JP2002181165A - 歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体 - Google Patents

歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体

Info

Publication number
JP2002181165A
JP2002181165A JP2000382867A JP2000382867A JP2002181165A JP 2002181165 A JP2002181165 A JP 2002181165A JP 2000382867 A JP2000382867 A JP 2000382867A JP 2000382867 A JP2000382867 A JP 2000382867A JP 2002181165 A JP2002181165 A JP 2002181165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
driven shaft
position error
rotational position
eccentricity tolerance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000382867A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Sonoda
徹也 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000382867A priority Critical patent/JP2002181165A/ja
Publication of JP2002181165A publication Critical patent/JP2002181165A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的容易に従動軸回転位置誤差の許容値内
に収まる歯車偏心公差を事前に精度よく決めることがで
きる歯車偏心公差算出システムを提供する。 【解決手段】 駆動歯車と従動歯車の少なくとも複数の
歯車を用いたトルク伝達機構における従動軸の回転位置
誤差許容値を満たすよう歯車の偏心公差を決定する歯車
偏心公差算出システムにおいて、駆動軸と従動軸の各軸
にマスター歯車を装着し、前記駆動軸にトルクを与えて
前記従動軸を回転させる回転機構11と、歯車噛み合い
位置を調整する軸間距離調整機構10と、前記駆動軸を
一定速度で回転させる制御部16と、前記駆動軸などの
回転位置を計測する計測部13と、前記従動軸の回転位
置から前記駆動軸の回転位置にギヤ比を掛けたものを引
き、前記従動軸の回転位置誤差を算出する演算部14
と、設定条件などを入力する入力部12と、算出した結
果などを表示する出力部15とを備え、噛み合い位置と
従動軸回転位置誤差と従動軸回転位置誤差許容値から噛
み合い位置を決定し、歯車偏心公差を求める。その他9
項ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車偏心公差算出
システム、その方法および記録媒体に関し、詳しくは、
複写機、プリンタ等で使用される歯車回転駆動におい
て、歯車半径の許容誤差を事前に求める技術に関するも
ので、特に、複写機、プリンタ等で使用される感光体ド
ラム軸に装着する歯車に応用すると好適である。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特開2000−183
70号公報「歯車駆動列における偏心公差決定方法及び
噛合位相規制方法」が知られている。この公報によれ
ば、歯車間の噛み合い位置における回転半径を余弦定理
によって近似して、歯車間の回転角度比を変数分離型の
微分方程式として解くことに基づいており、入力歯車に
対する出力歯車の最大回転誤差を求め、最大誤差が所定
値以下になるように各歯車の偏心公差を決定するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】複写機、プリンタ等で
使用されている感光体ドラムの駆動には、モータ軸であ
る駆動軸の動力を、歯車や伝動ベルトを介し減速して使
用するのが一般的である。その中でも、図1に示すよう
なコストおよび組立性が良い歯車が、伝達機構として広
く使われている。
【0004】このような歯車伝達機構にあっては、ドラ
ム軸1回転当たり1周期の周波数から、高い周波数まで
の周波数範囲で感光体ドラムの回転ムラが発生すると、
