JP2002179857A - 難燃性樹脂組成物及び被覆電線 - Google Patents

難燃性樹脂組成物及び被覆電線

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JP2002179857A JP2000377498A JP2000377498A JP2002179857A JP 2002179857 A JP2002179857 A JP 2002179857A JP 2000377498 A JP2000377498 A JP 2000377498A JP 2000377498 A JP2000377498 A JP 2000377498A JP 2002179857 A JP2002179857 A JP 2002179857A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時にハロゲン系ガスを発生することな
く、十分な難燃性を有すると共に、耐摩耗性、引張強
さ、引張伸び等の機械的特性、柔軟性及び加工性を兼ね
備えた難燃性樹脂組成物を提供し、また、この難燃性樹
脂組成物を被覆材として用いた被覆電線を提供するこ
と。 【解決手段】 プロピレン系樹脂60〜97重量部及び
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性スチ
レン系熱可塑性エラストマー3〜40重量部の合計10
0重量部に対して、金属水和物を30〜200重量部配
合した組成物とし、該組成物を導体外周に被覆した被覆
電線とする。該組成物及び被覆電線は、ハロゲン元素を
含有していないので、燃焼時にハロゲン系ガスを発生す
ることがなく、金属水和物と変性部分との間に強固な結
合界面が形成されて、難燃性、柔軟性を損なうことなく
機械的特性が向上する。また、加工性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性樹脂組成物
及び被覆電線に関し、更に詳しくは、自動車部品、電気
・電子機器部品などに用いられる被覆電線の被覆材とし
て好適な難燃性樹脂組成物及びこれを導体に被覆した被
覆電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品、電気・電子機器部品
などの配線に用いられる被覆電線の被覆材としては、一
般に、難燃性に優れたポリ塩化ビニル樹脂が用いられて
おり、これに耐摩耗性や引張強さ等の機械的特性、柔軟
性及び加工性等の各種必要特性に応じて、可塑剤や安定
剤等の配合剤が適宜配合され、また、これら配合剤の種
類や配合量が調整されてきた。
【0003】しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は、そ
れ自身難燃性を備える反面、分子鎖中にハロゲン元素を
有しているため、自動車の火災時や電気・電子機器の焼
却廃棄時等の燃焼時に有害なハロゲン系ガスを大気中に
放出し、環境汚染の原因になるという問題を有してい
る。
【0004】このような背景から、近年、ハロゲン成分
を含まない難燃性樹脂組成物が種々研究されており、例
えば、特開平5−301996号公報には、ポリオレフ
ィンに高密度ポリエチレンを混合した混合物に難燃剤と
して金属水和物を配合したノンハロゲン系難燃性樹脂組
成物が開示されている。
【0005】また例えば、特公平7−110912号公
報には、熱可塑性エラストマーと低結晶性ポリオレフィ
ンを混合した混合物に無機難燃剤を配合したノンハロゲ
ン系難燃性樹脂組成物が開示されている。
【0006】更に例えば、特開平7−78518号公報
には、融点120℃以上のポリオレフィンとカルボン酸
変性ポリマを混合した混合物に表面処理された水酸化マ
グネシウムを配合してなる樹脂組成物を導体上に被覆
し、架橋させた被覆電線が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−301996号公報に示されるノンハロゲン系難燃
性樹脂組成物の場合、自己消火性を有するほど難燃化す
るためには、難燃剤である金属水和物を多量に配合する
必要があり、このような組成物は、耐摩耗性や引張強さ
等の機械的特性が著しく低下するといった問題がある。
【0008】一方、機械的特性を向上させるため、結晶
性を有し、比較的硬度の高い高密度ポリエチレンの混合
量を増加させることもできるが、非晶質部分が少なくな
って難燃剤を少量しか配合できなくなり、難燃性が低下
するとともに柔軟性が損なわれ、また、被覆電線の被覆
材として用いた場合の加工性や押出成形性も極めて悪く
なるなど、各特性に優れた樹脂組成物を得ることができ
ないといった問題がある。
【0009】また、特公平7−110912号公報に示
されるノンハロゲン系難燃性樹脂組成物の場合も、自己
消火性を有するほど難燃化するためには、無機難燃剤を
