクの金合金の組み合わせを使用するものであっ
た。しかし、21世紀の貴金属宝飾品業界では、消費者
により強力なインパクトを与える宝飾品を開発するため
の金合金素材として、従来にないカラー金合金の創出が
強く求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
ニーズの到来を予測して開発したものであり、上記以外
の新たな色合いの金合金宝飾品として緑色に輝く新しい
製品を提供するものである。21世紀を目指した金合金
宝飾品は、今以上に強力なインパクトのあるデザインを
配した商品を市場へ提供しなくてはならない。そこで求
められているのが、金合金の多色化とそれを用いたカラ
フルなデザインをもつ宝飾品である。そのためには、で
きるだけ多くの色合いをもつ金合金を開発しなければな
らない。本発明は、この様な意図に基づいて開発された
ものである。即ち、本発明は、光沢のある緑色を有する
金合金宝飾品の製造方法及びその製品を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)金(Au)に銅(Cu)を15〜67.5重量%
の範囲内で添加した金(Au)−銅(Cu)合金を加工
して宝飾加工品とした後、これを下記に示した着色用水
溶液のいずれかで処理してその表面に薄膜を形成するこ
とによって金合金宝飾加工品の表面に緑青を形成させる
ことを特徴とする、光沢のある緑色を有した金合金宝飾
品の製造方法。 1)酢酸、硫酸銅と食塩の混合水溶液 2)塩化アンモニウムと希硫酸の混合水溶液 3)硫酸銅、ロッセル塩と苛性ソーダの混合水溶液 4)硫酸銅、緑青、明ばん混合溶液、チオ硫酸ソーダと
酢酸鉛の混合水溶液 5)酢酸銅、硝酸銅、塩化アンモニウム、明礬、塩化第
二水銀の混合水溶液 6)硫酸アンモニウム、硫酸銅、アンモニアの混合溶液 7)酢酸銅、塩化アンモニウム、塩化第二水銀、炭酸
銅、亜比酸の混合水溶液 8)硫酸銅、明礬、塩化第二水銀、硝酸銅、塩化アンモ
ニウムの混合水溶液 (2)金(Au)に銀(Ag)を8〜25重量%、亜鉛
(Zn)を1〜5重量%、パラジウム(Pd)を5〜1
5重量%、白金(Pt)を5〜15重量%、インジウム
(In)を1〜5重量%、錫(Sn)を1〜5重量%、
ニッケル(Ni)を5〜15重量%、各元素をそれぞれ
の添加量の範囲内で1種もしくは2種以上添加して、そ
の合計が5〜57重量%、これに銅(Cu)を5〜35
重量%添加して金以外の添加元素の総合計が15〜6
7.5重量%までの金合金の宝飾加工品を前記(1)に
記載記した着色水溶液のいずれかで処理することによっ
て、金合金宝飾加工品の表面に緑青を形成させることを
特徴とする、緑色の光沢を有もつ金合金宝飾品の製造方
法。 (3)前記(1)又は(2)に記載の方法により、金
(Au)−銅(Cu)合金、あるいは金(Au)に銀
(Ag)、亜鉛(Zn)、パラジウム(Pd)、白金
(Pt)、インジウム(In)、錫(Sn)、ニッケル
(Ni)、銅(Cu)のいずれか一種以上を添加して作
製した金合金の宝飾加工品を上記着色用水溶液で処理す
ることによって、その表面に緑青を形成させてなる、光
沢のある緑色を有した金合金宝飾品。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明では、金(Au)に15〜67.5重量%
の銅(Cu)を添加した金合金を作製するか、あるいは
金(Au)に銀(Ag)、亜鉛(Zn)、パラジウム
(Pd)、白金(Pt)、インジウム(In)、錫(S
n)、ニッケル(Ni)の一種もしくは2種以上の元素
を合計で5〜57重量%添加し、さらに、銅(Cu)を
5〜35重量%添加した金合金を作製し、次いで、これ
らを機械加工、鋳造もしくはその他の加工によって宝飾
用加工品とした後、これを以下に示す着色用水溶液のい
ずれかを塗布、スプレーあるいは浸漬もしくは電解処理
