JP3911390B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物に関し、より詳しくは、フィラーおよび少なくとも2種のポリマー成分を含んでなる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用電線の被覆材料として、これまで主としてポリ塩化ビニルが使用されてきた。それは、ポリ塩化ビニルが機械的強度、電線押出加工性、柔軟性、着色性、経済性の点で優れていたからである。
しかし、最近の地球環境対策を考慮して、自動車用電線の被覆を含め、自動車用部品の製造に、ポリ塩化ビニルに代えてハロゲンフリーの樹脂材料が使用されるようになっている。
【0003】
燃焼時にハロゲンガスのような有毒ガスを発生しないという利点を有する耐磨耗性樹脂組成物として、ポリオレフィンベースポリマーに、難燃剤として金属水酸化物を配合したハロゲンフリー樹脂組成物が知られている(特開平7−176219号公報、特開平7‐78518号公報など)。
しかし、開示されている樹脂組成物が自己消火性を有する程度に難燃化するには、多量の金属水酸化物を添加する必要があるが、多量の金属水酸化物を添加すると、組成物の耐磨耗性や引張強度などの機械的強度が極端に低下するという問題が生じる。さらに、金属酸化物の添加量を増すと、耐水性が悪くなり、特に水に浸漬中の電気特性の低下をいう問題も生じる。
また、フィラーの量を増すと、樹脂組成物は白化しやすい。
【0004】
機械的強度の低下を避けるために、比較的硬度の高いポリプロピレンや高密度ポリエチレンの量を増すことが考えられるが、そうすると被覆電線の柔軟性が損なわれ、加工性も悪くなってしまう。
柔軟性を高めるために、結晶成分の割合が少ない、すなわち結晶化度が小さい樹脂やゴム成分などを使用することがあるが、そうすると樹脂組成物の耐油性が低下する。また、柔軟性を高めるためには、融点や軟化点の低いエラストマーなどを用いることも考えられるが、高温でのの変形や樹脂組成物が溶融着するという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐水性、耐油性、高温柔軟性、耐摩耗性、難白化性の少なくとも1つの特性が優れた、ハロゲンフリーオレフィン系樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、フィラーとの親和性を有する第一ポリマーにより粒子表面が被覆されたフィラーと第二ポリマーとを含んでなる樹脂組成物であって、以下の性質(1)〜(5)の少なくとも1つを満足するように、第一ポリマーはエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性水素添加ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー、エチレン−メタクリル酸共重合体及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる群から選択され、第二ポリマーはポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される(ただし、第一ポリマーと第二ポリマーは同一ではない。)ことを特徴とする樹脂組成物を提供する:
(1)第一ポリマーおよび第二ポリマーは、3%以下の浸漬飽和吸水率を有するポリマーである、
(2)第一ポリマーは50%未満の結晶化度を有するポリマーであり、第二ポリマーは50%以上の結晶化度を有するポリマーである、
(3)第一ポリマーは100℃未満の融点または軟化温度を有するポリマーであり、第二ポリマーは100℃以上の融点または軟化温度を有するポリマーである、
(4)第二ポリマーの硬度が第一ポリマーの硬度より大きい、
および
(5)第二ポリマーの曲げ弾性率が第一ポリマーの曲げ弾性率より大きい。
【0007】
【発明の実施の態様】
本発明で用いるフィラーは、無機フィラーまたは有機フィラーのいずれであってもよいが、無機フィラーが好ましい。
【0008】
無機フィラーの例としては、炭素材料、および金属(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、窒化物などが挙げられる。これらは、単独で、または2種またはそれ以上の混合物として使用することができる。
中でも、金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどは、樹脂に難燃性を付与できるので、特に電線被覆用樹脂のフィラーとして好ましい。
【0009】
