JP2002179823A - 熱可塑性エラストマー成形品 - Google Patents

熱可塑性エラストマー成形品

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JP2002179823A
JP2002179823A JP2000383391A JP2000383391A JP2002179823A JP 2002179823 A JP2002179823 A JP 2002179823A JP 2000383391 A JP2000383391 A JP 2000383391A JP 2000383391 A JP2000383391 A JP 2000383391A JP 2002179823 A JP2002179823 A JP 2002179823A
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meth
ethylene
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JP2000383391A
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English (en)
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Takahiro Ozu
孝弘 小津
Katsuhiko Yamada
勝彦 山田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴムの部
分架橋物とポリオレフイン系樹脂とを含む熱可塑性エラ
ストマーからなる成形品の表面上に、プライマー層を介
して活性エネルギー線によって硬化させたトップコート
層を設けてなる被覆された熱可塑性エラストマー成形
品。 【効果】本発明の熱可塑性エラストマー成形品は、表面
が傷付きにくく、かつ外観及び感触に優れ、しかも炭化
水素系溶剤によって表面が侵されにくいという優れた表
面特性を有している。従って、自動車の内装材シート
(ドアトリム、インストルメントパネル、コンソールボ
ックス、座席シート等)、家具類(椅子、ソフアー等)
の表皮等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオレフイン系熱
可塑性エラストマー成形品に関し、更に詳しくは柔軟性
に加えて耐傷付き性に優れ、自動車、家具類等の表皮材
料に供されるポリオレフイン系熱可塑性エラストマー成
形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネル、ドアト
リム、コンソールボックス等の自動車内装部品の表皮に
は、ポリ塩化ビニールを主材とするシートが用いられて
きたが、自動車部品の軽量化、及びリサイクル性や易焼
却性等の環境対策の要求から、近年、ポリオレフイン系
熱可塑性エラストマーが注目され、実用化されてきてい
る。しかしながら、これらポリオレフイン系熱可塑性エ
ラストマー系樹脂からなる内装シート等の成形物は、表
面が傷付きやすく、その上炭化水素系溶剤によって表面
が侵され易いという問題点があった。
【0003】このような問題点を解決する為、例えば特
開昭60−197741号公報には、ポリオレフイン系
樹脂と部分架橋型エチレン・α−オレフイン系共重合体
ゴムからなる熱可塑性エラストマーよりシートを成形
し、このシート表面に、飽和ポリエステル樹脂、アクリ
ル酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂を含有する反応
性塗料を塗布することを特徴とする自動車内装材等に用
いられるシート製造法が提案されている。しかし、これ
ら反応性塗料を塗布したシートは、反応性塗料を塗布し
ないシートと比較して耐傷付き性等は改良されるものの
未だ不充分であり、更に表面特性を改良することが望ま
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前述の従
来技術に鑑み、耐傷付き性等表面特性に優れた自動車内
装材シート等の熱可塑性エラストマー成形品を得るべく
鋭意研究したところ、特定組成を有する熱可塑性エラス
トマー成形品の表面にプライマー組成物を塗布した後
に、トップコート組成物を塗布し、活性エネルギー線に
よって硬化すれば、耐傷付き性等優れた表面特性を有す
る熱可塑性エラストマー成形品が得られることを見い出
した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、エチレ
ン・α−オレフイン系共重合体ゴムの部分架橋物とポリ
オレフイン系樹脂とを含む熱可塑性エラストマーからな
る成形品の表面上に、プライマー層を介して活性エネル
ギー線によって硬化させたトップコート層を設けてなる
被覆された熱可塑性エラストマー成形品に存している。
かかる成形品は、表面が傷付きにくく、且つ外観及び感
触に優れ、しかも炭化水素系溶剤によって表面が侵され
にくいという優れた表面特性を有している。
【0006】
【発明の実施形態】本発明に於いて使用される熱可塑性
エラストマーは、エチレン・α−オレフイン系共重合体
ゴムの部分架橋物とポリオレフィン系樹脂とを必須成分
として含有するものである。必要に応じて、 ペルオキ
シド非架橋型炭化水素系ゴム状物質及び/又は鉱物油系
軟化剤を含んでいる。更に必要に応じて、他のポリオレ
フィン樹脂を含有していてもよい。この様な熱可塑性エ
ラストマーは、代表的には、 (a)エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴム 95〜20重量部 (b)ポリオレフイン系樹脂 5〜80重量部 [ここで(a)+(b)の和は100重量部とする]、
及び必要に応じて、 (c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質と鉱
