JP2002179701A - セルロースアシレート - Google Patents
セルロースアシレートInfo
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- JP2002179701A JP2002179701A JP2000382015A JP2000382015A JP2002179701A JP 2002179701 A JP2002179701 A JP 2002179701A JP 2000382015 A JP2000382015 A JP 2000382015A JP 2000382015 A JP2000382015 A JP 2000382015A JP 2002179701 A JP2002179701 A JP 2002179701A
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- carbon atoms
- carboxylic acid
- cellulose acylate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 セルロースアシレートから、光学的等方性、
耐水性や寸度安定性を満足する製品を得る。 【解決手段】 セルロースとカルボン酸とのエステルか
らなるセルロースアシレートにおいて、カルボン酸とし
て、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基またはウレイド基を置換
基として有する芳香族カルボン酸を用いる。
耐水性や寸度安定性を満足する製品を得る。 【解決手段】 セルロースとカルボン酸とのエステルか
らなるセルロースアシレートにおいて、カルボン酸とし
て、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基またはウレイド基を置換
基として有する芳香族カルボン酸を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースとカル
ボン酸とのエステルからなるセルロースアシレートに関
する。
ボン酸とのエステルからなるセルロースアシレートに関
する。
【0002】
【従来の技術】セルロースとカルボン酸とのエステルか
らなるセルロースアシレートは、代表的なセルロース誘
導体であって、様々な技術分野において、特に、繊維、
フイルム、バインダーあるいはプラスチックとして利用
されている。セルロースと酢酸とのエステルからなるセ
ルロースアセテート、特にセルロースの水酸基が酢酸と
エステル結合している割合が高いセルローストリアセテ
ートは、最も普通に使用されているセルロースアシレー
トである。セルローストリアセテートフイルムは、強靭
で難燃性であるため、各種の写真材料や光学材料に用い
られている。セルローストリアセテートフイルムは、代
表的な写真感光材料の支持体である。また、セルロース
トリアセテートフイルムは、その光学的等方性から、近
年市場の拡大している液晶表示装置にも用いられてい
る。液晶表示装置における具体的な用途としては、偏光
板の保護フイルム、光学補償シートの支持体およびカラ
ーフィルターが代表的である。
らなるセルロースアシレートは、代表的なセルロース誘
導体であって、様々な技術分野において、特に、繊維、
フイルム、バインダーあるいはプラスチックとして利用
されている。セルロースと酢酸とのエステルからなるセ
ルロースアセテート、特にセルロースの水酸基が酢酸と
エステル結合している割合が高いセルローストリアセテ
ートは、最も普通に使用されているセルロースアシレー
トである。セルローストリアセテートフイルムは、強靭
で難燃性であるため、各種の写真材料や光学材料に用い
られている。セルローストリアセテートフイルムは、代
表的な写真感光材料の支持体である。また、セルロース
トリアセテートフイルムは、その光学的等方性から、近
年市場の拡大している液晶表示装置にも用いられてい
る。液晶表示装置における具体的な用途としては、偏光
板の保護フイルム、光学補償シートの支持体およびカラ
ーフィルターが代表的である。
【0003】写真材料の支持体や光学材料としての用途
においては、セルローストリアセテートフイルムの光学
的性質や物性に関する要求が厳しい。具体的には、光学
的等方性、透明性、機械的強度、耐久性、あるいは寸度
安定性に関して、非常に優れた値が要求されている。セ
ルローストリアセテートは古くから利用されている材料
であるから、原料、製造方法、成形方法から用途に至る
まで、従来から様々な改良手段が提案されている。しか
し、従来の改良手段を採用しても、最近の光学的性質や
物性に関する厳しい要求を満足することは難しい。従来
からのセルローストリアセテートの改良は、限界に近づ
きつつあると言える。
においては、セルローストリアセテートフイルムの光学
的性質や物性に関する要求が厳しい。具体的には、光学
的等方性、透明性、機械的強度、耐久性、あるいは寸度
安定性に関して、非常に優れた値が要求されている。セ
ルローストリアセテートは古くから利用されている材料
であるから、原料、製造方法、成形方法から用途に至る
まで、従来から様々な改良手段が提案されている。しか
し、従来の改良手段を採用しても、最近の光学的性質や
物性に関する厳しい要求を満足することは難しい。従来
からのセルローストリアセテートの改良は、限界に近づ
きつつあると言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】古くから利用されてい
るセルローストリアセテートでは、最近の厳しい光学的
性質や物性に関する要求、特に光学的等方性、耐水性や
寸度安定性を満足することが難しくなっている。本発明
の目的は、光学的等方性が優れたセルロースアシレート
を提供することである。別の本発明の目的は、耐水性や
耐久性が優れたセルロースアシレートを提供することで
ある。さらに別の本発明の目的は、寸度安定性が優れた
セルロースアシレートを提供することである。
るセルローストリアセテートでは、最近の厳しい光学的
性質や物性に関する要求、特に光学的等方性、耐水性や
寸度安定性を満足することが難しくなっている。本発明
の目的は、光学的等方性が優れたセルロースアシレート
を提供することである。別の本発明の目的は、耐水性や