画像品質に影響を及ぼすという問題が生ずる。従ってこ
の画像を高画質に保つためには、回転ムラを低減する高
精度の歯車を用いる必要がある。特に、図2に示すよう
に、累積ピッチ誤差に代表される円周方向に対する歯面
の位置誤差などは、歯車1回転当たり比較的低い周期の
回転ムラに影響を及ぼす。プラスチック成形で加工する
歯車の場合、金型の誤差、ゲート数およびその位置の影
響による形状誤差、金型から取り出す際に歯車の負荷に
より発生する形状誤差により、歯車の半径方向の位置誤
差、すなわち歯車偏心が生じ、これが累積ピッチ誤差を
引き起こす要因の1つとなっている。
【0005】このような問題を解決するものとして、既
述の特開平2000−18370号公報の技術が知られ
ている。しかしながら、この発明では幾何学的な回転位
置誤差を求めるのみであり、実機で発生する負荷変動に
よる回転位置誤差問題等、機械力学的に発生する回転位
置誤差を考慮した歯車の偏心公差を求めることはできな
い。
【0006】本発明は、上記の問題を解決するためのも
のであり、評価対象である歯車の試作品を用いて、軸間
距離を変更することで歯車の噛み合い位置を変化させ、
各噛み合い位置での従動軸回転位置誤差を求め、従動軸
の回転位置誤差許容値以下に収められる歯車偏心公差を
決定できるので、歯車の強度など機械的挙動を考慮し、
比較的容易に従動軸回転位置誤差の許容値内に収められ
る歯車偏心公差を、事前に精度よく決めることができる
歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1の歯車偏心公差算出システムは、
駆動歯車と従動歯車の少なくとも複数の歯車を用いたト
ルク伝達機構における従動軸の回転位置誤差許容値を満
たすよう歯車の偏心公差を決定する歯車偏心公差算出シ
ステムにおいて、駆動軸と従動軸の各軸にマスター歯車
を装着し、前記駆動軸にトルクを与えて前記従動軸を回
転させる回転機構と、歯車噛み合い位置を調整する軸間
距離調整機構と、前記駆動軸を一定速度で回転させる制
御部と、前記駆動軸などの回転位置を計測する計測部
と、前記従動軸の回転位置から前記駆動軸の回転位置に
ギヤ比を掛けたものを引き、前記従動軸の回転位置誤差
を算出する演算部と、設定条件などを入力する入力部
と、算出した結果などを表示する出力部とを備え、噛み
合い位置と従動軸回転位置誤差と従動軸回転位置誤差許
容値から噛み合い位置を決定し、歯車偏心公差を求める
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2の歯車偏心公差算
出システムは、請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
テムにおいて、前記入力部は計測で振る軸間距離を入力
し、前記制御部は軸間距離を設定値に位置決めする制御
をして、軸間距離を自動的に設定することを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の請求項3の歯車偏心公差算
出システムは、請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
テムにおいて、前記演算部は、噛み合い位置と、従動軸
回転位置誤差との関係を示す離散的なデータを近似曲線
で補間することを特徴とする。
【0010】本発明の請求項4の歯車偏心公差算出シス
テムは、請求項3に記載の歯車偏心公差算出システムに
おいて、曲線近似式に2次式を用いることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の請求項5の歯車偏心公差算
出システムは、請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
テムにおいて、前記入力部はドラム表面位置誤差許容値
を設定し、前記演算部は従動軸回転位置誤差にドラム半
径を掛けてドラム表面位置誤差予測値を算出し、噛み合
い位置と、ドラム表面位置誤差との関係を求め、その結
果とドラム表面位置誤差許容値から噛み合い位置を決定
し、歯車偏心公差を求めることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項6の歯車偏心公差算
出システムは、請求項5に記載の歯車偏心公差算出シス
テムにおいて、前記入力部はドラム表面振れデータを設
定し、前記演算部は、噛み合い位置に対するドラム表面
位置誤差評価結果を算出することで、ドラム半径とドラ
ム表面振れを合計したものに対する歯車偏心公差を算出
することを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項7の歯車偏心公差算
