JP2002185081A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JP2002185081A
JP2002185081A JP2000385124A JP2000385124A JP2002185081A JP 2002185081 A JP2002185081 A JP 2002185081A JP 2000385124 A JP2000385124 A JP 2000385124A JP 2000385124 A JP2000385124 A JP 2000385124A JP 2002185081 A JP2002185081 A JP 2002185081A
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cladding layer
cladding
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etching
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JP2000385124A
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English (en)
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Shunichi Sato
俊一 佐藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ素子において、クラッド層をエ
ッチングしてリッジ部を形成する場合におけるエッチン
グストップ位置の制御を精度良く行えるようにする。 【解決手段】 活性層24を挟むこの活性層24よりバ
ンドギャップが大きい第1・第2クラッド層22,26
a,26bと、第2クラッド層26a,26bの間に位
置する第3クラッド層27とを半導体基板21上に積層
し、活性層24の電流通路ストライプ所定領域を形成す
るために第2クラッド層26b側からエッチングしてリ
ッジ部30を形成し、さらに、第3クラッド層27に電
流を狭窄するアンダーカット部31を形成する構造にお
いて、第3クラッド層27を、リッジ部30を形成する
エッチングをストップさせる材質で形成する。これによ
り、リッジ部30を形成するエッチングを第3クラッド
層27の位置で確実にストップでき、均一な高さ寸法の
リッジ部30を精度良く形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流狭窄構造を有
する半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体レーザ素子は、レーザープ
リンタ、CDやDVDの光書込み、光通信等の分野で広
く使用されるようになっている。このような半導体レー
ザ素子を用いた半導体レーザにおいては、レーザ発振が
始まる閾値電流を下げることにより低コスト化を図るこ
とができ、電流狭窄構造を採用することにより閾値電流
を下げることができる。
【0003】この電流狭窄構造とは、半導体レーザ素子
中の活性層へ電流が流れる通路となるクラッド層をその
一部において狭くした構造であり、活性層を挟むクラッ
ド層の一方をエッチングしてリッジ部を形成した後、そ
のリッジ部の一部にリッジ幅を狭くする向きにエッチン
グしてアンダーカット部を形成したものが知られてお
り、その一例としては、特開平7−202339号公
報、特開平10−4239号公報に記載されている。
【0004】特開平7−202339号公報に記載され
た電流狭窄構造を有する半導体レーザ素子の構造及び製
造工程について、図7に基づいて説明する。n−GaA
sから構成された半導体基板1の上に、n−Al0.4
0.6Asから構成されたクラッド層2を1.5μm厚、
n−GaAsから構成された活性層3を0.1μm厚、
p−Al0.37Ga0.63Asから構成されたクラッド層4
を0.2μm厚、アンダーカット部を形成するためのp
−Al0.6Ga0.4Asから構成されたクラッド層5を
0.4μm厚、p−Al0.4Ga0.6Asから構成された
クラッド層6を0.6μm厚、p−GaAsから構成さ
れたキャップ層7を0.2μm厚に順次積層する(図7
(a)参照)。
【0005】その後、キャップ層7の上にフォトリソグ
ラフィーとエッチングとによりフォトマスク8を形成
し、エッチングを行う。このエッチングは非選択的エッ
チングであり、クラッド層5の途中まで1μmの深さに
エッチングを行い、リッジ幅が5μmのリッジ部9を形
成する(図7(b)参照)。
【0006】その後、Alの組成が0.4以上のAlG
aAsだけをエッチングするフッ酸により、クラッド層
5のみをエッチングし、クラッド層5のリッジ幅を狭く
したアンダーカット部10を形成する(図7(c)参
照)。アンダーカット部10の幅寸法は両側からそれぞ
れ2μmであり、その中央部に1μm幅のクラッド層5
が残り、この1μm幅のクラッド層5が電流注入部とな
り、活性層3における電流注入部の下側部分が発光部と
なる。ここに、後述する電極から供給される電流が幅の
狭くなった1μm幅のクラッド層5を流れることとな
り、電流狭窄構造が形成される。
【0007】アンダーカット部10を形成した後、フォ
トマスク8を除去し、リッジ部9及び露出しているクラ
ッド層4を覆うようにSiO2から構成された保護膜1
1を形成し、その保護膜11におけるキャップ層7の上
部をエッチングにより除去し、保護膜11と露出したキ
ャップ層7とを覆うようにp側電極12を形成する。さ
らに、基板1を必要な厚さになるようにその裏面を研磨
し、研磨した裏面にn側電極13を形成し、半導体レー
ザ素子を完成させる(図3(d)参照)。
【0008】特開平10−4239号公報に記載された
半導体レーザ素子は、クラッド層をエッチングして形成
したリッジ部の一部をリッジ幅方向に酸化して酸化層を
形成し、この酸化層の部分には電流が流れないようにし
て電流狭窄構造を実現したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7に示した特開平7
−202339号公報に記載された半導体レーザ素子に
よれば、1回の結晶成長とその後のエッチング処理とに
より、電流狭窄構造を実現するためのアンダーカット部
10を形成することができる。しかし、クラッド層4〜
6やキャップ層7をAlGaAs系の材料を用いて形成
し、非選択的なエッチングによりリッジ部9を形成する
ため、リッジ部9を形成するとき、クラッド層5の途中
までエッチングしたタイミングでエッチングを止める必
要があり、そのタイミング制御が非常に困難であり、ク
ラッド層5が露出する前のタイミングでエッチングを止
めてしまうことや、クラッド層4までエッチングしてし
まうことがある。
【0010】また、特開平10−4239号公報に記載
された半導体レーザ素子によれば、AlxGa1-xAs
(0.8<x≦1)から構成されたクラッド層を酸化層
とする構造をInPから構成された基板上に形成する場
合、そのクラッド層はInPから構成された基板に対し
て格子不整合度が約3.5%と大きいため、臨界膜厚の
関係で、厚膜を用いることができず、例えば、5nm程
度の薄いAlAsを多層構造にして用いられている。し
かし、酸化速度は厚さに非常に敏感であり(例えば、Ke
nt D.Choquetteら、IEEE Journal of Selected Topics
in Quantum Electronics, Vol.3, No.3, 1997,pp.916-9
26)、厚さが薄くなると酸化時間が長くなるという問題
点がある。
【0011】そこで、酸化層として、InPから構成さ
れた基板に格子整合可能なAlInAsを用いる検討が
行われており、InPから構成された基板に格子整合す
る組成はAl0.48In0.52Asである。これによると、
酸化層を厚く成長させることができるが、酸化速度はA
l組成にも非常に敏感であるので、この発明のようにA
l組成が小さいために酸化速度が遅く、製造コストがア
ップするという問題点がある。
