JP2002179808A - リン系添加剤含有オイル用加硫成形体 - Google Patents

リン系添加剤含有オイル用加硫成形体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車ギアオイルなどのリン系添加剤含有オ
イルに対する膨潤性が抑制されたエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン系またはプロピレン−テトラフルオロエ
チレン系共重合体からなるオイルシール材として好適な
加硫成形体を提供する。 【解決手段】 エチレン構造単位とヘキサフルオロプロ
ピレン構造単位を含む加硫可能なエラストマー性共重合
体またはプロピレン構造単位とテトラフルオロエチレン
構造単位を含むエラストマー性共重合体と有機加硫剤と
を含み、金属酸化物としては、亜鉛酸化物、鉛酸化物、
チタン酸化物、クロム酸化物、ケイ素酸化物、アルミニ
ウム酸化物、アンチモン酸化物および鉄酸化物よりなる
群から選ばれた少なくとも1種のみを実質的に含む加硫
可能な組成物を加硫して得られ、リン系添加剤含有オイ
ルに対する体積膨潤率が15%以下である加硫成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン構造単位
とヘキサフルオロプロピレン(HFP)構造単位とを必
須の構造単位とするエラストマー性共重合体またはプロ
ピレン構造単位とテトラフルオロエチレン構造単位を必
須の構造単位とするエラストマー性共重合体を用い、金
属酸化物としては特定の金属酸化物のみしか実質的に含
まない加硫可能な組成物を加硫して得られる加硫成形体
に関する。この加硫成形体は自動車のギアオイルに使用
されるリン系添加剤含有オイルに対して膨潤しにくいも
のである。
【0002】
【従来の技術】エチレン(E)とヘキサフルオロプロピ
レン(HFP)とを必須の構成単位とするエラストマー
性共重合体(以下、「E−HFP系共重合体」というこ
ともある)またはプロピレン(P)とテトラフルオロエ
チレン(TFE)を必須の構造単位とするエラストマー性
共重合体(以下、「P−TFE系共重合体」ということ
もある)は、他のフッ素樹脂や含フッ素エラストマーと
同様に、耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れており、その
加硫物は種々の用途に使用されている。
【0003】特にE−HFP系またはP−TFE系共重
合体は耐アミン性や耐油性に優れていることから加硫さ
れアミン性添加剤の入ったオイルのシール材として多用
されている(特開昭52−150459号公報、特開平
6−306242号公報、特開平6−306245号公
報など)。
【0004】しかし、リン系の極圧添加剤が配合されて
いないエンジンオイルなどに対しては耐性をもち膨潤し
にくいが、自動車用のギアオイル(終減速機油、手動変
速機油など)といった極圧添加剤としてリン系添加剤を
配合したリン系添加剤含有オイルに対しては膨潤率が大
きく、そのために頻繁な取替えが必要となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはその原因
について実験を繰り返して鋭意検討したところ、加硫組
成物に受酸剤や着色剤あるいは接着性の向上のために配
合されるMgOに代表される金属酸化物に原因があるこ
とを発見し、そうした金属酸化物を加硫組成物の配合剤
として実質的に存在させないときにはリン系添加剤含有
オイルに対しても膨潤しにくいこと、しかし特定の金属
酸化物は存在させても金属酸化物を配合しない場合と同
程度の耐膨潤性を発揮することを見出し、本発明に至っ
たものである。
【0006】したがって本発明は、耐リン系添加剤含有
オイル膨潤性が改善されたE−HFP系またはP−TF
E系共重合体のリン系添加剤含有オイル用加硫成形体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、エチ
レン構造単位とヘキサフルオロプロピレン構造単位を含
む加硫可能なエラストマー性共重合体、またはプロピレ
ン構造単位とテトラフルオロエチレン構造単位を含むエ
ラストマー性共重合体と有機加硫剤とを含み、金属酸化
物としては、亜鉛酸化物、鉛酸化物、チタン酸化物、ク
ロム酸化物、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、アン
チモン酸化物および鉄酸化物よりなる群から選ばれた少
なくとも1種のみを実質的に含む加硫可能な組成物を加
硫して得られ、リン系添加剤含有オイルに対する体積膨
潤率が15%以下であるリン系添加剤含有オイル用加硫
成形体に関する。
【0008】前記金属酸化物の群において、亜鉛酸化物
としてはZnO、鉛酸化物としてはPbO、チタン酸化
物としてはTiO2、クロム酸化物としてはCr23
ケイ素酸化物としてはSiO2、アルミニウム酸化物と
してはAl23、アンチモン酸化物としてはSb23
よび鉄酸化物としてはFe23が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用するE−HFP系共
重合体は、前記のとおり、エチレン構造単位とHFP構
造単位とを必須として含み、さらに要すればこれらと共
重合可能なモノマーから誘導される構造単位からなるエ
ラストマー性の共重合体である。
【0010】共重合可能な他のモノマーとしては、たと
えばテトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリ
デン(VdF)、クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PA
VE)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、プロピ
レンなどの1種または2種以上があげられ、特に生産性
の向上が図れる点からTFE、VdF、CTFEが好ま
しい。
【0011】特に好ましいE−HFP系共重合体はE−
HFP共重合体、E−HFP−TFE共重合体、E−H
FP−VdF共重合体、E−HFP−TFE−VdF共
重合体などがあげられる。
【0012】共重合割合は、エチレン/HFP/他のモ
ノマーがモル%で10〜85/15〜50/0〜45、
好ましくは20〜75/15〜47/0〜40、さらに
好ましくは30〜70/20〜47/0〜25である。
【0013】本発明で使用するP−TFE系共重合体
は、前記のとおり、プロピレン構造単位とTFE構造単
位とを必須として含み、さらに要すればこれらと共重合
可能なモノマーから誘導される構造単位からなるエラス
トマー性の共重合体である。
【0014】共重合可能な他のモノマーとしては、たと
えばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニリ
デン(VdF)、クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PA
VE)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、エチレ
ンなどの1種または2種以上があげられ、特に低温性の
向上が図れる点からVdFが好ましい。
【0015】特に好ましいP−TFE系共重合体はP−
TFE共重合体、P−TFE−VdF共重合体などがあ
げられる。
【0016】共重合割合は、プロピレン/TFE/他の
モノマーがモル%で10〜55/30〜70/0〜5
0、好ましくは30〜55/30〜60/0〜40であ
る。
【0017】また、上記いずれのエラストマー性含フッ
素共重合体においても、フッ素含有率が60重量%以上
の場合、特に体積膨潤率が小さくなり、好ましい。
【0018】本発明のエラストマー性E−HFP系また
はP−TFE系共重合体の製造は、一般的なラジカル重
合法により行なうことができる。重合形態は乳化重合、
懸濁重合、溶液重合、塊状重合のいずれも採用できる
が、工業的に実施が容易で高分子量体を得やすいことか
ら、乳化重合法および懸濁重合法が有利である。
【0019】ラジカル重合に使用するラジカル重合開始
剤としては、たとえば有機または無機の過酸化物、過硫
酸塩、アゾ化合物などが使用できる。
【0020】乳化重合の場合、重合生成物を通常、凝析
法により分離回収する。この凝析工程では、金属塩を使
用するいわゆる塩析のほか、金属の混入を回避したい場
合は酸を加えて凝析させてもよい。
【0021】本発明の加硫成形体は、前記エラストマー
性E−HFP系またはP−TFE系共重合体と加硫剤、
要すれば加硫促進剤、加硫助剤からなる加硫用組成物を
加硫することによって得られる。この加硫用組成物を調
製する際に重要な点は、金属酸化物として、亜鉛酸化
物、鉛酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ケイ素酸
化物、アルミニウム酸化物、アンチモン酸化物および鉄
酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のみを配
合することである。
【0022】前記金属酸化物の群において、亜鉛酸化物
としてはZnOなどが、鉛酸化物としてはPbO、Pb
2、Pb23、Pb34などが、チタン酸化物として
はTiO、TiO2、Ti23などが、クロム酸化物と
してはCrO、Cr23、CrO3などが、ケイ素酸化
物としてはSiO、SiO2などが、アルミニウム酸化
物としてはAl23などが、アンチモン酸化物としては
Sb23、Sb24、Sb25などが、鉄酸化物として
はFe23、FeOなどがあげられるが、特に空気中で
の安定性が良好な点から、それぞれの金属酸化物として
ZnO、PbO、TiO2、Cr23、SiO2、Al2
3、Sb23およびFe23が好ましい。
【0023】これらの特定の金属酸化物は加硫成形時の
受酸剤や成形体の着色剤として働くが、MgOやCaO