出システムは、請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
テムにおいて、回転機構は従動軸にドラムを装着し、前
記計測部は駆動軸の回転位置およびドラムの表面位置を
計測し、前記演算部はドラム表面位置から駆動軸回転位
置にギヤ比とドラム半径を掛けたものを引き、ドラム表
面位置誤差を算出し、噛み合い位置とドラム表面位置誤
差とドラム表面位置誤差許容値から噛み合い位置を決定
し、歯車偏心公差を求めることを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項8の歯車偏心公差算
出システムは、請求項1 に記載の歯車偏心公差算出シス
テムにおいて、入力部は任意の負荷変動データを設定
し、前記制御部は回転機構部内にある従動軸に装着され
た負荷装置にこの負荷変動データ通りにトルクを与え
て、装着対象である実機で発生する回転挙動を模擬し、
前記演算部は噛み合い位置と、従動軸回転位置誤差との
関係を求め、その結果と従動軸回転位置誤差許容値から
噛み合い位置を決定し、歯車偏心公差を求めることを特
徴とする。
【0015】また、本発明の請求項9の歯車偏心公差算
出方法は、駆動軸と従動軸の各軸にマスター歯車を装着
し、前記駆動軸にトルクを与えて前記従動軸を回転させ
る回転機構と、歯車噛み合い位置を調整する軸間距離調
整機構とを有し、駆動歯車と従動歯車の少なくとも複数
の歯車を用いたトルク伝達機構における従動軸の回転位
置誤差許容値を満たすよう歯車の偏心公差を決定する歯
車偏心公差算出方法であって、前記駆動軸を一定速度で
回転させる制御工程と、前記駆動軸などの回転位置を計
測する計測工程と、前記従動軸の回転位置から前記駆動
軸の回転位置にギヤ比を掛けたものを引き、前記従動軸
の回転位置誤差を算出する演算工程と、設定条件などを
入力する入力工程とを備え、噛み合い位置と従動軸回転
位置誤差と従動軸回転位置誤差許容値から噛み合い位置
を決定し、歯車偏心公差を求めることを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項10の記録媒体は、
駆動軸と従動軸の各軸にマスター歯車を装着し、前記駆
動軸にトルクを与えて前記従動軸を回転させる回転機構
と、歯車噛み合い位置を調整する軸間距離調整機構とを
有し、駆動歯車と従動歯車の少なくとも複数の歯車を用
いたトルク伝達機構における従動軸の回転位置誤差許容
値を満たすよう歯車の偏心公差を決定する歯車偏心公差
算出システムとして機能させるためのプログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前
記駆動軸を一定速度で回転させる制御工程と、前記駆動
軸などの回転位置を計測する計測工程と、前記従動軸の
回転位置から前記駆動軸の回転位置にギヤ比を掛けたも
のを引き、前記従動軸の回転位置誤差を算出する演算工
程と、設定条件などを入力する入力工程とを備え、コン
ピュータを、噛み合い位置と従動軸回転位置誤差と従動
軸回転位置誤差許容値から噛み合い位置を決定し、歯車
偏心公差を求める歯車偏心公差算出システムとして機能
させるプログラムを記録した。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明について、図に基づいて詳
細に説明する。図3は本発明の一実施例である歯車偏心
公差算出システムの構成図であり、図4はその回転機構
部の構成図である。本歯車偏心公差算出システムは、駆
動軸22と従動軸24の各軸にマスター歯車(駆動側ギ
ヤ21と評価対象ギヤ23)を装着し、駆動軸22にト
ルクを与えて従動軸24を回転させる回転機構11と、
歯車噛み合い位置を調整できる軸間距離調整機構10
と、駆動軸22を一定速度で回転させる制御部16と、
駆動軸22などの回転位置を計測する計測部13と、従
動軸回転位置から駆動軸回転位置とギヤ比を乗算した値
を減算し、従動軸回転位置誤差を算出する演算部14
と、設定条件などを入力する入力部12と、算出した結
果などを表示する出力部15とを備え、駆動歯車と従動
歯車の少なくとも複数の歯車を用いたトルク伝達機構に
おける従動軸24の回転位置誤差許容値を満たすように
歯車の偏心公差を決定する。本システムは、噛み合い位
置と従動軸回転位置誤差と従動軸回転位置誤差許容値か
ら噛み合い位置を決定し、歯車偏心公差を求める工程を
持つことが特徴であって、例えば、駆動軸22と従動軸
24の2軸構成の場合、歯車の試作品を回転機構の駆動
軸22と従動軸24に装着し、駆動軸22を一定速度で
