JP2002186279A - 同期モータ制御方法およびその装置 - Google Patents

同期モータ制御方法およびその装置

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JP2002186279A JP2000377106A JP2000377106A JP2002186279A JP 2002186279 A JP2002186279 A JP 2002186279A JP 2000377106 A JP2000377106 A JP 2000377106A JP 2000377106 A JP2000377106 A JP 2000377106A JP 2002186279 A JP2002186279 A JP 2002186279A
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学 小坂
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 積分出力に含まれる直流成分を除去してロー
タ位置推定精度を高める。 【解決手段】 インバータ3の出力により駆動されるモ
ータ4と、モータ4の電圧および電流を検出する検出部
と、検出された電圧、電流を入力として3相→2相変換
を行う3相→2相変換部6a、6bと、変換された電
圧、電流を入力として所定の演算を行い、積分値を出力
する逆モデル部7と、積分値を入力としてロータ位置を
抽出する抽出部8と、ロータ位置を入力して実速度を出
力する速度出力部9と、平均速度が指令速度になるよう
に電流指令を出力する速度制御部10と、位相制御演算
を行って最終電流指令を出力する位相制御部11と、抽
出されたロータ位置、電流、および最終電流指令を入力
として電流制御演算を行って電圧指令を出力し、インバ
ータ3に供給する電流制御部12と、積分値に含まれる
直流成分を除去する直流成分除去部13とを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、同期モータの電
圧および電流の検出値もしくは推定値に基づいて所定の
演算を行い、演算結果に基づく積分処理を行い、積分値
に含まれる回転子の回転位置角情報を抽出し、抽出され
た回転位置角情報に基づいて同期モータを制御する同期
モータ制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、同期モータを制御するために
ホール素子などのセンサを用いることなく回転子の回転
位置角(以下、ロータ位置と略称する)を検出すること
が提案されている。
【0003】そして、このようにロータ位置を検出する
ための方法として、疑似積分を含む固定座標モータモデ
ルを採用する方法が提案されている{「突極型ブラシレ
スDCモータのセンサレス位置推定法と安定性の検
討」、陳志謙他、平成10年電気学会産業応用部門全国
大会、pp.179−182、の図5(以下、論文1と
略称する)、および「突極形PMSMのセンサレスベク
トル制御」、千住智信他、RM−98−157、pp.
1−6(以下、論文2と略称する)参照}。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】純粋積分を含む固定座
標モータモデルを想定した場合には、積分出力に直流成
分(オフセット)が残ることに起因して、ロータ位置推
定精度および安定性が劣化するという不都合がある。
【0005】時定数Tcの疑似積分を含む固定座標モー
タモデルを用いてロータ位置を検出する方式(例えば、
文献1の方式)を採用した場合には、(1)時定数Tc
が小さいほど疑似積分の出力の位相などが純粋積分の出
力の位相などとずれてしまい、ロータ位置推定誤差が増
大するという不都合、および(2)時定数Tcが大きい
ほど直流成分の減衰が遅くなり、ロータ位置推定精度お
よび安定性が劣化するという不都合が生じる。
【0006】また、論文2の方式を採用した場合には、
磁束鎖交数の指令値を用い、疑似積分に起因する問題を
改善するようにしているが、磁束鎖交数の指令値が磁束
鎖交数と等しいという条件を満足することが必要であ
る。
【0007】しかし、一般に実電流と電流指令との間に
は誤差があり、特に過渡期にはその誤差が大きくなり、
この誤差に起因して磁束鎖交数と磁束鎖交数の指令値と
はずれてしまうので、疑似積分のずれを完全には補償す
ることができないという不都合がある。
【0008】また、論文2には、「疑似積分の時定数T
cを大きくすればよい」ことが記載されており、シミュ
レーションではロータ位置精度を高めることができる。
