JP4105108B2 - 水硬性組成物用分散剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水硬性組成物用分散剤に関する。特に、超高強度コンクリートの作業性に優れる水硬性組成物用分散剤及び該分散剤を含有する超高強度コンクリート成形体並びにその製造方法に関する。更に、水硬性組成物用分散剤の製造方法に関する。
特許文献1には、特定のポリアルキレングリコール(以下、ポリアルキレングリコールをPAGと表記する)エステル系共重合体を組み合わせたセメント混和剤で、高温時のスランプロスが少なく、かつ低温時の添加量増加が少ないことを効果とするセメント混和剤が開示されている。
特許文献2には、特定のPAGエステル系共重合体を組み合わせたセメント用分散剤で、スランプロスが抑えられ、かつ早期強度の発現性が良いとするセメント用分散剤が開示されている。
特許文献3には、特定のPAGエステル系共重合体を組み合わせたセメント用分散剤で、広いコンクリート製造条件に対して、分散性、分散保持性及び初期強度が高いレベルで発現するとしたセメント分散剤が開示されている。
特許文献4には、特定のPAGエステル系共重合体から成るセメント分散剤により、水/結合剤比が10〜30%の超高強度コンクリートの作業性や施工性を改善するとした技術が開示されている。
特許文献5には、ポリカルボン酸系分散剤を使用して、(超)早強ポルトランドセメントを主体とするW/C32%以下のコンクリートのスランプロスを改善することが試みられている。
特開平11−268940号公報(請求項1、段落0004) 特開平11−171619号公報(請求項1、段落0001) 特開2001−322854号公報(請求項1、段落0007) 特開平6−191918号公報(請求項1、段落0004) 特開平7−304014号公報(請求項1、段落0004)
本発明は、特に水/水硬性粉体比40%以下、更には35%以下の超高強度コンクリートに対して、混練後短時間内の流動性について、年間を通じて、従来以上の作業性及び充填性を付与できる分散剤を提供することを課題とする。
さらに、かかる課題を解決した上で、水/水硬性粉体比がさらに小さい超高強度コンクリートの粘性を抑制して良好な充填性を確保することを課題とする。また、超高強度コンクリート製品の表面美観や充填面の表面仕上げ性の向上を課題とする。
本発明は、下記一般式(1)で示される単量体(a)〔以下、単量体(a)という〕由来の構造単位と、下記一般式(2-1)で示される単量体及び下記一般式(2-2)で示される単量体から選ばれる単量体(b)〔以下、単量体(b)という〕由来の構成単位とを有する第1、第2の共重合体を含有し、以下の要件1〜3を具備する水硬性組成物用分散剤に関する。
[要件1]
第1の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nA]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xA)の積[nA]*xA、並びに、第2の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nB]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xB)の積[nB]*xBの一方が50〜165未満、他方が165〜1000の範囲にある。
[要件2]
前記xA及びxBが共に2〜99重量%の範囲にある。
[要件3]
前記[nA]及び[nB]が共に5〜105の範囲にある。
Figure 0004105108
〔式中、
11、R12:同一でも異なっていても良く、水素原子又は−CH3
13:水素原子又は−COO(AO)mX11
X、X11:同一でも異なっていても良く、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基
m、n:同一でも異なっていても良く、1以上の整数
p:0〜2の数
を示す。〕
Figure 0004105108
〔式中、
21、R22、R23:同一でも異なっていても良く、水素原子、−CH3又は(CH2)rCOOM22であり、−CH3又は(CH2)rCOOM22はCOOM21又は他の(CH2)rCOOM22と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM21、M22は存在しない。
21、M22:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
r:0〜2の数
を示す。〕
Figure 0004105108
〔式中、
31:水素原子又はメチル基
Z:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
を示す。〕
また、本発明は、上記本発明の水硬性組成物用分散剤を含有する水硬性組成物、及び該水硬性組成物を成形した水硬性組成物成形体に関する。
また、本発明は、上記一般式(1)で示される単量体(a)由来の構造単位と、上記一般式(2-1)で示される単量体及び上記一般式(2-2)で示される単量体から選ばれる単量体(b)由来の構成単位とを有する第1、第2の共重合体であって、前記した要件1〜3を具備する共重合体を混合する工程を有する、水硬性組成物用分散剤の製造方法に関する。本発明の分散剤は、この方法により製造されることが好ましい。本発明の分散剤を製造する際には、前記単量体(a)由来の構造単位と前記単量体(b)由来の構成単位とを有する共重合体のうち、前記の要件1〜3を満たす第1、第2の共重合体を選定すること、並びに、該第1、第2の共重合体を混合することを行うことが好ましい。
また、本発明は、上記一般式(1)で示される単量体(a)由来の構造単位と、上記一般式(2-1)で示される単量体及び上記一般式(2-2)で示される単量体から選ばれる単量体(b)由来の構成単位とを有し、前記した要件1〜3を具備する第1、第2の共重合体と、水と、水硬性粉体、好ましくはセメントと、骨材とを混合する工程を有する、水硬性組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、特に水/水硬性粉体比40%以下、更には35%以下の超高強度コンクリートに対して、混練後、短時間内の流動性について、環境や配合等が変動しても、優れた作業性及び充填性を安定して付与できる水硬性組成物用の分散剤が得られる。
コンクリート製品や土木・建築構造物を製造、若しくは、生コンクリートにより現場打設する場合、コンクリートを型枠に注入しながら内部、又は外部振動機で締め固めすることや、パイル、ポール、ヒューム管のようにコンクリートを型枠内に盛り込んで遠心成型により締め固めすることが一般的である。
かかる分野では、良好な作業性を有するコンクリートを混練することが必要で、特に、混練後30分以内のコンクリートは、安定した流動保持性と低い粘性が要求される。
コンクリート製品の製造では、多くの場合、混練後30分以内に型枠に充填されるので、混練後30分程度でも十分な低粘性と流動性が必要とされ、30分以降はコンクリート充填面の仕上作業性やブリージング抑止を確保するため、流動性は低下することが好ましい。
一方、生コンクリートによる現場打設では、1〜3時間後の現場打設時におけるコンクリートの状態を確保するのに、混練後15分前後のコンクリートの流動状態を見て混練条件を管理することが多いため、やはり混練後短時間経過後のコンクリートの流動性が、コンクリート材料やコンクリート温度に対して安定していることが必要である。