回転させ、従動軸24と駆動軸22の回転位置を計測部
13で計測することができる。また、軸間距離調整機構
10により軸間距離を調整できるので歯車の噛み合い位
置を変化させたときの従動軸24と駆動軸22の回転位
置を計測部13で計測することができる。
【0018】演算部14では下記の式より、駆動軸回転
位置に対する従動軸回転位置を求める。 ω=ω2−ω1×d ・・・(1)
【0019】ここで、ωは駆動軸回転速度変動の影響を
排除した従動軸回転位置誤差、ω1は駆動軸回転位置、
ω2は従動軸回転位置、dはギヤ比である。
【0020】この演算部14の演算結果により、従動軸
回転位置誤差を評価する際に、駆動軸22の回転速度変
動による影響を抑えることができる。また、軸間距離調
整機構10を用いて計測した噛み合い位置を変化させ、
その各々の計測値を基に、噛み合い位置と、従動軸回転
位置誤差との関係を求めることができる。
【0021】以上のことから、従動軸の回転位置誤差許
容値を設定することで、噛み合い位置の許容範囲を求め
ることができる。噛み合い位置誤差は、軸間距離の誤差
と歯車偏心誤差の合計で決まるので、軸間距離を理想的
な位置にある場合、この噛み合い位置誤差の許容範囲は
歯車偏心公差と考えられるので、歯車偏心公差を噛み合
い位置誤差から決定することができる。
【0022】図5は、本システムの歯車偏心公差を算出
するための処理手順を説明するためのフローチャートで
ある。評価対象である歯車の試作品、例えば、プラスチ
ック樹脂を切削加工した歯車を駆動軸22と従動軸24
に装着する。そして入力部12より、回転させる回転速
度および従動軸回転位置誤差許容値等を計測し算出する
のに必要な初期設定値を入力する(ステップS1)。次
に、駆動軸22に装着されたモータ20により駆動軸2
2にトルクを発生させ、歯車を介して従動軸24を回転
させる。また、負荷装置26により従動軸24に一定ト
ルクを発生させ歯車に負荷をかける(ステップS2)。
そのときに制御部16により駆動軸22の回転速度を一
定に保つようにする。回転速度が安定した状態で、従動
軸24および駆動軸22の回転位置を各軸に装着された
エンコーダ27により検出し、計測部においてその値を
記録する(ステップS3)。
【0023】次に、演算部14で駆動軸回転速度変動の
影響を除いた従動軸回転位置誤差を、式(1)を用いて
算出する(ステップS4)。その算出結果の一例を図6
に示す。実際には装着した歯車に形状誤差などを含んで
おり、従動軸回転位置誤差に変動成分が残るので、それ
を図6に示すように平均値を求め、これを従動軸回転位
置誤差値として採用する。同様に軸間距離を変更し、そ
のときの従動軸回転位置誤差を同様に求める(ステップ
S5およびステップS7)。任意の範囲で軸間距離を変
化させ、噛み合い位置と、従動軸回転位置誤差の絶対値
との関係を示す図7のようなグラフを作成し、従動軸回
転位置誤差許容値に収まる噛み合い位置範囲を求める
(ステップS6)。この噛み合い位置の許容値を歯車偏
心公差として出力部15より出力する。
【0024】このような構成では、入力部12から軸間
距離を変化させる範囲を入力できる。また、制御部16
より軸間距離調整機構10を制御し、任意の軸間距離を
設定できる。以上により、制御部16で入力部12より
入力した軸間距離を変化させることにより、従動軸回転
位置誤差を自動的に求めることができる。
【0025】図8は、本発明の噛み合い位置と従動軸回
転位置誤差との関係を示す離散的なデータを近似曲線で
補間する構成としたブロック図である。入力部12より
軸間距離の範囲、および分解能を指定する。次に制御部
16において初期位置に軸間距離調整機構を制御し、軸
間距離をその初期位置に移動させ、計測を開始する。続
いて、軸間距離構成機構を制御し分解能分だけ軸を移動
させ、計測を開始する。以上を繰り返すことで、自動的
に噛み合い位置と、従動軸回転位置誤差の絶対量を求め
ることができる。
【0026】このような構成および動作においては、噛
み合い位置と、従動軸回転位置誤差の絶対値との関係を
求めた場合、実際には例えば図9のように、離散的なグ
ラフになる。演算部14でこのデータに適合するような
近似曲線を図9のように求める。従動軸回転位置誤差許
容値がこの離散的なデータと一致しない場合は、この近
似曲線と交差する点を求め、その点から噛み合い位置の
許容範囲を求めることができる。
【0027】上記の近似曲線に2次式を用いることがで
きる。従動軸回転位置誤差許容値がこの離散的なデータ
と一致しない場合は、この近似曲線と交差する点を求
め、その点から噛み合い位置の許容範囲を求めることが
できる。