しかし、直流成分を考慮したシミュレーションを行え
ば、時定数Tcを大きくしすぎると直流成分が増加して
ロータ位置推定精度が大幅に劣化してしまうという不都
合がある。
【0009】すなわち、何れの方式を採用した場合に
も、積分出力に直流成分が含まれることに起因してロー
タ位置推定精度が劣化してしまう。
【0010】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、積分出力に含まれる直流成分を除去して
ロータ位置推定精度を高めることができる同期モータ制
御方法およびその装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の同期モータ制
御方法は、同期モータの電圧および電流の検出値もしく
は推定値に基づいて所定の演算を行い、演算結果に基づ
く積分処理を行い、積分値に含まれる回転子の回転位置
角情報を抽出し、抽出された回転位置角情報に基づいて
同期モータを制御するに当たって、積分値から直流成分
を除去し、直流成分が除去された積分値に含まれる回転
子の回転位置角情報を抽出する方法である。
【0012】請求項2の同期モータ制御方法は、積分値
の直流成分を計算し、計算値に所定の係数を乗算して積
分処理の入力側にフィードバックすることにより、積分
値から直流成分を除去する方法である。
【0013】請求項3の同期モータ制御方法は、所定の
係数を同期モータの回転数に応じて変化させる方法であ
る。
【0014】請求項4の同期モータ制御方法は、積分値
の直流成分を計算し、積分値から計算値を減算すること
により、積分値から直流成分を除去する方法である。
【0015】請求項5の同期モータ制御方法は、前記同
期モータとして突極性を有するものを採用する方法であ
る。
【0016】請求項6の同期モータ制御方法は、前記同
期モータとして圧縮機を駆動するものを採用する方法で
ある。
【0017】請求項7の同期モータ制御装置は、同期モ
ータの電圧および電流の検出値もしくは推定値に基づい
て所定の演算を行い、演算結果に基づく積分処理を行
い、積分値に含まれる回転子の回転位置角情報を抽出
し、抽出された回転位置角情報に基づいて同期モータを
制御するものであって、積分値から直流成分を除去する
直流成分除去手段をさらに含み、直流成分が除去された
積分値に含まれる回転子の回転位置角情報を抽出するも
のである。
【0018】請求項8の同期モータ制御装置は、前記直
流成分除去手段として、積分値の直流成分を計算し、計
算値に所定の係数を乗算して積分処理の入力側にフィー
ドバックすることにより、積分値から直流成分を除去す
るものを採用するものである。
【0019】請求項9の同期モータ制御装置は、前記直
流成分除去手段として、所定の係数を同期モータの回転
数に応じて変化させる係数変化手段をさらに含むものを
採用するものである。
【0020】請求項10の同期モータ制御装置は、前記
直流成分除去手段として、積分値の直流成分を計算し、
積分値から計算値を減算することにより、積分値から直
流成分を除去するものを採用するものである。
【0021】請求項11の同期モータ制御装置は、前記
同期モータとして突極性を有するものを採用するもので
ある。
【0022】請求項12の同期モータ制御装置は、前記
同期モータとして圧縮機を駆動するものを採用するもの
である。
【0023】
【作用】請求項1の同期モータ制御方法であれば、同期
モータの電圧および電流の検出値もしくは推定値に基づ
いて所定の演算を行い、演算結果に基づく積分処理を行
い、積分値に含まれる回転子の回転位置角情報を抽出
し、抽出された回転位置角情報に基づいて同期モータを
制御するに当たって、積分値から直流成分を除去し、直
流成分が除去された積分値に含まれる回転子の回転位置
角情報を抽出するのであるから、積分処理の時定数に拘
わらず直流成分を除去することができ、回転位置角情報
を精度よく抽出することができる。
【0024】請求項2の同期モータ制御方法であれば、
積分値の直流成分を計算し、計算値に所定の係数を乗算
して積分処理の入力側にフィードバックすることによ
り、積分値から直流成分を除去するのであるから、簡単
な処理で請求項1と同様の作用を達成することができ
る。
【0025】請求項3の同期モータ制御方法であれば、
所定の係数を同期モータの回転数に応じて変化させるの
であるから、請求項2の作用に加え、回転位置角情報の
抽出の安定性を高めることができる。
【0026】請求項4の同期モータ制御方法であれば、
積分値の直流成分を計算し、積分値から計算値を減算す