【0012】そこで本発明は、クラッド層をエッチング
してリッジ部を形成する場合におけるエッチングストッ
プ位置の制御を精度良く行うことができる半導体レーザ
素子を提供することを目的とする。
【0013】さらに本発明は、電流狭窄構造を得るため
にリッジ部の一部にアンダーカット部を形成する場合に
おいて、その電流狭窄構造部分における機械的強度が高
い半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
【0014】さらに本発明は、電流狭窄構造を得るため
にリッジ部の一部に酸化層を形成する場合において、酸
化層の形成を短時間で行うことができる半導体レーザ素
子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光を発生する活性層と、この活性層よりバンドギャップ
が大きくてこの活性層を挟む第1・第2クラッド層と、
前記第2クラッド層の中に位置する第3クラッド層と
を、前記第1クラッド層が半導体基板側となるようにこ
の半導体基板上に積層し、前記活性層の電流通路ストラ
イプ所定領域を形成するために前記第2クラッド層側か
らエッチングしてリッジ部を形成し、さらに、前記第3
クラッド層をリッジ幅を狭める方向にエッチングして電
流を狭窄するアンダーカット部を形成した半導体レーザ
素子において、前記第3クラッド層が前記リッジ部を形
成するエッチングをストップさせる材質で形成されてい
る。
【0016】したがって、リッジ部を形成するために第
2クラッド層をエッチングしたとき、そのエッチングが
第3クラッド層まで達したときに第3クラッド層により
そのエッチングがストップされるので、第3クラッド層
を確実に露出させた位置でリッジ部を形成するためのエ
ッチングをストップさせることができ、均一な高さ寸法
のリッジ部を精度良く形成することができる。そして、
リッジ部を形成するエッチングが終了した後に第3クラ
ッド層のみをエッチングしてアンダーカット部を形成す
るときには、第3クラッド層が確実に露出しているの
で、アンダーカット部の形成も精度良く行える。
【0017】請求項2記載の発明は、光を発生する活性
層と、この活性層よりバンドギャップが大きくてこの活
性層を挟む第1・第2クラッド層と、前記第2クラッド
層の中に位置する第3クラッド層とを、前記第1クラッ
ド層が半導体基板側となるようにこの半導体基板上に積
層し、前記活性層の電流通路ストライプ所定領域を形成
するために前記第2クラッド層側からエッチングしてリ
ッジ部を形成し、さらに、前記第3クラッド層をリッジ
幅を狭める方向にエッチングして電流を狭窄するアンダ
ーカット部を形成した半導体レーザ素子において、前記
第1・第2クラッド層はV族の主成分がPからなるAl
xGayInztAsu(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦
z≦1、x+y+z=1、0<t≦1、u+t=1)で
構成され、前記第3クラッド層はV族の主成分がAsか
らなるAlxGayInzAs(0≦x≦1、0≦y≦
1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成されている。
【0018】ここで、V族の主成分がPからなる層は、
塩酸系のエッチング液でエッチングでき、V族の主成分
がAsからなる層は、塩酸系のエッチング液ではエッチ
ングできない。
【0019】したがって、本発明において、半導体基板
上に各層を積層した後、リッジ部を形成するためのエッ
チングを塩酸系のエッチング液で行うと、第2クラッド
層をエッチングして第3クラッド層が露出した位置でエ
ッチングをストップさせることができる。これにより、
請求項1記載の発明において説明した場合と同じよう
に、均一な高さ寸法のリッジ部を精度良く形成すること
ができ、さらに、リッジ部を形成するエッチングが終了
した後に第3クラッド層のみをエッチングしてアンダー
カット部を形成するときには第3クラッド層が確実に露
出しているので、アンダーカット部の形成も精度良く行
える。
【0020】請求項3記載の発明は、光を発生する活性
層と、この活性層よりバンドギャップが大きくてこの活
性層を挟む第1・第2クラッド層と、前記第2クラッド
層の中に位置する第3クラッド層とを、前記第1クラッ
ド層が半導体基板側となるようにこの半導体基板上に積
層し、前記活性層の電流通路ストライプ所定領域を形成
するために前記第2クラッド層側からエッチングしてリ
ッジ部を形成し、さらに、前記第3クラッド層をリッジ
幅を狭める方向にエッチングして電流を狭窄するアンダ
ーカット部を形成した半導体レーザ素子において、前記
第1・第2クラッド層はV族の主成分がAsからなるA
xGayInzAs(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z
≦1、x+y+z=1)で構成され、前記第3クラッド
層はV族の主成分がPからなるAlxGayInztAs
u(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z
=1、0<t≦1、u+t=1)で構成されている。
【0021】ここで、V族の主成分がAsからなる層
は、硫酸系のエッチング液でエッチングでき、V族の主
成分がPからなる層は、硫酸系のエッチング液ではエッ
チングできない。
【0022】したがって、本発明において、半導体基板
上に各層を積層した後、リッジ部を形成するためのエッ
チングを硫酸系のエッチング液で行うと、第2クラッド
層をエッチングして第3クラッド層が露出した位置でエ
ッチングをストップさせることができる。これにより、
請求項1記載の発明において説明した場合と同じよう
に、均一な高さ寸法のリッジ部を精度良く形成すること
ができ、さらに、リッジ部を形成するエッチングが終了
した後に第3クラッド層のみをエッチングしてアンダー
カット部を形成するときには第3クラッド層が確実に露
出しているので、アンダーカット部の形成も精度良く行
える。
【0023】請求項4記載の発明は、光を発生する活性
層と、この活性層よりバンドギャップが大きくてこの活
性層を挟む第1・第2クラッド層と、前記第2クラッド
層の中に位置する第3クラッド層とを、前記第1クラッ
ド層が半導体基板側となるようにこの半導体基板上に積
層し、前記活性層の電流通路ストライプ所定領域を形成
するために前記第2クラッド層側からエッチングしてリ
ッジ部を形成し、さらに、前記第3クラッド層をリッジ
幅を狭める方向にエッチングして電流を狭窄するアンダ
ーカット部を形成した半導体レーザ素子において、前記
第3クラッド層は、AlxGayInztAs1-t(0.8
≦x≦1、0≦y≦0.2、x+y+z=1、0≦t≦
1)で構成され、前記第3クラッド層の前記アンダーカ
ット部に隣接する部分が選択酸化されて酸化層とされて
いる。
【0024】ここで、Al組成の大きなAlxGayIn
ztAs1-t(0.8≦x≦1、0≦y≦0.2、x+y
+z=1、0≦t≦1)で構成されたクラッド層を選択
酸化して絶縁体とすることができ、アンダーカット部と
選択酸化されて絶縁体となった酸化層とからなる電流狭
窄構造を得ることができる。
【0025】本発明においては、同じ幅寸法の電流狭窄
構造をアンダーカット部のみで形成する場合に比べて、
アンダーカット部の幅を小さくすることができ、電流狭
窄構造部分の機械的強度を高めることができる。また、
電流狭窄構造を酸化層のみで形成する場合に比べて、選
択酸化に要する時間が短縮され、半導体レーザ素子の製
造に要する時間を短縮できる。
【0026】さらに、酸化層は屈折率が小さくなるの
で、第3クラッド層の酸化されていない部分(電流注入
部)と酸化されている部分(電流狭窄部)とで屈折率差
が生じて屈折率導波構造となり、例えば、活性層と酸化
層との距離を最適化することにより、横モード制御が可
能となる。しかも、この構造では、活性層近傍の導波構
造がすべて発振波長に対して導波損失のない材料で構成
されており、高出力化に有利である。
【0027】請求項5記載の発明は、請求項4記載の半
導体レーザ素子において、前記第3クラッド層は、複数
のAlxGayInzAs(0.8≦x≦1、0≦y≦0.