などのようにリン系添加剤含有オイルに対して膨潤しや
すくする作用はない。しかも、これらの特定の金属酸化
物を配合することにより、金属との接着性が向上する。
これらの金属酸化物のうち、耐熱性が向上する点からZ
nOが特に好ましい。
【0024】特定の金属酸化物の配合量は共重合体10
0重量部(以下、「部」という)あたり0.1〜40
部、好ましくは0.5〜30部、特に好ましくは1〜1
5部である。多くなりすぎると加硫成形体の硬度が大き
くなり、少なすぎると金属との接着性が乏しくなる傾向
がある。
【0025】加硫剤の配合量は加硫剤の種類および共重
合体の組成(キュアサイトの数など)に応じて従来と同
様の範囲内で適宜選定すればよい。通常、共重合体10
0部あたり0.5〜10部である。
【0026】加硫用組成物の加硫法はパーオキサイド加
硫法が最も好ましいが、共重合体の構造によっては、も
ちろんポリオール加硫法、ポリアミン加硫法も採用でき
る。
【0027】パーオキサイド加硫に用いる過酸化物とし
ては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジ
カルを発生する有機系の過酸化物が好ましく使用され
る。具体例としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベン
ゼン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートなどがあげられる。こ
れらの中でもジアルキル系およびパーオキシエステル
系、とくにt−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミ
ルパーオキサイドが好ましい。
【0028】有機過酸化物の使用量は有機過酸化物中の
活性な−O−O−結合量、分解温度などを考慮して適宜
決定すればよく、通常、共重合体100部あたり0.0
5〜10部、好ましくは1.0〜5部である。
【0029】有機過酸化物によるパーオキサイド加硫で
は、加硫助剤を使用することにより、硬化(加硫)が顕
著に促進される。そうした加硫助剤としては従来より使
用されている有機加硫助剤があげられ、たとえばトリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ
メタリルイソシアネート、トリアリルホルマール、トリ
アリルトリメリテート、N,N′−m−フェニレンビス
マレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフ
タレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリア
リルホスフェートなどがあげられ、とくにトリアリルイ
ソシアヌレートが好ましい。使用量は、共重合体100
部あたり通常、0.1〜10部、好ましくは0.5〜5
部である。
【0030】パーオキサイド加硫は、従来と同様に行な
うことができる。たとえば、E−HFP系またはP−T
FE系共重合体と加硫剤、要すれば加硫促進剤、さらに
は適宜混合可能な他の添加剤とをロール練り後金型に入
れ加圧して1次加硫し、ついで2次加硫する方法があげ
られる。一般に1次加硫の条件は、温度100〜200
℃で、時間5〜60分間、圧力2〜10MPa程度の範
囲から採用され、2次加硫の条件は温度150〜300
℃で、時間30分間〜30時間程度の範囲から採用され
る。
【0031】また、加硫用組成物にはVdF単位を共重
合体が含む場合、パーオキサイド加硫以外のポリオール
加硫法、ポリアミン加硫法も適用できる。
【0032】ポリオール加硫法に使用するポリオール加
硫剤としては従来よりフッ素ゴムの加硫剤として知られ
ている化合物が使用でき、たとえばポリヒドロキシ化合
物、とくにポリヒドロキシ芳香族化合物が好ましく使用
できる。具体例としては、たとえば2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆる「ビスフェノ
ールA」)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
パーフルオロプロパン(いわゆる「ビスフェノールA
F」)、レゾルシン、1,3−トリヒドロキシベンゼ
ン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒド
ロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒド
ロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアンスラセ
ン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン(いわゆる「ビスフェノール
B」)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草
酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフ
ルオロジクロロプロパン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケ
トン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,
3′,5,5′−テトラクロロビスフェノールA、3,
3′,5,5′−テトラブロモビスフェノールA、また
はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩
などがあげられる。ただし、共重合体の凝析を酸を用い
て行なった場合は、上記金属塩は使用しないことが好ま
しい。
【0033】ポリオール加硫における加硫促進剤として
は、フッ素ゴムのポリオール加硫の加硫促進剤として知
られているオニウム化合物が使用でき、たとえば第4級
アンモニウム塩などのアンモニウム化合物、第4級ホス
ホニウム塩などのホスホニウム化合物のほか、オキソニ
ウム化合物、スルホニウム化合物などがあげられ、とく
に第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が好ま
しい。
【0034】第4級アンモニウム塩としては、たとえば
8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセニウムクロリド、8−メチル−1,8−
ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム
アイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイ
ド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセニウム−メチルスルフェート、8−
エチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7
−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジ
アザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブ
ロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザ−ビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ド
デシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7
−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−
1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデ
セニウムクロリド、8−テトラコシル−1,8−ジアザ
−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロリ
ド、8−ベンジル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ベンジル
−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8
−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウ
ムクロリド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−
ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム
クロリドなど;フェニルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、硫酸水
素フェニルトリメチルアンモニウム、フェニルトリエチ
ルアンモニウムクロリド、フェニルトリオクチルアンモ
ニウムブロミドなど;1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセニウムオクタン酸塩、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムノ
ナン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7
−ウンデセニウムデカン酸塩、1,6−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノネニウムオクタン酸塩、テトラ
ブチルアンモニウムオクタン酸塩、テトラブチルアンモ
ニウムノナン酸塩、トリオクチルメチルアンモニウムオ
クタン酸塩、トリオクチルメチルアンモニウムノナン酸
塩など;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセニウムギ酸塩、1,6−ジアザビシクロ[4.