多量に配合する必要があり、前者と同様に、耐摩耗性や
引張強さ等の機械的特性が著しく低下し、更には熱可塑
性エラストマーの有する柔軟性が損なわれるといった問
題が生じる。一方、機械的特性を向上させるため、低結
晶性ポリオレフィンの混合量を減少させると、非晶質部
分が少なくなって無機難燃剤を少量しか配合できなくな
り、難燃性が低下するといった問題が生じ、各特性に優
れた樹脂組成物を得ることができないといった問題があ
る。
【0010】また、特開平7−78518号公報に示さ
れる被覆電線の場合、架橋を施さなければならないこと
から、被覆電線の生産における架橋設備の導入、製造工
程の増加、コストアップ等の問題が生じる。
【0011】このように上記のような難燃性樹脂組成物
及び被覆電線では、優れた電線特性を得ることができな
いといった問題があった。
【0012】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、燃焼時にハロゲン系ガスを発生することなく、十分
な難燃性を有すると共に、耐摩耗性、引張強さ、引張伸
び等の機械的特性、柔軟性及び加工性を兼ね備えた難燃
性樹脂組成物を提供し、また、この難燃性樹脂組成物を
被覆材として用いた被覆電線を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明に係る難燃性樹脂組成物は、請求項1に記載
のように、プロピレン系樹脂60〜97重量部及び不飽
和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性スチレン
系熱可塑性エラストマー3〜40重量部の混合割合で混
合されてなる混合物合計100重量部に対して、金属水
和物を30〜200重量部配合したことを要旨とするも
のである。
【0014】本発明に係る難燃性樹脂組成物は、ハロゲ
ン元素を含有していないので、燃焼時に有害なハロゲン
系ガスを発生することがない。また、オレフィン系樹脂
の中でも比較的融点の高いプロピレン系樹脂を60〜9
7重量部混合してあるので、架橋することなく耐熱性を
向上させることができる。
【0015】また、不飽和カルボン酸又はその誘導体で
変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマーを3〜
40重量部混合してあるので、柔軟性に優れると共に、
極性の高い難燃剤である金属水和物と変性スチレン系熱
可塑性エラストマーの変性部分との間に強固な結合界面
が形成され、柔軟性を損なうことなく耐摩耗性、引張強
さ、引張伸び等の機械的特性を向上させることが可能と
なる。
【0016】更に、機械的特性、柔軟性のバランスに優
れるので、加工性や成形性に優れる。また、金属水和物
を30〜200重量部配合してあるので、十分な難燃性
を有する。
【0017】ここで、前記難燃性樹脂組成物は、請求項
2に記載のように、前記不飽和カルボン酸又はその誘導
体で変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマー
が、無水マレイン酸変性スチレン系熱可塑性エラストマ
ーであり、前記金属水和物が、水酸化マグネシウムであ
ることが好ましい。このようにした場合には、耐摩耗性
等の機械的特性を一層向上させることが可能となる。
【0018】また、本発明に係る被覆電線は、導体の外
周に、前記難燃性樹脂組成物を被覆したことを要旨とす
るものである。
【0019】この場合、請求項4に記載のように、前記
被覆電線の被覆厚さは、0.2〜0.3mmの範囲にあ
ることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
詳細に説明する。本発明に係る難燃性樹脂組成物は、プ
ロピレン系樹脂60〜97重量部及び不飽和カルボン酸
又はその誘導体で変性された変性スチレン系熱可塑性エ
ラストマー3〜40重量部の混合割合で混合されてなる
混合物合計100重量部に対して、金属水和物を30〜
200重量部配合したものからなっている。
【0021】ここでプロピレン系樹脂とは、プロピレン
の重合体、プロピレンを主体とする重合体であって、分
子構造中にハロゲン元素を含まないものを言う。これら
重合体の構造としては、単独重合体、ランダム重合体、
交互重合体、ブロック重合体であっても良く、特に限定
されるものではない。
【0022】具体的には、ポリプロピレン、プロピレン
を主成分(50wt%以上)とするプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共
重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピ
レン/エチレン−プロピレンブロック共重合体等が挙げ
られる。尚、これらは1種又は2種以上混合して用いて
も良く、特に限定されるものではない。
【0023】また、上記プロピレン系樹脂としては、加