等によって加工品の表面に光沢のある密着性のよい緑青
の薄膜を形成させる。 1)酢酸、硫酸銅と食塩の混合水溶液 2)塩化アンモニウムと希硫酸の混合水溶液 3)硫酸銅、ロッセル塩と苛性ソーダの混合水溶液 4)硫酸銅、緑青、明ばん混合溶液、チオ硫酸ソーダと
酢酸鉛の混合水溶液 5)酢酸銅、硝酸銅、塩化アンモニウム、明礬、塩化第
二水銀の混合水溶液 6)硫酸アンモニウム、硫酸銅、アンモニアの混合溶液 7)酢酸銅、塩化アンモニウム、塩化第二水銀、炭酸
銅、亜比酸の混合水溶液 8)硫酸銅、明礬、塩化第二水銀、硝酸銅、塩化アンモ
ニウムの混合水溶液
【0008】即ち、例えば、上記1)〜8)のいずれか
の着色用水溶液を、布、脱脂綿に付けて塗布もしくは噴
霧による塗布、あるいはこれらの水溶液中へ浸漬するこ
とによって宝飾加工品の表面へ塗布した後、乾燥する。
この塗布と乾燥の工程を数回、場合によっては数十回繰
り返してその表面に薄膜を形成することによって最良の
緑色を呈する緑青を形成させる。また、上記3)の水溶
液を用いた場合には、電解処理を行って緑青薄膜を形成
させる。宝飾加工品表面への緑青薄膜の形成後、これに
軽くバフ研磨をかけて膜面の光沢を出す。
【0009】金(Au)に添加するCuの添加量、ある
いは金(Au)に添加するAg、Zn、Pd、Pt、I
n、Sn、Ni、及びCuの添加量を上記範囲に特定し
た理由は、貴金属市場で最も多量に出回っている金合金
は18K(Au=75%)であるが、市場に提供されて
いる金合金は9K(Au=37.5%)から22K(A
u=91.7%)まであるため、この範囲内の金含有量
の金合金に適用可能とするために、これを基準に金以外
の元素の添加量を特定したものである。
【0010】本発明において、上記金合金を作製する方
法は、例えば、上記元素を黒鉛るつぼへ入れ、高周波加
熱によって溶解して合金化する方法が例示されるが、そ
れに限らず、適宜の方法を利用することができる。得ら
れた金合金は、これを、例えば、適宜の加工手段で宝飾
用加工品とした後、上記薬液と接触させ、加工品の表面
に薄膜を形成させて着色処理を施すが、上記薬液による
処理は、例えば、加工品を薬液中に入れて約1〜5分間
程度処理すれば良く、適宜の方法で実施される。これに
より加工品の表面に、例えば、後記する実施例に示され
るように、5〜20ミクロンの薄膜が形成され、これに
バフ研磨をかけて光沢のある緑色の加工品が得られる。
【0011】次に、上記の緑色化処理液について詳細に
説明する。上記1)の混合水溶液は、例えば、酢酸1.
8リットル、硫酸銅75g、食塩18gを混合したもの
が例示され、その処理条件は、例えば、宝飾加工品を希
硫酸でよく洗い、クレンザーで脱脂し、水洗した後、製
品をこの混合水溶液中へ浸漬してから自然乾燥させる方
法が例示される。この工程で、溶液への浸漬と乾燥を数
十回繰り返して緑青の緑色を発色させた後、軽くバフを
かけて緑色の光沢を放つ宝飾品とする。上記2)の緑色
化処理溶液には、例えば、塩化アンモニウム3〜4gを
1.8リットルの水に溶解した水溶液と希硫酸が用いら
れる。その処理条件は、例えば、宝飾加工品を、まず、
希硫酸でよく洗い、クレンザーで脱脂、水洗した後、塩
化アンモニウム水溶液中へ浸漬するか、この溶液を刷
毛、布、脱脂綿で塗布した後、自然乾燥、もしくは電
気、ガス等で乾燥させる方法が例示される。この浸漬と
乾燥の工程を繰り返して最良の緑色になるまで繰り返
す。次いで、緑色の薄膜面に軽くバフをかけてつや出し
を行い、緑色に光沢を放つ宝飾品とする。
【0012】上記3)の緑色化処理溶液は、例えば、水
1リットルに硫酸銅50g/リットル、ロッセル塩20
g/リットル、苛性ソーダ80g/リットルを溶かし込
んだ水溶液が例示される。その処理条件は、例えば、宝
飾加工品を陰極、カーボンを陽極にして、電流密度0.