3.0]−5−ノネニウムギ酸塩、テトラブチルアンモ
ニウムギ酸塩、トリオクチルメチルアンモニウムギ酸塩
など;硫酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テ
トラメチルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリブチル
アンモニウム、硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウ
ム、硫酸水素1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−
7−ウンデセニウム、硫酸水素8−メチル−1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムなど
があげられる。これらの中でも、硫酸水素テトラブチル
アンモニウムなどの有機第4級アンモニウム硫酸水素塩
類が、加硫性を向上させる点から好ましい。
【0035】第4級ホスホニウム塩としては、たとえば
テトラブチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェ
ニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホ
ニウムクロリド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロ
リド、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾール
塩、テトラプロピルホスホニウムベンゾトリアゾール
塩、トリフェニルベンジルホスホニウムベンゾトリアゾ
ール塩などがあげられる。
【0036】さらに、加硫性を向上させる目的から、た
とえばジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジブチル
スルホン、メチルエチルスルホン、ジフェニルスルホ
ン、スルホランなど;1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノネン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ピ
ペリジン、モルホリン、ピリジン、ベンゾトリアゾー
ル、p−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、トリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、
トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、
トリフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、
トリフェニルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフ
ィンオキシドなどを添加してもよい。
【0037】ポリオール系加硫剤(たとえばポリヒドロ
キシ化合物)は、共重合体100部あたり通常0.5〜
5部、好ましくは1〜2部である。また加硫促進剤(た
とえばオニウム化合物)は共重合体100部あたり通常
0.2〜10部、好ましくは0.5〜5部である。
【0038】ポリオール加硫は、従来と同様に行なうこ
とができる。たとえば、本発明に用いる共重合体と加硫
剤、要すれば加硫促進剤、さらには適宜混合可能な他の
添加剤とをロール練り後金型に入れ加圧して1次加硫
し、ついで2次加硫する方法があげられる。混練はイン
ターナルミキサー、バンバリーミキサーなどが好ましく
使用できる。一般に1次加硫の条件は、温度100〜2
00℃で、時間10〜180分間、圧力2〜10MPa
程度の範囲から採用され、2次加硫の条件は温度150
〜300℃で、時間30分間〜30時間程度の範囲から
採用される。
【0039】つぎに、ポリアミン加硫に用いるポリアミ
ン化合物は加硫剤として機能するほか、加硫物の機械的
性質(たとえば破断強度など)を改善する。具体例とし
ては、たとえばエチルアミン、プロピルアミン、ブチル
アミン、ベンジルアミン、アリルアミン、n−アミルア
ミン、エタノールアミンなどのモノアミン類;エチレン
ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、3,9−ビス(3−ア
ミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカンなどのジアミン類;ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミ
ン類があげられ、とくに2個以上の末端アミノ基を有す
るアミン化合物が好ましい。使用量は共重合体100部
あたり、通常0.5〜10部、好ましくは1〜5部であ
る。
【0040】ポリアミン加硫は、従来と同様に行なうこ
とができる。たとえば、本発明に用いる共重合体と加硫
剤、要すれば加硫促進剤、さらには適宜混合可能な他の
添加剤とをロール練り後金型に入れ加圧して1次加硫
し、ついで2次加硫する方法があげられる。一般に1次
加硫の条件は、温度100〜200℃で、時間5〜12
0分間、圧力2〜10MPa程度の範囲から採用され、
2次加硫の条件は温度150〜300℃で、時間30分
間〜30時間程度の範囲から採用される。
【0041】加硫用組成物に通常配合される添加剤(た
だし金属酸化物としては前記特定の金属酸化物に限る)
を配合してもよい。そうした添加剤としてはカーボンブ
ラック、クレー、ケイソウ土、硫酸バリウムなどの充填
材;加工助剤、内部離型剤、接着促進剤、可塑剤、着色
剤などがあげられる。また、天然ゴムや他の合成ゴム、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などとブレンドしてもよ
い。
【0042】かくして得られる加硫成形体はリン系添加
剤含有オイルによる膨潤に耐性を有しており、体積膨潤
率が15%以下、好ましくは12%以下のものである。
E−HFP系またはP−TFE系共重合体にMgOを3
PHR(共重合体100部に対する重量部。以下同様)
配合した従来の加硫成形体の体積膨潤率は22.7〜2
8.1%であるが、ZnOを3PHR配合した加硫成形
体の体積膨潤率は10.2%と大きく低減化している。
また金属酸化物を本質的に配合しない場合の体積膨潤率
も15%以下であるから、特定の金属酸化物を配合する
ときには体積膨潤率に殆ど影響を与えないといえる。
【0043】なお、本発明における体積膨潤率は、つぎ
の方法で測定したものである。 (体積膨潤率の測定方法)厚さ2mm、長さ30mm、
幅15mmの供試加硫成形体を以下のリン系添加剤含有
オイルに175℃にて336時間浸漬し(168時間で
オイル交換)、膨潤による体積増加を測定し、体積膨潤