本発明において用いるフィラーの粒子は、そのままで用いてもよいし、また、ポリマーによる被覆に先立ち、カップリング剤または脂肪酸若しくは脂肪酸塩により表面処理されていてもよい。
カップリング剤としては、アミノシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、メタクリロキシシランカップリング剤などが例示できる。
脂肪酸またはその塩としては、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸またはそれらの塩が例示できる。
【0010】
本発明の第1の態様において、第一ポリマーおよび第二ポリマーは、3%以下の浸漬飽和吸水率を有するポリマーである。ここで、浸漬飽和吸水率は、JISK 7209:2000(ISO 62:1999)に準拠して測定した吸水率である。
【0011】
浸漬飽和吸水率が3%以下である第二ポリマーとして使用できるポリマーの種類は、吸水率さえ満足すれば特に制限されないが、好ましい例は以下の通りである:
プロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体。
これらは、単独で、または2種以上のブレンドとして用いてよい。
【0012】
浸漬飽和吸水率が3%以下であり、フィラーとの親和性が良い第一ポリマーの種類は特に限定されないが、好ましくは官能基を有するポリマーである。官能基としては、カルボン酸基またはカルボン酸無水物基である。このような官能基は、官能基を有するモノマーを共重合させることにより、または骨格ポリマーに官能基を有するモノマーをグラフト重合することにより、導入することができる。中でも、酸無水物基を有するポリマーは、無機フィラー、特に金属水酸化物に対して高い親和性を有している。
【0013】
カルボン酸基またはカルボン酸無水物基を導入するためのモノマーとしては、不飽和カルボン酸またはその無水物若しくはエステルが使用でき、具体的には、マレイン酸、フマル酸、これらの無水物、モノエステルまたはジエステル等が挙げられる。
ポリマー全体に対する官能基を有するモノマーの比率は、通常、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。
【0014】
官能基を導入するポリマーとしては、種々のポリマーを用いることができる。
また、分子中に金属イオンを導入したアイオノマー樹脂も使用することができる。
中でも、酸無水物基を有するポリマーは、無機フィラー、特に金属水酸化物に対して高い親和性を有している。
【0015】
本発明の第2の態様において、第一ポリマーは50%未満の結晶化度を有するポリマーであり、第二ポリマーは50%以上の結晶化度を有するポリマーである。
第二ポリマーの種類は、結晶化度が50%以上であれば、特に限定されず、先に浸漬飽和吸水率が3%以下である第二ポリマーの例として記載したポリマーが好ましく使用できる。
【0016】
50%未満の結晶化度を有する第一ポリマーとしては、結晶化度が50%未満である限り、あらゆるポリマーを使用することができるが、好ましくは官能基を有するポリマーである。官能基は、上記の浸漬飽和吸水率が3%以下であり、フィラーとの親和性が良い第一ポリマーのところで説明した通りである。
【0017】
50%未満の結晶化度を有する第一ポリマーとして使用できる好ましいポリマーの例は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、分子中に金属イオンを導入したアイオノマー樹脂などである。
【0018】
本発明の第3の態様において、第一ポリマーは100℃未満の融点または軟化温度を有するポリマーであり、第二ポリマーは100℃以上の融点または軟化温度を有するポリマーである。ここで、「軟化温度」は、JIS K 7206:1999に準拠して測定したビカット軟化温度である。
第二ポリマーの種類は、100℃以上の融点または軟化温度を有する限り、特に限定されず、先に浸漬飽和吸水率が3%以下である第二ポリマーの例として記載したポリマーが好ましく使用できる。
【0019】
50%未満の結晶化度を有する第一ポリマーとしては、結晶化度が50%未満である限り、あらゆるポリマーを使用することができるが、好ましくは官能基を有するポリマーである。官能基は、上記の浸漬飽和吸水率が3%以下であり、フィラーとの親和性が良い第一ポリマーのところで説明した通りである。
【0020】
100℃未満の融点または軟化温度を有する第一ポリマーとして使用できる好ましいポリマーの例は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、分子中に金属イオンを導入したアイオノマー樹脂などである。
