JP2002184766A - プラズマ処理装置および方法 - Google Patents

プラズマ処理装置および方法

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JP2002184766A JP2001275893A JP2001275893A JP2002184766A JP 2002184766 A JP2002184766 A JP 2002184766A JP 2001275893 A JP2001275893 A JP 2001275893A JP 2001275893 A JP2001275893 A JP 2001275893A JP 2002184766 A JP2002184766 A JP 2002184766A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマ処理におけるチャージングダメージを
抑制する。 【解決手段】基板電極115と該電極に対向するアンテ
ナ電極103にそれぞれ印加する高周波バイアスの位相
を制御し、両電極のいずれか一方に常にアースとしての
機能を持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理方法及
び装置に係り、特にプラズマを用いて半導体素子等の試
料の表面処理を行うのに好適なプラズマ処理方法及び装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマを用いてエッチング処理を行う
場合、処理ガスを電離し活性化することで処理の高速化
を図り、また被処理材に高周波バイアス電力を供給しプ
ラズマ中のイオンを被処理材に垂直に入射させること
で、異方性形状などの高精度エッチング処理を実現して
いる。
【0003】このような処理を行うプラズマ処理装置と
しては、例えば、特開平9−321031号公報(USP 5,
891,252)に記載のように、真空容器外側の外周
部に空心コイルを設け、真空容器内に設けた試料台に対
向させて円形導体板を設け、円形導体板にUHF帯電源
と第1の高周波電源を接続し、試料台に第2の高周波電
源を接続し、円形導体板にUHF帯の周波数の電界とそ
のUHF帯の周波数とは異なる周波数の電界を重畳して
供給し、UHF帯電源による電磁波と空心コイルによる
磁場との相互作用による電子サイクロトロン共鳴現象を
用いてプラズマを形成し、重畳した第1の高周波電源に
よる高周波電圧によって円形導体板にかかるバイアスを
大きくして、円形導体板とプラズマとを反応させ、エッ
チングに寄与する活性種をより多く生成できるように
し、試料台に接続した第2の高周波電源によりプラズマ
中のイオンの試料への入射エネルギーを制御するものが
知られている。
【0004】また、一般に有磁場プラズマ中では、「プ
ラズマ物理学入門」F.F.Chen著、丸善1977に
記載のように、磁場に対して垂直方向のプラズマのイン
ピーダンスの方が平行方向のプラズマのインピーダンス
に比べて大きいことが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のプラズマ処理装
置では、被処理材に印加された高周波電力の電気回路が
磁場を横切る方向に伝播するので、この磁場に対する垂
直方向のプラズマのインピーダンスによって、被処理材
面内に電位分布が形成されチャージングダメージを発生
させる可能性がある。また、被処理材に入射するイオン
エネルギーは、被処理材に供給するバイアス電力によっ
て発生するセルフバイアス電位により決定されが、ウエ
ハサイズの大口径化に伴って基板電極に対するアース面
積の比率が減少するので、バイアスの印加効率が低下す
るという問題がある。
【0006】また、従来の装置では、真空容器が接地さ
れており、プラズマが接地されてアース電位となってい
る真空容器内に広がり、十分に真空容器内の処理部に閉
じ込めることができず外周部まで拡散していたため、真
空容器内壁のスパッタおよび反応生成物の付着・脱離な
どが生じ、これにより異物の発生量が増加する可能性が
あった。
【0007】近年、半導体集積回路の集積度が高まるに
つれ、例えば、半導体素子の代表的な一例であるMOS
(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのゲート酸
化膜が薄膜化し、ゲート酸化膜が絶縁破壊する(チャー
ジングダメージ)問題が深刻になりつつある。また、半
導体素子の微細化に伴い、加工精度についてもSAC
(Self Aligned Contact)に代表されるように、マスク
選択比を向上させることが要求されている。また装置内
での異物等の発生は歩留まりを低下させかつ装置の稼働
率を低下させることから、異物発生量の少ない装置が要
求されている。
【0008】本発明の第1の目的は、プラズマ処理にお
けるチャージングダメージを抑制することのできるプラ
ズマ処理方法及び装置を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、高精度表面処理を
行うことのできるプラズマ処理方法及び装置を提供する
ことにある。
【0010】本発明の第3の目的は、異物発生量を少な
くできるプラズマ処理方法及び装置を提供することにあ
る。
【0011】本発明の第4の目的は、スループットの高
いプラズマ処理方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、試料
を配置する基板電極に対して、対向する電極を設け、前
記対向する電極にプラズマ生成用の高周波電力を印加す