ることにより、積分値から直流成分を除去するのである
から、簡単な処理で請求項1と同様の作用を達成するこ
とができる。
【0027】請求項5の同期モータ制御方法であれば、
前記同期モータとして突極性を有するものを採用するの
であるから、永久磁石を回転子の内部に埋め込んでなる
永久磁石モータ、同期リラクタンスモータ、スイッチト
リラクタンスモータなどに適用することにより、請求項
1から請求項4の何れかと同様の作用を達成することが
できる。
【0028】請求項6の同期モータ制御方法であれば、
前記同期モータとして圧縮機を駆動するものを採用する
のであるから、請求項5の作用に加え、大きな負荷変動
があるにも拘わらず、回転位置角情報の精度を高めて圧
縮機を安定に駆動することができる。
【0029】請求項7の同期モータ制御装置であれば、
同期モータの電圧および電流の検出値もしくは推定値に
基づいて所定の演算を行い、演算結果に基づく積分処理
を行い、積分値に含まれる回転子の回転位置角情報を抽
出し、抽出された回転位置角情報に基づいて同期モータ
を制御するに当たって、直流成分除去手段によって、積
分値から直流成分を除去し、直流成分が除去された積分
値に含まれる回転子の回転位置角情報を抽出することが
できる。
【0030】したがって、積分処理の時定数に拘わらず
直流成分を除去することができ、回転位置角情報を精度
よく抽出することができる。
【0031】請求項8の同期モータ制御装置であれば、
前記直流成分除去手段として、積分値の直流成分を計算
し、計算値に所定の係数を乗算して積分処理の入力側に
フィードバックすることにより、積分値から直流成分を
除去するものを採用するのであるから、簡単な構成で請
求項7と同様の作用を達成することができる。
【0032】請求項9の同期モータ制御装置であれば、
前記直流成分除去手段として、所定の係数を同期モータ
の回転数に応じて変化させる係数変化手段をさらに含む
ものを採用するのであるから、請求項8の作用に加え、
回転位置角情報の抽出の安定性を高めることができる。
【0033】請求項10の同期モータ制御装置であれ
ば、前記直流成分除去手段として、積分値の直流成分を
計算し、積分値から計算値を減算することにより、積分
値から直流成分を除去するものを採用するのであるか
ら、簡単な構成で請求項7と同様の作用を達成すること
ができる。
【0034】請求項11の同期モータ制御装置であれ
ば、前記同期モータとして突極性を有するものを採用す
るのであるから、永久磁石を回転子の内部に埋め込んで
なる永久磁石モータ、同期リラクタンスモータ、スイッ
チトリラクタンスモータなどに適用することにより、請
求項7から請求項10の何れかと同様の作用を達成する
ことができる。
【0035】請求項12の同期モータ制御装置であれ
ば、前記同期モータとして圧縮機を駆動するものを採用
するのであるから、請求項11の作用に加え、大きな負
荷変動があるにも拘わらず、回転位置角情報の精度を高
めて圧縮機を安定に駆動することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の同期モータ制御方法およびその装置の実施の態様
を詳細に説明する。
【0037】図1はこの発明の同期モータ制御方法が適
用される同期モータ制御装置の一実施態様を示すブロッ
ク図である。
【0038】この同期モータ制御装置は、交流電源1を
入力とするコンバータ2と、コンバータ2の直流電圧を
入力とする3相インバータ3と、3相インバータ3の出
力により駆動される同期モータ4と、同期モータ4にお
ける端子電圧(モータ電圧)および端子電流(モータ電
流)を検出する電圧検出部5aおよび電流検出部5b
と、検出された3相分のモータ電圧 ̄V3、モータ電流
 ̄i3を入力として3相→2相変換(数1参照)を行っ
て2相電圧 ̄Vαβ、2相電流 ̄iαβを出力する3相
→2相変換部6a、6bと、2相電圧 ̄Vαβ、2相電
流 ̄iαβを入力として所定の演算を行い、積分値(α
−β軸推定磁束)Xαβを出力する固定座標モータ逆モ
デル部7と、積分値Xαβを入力としてロータ位置^θ
を抽出するロータ位置抽出部8と、ロータ位置^θを入
力として微分処理を行って実速度(実回転数)を出力す
る速度出力部9と、速度指令および実速度を入力として
速度制御演算を行って、平均的速度が指令速度になるよ
うに電流指令を出力する電流指令を出力する速度制御部
10と、電流指令と外部から与えられる位相指令とを入
力として位相制御演算を行って最終電流指令を出力する
位相制御部11と、抽出されたロータ位置^θ、モータ
電流、および最終電流指令を入力として電流制御演算を