しかし、従来は、30分経過以降も流動性を保持する技術の開示はあっても(特許文献1、特許文献2)、混練後短時間経過後のコンクリートの流動性を制御する技術についての開示は十分ではなかった。
流動保持性を確保するのに、従来から、いわゆる遅延剤(「コンクリート混和剤の開発技術」普及版、94〜107頁、(株)シーエムシー、1998年)が使われるが、遅延剤は主に混練後30分以降の流動保持性を確保するために使用されるものである。
しかし、コンクリート製品用途では、混練後30分以降の流動性がむしろ急速に低下することが必要であり、蒸気養生により硬化促進されることが多いため、遅延剤を使用することは、長期に渡り過剰な流動性が発現し、蒸気養生強度が大幅に低下する点において好ましくない。
混練後15分前後のコンクリートの流動状態を良好に保持する方法として、各種の高性能AE減水剤を使用することが好ましい場合がある(「コンクリート混和剤の開発技術」普及版、58〜69頁、(株)シーエムシー、1998年)。特に、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、コンクリートの耐久性確保に必要な低い水/セメント比(以下、W/Cと表記することもある)のコンクリートを混練するのに優れている。
しかし、本発明者等は、従来のポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、一定のコンクリート温度下で、コンクリート製品に要求される混練後30分までは流動性を確保し、それ以降に流動性が低下するようにすることができるものもあるが、かかる性能が温度によって大きく変動する欠点があることを見出した。
すなわち、コンクリート温度が高いと流動保持性が急激に低下し、混練後15分程度まで流動性が確保できなくなり、コンクリート温度が低いと分散性が急速に低下し、同一の混練時間では流動性が十分に発現せず、混練後に過分散状態が継続し、混練後30分経過しても流動性が増大し続けることになり、この傾向は、W/Cが低くなるとさらに顕著となる。
このような温度依存性を小さくするための技術として、特許文献3に開示されている技術がある。しかし、ここに具体的に開示されている範囲では、よりW/Cが低いコンクリート系では、温度による流動保持性の変動を十分に抑制することができず、また十分に粘性を低減することができない。
従来、超高強度コンクリートの中でも水/水硬性粉体比(以下、W/Pと表記することもある)が30%(重量比、以下同様)以下のものが研究的に開発が進められてきたが、近年、シリカヒュームセメント等の水硬性粉体の品質の向上に伴ない、水/水硬性粉体比が20%以下の超高強度コンクリートが実用レベルで検討がされつつある(特許文献4、特許文献5)。
水/水硬性粉体比が20%以下の超高強度コンクリートは、600kg/m3を越える水硬性粉体、細骨材及び粗骨材を含む配合物を少量の水で混練しなければならないため、これに適した水硬性粉体用分散剤を使用することが不可欠である。
しかし、従来の水硬性粉体用分散剤は、先に述べたように混練後短時間内の流動性について、温度により分散力が変動し、年間を通じて安定した作業性や施工性を得ることができないという課題があった。
超高強度コンクリートでは、水硬性粉体用分散剤の使用量が、水/水硬性粉体比が40%を超える通常のコンクリートに比べて多いため、その分散性の温度依存性の影響は極めて大きい。
具体的には、冬期には水硬性粉体用分散剤の分散性が低下し、同じ混練時間で排出すると、排出後も分散が進行し過分散に陥り、コンクリート系の材料分離抵抗性が著しく低下してブリージングが生じたり、振動締め固めの際に水路が発生するといった問題が生じる。逆に、夏期は分散保持性が良くないために、混練中に分散力が低下し、排出後のコンクリート系の流動性が著しく低下する場合がある。かかる場合、型枠へのコンクリートの充填性が悪化したり、振動締め固めをしても表面に気泡が残り美観が悪化するという問題が生じる。
本発明者等は、以上の状況把握に基づき、PAGエステル系共重合体の構造及び組合せによる効果を種々検討した結果、従来にはない特定のPAGエステル系共重合体の組み合わせを用いた場合に、本発明の課題を解決し得ることを見出した。
水/水硬性粉体比40%以下、更には35%以下の超高強度コンクリート(以下、単に超高強度コンクリートということがある)を短時間で混練するには、強い分散力を有する単量体(a)と、単量体(b)とのPAGエステル系共重合体を含有するセメント分散剤を使用することが必要である。
その際、水硬性粉体用分散剤の分散性及び分散保持性を向上し、温度依存性を安定させるには、従来の水硬性粉体用分散剤のように単一構造のものを単独成分で使用する方法では対応できない。
本発明者等は、水硬性粉体用分散剤の分散性もしくは分散保持性の指標として、PAGエステル系共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[n]、単量体(a)と単量体(b)の合計重量に対する単量体(b)の酸型換算重量%xの積[n]*xに着目し、積[n]*xの異なるPAGエステル系共重合体の組み合わせを種々検討した結果、xが2〜99重量%(要件2)及びnが5〜105(要件3)を具備した上で、積[n]*xが特定の関係にある組み合わせ(要件1)が、分散力及び分散保持性の温度依存性が小さく、性能が安定していることが明らかとなった。以下、単量体(a)、単量体(b)と[n]*xについて詳述する。
<単量体(a)>
単量体(a)のアルキレンオキサイドの平均付加モル数[n]について説明する。
単量体(a)として、一般式(1)において、R11、R12がそれぞれ水素原子又はメチル基であり、R13が水素原子であり、アルキレンオキサイドの付加モル数nの分布が、単一のピークを有する一般式(1)で示される単量体の集合物を使用することができる。当該集合物のnについての平均値をnaとする。本発明に係る第1又は第2の共重合体を工業的に製造する場合に使用する単量体(a)に係る原料は、通常、かかる集合物である。かかる場合、単量体(a)の平均付加モル数[n]とは、naをいう。
次に、単量体(a)として、一般式(1)において、R11、R12がそれぞれ水素原子又はメチル基であり、R13がCOO(AO)mX11であり、アルキレンオキサイドの付加モル数m及びnの分布が、単一又は異なる2つのピークを有する一般式(1)で示される単量体の集合物を使用することができる。当該集合物のm及びnについての平均値をnaとする。かかる場合、単量体(a)の平均付加モル数[n]とは、naをいう。
この[n](すなわち[nA]、[nB])は、単量体(a)を用いた第1もしくは第2の共重合体について1H−NMRで測定することができる。単量体(a)を1H−NMRに供して[n]を測定することもできるが、共重合体を用いて測定することが簡便であり好ましい。なお、x(すなわちxA、xB)についても、第1もしくは第2の共重合体について1H−NMRで測定することができる。なお、1H−NMRによる測定は、例えば次のようにして行うことができる。水に溶解した共重合体を窒素雰囲気中で減圧乾燥したものを、3〜4%の濃度で重水に溶解し、1H−NMRを測定する。アルコキシ基(この場合はメトキシ基)のピークの積分値とアルキレンオキサイド基のピークの積分値とから、エチレンオキサイド基のHの総数を求め、アルキレンオキサイド基1個に含まれる水素原子の数で除した値を共重合体の[n]とする。具体的には、1H−NMRの測定は、Varian社製「UNITY−INOVA500」(500MHz)を用い、データポイント数64000、測定範囲10000.0Hz、パルス幅(45°パルス)60μsec、パルス遅延時間30sec、測定温度25.0℃の条件で行うことができる。