るとともに、前記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用
の高周波電力よりも周波数が低く逆位相となる他の高周
波電力を印加することにより、達成される。
【0013】さらに、前記両電極にそれぞれ印加する逆
位相となる他の高周波電力は、180°±45°の範囲
内である。
【0014】また、前記両電極にそれぞれ印加する逆位
相となる他の高周波電力は、180°±30°の範囲内で
ある。
【0015】また、前記両電極にそれぞれ印加する他の
高周波電力は、5MHz以下の同一周波数とするプラズ
マ処理方法。
【0016】また、前記プラズマは高周波電力と磁場を
用いて生成される。
【0017】また上記第1の目的は、試料を配置する基
板電極に対して、対向する電極を設け、前記対向する電
極にプラズマ生成用の高周波電力を印加するとともに、
前記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用の高周波電力
よりも周波数が低い他の高周波電力を印加し、両電極側
でプラズマ中を流れる電流の方向を同じにし、同一方向
の電流の向きを交互に変化させることにより、達成され
る。
【0018】さらに、前記両電極にそれぞれ印加する他
の高周波電力は、5MHz以下の同一周波数とする。
【0019】また上記第1の目的は、試料を配置する基
板電極に対して、対向する電極を設け、前記対向する電
極にプラズマ生成用の高周波電力を印加するとともに、
前記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用の高周波電力
よりも周波数が低い他の高周波電力を印加し、両電極側
でプラズマからの電子とイオンの入射方向を互いに逆向
きにし、前記両電極側でプラズマからの電子とイオンの
入射方向を交互に変化させることにより、達成される。
【0020】さらに、前記両電極にそれぞれ印加する他
の高周波電力は、5MHz以下の同一周波数とする。
【0021】また上記第2の目的は、試料を配置する基
板電極に対して、対向する電極を設け、前記対向する電
極にプラズマ生成用の高周波電力を印加するとともに、
前記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用の高周波電力
よりも周波数が低い他の高周波電力を印加し、一方の電
極でイオン入射が行われる間、他方の電極で多くの電子
を引き込み、前記イオン入射と電子の引き込みを交互に
繰り返し、前記両電極に生じるバイアス電圧波形を負電
圧側にシフトさせ、高エネルギーイオン量の多いイオン
エネルギー分布にすることにより、達成される。
【0022】さらに、前記両電極にそれぞれ印加する他
の高周波電力は、5MHz以下の同一周波数とする。
【0023】また上記第3の目的は、試料を配置する基
板電極に対して、対向する電極を設け、前記対向する電
極にプラズマ生成用の高周波電力を印加するとともに、
前記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用の高周波電力
よりも周波数が低く逆位相となる他の高周波電力を印加
し、両電極のいずれか一方の電極を常にアース電極とし
て機能させ、プラズマから見て真空容器がアースとなる
のを抑制することにより、達成される。
【0024】また上記第3の目的は、試料を配置する基
板電極に対して、対向する電極を設け、前記対向する電
極にプラズマ生成用の高周波電力を印加するとともに、
前記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用の高周波電力
よりも周波数が低い他の高周波電力を印加し、前記両電
極に印加されるそれぞれの高周波電圧によるバイアス電
圧の正電圧の値を下げ、プラズマポテンシャルを低くし
てアースに接地された真空容器内壁との電位差を小さ
く、プラズマ中のイオンによる前記真空容器内壁面の衝
撃を抑制することにより、達成される。
【0025】また、上記第4の目的は、試料を配置する
基板電極に対して、対向する電極を設け、前記対向する
電極にプラズマ生成用の高周波電力を印加するととも
に、前記試料の処理中は前記両電極にそれぞれ前記プラ
ズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低く逆位相とな
る他の高周波電力を印加し、処理室内のクリーニング時
には前記両電極にそれぞれ同位相となる他の高周波電力
を印加することにより、達成される。
【0026】また上記これらの目的を達成するため、本
発明の態様に従えば、プラズマ処理装置は、内部を所定
の減圧雰囲気に制御される容器と、前記容器内に設けら
れ試料を配置可能な基板電極と前記基板電極に対向する
対向電極と、前記対向電極に接続され前記容器内にプラ
ズマを生成するための高周波電力を印加するプラズマ生
成電源と、前記基板電極および対向電極にそれぞれ接続
され前記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数の低
い高周波電力を印加する複数のバイアス電源と、前記複
数のバイアス電源の高周波電圧の位相を制御する位相制
御器とを含む。
【0027】上記装置において、前記位相制御器は前記
両電極にそれぞれ印加される高周波電圧の位相を逆位相
に制御する。
【0028】また、前記位相制御器は前記両電極にそれ
ぞれ印加される高周波電圧の位相を同位相および逆位相
に制御する。
【0029】また、前記位相は0°±45°または18
0°±45°の範囲内で制御される。
【0030】また、前記位相は0°±30°または18
0°±30°の範囲内で制御される。
【0031】また、前記複数のバイアス電源は、5MH