行って電圧指令を出力し、インバータ3に供給する電流
制御部12と、積分値に含まれる直流成分を除去する直
流成分除去部13とを有している。なお、 ̄はセンサ値
を、^は推定値を、それぞれ示している。
【0039】
【数1】 前記固定座標モータ逆モデル部7は、2相電流 ̄iαβ
に電機子抵抗Rを乗算して電機子抵抗Rに起因する電圧
降下を算出するR乗算部7aと、2相電圧 ̄Vαβから
算出された電圧降下を減算する第1減算部7bと、第1
減算部7bの出力に対して積分処理を行って第1推定磁
束を出力する積分部7cと、2相電流 ̄iαβにq軸イ
ンダクタンスLqを乗算してq軸インダクタンスLqに起
因する第2磁束を算出するLq乗算部7dと、第1推定
磁束から第2磁束を減算してα−β軸推定磁束Xαβを
出力する第2減算部7eとを有している。
【0040】前記ロータ位置抽出部8は、α−β軸推定
磁束Xαβを入力としてtan-1(Xβ/Xα)の演算
を行ってロータ位置^θを出力する。
【0041】前記直流成分除去部13は、α−β軸推定
磁束Xαβを入力として直流成分を抽出する直流成分抽
出部13aと、抽出された直流成分に係数Kを乗算して
第1減算部7bの減算端子に供給する係数乗算部13b
とを有している。
【0042】前記直流成分抽出部13aは、例えば、
α、β軸それぞれに電気角n(nは正の整数)回転分の
推定磁束の和を求め、積分部7cの入力側にネガティブ
フィードバックすることにより、位相遅れなどの影響を
最小限にしながら直流成分を除去する。
【0043】前記係数乗算部13bは、係数Kが固定的
に設定されていてもよいが、指令速度に応じて係数Kが
可変されることが好ましい。すなわち、速度に応じて適
切な係数(ゲイン)が変わるが、特に低速で低ゲインに
設定することによって、より安定なロータ位置の推定を
可能にすることができる。
【0044】上記の構成の同期モータ制御装置の作用は
次のとおりである。
【0045】インバータ3からの出力を同期モータ4に
供給して同期モータ4を駆動している状態において、3
相分のモータ電圧およびモータ電流を電圧検出部5aお
よび電流検出部5bによってそれぞれ検出し、3相→2
相変換部6a、6bにより2相電圧、2相電流に変換し
て固定座標モータ逆モデル部7に供給する。
【0046】この固定座標モータ逆モデル部7において
は、2相電圧から電機子巻線による電圧降下を減算した
電圧に基づく積分処理を行い、2相電流およびq軸イン
ダクタンスに基づいて定まる第2磁束を減算することに
より、α−β軸推定磁束を出力する。
【0047】このα−β軸推定磁束には直流成分が含ま
れているので、直流成分抽出部13aによって直流成分
を抽出し、係数乗算部13bによって係数Kを乗算して
ネガティブフィードバックし、積分値に含まれる直流成
分を除去することができる。
【0048】このようにして直流成分が除去されたα−
β軸推定磁束に基づいてロータ位置抽出部8によってロ
ータ位置を抽出し、このロータ位置から実速度を算出す
る。
【0049】そして、速度指令および実速度に基づいて
速度制御部10により速度制御を行って電流指令を出力
し、この電流指令および位相指令に基づいて位相制御1
1によって位相制御を行って最終電流指令を出力し、こ
の最終電流指令、ロータ位置、およびモータ電流に基づ
いて電流制御部12により電流制御を行って電圧指令を
出力し、インバータ3に供給する。
【0050】したがって、積分値に含まれる直流成分を
除去してロータ位置を抽出することにより、ロータ位置
精度を高めることができ、ひいては同期モータを速度指
令に高精度に追従させることができる。
【0051】図1の同期モータ制御装置から直流成分除
去部13を省略した場合において、積分値に含まれる直
流成分を考慮することなく積分値および推定ロータ位置
のシミュレーションを行ったところ、図2中(A)
(B)に示すように、直流成分を含まない積分信号、お
よび実ロータ位置と高精度に一致する推定ロータ位置が
得られる。
【0052】しかし、実際には直流成分が皆無であるこ
とは期待できないので、直流成分を考慮することが実状
に沿うことになる。そして、直流成分を考慮して積分値
およびロータ位置のシミュレーションを行ったところ、
図3中(A)(B)に示すように、直流成分を含む積分
値、および実ロータ位置{図3中(B)の一点鎖線参
照}に対するずれが大きい推定ロータ位置が得られる。
【0053】これに対して、図1の同期モータ制御装置
は、積分値から直流成分を除去する直流成分除去部13
を有しているので、直流成分を考慮して積分値およびロ
ータ位置のシミュレーションを行った場合に、図2中