05A/dm2 、温度20〜30℃で4〜5分間電解処
理して緑色を形成させる方法が例示される。これに軽く
バフをかけて緑色の光沢を放つ宝飾品とする。また、上
記4)の緑色化処理溶液は、例えば、硫酸銅20g/リ
ットル、緑青20g/リットル、明礬20g/リット
ル、水1リットルの混合水溶液が用いられる。この煮沸
溶液で1〜5分間処理し、引き続き、チオ硫酸ソーダ2
40g/リットル、酢酸鉛15g/リットル水溶液の煮
沸液で30〜50秒処理して緑青の薄膜を形成させる。
その後、緑青膜面に軽くバフをかけてつや出しを行って
緑色の光沢を放つ宝飾品とする。
【0013】上記5)の緑色化処理溶液は、例えば、酢
酸銅54g、硫酸銅18g、塩化アンモニウム5.4
g、明礬9g、塩化第二水銀3.6gを水1.8リット
ルに溶かし込んだ水溶液が例示される。その処理条件
は、宝飾品表面へこの溶液を塗布しては乾燥し、この塗
布、乾燥の工程を繰り返して緑青を形成させる方法が例
示される。形成した緑青面に軽くバフをかけてつや出し
を行い緑色の光沢を放つ宝飾品とする。また、上記6)
の緑色化処理溶液は、例えば、水1リットルに硫酸アン
モニウム105g/リットル、硫酸銅3.5g/リット
ル、アンモニア1.7g/リットルを溶かし込んだ水溶
液が用いられる。この溶液を宝飾加工品へ数回塗布して
緑青を形成させ、その緑青膜面に軽くバフをかけてつや
出しをして緑色の光沢を放つ宝飾品とする。
【0014】上記7)の緑色化処理溶液は、例えば、酢
酸銅30g、明礬5g、塩化第二水銀3g、硝酸銅10
g、塩化アンモニウム3g、水1リットルの混合水溶液
が用いられる。これを布または脱脂綿に含ませて宝飾加
工品表面に塗布し、乾燥させ、この工程を繰り返して緑
青を発色させる。その後、緑青膜面をバフで軽く研磨し
て緑色の光沢を放つ宝飾品とする。また、上記8)の緑
色化処理溶液は、例えば、硫酸銅30g、明礬5g、塩
化第二水銀3g、硝酸銅10g、塩化アンモニウム3
g、水1リットルの混合水溶液が用いられる。この溶液
を布又は脱脂綿に含ませて宝飾加工品表面に塗布し、乾
燥させ、この工程を繰り返して製品の表面に緑青を形成
させた後、緑青膜面をバフで軽く研磨してつや出しを行
い、緑色の光沢を放つ宝飾品とする。
【0015】上記の緑色化処理は、その好適な例を例示
するものであり、本発明の方法は、それらに限定される
ものではない。本発明の方法により形成される代表的な
緑青の薄膜は、厚さ5〜20ミクロン、加工品との密着
性がよく、緑色の成分が緑青(塩基性炭酸銅)であるた
め、大気中で極めて安定であり、長期にわたって変色す
ることがない、という優れた利点を有する。本発明は、
上記緑青の成分からなる薄膜を形成した緑色の金合金加
工品を提供するものである。
【0016】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1 純金(Au)75gに銅(Cu)25gを添加して黒鉛
るつぼへ入れ、高周波加熱によって溶解してAu75重
量%−Cu25重量%の合金を作った。この合金を遠心
鋳造機によって指輪の加工品とした後、その表面にヤス
リをかけ、バフ研磨仕上げをした後、この加工品を下記
の薬液中で着色処理をした。即ち、上記加工品を、硫酸
銅 20g/リットル、緑青 20g/リットル、明ば
ん 20g/リットルの煮沸混合液中へ入れ、1〜5分
間処理して加工品の表面に緑色をした10〜20ミクロ
ンの薄膜を形成した。この薄膜面へ軽くバフ研磨を行っ
て艶出しをし、光沢のある緑色の宝飾品とした。
【0017】実施例2 純金(Au)58.3gに銅(Cu)41.7gを加え
て黒鉛るつぼへ入れ、高周波加熱によって溶解してAu
58.3重量%−Cu41.7重量%の合金を作った。
この合金を遠心鋳造機によって指輪の加工品とした後、
その表面にヤスリをかけ、バフ研磨を行ってから下記の
薬液中で着色処理を行った。酢酸銅 54g、硝酸銅
18g、塩化アンモニウム 5.4g、明礬 9g、塩
化第二水銀 3.6g、水 1.8リットル指輪をこの
水溶液中へ浸漬した後、直射日光で乾燥した。指輪を水
溶液に漬けては乾燥させるという作業を30回行って、
指輪の表面に緑青を形成させ、次いで軽くバフ研磨によ
って艶出しをして光沢のある緑色の宝飾品とした。
【0018】実施例3 純金(Au)75gに銅(Cu)20g、銀(Ag)5
gを加えて、これらを黒鉛るつぼへ入れ、高周波加熱に
よって溶解しAu75重量%−Cu20重量%−Ag5
重量%の合金を作った。この合金を遠心加圧鋳造機によ
って指輪の加工品とした後、この加工品を下記の薬液中
で着色処理を行った。即ち、上記加工品を、硫酸銅 5
0g/リットル、ロッセル塩 20g/リットル、苛性
ソーダ80g/リットルの溶液中で電解処理した。電極
は陽極がカーボン、電流密度は0.05A/dm2 とし
た。温度、20〜30℃で4、5分間処理して表面に1
5〜20ミクロンの緑青を形成させた。この緑青の膜に
軽くバフ研磨を行ってグリーンの光沢を出し、鮮やかな
緑色に輝く宝飾加工品とした。
【0019】実施例4 純金(Au)58.3gに銅(Cu)30g、パラジウ
ム(Pd)10g、錫(Sn)1.7gを加えて、黒鉛
るつぼへ入れ、高周波加熱によって溶解してAu58.