z以下の同一周波数の高周波電力を出力する。
【0032】また、前記容器内に磁場を形成する磁場発
生コイルを有する。
【0033】本発明の他の態様に従えば、プラズマ処理
装置は、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理
室と、前記処理室内へガスを供給するガス供給装置と、
前記処理室内の設けられ被処理材を載置可能な基板電極
と、前記処理室内で前記基板電極に対向して設けられプ
ラズマを発生するための電磁波を放射するアンテナ電極
と、前記アンテナ電極に接続されたプラズマ生成用の第
1の高周波電源と、前記基板電極へ接続された第2の高
周波電源と、前記アンテナ電極へ接続された第3の高周
波電源と、前記第2の高周波電源および前記第3の高周
波電源によって印加する高周波電圧の位相を互いに逆位
相に制御する位相制御器を含む。
【0034】本発明の他の態様に従えば、プラズマ処理
装置は、試料を配置する基板電極に対して、対向する電
極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の高周波
電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ前記プ
ラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低く逆位相と
なる他の高周波電力を印加し、前記両電極を通過する磁
力線を有する磁場を形成する。
【0035】さらに、前記高周波電力の逆位相の値は前
記試料面内のセルフバイアス電圧差が5V以下となる位
相に設定される。
【0036】また、前記高周波電力の逆位相の値は前記
試料面内のセルフバイアス電圧差が実質的に0Vとなる
位相に設定される。
【0037】本発明のプラズマ処理では、基板電極に印
加する高周波と基板電極に対向するアンテナ電極に印加
する高周波の位相を制御することにより、プラズマ特性
の面内分布に起因する被処理材面内の電位分布を低く押
さえチャージングダメージの発生を抑制できる。また、
高周波の位相を制御することにより、被処理材に入射す
るイオンのエネルギーを調整でき、高アスペクト比のエ
ッチングを可能にしたり、マスク選択比の向上を図れ
る。これにより、高精度なエッチング処理が可能とな
る。また、高周波の位相を制御することにより、プラズ
マの拡散を抑制でき、真空容器内壁のスパッタおよび反
応生成物の付着・脱離などによる異物の発生量を低減で
きる。これにより、歩留まり向上および装置のメンテナ
ンス周期を長くでき、スループットの向上を可能とす
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1か
ら図5を用いて説明する。図1は、本発明を適用するプ
ラズマ処理装置の一例であるエッチング装置の縦断面図
である。真空容器101の上部開口部には、円筒状の処
理容器102,導電体でなる平板状のアンテナ電極10
3,電磁波を透過可能な誘電体窓104を気密に設け、
内部に処理室を形成している。処理容器102の外周部
には処理室を囲んで磁場発生用コイル105が設けてあ
る。アンテナ電極103はエッチングガスを流すための
多孔構造となっており、ガス供給装置107が接続され
ている。また、真空容器101の下部には真空排気口1
06を介して真空排気装置(図示省略)が接続されてい
る。
【0039】アンテナ電極103上部には同軸線路10
8が設けられ、同軸線路108,フィルター109,整
合器110を介してプラズマ生成用の高周波電源111
(例えば、周波数450MHz)が接続されている。ま
た、アンテナ電極103には同軸線路108,フィルタ
ー112,整合器113を介してアンテナバイアス電源
114(例えば、周波数800kHz)が接続されてい
る。ここで、フィルター109は高周波電源111から
の高周波電力を通過させ、アンテナバイアス電源114
からのバイアス電力を効果的にカットする。フィルター
112はアンテナバイアス電源114からのバイアス電
力を通過させ、高周波電源111からの高周波電力を効
果的にカットする。
【0040】真空容器101内の下部には被処理材11
6を配置可能な基板電極115が設けられている。基板
電極115にはフィルター117,整合器118を介し
て基板バイアス電源119(例えば、周波数800kH
z)が接続されている。また、基板電極115にはフィ
ルター120を介して被処理材116を静電吸着させる
ための静電チャック電源121が接続されている。ここ
で、フィルター117は基板バイアス電源119からの
バイアス電力を通過させ、高周波電源111からの高周
波電力を効果的にカットする。なお、通常、高周波電力
はプラズマ中で吸収されるため基板電極115側へ流れ
ることはないが、安全のためフィルター117を設けて
ある。フィルター120は静電チャック電源121から
のDC電力を通過させ、高周波電源111,アンテナバ
イアス電源114,基板バイアス電源119からの電力
を効果的にカットする。
【0041】アンテナバイアス電源114と基板バイア
ス電源119は位相制御器122に接続されており、ア
ンテナバイアス電源114および基板バイアス電源11
9から出力する高周波の位相を制御可能となっている。
この場合、アンテナバイアス電源114と基板バイアス
電源119の周波数は同一周波数とした。
【0042】位相制御器122は、アンテナバイアス電
源114側のフィルター112と整合器113との間お
よび基板バイアス電源119側のフィルター117と整
合器118との間からそれぞれ電圧波形を取り込み、位
相制御器122内でそれぞれの電圧波形の位相が逆相、
