JP2002187581A - クローラ走行装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローラ走行装置において、作業時のクロー
ラ外れが抑制出来、また、クローラ交換時等の脱着や交
換作業を容易とし、且つクローラの張り具合調整の目安
と出来るクローラ走行装置を提供する。 【解決手段】 可動転輪１０の下方への揺動を規制する
下限ストッパを設け、該下限ストッパによる可動転輪１
０の下限位置を、クローラ２が適正に張られている状態
でクローラ走行装置１を地面から浮かせた時に、前記可
動転輪１０がクローラ２に近接又は接触する位置に設
定。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、不整地を走行する
農業用のトラクタ，コンバイン，ハーベスタ及び運搬車
等のクローラ作業車輛の走行装置に係り、特にクローラ
の取付け及び交換作業に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のクローラ作業車輛の走行
装置において、クローラ取付け及び交換作業に支障をき
たさないように可動転輪を規制する下限ストッパを設け
たクローラ走行装置は既に知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
クローラ走行装置においては、機体をジャッキアップし
てクローラを交換した際にクローラの張り具合を調整す
るためには、従動輪の位置をアジャスタにより前後に移
動しながら、クローラ内周側と固定転輪の間の距離を適
正値に合わせるという面倒な作業を行っていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、前方に駆動輪３、後方に前後位
置調節固定自在の従動輪４を設け、前記駆動輪３及び従
動輪４との間に巻掛けられたクローラ２の接地側内周を
支持する複数個の固定転輪９と可動転輪１０をトラック
フレーム５に設けてなるクローラ走行装置において、前
記可動転輪１０の下方への揺動を規制する下限ストッパ
を設け、該下限ストッパによる可動転輪１０の下限位置
を、クローラ２が適正に張られている状態でクローラ走
行装置１を地面から浮かせた時に、前記可動転輪１０が
クローラ２に近接又は接触する位置に設定したことを第
１の特徴とする。

【０００５】また、前記下限ストッパを、前記可動転輪
１０を揺動自在に支持する前記トラックフレーム５より
突出したシャフト１９に固定したロックプレート２４に
より構成したことを第２の特徴とする。

【０００６】また、前記下限ストッパを、前記トラック
フレーム５に設けたクローラ外れ防止ガイド１４で兼用
するように構成したことを第３の特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下図面に基づいて説明する。図１は、クローラ走行装置
の全体側面図であって、１はクローラ走行装置、２はク
ローラであって、該クローラ２は前方の駆動輪３と、後
方の従動輪４との間に巻掛けられ、その前後の両輪３，
４との間に隆起部８を設けたトラックフレーム５を有し
ている。

【０００８】また、上記トラックフレーム５の下部側に
は、複数個の固定転輪９・・とその前後方向の略中央に
位置して単一の可動転輪１０がスプリング等で常時下方
に強く付勢されており、更に前後方向の略中間部上部側
には単一の上部転輪１１を備えていて、後方のアジャス
タ１２の張り調節により、クローラ２が常時内側からこ
れら駆動輪３と従動輪４及び複数の固定転輪９，可動転
輪１０及び上部転輪１１で張設支持されながら上記駆動
輪３の歯（図示なし）がクローラ２の係止孔（図示な
し）に係止して回動することにより、クローラ２が前後
に回転するようになっている。

【０００９】更に、上記クローラ２は、可撓性の材料で
形成され、その内側及び外側に多数の突起２ａ及び２ｂ
を有し、外側の突起２ｂは、その先端が土中に貫入し、
クローラ２の下面で機体の重量を支えると共に、突起２
ｂ部が移動することにより、土に剪断抵抗を与えて駆動
力を発揮し、クローラ走行装置１が前後進するようにな
っている。なお、１４，１４はクローラ２の横幅方向の
略中間部にあって、トラックフレーム５に固定された前
後方向に長い一対のクローラ外れ防止ガイドであって、
前方と後方の位置より夫々可動転輪１０側に向けて設け
られている。また、１５，１５は上方の機体フレーム１
６を支持するための前後に設けた支柱、１７は前方に設
けたトランスミッションである。