【0028】また、入力部12より従動軸24に装着を
想定しているドラムの半径およびドラム表面位置誤差許
容値を入力し、演算部14で従動軸回転位置誤差の絶対
値にドラム半径を乗算し、幾何学的なドラム表面位置誤
差の絶対値を算出し、次に、ドラム表面位置誤差許容値
を設定することで、噛み合い位置の許容範囲を求めるこ
とができ、これから歯車偏心公差を求めることができ
る。
【0029】また、入力部12よりさらにドラム表面の
振れ幅を入力し、演算部14で従動軸回転位置誤差の絶
対量に、ドラム半径にドラム表面の振れ幅を加算した値
を乗算し、幾何学的なドラム表面位置誤差の絶対値を算
出し、次に、ドラム表面位置誤差許容値を設定すること
で、噛み合い位置の許容範囲が求まり、これから歯車偏
心公差を求めることができる。また、入力部12でドラ
ム表面振れ幅を変更することで、演算部14で歯車偏心
公差を再計算することができる。
【0030】また、他の構成として、回転機構に評価対
象のドラムを装着できる機能を付加した回転機構部11
と、従動軸回転位置の代わりにドラム表面位置を計測す
る計測部13と、ドラム表面位置から、駆動軸回転位置
にギヤ比およびドラム半径を乗算した値を減算し、ドラ
ム表面位置誤差を算出する演算部14とを備えて、噛み
合い位置と、ドラム表面位置誤差との関係を求め、その
結果からドラム表面位置誤差以下に抑えられる歯車偏心
公差の許容値を算出する。
【0031】この構成では、従動軸24に装着を想定し
ているドラムを実際に装着し、駆動軸22を一定速度で
回転させ、駆動軸22とドラム表面位置を計測部13で
計測することができる。演算部14では、下記の式よ
り、駆動軸回転位置に対するドラム表面位置を求めるこ
とができる。 h=h2−ω1×d×r ・・・(2)
【0032】ここで、hは駆動軸回転速度変動の影響を
除いたドラム表面位置誤差、h2はドラム表面位置、ω
1は駆動軸回転位置、dはギヤ比、rはドラム半径とす
る。
【0033】以上により、ドラム表面位置誤差を設定す
ることで、噛み合い位置の許容範囲が求まり、歯車偏心
公差を求めることができる。
【0034】図10は、本システムの一実施例を示す図
である。評価対象である歯車の試作品、例えば、プラス
チック樹脂を切削加工した歯車を駆動軸22と従動軸2
4に装着する。また、従動軸24には評価対象歯車を用
いた実機のドラム28を装着する。また、入力部12よ
り、回転させる回転速度およびドラム表面位置誤差許容
値等の初期設定値を入力する。
【0035】次に、駆動軸22に装着されたモータ20
で駆動軸22にトルクを発生させ、歯車を介してドラム
28を回転させる。また、負荷装置26により従動軸2
4に一定トルクを発生させ歯車に負荷をかける。そのと
きに制御部16により駆動軸22の回転速度を一定に保
つようにする。回転速度が安定した状態で駆動軸22の
回転位置をエンコーダ27により検出し、ドラム表面を
レーザードップラ表面位置速度計で計測したデータを積
分することで表面位置に換算し、計測部13でその値を
記録する。
【0036】次に、演算部14でドラム表面位置誤差
を、式(2)を用いて算出する。同様に軸間距離を変更
し、そのときドラム表面位置誤差を求める。任意の範囲
で軸間距離を変化させ、理想的な噛み合い位置と、ドラ
ム表面位置誤差の絶対値との関係を示すグラフを作成
し、ドラム表面位置誤差許容値以下になる噛み合い位置
範囲を求める。この噛み合い位置の許容値を歯車偏心公
差として出力部15より出力する。
【0037】このように構成および動作によれば、実機
等で計測した負荷変動を入力部12より入力し、制御部
16から負荷装置26を制御して、模擬的に従動軸に負
荷変動を発生させることができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
次のような効果がある。 (1)噛み合い位置と駆動軸に対する従動軸回転位置の
絶対値との関係を求めること、歯車の強度など機械的挙
動を考慮することによって、比較的容易に従動軸回転位
置誤差許容値に収まる歯車偏心公差を事前に精度よく決
めることができる。 (2)軸間距離を変化させて計測を自動的に行えるの
で、比較的効率よく従動軸回転位置誤差許容値に収まる
歯車偏心公差を決めることができる。 (3)噛み合い位置と、駆動軸回転位置に対する従動軸
回転位置の絶対値との関係を示すグラフが離散的であっ
ても、その間を所定の曲線で補完することで、従動軸回
転位置誤差許容値に対する噛み合い位置許容範囲を精度
良く求めることができる。 (4)近似式に2次式を用いることで、比較的高速で演
算し、従動軸回転位置誤差許容値に対する噛み合い位置