この場合、180°±45°以内の所望の位相差になる
ように、アンテナバイアス電源114と基板バイアス電
源119とに位相をずらした小振幅の信号を出力する。
この場合のアンテナバイアス電源114および基板バイ
アス電源119はアンプ機能を有するのみで良い。
【0043】また、位相制御器122が、アンテナバイ
アス電源114側のフィルター112と整合器113との
間および基板バイアス電源119側のフィルター117
と整合器118との間からそれぞれ電圧波形を取り込
み、電力の出力タイミングを支持するトリガー信号のみ
を出力するものである場合には、アンテナバイアス電源
114および基板バイアス電源119はオシレータ機能
を有するものとする。
【0044】上記のように構成された装置において処理
室内部を真空排気装置(図示省略)により減圧した後、
ガス供給装置107によりエッチングガスを処理室内に
導入し所望の圧力に調整する。高周波電源111より発
振された、例えば、周波数450MHzの高周波電力は
同軸線路108を伝播し、上部電極103および誘電体
窓104を介して処理室内に導入される。処理室内に導
入された高周波電力による電界は、磁場発生用コイル1
05(例えば、ソレノイドコイル)により処理室内に形
成された磁場との相互作用により、処理室内に高密度プ
ラズマを生成する。特に電子サイクロトロン共鳴を起こ
す磁場強度(例えば、プラズマ生成用の高周波電源の周
波数が450MHzの場合、160G)を処理室内に形
成した場合、効率良く高密度プラズマを生成することが
できる。また、アンテナバイアス電源114より高周波
電力(例えば周波数800kHz)が同軸線路108を
介してアンテナ電極103に供給される。また基板電極
115に載置された被処理材116は、基板バイアス電
源119より高周波電力(例えば周波数800kHz)
が供給され、表面処理(例えばエッチング処理)され
る。
【0045】アンテナバイアス電源114によってアン
テナ電極103に高周波電圧を印加することにより、ア
ンテナ電極に所望の材料を用いた場合、該材料とプラズ
マ中のラジカルとが反応し、生成されるプラズマの組成
を制御できる。例えば、酸化膜エッチングの場合、アン
テナ電極103の材料にSiを用いることによって、酸
化膜のエッチング特性、特にSiO2/SiN 選択比等
に影響するプラズマ中のFラジカル量を減少させること
が可能となる。
【0046】本構成の装置では、450MHzの高周波
電源111によって主としてプラズマを生成し、アンテ
ナバイアス電源114によってプラズマ組成あるいはプ
ラズマ分布を制御し、基板バイアス電源119によって
プラズマ中のイオンの被処理材116への入射エネルギ
ーを制御している。このような装置では、プラズマ生成
(イオン量)とプラズマ組成(ラジカル濃度比)を独立
に制御できるというメリットがある。
【0047】一般にプラズマ中では、プラズマ特性の面
内不均一などの影響により、被処理材に電位分布が形成
され、チャージングダメージを発生させる可能性があ
る。膜厚4.5nm をもつ半導体素子のゲート酸化膜間
電圧では、約5V以上の電圧が印加されるとゲート酸化
膜の劣化が生じることから、チャージングダメージを抑
制するためにはゲート酸化膜間電圧を5V以下にするこ
とが必要である。
【0048】図2は基板電極115とアンテナ電極10
3に印加する高周波電圧の位相とゲート酸化膜間に発生
する電圧との関係を示す。図2の縦軸はゲート酸化膜間
電圧を示し、横軸は高周波電圧の位相を示す。図2によ
れば、位相が0°付近においてはゲート酸化膜間電圧は
約6V程度発生しているが、位相を180°付近、すな
わち、180°±45°の範囲以内にすることによりゲ
ート酸化膜間電圧を許容値以下の小さい値に抑制できる
ことが分かる。好ましくは、180°±30°の範囲以
内にすればゲート酸化膜間電圧を約2V以下にでき、さ
らに効果的である。
【0049】基板電極115とアンテナ電極103に印
加する高周波電圧の位相を同位相とした場合と逆位相に
した場合の基板電圧波形301,アンテナ電圧波形30
2,プラズマ電位波形303の関係をそれぞれ図3
(a),(b)に示す。図3(a)に示されるように同位
相で高周波電力を印加した場合には、基板電極波形30
1,アンテナ電圧波形302ともに正弦波的である。ま
た、プラズマ電位波形303は正電位側に大きな振幅で振
動している。これに対し、図3(b)に示されるように
逆位相で高周波電力を印加した場合には、両電圧波形3
01,302ともに、電圧波形が負電圧側にシフトする
とともに正電圧側で波形が歪み平坦化されている。これ
により、プラズマ電位波形303も小さな電位のまま平
坦化されている。このことから逆位相の場合は、結果と
して、セルフバイアス電位が大きく、すなわち、同位相
の場合に比べセルフバイアス電位が増加していることが
分かる。
【0050】これは対向する両電極のアースとしての機
能が向上し、十分な電流が対向する電極間で供給される
ことによるためと考えられる。すなわち、図4(a)に
示すように、時間t1におけるアンテナ電極103のア
ンテナ電圧波形302は正電位であって、プラズマ中の
電子を引き込む時間帯であり、時間t2ではアンテナ電
圧波形は負電位であって、プラズマ中のイオンを引き込
む時間帯である。これに対し、時間t1における基板電
極115の基板電圧波形301は負電位であって、プラ
ズマ中のイオンを引き込む時間帯となり、時間t2では
基板電圧波形301は正電位であって、プラズマ中の電
子を引き込む時間帯となる。これにより、両電極側とも
プラズマ空間において、時間t1では基板電極側に向か
って電流(i1,i2)が流れ、時間t2ではアンテナ