2、x+y+z=1)の層を含んだ超格子構造から構成
されている。
【0028】ここで、選択酸化される被酸化層(第3ク
ラッド層)としては、GaAsから構成された半導体基
板に格子定数の近いAlxGayInzAs(0.8≦x≦
1、0≦y≦0.2、x+y+z=1)から構成された
層(更に望ましくはAlAsから構成された層)が、酸
化速度が速く好ましいが、InP、GaAsP、GaP
などから構成された半導体基板に対しては、格子定数が
離れている。この場合は、第3クラッド層を、厚さが薄
く、臨界膜厚以内の厚さの複数のAlxGayInzAs
(0.8≦x≦1、0≦y≦0.2、x+y+z=1)の
層を含んだ超格子構造とすることで、被酸化層として用
いることができる。
【0029】なお、被酸化層の厚さが薄いほど酸化速度
は急激に遅くなり、また、酸化層の幅は時間のルートに
比例する。しかし本発明では、酸化層を形成するととも
にアンダーカット部を形成することにより、選択酸化さ
れる幅が狭くなるので、酸化層を複数の薄い層により形
成しても選択酸化に要する時間は増大しない。さらに、
電流狭窄構造をアンダーカット部のみで形成する場合に
比べて、アンダーカット部の幅を小さくすることがで
き、電流狭窄構造部分の機械的強度を高めることができ
る。
【0030】請求項6記載の発明は、光を発生する活性
層と、この活性層よりバンドギャップが大きくてこの活
性層を挟む第1・第2クラッド層と、前記第2クラッド
層の中に位置する第3クラッド層とを、前記第1クラッ
ド層が半導体基板側となるようにこの半導体基板上に積
層し、前記活性層の電流通路ストライプ所定領域を形成
するために前記第2クラッド層側からエッチングしてリ
ッジ部を形成し、さらに、前記第3クラッド層をリッジ
幅を狭める方向にエッチングして電流を狭窄するアンダ
ーカット部を形成した半導体レーザ素子において、前記
半導体基板はInPから構成され、前記第3クラッド層
はV族の主成分がAsからなるAlxGayInzAs
(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y+z=1)からな
り、この第3クラッド層は前記半導体基板に対し歪みが
±0.5%以下であり、前記第3クラッド層の前記アン
ダーカット部に隣接する部分が選択酸化されて酸化層と
されている。
【0031】ここで、選択酸化される被酸化層(第3ク
ラッド層)としては、GaAsから構成された半導体基
板に格子定数の近いAlxGayInzAs(0.8≦x≦
1、0≦y≦0.2、x+y+z=1)から構成された
層(更に望ましくはAlAsから構成された層)が、酸
化速度が速く好ましいが、InPから構成された半導体
基板に対しては、格子定数が離れている。一方、第3ク
ラッド層を、InPから構成された半導体基板と格子定
数が等しいか近いAlxGayInzAs(0≦x≦1、
0≦y≦1、x+y+z=1)の層(即ち、半導体基板
に対して歪みが±0.5%以下の層)を被酸化層として
用いることにより、このAlxGayInzAs(0≦x
≦1、0≦y≦1、x+y+z=1)から構成された第
3クラッド層は、InPから構成された半導体基板に対
して格子整合可能となるので厚く形成することができ、
厚く形成することによって酸化速度をアップさせること
ができる。
【0032】なお、被酸化層はそのAl組成が小さいほ
ど酸化速度が急激に遅くなり、また、酸化層の幅は時間
のルートに比例する。しかし本発明では、酸化層を形成
するとともにアンダーカット部を形成することにより、
選択酸化される幅が狭くなるので、Al組成が小さくな
っても選択酸化に要する時間は増大しない。さらに、電
流狭窄構造をアンダーカット部のみで形成する場合に比
べて、アンダーカット部の幅を小さくすることができ、
電流狭窄構造部分の機械的強度を高めることができる。
【0033】さらに、酸化層は屈折率が小さくなるの
で、第3クラッド層の酸化されていない部分(電流注入
部)と酸化されている部分(電流狭窄部)とで屈折率差
が生じて屈折率導波構造となり、例えば、活性層と酸化
層との距離を最適化することにより、横モード制御が可
能となる。しかも、この構造では、活性層近傍の導波構
造がすべて発振波長に対して導波損失のない材料で構成
されており、高出力化に有利である。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態の半導
体レーザ素子を図1に基づいて説明する。本実施の形態
の半導体レーザ素子の層構造は、SCH−SQW構造で
ある。n−GaAsから構成された半導体基板21の上
に、n−GaInPから構成された第1クラッド層22
を1.5μm厚、GaAsから構成された光ガイド層2
3を0.1μm厚、圧縮歪を有するGaInNAsから
構成された単一量子井戸構造の活性層24を8nm厚、
GaAsから構成された光ガイド層25を0.1μm
厚、p−GaInPから構成された第2クラッド層26
aを0.1μm厚、後述するアンダーカット部を形成す
るためのp−AlGaAsから構成された第3クラッド
層27を50nm厚、p−GaInPから構成された第
2クラッド層26bを1.4μm、p−GaAsから構
成されたコンタクト層28を0.2nm厚に、MOCV
D法により順次積層する(図1(a)参照)。各クラッ
ド層22,26a,26b,27は、半導体基板21に
格子整合している。本実施の形態では、活性層24と光
ガイド層23,25とが活性領域となり、活性層24よ
りバンドギャップが大きい第1・第2クラッド層22,
26a,26bで活性層24を挟む構造となっている。
また、本実施の形態では、MOCVD法の原料ガスとし
てTMG、TMI、TMA、AsH3、PH3、DMHy
用い、キャリアガスとしてH 2を用いた。
【0035】その後、コンタクト層28の上にフォトリ
ソグラフィーとエッチングとによりフォトマスク29を
形成し、エッチングを行う。まず、硫酸系のエッチング
液を用いて電流通路ストライプ領域以外のコンタクト層
28を選択的にエッチングし、その後、塩酸系のエッチ
ング液を用いて第2クラッド層26bを選択的にエッチ
ングし、リッジ幅が7μmのリッジ部30を形成する
(図1(b)参照)。
【0036】ここで、塩酸系のエッチング液は、V族の
主成分がPからなる層である第2クラッド層26bを良
好にエッチングするが、V族の主成分がAsからなる第
3クラッド層27をエッチングすることはできない。し
たがって、第3クラッド層27はリッジ部30を形成す
るためのエッチングをストップさせる層として機能する
ことになり、均一な高さ寸法のリッジ部30を精度良く
簡単に形成することができる。また、このエッチングに
より第3クラッド層27を確実に露出させることができ
る。
【0037】リッジ部30を形成した後、硫酸系のエッ
チング液を用いて第3クラッド層27を選択的にエッチ
ングし、アンダーカット部31を形成する(図1(c)
参照)。アンダーカット部31の幅寸法を両側からそれ
ぞれ2μmとし、その中央部に3μm幅の第3クラッド
層27を残し、この3μm幅の第3クラッド層27が電
流注入部となり、活性層24における電流注入部の下側
部分が発光部となる。ここに、後述する電極から供給さ
れる電流が流れる幅を狭くした電流狭窄構造が形成され
る。
【0038】ここで、硫酸系のエッチング液は、V族の
主成分がAsからなる第3クラッド層27を良好にエッ
チングするが、V族の主成分がPからなる第2クラッド
層26a,26bをエッチングすることはできない。従
って、第2クラッド層26a,26bをエッチングする
ことなく、第3クラッド層27のみをエッチングするア
ンダーカット部31の形成を精度良く行える。
【0039】アンダーカット部31を形成した後、フォ
トマスク29を除去し、リッジ部30及び露出している
第2クラッド層26bを覆うようにSiO2から構成さ
れた保護膜32を形成し、その保護膜32におけるコン
タクト層28の上部をエッチングにより除去し、保護膜
32と露出したコンタクト層28とを覆うようにp側電
極33を形成する。さらに、基板21を必要な厚さにな
るようにその裏面を研磨し、研磨した裏面にn側電極3
4を形成し、半導体レーザ素子を完成させる(図1
(d)参照)。
【0040】このようにして、波長1.3μmで発振す
る半導体レーザ素子を得ることができた。この半導体レ
ーザ素子では、アンダーカット部31が形成されて空洞