耐久性が優れたセルロースアシレートを提供することで
ある。さらに別の本発明の目的は、寸度安定性が優れた
セルロースアシレートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(10)のセルロースアシレートにより達成さ
れた。 (1)セルロースとカルボン酸とのエステルからなるセ
ルロースアシレートであって、カルボン酸が、ハロゲン
原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、
炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が
6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のア
リールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、
炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子
数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が
1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれる置換基
を有する芳香族カルボン酸であることを特徴とするセル
ロースアシレート。 (2)上記芳香族カルボン酸が、安息香酸である(1)
に記載のセルロースアシレート。 (3)少なくとも一つの置換基が、安息香酸のメタ位ま
たはパラ位に結合している(2)に記載のセルロースア
シレート。
(1)〜(10)のセルロースアシレートにより達成さ
れた。 (1)セルロースとカルボン酸とのエステルからなるセ
ルロースアシレートであって、カルボン酸が、ハロゲン
原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、
炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が
6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のア
リールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、
炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子
数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が
1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれる置換基
を有する芳香族カルボン酸であることを特徴とするセル
ロースアシレート。 (2)上記芳香族カルボン酸が、安息香酸である(1)
に記載のセルロースアシレート。 (3)少なくとも一つの置換基が、安息香酸のメタ位ま
たはパラ位に結合している(2)に記載のセルロースア
シレート。
【0006】(4)上記カルボン酸が、ハロゲン原子、
シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原
子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至
20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリール
オキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原
子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数が1
乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が1乃至
20のウレイド基からなる群より選ばれる置換基を一個
乃至三個有する芳香族カルボン酸である(1)に記載の
セルロースアシレート。 (5)上記カルボン酸が、ハロゲン原子、シアノ、炭素
原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数が1乃至
20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のアリー
ル基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基、炭
素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原子数が1乃至
20のカルボンアミド基、炭素原子数が1乃至20のス
ルホンアミド基および炭素原子数が1乃至20のウレイ
ド基からなる群より選ばれる置換基を一個または二個有
する芳香族カルボン酸である(4)に記載のセルロース
アシレート。
シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原
子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至
20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリール
オキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原
子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数が1
乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が1乃至
20のウレイド基からなる群より選ばれる置換基を一個
乃至三個有する芳香族カルボン酸である(1)に記載の
セルロースアシレート。 (5)上記カルボン酸が、ハロゲン原子、シアノ、炭素
原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数が1乃至
20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のアリー
ル基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基、炭