物油系軟化剤から選ばれた少なくとも1種の成分0〜1
00重量部からなる混合物を、架橋剤の存在下、動的に
熱処理して得られる部分架橋物である。更には、上記の
動的に熱処理して得られる部分架橋物100〜30重量
部に、ポリオレフイン系樹脂0〜70重量部を配合して
なる組成物である。以下、熱可塑性エラストマーを構成
する各成分について説明する。
【0007】(a)エチレン・α−オレフイン系共重合
体ゴム エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴムとしては、例
えば、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、
エチレン・ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン・
ヘキセン共重合体ゴム(EHR)、エチレン・オクテン
共重合体ゴム(EOR)などエチレン・α−オレフィン
2元系共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体ゴム、エチレン・ブテン・非共役ジエン共
重合体ゴム、エチレン・プロピレン・共役ジエン共重合
体ゴム、エチレン・ブテン・共役ジエン共重合体ゴム等
のエチレン・α−オレフィン・ジエン3元系共重合体ゴ
ムが挙げられる。
【0008】この中では、エチレン・プロピレン・非共
役ジエン共重合体ゴムが好ましく、非共役ジエンとして
はジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シク
ロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノ
ルボルネン等が用いられる。中でも、特に鉱物油系軟化
剤を含む、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボル
ネン共重合体ゴムが架橋構造の点で望ましい。
【0009】(b)ポリオレフィン系樹脂 エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴムと動的熱処理
の際に混合するポリオレフイン系樹脂としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチ
ル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、そ
の2種以上の共重合体、或いはα−オレフインと15モ
ル%以下の他の重合性単量体との共重合体、例えばエチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン
・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等で
あって、樹脂状高分子物質が挙げられる。
【0010】これらの内、好ましいポリオレフイン樹脂
としては、ペルオキシド分解型ポリオレフイン樹脂、具
体的にはアイソタクチックポリプロピレン、プロピレン
単独重合体、或いはプロピレンと15モル%以下の他の
α−オレフインとの共重合体、例えばプロピレン・エチ
レン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロ
ピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・4−メチ
ル−1−ペンテン共重合体が挙げられる。
【0011】(c)(I)ペルオキシド非架橋型炭化水
素系ゴム状物質 熱可塑性エラストマーの製造に際し、必要に応じて配合
される成分である。例えば、ポリイソブチレン、ブチル
ゴム、プロピレン70モル%以上のプロピレン・エチレ
ン共重合体ゴム、プロピレン・1−ブテン共重合体ゴ
ム、アタクチックポリプロピレン等の様なペルオキシド
と混合し加熱下に混練しても架橋せず、流動性が低下し
ない炭化水素系のゴム状物質を言う。これらの中ではポ
リイソブチレンゴム、ブチルゴム、及びプロピレン−1
−ブテン共重合体ゴムが最も好ましい。
【0012】(c)(II) 鉱物油系軟化剤熱可塑性
エラストマーの製造に際し、必要に応じて配合される成
分で、高沸点 の石油留分である。鉱物油系軟化剤は、一般に、芳香族
炭化水素、ナフテン系炭化水素、及びパラフイン系炭化
水素の混合物で、パラフイン系炭化水素の炭素原子数が
全炭素原子中の50%以上を占めるものがパラフィン系
オイルと呼ばれ、一方、ナフテン系炭化水素の炭素原子
数が30〜45%のものがナフテン系オイルと、芳香族
系炭化水素の炭素原子数が35%以上のものが芳香族系
オイルと呼ばれている。これらの中で本発明に用いる鉱
物油系ゴム用軟化剤としてはパラフイン系オイルが好ま
しい。本発明に用いる鉱物油系ゴム用軟化剤としては、
40℃動粘度が20〜800cst(センチストーク
ス)、好ましくは50〜600cst、流動度が0〜−
40℃、好ましくは0〜−30℃、及び引火点(COC
法)が200〜400℃、好ましくは250〜350℃
のものが好適である。
【0013】さらに本発明に於いて動的熱処理後に、必
要に応じて混合されるポリオレフイン系樹脂としては、
前記した(b)ポリオレフイン系樹脂と同様のものが用
いられる。例えば、次のような結晶性プロピレン系重合
体樹脂、エチレン系共重合体樹脂等が挙げられる。結晶
性プロピレン系重合体樹脂としては、例えば、プロピレ
ン単独重合体、プロピレン90重量%以上とエチレン、
ブテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフイン10
重量%以下とのプロピレン・α−オレフインランダム共
重合体、プロピレン単独重合ブロック50〜95重量%
とプロピレン・α−オレフイン共重合ブロック5〜50
重量%からなり、プロピレン70重量%以上と他のα−