になった部分では屈折率が小さくなるので、アンダーカ
ット部31の領域とアンダーカットされずに残った第3
クラッド層27の領域とでは屈折率差が生じ、屈折率導
波構造となり、例えば、活性層24と第3クラッド層2
7との距離を最適化するなどして、横モード制御が可能
になる。しかも、この構造では、活性層24の近傍の導
波構造が全て発振波長に対して導波損失のない材料で構
成されており、高出力化に有利である。また、電流注入
部がリッジ部30のエッジから離れているので、散乱損
失を抑えることができる。
【0041】なお、本実施の形態では、活性層24より
バンドギャップが大きい第1・第2クラッド層22,2
6a,26bをGaInPから構成し、アンダーカット
部31が形成される第3クラッド層27をAlGaAs
から構成した場合を例に挙げて説明したが、活性層を挟
んでこの活性層よりハンドギャップが大きい第1・第2
クラッド層をV族の主成分がPからなるAlxGayIn
ztAsu(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x
+y+z=1、0<t≦1、u+t=1)で構成し、ア
ンダーカット部が形成される第3クラッド層をV族の主
成分がAsからなるAlxGayInzAs(0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成
することができる。
【0042】つぎに、本発明の第2の実施の形態の半導
体レーザ素子を図2に基づいて説明する。本実施の形態
の半導体レーザ素子の層構造は、SCH−MQW構造で
ある。n−GaAsから構成された半導体基板41の上
に、n−AlGaAsから構成された第1クラッド層4
2を1.5μm厚、GaAsから構成された光ガイド層
43を0.1μm厚、2層の圧縮歪を有するGaInN
Asから構成された量子井戸層(8nm厚)とその間に
形成されたGaAs障壁層からなる2重量子井戸構造の
活性層44を8nm厚、GaAsから構成された光ガイ
ド層45を0.1μm厚、p−AlGaAsから構成さ
れた第2クラッド層46aを0.1μm厚、後述するア
ンダーカット部を形成するためのGaInPから構成さ
れた第3クラッド層47を50nm厚、p−AlGaA
sから構成された第2クラッド層46bを1.4μm、
p−GaAsから構成されたコンタクト層48を0.2
nm厚に、MOCVD法により順次積層する(図2
(a)参照)。本実施の形態では、活性層44と光ガイ
ド層43,45とが活性領域となり、活性層44よりバ
ンドギャップが大きい第1・第2クラッド層42,46
a,46bで活性層44を挟む構造となっている。ま
た、本実施の形態では、MOCVD法の原料ガスとして
TMG、TMI、TMA、AsH3、PH3、DMHyを
用い、キャリアガスとしてH2を用いた。
【0043】その後、コンタクト層48の上にフォトリ
ソグラフィーとエッチングとによりフォトマスク49を
形成し、エッチングを行う。まず、硫酸系のエッチング
液を用いて電流通路ストライプ領域以外のコンタクト層
48と第2クラッド層46bとを選択的にエッチング
し、リッジ幅が7μmのリッジ部50を形成する(図2
(b)参照)。
【0044】ここで、硫酸系のエッチング液は、V族の
主成分がAsからなる層である第2クラッド層46bと
コンタクト層48とを良好にエッチングするが、V族の
主成分がPからなる第3クラッド層47をエッチングす
ることはできない。したがって、第3クラッド層47は
リッジ部50を形成するためのエッチングをストップさ
せる層として機能することになり、均一な高さ寸法のリ
ッジ部50を精度良く簡単に形成することができる。ま
た、このエッチングにより第3クラッド層47を確実に
露出させることができる。
【0045】リッジ部50を形成した後、塩酸系のエッ
チング液を用いて第3クラッド層47を選択的にエッチ
ングし、アンダーカット部51を形成する(図2(c)
参照)。アンダーカット部51の幅寸法を両側からそれ
ぞれ2μmとし、その中央部に3μm幅の第3クラッド
層47を残し、この3μm幅の第3クラッド層47が電
流注入部となり、活性層44における電流注入部の下側
部分が発光部となる。ここに、後述する電極から供給さ
れる電流が流れる幅を狭くした電流狭窄構造が形成され
る。
【0046】ここで、塩酸系のエッチング液は、V族の
主成分がPからなる第3クラッド層47を良好にエッチ
ングするが、V族の主成分がAsからなる第2クラッド
層46a,46bをエッチングすることはできない。従
って、第2クラッド層46a,46bをエッチングする
ことなく、第3クラッド層47のみをエッチングするア
ンダーカット部51の形成を精度良く行える。
【0047】アンダーカット部51を形成した後は、第
1の実施の形態と同じように、SiO2から構成された
保護膜32、p側電極33、n側電極34を形成し、半
導体レーザ素子を完成させる(図2(d)参照)。
【0048】このようにして、波長1.3μmで発振す
る半導体レーザ素子を得ることができた。この半導体レ
ーザ素子では、アンダーカット部51が形成されて空洞
になった部分では屈折率が小さくなるので、アンダーカ
ット部51の領域とアンダーカットされずに残った第3
クラッド層47の領域とでは屈折率差が生じ、屈折率導
波構造となり、例えば、活性層44と第3クラッド層4
7との距離を最適化するなどして、横モード制御が可能
になる。しかも、この構造では、活性層44の近傍の導
波構造が全て発振波長に対して導波損失のない材料で構
成されており、高出力化に有利である。また、電流注入
部がリッジ部50のエッジから離れているので、散乱損
失を抑えることができる。
【0049】なお、本実施の形態では、活性層44より
バンドギャップが大きい第1・第2クラッド層42,4
6a,46bをAlGaAsから構成し、アンダーカッ
ト部51が形成される第3クラッド層47をGaInP
から構成した場合を例に挙げて説明したが、活性層を挟
んでこの活性層よりハンドギャップが大きい第1・第2
クラッド層をV族の主成分がAsからなるAlxGay
zAs(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+
y+z=1)で構成し、アンダーカット部が形成される
第3クラッド層をV族の主成分がPからなるAlxGay
InztAsu(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦
1、x+y+z=1、0<t≦1、u+t=1)で構成
することができる。
【0050】本発明の第3の実施の形態の半導体レーザ
素子を図3に基づいて説明する。本実施の形態の半導体
レーザ素子の層構造は、SCH−MQW構造である。n
−InPから構成された半導体基板61の上に、n−I
nPから構成された第1クラッド層62を1.5μm
厚、波長が1.1μm組成のGaInPAsから構成さ
れた光ガイド層63を0.1μm厚、3層の圧縮歪を有
するGaInPAsから構成された量子井戸層(6nm
厚)とその間にそれぞれ積層された波長が1.1μm組
成のGaInPAs障壁層(10nm厚)からなる多重
量子井戸構造の活性層64、波長が1.1μm組成のG
aInPAsから構成された光ガイド層65を0.1μ
m厚、p−InPから構成された第2クラッド層66a
を0.1μm厚、後述するアンダーカット部を形成する
ためのAlGaInAsから構成された第3クラッド層
67を50nm厚、p−InPから構成された第2クラ
ッド層66bを1.4μm、p−GaInAsから構成
されたコンタクト層68を0.2nm厚に、MOCVD
法により順次積層する(図3(a)参照)。光ガイド層
63,65は、半導体基板61に格子整合している。本
実施の形態では、活性層64と光ガイド層63,65と
が活性領域となり、活性層64よりバンドギャップが大
きい第1・第2クラッド層62,66a,66bで活性
層64を挟む構造となっている。また、本実施の形態で
は、MOCVD法の原料ガスとしてTMG、TMI、T
MA、AsH3、PH3、DMHyを用い、キャリアガス
としてH2を用いた。
【0051】その後、コンタクト層68の上にフォトリ
ソグラフィーとエッチングとによりフォトマスク69を
形成し、エッチングを行う。まず、硫酸系のエッチング
液を用いて電流通路ストライプ領域以外のコンタクト層