電極側に向かって電流(i3,i4)が流れるので、基
板,アンテナ両電極ともに、正電圧側となる位相のとき
に充分な電子が供給され負電圧側へシフトする。また、
電流方向が同方向となるので、対向する両電極におい
て、常にどちらか一方の電極がアースとして効率良く機
能し、プラズマ電位を下げるよう作用して、プラズマ電
位が小さい電位で平坦化される。
【0051】一方、図4(b)に示すようにアンテナ電
圧波形302と基板電圧波形301とを同位相にした場
合には、両電極側のプラズマ空間では互いに電流(i
1,i2,i3,i4)の向きが反対方向となり、電気
回路はアースに接地された処理容器104との間で形成
され、電流(i5,i6)は処理容器側、すなわち、壁
側に流れる。また、図4(c)に示すように基板電極1
15への基板電圧波形301は図4(a)と同様で、ア
ンテナ電極103に、例えば、周波数13.56MHz
のアンテナ電圧波形302を印加した場合には、アンテ
ナ電極103側にはセルフバイアス電圧Vdcが生じ、
常にプラズマ中のイオンが引き込まれる状態となり、時
間t1では両電極側に向けて電流(i1,i2)が流れ
逆方向となる。このため、両電極ともに処理容器102
との間で電気回路が形成され、処理容器側から両電極側
に向けて電流(i5)が流れる。また、時間t2では電
流の方向はアンテナ電極103に向けて同方向となる
が、アンテナ電極側の電流値と基板電極115側の電流
値との差分(i6)が処理容器102側へ流れることに
なる。
【0052】本実施例のように構成された装置では、高
周波電流が側壁よりも対向する電極間でより多く流れる
ことから、磁場を横切る方向の電流が減少しチャージン
グダメージの発生が抑制される。したがって、図2に示
したように両電極に印加する高周波の位相を180°付
近にすることによりチャージングダメージの発生を抑制
でき、歩留の良い処理を行うことができる。
【0053】図5は、両電極に印加する高周波の位相を
同位相(0°)にした場合(破線501)と逆位相(1
80°)にした場合(実線502)の両電極に入射する
イオンエネルギーの分布を示す。これによると、逆位相
の場合には同位相の場合に比べ、低イオンエネルギーの
量が少なくなり、イオンエネルギーの値がさらに高い方
向にシフトし高イオンエネルギーの量が増していること
が分かる。被処理材116に入射するイオンエネルギー
は基板電極115に生じるセルフバイアス電位により決
定されるが、本実施例では図3に示したようにアンテナ
電極103と基板電極115に印加する高周波電力の位
相を逆相にすることにより、図5に示すように、高イオ
ンエネルギーの量を増やすことができる、言い換えれ
ば、セルフバイアス電位をさらに大きくすることができ
るので、アスペクト比の高い穴をさらに高アスペクトで
加工することができ、高精度のエッチング処理を行うこ
とができる。また、効率的な電力の投入により最適なエ
ッチング形状を得る処理ができる。
【0054】さらに、アンテナ電極103と基板電極1
15に印加する高周波電力の位相を制御することによっ
ても、自由にセルフバイアス電位を制御することがで
き、処理条件の範囲を広げることができる。
【0055】図6に基板電極115よりも外側で測定し
たイオン飽和電流密度601と高周波電圧の位相との関
係を示す。図6によれば、基板電極115の外側におい
て、印加する高周波電圧の位相が同相の場合にはプラズ
マ密度が高く、逆相の場合にはプラズマ密度が低いこと
が分かる。つまり両電極に印加する高周波電圧の位相を
180°付近にすることにより、常に両電極の一方が効
率良くアース電極となるので、プラズマ電位の上昇が抑
制され、プラズマと接地された処理容器102および真
空容器101の内壁との電位差が小さくなり、処理容器
102内に生成されたプラズマが処理容器102および
真空容器101の内壁側に広がることがないことを示し
ている。言い換えると、プラズマを処理容器102内に
効率よく閉じ込めることが可能である。
【0056】一般に接地された真空容器101および処
理容器102はプラズマによりスパッタされ、また反応
生成物の付着・脱離等により異物の発生源となり、スル
ープット低下の原因となる。しかしながら、本実施例で
は図6に示したように、高周波電圧の位相を180°付
近とすることにより、プラズマを処理容器内に効率よく
閉じ込められることから真空容器101に付着する反応
生成物を抑制することができ、かつ図3(b)に示すよ
うにプラズマ電位303の変動を低く押さえることが可
能なので、真空容器101および処理容器102へのイ
オン衝撃によるスパッタを低減することができる。これ
より真空容器101および処理容器102からの異物の発
生が低減され、装置のメンテナンス周期を長くでき、ス
ループットを向上させることができる。
【0057】また、本実施例では、磁場発生用コイル1
05によって処理室内にアンテナ電極103から基板電
極115に向かって発散磁場を形成している。これによ
り、プラズマ中の電子は磁場に拘束されて動くので、一
方の電極から流れ出た高周波(RF)電流は、処理室側
壁に向かって流れるよりも、対向する電極に向かってよ
り効率的に流れる。このためチャージングダメージに関
係する基板電極面内に生じるセルフバイアス電圧差(δ
Vdc)を低減することができる。図7に磁場発生用コ
イル105による磁場強度を変えたときのバイアス電圧
の位相差と、基板電極の中央部と外周部に生じるセルフ
バイアス電圧の差(δVdc=中央のVdc−外周のV
dc)との関係を示す。図7によれば、磁場発生用コイ
ルへ供給する電流値を大きくする、すなわち、垂直方向
の成分を大きくすることにより、セルフバイアス電圧差