許容範囲を求めることができる。 (5)複写機、プリンタ等で使用されている感光体ドラ
ムにおいて、画像を高画質に保つためには感光体ドラム
表面の線速を一定に保つことが重要である。そこで、ド
ラム表面位置の情報を基に軸間を調整することで、高画
質化を実現するための歯車偏心公差を決めることができ
る。 (6)複写機、プリンタ等で使用されている感光体ドラ
ムにおいて、画像を高画質に保つためには感光体ドラム
表面の線速を一定に保つことが重要である。ドラム表面
位置誤差を抑えるためには、ドラム軸の回転位置誤差と
ドラム表面の振れを抑えることが必要である。ドラム表
面振れ公差と歯車偏心公差を同時に評価できるので、高
画質化を実現するためのドラム表面振れ公差と歯車偏心
公差を決めることができる。 (7)複写機、プリンタ等で使用されている感光体ドラ
ムそのもののドラム表面位置を計測できるので、ドラム
表面の振れおよびドラム上の任意の位置での振れを事前
に計測する必要がなく、比較的効率よく、短時間に、且
つ簡易的に画像の高画質化を実現するための歯車偏心公
差を決めることができる。 (8)複写機、プリンタ等の実機で発生する負荷変動を
考慮できるので、噛み合い位置と、駆動軸回転位置に対
する従動軸回転位置の絶対値との関係を、より現実に近
い機械的挙動で求めることができるので、精度良く歯車
偏心公差を決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写機、プリンタ等における動力伝達機構概略
図である。
【図2】歯車伝達機構における累積ピッチ誤差を示す図
である。
【図3】本発明の歯車偏心公差算出システムの構成例を
示す図である。
【図4】本発明の回転機構部の構成図である。
【図5】本発明の歯車偏心公差を算出する処理のフロー
チャートである。
【図6】本発明の従動軸回転位置誤差算出結果の一例を
示す図である。
【図7】本発明の噛み合い位置と従動軸回転位置誤差の
絶対値との関係を示す図である。
【図8】本発明の噛み合い位置と従動軸回転位置誤差と
の関係を示す離散的なデータを近似曲線で補間する構成
のブロック図である。
【図9】本発明の噛み合い位置と従動軸回転位置誤差の
絶対値との関係を示す離散的なデータを補間するための
近似曲線を示す図である。
【図10】本発明の歯車偏心公差算出システムの一実施
例を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ 2 モータ側歯車 3 感光体ドラム 4 感光体ドラム側歯車 10 軸間距離調整機構 11 回転機構 12 入力部 13 計測部 14 演算部 15 出力部 16 制御部 20 モータ 21 駆動側ギヤ 22 駆動軸 23 評価対象ギヤ 24 従動軸 25 トルク計 26 負荷装置 27 エンコーダ 28 ドラム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動歯車と従動歯車の少なくとも複数の
    歯車を用いたトルク伝達機構における従動軸の回転位置
    誤差許容値を満たすよう歯車の偏心公差を決定する歯車
    偏心公差算出システムにおいて、駆動軸と従動軸の各軸
    にマスター歯車を装着し、前記駆動軸にトルクを与えて
    前記従動軸を回転させる回転機構と、歯車噛み合い位置
    を調整する軸間距離調整機構と、前記駆動軸を一定速度
    で回転させる制御部と、前記駆動軸などの回転位置を計
    測する計測部と、前記従動軸の回転位置から前記駆動軸
    の回転位置にギヤ比を掛けたものを引き、前記従動軸の
    回転位置誤差を算出する演算部と、設定条件などを入力
    する入力部と、算出した結果などを表示する出力部とを
    備え、噛み合い位置と従動軸回転位置誤差と従動軸回転
    位置誤差許容値から噛み合い位置を決定し、歯車偏心公
    差を求めることを特徴とする歯車偏心公差算出システ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、前記入力部は計測で振る軸間距離を入力
    し、前記制御部は軸間距離を設定値に位置決めする制御
    をして、軸間距離を自動的に設定することを特徴とする
    歯車偏心公差算出システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、前記演算部は、噛み合い位置と、従動軸
    回転位置誤差との関係を示す離散的なデータを近似曲線
    で補間することを特徴とする歯車偏心公差算出システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、曲線近似式に2次式を用いることを特徴