工性、押出成形性等を向上させる観点から、JIS K
6758に準拠して測定(温度230℃、加重2.1
6kg下で測定)したメルトフローレイト(以下「MF
R」と言う)が0.1g〜5g/10分の範囲にあるも
のが好ましい。
【0024】またここで、不飽和カルボン酸又はその誘
導体により変性された変性スチレン系熱可塑性エラスト
マーにおけるスチレン系熱可塑性エラストマーとは、ハ
ードセグメントとしてのスチレン系樹脂と、ソフトセグ
メントとしてのゴム系樹脂との共重合体であって、分子
構造中にハロゲン元素を含まないものを言う。
【0025】尚、熱可塑性エラストマーは、架橋点に相
当するハードセグメントと、常温付近でゴム状弾性を示
すソフトセグメントとをその分子構造中に備えているこ
とから、加熱により軟化し、外力によって塑性変形する
が、常温付近でゴム状弾性を示すという性質を有してい
るものである。
【0026】具体的には、ハードセグメントとして、ポ
リスチレン、ポリo−メチルスチレン、ポリm−メチル
スチレン、ポリp−メチルスチレン、ポリα−メチルス
チレン、ポリβ−メチルスチレン、ポリジメチルスチレ
ン、ポリトリメチルスチレン等が挙げられ、ソフトセグ
メントとして、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体
等が挙げられる。尚、これらからなるスチレン系熱可塑
性エラストマーは、1種又は2種以上混合して用いても
良く、特に限定されるものではない。
【0027】このようなスチレン系熱可塑性エラストマ
ーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
/エチレン−プロピレン共重合体が好適である。また、
スチレン系熱可塑性エラストマーの構造としては、ラン
ダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体など特
に限定されるものではないが、好ましくは、ブロック共
重合体であることが好ましい。より具体的には、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン/エチレン
−プロピレンブロック共重合体が特に好適である。
【0028】また、上記スチレン系熱可塑性エラストマ
ーは、耐熱性を向上させる観点から、分子鎖中の二重結
合を水素添加により飽和させた水素添加スチレン系熱可
塑性エラストマーであることが好ましい。より具体的に
は、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
水素添加スチレン/エチレン−プロピレンブロック共重
合体が最も好適である。
【0029】そして不飽和カルボン酸又はその誘導体で
変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマーとは、
上記にて説明したスチレン系熱可塑性エラストマーに不
飽和カルボン酸又はその誘導体を反応させ、共重合ある
いはグラフト変性させたものを言う。
【0030】変性に用いられる不飽和カルボン酸として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸等
が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、無水
マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエ
ステル、無水フマル酸、フマル酸モノエステル、フマル
酸ジエステル、無水イタコン酸、イタコン酸モノエステ
ル、イタコン酸ジエステル等が挙げられる。中でも、耐
摩耗性等の機械的特性を一層向上させる観点から、無水
マレイン酸が最も好適である。
【0031】この際、変性スチレン系熱可塑性エラスト
マーの変性割合としては、0.1〜10重量%の範囲に
あることが好ましい。0.1重量%より小さいと、金属
水和物表面における化学結合力が低下し、強固な結合界
面が得られなくなって、変性による効果が小さくなる傾
向があるので好ましくなく、10重量%より大きいと、
各種特性のバランスが悪くなる傾向があるので好ましく
ない。
【0032】また、難燃剤として配合される金属水和物
は、ハロゲン元素を含まないものであり、具体的には、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カル
シウム等が挙げられる。中でも、分解温度が360℃近
辺と高いことから、水酸化マグネシウムが好適である。
これら金属水和物の平均粒径としては、耐摩耗性等の機
械的特性をより向上させる観点から、0.1〜20μm
のものを用いることが好ましい。
【0033】この際、ポリマー中への分散性やポリマー
との反応性を高める観点から、金属水和物の粒子表面
は、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メ