オレフイン30重量%以下とのプロピレン・α−オレフ
インブロック共重合体等を挙げることができる。エチレ
ン系共重合体樹脂としては、中密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、及び、エチ
レンと20重量%以下のプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1等の他のα−オレフインとの共重合体や、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン
・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸
共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等が
挙げられる。
【0014】本発明で動的に熱処理するとは、ミキシン
グロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等の
混練機を用いて、過酸化物の分解温度以上の温度で溶融
混練することであり、通常150〜350℃、好ましく
は160〜300℃の温度で0.2〜30分、好ましく
は0.5〜20分の時間行う操作をいう。
【0015】過酸化物としては、有機及び/又は無機の
過酸化物が用いられるが熱分解温度の面から有機過酸化
物が好ましい。有機過酸化物としては、脂肪族系、芳香
族系のいずれも用いることができ、例えば、ジ−t−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5ージ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキ
シ)ヘキサン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペ
ルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、t−ブ
チルジクミルペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒ
ドロペルオキシド等が挙げられる。尚、これらの有機過
酸化物は2種以上を用いても良い。無機過酸化物として
は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化バリ
ウム等が挙げられる。
【0016】過酸化物の使用量は、前記組成物の(a)
成分と(b)成分の合計量100重量部に対して、通
常、0.01〜10重量部、特に0.1〜5重量部とす
るのが好ましい。又、過酸化物と共に、必要に応じて架
橋助剤を併用することができる。この架橋助剤として
は、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート等のアクリル系またはメタクリル系
多官能化合物やジビニルベンゼン、液状ポリブタジエン
等が挙げられる。架橋助剤の使用量は、上記(a)成分
と(b)成分の合計量100重量部に対して、通常10
重量部以下、特に0.1〜5重量部とするのが好まし
い。
【0017】本発明に於いては、動的熱処理前の組成物
の段階で、又は組成物を動的熱処理して部分架橋物とし
た段階で、前記成分以外のガラス繊維、タルク、炭酸カ
ルシウム、珪藻土、シリカ等の充填材、耐光安定剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、スリップ剤等
の各種添加剤、カーボンブラック等の顔料等を必要に応
じて配合することができる。
【0018】本発明の熱可塑性エラストマー成形品の成
形法は、特に限定されるものではないが、通常、シート
状に成形される。この際に用いられる成形機としては、
カレンダー、Tダイもしくは環状ダイを装着した押出
機、プレス成形機等の一般的な成形機が挙げられ、シー
ト状成形体の厚みは、通常0.1〜3mm程度である。
又、シート状成形体の表面にはエンボス模様(シボ)を
施すことができる。ここに、エンボス(シボ)模様と
は、シートの表面が皮革状或いは幾何学状等の凹凸の浮
き出し模様に型押し加工された状態である。
【0019】エンボス模様加工(シボ付け)はカレンダ
ーロール、Tダイを装着した押出機等から成形されたシ
ートを、そのまま溶融もしくは半溶融状態でエンボス模
様加工用ロールとゴムロール等の圧着ロールの間を通す
方法、予め、巻き取ったシートを加熱ドラム、赤外線ヒ
ーターにより再加熱し、同様にエンボス模様加工用ロー
ルとゴムロールの間を通す方法、断続的にエンボス模様
を施した金型を用いてシートをプレスする方法が採用さ
れる。該シート状成形体には、発泡体、織布、不織布、
綿布等を積層することもできる。
【0020】本発明では、上記のような熱可塑性エラス
トマーからなる成形品の表面に、プライマー層が形成さ
れる。かかるプライマー層を形成する樹脂としては、飽
和ポリエステル、塩素化ポリオレフインから選ばれた少
なくとも1種の化合物を含むものが好ましい。成形物の
表面上にプライマー層を形成するには、例えば、プライ
マー樹脂を有機溶剤に溶解させ、得られたプライマー層
形成用塗布液を常法に従って成形物の表面上に塗布すれ
ば良い。
【0021】プライマー層を形成するために用いられる
飽和ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートおよびその誘導体
などが用いられる。又、塩素化ポリオレフイン樹脂とし
ては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩
素化エチレン・α−オレフイン共重合体などが用いられ
る。
【0022】プライマー層を形成するための塗布液に
は、上記の飽和ポリエステル樹脂、塩素化ポリオレフイ
ン樹脂のほかに、必要に応じて、顔料、艶消し剤等を添
加することもできる。飽和ポリエステル樹脂、塩素化ポ