素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原子数が1乃至
20のカルボンアミド基、炭素原子数が1乃至20のス
ルホンアミド基および炭素原子数が1乃至20のウレイ
ド基からなる群より選ばれる置換基を一個または二個有
する芳香族カルボン酸である(4)に記載のセルロース
アシレート。
【0007】(6)上記カルボン酸が、ハロゲン原子、
シアノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、炭素原
子数が1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至
12のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至12のア
シル基および炭素原子数が1乃至12のカルボンアミド
基からなる群より選ばれる置換基を有する芳香族カルボ
ン酸である(1)に記載のセルロースアシレート。 (7)上記カルボン酸が、ハロゲン原子、炭素原子数が
1乃至6のアルキル基および炭素原子数が1乃至6のア
ルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を有する芳香
族カルボン酸である(6)に記載のセルロースアシレー
ト。
シアノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、炭素原
子数が1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至
12のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至12のア
シル基および炭素原子数が1乃至12のカルボンアミド
基からなる群より選ばれる置換基を有する芳香族カルボ
ン酸である(1)に記載のセルロースアシレート。 (7)上記カルボン酸が、ハロゲン原子、炭素原子数が
1乃至6のアルキル基および炭素原子数が1乃至6のア
ルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を有する芳香
族カルボン酸である(6)に記載のセルロースアシレー
ト。
【0008】(8)セルロースを構成するグルコース単
位が有する三個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸
とエステル結合している水酸基の数が平均1.0以上で
ある(1)に記載のセルロースアシレート。 (9)セルロースを構成するグルコース単位が有する三
個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸とエステル結
合している水酸基の数が平均2.0以上である(8)に
記載のセルロースアシレート。 (10)150乃至700の粘度平均重合度を有する
(1)に記載のセルロースアシレート。
位が有する三個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸
とエステル結合している水酸基の数が平均1.0以上で
ある(1)に記載のセルロースアシレート。 (9)セルロースを構成するグルコース単位が有する三
個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸とエステル結
合している水酸基の数が平均2.0以上である(8)に
記載のセルロースアシレート。 (10)150乃至700の粘度平均重合度を有する
(1)に記載のセルロースアシレート。
【0009】
【発明の効果】本発明者は、従来のセルローストリアセ
テートに代わるセルロースアシレートとして、セルロー
スと芳香族カルボン酸とのエステルに着目した。セルロ
ースとエステルを形成する芳香族カルボン酸としては、
安息香酸、フタル酸およびその半エステル(例、モノメ
チルフタル酸)が知られている。しかし、これらの芳香
族カルボン酸エステルでは、期待される程度の物性や光
学的性質は得られていない。実用的には、フタル酸半エ
ステルが、胃を通過させる薬品のコーティングに用いら
れている程度である。本発明者がさらに研究を進めたと
ころ、セルロースとエステルを形成する芳香族カルボン
酸に、置換基としてハロゲン原子、シアノ、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ア
シル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基またはウ
レイド基を結合させると、驚くべきことに、物性および
光学的性質が優れたセルロースアシレートが得られるこ
とが判明した。このセルロースアシレートは、特に光学
的等方性、耐水性(疎水性)および寸度安定性が優れて
いる。従って、本発明のセルロースアシレートを使用す
ることで、光学的等方性、耐水性あるいは寸度安定性が
優れた様々な製品を製造することができる。
テートに代わるセルロースアシレートとして、セルロー
スと芳香族カルボン酸とのエステルに着目した。セルロ
ースとエステルを形成する芳香族カルボン酸としては、
安息香酸、フタル酸およびその半エステル(例、モノメ
チルフタル酸)が知られている。しかし、これらの芳香
族カルボン酸エステルでは、期待される程度の物性や光
学的性質は得られていない。実用的には、フタル酸半エ
ステルが、胃を通過させる薬品のコーティングに用いら
れている程度である。本発明者がさらに研究を進めたと
ころ、セルロースとエステルを形成する芳香族カルボン
酸に、置換基としてハロゲン原子、シアノ、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ア
シル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基またはウ
レイド基を結合させると、驚くべきことに、物性および
光学的性質が優れたセルロースアシレートが得られるこ
とが判明した。このセルロースアシレートは、特に光学
的等方性、耐水性(疎水性)および寸度安定性が優れて
いる。従って、本発明のセルロースアシレートを使用す
ることで、光学的等方性、耐水性あるいは寸度安定性が
優れた様々な製品を製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセルロースアシレート
は、セルロースとエステルを形成するカルボン酸が、ハ
ロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキ
ル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原
子数が6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至2
0のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシ
ル基、炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭
素原子数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原
子数が1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれる
置換基を有する芳香族カルボン酸であることを特徴とす
る。セルロースアシレートは、セルロースの水酸基の一
部または全部がカルボン酸とエステル化している化合物
の総称である。本発明では、このカルボン酸として、特
定の置換基を有する芳香族カルボン酸を用いる。セルロ
ースを構成するβ−1,4−グリコシド結合しているグ
ルコース単位では、下記式(I)のRが全て水素原子
(R1 :−H)である。本発明のセルロースアシレート
では、下記式(I)のRの一部または全部が、特定の置
換基(X)を有する芳香族アシル基(R2 :−CO−A
r−X)で置換されている。
は、セルロースとエステルを形成するカルボン酸が、ハ
ロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキ
ル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原
子数が6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至2
0のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシ
ル基、炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭
素原子数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原
子数が1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれる
置換基を有する芳香族カルボン酸であることを特徴とす
る。セルロースアシレートは、セルロースの水酸基の一
部または全部がカルボン酸とエステル化している化合物
の総称である。本発明では、このカルボン酸として、特
定の置換基を有する芳香族カルボン酸を用いる。セルロ
ースを構成するβ−1,4−グリコシド結合しているグ
ルコース単位では、下記式(I)のRが全て水素原子
(R1 :−H)である。本発明のセルロースアシレート
では、下記式(I)のRの一部または全部が、特定の置
換基(X)を有する芳香族アシル基(R2 :−CO−A
r−X)で置換されている。
【0011】
【化1】
【0012】式中、βは、β−1,4−グリコシド結合
であり;nは、セルロースアシレートの重合度であり;
Rは、R1 またはR2 であり;Arは、(X以外の置換
基を有していてもよい)二価の芳香族残基であり;そし
て、Xは、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至
20のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキ
シ基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、炭素原子
数が6乃至20のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃
至20のアシル基、炭素原子数が1乃至20のカルボン
アミド基、炭素原子数が1乃至20のスルホンアミド基
および炭素原子数が1乃至20のウレイド基からなる群
より選ばれる置換基である。
であり;nは、セルロースアシレートの重合度であり;
Rは、R1 またはR2 であり;Arは、(X以外の置換
基を有していてもよい)二価の芳香族残基であり;そし
て、Xは、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至
20のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキ
シ基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、炭素原子
数が6乃至20のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃
至20のアシル基、炭素原子数が1乃至20のカルボン
アミド基、炭素原子数が1乃至20のスルホンアミド基
および炭素原子数が1乃至20のウレイド基からなる群
より選ばれる置換基である。
【0013】芳香族カルボン酸が有する芳香族環は、芳
香族性炭化水素環、芳香族性複素環またはそれらの縮合
環である。芳香族性炭化水素環または芳香族性炭化水素
環と芳香族性複素環との縮合環が好ましく、芳香族性炭
化水素環がさらに好ましい。芳香族性炭化水素環の例に
は、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビレニレン環、ナフタセン環お
よびピレン環が含まれる。ベンゼン環、ナフタレン環お
よびアントラセン環が好ましく、ベンゼン環およびナフ
タレン環がさらに好ましく、ベンゼン環が最も好まし
い。言い換えると、芳香族カルボン酸としては、安息香
酸が最も好ましい。置換基の少なくとも一つが、安息香
酸のメタ位またはパラ位に結合していることが特に好ま
しい。また、安息香酸のオルト位は無置換であることが
好ましい。芳香族性炭化水素環と芳香族性複素環との縮
合環の例には、ベンゾトリアゾール環、キノリン環、イ
ソキノリン環、クロメン環、フタラジン環およびインド
ール環が含まれる。芳香族性炭化水素環に脂肪族性炭化