率(%)=(体積増加分/浸漬前の体積)×100を求
める。
【0044】試験用リン系添加剤含有オイル オイルAとオイルBの6/94(重量比)の混合オイ
ル。 オイルA:D.A.STUART社製のSTURACO
7098LO[亜リン酸ビス(2−エチルヘキシル)
を約0.39重量%、リン酸トリス(2−エチルヘキシ
ル)を約2.53重量%および、それを含めてリン酸、
ホスホン酸またはホスフィン酸のアルキル(C=4〜1
8)エステルを10重量%以下含有]。フォード社のオ
イルスペックM2C118−Aに適合。 オイルB:CITGO Petroleum社製のFo
rd M2C 192−A,75W−140。フォード
社のオイルスペックM2C192−Aに適合。
【0045】オイルに配合されるリン系添加剤として
は、たとえばリン酸エステル,酸性リン酸エステル,亜
リン酸エステル,酸性亜リン酸エステル,次亜リン酸エ
ステルなどのリン酸系化合物、あるいは酸性リン酸エス
テルのアミド化物や酸性リン酸エステルのアミン塩など
があげられる。
【0046】上記リン酸系化合物の中で、リン酸エステ
ルや酸性リン酸エステルとしては、一般式(I):
【0047】
【化1】
【0048】(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ
水素原子または1個以上の酸素原子および/または硫黄
原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
を示し、それらは互いに同じでも異なっていてもよい
が、R1とR2とR3が同時に水素原子であることはな
い)で表わされる化合物を好ましくあげることができ
る。上記一般式(I)において、R1、R2およびR3のうち
の炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜2
0の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜2
0のシクロアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状もしく
は分岐状のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基
または炭素数7〜20のアラルキル基があげられる。炭
素数1〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチ
ルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基な
どがあげられる。炭素数3〜20のシクロアルキル基の
例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メ
チルシクロヘキシル基、シクロオクチル基などがあげら
れる。炭素数2〜20のアルケニル基の例としては、ア
リル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基、デ
セニル基、オレイル基などがあげられる。炭素数6〜2
0のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、
キシリル基、ナフチル基などがあげられ、炭素数7〜2
0のアラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチ
ル基、ナフチルメチル基などがあげられる。
【0049】また、この炭素数1〜20の炭化水素基
は、一つ以上の酸素原子および/または硫黄原子を含有
していてもよい、すなわち、主鎖中に1個以上のエーテ
ル基またはチオエーテル基あるいはその両方を含んでい
てもよい。このような炭化水素基の例としては、ヘキシ
ルオキシメチル基、ヘキシルオキシエチル基、オクチル
オキシメチル基、オクチルオキシエチル基、ドデシルオ
キシメチル基、ドデシルオキシエチル基、ヘキサデシル
オキシメチル基、ヘキサデシルオキシエチル基、ヘキシ
ルチオメチル基、ヘキシルチオエチル基、オクチルチオ
メチル基、オクチルチオエチル基、ドデシルチオメチル
基、ドデシルチオエチル基、ヘキサデシルチオメチル
基、ヘキサデシルチオエチル基などがあげられる。
【0050】前記一般式(I)で表わされるリン酸エステ
ルや酸性リン酸エステルとしては、たとえばトリ(ヘキ
シル)ホスフェート、トリ(オクチル)ホスフェート、
トリ(ドデシル)ホスフェート、トリ(ヘキサデシル)
ホスフェート、トリ(ヘキシルチオエチル)ホスフェー
ト、トリ(オクチルチオエチル)ホスフェート、トリ
(ドデシルチオエチル)ホスフェート、トリ(ヘキサデ
シルチオエチル)ホスフェート、モノまたはジ−ヘキシ
ルハイドロジェンホスフェート、モノまたはジ−オクチ
ルハイドロジェンホスフェート、モノまたはジ−ドデシ
ルハイドロジェンホスフェート、モノまたはジ−ヘキサ
デシルハイドロジェンホスフェート、モノまたはジ−
(ヘキシルチオエチル)ハイドロジェンホスフェート、
モノまたはジ−(オクチルチオエチル)ハイドロジェン
ホスフェート、モノまたはジ−(ドデシルチオエチル)
ハイドロジェンホスフェート、モノまたはジ−(ヘキサ
デシルチオエチル)ハイドロジェンホスフェート、モノ
またはジ−オクテニルハイドロジェンホスフェート、モ
ノまたはジ−オレイルハイドロジェンホスフェート、モ
ノまたはジ−シクロヘキシルハイドロジェンホスフェー
ト、モノまたはジ−フェニルハイドロジェンホスフェー
ト、モノまたはジ−トルイルハイドロジェンホスフェー
ト、モノまたはジ−ベンジルハイドロジェンホスフェー
ト、モノまたはジ−フェネチルハイドロジェンホスフェ
ートなどがあげられる。
【0051】また、亜リン酸エステルや酸性亜リン酸エ
ステルとしては、一般式(II):
【0052】
【化2】
【0053】(式中、R1、R2およびR3は前記と同じ
であり、それらは互い同じでも異なっていてもよいが、
1とR2とR3が同時に水素原子であることはない)で
表わされる亜リン酸エステルまたは酸性亜リン酸エステ
ル、あるいは一般式(III):
【0054】
【化3】
【0055】(式中、R1およびR2は前記と同じであ
り、それらは互いに同じでも異なっていてもよいが、R
1とR2が同時に水素原子であることはない)で表わされ
る酸性亜リン酸エステル(ホスホン酸エステル)を好ま
しくあげることができる。前記一般式(II)、(III)で表
わされる亜リン酸エステルや酸性亜リン酸エステルとし
ては、たとえばトリ(ヘキシル)ホスファイト、トリ
(オクチル)ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイ
ト、トリ(ヘキサデシル)ホスファイト、トリ(ヘキシ
ルチオエチル)ホスファイト、トリ(オクチルチオエチ
ル)ホスファイト、トリ(ドデシルチオエチル)ホスフ
ァイト、トリ(ヘキサデシルチオエチル)ホスファイ
ト、モノまたはジ−ヘキシルハイドロジェンホスファイ