【0021】
本発明の第4の態様においては、第二ポリマーの硬度が第一ポリマーの硬度より大きい。ここで、「硬度」は、JIS K 7215−1986に準拠して測定したデュロメータ硬さである。
第一ポリマーおよび第二ポリマーの種類は、両者の硬度が上記の関係を満たしている限り、特に制限されない。
例えば、第二ポリマーは、すでに浸漬飽和吸水率が3%以下である第二ポリマーの例として記載したポリマーとして示したものの中から選択することができる。
一方、第一ポリマーとしては、硬度が第二ポリマーより小さい限り、あらゆるポリマーを使用することができるが、好ましくは官能基を有するポリマーである。官能基は、上記の浸漬飽和吸水率が3%以下であり、フィラーとの親和性が良い第一ポリマーのところで説明した通りである。
このような官能基を導入する好ましいポリマーとしては、上記の第二ポリマーのところで例示したものが挙げられる。
【0022】
本発明の第5の態様においては、第二ポリマーの曲げ弾性率が第一ポリマーの曲げ弾性率より大きい。ここで、「曲げ弾性率」は、JIS K 7203、JIS K 7171、JIS K 7106に準拠して測定した
第一ポリマーおよび第二ポリマーの種類は、両者の曲げ弾性率が上記の関係を満たしている限り、特に制限されない。
例えば、第二ポリマーは、すでに浸漬飽和吸水率が3%以下である第二ポリマーの例として記載したポリマーとして示したものの中から選択することができる。
一方、第一ポリマーとしては、曲げ弾性率が第二ポリマーより小さい限り、あらゆる熱可塑性樹脂を使用することができるが、好ましくは官能基を有するポリマーである。官能基は、上記の浸漬飽和吸水率が3%以下であり、フィラーとの親和性が良い第一ポリマーのところで説明した通りである。
このような官能基を導入する好ましいポリマーとしては、上記の第二ポリマーのところで例示したものが挙げられる。
【0023】
本発明の上記第1〜5においてのフィラーとの親和性を有する第一ポリマーとしてとりわけ好ましいポリマーは、酸無水物基含有ポリマー、例えば酸無水物変性エチレン−酢酸ビニル共重合体である。
【0024】
フィラー、第一ポリマーおよび第二ポリマーの配合割合は、これら成分の種類や、樹脂組成物の用途によって、適宜選べばよい。
【0025】
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、通常、本発明の樹脂組成物は、未被覆フィラーと第一ポリマーとを混練し、次いで、得られた混合物と第二ポリマーとを混練することにより、製造されるが、好ましい製造方法は、未被覆フィラーと、フィラーとの親和性を有する第一ポリマーと、第二ポリマーとを同時に混練する方法である。後者の場合、第一ポリマーは、フィラーに対して高い親和性を有しているので、第二ポリマーよりもフィラーに付着しやすい。そのため、組成物中では、第一ポリマーがフィラー粒子を取り囲み、被覆フィラー間の空間を第二ポリマーが充填しているモルホロジー、即ち第二ポリマーが「連続相」であり、被覆フィラーが「不連続相」である、いわゆる「海−島構造」が形成される。このようなモルホロジーは、後記実施例において製造された樹脂組成物の電子顕微鏡写真により明らかにすることができる。
【0026】
本発明の樹脂組成物には、上記フィラーに加えて、組成物の用途に応じて種々の配合剤を添加することができる。例えば樹脂組成物を電線被覆材料として使用する場合の配合剤の例としては、熱安定剤(酸化防止剤など)、金属不活性剤(銅害防止剤など)、滑剤(脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、金属石鹸、炭化水素系滑剤(ワックス)、エステル系滑剤、シリコーン系滑剤など)、カップリング剤、柔軟剤(プロセスオイルなど)、架橋助剤がある。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、用途により、例えば高耐熱用途に用いる場合、架橋することができる。架橋は、化学架橋剤を配合して行なうことができるが、放射線(例えば、紫外線、電子線等)照射により行なってもよい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜4
表1および表2に示す成分を、記載の量(質量部)で混合し、2軸押出機(スクリュー直径:32mm)により、スクリュー回転速度200rpmで混練し、押出して、ペレットを得た。なお、混練温度は、実施例1,4,5および6並びに比較例1〜3では250〜260℃、その他では180〜230℃であった。
【0029】