タクリロキシシラン等のシランカップリング剤又はステ
アリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸等で表面処理され
ていても良い。
【0034】本発明に係る難燃樹脂組成物は、上記にお
いて説明したプロピレン系樹脂が60〜97重量部、不
飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性スチレ
ン系熱可塑性エラストマーが3〜40重量部の範囲で混
合されており、これらの混合物合計100重量部に対し
て、金属水和物が30〜200重量部配合されているこ
とが好ましい。尚、これら各成分は、通常の方法により
混合、混練することにより調整することができるもので
あり、その調整方法は特に限定されるものではない。
【0035】プロピレン系樹脂が60重量部より少ない
と、耐摩耗性が低下する傾向があり、97重量部より多
いと、柔軟性、加工性が損なわれる傾向があるので好ま
しくない。また、変性スチレン系熱可塑性エラストマー
が3重量部より少ないと、柔軟性、加工性が損なわれる
傾向があるので好ましくなく、40重量部より多いと、
耐摩耗性が損なわれる傾向があるので好ましくない。
【0036】また、金属水和物が30重量部より少ない
と、十分な難燃性が得られず、200重量部より多い
と、引張伸びが劣化し、耐摩耗性、柔軟性、及び加工性
が損なわれる傾向があるので好ましくない。
【0037】特に好ましくは、プロピレン系樹脂が70
〜90重量部、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性
された変性スチレン系熱可塑性エラストマーが10〜3
0重量部の範囲で混合されており、これらの混合物合計
100重量部に対して、金属水和物が50〜150重量
部配合されていることが好ましい。
【0038】尚、ハロゲン元素を含有しない酸化防止
剤、金属不活性剤(銅外防止剤等)、加工助剤(滑剤、
ワックス等)、着色剤、難燃助剤(ホウ酸亜鉛、シリコ
ン系難燃剤等)等の配合剤を各特性を低下させない範囲
で適宜配合しても良く、特に限定されるものではない。
【0039】次に、本発明に係る難燃性樹脂組成物の作
用について説明する。
【0040】上記説明した難燃性樹脂組成物は、ハロゲ
ン元素を含有していないので、燃焼時に有害なハロゲン
系ガスを発生することがない。そのため、自動車部品、
電気・電子機器部品などに用いられる被覆電線の被覆材
として用いた場合、自動車火災時や電気・電子機器の焼
却廃棄時等にハロゲン系ガスを大気中に放出することが
なく、環境汚染の原因になることがない。また、オレフ
ィン系樹脂の中でも比較的融点の高いプロピレン系樹脂
を60〜97重量部混合してあるので、架橋することな
く、非架橋の状態で耐熱性を向上させることができる。
【0041】また、不飽和カルボン酸又はその誘導体で
変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマーを3〜
40重量部混合してあるので、柔軟性に優れると共に、
極性の高い無機難燃剤である金属水和物と変性スチレン
系熱可塑性エラストマーの変性部分との間に強固な結合
界面が形成されることにより、柔軟性を損なうことなく
耐摩耗性、引張強さ、引張伸び等の機械的特性を向上さ
せることが可能となる。また、プロピレン系樹脂と変性
スチレン系熱可塑性エラストマーは、相溶性に優れるの
で、樹脂同士が良く馴染み、各種特性を損なうことな
く、均一な組成とすることができる。
【0042】また、本発明に係る難燃性樹脂組成物は、
機械的特性、柔軟性のバランスに優れ、適度な硬さ、し
なやかさを有しているので、加工性や成形性に優れる。
【0043】特に、難燃性樹脂組成物の組成範囲を、プ
ロピレン系樹脂が70〜90重量部、不飽和カルボン酸
又はその誘導体で変性された変性スチレン系熱可塑性エ
ラストマーが10〜30重量部の範囲で混合し、これら
の混合物合計100重量部に対して、金属水和物を50
〜150重量部配合するようにした場合には、耐摩耗
性、引張強さ、引張伸び等の機械的特性が一層向上する
と共に、特性バランスに優れた樹脂組成物とすることが
できる。
【0044】次に、上記説明した難燃性樹脂組成物を、
導体の外周に被覆材として被覆して得られる被覆電線に
ついて説明する。本発明に係る被覆電線は、自動車部
品、電気・電子機器部品などに用いられる被覆電線とし
て好適に用いられるものである。
【0045】被覆電線は、導体の外周に、導体を中心と
して同心円上に難燃性樹脂組成物が被覆された構成とさ
れており、用いられる導体としては、JIS C 31
02に準拠して、軟銅線を複数本撚り合わせたもの、又
は軟銅線を複数本寄り合わせて円形圧縮したものが好適
である。
【0046】また、被覆電線の被覆厚さとしては、0.