(A)(B)に示すように、直流成分を含まない積分信
号、および実ロータ位置と高精度に一致する推定ロータ
位置が得られる。
【0054】したがって、ロータ位置精度を高めること
ができることが分かる。
【0055】図4はこの発明の同期モータ制御方法が適
用される同期モータ制御装置の他の実施態様の要部(固
定座標モータ逆モデル部および直流成分除去部)を示す
ブロック図である。
【0056】この同期モータ制御装置が図1の同期モー
タ制御装置と異なる点は、固定座標モータ逆モデル部7
の第2減算部7eの下流側に第3減算部7fをさらに含
む点、および直流成分除去部13の直流成分抽出部13
aの出力を第3減算部7fにも供給した点のみである。
【0057】前記第3減算部7fは、第2減算部7eの
出力から直流成分抽出部13aの出力を減算する。
【0058】この構成の同期モータ制御装置であれば、
図1の同期モータ制御装置と同様の作用を達成できるほ
か、第3減算部7fによっても直流成分の除去を行うこ
とができる。
【0059】この結果、時々刻々変化する直流成分に対
して、より遅れのない直流成分除去を実現することがで
き、ロータ位置推定精度の向上、同期モータ制御の安定
性の向上を達成することができる。
【0060】以上のように、図1または図4の同期モー
タ制御装置により制御される同期モータ4は高い安定性
を有しているのであるから、大きな負荷変動がある圧縮
機の駆動源として好適である。
【0061】さらに説明する。
【0062】空気調和機用圧縮機のトルクパターン(要
求トルク)の一例は図5に示すとおりであり、1回転中
に著しく大きい負荷変動があることが分かる。そして、
このように著しく大きい負荷変動がある空気調和機用圧
縮機を駆動するモータ電力は必然的に大きく変動し、積
分部7cにおける直流成分の発生の要因になる。
【0063】しかし、図1または図4の同期モータ制御
装置であれば直流成分を除去してロータ位置を高精度に
推定することができ、同期モータを安定に制御できるの
で、空気調和機用圧縮機を良好に駆動することができ
る。
【0064】
【発明の効果】請求項1の発明は積分処理の時定数に拘
わらず直流成分を除去することができ、回転位置角情報
を精度よく抽出することができるという特有の効果を奏
する。
【0065】請求項2の発明は、簡単な処理で請求項1
と同様の効果を奏する。
【0066】請求項3の発明は、請求項2の効果に加
え、回転位置角情報の抽出の安定性を高めることができ
るという特有の効果を奏する。
【0067】請求項4の発明は、簡単な処理で請求項1
と同様の効果を奏する。
【0068】請求項5の発明は、永久磁石を回転子の内
部に埋め込んでなる永久磁石モータ、同期リラクタンス
モータ、スイッチトリラクタンスモータなどに適用する
ことにより、請求項1から請求項4の何れかと同様の効
果を奏する。
【0069】請求項6の発明は、請求項5の効果に加
え、大きな負荷変動があるにも拘わらず、回転位置角情
報の精度を高めて圧縮機を安定に駆動することができる
という特有の効果を奏する。
【0070】請求項7の発明は、積分処理の時定数に拘
わらず直流成分を除去することができ、回転位置角情報
を精度よく抽出することができるという特有の効果を奏
する。
【0071】請求項8の発明は、簡単な構成で請求項7
と同様の効果を奏する。
【0072】請求項9の発明は、請求項8の効果に加
え、回転位置角情報の抽出の安定性を高めることができ
るという特有の効果を奏する。
【0073】請求項10の発明は、簡単な構成で請求項
7と同様の効果を奏する。
【0074】請求項11の発明は、永久磁石を回転子の
内部に埋め込んでなる永久磁石モータ、同期リラクタン
スモータ、スイッチトリラクタンスモータなどに適用す
ることにより、請求項7から請求項10の何れかと同様
の効果を奏する。
【0075】請求項12の発明は、請求項11の作用に
加え、大きな負荷変動があるにも拘わらず、回転位置角
情報の精度を高めて圧縮機を安定に駆動することができ
るという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の同期モータ制御方法が適用される同
期モータ制御装置の一実施態様を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の同期モータ制御装置による積分信号と推
定ロータ位置とのシミュレーション結果、および直流成
分除去部を省略した同期モータ制御装置において直流成
分を考慮することなく積分信号と推定ロータ位置とのシ
ミュレーションを行った結果を示す図である。