ト、モノまたはジ−オクチルハイドロジェンホスファイ
ト、モノまたはジ−ドデシルハイドロジェンホスファイ
ト、モノまたはジ−ヘキサデシルハイドロジェンホスフ
ァイト、モノまたはジ−(ヘキシルチオエチル)ハイド
ロジェンホスファイト、モノまたはジ−(オクチルチオ
エチル)ハイドロジェンホスファイト、モノまたはジ−
(ドデシルチオエチル)ハイドロジェンホスファイト、
モノまたはジ−(ヘキサデシルチオエチル)ハイドロジ
ェンホスファイト、モノまたはジ−オクテニルハイドロ
ジェンホスファイト、モノまたはジ−オレイルハイドロ
ジェンホスファイト、モノまたはジ−シクロヘキシルハ
イドロジェンホスファイト、モノまたはジ−フェニルハ
イドロジェンホスファイト、モノまたはジ−トルイルハ
イドロジェンホスファイト、モノまたはジ−ベンジルハ
イドロジェンホスファイト、モノまたはジ−フェネチル
ハイドロジェンホスファイトなどがあげられる。
【0056】さらに、次亜リン酸エステルとしては、一
般式(IV):
【0057】
【化4】
【0058】(式中、R4は1個以上の酸素原子および
/または窒素原子で中断されていてもよい炭素数1〜2
0の炭化水素基を示す)で表わされるホスフィン酸エス
テルを好ましくあげることができる。上記一般式(IV)に
おいて、R4で示される炭素数1〜20の炭化水素基、
および1個以上の酸素原子および/または硫黄原子で中
断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基として
は、前記一般式(I)におけるR1〜R3の説明で示したと
おりである。前記一般式(IV)で表わされるホスフィン酸
エステルとしては、たとえばヘキシルホスフィネート、
オクチルホスフィネート、ドデシルホスフィネート、ヘ
キサデシルホスフィネート、ヘキシルチオエチルホスフ
ィネート、オクチルチオエチルホスフィネート、ドデシ
ルチオエチルホスフィネート、ヘキサデシルチオエチル
ホスフィエート、オクテニルホスフィネート、オレイル
ホスフィネート、シクロヘキシルホスフィネート、フェ
ニルホスフィネート、トルイルホスフィネート、ベンジ
ルホスフィネート、フェネチルホスフィネートなどがあ
げられる。
【0059】さらに酸性リン酸エステルのアミド化物と
しては、一般式(V):
【0060】
【化5】
【0061】(式中、R1、R2およびR3は前記と同じ
であり、R5はR1と同じである。それらは互い同じでも
異なっていてもよいが、R1とR2が同時に水素原子であ
ることはない)で表わされる化合物を好ましくあげるこ
とができる。一般式(V)で表わされる化合物として
は、たとえばテトラブチルホスホロアミデート、トリブ
チルホスホロアミデートなどがあげられる。
【0062】さらにまた、酸性リン酸エステルのアミン
塩としては、一般式(VI):
【0063】
【化6】
【0064】(式中、R1、R2、R3およびR5は前記と
同じであり、R6はR1と同じである。それらは互い同じ
でも異なっていてもよいが、R1とR2が同時に水素原子
であることはない)で表わされる化合物を好ましくあげ
ることができる。一般式(VI)で表わされる化合物とし
ては、たとえばトリオクチルアミンジブチルホスフェー
ト、(モノまたはジ)オクチルアミンジブチルホスフェ
ート、トリラウリルアミンジブチルホスフェート、(モ
ノまたはジ)ラウリルアミンジブチルホスフェートなど
があげられる。
【0065】これらのリン系添加剤含有オイルは、たと
えば自動車のギア用オイル、終減速機油(デファレンシ
ャル用オイル)、手動変速機油、四輪駆動装置用潤滑
油、自動変速機油、無段変速機油などとして使用されて
いる。
【0066】本発明における加硫性組成物は、通常の金
型成形のほか、押出し、トランスファー、カレンダー、
ロールコート、はけ塗り、含浸などの連続成形加工法に
より、シート、パイプ、ロッド、チューブ、アングル、
チャンネル、引布、塗布板などの成形物などに成形加工
され得る。その他公知の各種成形加工法によって異形
品、特殊成形品、たとえばスポンジ状ラバーなどにも成
形加工され得る。また、フィルム状、テープ状の成形物
に一次加工して、これを積層、張付、巻付などの二次加
工によってさらに成形加工することもできる。このよう
に成形加工された組成物は、前述のような加硫手段によ
って加硫物にされる。また、溶液状にて塗布、含浸、噴
霧などで基材表面に適用した後加硫したり、加硫配合し
たフィルム状ないしシート状物にて積層して加硫接着し
たり、さらには加硫したフィルム状ないしシート状物を
基材表面に接着積層したりすることにより加硫被膜を形
成させることもでき、種々多様な加硫ゴム製品を提供で
きる。
【0067】本発明の加硫成形体である加硫物は前記の
とおり、優れた耐熱性、耐油性(特に、耐リン系添加剤
含有オイル膨潤性)、耐アミン性、耐薬品性を有してお
り、自動車産業、航空機産業、半導体産業、食品産業、
化学産業における各種部品に使用できる。特に、耐リン
系添加剤含有オイル膨潤性を活かして、自動車のギアオ
イルのオイルシールなどに好適である。そのほかの好適
な適用部分をつぎに列挙するが、これらに限定されるも
のではない。
【0068】一般的適用成形品:自動車、船舶、航空機
などの輸送機関における耐アミン、耐油、耐薬品、耐ス
チームあるいは耐候用のパッキング、O−リング、ホー
ス、その他のシール材、ダイヤフラム、バルブ、電線被
覆材に、また化学プラントにおける同様のパッキング、
O−リング、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホー
ス、ロール、チューブに、食品プラント機器および食品
機器(家庭用品を含む)における同様のパッキング、O
−リング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、
バルブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器にお
ける同様のパッキング、O−リング、ホース、シール
材、ダイヤフラム、バルブ、チューブに、一般工業部品
における同様のパッキング、O−リング、ホース、シー
ル材、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、マン
ドレル、電線被覆材、フレキシブルジョイント、ベル
ト、ゴム板、ウェザーストリップ、PPC複写機のロー
ルブレードなどへの用途に好適である。
【0069】さらに具体的には、以下のような用途を示
すことができる。
【0070】(イ)自動車関連 本発明で得られるエラストマーは、高い耐熱性と自動車
用のオイルに添加される主としてアミン系添加剤(具体
的にはコハク酸イミド類、金属ジアルキルジカーバメー
ト類)に対して優れた耐性を示し、しかもオイル自体に
対しても体積変化が少ないため、自動車用オイル、たと
えばオートマチックトランスミッションフルード(AT