リオレフイン樹脂を溶解させるための有機溶剤として
は、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、など
が用いられる。プライマー層形成用塗布液中の固形分濃
度は、通常2〜30重量%、好ましくは10〜20重量
%程度である。熱可塑性エラストマーからなる成形物の
表面に形成されるプライマー層の膜厚は、2〜20μm
程度である。
【0023】上記のようにして熱可塑性エラストマーか
らなる成形品の表面に塗布したプライマー層上に、トッ
プコート層を設ける。かかるトップコートとしては、活
性エネルギー線で硬化する(メタ)アクリル系化合物を
含む活性エネルギー線硬化組成物からなるものが最も好
ましい。活性エネルギー線硬化組成物とは、活性線によ
り重合硬化する組成物であり、重合可能な成分として、
2官能以上の多官能(メタ)アクリル単量体もしくはオ
リゴマーと、反応性希釈剤もしくは溶剤とを含むもので
あり、その他に必要に応じて、光開始剤、光増感剤、無
水硅酸(シリカ)等を含有しているものを用いてもよ
い。
【0024】多官能アクリル単量体とは、1分子内に2
個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であっ
て、特に好ましいのは1分子中に3個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有 する単量体である。ここに、「(メ
タ)アクリル系」とは、「アクリル系」および「メタア
クリル系」を、又、「(メタ)アクリロイル基」とは、
「アクリロイル基」および「メタアクリロイル基」の両
者を略して表示したものを言う。(メタ)アクリルオリ
ゴマーとは、分子量の小さい樹脂骨格に反応性の(メ
タ)アクリル基が結合されたもので樹脂骨格の構造によ
り、ポリエステルアクリルオリゴマー、ウレタンアクリ
ルオリゴマー、エポキシアクリルオリゴマー、ポリエー
テルアクリルオリゴマー等があり、またメラミンやイソ
シアヌール酸等の剛直な骨格に(メタ)アクリロイル基
を結合したものなども用いられるが、これらに限定され
るものではない。
【0025】1分子内に2個の(メタ)アクリロイル基
を有する化合物としては、下記〜の(メタ)アクリ
レートを用いることができる。 即ち、 炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)ア
クリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等、
【0026】ポリオキシアルキレングリコールの(メ
タ)アクリル酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート等、
【0027】多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジ
エステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート等、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト等、 ビスフエノールAあるいはビスフエノールAの水素化
物のエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド
(PO)付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:
2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフエニル)
プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシシプロポ
キシフエニル)プロパン等。
【0028】また、1分子内に3個以上の(メタ)アク
リロイル基を有する化合物としては、例えば、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パンEO或いは PO変性トリ(メタ)アクリレー
ト、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、
トリス(アクリロキシエチル)EO変性トリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、
1種又は2種以上混合して使用してもよい。
【0029】次に、(メタ)アクリルオリゴマーとして
は、下記〜がよく用いられる。 ウレタンアクリルオリゴマー類:ポリイソシアネート
化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予
め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物
に、更にアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレート
を反応させて得られる。ここで、ポリイソシアネート化
合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、或いはこ
れらジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類
を水素添加して得られるジイソシアネート化合物(例え
ば、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシ
リレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合
物)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチ
レントリフェニルトリイソシアネートなどの2価或いは
3価の多官能イソシアネート化合物やジイソシアネート
化合物を多量化させて得られる多官能イソシアネート化
