JP2002187755A - 水硬性組成物用分散剤 - Google Patents
水硬性組成物用分散剤Info
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Abstract
性組成物に対して、適量の添加で分散性と分散保持性を
発現し、遅延作用が小さく、混練直後の組成物の過剰な
粘性発現を抑制できる分散剤を提供する。 【解決手段】 特定のアルケニルエーテルとマレイン酸
との共重合体又はその塩(イ)と、メトキシポリエチレ
ングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等の特定の
単量体(a)と(メタ)アクリル酸等の特定の単量体
(b)とを含有する単量体混合物を重合して得られる共
重合体(ロ)とを含有する水硬性組成物用分散剤。
Description
剤に関する。
は、コンクリートを型枠に注入しながら内部、又は外部
振動機で締め固めるものや、パイル、ポール、ヒューム
管のように遠心締め固めにより得られる製品がある。こ
れらコンクリート製品や高強度構造物は強度を確保する
ために、高性能減水剤の添加が必須となっている。
トは、練り時間によって流動性にバラツキが生じ易く、
コンクリートの充填性が低下して締め固めが不足した
り、分離現象による耐久性の低下、コンクリート肌面の
美観の損傷を生じる。
60分程度までの流動性の低下を防止するアルケニルエ
ーテルと無水マレイン酸共重合体とポリカルボン酸系分
散剤の併用(特開平5−345647号)が提案されて
いるが、これらはコンクリートが練り上がるまでの極め
て初期の流動性の安定化には効果は低い。
W/C〔水(W)/水硬性粉体(C)×100で算出さ
れる重量比〕≦30%の超高強度領域の水硬性組成物に
対して、適量の添加で分散性と分散保持性を発現し、遅
延作用の小さな分散剤が要求されている。高強度コンク
リート用途に対しては、アルキレンオキサイド付加モル
数を50から100に特定したポリカルボン酸系分散剤
(特開平8−12396号)が提案されているが、W/
C≦30%において、混練直後のコンクリートの過剰な
粘性を抑制し、コンクリートの充填までの分散保持をよ
り安定にすることが必要とされている。
変動によらず、コンクリートに安定した流動性を付与
し、安定したコンクリート製品やコンクリート構造物を
提供できる水硬性組成物用分散剤を得ることを課題とす
る。
ルタルやコンクリート等の水硬性組成物に対して、適量
の添加で分散性と分散保持性を発現し、遅延作用の小さ
く、混練直後の組成物の過剰な粘性発現を抑制できる分
散剤を提供することを課題とする。
分と(ロ)成分とを含有する水硬性組成物用分散剤、及
び該分散剤を含有するW/C≦30%の高強度水硬性組
成物に関する。 (イ)成分:下記一般式(A)で示されるアルケニルエ
ーテルとマレイン酸との共重合体又はその塩。
素数2〜3のオキシアルキレン基、n1は15〜90の
数、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表
す。) (ロ)成分:下記の一般式(B)で表される単量体
(a)と、下記の一般式(C)及び(D)で表される化
合物から選ばれる1種以上の単量体(b)とを含有する
単量体混合物を重合して得られる共重合体。
基、m1は0〜2の数、AOは炭素数2〜3のオキシア
ルキレン基、n2は2以上100未満の数、Xは水素原
子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
は(CH2)m2COOM2、R8は水素原子又はメチル基、
M1、M2、Yは水素原子又は陽イオン、m2は0〜2の
数を表す。)
るアルケニルエーテルの一般式(A)に於いて、R1で
示される炭素数2〜5のアルケニル基として好ましく
は、ビニル基、アリル基、メタリル基等であるが、特に
アリル基が汎用的であり好ましい。AOは、エチレンオ
キシド(以下EO)、プロピレンオキシド(以下PO)
であり、付加形態は単独、ランダム、ブロック又は交互
のいずれでもよい。好ましくはEOである。R2は炭素
数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル、エチル、プ
ロピル基等が挙げられる。特にメチル基が好ましい。
は、15〜90の範囲であり、15〜60がより好まし
く、20〜50が特に好ましい。この範囲内で物理的な
攪拌力や温度による影響を受けにくく、安定した流動性
を得ることができる。
(A)で表される単量体とマレイン酸との共重合体、好
ましくはモル比が、一般式(A)の単量体/マレイン酸
=30/70〜70/30である共重合体又はその塩で
ある。マレイン酸は無水物であってもよい。かかる共重
合体(イ)の製造方法としては、特開平2−16310
8号、特開平5−345647号記載の方法が挙げられ
る。
分子量は流動性付与の点から、3000〜30万、更に
は5000〜10万である。
EKM、マリアリムAKM(日本油脂社製)やスーパー
200(電気化学社製)が挙げられる。
のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2以上100
未満モル付加した一般式(B)で表される単量体(a)