3重量%−Cu30重量%−Pd10重量%−Sn1.
7重量%の合金を作った。圧延、鍛接、ロウずけ、ヤス
リがけによってペンダントの加工品とした後、この加工
品を下記の薬液中で着色処理した。即ち、上記加工品
を、硫酸銅 20g/リットル、緑青 20g/リット
ル、明ばん 20g/リットルの煮沸混合液中へ入れ、
1〜5分間処理して加工品の表面に緑色をした10〜2
0ミクロンの緑青の薄膜を形成した。この緑青の薄膜に
軽くバフ研磨を行って艶出しをし、光沢のある緑色の宝
飾品とした。
【0020】実施例5 純金(Au)75gに銅(Cu)20g、白金(Pt)
2g、亜鉛(Zn)1.5g、インジウム(In)1.
5gを添加して黒鉛るつぼへ入れ、高周波加熱によって
溶解してAu75重量%−Cu20重量%−Pt2重量
%−Zn1.5重量%−In1.5重量%の合金を作っ
た。圧延、鍛接、ロウずけ、ヤスリがけ等によってペン
ダントの加工品とした後、この加工品を下記の薬液中で
着色処理した。 1)塩化アンモニウム 3 〜4gを水1.8リットルに
溶かした水溶液。 2)希硫酸 ペンダントを1)の水溶液に漬けてから乾燥させた。さ
らに2回続けてこの作業を行った後、2)の稀硫酸に漬
け、乾燥させた。そして、ペンダント表面上の緑青の発
色具合を見ながら、1)及び2)の水溶液中での浸漬処
理を20回行って良好な緑青の薄膜をペンダント表面に
形成した。その後、表面をバフ研磨して艶を出し緑色の
光沢を放つペンダントとした。
【0021】実施例6 純金(Au)41.7gに銅(Cu)35g、銀(A
g)15g、ニッケル(Ni)8.3gを添加して黒鉛
るつぼへ入れ、高周波加熱によって溶解してAu75重
量%−Cu25重量%の合金を作った。この合金を遠心
鋳造機によって指輪の加工品とした後、その表面にヤス
リをかけ、バフ研磨をしてから、この加工品を下記の薬
液中で着色処理した。 1)酢酸 1.8リットル 2)硫酸銅 75g 3)食塩 18g 硫酸銅と食塩を少しづつ1)の酢酸溶液中へ溶かし込ん
で全体を均一な水溶液とした。指輪を希硫酸で洗い、ク
レンザーで脱脂した後水洗した。その後、上記の溶液中
へ漬けてから乾燥した。この溶液への浸漬と乾燥の作業
を50回行って指輪に表面に緑青を形成した。次いで、
この緑青の表面に軽くバフをかけて艶出しをして光沢を
放つ緑色の指輪とした。
【0022】実施例7 純金(Au)41.7gに銅(Cu)35g、白金(P
t)5g、パラジウム(Pd)15g、亜鉛(Zn)
3.3gを加えて黒鉛るつぼへ入れ、高周波加熱によっ
て溶解してAu41.7重量%−Cu35重量%−Pt
5重量%、Pd15重量%、Zn3.3重量%の合金を
作った。この合金を遠心鋳造機によって指輪の加工品と
した後、その表面にヤスリをかけ、バフ研磨をしてから
よく脱脂し、下記の薬液で着色処理を行った。 硫酸アンモニウム 105g/リットル、硫酸銅 3.