68を選択的にエッチングし、その後、塩酸系のエッチ
ング液を用いて第2クラッド層66bを選択的にエッチ
ングし、リッジ幅が7μmのリッジ部70を形成する
(図3(b)参照)。
【0052】ここで、塩酸系のエッチング液は、V族の
主成分がPからなる層である第2クラッド層66bを良
好にエッチングするが、V族の主成分がAsからなる第
3クラッド層67をエッチングすることはできない。し
たがって、第3クラッド層67はリッジ部70を形成す
るためのエッチングをストップさせる層として機能する
ことになり、均一な高さ寸法のリッジ部70を精度良く
簡単に形成することができる。また、このエッチングに
より第3クラッド層67を確実に露出させることができ
る。
【0053】リッジ部70を形成した後、硫酸系のエッ
チング液を用いて第3クラッド層67を選択的にエッチ
ングし、アンダーカット部71を形成する(図3(c)
参照)。アンダーカット部71の幅寸法を両側からそれ
ぞれ2μmとし、その中央部に3μm幅の第3クラッド
層67を残し、この3μm幅の第3クラッド層67が電
流注入部となり、活性層64における電流注入部の下側
部分が発光部となる。ここに、後述する電極から供給さ
れる電流が流れる幅を狭くした電流狭窄構造が形成され
る。
【0054】ここで、硫酸系のエッチング液は、V族の
主成分がAsからなる第3クラッド層67を良好にエッ
チングするが、V族の主成分がPからなる第2クラッド
層66a,66bをエッチングすることはできない。従
って、第2クラッド層66a,66bをエッチングする
ことなく、第3クラッド層67のみをエッチングするア
ンダーカット部71の形成を精度良く行える。
【0055】アンダーカット部71を形成した後は、第
1・2の実施の形態と同じように、SiO2から構成さ
れた保護膜32、p側電極33、n側電極34を形成
し、半導体レーザ素子を完成させる(図3(d)参
照)。
【0056】このようにして、波長1.3μmで発振す
る半導体レーザ素子を得ることができた。この半導体レ
ーザ素子では、アンダーカット部71が形成されて空洞
になった部分では屈折率が小さくなるので、アンダーカ
ット部71の領域とアンダーカットされずに残った第3
クラッド層67の領域とでは屈折率差が生じ、屈折率導
波構造となり、例えば、活性層64と第3クラッド層6
7との距離を最適化するなどして、横モード制御が可能
になる。しかも、この構造では、活性層64の近傍の導
波構造が全て発振波長に対して導波損失のない材料で構
成されており、高出力化に有利である。また、電流注入
部がリッジ部70のエッジから離れているので、散乱損
失を抑えることができる。
【0057】なお、本実施の形態では、活性層64より
バンドギャップが大きい第1・第2クラッド層62,6
6a,66bをInPから構成し、アンダーカット部7
1が形成される第3クラッド層67をAlGaInAs
から構成した場合を例に挙げて説明したが、活性層を挟
んでこの活性層よりハンドギャップが大きい第1・第2
クラッド層をInPから構成された半導体基板に格子整
合するV族の主成分がPからなるGayIn1-ytAs
1-t(0≦y≦1、0<t≦1)で構成し、アンダーカ
ット部が形成される第3クラッド層をV族の主成分がA
sからなるAlxGayInzAs(0≦x≦1、0≦y
≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成することが
できる。
【0058】つぎに、本発明の第4の実施の形態の半導
体レーザ素子を図4に基づいて説明する。本実施の形態
の半導体レーザ素子の基本的構造は第1の実施の形態の
半導体レーザ素子と同じであり、第1の実施の形態と同
じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。
【0059】n−GaAsから構成された半導体基板2
1の上に、n−GaInPから構成された第1クラッド
層22を1.5μm厚、GaAsから構成された光ガイ
ド層23を0.1μm厚、圧縮歪を有するGaInNA
sから構成された単一量子井戸構造の活性層24を8n
m厚、GaAsから構成された光ガイド層25を0.1
μm厚、p−GaInPから構成された第2クラッド層
26aを0.1μm厚、後述するアンダーカット部と酸
化層とを形成するためのp−AlAsから構成された第
3クラッド層81を50nm厚、p−GaInPから構
成された第2クラッド層26bを1.4μm、p−Ga
Asから構成されたコンタクト層28を0.2nm厚
に、MOCVD法により順次積層する(図4(a)参
照)。
【0060】上述したMOCVD法による積層が終了し
た後、コンタクト層28の上にフォトリソグラフィーと
エッチングとによりフォトマスク29を形成し、エッチ
ングを行う。まず、硫酸系のエッチング液を用いて電流
通路ストライプ領域以外のコンタクト層28を選択的に
エッチングし、その後、塩酸系のエッチング液を用いて
第2クラッド層26bを選択的にエッチングし、リッジ
幅が7μmのリッジ部30を形成する(図4(b)参
照)。
【0061】リッジ部30を形成した後、硫酸系のエッ
チング液を用いて第3クラッド層81を選択的にエッチ
ングし、アンダーカット部31を形成する(図4(c)
参照)。アンダーカット部31の幅寸法を両側からそれ
ぞれ1μmとし、その中央部に5μm幅の第3クラッド
層81を残す。
【0062】その後、水蒸気雰囲気中で450℃程度の
高温で加熱し、第3クラッド層81におけるアンダーカ
ット部31に隣接する部分を1μmの幅で選択酸化し、
酸化層82を形成する(図4(d)参照)。Al組成の
大きいAlxGayIn1-x-ytAs1-t(0.8≦x≦
1、0≦y≦0.2、0.8≦x+y≦1、0≦t≦1)
を酸化することにより、酸化された部分は絶縁体とな
る。即ち、リッジ部30における第3クラッド層81の
両側からそれぞれアンダーカット部31と酸化層82と
を1μmずつ形成することにより、リッジ部30の中央
部には3μm幅の第3クラッド層81を残し、この3μ
m幅の第3クラッド層81が電流注入部となり、活性層
24における電流注入部の下側部分が発光部となる。こ
こに、後述する電極から供給される電流が流れる幅を狭
くした電流狭窄構造が形成される。
【0063】アンダーカット部31と酸化層82とを形
成した後、保護膜32、p側電極33、n側電極34を
形成し、半導体レーザ素子を完成させる(図4(e)参
照)。
【0064】このようにして形成された半導体レーザ素
子では、電流狭窄構造をアンダーカット部31と酸化層
82とにより形成しているので、電流狭窄構造をアンダ
ーカット部のみで形成する場合に比べて、アンダーカッ
ト部31の幅を狭くすることができ、機械的強度を高く
することができる。また、電流狭窄構造を酸化層のみで
形成する場合に比べて酸化層82の幅を狭くすることが
でき、選択酸化に要する時間を短縮することができる。
【0065】さらに、酸化層82は屈折率が小さくなる
ので、酸化層82の部分と選択酸化されていない第3ク
ラッド層81の領域とでは屈折率差が生じ、屈折率導波
構造となり、例えば、活性層24と第3クラッド層81
との距離を最適化するなどして、横モード制御が可能に
なる。しかも、この構造では、活性層24の近傍の導波
構造が全て発振波長に対して導波損失のない材料で構成
されており、高出力化に有利である。
【0066】なお、本実施の形態では、選択酸化を行う
第3クラッド層81をAlAsにより構成したが、Al
組成の大きいAlxGayInztAs1-t(0.8≦x≦
1、0≦y≦0.2、x+y+z=1、0≦t≦1)で
構成することができる。
【0067】つぎに、本発明の第5の実施の形態の半導
体レーザ素子を図5に基づいて説明する。本実施の形態
の半導体レーザ素子の基本的構造は第3の実施の形態の
半導体レーザ素子と同じであり、第3の実施の形態と同
じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。
【0068】n−InPから構成された半導体基板61
の上に、n−InPから構成された第1クラッド層62
を1.5μm厚、波長が1.1μm組成のGaInPAs
から構成された光ガイド層63を0.1μm厚、3層の
圧縮歪を有するGaInPAsから構成された量子井戸
層(6nm厚)とその間にそれぞれ積層された波長が