(δVdc)をゼロ(零)にすることのできるコイル電
流値とバイアス電圧位相差とが存在することが分かる。
したがって、磁場発生用コイル105によって処理室内
に形成する磁場に、被処理材116に対して垂直方向の
成分を多く持たせることによって、対向電極間隔が大き
い場合(例えば、30mm以上)でも、より効果的にプラ
ズマの拡散を抑制できる。
【0058】また、処理室内の磁場形状において、処理
室中央部から外周部に向かって磁場強度が強くなる磁場
形状を用いても、プラズマ中の電子は処理室外周に向か
って移動しにくくなる。このため、一方の電極から流れ
出た高周波(RF)電流は、処理室側壁に向かって流れ
るよりも、対向する電極に向かって流れ、同様の効果を
得ることができる。このような磁場は、電磁コイルによ
るカスプ磁場あるいは永久磁石を用いたカスプ磁場によ
っても実現できる。
【0059】なお、上述の実施例では、被処理材のプラ
ズマ処理について述べたが、プラズマを用いて装置内壁
面のクリーニングを行う場合には、両電極に印加する高
周波の位相を0°付近(同相)とすることにより、広範
囲にプラズマが拡散され、かつ壁に効率よくイオン衝撃
を与えられるので、クリーニング効果を向上させる効果
がある。
【0060】また、アンテナ電極103と基板電極11
5に印加される逆相又は同相の高周波電圧において、逆
相の場合には180°±45°程度、好ましくは180
°±30°、同相の場合には高周波電圧の位相差が0°
±45°程度、好ましくは0°±30°の範囲内であれ
ば同様の効果が期待できる。
【0061】また、上述の実施例では磁場を用いたエッ
チング装置を例に述べたが、磁場を有さないエッチング
装置又は、エッチング装置以外のアッシング装置、プラ
ズマCVD装置など基板電極へ高周波電力を供給する他
のプラズマ処理装置においても適用可能である。
【0062】また、上述の実施例では、アンテナ電極1
03と基板電極115に印加される高周波電圧の周波数
は800kHzを例に述べたが、これに限定されるもの
ではなく、シースが抵抗性となる周波数、約5MHz以
下の周波数の電源を用いることにより、効果を奏するこ
とができる。
【0063】また、上述の実施例では、両電極に印加す
る高周波電圧の位相を制御するために、フィルター11
2,227と整合器113,118との間から電圧信号
を取るようにしているが、整合器113,118内部の
出力部から電圧信号を取るようにしても良い。位相制御
用の電圧信号は電極部で検出するのが最良であるが、他
の高周波電圧ノイズを除去するために少なくともフィル
ターを介して検出するのが望ましい。また、アンテナバ
イアス電源114および基板バイアス電源119の出力部
での高周波電圧と電極103,115部での高周波電圧
の位相は一致しないので、できるだけ電極に近い側で検
出するのが望ましい。
【0064】
【発明の効果】以上、本発明によれば、基板電極と該電
極に対向する電極にそれぞれ印加する高周波バイアスの
位相を制御することにより、容器内壁との間に流れる電
流を少なくでき、プラズマ特性の面内分布に起因する被
処理材の面内の電位分布の電位差を小さくでき、チャー
ジングダメージの発生を抑制することができる。これに
より、試料の歩留を向上できるという効果がある。
【0065】また、高周波バイアスの位相を制御するこ
とにより、被処理材に入射するイオンエネルギーを自由
に制御できるので、高精度なエッチング処理が可能にな
るという効果がある。
【0066】さらに、高周波バイアスの位相を制御する
ことにより、容器内壁部のプラズマ密度および壁へのイ
オン衝撃を高周波電圧の位相により自由に制御できるの
で、装置内壁からの異物の発生を低減でき、クリーニン
グ周期を長くできるのでスループットの向上が可能とな
る。
【0067】また、高周波バイアスの位相を制御するこ
とにより、容器内の効率的なクリーニングを実施できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた第1の実施例であるエッチング
装置を示す縦断面図である。
【図2】ゲート酸化膜間電圧と高周波電圧の位相差の関
係を示す特性図である。
【図3】基板電極とアンテナ電極に同じ周波数のバイア
スを印加した場合の基板電極・アンテナ電極電圧波形図
である。
【図4】基板電極とアンテナ電極に印加する高周波電圧
と、プラズマ中のイオンおよび電子の動きとの関係を示
す図である。
【図5】同位相と逆位相のときの電極に入射するイオン
エネルギー分布を示す図である。
【図6】外周部イオン飽和電流密度と位相の関係を示す
特性図である。
【図7】磁場強度を変えたときのバイアス電圧の位相と
基板面内のセルフバイアス電圧差との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
101…真空容器、102…処理容器、103…アンテ
ナ電極、104…誘電体窓、105…磁場発生用コイ
ル、106…真空排気口、107…ガス供給装置、10
8…同軸線路、109,112,117,120…フィ
ルター、110,113,118…整合器、111…高
周波電源、114…アンテナバイアス電源、115…基
板電極、116…被処理材、119…基板バイアス電
源、121…静電チャック電源、122…位相制御器。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 成一 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸事業所内 Fターム(参考) 4G075 AA30 BC06 CA25 CA39 CA47 CA65 DA02 DA18 EB01 EB31 EB42 EC21 5F004 AA02 AA06 AA16 BA09 BA14 BB07 BB13 BB14 BB22 BC08 CA03 CA06