さらに、単量体(a)として、naの異なる2種以上のものを併用することができる。即ち、naの異なるk種の単量体を用いる場合は、各単量体のnaを(na)i(i=1,2・・・k)と表して、(na)iの単量体の共重合モル%をtiとしたとき、単量体(a)のアルキレンオキサイドの平均付加モル数[n]は、以下の式で定義される。
[n]≡Σ(na)ii/Σti
式(1)中のAOは、同一でも異なっていても良く、異なる場合はランダム付加でも、ブロック付加でも良いが、好ましくは、全てエチレンオキサイドであることである。
単量体(a)の具体例として、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端低級アルキル基封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物や、(メタ)アクリル酸へのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物が挙げられ、好ましくはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物であり、特に好ましくはメトキシポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル化物である。
本発明では、第1、第2の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nA]及び[nB]が共に5〜105の範囲にある。
[nA]及び[nB]が共に5〜105の範囲にある限り、単量体(a)の付加モル数n及びmは1以上の整数であるが、超高強度コンクリートの型枠への充填性を確保するには、混練後の粘性を抑制する必要があり、そのためには、n及びmが、2未満又は105を超える単量体を併用することもできるが、n及びmが2未満又は105を超える単量体の比率は、共重合体を構成する単量体中20重量%以下、更に10重量%以下、更に5重量%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。
共重合体を構成する単量体中のn、mの分布(重量%)は、共重合体について、ESIを用いた質量分析法を行うことにより測定することができる。その条件は以下の通りである。
<ESI測定条件>
・質量分析計:JMS-SX 102A(日本電子社)
・イオン化法:Electrospray Ionization(ESI)
・加速電圧:3kV(Positiveモード)
・Sample Inj. Mode:Infusion
・分解能(設定):1000
・Scan Range(m/z):10〜4000
・積算時間:10分
・Data Type:Profile
試料(共重合体)は、2%酢酸を含むメタノール/クロロホルム混合液(1:1、重量比)に溶解して測定に供する。
[nA]及び[nB](まとめて[n]と表記する)の範囲は、フレッシュコンクリートの粘性の観点から、[n]は100以下が好ましく、75以下がより好ましく、50以下がさらに好ましく、40以下がさらに好ましく、30以下がさらに好ましく、25以下が特に好ましい。また、分散性の観点からは、[n]は5以上が好ましく、8以上がより好ましい。
温度依存性の平滑化を加えた総合的な観点から、[n]は5〜75がより好ましく、5〜50がさらに好ましく、8〜50がさらに好ましく、5〜40がさらに好ましく、8〜40がさらに好ましく、5〜30がさらに好ましく、8〜30がさらに好ましく、5〜25がさらに好ましく、8〜25が特に好ましい。
超高強度コンクリートの型枠への充填性を確保するには、混練後の粘性を抑制する必要があり、そのためには、単量体(a)の構造を有しnaが2未満又は105を超える単量体を併用することもできるが、naが2未満又は105を超える単量体の比率は、共重合体を構成する単量体中20重量%以下、更に10重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。この場合も、[nA]及び[nB]が共に5〜105の範囲にある必要がある。
<単量体(b)>
第1、第2の共重合体における単量体(b)の酸型換算重量%xA及びxB(以下、まとめてxと表記する場合がある)は、分散性及び分散保持性の観点から、共に2〜99重量%の範囲にある。
xが2重量%以上では、分散性が良好で、低温もしくは低い水/水硬性粉体比の下でのコンクリートの混練が十分となる。また、xが99重量%以下では、分散保持性が良好で、高温もしくは高W/Cの下でのコンクリートの流動性を適正に維持できる。
以上の観点から、xの下限値については、さらに、5重量%以上が好ましく、8重量%以上がより好ましく、xの上限値については、さらに、90重量%以下が好ましく、70重量%以下がさらに好ましく、50重量%以下がさらに好ましく、40重量%以下がさらに好ましく、35重量%未満がさらに好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下がさらに好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
xは、以上を総合すると、5〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がさらに好ましく、5〜35重量%未満がさらに好ましく、5〜30重量%がさらに好ましく、8〜30重量%がさらに好ましく、5〜25重量%がさらに好ましく、8〜25重量%がさらに好ましく、8〜20重量%が特に好ましい。
また、xA、xBは、要件1を満たした上で、一方が他方よりも大きいこと(xB<xAもしくはxA<xB)が好ましい。
単量体(b)は式(2-1)で表される単量体及び式(2-2)で表される単量体から選ばれる。式(2-1)で表される単量体として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体、又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸又はこれらのアルカリ金属塩であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸のナトリウム塩であり、更に好ましくはメタクリル酸のナトリウム塩である。また、式(2-2)で表される単量体として、(メタ)アリルスルホン酸又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アリルスルホン酸のナトリウム塩であり、更に好ましくはメタリルスルホン酸のナトリウム塩である。
単量体(b)は、共重合体の分子量制御の観点より、式(2-1)、式(2-2)で表される単量体のみ、又は式(2-1)及び式(2-2)で表される単量体の混合物が好ましく、式(2-1)で表される単量体のみから選ばれるのが更に好ましく、最も好ましいのは、メタクリル酸を選ぶことである。
<第1、第2の共重合体>
本発明者等は、PAGエステル系重合体の構造及び分散性能について、以下の知見を得た。
(1)単量体(a)と単量体(b)とを用いたPAGエステル系重合体は、分散性と分散保持性について相反する性状を示し、分散性が大きいと分散保持性が小さく、分散性が小さいと分散保持性が大きい。
(2)単量体(a)と単量体(b)とを用いたPAGエステル系重合体の分散性は、単量体(a)の平均付加モル数[n]と単量体(b)の酸型換算重量%xとの関係が強く、一定のxでは、[n]が大きい程分散性が大きく、一定の[n]では、xが大きい程分散性が大きい。