2mm〜0.3mmの範囲にあることが好ましい。被覆
厚さが0.2mmより薄い場合には、被覆電線の耐摩耗
性が損なわれる傾向があり、0.3mmより厚い場合に
は、被覆電線の可撓性が低下する傾向が見られるためで
ある。
【0047】尚、被覆材として被覆される難燃性樹脂組
成物と導体との間には、必要に応じて耐水性等の他の性
質を備えたハロゲン元素を含有しない樹脂組成物等が複
数層被覆されていても良く、特に限定されるものではな
い。
【0048】ところで、より優れた電線特性を備えた被
覆電線を得るためには、被覆材として被覆される上記難
燃性樹脂組成物の組成範囲は、導体断面積と被覆厚さと
の組み合わせに合わせて最適な組成範囲を選択する必要
がある。
【0049】具体的には、導体断面積0.35mm
1.5mm、被覆厚さ0.2mmの場合、被覆材とし
て導体外周に被覆される難燃性樹脂組成物の組成は、プ
ロピレン系樹脂90重量部、変性スチレン系熱可塑性エ
ラストマー10重量部の合計100重量部に対して、金
属水和物70重量部の組成とすることが好ましい。
【0050】また、導体断面積0.22mm〜1.5
mm、被覆厚さ0.2mm〜0.3mmの場合には、
プロピレン系樹脂80重量部、変性スチレン系熱可塑性
エラストマー20重量部の合計100重量部に対して、
金属水和物90重量部の組成とすることが好ましい。
【0051】また、導体断面積1.5mm以上、被覆
厚さ0.2mm以上の場合は、プロピレン系樹脂60〜
70重量部、変性スチレン系熱可塑性エラストマー30
〜40重量部の合計100重量部に対して、金属水和物
70〜90重量部の組成範囲とすることが好ましい。
【0052】この際、特に、被覆電線の線種(線サイ
ズ)が細いものである場合には、十分な難燃性を得るた
めに、被覆材として導体外周に被覆される難燃性樹脂組
成物の組成範囲は、プロピレン系樹脂65〜97重量
部、変性スチレン系熱可塑性エラストマー3〜35重量
部の合計100重量部に対して、金属水和物100〜2
00重量部の組成範囲とすることが好ましい。
【0053】より好ましくは、プロピレン系樹脂70〜
95重量部、変性スチレン系熱可塑性エラストマー5〜
30重量部の合計100重量部に対して、金属水和物1
20〜180重量部の組成範囲とすることが好ましい。
【0054】具体的には、導体断面積0.13mm
被覆厚さ0.2mmの場合、プロピレン系樹脂90重量
部、変性スチレン系熱可塑性エラストマー10重量部の
合計100重量部に対して、金属水和物160重量部の
組成とすることが好ましい。
【0055】次に、本発明に係る被覆電線の作用につい
て説明する。
【0056】本発明に係る被覆電線は、上述した難燃性
樹脂組成物を被覆材として用いたので、燃焼時にハロゲ
ン系ガスを発生することなく、十分な難燃性を有すると
共に、優れた機械的特性、柔軟性及び加工性を兼ね備え
ている。また、架橋を施す必要がないことから、被覆電
線の生産時における架橋設備の導入、製造工程の増加、
コストアップ等の問題が生じることがない。
【0057】尚、本発明に係る被覆電線は、加工性に優
れるため、被覆電線端末皮剥時に被覆材の切断端末にヒ
ゲ状の被覆材が残ることがない。そのため、ヒゲ状の被
覆材が残った状態で被覆電線の導体と圧着端子とが圧着
されることにより、導体と圧着端子との間にヒゲ状の被
覆材が挟まれて被覆電線の抵抗が高くなってしまうとい
う不都合を回避することができ、被覆電線端末皮剥時の
作業性にも優れるという効果がある。
【0058】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0059】本発明に係る実施例1〜5として、プロピ
レン−エチレンブロック共重合体(密度0.90、温度
230℃、荷重2.16kg下におけるMFR=0.5
g/10分、以下省略する)、無水マレイン酸変性水素
添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(密度
0.92、温度230℃、荷重2.16kg下における
MFR=5.0g/10分、以下省略する)、水酸化マ
グネシウムA(平均粒子径1.0μm、シランカップリ
ング剤表面処理を施したもの、以下省略する)、水酸化
マグネシウムB(平均粒子径1.0μm、表面処理を施
してないもの、以下省略する)、老化防止剤を表1に示
す割合で混練して各樹脂組成物を作製した。
【0060】一方、比較例1〜5として、プロピレン−
エチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性水素添
加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、水素添加
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(密度0.9
1、温度230℃、荷重2.16kg下におけるMFR
=5.0g/10分、以下省略する)、水酸化マグネシ
ウムA、水酸化マグネシウムB、老化防止剤を表2に示
す割合で混練して各樹脂組成物を作製した。尚、これら
は主に実施例1〜5との関係において対比されるもので
ある。
【0061】そして、これら各樹脂組成物の特性につい
て、電線状態で確認するため、押出成形機を用いて、断
面積0.5mmの導体(軟銅線を7本撚り合わせ、こ