合物が挙げられる。また、アルコール性水酸基含有(メ
タ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アク
リレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられ
る。
【0030】エポキシアクリルオリゴマー類:分子内
に2個以上のエポキシ基を有する化合物に(メタ)アク
リル酸を反応させて得られるもので、分子内に2個以上
の(メタ)アクリロイル基を有する。ここに、分子内に
2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル等が挙げられる。
【0031】ポリエステルアクリルオリゴマー類:
(メタ)アクリル酸、多塩基性カルボン酸(無水物)及
びポリオールの脱水縮合によって得られる。ここで、多
塩基性カルボン酸(無水物)としては、コハク酸、アジ
ピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、
(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘ
キサヒドロ(無水)フタル酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等が挙げられる。また、ポリオールと
しては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙
げられる。
【0032】反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗
布工程での溶剤の機能を担い、塗布剤の粘度を調節する
と共に、それ自体が多官能性(メタ)アクリル単量体若
しくは(メタ)アクリルオリゴマーと反応する基を有
し、塗膜の共重合成分となるものである。例えば、プロ
ピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ベ
ンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキ
シプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチルオキシエ
チル(メタ)アクリレート等の環状(メタ)アクリレー
ト類、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、
シアノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル
(メタ)アクリレート類、エトキシエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリロキシエチルフォスフェー
ト、フロロアルキル(メタ)アクリレート、スルホプロ
ピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ジエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルモノ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンモ
ノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ
(メタ)アクリレート、トリグリシジルイソシアヌレー
トモノ(メタ)アクリレート、テトラフェニルメタン型
エポキシモノ(メタ)アクリレート、トリスフェニルメ
タン型エポキシモノ(メタ)アクリレート、グリセリン
ジグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、イソ
シアヌル酸モノ(メタ)アクリレート、メラミンモノ
(メタ)アクリレート、及び上記化合物のエチレンオキ
シド付加物、プロピレンオキシド付加物等の単官能化合
物が挙げられる。
【0033】ハードコート層の改質剤として、塗布性改
良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機
系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子、染料、顔料、耐光
安定剤、等を用いることができ、これらは活性線による
反応を損なわない範囲内で塗布層の組成物として使用さ
れ、用途に応じてハードコート層の特性を改良すること
ができる。
【0034】本発明における活性線硬化性の組成物を硬
化させる方法として紫外線、電子線等を照射する方法を
用いることができる。特に、紫外線による架橋の場合に
は、光エネルギーが小さい為、光エネルギーの交換や開
始の助長のため、光重合開始剤及び/又は光増感剤を添
加することが好ましい。
【0035】光重合開始剤の具体的な例としては、アセ
トフエノン、2,2−ジエトキシアセトフエノン、p−
ジメチルアセトフエノン、p−ジメチルアミノプロピオ
フエノン、ベンゾフエノン、2−クロロベンゾフエノ
ン、4,4’−ジクロロベンゾフエノン、 4,4’−
ビスジエチルアミノベンゾフエノン、ミヒラーケトン、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、p−
イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフエノン、α
−ヒドロキシイソブチルフエノン、2,2−ジメトキシ
−2−フエニルアセトフエノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフエニルケトンなどのカルボニル化合物、テト
ラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラ
ムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイ
ド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−
メチルチオキサントンなどの硫黄化合物、ベンゾイルペ
ルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドなどのペルオ
キシド化合物などを用いることができる。これらの光重
合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組合わせ
て用いてもよい。
【0036】光重合開始剤の使用量は重合性単量体組成
物100重量部に対して、0.01〜10重量部が適当
である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合に
は、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。
【0037】本発明に用いる活性線硬化組成物には、製
造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するために、ハイ
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,
5−t−ブチルハイドロキノンなどの熱重合防止剤を加
えるのが望ましい。その添加量は重合性化合物の総重量
に対し、0.005〜0.05重量%が好ましい。
【0038】本発明に用いる活性線硬化組成物には、塗
工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロールを目的と
して、本発明の効果が損なわれない範囲において、有機
溶剤を配合することもできる。有機溶剤としては、沸点
が50〜150℃のものが、塗工時の作業性、硬化前後
の乾燥性の点から用いやすい。具体的な例としては、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどの酢酸エステル系溶剤、アセトン、メチルエチル
ケトンなどのケトン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶
剤、ジオキサンなどの環状エーテル系溶剤などを用いる
ことができる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上を
混合して用いることもできる。
【0039】本発明に用いる活性線硬化組成物には本発
明の効果が損なわれない範囲で、各種の添加剤を必要に
応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光
安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベ
リング剤、帯電防止剤などを用いることもできる。
【0040】本発明に用いる活性線硬化組成物には、外
界の光源の反射像の明るさ、明瞭度を減少させる目的
で、本発明の効果が損なわれない範囲で、酸化珪素粒子
や有機フイラーなどの艶消し剤を配合することができ、
また表面硬度化層の表面に、例えばエンボス法、サンド
マット法などにより凹凸を設けることもできる。
【0041】活性線硬化組成物の塗布手段としては、刷
毛塗り、浸漬塗り、ナイフ塗り、ロール塗り、スプレー
塗り、流し塗り、回転塗り(スピンナー、ホエラーな
ど)などの通常行われている塗布方法を用いることがで
きる。各々の方式には特徴が有り、積層体の要求特性、
使用用途などにより、塗布方法を適宜選択するとよい。
【0042】ここで、活性線とは、紫外線、電子線、放
射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル
基を重合させる電磁波を意味し、実用的には、紫外線が
簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光
灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン
灯、炭素アーク灯などを用いることができる。又、電子
線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要で
はあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含
有させなくてもよい点から有利である。
【0043】ハードコート層の厚さは用途に応じて決定
すれば良いが、通常0.5〜30μm、好ましくは1〜
10μmである。ハードコート層の厚さが0.5μm未
満の場合には、表面硬度が十分でなく傷が付きやすかっ
たり、一方30μmを超える場合には、硬化膜が脆くな
りやすく、積層体を折り曲げたときに硬化膜にクラック
が入りやすくなって好ましくない。また、本発明の効果
が損なわれない範囲において、ハードコート層の最外層
に図柄などの印刷層を設けても良い。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例によって制限されるものではない。尚、以下の実施
例に於いて、熱可塑性エラストマー成形品の表面上に設
けられたプライマー層及びトップコート層からなる塗膜
の表面特性の評価は以下の様にして行った。
【0045】1.耐磨耗試験JIS L−0849の
4.(1)に規定する学振型摩擦試験機を用い、JISL
−0803付表に定めるカナキン3号により、シート表
面を500g×200回磨耗した後、表面外観変化を評
点5〜1に従い評価する。 5:外観上全く変わらない 4:僅かに綿布のあとがつく 3:傷がつく 2:白化する 1:基材まで破損する
【0046】2.耐引っ掻き試験 100×100mm角の試験片の中心に直径6mmφの
穴をあけ、東洋精機製作所製テーバ式スクラッチ試験機
のターンテーブルに固定する。まず、100gの荷重で
刃先を静かに試料の表面に接触するように置き、試料を