(3)したがって、ある値の[n]あるいはxについては、PAGエステル系重合体の分散性は、[n]とxの積[n]*xと相関がある。即ち、[n]*xが大きい程分散性が大きく、[n]*xが小さいほど分散性が小さい。そして、同じ[n]*xであれば、[n]とxが異なっていても同様の分散性を示すことから、複数のPAGエステル系重合体を併用する場合、[n]とxが異なったものを組み合わせても、[n]*xが同じになるような組み合わせになると、分散性、分散保持性を設計する上で必ずしも有利とはならない場合があり得ることが示唆された。
(4)そこで、[n]*xの相違に基づき、すなわち、分散性が大きく分散保持性の小さい(即ち[n]*xが大きいことに相当する)PAGエステル系重合体と分散性が小さく分散保持性の大きい(即ち[n]*xが小さいことに相当する)PAGエステル系重合体とを混合すると、混合物の分散性と分散保持性を制御することができ、それぞれが特定の分散性(即ち、特定の[n]*x)を有する場合に、混練後短時間後のコンクリート流動性が、コンクリート材料やコンクリート温度によって安定することが示唆される。
以上の知見について、さらに詳細に説明する。
本発明では、上記単量体(a)由来の構造と単量体(b)由来の構造とを構成単位として含む第1、第2の共重合体が使用される。
本発明では、第1の共重合体における単量体(a)の平均付加モル数[nA]及び単量体(a)と単量体(b)の合計に対する単量体(b)の酸型換算重量%xAの積[nA]*xAと、第2の共重合体におけるアルキレングリコールの平均付加モル数[nB]及び単量体(a)と単量体(b)の合計に対する単量体(b)の酸型換算重量%xBの積[nB]*xBの一方が50〜165未満、他方が165〜1000の範囲にある(要件1)。
すなわち、本発明では、単量体(a)由来の構造単位と単量体(b)由来の構造単位とを有する第1の共重合体と、単量体(a)由来の構造単位と単量体(b)由来の構造単位とを有し、第1の共重合体とは[n]及びxの少なくとも一方が異なる第2の共重合体が用いられる。
要件1について、一方の当該積が50以上であれば、水硬性組成物の分散性が十分となり、超高強度コンクリートの混練も十分となり、また、他方の当該積が1000以下であれば、水硬性組成物の分散保持性が十分となり、混練後短時間内の流動保持性が安定となる。
要件1において、当該積の値は、大きい程分散性が強く、小さい程流動保持性が強いことに対応する。従って、水硬性組成物用分散剤が、単一の当該積を有する単量体(a)由来の構造単位と単量体(b)由来の構造単位とを有する共重合体(以下、一の共重合体ともいう)を含有する場合は、当該一の共重合体の分散性及び流動保持性が温度により変動すれば、当該分散剤の分散性及び流動保持性は直接的に影響を受け、温度に依存して同様に変動することになる。
しかし、異なる当該積を有する共重合体を含有する水硬性組成物用分散剤は、各々の共重合体の分散性及び分散保持性が温度により変動しても、当該分散剤全体の分散性及び分散保持性の温度変動が大きく緩和される場合があり、当該緩和効果が最も有効に発現するのが、異なる当該積を有する共重合体の組み合わせが要件1を具備する場合である。つまり、本発明は、当該積の相違を、[n]*xが165未満、[n]*xが165以上という基準により判断することが好適であることを見出したものである。
[nA]*xAと[nB]*xBとはどちらが大きくてもよいが、便宜上、[nA]*xA>[nB]*xBとして、以下を説明する。
先に述べた通り、[nB]*xBの値が小さい程流動保持性は強く、分散性は弱くなる。従って、過度に分散性を低下させない範囲として、[nB]*xBは50以上であれば、当該分散剤の分散性が十分となる。[nB]*xBは流動保持性の点で165未満が好ましい。
一方、[nA]*xAの値が大きい程分散性が強く、流動保持性は弱くなる。従って、過度に流動保持性を低下させない範囲として、[nA]*xAが1000以下であれば、当該分散剤の流動保持性が十分となる。[nA]*xAは分散性の点で180以上が好ましく、200以上がより好ましい。
混練後短時間内における当該分散剤全体の分散性及び流動保持性の温度依存性を抑制する効果の観点から、[nB]*xBの上限及び[nA]*xAの下限が要件1を具備することが好ましい。
[nA]*xAは180〜700が好ましく、200〜700がさらに好ましく、200〜500がさらにより好ましく、250〜500が特に好ましい。この範囲の[nA]*xAに対して、[nB]*xBは50〜165未満が好ましく、70〜165未満がさらに好ましく、100〜165未満がさらにより好ましく、130〜165未満が特に好ましい。
分散性と分散保持性バランス及び温度依存性の平滑性の観点から、総合的には、
[nA]*xAが180〜700で、[nB]*xBが50〜165未満の場合が好ましく、
[nA]*xAが200〜700で、[nB]*xBが50〜165未満の場合がさらに好ましく、
[nA]*xAが200〜500で、[nB]*xBが50〜165未満の場合がさらに好ましく、
[nA]*xAが200〜500で、[nB]*xBが70〜165未満の場合がさらに好ましく、
[nA]*xAが200〜500で、[nB]*xBが100〜165未満の場合がさらに好ましく、
[nA]*xAが200〜500で、[nB]*xBが130〜165未満の場合が特に好ましい。
本発明の分散剤は、さらに、以下の要件4を具備することが好ましい。
[要件4]
前記[nA]*xAと[nB]*xBとの差の絶対値が(以下、Δn*xと表記する)20以上である。
さらに、Δn*xは、30以上が好ましく、50以上がより好ましく、100以上がさらに好ましく、130以上がさらにより好ましく、150以上が特に好ましい。Δn*xはあまり大きいと、両者の機能の相乗効果が低下し、分散性及び分散保持性がむしろ低下するので、Δn*xは700以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、300以下であることが特に好ましい。
また、[nA]及び[nB]は、同一でも異なっていてもよいが、セメントの種類に対する分散性及び分散保持性の安定性を考慮すると、[nA]と[nB]との差の絶対値が2以上であることがより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が特に好ましい。
以上を総合すると、第1の共重合体は[nA]=17〜25、xA=12〜20重量%、第2の共重合体は[nB]=5〜9、xB=12.5〜18重量%で、[nA]、[nB]は共にnaが25以下の単量体(もしくは単量体混合物)に由来することが好ましく、第1の共重合体は[nA]=17〜25、xA=12〜20重量%、第2の共重合体は[nB]=8〜9、xB=14〜18重量%で、[nA]、[nB]は共にnaが25以下の単量体(もしくは単量体混合物)に由来することが更に好ましい。これらの共重合体は、本発明の要件1〜3、さらに、要件4を具備する。
第1、第2の共重合体を構成する単量体混合物中の単量体(a)と単量体(b)の合計量は50重量%以上、更に80重量%以上、特に100重量%が好ましい。単量体(a)と単量体(b)以外の共重合可能な単量体として、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等が挙げられる。
本発明に係る共重合体は、公知の方法で製造することができる。例えば、特開平11-157897号公報の溶液重合法が挙げられ、水や炭素数1〜4の低級アルコール中、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の重合開始剤存在下、要すれば、亜硫酸ナトリウムやメルカプトエタノール等を添加し、50〜100℃で0.5〜10時間反応させればよい。