    とする歯車偏心公差算出システム。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、前記入力部はドラム表面位置誤差許容値
    を設定し、前記演算部は従動軸回転位置誤差にドラム半
    径を掛けてドラム表面位置誤差予測値を算出し、噛み合
    い位置と、ドラム表面位置誤差との関係を求め、その結
    果とドラム表面位置誤差許容値から噛み合い位置を決定
    し、歯車偏心公差を求めることを特徴とする歯車偏心公
    差算出システム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、前記入力部はドラム表面振れデータを設
    定し、前記演算部は、噛み合い位置に対するドラム表面
    位置誤差評価結果を算出することで、ドラム半径とドラ
    ム表面振れを合計したものに対する歯車偏心公差を算出
    することを特徴とする歯車偏心公差算出システム。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、回転機構は従動軸にドラムを装着し、前
    記計測部は駆動軸の回転位置およびドラムの表面位置を
    計測し、前記演算部はドラム表面位置から駆動軸回転位
    置にギヤ比とドラム半径を掛けたものを引き、ドラム表
    面位置誤差を算出し、噛み合い位置とドラム表面位置誤
    差とドラム表面位置誤差許容値から噛み合い位置を決定
    し、歯車偏心公差を求めることを特徴とする歯車偏心公
    差算出システム。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の歯車偏心公差算出シス
    テムにおいて、入力部は任意の負荷変動データを設定
    し、前記制御部は回転機構部内にある従動軸に装着され
    た負荷装置にこの負荷変動データ通りにトルクを与え
    て、装着対象である実機で発生する回転挙動を模擬し、
    前記演算部は噛み合い位置と、従動軸回転位置誤差との
    関係を求め、その結果と従動軸回転位置誤差許容値から
    噛み合い位置を決定し、歯車偏心公差を求めることを特
    徴とする歯車偏心公差算出システム。
  9. 【請求項9】 駆動軸と従動軸の各軸にマスター歯車を
    装着し、前記駆動軸にトルクを与えて前記従動軸を回転
    させる回転機構と、歯車噛み合い位置を調整する軸間距
    離調整機構とを有し、駆動歯車と従動歯車の少なくとも
    複数の歯車を用いたトルク伝達機構における従動軸の回
    転位置誤差許容値を満たすよう歯車の偏心公差を決定す
    る歯車偏心公差算出方法であって、前記駆動軸を一定速
    度で回転させる制御工程と、前記駆動軸などの回転位置
    を計測する計測工程と、前記従動軸の回転位置から前記
    駆動軸の回転位置にギヤ比を掛けたものを引き、前記従
    動軸の回転位置誤差を算出する演算工程と、設定条件な
    どを入力する入力工程とを備え、噛み合い位置と従動軸
    回転位置誤差と従動軸回転位置誤差許容値から噛み合い
    位置を決定し、歯車偏心公差を求めることを特徴とする
    歯車偏心公差算出方法。
  10. 【請求項10】 駆動軸と従動軸の各軸にマスター歯車
    を装着し、前記駆動軸にトルクを与えて前記従動軸を回
    転させる回転機構と、歯車噛み合い位置を調整する軸間
    距離調整機構とを有し、駆動歯車と従動歯車の少なくと
    も複数の歯車を用いたトルク伝達機構における従動軸の
    回転位置誤差許容値を満たすよう歯車の偏心公差を決定
    する歯車偏心公差算出システムとして機能させるための
    プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
    媒体であって、 前記駆動軸を一定速度で回転させる制御工程と、前記駆
    動軸などの回転位置を計測する計測工程と、前記従動軸
    の回転位置から前記駆動軸の回転位置にギヤ比を掛けた
    ものを引き、前記従動軸の回転位置誤差を算出する演算
    工程と、設定条件などを入力する入力工程とを備え、コ
    ンピュータを、噛み合い位置と従動軸回転位置誤差と従
    動軸回転位置誤差許容値から噛み合い位置を決定し、歯
    車偏心公差を求める歯車偏心公差算出システムとして機
    能させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