0.5rpmの速度で回転させ開始点より60°回転し
たところで回転を停止し、荷重を200g,300g,
400g,500gに順次変更し、上記同様の方法で6
0°ずつ回転させて試験し、目視判定にて表面に傷が付
く荷重を求め、引っ掻き強さとして判定した。
【0047】3.耐溶剤性試験 工業用ガソリンを含ませた布で表面を強く拭き、表面の
異常有無について調べる。 3:全く異常が認められない 2:白化等の現象が認められる 1:溶解、剥離等の異常が認められる
【0048】[実施例1] 1.熱可塑性エラストマーの製造 (a)成分;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボ
ルネン三元共重合体ゴム(エチレン含量66重量%、エ
チリデンノルボルネン含量4.5重量%)、ポリプロピ
レン換算の重量平均分子量547,000、鉱物油系軟
化剤100重量部含有の油展オレフイン系共重合体ゴ
ム。 (b)成分;プロピレン・エチレンランダム共重合体樹
脂(エチレン含有量3.1重量%、メルトフローレート
(230℃、21.2N荷重)0.7g/10分)。 (c)成分;パラフイン系オイル(重量平均分子量74
6、40℃の動粘度382cst、流動点−15℃、引火
点300℃、出光興産社製「PW380」)。有機過酸
化物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)ヘキサン(化薬アクゾ#社製「カヤヘキサA
D−40C」、1分間半減期温度179℃)。 架橋助剤;ジビニルベンゼン (a)成分80重量部と(b)成分20重量部の混合物
100重量部当たり、有機過酸化物0.75重量部とジ
ビニルベンゼン0.40重量部とを配合し、ヘンシエル
ミキサーにて1分間ブレンドした後、3つの混練ゾーン
を有するスクリュー構成の同方向2軸押出機(神戸製鋼
社製「KTX44」、L/D=41)の供給口へ30k
g/時で供給し、溶融混練を行いペレット化した。
【0049】2.熱可塑性エラストマ−シート成形品の
製造 上記で得られた熱可塑性エラストマーのペレットを、コ
ートハンガーTダイ及びフルフライトスクリューを装着
したスクリュー口径45mm、L/D=24の押出機で
樹脂温度200℃でシート状に押出した後、冷却ロール
(30℃)で冷却固化して厚さ0.4mmのシートを製
造した。さらに、このシートにコロナ処理を行い、濡れ
指数を40dyne/cm以上とした後、塩素化ポリプ
ロピレンを配合してなるオレフイン系プライマー(特殊
色料工業社製「ハイコープU L−4001」)をウエ
ット付量40g/m2となるようにスプレーにて塗布し
た(処理剤の固形分は6重量%)。
【0050】3.トップコート剤の調製 多官能ウレタンアクリレート(東亜合成社製、「アロニ
ックスM1960」)30重量部に酢酸エチル70重量
部、光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア1
84)0.9重量部を配合して、活性エネルギー線硬化
性組成物を調製した。この活性エネルギー線硬化性組成
物を、熱可塑性エラストマーシートのプライマー層上
に、乾燥後の塗布厚さが5μmになるようにバーコータ
ーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥した。これに出
力120W/cmの高圧水銀灯を用いて600mJ/c
2の紫外線照射を行い、塗膜を硬化させた。
【0051】4.表面処理シートの評価試験 得られた表面処理シートについて、耐磨耗試験 、耐引
っ掻き試験及び耐溶剤性試験を実施した。結果を[表
1]に示した。
【0052】[実施例2]実施例1の熱可塑性エラスト
マーシート成形品の製造に於いて、塩素化ポリプロピレ
ン配合オレフイン系プライマーとして使用した「ハイコ
ープU L−4001」の代わりに、塩素化ポリプロピ
レン(東洋化成工業社製、「ハードレン13LLP」を
用いた以外は実施例1に従い処方した。結果を[表1]
に示した。
【0053】[実施例3]実施例1のトップコート剤の
調製に於いて、多官能ウレタンアクリレート(東亜合成
社製、「アロニックスM1960」)の代わりに、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社
製、「カヤラッドDPHA」)を用いた以外は実施例1
に従い処方した。結果を[表1]に示した。
【0054】[実施例4]実施例1のトップコート剤の
調製に於いて、多官能ウレタンアクリレート(東亜合成
社製、「アロニックスM1960」)の代わりに、ポリ
エステルアクリレート(東亜合成社製、「アロニックス
M7100」)を用いた以外は実施例1に従い処方し
た。結果を[表1]に示した。
【0055】[比較例1]実施例1のトップコート剤の
調製に於いて、多官能ウレタンアクリレート(東亜合成
社製、「アロニックスM1960」)の代わりに、ウレ
タン系トップコート剤(特殊色料工業社製、「ハイコー
プU EU-684」、アクリル基を含有しない塗料)
を用い、乾燥後の塗布厚さが5μmになるようにバーコ
ーターを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥した。紫外
線の照射は実施しなかった。結果を[表1]に示した。
【0056】[比較例2]実施例1の熱可塑性エラスト
マーシート成形品の製造に於いて、塩素化ポリプロピレ
ン配合オレフイン系プライマー(特殊色料工業社製「ハ
イコープU L−4001」)の塗布を省いた以外は実
施例1に従い処方した。なお、耐摩耗試験及び耐引っ掻
き試験による評価中、熱可塑性エラストマーシートから
トップコート層が剥離したので、評価結果は得られなか
った。結果を[表1]に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明に係る熱可塑性エラストマー成形