水素環が縮合していてもよい。そのような縮合環の例に
は、インダン環が含まれる。芳香族性炭化水素環に非芳
香族性複素環が縮合していてもよい。そのような縮合環
の例には、クロマン環およびインドリン環が含まれる。
香族性炭化水素環、芳香族性複素環またはそれらの縮合
環である。芳香族性炭化水素環または芳香族性炭化水素
環と芳香族性複素環との縮合環が好ましく、芳香族性炭
化水素環がさらに好ましい。芳香族性炭化水素環の例に
は、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビレニレン環、ナフタセン環お
よびピレン環が含まれる。ベンゼン環、ナフタレン環お
よびアントラセン環が好ましく、ベンゼン環およびナフ
タレン環がさらに好ましく、ベンゼン環が最も好まし
い。言い換えると、芳香族カルボン酸としては、安息香
酸が最も好ましい。置換基の少なくとも一つが、安息香
酸のメタ位またはパラ位に結合していることが特に好ま
しい。また、安息香酸のオルト位は無置換であることが
好ましい。芳香族性炭化水素環と芳香族性複素環との縮
合環の例には、ベンゾトリアゾール環、キノリン環、イ
ソキノリン環、クロメン環、フタラジン環およびインド
ール環が含まれる。芳香族性炭化水素環に脂肪族性炭化
水素環が縮合していてもよい。そのような縮合環の例に
は、インダン環が含まれる。芳香族性炭化水素環に非芳
香族性複素環が縮合していてもよい。そのような縮合環
の例には、クロマン環およびインドリン環が含まれる。
【0014】芳香族カルボン酸の置換基は、ハロゲン原
子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭
素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6
乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリ
ールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭
素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数
が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が1
乃至20のウレイド基からなる群から選ばれる。置換基
の数は、一個乃至五個であることが好ましく、一個乃至
四個であることがより好ましく、一個乃至三個であるこ
とがさらに好ましく、一個または二個であることが最も
好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基
およびカルボンアミド基が好ましく、ハロゲン原子、シ
アノ、アルキル基、アルコキシ基およびアリールオキシ
基がさらに好ましく、ハロゲン原子、アルキル基および
アルコキシ基が最も好ましい。
子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭
素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6
乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリ
ールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭
素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数
が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が1
乃至20のウレイド基からなる群から選ばれる。置換基
の数は、一個乃至五個であることが好ましく、一個乃至
四個であることがより好ましく、一個乃至三個であるこ
とがさらに好ましく、一個または二個であることが最も
好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基
およびカルボンアミド基が好ましく、ハロゲン原子、シ
アノ、アルキル基、アルコキシ基およびアリールオキシ
基がさらに好ましく、ハロゲン原子、アルキル基および
アルコキシ基が最も好ましい。
【0015】上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子およびヨウ素原子が含まれる。上記アル
キル基は、環状構造あるいは分岐を有していてもよい。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至12であることが好
ましく、1乃至6であることがさらに好ましく、1乃至
4であることが最も好ましい。アルキル基の例には、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−
ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチルおよび2
−エチルヘキシルが含まれる。上記アルコキシ基は、環
状構造あるいは分岐を有していてもよい。アルコキシ基
の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましく、1
乃至6であることがさらに好ましく、1乃至4であるこ
とが最も好ましい。アルコキシ基は、さらに別のアルコ
キシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例に
は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−
メトキシ−2−エトキシエトキシ、ブチルオキシ、ヘキ
シルオキシおよびオクチルオキシが含まれる。
原子、臭素原子およびヨウ素原子が含まれる。上記アル
キル基は、環状構造あるいは分岐を有していてもよい。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至12であることが好
ましく、1乃至6であることがさらに好ましく、1乃至
4であることが最も好ましい。アルキル基の例には、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−
ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチルおよび2
−エチルヘキシルが含まれる。上記アルコキシ基は、環
状構造あるいは分岐を有していてもよい。アルコキシ基
の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましく、1
乃至6であることがさらに好ましく、1乃至4であるこ
とが最も好ましい。アルコキシ基は、さらに別のアルコ
キシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例に
は、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−
メトキシ−2−エトキシエトキシ、ブチルオキシ、ヘキ
シルオキシおよびオクチルオキシが含まれる。
【0016】上記アリール基の炭素原子数は、6乃至1
2であることが好ましい。アリール基の例には、フェニ
ルおよびナフチルが含まれる。上記アリールオキシ基の
炭素原子数は、6乃至12であることが好ましい。アリ
ールオキシ基の例には、フェノキシおよびナフトキシが
含まれる。上記アシル基の炭素原子数は、1乃至12で
あることが好ましい。アシル基の例には、ホルミル、ア
セチルおよびベンゾイルが含まれる。上記カルボンアミ
ド基の炭素原子数は、1乃至12であることが好まし
い。カルボンアミド基の例には、アセトアミドおよびベ
ンズアミドが含まれる。上記スルホンアミド基の炭素原
子数は、1乃至12であることが好ましい。スルホンア
ミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスル
ホンアミドおよびp−トルエンスルホンアミドが含まれ
る。上記ウレイド基の炭素原子数は、1乃至12である
ことが好ましい。ウレイド基の例には、(無置換)ウレ
イドが含まれる。
2であることが好ましい。アリール基の例には、フェニ
ルおよびナフチルが含まれる。上記アリールオキシ基の
炭素原子数は、6乃至12であることが好ましい。アリ
ールオキシ基の例には、フェノキシおよびナフトキシが
含まれる。上記アシル基の炭素原子数は、1乃至12で
あることが好ましい。アシル基の例には、ホルミル、ア
セチルおよびベンゾイルが含まれる。上記カルボンアミ
ド基の炭素原子数は、1乃至12であることが好まし
い。カルボンアミド基の例には、アセトアミドおよびベ
ンズアミドが含まれる。上記スルホンアミド基の炭素原
子数は、1乃至12であることが好ましい。スルホンア
ミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスル
ホンアミドおよびp−トルエンスルホンアミドが含まれ
る。上記ウレイド基の炭素原子数は、1乃至12である
ことが好ましい。ウレイド基の例には、(無置換)ウレ
イドが含まれる。
【0017】以下に、芳香族カルボン酸から誘導される
芳香族アシル基(式(I)のR2 :−CO−Ar−Xに
相当)の例を示す。
芳香族アシル基(式(I)のR2 :−CO−Ar−Xに
相当)の例を示す。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】セルロースを構成するグルコース単位が有
する三個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸とエス
テル結合している水酸基の数の平均(アシル基の置換
度)は、1.0以上3.0以下であることが好ましく、
2.0以上3.0以下であることがさらに好ましい。二
種類以上の芳香族カルボン酸を用いて、セルロースの混
合カルボン酸エステルを形成してもよい。本発明の定義
に従う芳香族カルボン酸と、他のカルボン酸(例、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸)との混合エステル
を形成してもよい。ただし、他のカルボン酸との混合エ
ステルを形成する場合も、本発明の定義に従う芳香族カ
ルボン酸の置換度が、上記の定義のように1.0以上
3.0以下であることが好ましく、2.0以上3.0以
下であることがさらに好ましい。
する三個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸とエス
テル結合している水酸基の数の平均(アシル基の置換
度)は、1.0以上3.0以下であることが好ましく、
2.0以上3.0以下であることがさらに好ましい。二
種類以上の芳香族カルボン酸を用いて、セルロースの混
合カルボン酸エステルを形成してもよい。本発明の定義
に従う芳香族カルボン酸と、他のカルボン酸(例、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸)との混合エステル
を形成してもよい。ただし、他のカルボン酸との混合エ
ステルを形成する場合も、本発明の定義に従う芳香族カ
ルボン酸の置換度が、上記の定義のように1.0以上
3.0以下であることが好ましく、2.0以上3.0以
下であることがさらに好ましい。
【0026】セルロースアシレートは、セルロースと芳
香族カルボン酸クロライドまたは芳香族カルボン酸無水
物との反応により製造することができる。セルロースと
芳香族カルボン酸無水物との反応により製造することが
好ましい。芳香族カルボン酸無水物は、芳香族カルボン
酸とハロゲン化カルボン酸(例、トリフルオロ酢酸)と
の混合酸無水物であることが特に好ましい。混合酸無水
物は、芳香族カルボン酸とハロゲン化カルボン酸無水物
との反応により合成することができる。セルロースと芳
香族カルボン酸無水物(または混合酸無水物)との反応
については、各種文献(例えば、Journal of Applied P
olymer Science, Vol. 29, 3981-3990(1984))に記載が
ある。セルロースアシレートの原料となるセルロース
は、一般に綿花リンターまたは木材パルプである。綿花
リンターと木材パルプとを混合して使用してもよい。セ
ルロースアシレートの合成反応では、反応溶媒としてハ
ロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン)が好ましく用
いられる。
香族カルボン酸クロライドまたは芳香族カルボン酸無水
物との反応により製造することができる。セルロースと