【００１０】次に、図２は図１の作用説明図であって、
クローラ２の交換や内部点検整備等でクローラ２を外す
際に、クローラ走行装置１の前後の２ヵ所をガレージジ
ャッキ１８，１８で支持して地面より浮かせた状態を示
す。そして、この時には、クローラ走行装置１の前後方
向の略中央下部にある上記可動転輪１０は、後述する下
限ストッパ装置の作用により、それ以上下降しない構成
となっている。

【００１１】図３は本案の要部の側面図であって、
（ａ）は通常の走行状態を示し、（ｂ）は下限ストッパ
の作用状態を示す。また、図４は要部の一部平断面図で
ある。図３，４において、可動転輪１０は、トラックフ
レーム５に溶着されて左右に突出したシャフト１９に、
カラー２０を介して、該カラー２０と一体の一対の支持
アーム２１，２１の先端部にピン２２で回動自在に装着
されており、前述のようにスプリング等により従来と同
様、下方に付勢回動するようになっている。一方、上記
シャフト１９の外側端には、係止部２３付のロックプレ
ート２４がボルト２５にて固定されている。従って、可
動転輪１０は上記支持アーム２１がロックプレート２４
の係止部２３に当接した位置で停止し、それ以上下方に
傾動することはない。

【００１２】そして、下限ストッパとなるロックプレー
ト２４による可動転輪１０の下限位置は、クローラ２が
適正に張られている状態でクローラ走行装置１を図２の
如く浮かせた時に、前記可動転輪１０がクローラ２に近
接又は接触する位置に設定してある。なお、２６はクロ
ーラ外れ防止ガイド１４の支持部材である。

【００１３】次に、図５は他例の要部の側面図であっ
て、（ａ）は通常の走行状態を示し、（ｂ）は下限スト
ッパの作用状態を示す。図５において、アーム２１は下
方に強く付勢されているものであるが、この例において
は、可動転輪１０が下方回動しようとしても、クローラ
外れ防止ガイド１４の先端が支持アーム２１のプレート
２７に当接してそれ以上に下方回動出来ないように構成
されているものである。また、この場合のクローラ２の
張り調整も上記の例と同様である。

【００１４】更に、上記下限ストッパは、予めトラック
フレーム５の片側または両側に突設したガイドストッパ
（図示なし）に可動転輪１０の支持アーム２１が当接す
ることによっても達成されるものである。

【００１５】更にまた、従来はクローラ走行装置１を接
地させた状態ではクローラ２の張り具合を確認する方法
がなかったが、張り具合の確認は、クローラ２に作業者
が足を架けて外力を与えた時、クローラ２の内側突起２
ａがトラックフレーム５の隆起部８に接当するか否かに
よって判断することが出来、これによりクローラ２の弛
み等の不具合を早期に発見出来るものである。

【００１６】次に、本願発明の作用について説明する
に、不整地を走行する図１の如きクローラ走行装置１で
作業を行う際、前後方向略中央部の可動転輪１０がその
凹凸部に対応して揺動するので、オペレータの乗り心地
を快適にするものである。

【００１７】また、クローラ２の交換等の際には、上記
可動転輪１０が必要以上に下降しないので、従来の如
く、常時可動転輪１０を持ち上げ支持しているような煩
わしい作業から開放され、クローラ２の脱着作業を良好
とし、交換性が容易となるものである。

【００１８】更に、下限ストッパによる可動転輪１０の
下限位置を、クローラ２が適正に張られている状態でク
ローラ走行装置１を地面から浮かせた時に、前記可動転
輪１０がクローラ２に近接又は接触する位置に設定した
ので、クローラ交換後のクローラ２の張り具合は、アジ
ャスタ１２により従動輪４を前後に位置調節して、可動
転輪１０がクローラ２に近接又は接触する位置で従動輪
４を固定することにより簡単に行える。