と前記一般式(C)及び/又は(D)、好ましくは一般
式(C)で表される単量体(b)とを含有する単量体混
合物を重合してなる。前述した(イ)成分と併用した場
合に安定した初期流動性を得るため、アルキレンオキシ
ドの平均付加モル数n 2は2以上100未満の範囲であ
り、5以上90以下が好ましく、5以上75以下がさら
に好ましく、5以上50以下が最も好ましい。なお、共
重合体(ロ)を得るための単量体混合物において、n2
が異なる複数の単量体(a)を用いる場合は、全単量体
(a)のn2の平均値が2以上100未満の範囲にある
ように組成を調整する。例えば、2種の単量体(a)を
用いる場合、一方はn2=2〜96、他方はn2’=5以
上100未満で、n2≠n2’かつn2’≦n2+3である
ことが好ましく、n2’≦n2+5であることがより好ま
しく、n2’≦n2+10であることが最も好ましい。更
に、本発明の効果を損なわない範囲で、単量体(a)と
してn2が100以上の単量体を併用することもでき
る。
ては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリ
プロピレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロ
ピレングリコール等の片末端アルキル基封鎖ポリアルキ
レングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物
や、(メタ)アクリル酸へのEO、PO付加物が好まし
く用いられる。付加形態は単独、ランダム、ブロック又
は交互のいずれでもよい。より好ましくはメトキシポリ
エチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル
化物であり、EO平均付加モル数が2以上100未満の
メトキシポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエ
ステル化物が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボ
ン酸系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタ
コン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸
系単量体、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよ
いモノ、ジ、トリアルキルアンモニウム塩が好ましく、
より好ましくは(メタ)アクリル酸又はこれらのアルカ
リ金属塩である。
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、又はこれらの
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、水酸基が置換されていてもよいモノ、ジ、トリアル
キルアンモニウム塩が使用される。
式(B)で表される単量体(a)と、一般式(C)及び
(D)で表される単量体の1種以上(b)とを合わせて
50重量%以上、更には80〜100重量%以上、特に
は100重量%含有する単量体混合物を重合して得られ
る。
単量体(a)と、一般式(C)及び/又は一般式(D)
の単量体(b)の反応単位は、(a)/(b)=1/1
00〜500/100が流動性に優れ、好ましい。より
好ましくは1/100〜100/100、更に好ましく
は10/100〜60/100、特に好ましくは10/
100〜40/100である。
性の点より5000〜500000の範囲が良く、20
000〜100000、更に30000〜85000の
範囲が流動性に特に優れる。重量平均分子量はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィ法(標準物質ポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム換算)による。
る。例えば、特開平7−223852号公報、特開平4
−209737号公報、特開昭58−74552号公報
の溶液重合法が挙げられ、水や炭素数1〜4の低級アル
コール中、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の重合開
始剤存在下、必要なら亜硫酸水素ナトリウムやメルカプ
トエタノール等を添加し、50〜100℃で0.5〜1
0時間反応させればよい。
重合可能なモノマーを併用でき、具体的には、アクリロ
ニトリル、(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C12)
エステル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、スチレ
ンスルホン酸等が挙げられる。
は(イ)/(ロ)=5〜95/95〜5(固形分重量
比)が好ましく、10〜90/90〜10がより好まし
く、20〜80/80〜20が特に好ましい。本発明の
(イ)成分と(ロ)成分とを併用することで、コンクリ
ートの練り上がり初期の流動性に関して、物理的な攪拌
力や温度による影響を受けにくくなると推察され、極め
て安定した流動性が得られる。
(イ)と(ロ)の合計がセメントに対して固形分で0.
02〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%
となるように添加される。
ンクリートに対し、予め両者を配合してから添加しても
別々に添加してもよく、先に混練水で希釈してから用い
てもよい。
リートの製造の他、特に振動機や重力加速度3G〜60
Gの遠心力で締め固めて成型するコンクリート製品の製
造に適する。更に、振動機を使用しない自己充填性の、
50cm(JIS A−1101スランプ試験に準ずる
フロー値)以上の流動性を示す高流動性コンクリートに
も用いることができる。
細骨材、粗骨材等を主成分とするものであるが、各種の
高炉スラグ、フライアッシュ、珪砂、シリカフューム等
を使用することができる。更に公知の添加剤(材)と併
用することもでき、例えば、AE剤、AE減水剤、高性
能減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、
消泡剤、増粘剤、防水剤、防泡剤、高炉スラグ、フライ
アッシュ、等が挙げられる。これらを用いて調製された
水硬性組成物のうち、本発明の分散剤は、水/水硬性粉
体(特にセメント)重量比(W/C)が30%以下、更
に10〜25%、特に15〜25%の高強度水硬性組成
物に特に好適である。
よりコンクリートを調製した。
64) G:粗骨材、和歌山産砕石(密度:2.63、FM:
6.64) W/C=(Wの単位重量/Cの単位重量)×100
(%) s/a=〔細骨材容積/(細骨材容積+粗骨材容積)〕
×100(%)。
表3に示す共重合体(ロ)を、表4の組み合わせ、固形
分重量比で配合してなる分散剤を、それぞれ表1のコン
クリートに添加し、このコンクリートを50L強制ミキ
サーで30L練り、排出したフレッシュコンクリートに
ついて、以下の測定を行った。結果を表4に示す。
施工指針(コンクリートライブラリー93)〕が、65
0〜700mmとなるのに要する分散剤の固形分量の総
粉体に対する添加率を測定する。数値が小さい程、分散
性が良い。
測定の際の初期SF値)の百分率を、分散保持性の尺度
とする。数値が大きいほど分散保持性が良好とする。た
だし、100%を超える場合は、骨材分離する傾向にあ
るため、好ましくない。
の篩で粗骨材を分離して得たモルタルを、ステンレス鋼
(SUS304)を加工して作製した図1の形状の装置
に、下部排出開口を閉じた状態で充填し上部投入開口の
面で擦り切った後、下部排出開口を開放してモルタルを
自然流下させ、上部投入開口から目視で観察したときに
モルタルの少なくとも一部に孔が確認されるまでの時間
(流下時間)を測定し、これを粘性の評価に用いた。流
下時間が過度に大きいと、充填時に多量の巻込み気泡や
未充填部分が発生するので好ましくなく、流下時間が過
度に小さいと、骨材分離抵抗性が低下して、未充填部分
や水路が発生してやはり好ましくない。
字がn1である。また、共重合体(イ)のNo.6のE
OとPOはランダム付加である。Mwは重量平均分子量
である(以下同様)。
次の数字がn2である。
十分なため、所定のSF値を得るのに、多量の添加が必
要となる。また、比較例1、2、5、6は、分散保持性
が悪く、経時と共にSF値が過度に増大し、骨材分離し
てしまうので好ましくない。更に、比較例4、6、8
は、モルタル粘性が極めて高く、充填性に支障が生じる
場合がある。比較例は全般に、W/Cがより低い系(配
合B)で、粘性の増大が激しい傾向がある。
でも分散性、分散保持性及び粘性が安定していることが
わかる。特に、共重合体(ロ)のEO付加モル数n2が
50以下の場合に、モルタル粘性が低いので好ましい。
また、分散性と粘性のバランスを考慮すると、共重合体
(ロ)が三元共重合の場合がより好ましい。
略図
Claims (5)
- 【請求項1】 下記(イ)成分と(ロ)成分とを含有す
る水硬性組成物用分散剤。 (イ)成分:下記一般式(A)で示されるアルケニルエ
ーテルとマレイン酸との共重合体又はその塩。 R1O(AO)n1R2 (A) (式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、AOは炭
素数2〜3のオキシアルキレン基、n1は15〜90の
数、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表
す。) (ロ)成分:下記の一般式(B)で表される単量体
(a)と、下記の一般式(C)及び(D)で表される化
合物から選ばれる1種以上の単量体(b)とを含有する
単量体混合物を重合して得られる共重合体。 【化1】 (式中、R3、R4は水素原子又はメチル基、m1は0〜
2の数、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、n
2は2以上100未満の数、Xは水素原子又は炭素数1
〜3のアルキル基を表す。) 【化2】 (式中、R5〜R7は水素原子、メチル基又は(CH2)m2
COOM2、R8は水素原子又はメチル基、M1、M2、Y
は水素原子又は陽イオン、m2は0〜2の数を表す。) - 【請求項2】 (イ)成分と(ロ)成分の固形分重量比
が、(イ)/(ロ)=5〜95/95〜5である請求項
1記載の水硬性組成物用分散剤。 - 【請求項3】 共重合体(イ)を構成するアルケニルエ
ーテルとマレイン酸の反応単位が、30/70〜70/
30である請求項1又は2記載の水硬性組成物用分散
剤。 - 【請求項4】 共重合体(ロ)を構成する単量体
(a)、(b)の反応単位が、(a)/(b)=1/1
00〜500/100である請求項1〜3の何れか記載
の水硬性組成物用分散剤。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか記載の水硬性組成
物用分散剤を含有するW/C≦30%の高強度水硬性組
成物。
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