芳香族カルボン酸無水物との反応により製造することが
好ましい。芳香族カルボン酸無水物は、芳香族カルボン
酸とハロゲン化カルボン酸(例、トリフルオロ酢酸)と
の混合酸無水物であることが特に好ましい。混合酸無水
物は、芳香族カルボン酸とハロゲン化カルボン酸無水物
との反応により合成することができる。セルロースと芳
香族カルボン酸無水物(または混合酸無水物)との反応
については、各種文献(例えば、Journal of Applied P
olymer Science, Vol. 29, 3981-3990(1984))に記載が
ある。セルロースアシレートの原料となるセルロース
は、一般に綿花リンターまたは木材パルプである。綿花
リンターと木材パルプとを混合して使用してもよい。セ
ルロースアシレートの合成反応では、反応溶媒としてハ
ロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン)が好ましく用
いられる。
【0027】セルロースアシレートの粘度平均重合度は
150乃至700であることがが好ましく、250乃至
550であることがさらに好ましい。粘度平均重合度
は、オストワルド粘度計で測定することができる。セル
ロースアシレートは、繊維、フイルム、バインダーある
いはプラスチックとして用いることができる。本発明の
セルロースアシレートの光学的等方性、耐水性および寸
度安定性に関する特徴は、フイルムとして使用する場合
に特に効果がある。また、耐水性、耐久性に関する特徴
は、繊維またはプラスチック成型品として使用する場合
に特に効果がある。
150乃至700であることがが好ましく、250乃至
550であることがさらに好ましい。粘度平均重合度
は、オストワルド粘度計で測定することができる。セル
ロースアシレートは、繊維、フイルム、バインダーある
いはプラスチックとして用いることができる。本発明の
セルロースアシレートの光学的等方性、耐水性および寸
度安定性に関する特徴は、フイルムとして使用する場合
に特に効果がある。また、耐水性、耐久性に関する特徴
は、繊維またはプラスチック成型品として使用する場合
に特に効果がある。
【0028】
【実施例】[実施例1] セルロースアシレート(1)の合成
【0029】
【化9】
【0030】冷却管、攪拌機および温度計が付いた20
0mlの三ツ口フラスコに、m−トルイル酸10.9g
(0.08モル)と無水トリフルオロ酢酸16.8g
(0.08モル)とを入れ、50℃で30分間攪拌し
た。次に、セルロース微粉末4.1g(0.025モ
ル)とジクロロメタン80mlとを入れ、5時間加熱還
流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、攪
拌しながらメタノール500mlにゆっくり注ぎ込んで
再沈殿させた。得られた白色結晶を濾取し、乾燥するこ
とにより、セルロースアシレート(1)を得た。収量は
12.3g(95%)であった。置換度をNMRで測定
したところ、2.9であった。粘度平均重合度は、30
0であった。
0mlの三ツ口フラスコに、m−トルイル酸10.9g
(0.08モル)と無水トリフルオロ酢酸16.8g
(0.08モル)とを入れ、50℃で30分間攪拌し
た。次に、セルロース微粉末4.1g(0.025モ
ル)とジクロロメタン80mlとを入れ、5時間加熱還
流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、攪
拌しながらメタノール500mlにゆっくり注ぎ込んで
再沈殿させた。得られた白色結晶を濾取し、乾燥するこ
とにより、セルロースアシレート(1)を得た。収量は
12.3g(95%)であった。置換度をNMRで測定
したところ、2.9であった。粘度平均重合度は、30
0であった。
【0031】[実施例2] セルロースアシレート(3)の合成
【0032】
【化10】
【0033】冷却管、攪拌機および温度計が付いた20
0mlの三ツ口フラスコに、m−アニス酸12.2g
(0.08モル)と無水トリフルオロ酢酸16.8g
(0.08モル)とを入れ、50℃で30分間攪拌し
た。次に、セルロース微粉末4.1g(0.025モ
ル)とジクロロメタン80mlとを入れ、5時間加熱還
流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、攪
拌しながらメタノール500mlにゆっくり注ぎ込んで
再沈殿させた。得られた白色結晶を濾取し、乾燥するこ
とにより、セルロースアシレート(3)を得た。収量は
12.5g(97%)であった。置換度をNMRで測定
したところ、2.8であった。粘度平均重合度は、30
0であった。
0mlの三ツ口フラスコに、m−アニス酸12.2g
(0.08モル)と無水トリフルオロ酢酸16.8g
(0.08モル)とを入れ、50℃で30分間攪拌し
た。次に、セルロース微粉末4.1g(0.025モ
ル)とジクロロメタン80mlとを入れ、5時間加熱還
流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、攪
拌しながらメタノール500mlにゆっくり注ぎ込んで
再沈殿させた。得られた白色結晶を濾取し、乾燥するこ
とにより、セルロースアシレート(3)を得た。収量は
12.5g(97%)であった。置換度をNMRで測定
したところ、2.8であった。粘度平均重合度は、30
0であった。
【0034】[実施例3] セルロースアシレート(10)の合成
【0035】
【化11】
【0036】冷却管、攪拌機および温度計が付いた20
0mlの三ツ口フラスコに、p−クロロ安息香酸12.
5g(0.08モル)と無水トリフルオロ酢酸16.8
g(0.08モル)とを入れ、50℃で30分間攪拌し
た。次に、セルロース微粉末4.1g(0.025モ
ル)とジクロロメタン80mlとを入れ、5時間加熱還
流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、攪
拌しながらメタノール500mlにゆっくり注ぎ込んで
再沈殿させた。得られた白色結晶を濾取し、乾燥するこ
とにより、セルロースアシレート(10)を得た。収量
は13.5g(94%)であった。置換度をNMRで測
定したところ、2.9であった。粘度平均重合度は、3
00であった。
0mlの三ツ口フラスコに、p−クロロ安息香酸12.