F)やエンジンオイル、デファレンシャルギヤオイルに
対する各種部材や成形品として好適である。特に、ガソ
リン車やディーゼル車のエンジンオイルのシール材、ホ
ース材;各種トランスミッションオイルのシール材、ホ
ース材;各種ギヤオイルのシール材、ホース材;これら
のオイルの環境を感知するためのセンサー線の被覆材な
どといった、オイルと接触し得るエラストマー成形品の
材料として好適である。
【0071】より具体的には、 シール用途: ・クランクシャフトシール、 ・エンジンシリンダースリーブのO−リング、ガスケッ
ト ・ウェットシリンダースリーブのO−リング、ガスケッ
ト ・パワーピストンパッキン、 ・シリンダーライナーのシール、 ・バルブステムのシール、 ・自動変速機のフロントポンプシール、 ・リアーアクスルピニオンシール、 ・ユニバーサルジョイントのガスケット、 ・スピードメーターのピニオンシール、 ・フートブレーキのピストンカップ、 ・トルク伝達のO−リング、オイルシール ・排ガス再燃焼装置のシール、 ・ベアリングシール、 ・デファレンシャルシール(ドライブピニオン用シー
ル、サイド用シール)、 ・デファレンシャル用ガスケット、O−リング、 ・手動変速機用オイルシール、ガスケット、O−リン
グ、パッキン、 ・自動変速機用オイルシール、ガスケット、O−リン
グ、パッキン、 ・無段変速機(ベルト式またはトロイダル式)用オイル
シール、ガスケット、O−リング、パッキン、 ・ホイールベアリングシール、 ・ラジエータのシール、ガスケット、O−リング、 ・オイルクーラーのシール、ガスケット、O−リング、 ・パワーステアリングのシール、ガスケット、O−リン
【0072】ホース用途: ・手動変速機用オイルホース、 ・自動変速機用ATFホース、 ・無断変速機(ベルト式またはトロイダル式)用CVT
Fホース、 ・EGRチューブ、 ・ツインキャブチューブ、 ・ラジエータ用ホース、 ・オイルクーラー用ホース、 ・パワーステアリング用ホース
【0073】ダイヤフラム用途: ・キャブレターのセンサー用ダイヤフラム
【0074】電装品用途: ・電線被覆材、 ・絶縁材、 ・シース、 ・クーラーホース、 ・チューブ、 ・リング、 ・パッキン
【0075】その他の用途: ・防振ゴム(エンジンマウント、排気部など)、 ・再燃焼装置用ホース
【0076】(ロ)化学工業関連 シール用途: ・化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、 ・熱交換器のシール、 ・硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、 ・農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、 ・ガス配管のシール、 ・メッキ液用シール、 ・高温真空乾燥機のパッキン、 ・製紙用ベルトのコロシール、 ・燃料電池のシール、 ・風洞のジョイントシール
【0077】ロール用: ・耐トリクレン用ロール(繊維染色用)
【0078】その他の用途: ・耐酸ホース(濃硫酸用)、 ・ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結
合部のパッキン、 ・塩素ガス移送ホース、 ・ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、 ・分析機器、理化学機器のシール、チューブ、ダイヤフ
ラム、弁部品、 ・スチームホース
【0079】(ハ)一般機器、機械関連 シール用途: ・油圧、潤滑機械のシール、 ・ベアリングシール、 ・乾式複写機のシール、 ・ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、 ・六フッ化ウランの濃縮装置のシール、 ・サイクロトロンのシール(真空)バルブなど、 ・自動包装機のシール
【0080】その他の用途: ・印刷設備の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁
部品、 ・塗布、塗装設備の塗布ロール、スクレーパー、チュー
ブ、弁部品、 ・プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト、 ・乾式複写機のベルト、ロール、 ・空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイヤ
フラム(公害測定器)、 ・印刷機のロール、ベルト、 ・酸洗い用絞りロール、 ・ドライクリーニング機器のパイプ、ホース、フレキシ
ブルジョイント
【0081】(ニ)航空機関連 ・ジェットエンジンバルブステムシール、 ・燃料供給用ホース、ガスケットおよびO−リング、 ・ローテーティングシャフトシール、 ・油圧機器のガスケット、 ・防火壁シール
【0082】(ホ)船舶関連 ・スクリューのプロペラシャフト船尾シール、 ・ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、 ・バタフライバルブのバルブシール、 ・バタフライ弁の軸シール
【0083】(ヘ)食品、医薬関連 ・プレート式熱交換器のシール、 ・自動販売機の電磁弁シール、 ・薬栓、 ・食品加工処理機用ゴム材料(たとえば熱交換器ガスケ
ット、ダイヤフラム、O−リングなどの各種シール、配
管、ホース、サニタリーパッキング、バルブパッキン
グ、充填時のビンなどの口と充填剤の間のジョイントと
して使用される充填用パッキング)、 ・酒類、清涼飲料水などの製品や充填装置、食品殺菌装
置、醸造装置、湯沸し器、各種自動食品販売機などのパ
ッキング、ガスケット、チューブ、ダイヤフラム、ホー
ス、ジョイントスリーブ
【0084】(ト)電機関連 ・新幹線の絶縁油キャップ、 ・液封型トランスのベンチングシール、 ・油井ケーブルのジャケット、 ・電機絶縁材料(たとえば各種電気機器の絶縁用スペー
サ、ケーブルのジョイントや末端部などに用いる絶縁テ
ープ、熱収縮性のチューブなどに使用される材料)、 ・高温雰囲気で用いられる電気および電子機器材料(た
とえばモータ用口出線材料、高熱炉まわり電線材料)
【0085】さらに、上記で得られる成形体は、半導
体、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、プラズ
マアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディス
プレイパネル、太陽電池基板などの製造装置の、たとえ
ばCVD装置、エッチング装置、酸化拡散装置、スパッ
タリング装置、アッシング装置、イオン注入装置、排気
装置などの耐プラズマ性の要求される部位のO−リン
グ、シール材、ホース、チューブ、ダイヤフラム、ロー
ル、ライニング、コーティング;また、ウェットエッチ
ャー、洗浄装置、薬液配管、ガス配管などの耐薬品性が
要求される部位のO−リング、シール材、ホース、チュ