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を配置する基板電極に対して、対向す
    る電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の高
    周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ前
    記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低く逆位
    相となる他の高周波電力を印加することを特徴とするプ
    ラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記両電極にそれぞれ印加する逆位相となる他の高
    周波電力は、180°±45°の範囲内であるプラズマ
    処理方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記両電極にそれぞれ印加する逆位相となる他の高
    周波電力は、180°±30°の範囲内であるプラズマ
    処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記両電極にそれぞれ印加する他の高周波電力は、
    5MHz以下の同一周波数とするプラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記プラズマは高周波電力と磁場を用いて生成され
    るプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】試料を配置する基板電極に対して、対向す
    る電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の高
    周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ前
    記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低い他の
    高周波電力を印加し、両電極側でプラズマ中を流れる電
    流の方向を同じにし、同一方向の電流の向きを交互に変
    化させることを特徴とするプラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記両電極にそれぞれ印加する他の高周波電力は、
    5MHz以下の同一周波数とするプラズマ処理方法。
  8. 【請求項8】試料を配置する基板電極に対して、対向す
    る電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の高
    周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ前
    記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低い他の
    高周波電力を印加し、両電極側でプラズマからの電子と
    イオンの入射方向を互いに逆向きにし、前記両電極側で
    プラズマからの電子とイオンの入射方向を交互に変化さ
    せることを特徴とするプラズマ処理方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記両電極にそれぞれ印加する他の高周波電力は、
    5MHz以下の同一周波数とするプラズマ処理方法。
  10. 【請求項10】試料を配置する基板電極に対して、対向
    する電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の
    高周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ
    前記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低い他
    の高周波電力を印加し、一方の電極でイオン入射が行わ
    れる間、他方の電極で多くの電子を引き込み、前記イオ
    ン入射と電子の引き込みを交互に繰り返し、前記両電極
    に生じるバイアス電圧波形を負電圧側にシフトさせ、高
    エネルギーイオン量の多いイオンエネルギー分布にする
    ことを特徴とするプラズマ処理方法。
  11. 【請求項11】請求項10記載のプラズマ処理方法にお
    いて、前記両電極にそれぞれ印加する他の高周波電力
    は、5MHz以下の同一周波数とするプラズマ処理方
    法。
  12. 【請求項12】試料を配置する基板電極に対して、対向
    する電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の
    高周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ
    前記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低く逆
    位相となる他の高周波電力を印加し、両電極のいずれか
    一方の電極を常にアース電極として機能させ、プラズマ
    から見て真空容器がアースとなるのを抑制することを特
    徴とするプラズマ処理方法。
  13. 【請求項13】試料を配置する基板電極に対して、対向