の導体外面を平滑にするため、円形に圧縮したもの)上
に0.28mm厚に押出被覆し、各被覆電線を作製し
た。押出成形時に用いたダイス・ニップルは、それぞれ
1.40mmφ、0.88mmφのものを使用した。ま
た、押出温度は、ダイス210〜230℃、シリンダ2
00〜240℃の温度範囲とし、線速は、50m/分と
した。
【0062】また、本発明に係る実施例6〜10とし
て、プロピレン−エチレンブロック共重合体、無水マレ
イン酸変性水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共
重合体、水酸化マグネシウムB、老化防止剤を表3に示
す割合で混練して各樹脂組成物を作製した。尚、これら
の樹脂組成物は、線種(線サイズ)の細い被覆電線とし
て好適に用いられる組成範囲としたものである。
【0063】一方、比較例6〜10として、プロピレン
−エチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性水素
添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、水素添
加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、水酸化マ
グネシウムB、老化防止剤を表4に示す割合で混練して
各樹脂組成物を作製した。尚、これらは主に実施例6〜
10との関係において対比されるものである。
【0064】そして、これら各樹脂組成物の特性につい
て、電線状態で確認するため、押出成形機を用いて、断
面積0.13mmの導体(軟銅線を7本撚り合わせ、
この導体外面を平滑にするため、円形に圧縮したもの)
上に0.20mm厚に押出被覆し、各被覆電線を作製し
た。押出成形時に用いたダイス・ニップルは、それぞれ
0.50mmφ、0.90mmφのものを使用した。ま
た、押出温度は、ダイス210〜230℃、シリンダ2
00〜240℃の温度範囲とし、線速は、50m/分と
した。
【0065】尚、上記実施例及び比較例において用いた
各樹脂及び配合剤の製造会社及び商品名は次の通りであ
る。すなわち、プロピレン−エチレンブロック共重合体
がトクヤマ社製「徳山ポリプロ RB610A」(商品
名)、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−ブタジエ
ン−スチレン共重合体が旭化成工業社製「タフテックM
1913」(商品名)、水素添加スチレン−ブタジエン
−スチレン共重合体が旭化成工業社製「タフテック H
1041」(商品名)、水酸化マグネシウムA及びBが
協和化学工業社製、老化防止剤が吉富製薬社製「トミノ
ックス TT」(商品名)である。
【0066】以上のように作製した各被覆電線につい
て、難燃性試験、耐摩耗性試験、引張強さ試験、引張伸
び試験、柔軟性試験及び加工性試験を行い、本発明品及
び比較品の特性評価を行った。以下に各試験及び評価方
法について説明する。
【0067】(難燃性)難燃性については、社団法人自
動車技術会規格「JASO D611−94」に準拠し
て試験を行った。すなわち、本発明品及び比較品の各被
覆電線を300mmの長さに切り出して試験片とした。
次に各試験片を鉄製の試験箱に入れて水平に支持し、口
径10mmのブンゼンバーナーを用いて、還元炎の先端
を試験片中央部の下側から30秒以内で燃焼するまで当
て、炎を静かに取り去った後の残炎時間を測定した。こ
の際、残炎時間が15秒以内を合格とし、15秒を越え
るものを不合格とした。
【0068】(耐摩耗性)耐摩耗性試験については、社
団法人自動車技術会規格「JASO D611−94」
に準拠し、ブレード往復法により試験を行った。すなわ
ち、本発明品及び比較品の各被覆電線を750mmの長
さに切り出して試験片とした。そして、23±5℃の室
温下で、台上に固定した各試験片の被覆材表面を軸方向
に10mm以上の長さに渡って、ブレードを往復して摩
耗させ、ブレードを毎分50回の速さで往復させたとき
の被覆材の摩耗により、ブレードが導体に接触するまで
の往復回数を測定した。この際、ブレードにかける荷重
は7Nとした。
【0069】次いで各試験片を100mm移動させて、
時計方向に90度回転し、上記の測定を繰り返した。こ
の測定を同一試験片で計3回行い、実施例1〜5及び比
較例1〜5については、最小値が150回以上のものを
合格とし、実施例6〜10及び比較例6〜10について
は、最小値が100回以上のものを合格とした。
【0070】(引張強さ及び引張伸び)引張強さ及び引
張伸びについては、社団法人自動車技術会規格「JAS
O D611−94」に準拠して試験を行った。すなわ
ち、本発明品及び比較品の各被覆電線を150mmの長
さに切り出し、導体を除いて管状試験片とし、その中央
部に50mmの間隔で標線を印した。そして、23±5
℃の室温下で各試験片の両端を試験機のチャックに取り
付けた後、引張速さ200mm/分にて引張り、各試験
片切断時の荷重及び標線間の長さを測定した。この際、
引張強さについては、15.7MPa以上、引張伸びに
ついては、125%以上のものを合格とした。
【0071】(柔軟性)柔軟性については、各被覆電線
を手で折り曲げた際の手感触により良好のものを合格と
した。