得られたペレットを乾燥した後、押出成型機を用いて、撚線導体0.5sq(7/0.30軟銅線:直径0.30mmの軟銅線7本からなる断面積0.5mmの撚線)の周囲に、被覆厚0.28mmで押出成形した。押出成形には、直径がそれぞれ0.93mmおよび1.45mmのダイスおよびニップルを使用し、押出温度は、重合体の種類に応じてダイス180〜250℃、シリンダ160〜240℃とし、線速100m/分で押出成形した。
実施例2〜3および比較例3〜4では、被覆した樹脂組成物を電子線照射した。
電子線照射の条件:
装置:EPS−750KV
照射量:120KGy
【0030】
得られた被覆電線の耐熱水性を、ISO 6722に準拠して試験した。
35日後(1W×5)絶縁抵抗値が1×10Ω・mm以上である場合、「合格」とした。
結果を表1および表2に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003911390
注:1)EVA: 三井デュポン製EV360(飽和吸水率1%以下)。
2)MAH-EVA: 三井デュポン製HPR VR103(飽和吸水率1%以下)。
3)MAH-SEBS: 旭化成製タフテック M1913(飽和吸水率1%以下)。
4)アイオノマー: 三井デュポン製ハイミラン 1706(飽和吸水率1%以下)。
5)PP: トクヤマ製RB610A(飽和吸水率1%以下)。
6)HDPE: 三井化学製ハイゼックス5305E(飽和吸水率1%以下)。
7)LLDPE: 日本ユニカー製DFDJ 7540(飽和吸水率1%以下)。
8)協和化学株式会社製。
9)吉富製薬株式会社製トミノックスTT。
10)新中村化学工業株式会社製NKエステル TMPT。
【0032】
【表2】
Figure 0003911390
注:1)〜10)表1の注参照。
11)ナイロン6 宇部興産 1013B 10%以上
【0033】
実施例10〜14および比較例5〜9
表3および表4に示す成分を用いる以外は実施例1〜9と同様の手順で被覆電線を製造した。なお、実施例11〜12および比較例6では、実施例2〜3と同じ条件で電子線照射した。
【0034】
得られた被覆電線について、耐油性、白化性および柔軟性を以下の方法で測定した:
耐油性
100℃のエンジンオイル IRM 902(ISO 1817指定オイル)に被覆電線を48時間浸漬した後、引張強さおよび破断伸びを、標線間隔20mm、引張線速200mm/分の条件で測定した。引張強さ10MPaおよび破断伸び125%以上を合格とする。
白化性
自己径に巻きつけたときの白化の有無を調べた。白化無しが合格である。
柔軟性
被覆電線のとりまわし性(電線の結束や配線などの作業一般)を作業者の手感触により判断した。
結果を表3および表4に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003911390
EVA:結晶化度30%以下。
MAH-EVA:結晶化度30%以下。
MAH-SEBS:結晶化度30%以下。
PP:結晶化度60%。
HDPE:結晶化度85%。
LLDPE:結晶化度70%。
【0036】
【表4】
Figure 0003911390
【0037】
実施例15〜19および比較例10〜13
表5および表6に示す成分を用いる以外は実施例1〜9と同様の手順で被覆電線を製造した。なお、実施例16〜17および比較例11では、実施例2〜3と同じ条件で電子線照射した。
【0038】
得られた被覆電線について、柔軟性、白化性、溶融着および加熱変形性を以下の方法で測定した。
柔軟性および白化性
実施例10〜14と同じ。
溶融着
被覆電線を複数本束ね、100℃で30分間加熱し、溶融着の有無を調べた。溶融着無しが合格である。
加熱変形性
被覆電線に500gfの荷重をかけ、100℃で30分間保持した。変形率30%以下が合格である。なお、「変形率」とは、初期(荷重をかける前)の厚さに対する、試験後の厚さの変化の割合である。
結果を表5および表6に示す。
【0039】
【表5】
Figure 0003911390
EVA:融点77℃。
MAH-EVA:融点60℃。
MAH-SEBS:軟化温度90℃。
PP:融点168℃
HDPE:融点132℃
LLDPE:融点124℃
【0040】
【表6】
Figure 0003911390
【0041】
実施例20〜23および比較例14〜17
表7および表8に示す成分を用いる以外は実施例1〜9と同様の手順で被覆電線を製造した。なお、実施例21および比較例16では、実施例2〜3と同じ条件で電子線照射した。
【0042】
得られた被覆電線について、耐摩耗性および柔軟性を以下の方法で測定した。
耐摩耗性
JASO(日本自動車技術会)D 611−94に準拠して、以下の手順で測定した。
耐摩耗性は、ブレード往復法により測定した。