ーブ、ダイヤフラム、ロール;さらにこれらの装置のノ
ンダスト化、メタルフリーの要求される部位のO−リン
グ、シール材、ホース、チューブ、ダイヤフラム、ロー
ルとしても用いることができる。
【0086】その他の耐薬品性の要求される部位の具体
例としては、半導体、液晶バルブ、プラズマディスプレ
イパネルなどの製造装置における、レジスト現像液、剥
離液、ウエハー洗浄液用のO−リング、シール材、ホー
ス、チューブ、ポンプのダイヤフラム、ウエハー搬送用
のロールなどがあげられる。
【0087】また、その他の用途として、前記の加硫被
膜を形成させて使用するものがある。具体的には以下の
ような用途を示すことができる。 ・複写機用非粘着耐油ロール、 ・耐候結氷防止用ウエザーストリップ、 ・輸液用ゴム栓、 ・バイアルゴム栓、 ・離型剤、 ・非粘着軽搬送ベルト、 ・自動車エンジンマウントのプレーガスケットの粘着防
止被膜、 ・合成繊維の被覆加工、 ・パッキング被覆薄層をもつボルト部材または継ぎ手
【0088】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるも
のではない。
【0089】製造例1(E−HFP系共重合体1の製
造) 1.774リットルの内容積のステンレススチール製オ
ートクレーブに、イオン交換水0.887リットル、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム44.36gを仕込
み、充分窒素で置換した後、真空状態でヘキサフルオロ
プロピレン(HFP)を554gおよびエチレンを70
g仕込み、オートクレーブ内温度を65℃に昇温し、電
磁式撹拌機で系を撹拌しながらオートクレーブ内の圧力
が5.88MPaGになるまで放置し、ついで過硫酸ア
ンモニウム(APS)0.27gを水に溶かした溶液を
窒素ガスで圧入して反応を開始した。反応が進行するに
したがって圧力が低下するので、その圧力低下をエチレ
ンおよびHFPを26/74(重量比)の割合で加える
ことにより補い、一定圧力かつ一定温度で25時間反応
させた。またAPSを5時間ごとに追加し反応終了まで
にAPSを合計1.09g添加した。
【0090】反応終了後、残存モノマーを大気中に放出
し、得られた乳化分散体を塩化カルシウム水溶液にて凝
析し、イオン交換水で洗浄後120℃で恒量になるまで
乾燥して、エラストマー性の重合生成物を341.5g
得た。また、重合速度は15.4g/リットル・時間で
あった。
【0091】この重合生成物を1H−NMRで共重合組
成を調べたところ、E/HFP=65.2/34.8
(モル%)であり、ムーニー粘度(ML1+10、10
0℃)は94であった。フッ素含有量は56.3重量%
であった。
【0092】製造例2(E−HFP系共重合体2の製
造) 47リットルの内容積のステンレススチール製オートク
レーブに、イオン交換水23.5リットル、パーフルオ
ロオクタン酸アンモニウム1175g、リン酸水素2ナ
トリウム12水和物185g、水酸化ナトリウム18.
8g、パーブチルPV(t−ブチルパーオキシピバレー
ト70重量%含有、日本油脂(株)製)58g、t−ブタ
ノール865gを仕込み、充分に窒素で置換した後、真
空状態でヘキサフルオロプロピレン(HFP)を13.
02kg仕込み、15℃に温調し、ついであらかじめ混
合しておいたエチレン/テトラフルオロエチレン(TF
E)(エチレン87.7モル%)混合ガス411gをオ
ートクレーブの内圧が0.83MPaG(8.5kgf
/cm2G)になるまで圧入した。電磁式撹拌機で系を
撹拌しながら圧力が一定になるまで放置した。
【0093】イオン交換水800gに硫酸鉄(II)7水
和物を0.276g、エチレンジアミン四酢酸2ナトリ
ウムを0.326g、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナ
トリウム塩2水和物を46g溶解し、窒素ガスにてバブ
リングした。この溶液をオートクレーブにプランジャー
ポンプにて仕込み、反応を開始した。反応が進行するに
したがい圧力が低下するので、その圧力低下をエチレン
/テトラフルオロエチレン(エチレン91.7モル%)
の混合ガスを加えることにより補い、一定圧力かつ一定
温度で33.5時間反応させた。
【0094】反応終了後、残存モノマーを大気中に放出
し、得られた乳化分散体を塩化カルシウム水溶液にて凝
析し、イオン交換水で洗浄後120℃で恒量になるまで
乾燥して、エラストマー性の重合生成物を5600g得
た。また、重合速度は7.1g/リットル・時間であっ
た。
【0095】この重合生成物について、1H−NMR、
19F−NMRにて共重合組成を測定したところ、E/H
FP/TFE=54.1/40.7/5.3(モル%)
であり、フッ素含有量は61.9重量%であった。
【0096】実施例1 製造例1で製造したエラストマー性E−HFP系共重合
体1を使用し、この共重合体100部にカーボンブラッ
ク(MT−C:キャンカーブ社製のサーマックスMT)
30部、パーオキサイド系加硫剤(日本油脂(株)製のパ
ーブチルZ)3.7部、加硫促進剤(トリアリルイソシ
アヌレート((株)日本化成製))2.5部およびZn
O((株)堺化学製の1号亜鉛華)3.0部を混合し、オ
ープンロールを用いて常温にて混練した。得られたゴム
コンパウンドを金型に入れ、プレス加硫により1次加硫
(150℃、15分間)し、ついでオーブン加硫により
2次加硫(180℃、4時間)して加硫物シート(厚さ
2mm)を製造した。
【0097】得られた加硫物シートのリン系添加剤含有
オイルに対する体積膨潤率を前記の方法で測定した。結
果を表1に示す。
【0098】実施例2〜8 ZnOに代えて表1に示す金属酸化物を3.0部配合し
たほかは実施例1と同様にして加硫用組成物を調製し、
加硫して加硫物シートを作製した。これらの金属酸化物
含有加硫物シートの体積膨潤率を実施例1と同様にして
調べた。結果を表1に示す。
【0099】参考例1および比較例1〜2 金属酸化物を配合しない場合(参考例1)、金属酸化物
としてMgOを3.0部(比較例1)、CaOを3.0
部(比較例2)配合したほかは実施例1と同様にして加
硫用組成物を調製し、加硫して加硫物シートを作製し
た。これらの金属酸化物含有加硫物シートの体積膨潤率
を実施例1と同様にして調べた。結果を表1に示す。
【0100】なお、表1に示す金属酸化物はそれぞれつ
ぎのものである。 ZnO:(株)堺化学工業製の一号亜鉛華 PbO:日本化学工業(株)製の一号赤口 TiO2:(株)堺化学工業製のTITONE R−6
50 Cr23:日本化学工業(株)製の顔料用酸化クロムG
7 Fe23:日本弁柄工業(株)製の弁柄天賞印 MgO:協和化学(株)製のMA150 CaO:近江化学工業(株)製のCML#35 SiO2:シオノギ製薬(株)製のカープレックス#1
120 Al23:昭和電工(株)製のアルミナビーズCB−A