    する電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の
    高周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ
    前記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低い他
    の高周波電力を印加し、前記両電極に印加されるそれぞ
    れの高周波電圧によるバイアス電圧の正電圧の値を下
    げ、プラズマポテンシャルを低くしてアースに接地され
    た真空容器内壁との電位差を小さく、プラズマ中のイオ
    ンによる前記真空容器内壁面の衝撃を抑制することを特
    徴とするプラズマ処理方法。
  14. 【請求項14】試料を配置する基板電極に対して、対向
    する電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の
    高周波電力を印加するとともに、前記試料の処理中は前
    記両電極にそれぞれ前記プラズマ生成用の高周波電力よ
    りも周波数が低く逆位相となる他の高周波電力を印加
    し、処理室内のクリーニング時には前記両電極にそれぞ
    れ同位相となる他の高周波電力を印加することを特徴と
    するプラズマ処理方法。
  15. 【請求項15】内部を所定の減圧雰囲気に制御される容
    器と、前記容器内に設けられ試料を配置可能な基板電極
    と前記基板電極に対向する対向電極と、前記対向電極に
    接続され前記容器内にプラズマを生成するための高周波
    電力を印加するプラズマ生成電源と、前記基板電極およ
    び対向電極にそれぞれ接続され前記プラズマ生成用の高
    周波電力よりも周波数の低い高周波電力を印加する複数
    のバイアス電源と、前記複数のバイアス電源の高周波電
    圧の位相を制御する位相制御器とを具備することを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  16. 【請求項16】請求項15記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記位相制御器は前記両電極にそれぞれ印加され
    る高周波電圧の位相を逆位相に制御するプラズマ処理装
    置。
  17. 【請求項17】請求項15記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記位相制御器は前記両電極にそれぞれ印加され
    る高周波電圧の位相を同位相および逆位相に制御するプ
    ラズマ処理装置。
  18. 【請求項18】請求項15記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記位相は0°±45°または180°±45°
    の範囲内で制御されるプラズマ処理装置。
  19. 【請求項19】請求項18記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記位相は0°±30°または180°±30°
    の範囲内で制御されるプラズマ処理装置。
  20. 【請求項20】請求項15記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記複数のバイアス電源は、5MHz以下の同一
    周波数の高周波電力を出力するプラズマ処理装置。
  21. 【請求項21】請求項15記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記容器内に磁場を形成する磁場発生コイルを有
    するプラズマ処理装置。
  22. 【請求項22】真空排気装置が接続され内部を減圧可能
    な処理室と、前記処理室内へガスを供給するガス供給装
    置と、前記処理室内の設けられ被処理材を載置可能な基
    板電極と、前記処理室内で前記基板電極に対向して設け
    られプラズマを発生するための電磁波を放射するアンテ
    ナ電極と、前記アンテナ電極に接続されたプラズマ生成
    用の第1の高周波電源と、前記基板電極へ接続された第
    2の高周波電源と、前記アンテナ電極へ接続された第3
    の高周波電源と、前記第2の高周波電源および前記第3
    の高周波電源によって印加する高周波電圧の位相を逆位
    相に制御する位相制御器を有することを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  23. 【請求項23】試料を配置する基板電極に対して、対向
    する電極を設け、前記対向する電極にプラズマ生成用の
    高周波電力を印加するとともに、前記両電極にそれぞれ
    前記プラズマ生成用の高周波電力よりも周波数が低く逆
    位相となる他の高周波電力を印加し、前記両電極を通過
    する磁力線を有する磁場を形成することを特徴とするプ
    ラズマ処理方法。
  24. 【請求項24】請求項23記載のプラズマ処理方法にお
    いて、前記高周波電力の逆位相の値は前記試料面内のセ
    ルフバイアス電圧差が5V以下となる位相に設定される
    プラズマ処理方法。
  25. 【請求項25】請求項23記載のプラズマ処理方法にお
    いて、前記高周波電力の逆位相の値は前記試料面内のセ
    ルフバイアス電圧差が実質的に0Vとなる位相に設定さ
    れるプラズマ処理方法。
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