被覆電線を750mmの長さに切り出して試験片とした。25℃の室温下で、台上に固定した試験片の被覆材表面を軸方向に10mmの長さに渡って、ブレードを往復して、被覆材を摩耗させ、ブレードを荷重7Nで、毎分50回の速度で往復させたときの被覆材の摩耗により、フレードが導体に接触するまでの往復回数を測定した。
次いで、試験片を100mm移動させて、時計方向に90度回転し、上記の測定を繰り返した。この測定を同一試験片について計3回行ない、最低値が150回以上を合格とした。
柔軟性
実施例10〜14と同じ。
結果を表7および表8に示す。
【0043】
【表7】
Figure 0003911390
MAH-EVA:ショアA硬度60(ショアD硬度20以下)。
MAH-SEBS:ショアA硬度84(ショアD硬度29)
MAH-PP:ショアD硬度76。
PP:ショアD硬度68。
HDPE:ショアD硬度64。
LLDPE:ショアD硬度52。
EVA:ショアA硬度85(ショアD硬度30)。
【0044】
【表8】
Figure 0003911390
【0045】
実施例24〜27および比較例18〜21
表9および表10に示す成分を用いる以外は実施例1〜9と同様の手順で被覆電線を製造した。なお、実施例25および比較例20では、実施例2〜3と同じ条件で電子線照射した。
【0046】
得られた被覆電線について、耐摩耗性および柔軟性を上記の方法で測定した。
結果を表9および表10に示す。
【0047】
【表9】
Figure 0003911390
<参考データ>
MAH-EVA 25MPa(JIS K 7106)
mah-sebs 24MPa(JIS K 7106)
mah-pp 1500MPa(JIS K 7203)
pp 1160MPa(JIS K 7203)
hdpe 1000MPa(JIS K 7203)
lldpe 280MPa(JIS K 7203)
eva 26MPa(JIS K 7106)
【0048】
【表10】
Figure 0003911390
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、フィラーおよび第一ポリマーが、特殊な構造形態(モルホロジー)で第二ポリマー中に分散されているので、フィラー/ポリマー界面でのボイド形成が防止でき、樹脂組成物の耐水性、耐油性を向上することができる。また、第一ポリマーと第二ポリマーとの物性を適切に選択することにより、樹脂組成物の柔軟性、高温変形性、耐摩耗性、耐白化性などを著しく向上することができる。

Claims (3)

  1. フィラーとの親和性を有する第一ポリマーにより粒子表面が被覆されたフィラーと第二ポリマーとを含んでなる樹脂組成物であって、以下の性質(1)〜(5)の少なくとも1つを満足するように、第一ポリマーはエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性水素添加ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー、エチレン−メタクリル酸共重合体及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる群から選択され、第二ポリマーはポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される(ただし、第一ポリマーと第二ポリマーは同一ではない。)ことを特徴とする樹脂組成物:
    (1)第一ポリマーおよび第二ポリマーは、3%以下の浸漬飽和吸水率を有するポリマーである、
    (2)第一ポリマーは50%未満の結晶化度を有するポリマーであり、第二ポリマーは50%以上の結晶化度を有するポリマーである、
    (3)第一ポリマーは100℃未満の融点または軟化温度を有するポリマーであり、第二ポリマーは100℃以上の融点または軟化温度を有するポリマーである、
    (4)第二ポリマーの硬度が第一ポリマーの硬度より大きい、
    および
    (5)第二ポリマーの曲げ弾性率が第一ポリマーの曲げ弾性率より大きい。
  2. フィラーは、無機フィラーである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 無機フィラーは、炭素材料および金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩並びに窒化物からなる群から選択される少なくとも1種のフィラーである請求項2に記載の樹脂組成物。
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