【0072】(加工性)加工性については、次のように
試験を行った。すなわち、各被覆電線の端末部の樹脂被
覆部を皮剥した際に、ヒゲが形成されるか否かを確認
し、ヒゲが形成されないものを合格とした。
【0073】以上による本発明品及び比較品の各被覆電
線についての作製条件と評価結果をまとめたものを表1
〜4に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】表1及び表2における本発明品及び比較品
の評価結果から以下のことが分かる。本発明の一実施例
に係る実施例1〜5の各被覆電線は、難燃性、耐摩耗
性、引張強さ、引張伸び、柔軟性及び加工性を全て満足
しているのに対し、比較例1〜5の各被覆電線は全ての
特性を満足するものがないことが分かる。
【0079】特に、表1に示される実施例3及び5のよ
うに、難燃性樹脂組成物の組成範囲が、プロピレン系樹
脂70〜90重量部、不飽和カルボン酸又はその誘導体
で変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマー10
〜30重量部の混合割合で混合された混合物合計100
重量部に対して、金属水和物を50〜150重量部配合
された組成範囲である場合には、耐摩耗性、引張強さ、
引張伸び等の機械的特性が一層向上すると共に、特性バ
ランスに優れた樹脂組成物を得ることができることが分
かる。
【0080】しかしながら、表2示されるように、比較
例1は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の混合
割合が多く、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−ブ
タジエン−スチレン共重合体の混合割合が少ないので、
柔軟性及び加工性が損なわれたことが分かる。また、比
較例2は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の混
合割合が少なく、無水マレイン酸変性水素添加スチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体の混合割合が多いの
で、引張伸びが悪く、耐摩耗性が損なわれたことが分か
る。
【0081】また、比較例3は、難燃剤である水酸化マ
グネシウムの配合割合が少ないため、十分な難燃性を発
現することができず、比較例4は、水酸化マグネシウム
の配合割合が多いため、引張伸びが不十分となり、耐摩
耗性、柔軟性及び加工性が損なわれたことが分かる。
【0082】また、比較例5は、無水マレイン酸変性水
素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の代わ
りに、未変性の水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体を混合したため、金属水和物と水素添加スチ
レン−ブタジエン−スチレン共重合体との間に強固な結
合界面が形成されず、耐摩耗性が損なわれたことが分か
る。
【0083】次に、表3及び表4における本発明品及び
比較品の評価結果から以下のことが分かる。本発明の一
実施例に係る実施例6〜10の各被覆電線は、難燃性、
耐摩耗性、引張強さ、引張伸び、柔軟性及び加工性を全
て満足しているのに対し、比較例6〜10の各被覆電線
は全ての特性を満足するものがないことが分かる。
【0084】すなわち、表4に示されるように、比較例
6は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の混合割
合が多く、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−ブタ
ジエン−スチレン共重合体の混合割合が少ないので、柔
軟性及び加工性が損なわれたことが分かる。また、比較
例7は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の混合
割合が少なく、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体の混合割合が多いので、
耐摩耗性が損なわれたことが分かる。
【0085】また、比較例8は、無水マレイン酸変性水
素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の代わ
りに、未変性の水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体混合したため、金属水和物と水素添加スチレ
ン−ブタジエン−スチレン共重合体との間に強固な結合
界面が形成されず、耐摩耗性が損なわれたことが分か
る。
【0086】また、比較例9は、難燃剤である水酸化マ
グネシウムの配合割合が、線種(線サイズ)の細い被覆
電線として好適に用いられる組成範囲外であるため、十
分な難燃性を発現することができず、比較例10は、水
酸化マグネシウムの配合割合が多いため、柔軟性及び加
工性が損なわれたことが分かる。
【0087】以上実施例について説明したが、本発明は
上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例え
ば、本実施例では配合剤として老化防止剤を配合した
が、それ以外にも、ハロゲン元素を含有しない酸化防止