【００１９】更にまた、下限ストッパを、前記トラック
フレーム５に設けたクローラ外れ防止ガイド１４で兼用
するように構成した場合には、可動転輪１０の下限スト
ッパを別部品にて構成することなく、支持アーム２１に
若干の加工を施すだけで、上記の諸効果を容易に達成す
ることが出来るものである。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、前方に駆動輪３、後方に前後
位置調節固定自在の従動輪４を設け、前記駆動輪３及び
従動輪４との間に巻掛けられたクローラ２の接地側内周
を支持する複数個の転輪９と可動転輪１０をトラックフ
レーム５に設けてなるクローラ走行装置において、前記
可動転輪１０の下方への揺動を規制する下限ストッパを
設け、該下限ストッパによる可動転輪１０の下限位置
を、クローラ２が適正に張られている状態でクローラ走
行装置１を地面から浮かせた時に、前記可動転輪１０が
クローラ２に近接又は接触する位置に設定したので、ク
ローラ２の交換等の際には、上記可動転輪１０が必要以
上に下降しないので、従来の如く、常時可動転輪１０を
持ち上げ支持しているような煩わしい作業から開放さ
れ、クローラ２の脱着作業を良好とし、交換が容易とな
るものである。

【００２１】また、下限ストッパによる可動転輪１０の
下限位置を、クローラ２が適正に張られている状態でク
ローラ走行装置１を地面から浮かせた時に、前記可動転
輪１０がクローラ２に近接又は接触する位置に設定した
ので、クローラ交換後のクローラ２の張り具合は、アジ
ャスタ１２により従動輪４を前後に位置調節して、可動
転輪１０がクローラ２に近接又は接触する位置で従動輪
４を固定することにより簡単に行える。

【００２２】また、下限ストッパを、前記トラックフレ
ーム５に設けたクローラ外れ防止ガイド１４で兼用する
ように構成した場合には、可動転輪１０の下限ストッパ
を別部品にて構成することなく、支持アーム２１に若干
の加工を施すだけで、上記の諸効果を容易に達成するこ
とが出来るものでありながら、同時にコストダウンも出
来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】クローラ走行装置の全体側面図である。

【図２】同上図１の作用説明図である。

【図３】要部の側面図であって、（ａ）は通常の走行状
態を示し、（ｂ）は下限ストッパの作用状態を示す。

【図４】要部の一部平断面図である。

【図５】他例の要部の側面図であって、（ａ）は通常の
走行状態を示し、（ｂ）は下限ストッパの作用状態を示
す。

【符号の説明】

１ クローラ走行装置 ２ クローラ ３ 駆動輪 ４ 従動輪 ５ トラックフレーム ９ 固定転輪 １０ 可動転輪 １４ クローラ外れ防止ガイド １９ シャフト ２４ ロックプレート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前方に駆動輪（３）、後方に前後位置調
   節固定自在の従動輪（４）を設け、前記駆動輪（３）及
   び従動輪（４）との間に巻掛けられたクローラ（２）の
   接地側内周を支持する複数個の固定転輪（９）と可動転
   輪（１０）をトラックフレーム（５）に設けてなるクロ
   ーラ走行装置において、前記可動転輪（１０）の下方へ
   の揺動を規制する下限ストッパを設け、該下限ストッパ
   による可動転輪（１０）の下限位置を、クローラ（２）
   が適正に張られている状態でクローラ走行装置（１）を
   地面から浮かせた時に、前記可動転輪（１０）がクロー
   ラ（２）に近接又は接触する位置に設定したことを特徴
   とするクローラ走行装置。
2. 【請求項２】 前記下限ストッパを、前記可動転輪（１
   ０）を揺動自在に支持する前記トラックフレーム（５）
   より突出したシャフト（１９）に固定したロックプレー
   ト（２４）により構成したことを特徴とする請求項１記
   載のクローラ走行装置。
3. 【請求項３】 前記下限ストッパを、前記トラックフレ
   ーム（５）に設けたクローラ外れ防止ガイド（１４）で
   兼用するように構成したことを特徴とする請求項１記載
   のクローラ走行装置。