本発明の共重合体は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/標準物質ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算/水系)が10,000〜100,000、特に10,000〜50,000の範囲が好ましい。
本発明において、第1、第2の共重合体の両者全体の[n]の平均値nAVは、コンクリートの粘性の観点から、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。例えば、第1、第2の共重合体を、第1/第2=WA/WBの重量%(合計は100重量%)で混合した場合、該混合物の全体の[n]の平均値nAVは、以下の式で定義される。
AV≡〔[nA]×(MA)+[nB]×(MB)〕/〔MA+MB
ここで、MAは、第1の共重合体WA(g)中の単量体(a)の共重合モル数であり、MBは、第2の共重合体WB(g)中の単量体(a)の共重合モル数である。なお、このnAVは第1、2の共重合体の仕込み比率(更には、単量体(a)、(b)のモル比)から計算することもできるが、1H−NMRにより測定することもできる。
なお、本発明では、第1、第2の共重合体として、それぞれ単量体(a)、(b)から構成される共重合体を2種以上使用することもできる。例えば、第1の共重合体として、[nA]がXの共重合体Xと[nA]がYの共重合体Yを用い、第2の共重合体として、[nB]がZの共重合体Zを併用できる。この場合、第1、第2の共重合体の組み合わせの少なくとも1つにおいて、本発明の要件1〜3を満たせば良く、他の共重合体は本発明の効果を損なわない範囲で使用される。なお、この場合、好ましくは、用いる全ての第1、第2の共重合体同士で前記Δn*xが要件4、更にその好ましい範囲を満たすことである。
<水硬性組成物用分散剤>
本発明の分散剤において、第1の共重合体と第2の共重合体の重量比は、第1/第2=5/95〜95/5が好ましく、第1/第2=15/85〜85/15がより好ましく、第1/第2=25/75〜75/25がさらに好ましく、第1/第2=30/70〜70/30が特に好ましい。特に、水硬性組成物の分散性を改善するためには、[n]*xが大きい方の共重合体を増やすように調整することが好ましく、分散保持性を改善するためには、[n]*xが小さい方の共重合体を増やすように調整することが好ましい。従って、[n]*xが大きい方を第1の共重合体とすると、W/Pが40%以下、更には35%以下の超高強度コンクリートでは、分散性を重視する場合の第1、第2の共重合体の重量比は、第1/第2=70/30〜50/50が好ましく、70/30〜60/40が更に好ましい。
また、本発明の分散剤において、第1の共重合体と第2の共重合体の合計量の含有量は、第1、第2の共重合体、その他の分散剤中の全固形分中、50重量%以上が好ましく、特に80〜100重量%、更に90〜100重量%が好ましい。なお、以下、第1の共重合体と第2の共重合体の合計量を固形分ということもある。
なお、本発明の分散剤では、本発明の性能を損なわない範囲で、別途合成したアルキレンオキサイド平均付加モル数が105を超えるポリカルボン酸系共重合体、典型的にはPAGエステル系共重合体を使用することができるが、その割合は、コンクリートの粘性の点から、第1の共重合体及び第2の共重合体の合計に対して20重量%以下、更に10重量%以下、特に5重量%以下である。
本発明の分散剤が良好に機能する水硬性組成物は、水、セメント、骨材を含有するモルタル又はコンクリートである。セメントとして、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントが挙げられ、特に早強ポルトランドセメントが好ましい。
また、骨材のうち、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。
特に水/水硬性粉体比の低い範囲、例えば水/水硬性粉体比が40%以下、更に5〜40%、より更に5〜30%、特に5〜20%では、標準粒度分布の細骨材と同等の流動性を維持するために、細骨材として、粒度分布が、JIS A 1102で用いられる呼び寸法0.3mmのふるいの通過率(以下、0.3mm通過率という)が1〜10重量%未満で、かつ、粗粒率が2.5〜3.5である細骨材(以下、細骨材Aという)が好ましい。
細骨材Aは、より好ましくは、0.3mmを超えるふるい呼び寸法における通過率が標準粒度分布の範囲内にあることである。
本発明において、細骨材Aの0.3mm通過率は、水硬性組成物の流動性の点から、10%未満が好ましく、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは7%以下である。水硬性組成物の材料分離抵抗性の点から、0.3mm通過率は1%以上が好ましく、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%を超えていることである。
従って、流動性維持と材料分離抵抗性の観点から、0.3mm通過率は1〜10%未満が好ましく、より好ましくは3〜9%、更に好ましくは5〜7%である。
以上の要件に加え、細骨材Aは、粗粒率(JIS A0203-3019)が2.5〜3.5であることが好ましく、より好ましくは2.6〜3.3で、更に好ましくは2.7〜3.1である。
粗粒率が2.5以上では、コンクリートの粘性が低減され、粗粒率が3.5以下では、材料分離抵抗性も良好となる。
さらに、細骨材AのJIS A 1102で用いられる呼び寸法0.3mmを超えるふるいの通過率が、JIS A 5308付属書1表1の砂の標準粒度の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、呼び寸法0.15mmのふるいの通過率が2重量%未満であり、更に好ましくは1.5重量%未満である。ただし、材料分離抵抗性の観点から、0.5重量%以上であることが好ましい。呼び寸法0.3mmを超えるふるいについては、1つ以上の呼び寸法で、通過率が標準粒度の範囲内にあればよいが、好ましくは全部について標準粒度の範囲内にあることである。
細骨材Aとしては、上記の粒度分布と粗粒率を満たす限り、砂、砕砂等、公知のものを適宜組み合わせて使用できる。本発明に使用できる細骨材としては、中国福建省ミン江等、特定地域の川砂が挙げられる。細孔が少なく、吸水性が低く、同じ流動性を付与するのに少量の水でよい点から、海砂よりも川砂、山砂、砕砂が好ましい。また、細骨材Aは、絶乾比重(JIS A 0203:番号3015)が2.56以上であることが好ましい。
本発明の水硬性組成物には、セメント以外の水硬性粉体として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてよい。セメントと混合されたシリカヒュームセメントや高炉セメントを用いてもよい。以下、水硬性組成物に水硬性粉体と非水硬性粉体が含まれる場合は、全てを一括して水硬性粉体と呼ぶ。
セメント以外の水硬性粉体としては、水硬性組成物の混練後の流動性の観点から、シリカヒュームが含まれることがより好ましい。
本発明の分散剤は、超高強度コンクリート等、水/水硬性粉体比が低い水硬性組成物に好適に用いられる。水硬性組成物の水/水硬性粉体比は、水硬性組成物の混練性と強度発現性の観点から、40%以下が好ましく、更に5〜40%が好ましく、5〜30%がより好ましく、5〜20%が特に好ましい。