1.1μm組成のGaInPAs障壁層(10nm厚)
からなる多重量子井戸構造の活性層64、波長が1.1
μm組成のGaInPAsから構成された光ガイド層6
5を0.1μm厚、p−InPから構成された第2クラ
ッド層66aを0.1μm厚、後述するアンダーカット
部と酸化層とを形成するためのp−AlAs(5nm
厚)とp−Al0.5In0.5As(3nm厚)とが3ペア
の超格子からなる第3クラッド層91、p−InPから
構成された第2クラッド層66bを1.4μm、p−G
aInAsから構成されたコンタクト層68を0.2n
m厚に、MOCVD法により順次積層する(図5(a)
参照)。p-AlAsの層はInPから構成された半導
体基板61に対して大きな格子歪を有するが、厚さが5
nmと薄いので、格子緩和なく成長できた。
【0069】上述したMOCVD法による積層が終了し
た後、コンタクト層68の上にフォトリソグラフィーと
エッチングとによりフォトマスク69を形成し、エッチ
ングを行う。まず、硫酸系のエッチング液を用いて電流
通路ストライプ領域以外のコンタクト層68を選択的に
エッチングし、その後、塩酸系のエッチング液を用いて
第2クラッド層66bを選択的にエッチングし、リッジ
幅が7μmのリッジ部70を形成する(図5(b)参
照)。
【0070】リッジ部70を形成した後、硫酸系のエッ
チング液を用いて第3クラッド層91を選択的にエッチ
ングし、アンダーカット部71を形成する(図5(c)
参照)。アンダーカット部71の幅寸法を両側からそれ
ぞれ1μmとし、その中央部に5μm幅の第3クラッド
層91を残す。
【0071】その後、水蒸気雰囲気中で500℃程度の
高温で加熱し、第3クラッド層91におけるアンダーカ
ット部71に隣接する部分を1μmの幅で選択酸化し、
酸化層92を形成する(図5(d)参照)。この選択酸
化により、Al組成の大きい第3クラッド層91は酸化
された部分が絶縁体となる。即ち、リッジ部70におけ
る第3クラッド層91の両側からそれぞれアンダーカッ
ト部71と酸化層92とを1μmずつ形成することによ
り、リッジ部70の中央部には3μm幅の第3クラッド
層91を残し、この3μm幅の第3クラッド層91が電
流注入部となり、活性層64における電流注入部の下側
部分が発光部となる。ここに、後述する電極から供給さ
れる電流が流れる幅を狭くした電流狭窄構造が形成され
る。なお、酸化層92を形成するときの酸化速度は、選
択酸化する層の厚さが厚いほど、また、Al組成が大き
いほど速くなる。
【0072】アンダーカット部71と酸化層92とを形
成した後、保護膜32、p側電極33、n側電極34を
形成し、半導体レーザ素子を完成させる(図5(e)参
照)。
【0073】このようにして形成された半導体レーザ素
子では、電流狭窄構造をアンダーカット部71と酸化層
92とにより形成しているので、電流狭窄構造をアンダ
ーカット部のみで形成する場合に比べて、アンダーカッ
ト部71の幅を狭くすることができ、機械的強度を高く
することができる。また、電流狭窄構造を酸化層のみで
形成する場合に比べて酸化層92の幅を狭くすることが
でき、選択酸化に要する時間を短縮することができる。
【0074】さらに、酸化層92は屈折率が小さくなる
ので、酸化層92の部分と選択酸化されていない第3ク
ラッド層91の領域とでは屈折率差が生じ、屈折率導波
構造となり、例えば、活性層24と第3クラッド層91
との距離を最適化するなどして、横モード制御が可能に
なる。しかも、この構造では、活性層24の近傍の導波
構造が全て発振波長に対して導波損失のない材料で構成
されており、高出力化に有利である。
【0075】なお、本実施の形態では、選択酸化を行う
第3クラッド層91を、p−AlAsの層とp−Al
0.5In0.5Asの層とからなる超格子層とした場合につ
いて説明したが、Al組成の大きいAlxGayInzt
As1-t(0.8≦x≦1、0≦y≦0.2、x+y+z
=1、0≦t≦1)の層を含んだ超格子構造とすること
ができる。
【0076】つぎに、本発明の第6の実施の形態の半導
体レーザ素子を図6に基づいて説明する。本実施の形態
の半導体レーザ素子の層構造は、SCH−SQW構造で
ある。まず、半導体基板であるGaPAs基板101を
作成する。このGaPAs基板101は、(100)面
から[110]方向に2°オフしたn−GaAsから構成
された半導体基板102の上に、VPE法(気相成長)
によりP組成を0から0.4まで徐々に変化させたn−
GaPAsから構成された組成変化層103、n−Ga
0.4As0.6から構成された組成均一層104を積層す
ることにより形成されている。組成均一層104の表面
は、格子不整合が充分緩和されており、GaPAs三元
基板といえる。
【0077】つぎに、GaPAs基板101の上に、G
aPとGaAsとの間の格子定数であってGaP0.4
0.6の格子定数と等しいAsを含むn−(AlyGa
1-yfIn1-fvAs1-v(y=0.5、f=0.8、v
=0.85)から構成された第1クラッド層105を1
μm厚、(AlzGa1-zgIn1-guAs1-u(z=
0.1、g=0.7、u=1)から構成された光ガイド層
106を0.1μm厚、圧縮歪を有する(Alx
1-xeIn1-etAs1-t(x=0、e=0.65、t
=0.9)から構成されたれた単一量子井戸構造の活性
層107を25nm厚、(AlzGa1-zgIn1-gu
As1-u(z=0.1、g=0.7、u=1)から構成さ
れた光ガイド層108を0.1μm厚、p−(AlyGa
1-yfIn1-fvAs 1-v(y=0.5、f=0.8、v
=0.85)から構成された第2クラッド層109aを
0.1μm厚、後述するアンダーカット部と酸化層とを
形成するためのp−AlAs層(10nm厚)とp−A
lP0.4As0.6層(3nm厚)とが3ペアの超格子から
なる第3クラッド層110、p−(AlyGa1-yf
1-fvAs1-v(y=0.5、f=0.8、v=0.8
5)から構成された第2クラッド層109bを0.9μ
m厚、p−Ga0.7In0.3Pから構成された中間層11
1を0.1μm厚、p−GaP0.4As0.6から構成され
たコンタクト層112を0.2μm厚に、MOCVD法
により順次積層する(図6(a)参照)。第1・第2ク
ラッド層105,109a,109b及び第3クラッド
層110の一部であるp−AlP0.4As0.6層は、Ga
PAs基板101に格子整合している。MOCVD法の
原料ガスとしてTMG、TMI、TMA、AsH3、P
3、DMHyを用い、キャリアガスとしてH2を用い
た。第3クラッド層110の一部であるp−AlAs層
は、GaPAs基板101に対して1.4%の格子歪み
を有するが、その厚さが10nmと薄いので、格子緩和
なく成長できた。
【0078】その後、コンタクト層112の上にフォト
リソグラフィーとエッチングとによりフォトマスク11
3を形成し、エッチングを行う。まず、硫酸系のエッチ
ング液を用いて電流通路ストライプ領域以外のコンタク
ト層112を選択的にエッチングし、その後、塩酸系の
エッチング液を用いて中間層111と第2クラッド層1
09bとを選択的にエッチングし、リッジ幅が7μmの
リッジ部114を形成する(図6(b)参照)。
【0079】ここで、塩酸系のエッチング液は、V族の
主成分がPからなる層である第2クラッド層109bを
良好にエッチングするが、V族の主成分がAsからなる
第3クラッド層110をエッチングすることはできな
い。したがって、第3クラッド層110はリッジ部11
4を形成するためのエッチングをストップさせる層とし
て機能することになり、均一な高さ寸法のリッジ部11
4を精度良く簡単に形成することができる。また、この
エッチングにより第3クラッド層110を確実に露出さ
せることができる。
【0080】リッジ部114を形成した後、硫酸系のエ
ッチング液を用いて第3クラッド層110を選択的にエ
ッチングし、アンダーカット部115を形成する(図6
(c)参照)。アンダーカット部115の幅寸法を両側
からそれぞれ1μmとし、その中央部に5μm幅の第3
クラッド層110を残す。
【0081】その後、水蒸気雰囲気中で450℃程度の
高温で加熱し、第3クラッド層110におけるアンダー
カット部115に隣接する部分を1μmの幅で選択酸化
し、酸化層116を形成する(図6(d)参照)。Al
組成の大きい第3クラッド層110を酸化することによ