【図3】直流成分除去部を省略した同期モータ制御装置
において直流成分を考慮して積分信号と推定ロータ位置
とのシミュレーションを行った結果を示す図である。
【図4】この発明の同期モータ制御方法が適用される同
期モータ制御装置の他の実施態様を示すブロック図であ
る。
【図5】空気調和機用圧縮機のトルクパターンの一例を
示す図である。
【符号の説明】
4 同期モータ 13 直流成分除去部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜多 正信 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 株式会社ダイキン空調技術研究所内 Fターム(参考) 5H560 AA02 BB04 DA12 DB12 DC12 DC13 EB01 SS07 XA02 XA04 XA05 XA13 5H576 AA10 BB06 CC05 DD02 DD07 DD09 EE01 GG01 GG02 GG04 GG05 HB02 JJ04 JJ22 JJ23 LL14 LL15 LL22 LL24 LL34 LL39 LL41

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期モータの電圧および電流の検出値も
    しくは推定値に基づいて所定の演算を行い、演算結果に
    基づく積分処理を行い、積分値に含まれる回転子の回転
    位置角情報を抽出し、抽出された回転位置角情報に基づ
    いて同期モータを制御する同期モータ制御方法であっ
    て、 積分値から直流成分を除去し、直流成分が除去された積
    分値に含まれる回転子の回転位置角情報を抽出すること
    を特徴とする同期モータ制御方法。
  2. 【請求項2】 積分値の直流成分を計算し、計算値に所
    定の係数を乗算して積分処理の入力側にフィードバック
    することにより、積分値から直流成分を除去する請求項
    1に記載の同期モータ制御方法。
  3. 【請求項3】 所定の係数を同期モータの回転数に応じ
    て変化させる請求項2に記載の同期モータ制御方法。
  4. 【請求項4】 積分値の直流成分を計算し、積分値から
    計算値を減算することにより、積分値から直流成分を除
    去する請求項1に記載の同期モータ制御方法。
  5. 【請求項5】 前記同期モータは突極性を有するもので
    ある請求項1から請求項4の何れかに記載の同期モータ
    制御方法。
  6. 【請求項6】 前記同期モータは圧縮機を駆動するもの
    である請求項5に記載の同期モータ制御方法。
  7. 【請求項7】 同期モータ(4)の電圧および電流の検
    出値もしくは推定値に基づいて所定の演算を行い、演算
    結果に基づく積分処理を行い、積分値に含まれる回転子
    の回転位置角情報を抽出し、抽出された回転位置角情報
    に基づいて同期モータ(4)を制御する同期モータ制御
    装置であって、 積分値から直流成分を除去する直流成分除去手段(1
    3)をさらに含み、直流成分が除去された積分値に含ま
    れる回転子の回転位置角情報を抽出することを特徴とす
    る同期モータ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記直流成分除去手段(13)は、積分
    値の直流成分を計算し、計算値に所定の係数を乗算して
    積分処理の入力側にフィードバックすることにより、積
    分値から直流成分を除去するものである請求項7に記載
    の同期モータ制御装置。
  9. 【請求項9】 前記直流成分除去手段(13)は、所定
    の係数を同期モータの回転数に応じて変化させる係数変
    化手段をさらに含むものである請求項8に記載の同期モ
    ータ制御装置。
  10. 【請求項10】 前記直流成分除去手段(13)は、積
    分値の直流成分を計算し、積分値から計算値を減算する
    ことにより、積分値から直流成分を除去するものである
    請求項7に記載の同期モータ制御装置。
  11. 【請求項11】 前記同期モータ(4)は突極性を有す
    るものである請求項7から請求項10の何れかに記載の
    同期モータ制御装置。
  12. 【請求項12】 前記同期モータ(4)は圧縮機を駆動
    するものである請求項11に記載の同期モータ制御装
    置。
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