品は、エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴムの部分
架橋物とポリオレフイン系樹脂とを含む熱可塑性エラス
トマーからなる成形品の表面上に、特定組成のプライマ
ー層および特定組成のトップコート層が設けられている
ので、表面が傷付きにくく、かつ外観及び感触に優れ、
しかも炭化水素系溶剤によって表面が侵されにくいとい
う優れた表面特性を有している。本発明に係る成形品
は、自動車の内装材シート(ドアトリム、インストルメ
ントパネル、コンソールボックス、座席シート等)、家
具類(椅子、ソフアー等)の表皮等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 23/00 4J002 23/08 23/08 23/16 23/16 91/00 91/00 // B60N 2/44 B60N 2/44 Fターム(参考) 3B087 DE05 4F006 AA12 AA14 AB13 AB24 AB35 BA02 CA04 DA04 4F070 AA12 AA15 AA16 AA63 AB09 AB11 AB16 AC35 AE08 GA05 GA08 4F073 AA07 BA06 BA09 CA42 CA45 4F100 AA40A AH01 AH02 AH03 AJ11 AK02 AK03A AK04 AK07A AK10B AK28A AK41B AK62A AL01A AL03 AL09A AN02A AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C CA02A CA04A CA30 EH17 EH46 EJ08 EJ52C EJ54 EJ65B GB32 GB81 JB14C JB16A JK14 YY00A 4J002 AE05Y BB12X BB13Y BB14X BB14Y BB15W BB15Y BB18Y EK006 FD146 GN00 GT00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴム
    の部分架橋物とポリオレフイン系樹脂とを含む熱可塑性
    エラストマーからなる成形品の表面上に、プライマー層
    を介して活性エネルギー線によって硬化させたトップコ
    ート層を設けてなる被覆された熱可塑性エラストマー成
    形品。
  2. 【請求項2】熱可塑性エラストマーが、 (a)エチレン・α−オレフイン系共重合体ゴム 95
    〜20重量部 (b)ポリオレフイン系樹脂 5〜80重量部 [但し、(a)成分と(b)成分の合計を100重量部
    とする]、及び、これらの合計量に対して、 (c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質と鉱
    物油系軟化剤とから選ばれる少なくとも1種の成分0〜
    100重量部添加してなる組成物を、過酸化物及び必要
    に応じて架橋助剤の存在下、動的に熱処理して得られる
    部分架橋物100〜30重量部と、ポリオレフイン系樹
    脂0〜70重量部(但し、両者の合計量を100重量部
    とする)とからなるものである請求項1に記載の熱可塑
    性エラストマー成形品。
  3. 【請求項3】(a)エチレン・α−オレフイン系共重合
    体ゴムが、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合
    体ゴムであり、(b)ポリオレフイン系樹脂が、アイソ
    タクチックポリプロピレン又はプロピレンと15モル%
    以下の他のα−オレフインとの共重合体である請求項1
    又は2に記載の熱可塑性エラストマー成形品。
  4. 【請求項4】プライマー層が飽和ポリエステル又は塩素
    化ポリオレフインからなるものである請求項1〜3いず
    れか1項に記載の熱可塑性エラストマー成形品。
  5. 【請求項5】塩素化ポリオレフインが、塩素化ポリエチ
    レン、塩素化ポリプロピレン、及び塩素化エチレン・α
    −オレフイン共重合体からなる少なくとも1種である請
    求項4に記載の熱可塑性エラストマー成形品。
  6. 【請求項6】プライマー層の厚さが2〜20μmの範囲
    にある請求項1〜5いずれか1項に記載の熱可塑性エラ
    ストマー成形品。
  7. 【請求項7】トップコート層の厚さが0.5〜30μm
    の範囲にある請求項1〜6いずれか1項に記載の熱可塑
    性エラストマー成形品。
  8. 【請求項8】トップコート層が(メタ)アクリル系化合
    物を含む組成物を活性エネルギー線により硬化させたも
    のである請求項1〜7いずれか1項に記載の熱可塑性エ
    ラストマー成形品。
  9. 【請求項9】活性エネルギー線として可視光線、紫外
    線、又は電子線を用いることを特徴とする請求項1〜8
    いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー成形品の製
    造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜8いずれか1項に記載の熱可
    塑性エラストマー成形品からなる自動車内装用表皮材。
  11. 【請求項11】請求項1〜8いずれか1項に記載の熱可
    塑性エラストマー成形品からなる家具類の表装材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005014442A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Mitsubishi Chemicals Corp 積層体、およびそれを用いた積層成形体の製造方法

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