剤、金属不活性剤(銅外防止剤等)、加工助剤(滑剤、
ワックス等)、着色剤、難燃助剤(ホウ酸亜鉛、シリコ
ン系難燃剤等)等の配合剤を特性を低下させない範囲で
適宜配合しても良く、特に限定されるものではない。
【0088】
【発明の効果】本発明に係る難燃性樹脂組成物は、ハロ
ゲン元素を含有していないので、燃焼時に有害なハロゲ
ン系ガスを発生することがない。また、オレフィン系樹
脂の中でも比較的融点の高いプロピレン系樹脂を60〜
97重量部混合してあるので、架橋することなく耐熱性
を向上させることができる。
【0089】また、不飽和カルボン酸又はその誘導体で
変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマーを3〜
40重量部混合してあるので、柔軟性に優れると共に、
極性の高い難燃剤である金属水和物と変性スチレン系熱
可塑性エラストマーの変性部分との間に強固な結合界面
が形成され、柔軟性を損なうことなく耐摩耗性、引張強
さ、引張伸び等の機械的特性を向上させることが可能と
なる。
【0090】更に、機械的特性、柔軟性のバランスに優
れるので、加工性や成形性に優れる。また、金属水和物
を30〜200重量部配合してあるので、十分な難燃性
を有する。
【0091】本発明に係る難燃性樹脂組成物において、
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性スチ
レン系熱可塑性エラストマーを無水マレイン酸変性スチ
レン系熱可塑性エラストマーとし、金属水和物を水酸化
マグネシウムとした場合には、耐摩耗性等の機械的特性
を一層向上させることが可能となる。
【0092】また、本発明に係る被覆電線は、上記難燃
性樹脂組成物を被覆材として用いているので、燃焼時に
ハロゲン系ガスを発生することなく、十分な難燃性を有
すると共に、優れた機械的特性、柔軟性及び加工性を兼
ね備えた被覆電線とすることができる。また、架橋を施
す必要がないことから、被覆電線の生産時における架橋
設備の導入、製造工程の増加、コストアップ等の問題が
生じることがない。
【0093】以上のように、燃焼時にハロゲン系ガスを
発生することなく、十分な難燃性を有すると共に、耐摩
耗性、引張強さ、引張伸び等の機械的特性、柔軟性及び
加工性を兼ね備えた難燃性樹脂組成物を得ることがで
き、この難燃性樹脂組成物を導体に被覆することで、優
れた電線特性を備えた被覆電線を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 23/10 C08L 25:08) 25:08) H01B 7/34 B (72)発明者 杉田 陽彦 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 藤本 浩司 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 佐藤 正史 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 松本 慎一 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB121 BB141 BC052 BP012 BP021 DE076 DE086 DE146 FD136 GQ01 5G303 AA06 AB12 AB20 BA11 BA12 CA01 CA09 CB17 5G305 AA02 AA14 AB15 AB17 AB25 AB35 AB36 BA15 BA22 CA01 CA02 CA47 CA55 CC03 CD13 5G315 CA03 CB02 CC08 CD01 CD02 CD14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系樹脂60〜97重量部及び
    不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性スチ
    レン系熱可塑性エラストマー3〜40重量部の混合割合
    で混合されてなる混合物合計100重量部に対して、金
    属水和物を30〜200重量部配合したことを特徴とす
    る難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記不飽和カルボン酸又はその誘導体で
    変性された変性スチレン系熱可塑性エラストマーは、無
    水マレイン酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーであ
    り、前記金属水和物は、水酸化マグネシウムであること
    を特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 導体の外周に、前記難燃性樹脂組成物を
    被覆したことを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆
    電線。
  4. 【請求項4】 前記被覆電線の被覆厚さが、0.2〜
    0.3mmの範囲にあることを特徴とする請求項3に記
    載の被覆電線。
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