シリカヒュームが含まれる水硬性組成物については、混練性と強度発現性の観点から、セメント/シリカヒューム重量比が97/3〜80/20、更に95/5〜85/15であり、且つセメントとシリカヒュームの合計が400〜1300(kg/m3)、更に500〜900(kg/m3)であることが好ましい。さらに、強度発現性を考慮すると、水/(セメント+シリカヒューム)×100(重量比)が10〜20であることが好ましい。
特に、強度発現性を考慮すると、以上の条件中のセメントが早強ポルトランドセメントであることが最も好ましい。
本発明の分散剤を使用する水硬性組成物は、水硬性粉体、好ましくはセメント、骨材及び必要に応じて高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等から選ばれる1種以上の微粉末を、本発明の分散剤、混練水及び必要に応じて消泡剤等その他の添加剤の存在下でミキサーで混合して製造することができる。W/Pが40%以下、更には35%以下、更には30%以下の超高強度コンクリートでは、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等から選ばれる1種以上の微粉末を含有することが好ましく、少なくともシリカヒュームを含有することがより好ましい。
かかる場合、本発明の分散剤以外の材料に、本発明の第1の共重合体と第2の共重合体を予め混合した状態で添加して混合してもよく、別々に添加して混合してもよいが、効果の発現性及び取り扱いやすさの観点からは、予め混合しておくことが好ましい。また、本発明の分散剤を、予め消泡剤等のその他の添加剤並びに/若しくは水を含有させて使用してもよく、取り扱いやすさの観点からは含有させることが好ましい。また、本発明の分散剤を、予め混練水に混合して使用してもよい。水硬性組成物の均一混合性の観点からは、予め混練水に混合して使用することが好ましい。
W/Pが40%以下、更には35%以下、更には30%以下の超高強度コンクリートでは、本発明の分散剤、必要に応じて消泡剤等その他の添加剤及び混練水(以下、まとめて液状材料ともいう)を添加する前に、液状材料以外の材料を30秒以上ミキサーで混合し、その後、液状材料を添加して3分以上、W/Pが30%以下の場合は、5分以上混合することが好ましい。液状材料を添加した後の混合は、必要なスランプ又はスランプフローとなったときに終了すればよいが、生産性の観点からは、10分を超えないことが好ましい。本発明では、本発明の分散剤を使用することにより、10分を超えない混練時間でも、良好な分散保持性を有する超高強度コンクリートが得られる。
かかる水硬性組成物による成形体としては、カルバート、側溝、セグメント等の振動成形製品やポール、パイル、ヒューム管等の遠心成形製品が挙げられ、本発明の分散剤を使用することにより、年間を通じて良好な施工性と優れた強度及び耐久性を獲得することができる。振動成形製品では、型枠の充填面が平滑に仕上がり、美しい外観を得ることができる。遠心成形製品では、充填性に優れたものが得られる。
水/水硬性粉体比が20%以下の超高強度コンクリートを用いた遠心成形の好ましい条件としては、スランプ値が10cm以下、好ましくは5cm以下、更に2cm以下が好ましい。スランプ値が10cm以下であると型枠への充填性及び成形性が良く、内面の落下やダレが防止され、内面の平滑性も良好となる。
かかる超高強度コンクリートの遠心成形条件としては、2〜40Gで13〜40分程度必要であり、例えば、2〜5Gで5〜15分、中速10〜20Gで3〜10分、高速30〜40Gで5〜15分が挙げられ、特に通常よりも低速時間を長くする条件が好ましい。
このような条件で遠心成形した場合の蒸気養生条件は、成形後1〜4時間前置後、10〜30℃/hrで昇温し、60〜80℃で2〜8時間保持し、自然冷却する通常の条件が用いられる。
このような条件で遠心成形した場合に、成形後1〜3日後の強度を高めたい場合は、前置き1〜2時間、昇温20〜30℃/hr、保持70〜80℃で6〜8時間保持し、自然冷却が好ましい。また14日以降の強度を高めたい場合は、前置き3〜4時間、昇温10〜20℃/hr、保持60〜70℃で2〜4時間保持し、自然冷却する条件が好ましい。
本発明の水硬性粉体用分散剤は、水硬性粉体に対して固形分で、0.01〜5重量%、更に0.05〜3重量%の比率で用いられることが好ましい。従って、本発明の水硬性組成物は、本発明の分散剤を水硬性粉体100重量%に対して固形分で0.01〜5重量%含有することが好ましい。ここでいう、固形分は、第1の共重合体と第2の共重合体の合計量である。
水硬性組成物には、上記成分以外に、ノロ低減材、早強材等の各種混和材料を使用することができる。更に、公知の添加剤(材)、例えばAE剤、AE減水剤、高性能減水剤、減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、防腐剤等を併用することが出来る。
<細骨材>
以下の例では、細骨材として、次のS1、S2を用いた。
S1:細骨材、千葉県君津産山砂、表乾比重=2.63
S2:細骨材、中国福建省ミン江産川砂、表乾比重=2.63
Figure 0004105108
<実施例1>
《コンクリート材料》
下記のコンクリート材料を用いて表1bの配合によりコンクリートの製造に用いた。本例は、生コン/コンクリート振動成形製品用途の組成物の実施例である。
W:セメント分散剤を混合した水道水
C:普通ポルトランドセメント〔太平洋セメント(株)〕、表乾比重=3.16SFC:シリカヒュームセメント〔宇部三菱セメント(株)〕、表乾比重=3.08
BFS:高炉スラグ微粉末〔新日鉄高炉セメント(株)、エスメントスーパー60〕、表乾比重=2.89
S1:細骨材、千葉県君津産山砂、表乾比重=2.63
G:粗骨材、和歌山産砕石G2013、表乾比重=2.62
W/P:[W/(C+BFS+SFC)]×100(%、重量比)
s/a:[S/(S+G)]×100(%、体積比)
空気量:2%
Figure 0004105108
《セメント分散剤》
表2の単量体(a)、単量体(b)を用いて表2の共重合体を製造し、それらを表3の組み合わせで併用してセメント分散剤を得た。得られた分散剤を用いて、以下のようにコンクリートを製造し、各配合における粘性、分散性、こて仕上げ性及び分散保持性を評価した。結果を表4〜10に示す。
Figure 0004105108
(注)*Mwは重量平均分子量である。MAAはメタクリル酸であり、MAA−Naは共重合反応後に中和度60±10%に水酸化ナトリウムで中和したことを意味する(以下同様)。また、MSA−Naはメタリルスルホン酸ナトリウムであり、MACはアクリル酸メチルである。
Figure 0004105108
(注)nAVは第1、第2の共重合体全体におけるnの平均値、xAVは第1、第2の共重合体全体におけるxの平均値である(以下同様)。
《コンクリート製造条件》
混練量は、40リットルとし、W/Pにより以下のように製造した。
(1)W/P=35%のもの
セメント分散剤と混合した水以外のコンクリート材料を60リットル強制2軸ミキサーに投入し、10秒間混練後、セメント分散剤と混合した水を投入し、90秒間混練した後、排出する。
(2)W/P=25、20、15%のもの
セメント分散剤と混合した水と粗骨材以外のコンクリート材料を60リットルl強制2軸ミキサーに投入し、10秒間混練後、セメント分散剤と混合した水を投入し、90秒間混練し、その後、粗骨材を投入して60秒間混練した後、排出する。
《粘性》
混練後10分経過後のモルタルを、ステンレス鋼(SUS304)を加工して作製した図1の形状の装置に、下部排出口を閉じた状態で充填し上部投入開口の面で擦り切った後、下部排出開口を開口してモルタルを自然流下させ、叙位部投入開口から目視で観察したときにモルタルの少なくとも一部に孔が確認されるまでの時間(流下時間)を測定し、粘性の尺度とした。流下時間が短いほどモルタルの粘性が低い。コンクリートの場合、目開き5mmの篩でコンクリート中の骨材を分離して取り除いたものをモルタルとした。