JP2000382867A 2000-12-15 2000-12-15 歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体 Pending JP2002181165A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000382867A JP2002181165A (ja) 2000-12-15 2000-12-15 歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000382867A JP2002181165A (ja) 2000-12-15 2000-12-15 歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002181165A true JP2002181165A (ja) 2002-06-26

Family

ID=18850614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000382867A Pending JP2002181165A (ja) 2000-12-15 2000-12-15 歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002181165A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100409108C (zh) * 2002-10-11 2008-08-06 夏普株式会社 齿轮驱动系统的设计系统
CN100432866C (zh) * 2004-09-07 2008-11-12 株式会社理光 处理卡盒以及设有该处理卡盒的图像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100409108C (zh) * 2002-10-11 2008-08-06 夏普株式会社 齿轮驱动系统的设计系统
CN100432866C (zh) * 2004-09-07 2008-11-12 株式会社理光 处理卡盒以及设有该处理卡盒的图像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10274399B2 (en) Gear dynamic transmission error determination
US20090200979A1 (en) Method for compensating for angular transmission error of an actuator
JP6091523B2 (ja) サーボ制御装置
JP2009069031A (ja) 変位検出方法及びモータ制御装置
WO2013031465A1 (ja) 制御方法及び制御装置
US6664752B2 (en) Method and apparatus for correcting actuator positioning error
JPH07303385A (ja) 回転体駆動制御装置
JP2754582B2 (ja) カラー画像形成装置の転写方法及び装置
JP2002181165A (ja) 歯車偏心公差算出システム、その方法および記録媒体
JP6244622B2 (ja) 制御装置、制御プログラムおよび制御方法
JP2002258922A (ja) 数値制御システム
JP2002243590A (ja) 歯車評価方法、歯車評価装置及び記憶媒体
JP2577713B2 (ja) ロボツト用制御装置
CN113328662A (zh) 由一个计量标准装置复现多种动态速度量值的方法
JPH06225565A (ja) 電動機駆動系の慣性負荷測定方式
JP2006189660A (ja) 回転体駆動制御装置並びに画像形成装置
JPH04232395A (ja) ロータクリアランスの調整方法及び装置
JP2002372903A (ja) 画像形成装置
JP5381817B2 (ja) 歯車設計支援方法、歯車設計支援プログラムを記録した記録媒体及び歯車設計支援装置
JP5300831B2 (ja) 機械角度測定装置
JP2003337083A (ja) 回転駆動機構の解析方法、記憶媒体及び回転駆動機構の解析システム
JP2000356936A (ja) 画像形成装置
JP2002310266A (ja) 歯車の噛合い調整方法
JP4839242B2 (ja) 転写ベルト駆動機構のモデル化方法及びそのモデル化方法を用いた制御系の設計支援方法
JPH0625705B2 (ja) 歯車の打痕値測定装置