5 g/リットル、アンモニア 1.7cc/リットル 指輪表面に上記水溶液を吹き付け、乾燥後水を噴霧して
洗浄し、乾燥後再び上記の水溶液を噴霧した。この操作
を5〜6回繰り返すことによって美しい緑色に輝く指輪
を得た。
【0023】実施例8 純金(Au)37.5gに銅(Cu)42.5g、銀
(Ag)10g、パラジウム(Pd)5g、インジウム
(In)3g、錫(Sn)2gを加えて黒鉛るつぼへ入
れ、高周波加熱によって溶解してAu37.5重量%−
Cu42.5重量%−Ag10重量%−Pd5重量%−
In3重量%−Sn2重量%の合金を作った。この合金
を遠心鋳造機によって指輪の加工品とした後、その表面
にヤスリをかけ、バフ研磨をしてからよく脱脂し、下記
の薬液で着色処理を行った。 酢酸銅 80g、塩化アンモニウム 80g、塩化第二
水銀 2.5g、炭酸銅 20g、亜比酸 13g、水
1リットル 指輪表面に上記水溶液を吹き付け、乾燥後水を噴霧して
洗浄し、乾燥後再び上記の水溶液を噴霧した。この操作
を5〜6回繰り返えして美しい緑色に輝く指輪を得た。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な操作で、金合金加工品の表面に密着性のよい5〜
20ミクロンの緑青の薄膜を形成させることができる、
そして、光沢のある緑色を有した金合金加工品を作製す
ることができる、という従来の方法では実現化できない
格別の効果が得られる。本発明によるグリーンの光沢を
有する金合金宝飾品は、現在までにマーケットに出てい
る黄色、白色、ピンク、淡黄緑色の金合金宝飾品とは異
なる新たな色彩の金合金宝飾品であり、本発明は、その
ような新しい金合金宝飾品を提供することを可能とする
ものであり、本発明により、今まで以上に金合金宝飾品
のデザインの幅が広がり、一段とカラフルな金合金宝飾
品の製造が可能となるとともに、宝飾品の付加価値の飛
躍的向上が期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金(Au)に銅(Cu)を15〜67.
    5重量%の範囲内で添加した金(Au)−銅(Cu)合
    金を加工して宝飾加工品とした後、これを下記に示した
    着色用水溶液のいずれかで処理してその表面に薄膜を形
    成することによって金合金宝飾加工品の表面に緑青を形
    成させることを特徴とする、光沢のある緑色を有した金
    合金宝飾品の製造方法。 1)酢酸、硫酸銅と食塩の混合水溶液 2)塩化アンモニウムと希硫酸の混合水溶液 3)硫酸銅、ロッセル塩と苛性ソーダの混合水溶液 4)硫酸銅、緑青、明ばん混合溶液、チオ硫酸ソーダと
    酢酸鉛の混合水溶液 5)酢酸銅、硝酸銅、塩化アンモニウム、明礬、塩化第
    二水銀の混合水溶液 6)硫酸アンモニウム、硫酸銅、アンモニアの混合溶液 7)酢酸銅、塩化アンモニウム、塩化第二水銀、炭酸
    銅、亜比酸の混合水溶液 8)硫酸銅、明礬、塩化第二水銀、硝酸銅、塩化アンモ
    ニウムの混合水溶液
  2. 【請求項2】 金(Au)に銀(Ag)を8〜25重量
    %、亜鉛(Zn)を1〜5重量%、パラジウム(Pd)
    を5〜15重量%、白金(Pt)を5〜15重量%、イ
    ンジウム(In)を1〜5重量%、錫(Sn)を1〜5
    重量%、ニッケル(Ni)を5〜15重量%、各元素を
    それぞれの添加量の範囲内で1種もしくは2種以上添加
    して、その合計が5〜57重量%、これに銅(Cu)を
    5〜35重量%添加して金以外の添加元素の総合計が1
    5〜67.5重量%までの金合金の宝飾加工品を請求項
    1に記載した着色水溶液のいずれかで処理することによ
    って、金合金宝飾加工品の表面に緑青を形成させること
    を特徴とする、緑色の光沢を有もつ金合金宝飾品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法により、金
    (Au)−銅(Cu)合金、あるいは金(Au)に銀
    (Ag)、亜鉛(Zn)、パラジウム(Pd)、白金
    (Pt)、インジウム(In)、錫(Sn)、ニッケル
    (Ni)、銅(Cu)のいずれか一種以上を添加して作
    製した金合金の宝飾加工品を上記着色用水溶液で処理す
    ることによって、その表面に緑青を形成させてなる、光
    沢のある緑色を有した金合金宝飾品。
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