《分散性》
コンクリートの分散性は、コンクリートの混練直後のスランプフロー値(コンクリートライブラリー93:高流動コンクリート施工指針、pp160-161、土木学会)が65±1cmとなるときに要した分散剤の水硬性粉体(P)重量に対する固形分(第1の共重合体と第2の共重合体の合計量)添加率を尺度とした。数値が小さい程、分散性が良好である。このとき、初期空気量は2%以下になるように起泡連行剤(マイテイAE-03:花王(株)製)と消泡剤(アンチフォームE-20:花王(株)製)で調整した。
《分散保持性》
混練直後のスランプフロー値に対する混練開始から15分後、30分後及び45分後のスランプ値の、混練直後のスランプフロー値に対する百分率を分散保持率として分散保持性の尺度とした。数値が大きいほど分散保持性が良好である。
この評価では、15分後の分散保持率が85〜105%未満、30分後の分散保持率が70〜100%、45分後の分散保持率が90%以下であることが好ましい。15分後及び30分後の分散保持率がそれぞれ85%未満及び70%を切るとコンクリートの充填性が低下し、15分後及び30分後の分散保持率がそれぞれ105%以上及び100%を超えると、振動を加えると粗骨材がモルタルから分離する虞がある。また、45分後の保持性が90%を超えると、充填後のこて仕上ができず、作業性が低下する。
《こて仕上性》
混練直後のコンクリートを、縦30cm×横150cm×高さ30cmの鋼製型枠にすりきりまで充填する。混練開始から60分後に、以下の作業を行う。
(1)充填面をこてで平滑にする。
(2)充填面のコンクリート表面を櫛目間隔3mmの熊手でまんべんなく刷毛引きする。(1)及び(2)の作業は5分以内で行う。
(3)刷毛引き終了後、15分後に刷毛引き部分を観察する。
(4)刷毛により粗面が刷毛引き部分の全面に形成されていれば、こて仕上げ性は良好として◎、粗面が刷毛引き部分の半分以上に形成されていれば、こて仕上げ性はやや良好として○、粗面が刷毛引き部分の半分に満たなければ、こて仕上げ性は不良として×とした。×の場合、ブリージング等が発生する場合がありこて仕上に時間を要したり、こて仕上げ後ブリージングが発生すれば硬化後の当該仕上げ面が平滑にならなかったりする。
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
<実施例2>
表2の分散剤を用いて、表11の分散剤を調製し、実施例1と同様の評価を行った。なお、細骨材はS1を用いた。結果を表12(a〜c)、表13(a〜d)に示す。
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108

<実施例3>
下記のコンクリート材料を用いて表14の配合によりコンクリートの製造に用いた。なお、細骨材はS1を用いた。本例は、コンクリート遠心成形製品用途の組成物の実施例である。
《コンクリート材料》
W:セメント分散剤を混合した水道水
HC:早強ポルトランドセメント〔住友大阪セメント(株)〕、表乾比重=3.15
SFC:シリカヒュームセメント〔宇部三菱セメント(株)〕、表乾比重=3.08
S1:細骨材、千葉県君津産山砂、表乾比重=2.63
G:粗骨材、和歌山産砕石G2013、表乾比重=2.62
W/P:[W/(C+HC+SFC)]×100(%、重量比)
s/a:[S/(S+G)]×100(%、体積比)
空気量:2%
Figure 0004105108
《セメント分散剤》
実施例1で得たセメント分散剤D1〜D15及びD1’〜D5’を用いた。それら分散剤を用いて、以下のようにコンクリートを製造し、各配合における分散性、分散保持性及び充填性を評価した。結果を表15〜19に示す。
《コンクリート製造条件》
混練量は、40リットルとし、セメント分散剤と混合した水以外のコンクリート材料を60リットル強制2軸ミキサーに投入し、60秒間混練後、セメント分散剤と混合した水を投入し、360秒間混練した後、排出する。
《分散性》
コンクリートの分散性は、コンクリートの排出直後のスランプ値(JIS A 1101)が8〜8.3cmとなるときに要した分散剤の水硬性粉体(P)重量に対する固形分(第1の共重合体と第2の共重合体の合計量)添加率を尺度とした。数値が小さい程、分散性が良好である。このとき、初期空気量は2%以下になるように起泡連行剤(マイテイAE-03:花王(株)製)と消泡剤(アンチフォームE-20:花王(株)製)で調整した。
《分散保持性》
混練直後のスランプフロー値に対する15分後及び30分後のスランプ値の、混練直後のスランプ値に対する百分率を分散保持性の尺度とした。数値が大きい程、分散保持性は良好である。ただし、下記の充填性の観点から、流動性は適正な範囲が存在する。
《充填性》
遠心成形用超高強度コンクリートは、スランプ値を10cm以下に抑えることが好ましいため、W/Pは単位水量を低減して調整する。そのため、分散性が小さいと混練が不足してスランプが経時増大する傾向にある。スランプが10cmを超えると、コンクリートが極めて高粘性の流動体となり型枠内の鉄筋間を粗骨材が通過できず充填不良が生じる。また、あまりスランプが小さいと、流動しにくくなり、充填性はやはり低下するので、3cm未満にならないことが望ましい。そこで、充填性について以下の評価を行った。
(1)上部投入開口30cm、下部排出開口7cmのプラスチック漏斗(上部投入開口面から下部排出開口面までの距離23cm)を、直径20cm×長さ30cmの遠心成形型枠の上側面の直径10cmの開口に設置する(図2参照)。
(2)混練直後から15分後のコンクリート15kgを、ハンドスコップで1.5kgずつ漏斗上口から投入し、投入したコンクリートを、JIS A 1101に規定の突き棒で軽く突きながら、全量を投入する。
(3)コンクリートが全て型枠に投入されるまでの時間を計測し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:投入したコンクリート全量が1分以内で型枠内に投入される。
○:投入したコンクリート全量が1分超2分以内に型枠内に投入される。
×:投入したコンクリート全量が2分以内に型枠内に投入されない。
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
<実施例4>
実施例2の表11の分散剤を用いて、実施例3と同様の評価を行った。なお、細骨材はS1を用いた。結果を表20、表21(a〜d)、表22(a〜d)に示す。
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
<実施例5>
表3の分散剤D3及びD5を用い、実施例1の配合において細骨材S1に代えてS2を用いた場合の効果を実施例1と同様に評価した。結果を表23(a〜b)、表24(a〜d)に示す。
Figure 0004105108
Figure 0004105108
<実施例6>
表3の分散剤D3及びD5を用い、実施例3の配合において細骨材S1に代えてS2を用いた場合の効果を実施例3と同様に評価した。結果を表25、表26(a〜d)、表27(a〜d)に示す。
Figure 0004105108
Figure 0004105108
Figure 0004105108
実施例で粘性の評価のための流下時間の測定に用いた装置を示す概略図 実施例で充填性の評価のための投入時間の測定に用いた装置を示す概略図
符号の説明
1…上部投入開口
2…下部排出開口