り、酸化された部分は絶縁体となる。即ち、リッジ部1
14における第3クラッド層110の両側からそれぞれ
アンダーカット部115と酸化層116とを1μmずつ
形成することにより、リッジ部114の中央部には3μ
m幅の第3クラッド層110を残し、この3μm幅の第
3クラッド層110が電流注入部となり、活性層107
における電流注入部の下側部分が発光部となる。ここ
に、後述する電極から供給される電流が流れる幅を狭く
した電流狭窄構造が形成される。
【0082】アンダーカット部115と酸化層116と
を形成した後、保護膜32、p側電極33、n側電極3
4を形成し、半導体レーザ素子を完成させる(図6
(e)参照)。
【0083】本実施の形態の構造により、波長が660
nmで発振する半導体レーザ素子が得られた。このよう
にして形成された半導体レーザ素子では、電流狭窄構造
をアンダーカット部115と酸化層116とにより形成
しているので、電流狭窄構造をアンダーカット部のみで
形成する場合に比べて、アンダーカット部115の幅を
狭くすることができ、機械的強度を高くすることができ
る。また、電流狭窄構造を酸化層のみで形成する場合に
比べて酸化層116の幅を狭くすることができ、選択酸
化に要する時間を短縮することができる。
【0084】さらに、酸化層116は屈折率が小さくな
るので、酸化層116の部分と選択酸化されていない第
3クラッド層110の領域とでは屈折率差が生じ、屈折
率導波構造となり、例えば、活性層107と第3クラッ
ド層110との距離を最適化するなどして、横モード制
御が可能になる。しかも、この構造では、活性層107
の近傍の導波構造が全て発振波長に対して導波損失のな
い材料で構成されており、高出力化に有利である。
【0085】なお、本実施の形態では、GaPAs基板
101の面方位は(100)面から[110]方向に2
°オフしており僅かな傾きである。このような(10
0)面や(100)面からの傾きが小さい面を有するG
aP、GaAs、GaP0.4As0.6などから構成される
半導体基板上に、MOCVD法でAlGaInPを成長
させると、成長表面にヒロックが多数観察された。Al
InP等のAl組成が大きい場合にはGaInPに比べ
て特に顕著であった。このヒロックが成長層中に多数存
在すると、レーザ、LED等のデバイス特性を悪くした
り、製造時の歩留まりを落とす原因となる。特に、本実
施の形態のようにクラッド層105を厚くした場合に
は、その影響は大きい。この点に関し、AlGaInP
の成長中にAsを含ませることでヒロックの密度を激減
できることを見出した。これは、Al又はGaのドロッ
プレット形成が抑えられるためであると考えられる。こ
れにより、デバイス特性の悪化、歩留まり低下を抑える
ことができた。
【0086】また、GaAs基板上の従来の材料系に比
べて、同じバンドギャップの材料はAl組成を小さくで
きる。Al組成を小さくすることにより、Alに起因す
る非発光再結合電流が低減され、発光効率が向上した。
また、表面再結合電流も低減され、端面光劣化のレベル
も向上したので、さらに高出力が得られるようになり、
高温高出力安定動作する赤色レーザが得られた。
【0087】なお、本実施の形態では、単一量子井戸構
造の活性層107を用いた場合を例に挙げて説明した
が、多重量子井戸構造の活性層を用いてもよい。その場
合には、障壁層には(Alx2Ga1-x2e2In1-e2t2
As1-t2(0≦x2<1、0.5<e2<1、0≦t2
≦1)を用いることができる。また、光ガイド層にAs
を含んでもよい。
【0088】つぎに、本発明の第7の実施の形態の半導
体レーザ素子について説明する。本実施の形態の半導体
レーザ素子の基本的構造は第5の実施の形態の半導体レ
ーザ素子と同じであり、図5を参照して説明し、第5の
実施の形態と同じ部分の説明は省略する。本実施の形態
と第5の実施の形態の異なる部分は、アンダーカット部
と酸化層とが形成される第3クラッド層の構造である。
第5の実施の形態の第3クラッド層91は、p−AlA
s(5nm厚)とp−Al0.5In0.5As(3nm厚)
とが3ペアの超格子から構成されているが、本実施の形
態の第3クラッド層は、Al0.5In0.5Asにより10
0nmの厚さに構成されている。
【0089】第3クラッド層を酸化させて酸化層を形成
する場合、被酸化層(第3クラット層)の厚さが厚いほ
ど、また、Al組成が大きいほど、酸化速度が速くな
る。また、酸化層の幅は、時間のルートに比例する。
【0090】本実施の形態では、Al0.5In0.5Asの
層はInPから構成される半導体基板に格子整合するの
で、容易に厚く成長させることができ、厚くすることに
より酸化速度を速くすることができる。
【0091】なお、本実施の形態では、選択酸化を行う
第3クラッド層をAl0.5In0.5Asにより構成した場
合を例に挙げて説明したが、半導体基板に対して格子定
数が等しいか近いか、即ち、半導体基板に対する歪が±
0.5%以下であって、V族の主成分がAsからなるA
xGayInzAs(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y
+z=1)を用いることができる。
【0092】
【発明の効果】請求項1記載の発明の半導体レーザ素子
によれば、リッジ部を形成するために第2クラッド層を
エッチングしたとき、そのエッチングが第3クラッド層
まで達したときに第3クラッド層によりそのエッチング
をストップさせることができ、これにより、均一な高さ
寸法のリッジ部を精度良く形成することができる。さら
に、リッジ部を形成するためのエッチングにより第3ク
ラッド層を確実に露出させることができるので、この第
3クラッド層をエッチングして形成するアンダーカット
部の形成も精度良く行うことができる。
【0093】請求項2記載の発明の半導体レーザ素子に
よれば、半導体基板上に各層を積層した後、リッジ部を
形成するためのエッチングを塩酸系のエッチング液で行
うことにより、第2クラッド層のみをエッチングして第
3クラッド層が露出した位置でエッチングをストップさ
せることができ、これにより、請求項1記載の発明と同
じように、均一な高さ寸法のリッジ部を精度良く形成す
ることができる。さらに、リッジ部を形成するエッチン
グが終了した後に第3クラッド層のみをエッチングして
アンダーカット部を形成するときには第3クラッド層が
確実に露出しているので、アンダーカット部の形成も精
度良く行うことができる。
【0094】請求項3記載の発明の半導体レーザ素子に
よれば、半導体基板上に各層を積層した後、リッジ部を
形成するためのエッチングを硫酸系のエッチング液で行
うことにより、第2クラッド層のみをエッチングして第
3クラッド層が露出した位置でエッチングをストップさ
せることができ、これにより、請求項1記載の発明と同
じように、均一な高さ寸法のリッジ部を精度良く形成す
ることができる。さらに、リッジ部を形成するエッチン
グが終了した後に第3クラッド層のみをエッチングして
アンダーカット部を形成するときには第3クラッド層が
確実に露出しているので、アンダーカット部の形成も精
度良く行うことができる。
【0095】請求項4記載の発明の半導体レーザ素子に
よれば、リッジ部における電流狭窄構造を、アンダーカ
ット部と選択酸化されて絶縁体となった酸化層とにより
形成したので、同じ幅寸法の電流狭窄構造をアンダーカ
ット部のみで形成する場合に比べて、アンダーカット部
の幅を小さくして電流狭窄構造部分の機械的強度を高め
ることができ、電流狭窄構造を酸化層のみで形成する場
合に比べて、選択酸化に要する時間を短縮して半導体レ
ーザ素子の製造に要する時間を短縮できる。
【0096】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の発明の半導体レーザ素子において、第3クラッド層
は、複数のAlxGayInzAs(0.8≦x≦1、0≦
y≦0.2、x+y+z=1)の層を含んだ超格子構造
から構成されているので、選択酸化される被酸化層であ
る第3クラッド層の格子定数が半導体基板の格子定数と
離れている場合でも、薄くすることによりその層を被酸
化層として用いることができる。
【0097】請求項6記載の発明によれば、半導体基板
がInPから構成され、被選択酸化される第3クラッド
層がV族の主成分がAsからなるAlxGayInzAs