40 Sb23:味の素(株)製のポリセーフ100T
【0101】
【表1】
【0102】表1に示すとおり、MgOやCaOといっ
た金属酸化物を配合したときはリン系添加剤含有オイル
に対する膨潤性が大きくなっているが(比較例1〜
2)、本発明で使用する特定の金属酸化物では体積膨潤
率が金属酸化物を配合しない場合(参考例1)と変化し
ていないことが分かる。
【0103】実施例9、比較例3および参考例2 実施例1、比較例1および参考例1において、エラスト
マー性E−HFP系共重合体1に代えてP−TFE共重
合体(旭硝子(株)製のアフラス100S)を用いたほ
かは実施例1、比較例1および参考例1とそれぞれ同様
にして加硫用組成物(表2)を調製し、加硫して加硫物
シートを作製した。これらの金属酸化物含有加硫物シー
トの体積膨潤率を実施例1と同様にして調べた。結果を
表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】表2に示すとおり、金属酸化物としてMg
Oを配合したときはリン系添加剤含有オイルに対する膨
潤性が大きくなっているが(比較例3)、本発明で使用
する特定の金属酸化物では体積膨潤率が金属酸化物を配
合しない場合(参考例2)と変化していないことが分か
る。
【0106】実施例10、比較例4および参考例3 実施例1、比較例1および参考例1において、エラスト
マー性E−HFP系共重合体1に代えてE−HFP系共
重合体2を用いたほかは実施例1、比較例1および参考
例1とそれぞれ同様にして加硫用組成物(表3)を調製
し、加硫して加硫物シートを作製した。これらの金属酸
化物含有シートの体積膨潤率を実施例1と同様にして調
べた。結果を表3に示す。
【0107】
【表3】
【0108】表3に示すとおり、金属酸化物としてMg
Oを配合したときはリン系添加剤含有オイルに対する膨
潤性が大きくなっているが(比較例4)、本発明で使用
する特定の金属酸化物では体積膨潤率が金属酸化物を配
合しない場合(参考例3)と変化していないことが分か
る。また、E−HFP系共重合体ではフッ素含有量60
重量%以上(61.9重量%)で、体積膨潤率は7%以
下(4.7%)である。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、従来のE−HFP系ま
たはP−TFE系共重合体を用いた加硫物において、特
にリン系添加剤含有オイルに対する膨潤性が抑制された
加硫成形体を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 23/14 23/14 27/18 27/18 27/20 27/20 // C09K 3/10 C09K 3/10 M Q R (72)発明者 塚本 充郎 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 大谷 充宏 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 斎藤 秀哉 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA20X AA26X AA27X AB18 AB26 AC08 AE02 AF05 AG05 AH07 AH17 4H017 AA03 AA24 AB12 AC14 AC16 AD03 AE05 4J002 BB101 BB141 BD151 BD161 DE096 DE107 DE116 DE126 DE136 DE146 DE157 DJ016 EK036 EK046 EK056 EK066 EK086 FD146 FD150

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン構造単位とヘキサフルオロプロ
    ピレン構造単位を含む加硫可能なエラストマー性共重合
    体と有機加硫剤とを含み、金属酸化物としては、亜鉛酸
    化物、鉛酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ケイ素
    酸化物、アルミニウム酸化物、アンチモン酸化物および
    鉄酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のみを
    実質的に含む加硫可能な組成物を加硫して得られ、リン
    系添加剤含有オイルに対する体積膨潤率が15%以下で
    あるリン系添加剤含有オイル用加硫成形体。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物の群において、亜鉛酸化
    物がZnO、鉛酸化物がPbO、チタン酸化物がTiO
    2、クロム酸化物がCr23、ケイ素酸化物がSiO2
    アルミニウム酸化物がAl23、アンチモン酸化物がS
    23および鉄酸化物がFe23である請求項1記載の
    加硫成形体。
  3. 【請求項3】 前記エラストマー性共重合体がさらにテ
    トラフルオロエチレン構造単位を含む請求項1または2
    記載の加硫成形体。
  4. 【請求項4】 プロピレン構造単位とテトラフルオロエ
    チレン構造単位を含む加硫可能なエラストマー性共重合
    体と有機加硫剤とを含み、金属酸化物としては、亜鉛酸
    化物、鉛酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ケイ素
    酸化物、アルミニウム酸化物、アンチモン酸化物および
    鉄酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のみを
    実質的に含む加硫可能な組成物を加硫して得られ、リン
    系添加剤含有オイルに対する体積膨潤率が15%以下で
    あるリン系添加剤含有オイル用加硫成形体。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物の群において、亜鉛酸化
    物がZnO、鉛酸化物がPbO、チタン酸化物がTiO
    2、クロム酸化物がCr23、ケイ素酸化物がSiO2
    アルミニウム酸化物がAl23、アンチモン酸化物がS
    23および鉄酸化物がFe23である請求項4記載の
    加硫成形体。
  6. 【請求項6】 前記体積膨潤率が12%以下である請求
    項1〜5のいずれかに記載の加硫成形体。
  7. 【請求項7】 前記エラストマー性共重合体のフッ素含
    有量が60重量%以上であり、かつ前記体積膨潤率が7
    %以下である請求項1〜6のいずれかに記載の加硫成形
    体。
  8. 【請求項8】 前記リン系添加剤含有オイルが自動車用
    のギアオイルである請求項1〜7のいずれかに記載の加
    硫成形体。
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