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で示される単量体(a)由来の構造単位と、下記一般式(2-1)で示される単量体(b)由来の構成単位とを有する第1、第2の共重合体を第1の共重合体/第2の共重合体=15/85〜85/15の重量比で含有し、以下の要件1、要件2’、要件3’、要件4及び要件5を具備する水硬性組成物用分散剤。
    [要件1]
    第1の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nA]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xA)の積[nA]* A が180〜369の範囲にあり、第2の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nB]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xB)の積[nB]* B 50〜165未満の範囲にある。
    [要件2’]
    前記xAが8.6〜41重量%の範囲にあり、前記xBが14〜20.5重量%の範囲にある。
    [要件3’]
    前記[nA]が9〜33の範囲にあり、前記[nB]が5〜9.7の範囲にある。
    [要件4]
    前記[nA]*xAと[nB]*xBとの差の絶対値が20以上である。
    [要件5]
    前記[nA]と[nB]との差の絶対値が2以上である。
    Figure 0004105108

    〔式中、
    11、R12:同一でも異なっていても良く、水素原子又は−CH3
    13:水素原子
    X:炭素数1〜4のアルキル基
    n:1以上の整数
    p:0の数
    を示す。〕
    Figure 0004105108

    〔式中、
    21、R22、R23:同一でも異なっていても良く、水素原子又はCH3
    21:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    を示す。〕
  2. 水と、セメントと、骨材とを含有する水硬性組成物に用いられる請求項1記載の水硬性組成物用分散剤。
  3. さらに、シリカフュームを含有する水硬性組成物に用いられる請求項2記載の水硬性組成物用分散剤。
  4. 水硬性組成物のセメント/シリカヒューム重量比が97/3〜80/20であり、セメントとシリカヒュームの合計が400〜1300(kg/m3)である、請求項3記載の水硬性組成物用分散剤。
  5. 水/水硬性粉体比が40%(重量比)以下の水硬性組成物に用いられる請求項1〜4いずれか記載の水硬性組成物用分散剤。
  6. セメントが早強ポルトランドセメントである請求項2〜5いずれか記載の水硬性組成物用分散剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の水硬性組成物用分散剤を含有する水硬性組成物。
  8. 請求項7記載の水硬性組成物を成形した水硬性組成物成形体。
  9. 下記一般式(1)で示される単量体(a)由来の構造単位と、下記一般式(2-1)で示される単量体(b)由来の構成単位とを有する第1、第2の共重合体であって、以下の要件1、要件2’、要件3’、要件4及び要件5を具備する共重合体を第1の共重合体/第2の共重合体=15/85〜85/15の重量比で混合する工程を有する、水硬性組成物用分散剤の製造方法。
    [要件1]
    第1の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nA]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xA)の積[nA]* A が180〜369の範囲にあり、第2の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nB]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xB)の積[nB]* B 50〜165未満の範囲にある。
    [要件2’]
    前記xAが8.6〜41重量%の範囲にあり、前記xBが14〜20.5重量%の範囲にある。
    [要件3’]
    前記[nA]が9〜33の範囲にあり、前記[nB]が5〜9.7の範囲にある。
    [要件4]
    前記[nA]*xAと[nB]*xBとの差の絶対値が20以上である。
    [要件5]
    前記[nA]と[nB]との差の絶対値が2以上である。
    Figure 0004105108

    〔式中、
    11、R12:同一でも異なっていても良く、水素原子又は−CH3
    13:水素原子
    X:炭素数1〜4のアルキル基
    n:1以上の整数
    p:0の数
    を示す。〕
    Figure 0004105108

    〔式中、
    21、R22、R23:同一でも異なっていても良く、水素原子又はCH3
    21:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    を示す。〕
  10. 下記一般式(1)で示される単量体(a)由来の構造単位と、下記一般式(2-1)で示される単量体(b)由来の構成単位とを有し、以下の要件1、要件2’、要件3’、要件4及び要件5を具備する第1、第2の共重合体と、水と、水硬性粉体と、骨材とを混合する工程を有する、水硬性組成物の製造方法であって、前記工程における第1の共重合体と第2の共重合体の重量比が、第1の共重合体/第2の共重合体=15/85〜85/15である水硬性組成物の製造方法
    [要件1]
    第1の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nA]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xA)の積[nA]* A が180〜369の範囲にあり、第2の共重合体におけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数[nB]及び(a)と(b)の合計に対する(b)の酸型換算重量%(xB)の積[nB]* B 50〜165未満の範囲にある。
    [要件2’]
    前記xAが8.6〜41重量%の範囲にあり、前記xBが14〜20.5重量%の範囲にある。
    [要件3’]
    前記[nA]が9〜33の範囲にあり、前記[nB]が5〜9.7の範囲にある。
    [要件4]
    前記[nA]*xAと[nB]*xBとの差の絶対値が20以上である。
    [要件5]
    前記[nA]と[nB]との差の絶対値が2以上である。
    Figure 0004105108

    〔式中、
    11、R12:同一でも異なっていても良く、水素原子又は−CH3
    13:水素原子
    X:炭素数1〜4のアルキル基
    n:1以上の整数
    p:0の数
    を示す。〕
    Figure 0004105108

    〔式中、
    21、R22、R23:同一でも異なっていても良く、水素原子又はCH3
    21:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    を示す。〕
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