(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y+z=1)からなる
とき、その半導体基板と第3クラッド層とは格子定数が
等しいか近くなり、即ち、第3クラッド層の半導体基板
に対する歪みが±0.5%以下となることにより、第3
クラッド層を厚く形成することが可能となり、厚く形成
することにより選択酸化するときの酸化速度を速くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態の半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態の半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図7】従来例の半導体レーザ素子を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
21 半導体基板 22 第1クラッド層 24 活性層 26a,26b 第2クラッド層 27 第3クラッド層 30 リッジ部 31 アンダーカット部 41 半導体基板 42 第1クラッド層 44 活性層 46a,46b 第2クラッド層 47 第3クラッド層 50 リッジ部 51 アンダーカット部 61 半導体基板 62 第1クラッド層 64 活性層 66a,66b 第2クラッド層 67 第3クラッド層 70 リッジ部 81 第3クラッド層 82 酸化層 91 第3クラッド層 92 酸化層 101 半導体基板 105 第1クラッド層 107 活性層 109a,109b 第2クラッド層 110 第3クラッド層 114 リッジ部 115 アンダーカット部 116 酸化層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を発生する活性層と、この活性層より
    バンドギャップが大きくてこの活性層を挟む第1・第2
    クラッド層と、前記第2クラッド層の中に位置する第3
    クラッド層とを、前記第1クラッド層が半導体基板側と
    なるようにこの半導体基板上に積層し、前記活性層の電
    流通路ストライプ所定領域を形成するために前記第2ク
    ラッド層側からエッチングしてリッジ部を形成し、さら
    に、前記第3クラッド層をリッジ幅を狭める方向にエッ
    チングして電流を狭窄するアンダーカット部を形成した
    半導体レーザ素子において、 前記第3クラッド層が前記リッジ部を形成するエッチン
    グをストップさせる材質で形成されていることを特徴と
    する半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 光を発生する活性層と、この活性層より
    バンドギャップが大きくてこの活性層を挟む第1・第2
    クラッド層と、前記第2クラッド層の中に位置する第3
    クラッド層とを、前記第1クラッド層が半導体基板側と
    なるようにこの半導体基板上に積層し、前記活性層の電
    流通路ストライプ所定領域を形成するために前記第2ク
    ラッド層側からエッチングしてリッジ部を形成し、さら
    に、前記第3クラッド層をリッジ幅を狭める方向にエッ
    チングして電流を狭窄するアンダーカット部を形成した
    半導体レーザ素子において、 前記第1・第2クラッド層はV族の主成分がPからなる
    AlxGayInztAsu(0≦x≦1、0≦y≦1、
    0≦z≦1、x+y+z=1、0<t≦1、u+t=
    1)で構成され、前記第3クラッド層はV族の主成分が
    AsからなるAl xGayInzAs(0≦x≦1、0≦
    y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成されてい
    ることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 光を発生する活性層と、この活性層より
    バンドギャップが大きくてこの活性層を挟む第1・第2
    クラッド層と、前記第2クラッド層の中に位置する第3
    クラッド層とを、前記第1クラッド層が半導体基板側と
    なるようにこの半導体基板上に積層し、前記活性層の電
    流通路ストライプ所定領域を形成するために前記第2ク
    ラッド層側からエッチングしてリッジ部を形成し、さら
    に、前記第3クラッド層をリッジ幅を狭める方向にエッ
    チングして電流を狭窄するアンダーカット部を形成した
    半導体レーザ素子において、 前記第1・第2クラッド層はV族の主成分がAsからな
    るAlxGayInzAs(0≦x≦1、0≦y≦1、0
    ≦z≦1、x+y+z=1)で構成され、前記第3クラ
    ッド層はV族の主成分がPからなるAlxGayInzt
    Asu(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y
    +z=1、0<t≦1、u+t=1)で構成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 光を発生する活性層と、この活性層より
    バンドギャップが大きくてこの活性層を挟む第1・第2
    クラッド層と、前記第2クラッド層の中に位置する第3
    クラッド層とを、前記第1クラッド層が半導体基板側と
    なるようにこの半導体基板上に積層し、前記活性層の電
    流通路ストライプ所定領域を形成するために前記第2ク
    ラッド層側からエッチングしてリッジ部を形成し、さら
    に、前記第3クラッド層をリッジ幅を狭める方向にエッ
    チングして電流を狭窄するアンダーカット部を形成した
    半導体レーザ素子において、 前記第3クラッド層は、AlxGayInztAs
    1-t(0.8≦x≦1、0≦y≦0.2、x+y+z=
    1、0≦t≦1)で構成され、前記第3クラッド層の前
    記アンダーカット部に隣接する部分が選択酸化されて酸
    化層とされていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記第3クラッド層は、複数のAlx
    yInzAs(0.8≦x≦1、0≦y≦0.2、x+y
    +z=1)の層を含んだ超格子構造から構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 光を発生する活性層と、この活性層より
    バンドギャップが大きくてこの活性層を挟む第1・第2
    クラッド層と、前記第2クラッド層の中に位置する第3
    クラッド層とを、前記第1クラッド層が半導体基板側と
    なるようにこの半導体基板上に積層し、前記活性層の電
    流通路ストライプ所定領域を形成するために前記第2ク
    ラッド層側からエッチングしてリッジ部を形成し、さら
    に、前記第3クラッド層をリッジ幅を狭める方向にエッ
    チングして電流を狭窄するアンダーカット部を形成した
    半導体レーザ素子において、 前記半導体基板はInPから構成され、前記第3クラッ
    ド層はV族の主成分がAsからなるAlxGayInz
    s(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y+z=1)からな
    り、この第3クラッド層は前記半導体基板に対し歪みが
    ±0.5%以下であり、前記第3クラッド層の前記アン
    ダーカット部に隣接する部分が選択酸化されて酸化層と
    されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006216816A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化物半導体装置及びその製造方法
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JP2012059890A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法

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