5g(0.08モル)と無水トリフルオロ酢酸16.8
g(0.08モル)とを入れ、50℃で30分間攪拌し
た。次に、セルロース微粉末4.1g(0.025モ
ル)とジクロロメタン80mlとを入れ、5時間加熱還
流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、攪
拌しながらメタノール500mlにゆっくり注ぎ込んで
再沈殿させた。得られた白色結晶を濾取し、乾燥するこ
とにより、セルロースアシレート(10)を得た。収量
は13.5g(94%)であった。置換度をNMRで測
定したところ、2.9であった。粘度平均重合度は、3
00であった。
【0037】[応用例1]実施例1で得られたセルロー
スアシレート(1)をジクロロメタンに溶解し、19.
0質量%の溶液(ドープ)を調製した。得られた溶液を
支持体上に流延し、冷却して、厚さが50μmのセルロ
ースアシレートフイルムを製造した。得られたフイルム
は、白濁することなく透明であった。
スアシレート(1)をジクロロメタンに溶解し、19.
0質量%の溶液(ドープ)を調製した。得られた溶液を
支持体上に流延し、冷却して、厚さが50μmのセルロ
ースアシレートフイルムを製造した。得られたフイルム
は、白濁することなく透明であった。
【0038】[応用例2]実施例2で得られたセルロー
スアシレート(3)をジクロロメタンに溶解し、19.
0質量%の溶液(ドープ)を調製した。得られた溶液を
支持体上に流延し、冷却して、厚さが50μmのセルロ
ースアシレートフイルムを製造した。得られたフイルム
は、白濁することなく透明であった。
スアシレート(3)をジクロロメタンに溶解し、19.
0質量%の溶液(ドープ)を調製した。得られた溶液を
支持体上に流延し、冷却して、厚さが50μmのセルロ
ースアシレートフイルムを製造した。得られたフイルム
は、白濁することなく透明であった。
【0039】[応用例3]実施例3で得られたセルロー
スアシレート(10)をジクロロメタンに溶解し、1
9.0質量%の溶液(ドープ)を調製した。得られた溶
液を支持体上に流延し、冷却して、厚さが50μmのセ
ルロースアシレートフイルムを製造した。得られたフイ
ルムは、白濁することなく透明であった。
スアシレート(10)をジクロロメタンに溶解し、1
9.0質量%の溶液(ドープ)を調製した。得られた溶
液を支持体上に流延し、冷却して、厚さが50μmのセ
ルロースアシレートフイルムを製造した。得られたフイ
ルムは、白濁することなく透明であった。
【0040】[参考例1]置換度が2.9、粘度平均重
合度が300のセルロースベンゾエートをジクロロメタ
ンに溶解し、19.0質量%の溶液(ドープ)を調製し
たところ、結晶が析出してフイルムの形成が困難であっ
た。
合度が300のセルロースベンゾエートをジクロロメタ
ンに溶解し、19.0質量%の溶液(ドープ)を調製し
たところ、結晶が析出してフイルムの形成が困難であっ
た。
Claims (10)
- 【請求項1】 セルロースとカルボン酸とのエステルか
らなるセルロースアシレートであって、カルボン酸が、
ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアル
キル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素
原子数が6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至
20のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のア
シル基、炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、
炭素原子数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素
原子数が1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれ
る置換基を有する芳香族カルボン酸であることを特徴と
するセルロースアシレート。 - 【請求項2】 上記芳香族カルボン酸が、安息香酸であ
る請求項1に記載のセルロースアシレート。 - 【請求項3】 少なくとも一つの置換基が、安息香酸の
メタ位またはパラ位に結合している請求項2に記載のセ
ルロースアシレート。 - 【請求項4】 上記カルボン酸が、ハロゲン原子、シア
ノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数
が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20
のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキ
シ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原子数
が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数が1乃至
20のスルホンアミド基および炭素原子数が1乃至20
のウレイド基からなる群より選ばれる置換基を一個乃至
三個有する芳香族カルボン酸である請求項1に記載のセ
ルロースアシレート。 - 【請求項5】 上記カルボン酸が、ハロゲン原子、シア
ノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数
が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20
のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキ
シ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原子数
が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数が1乃至
20のスルホンアミド基および炭素原子数が1乃至20
のウレイド基からなる群より選ばれる置換基を一個また
は二個有する芳香族カルボン酸である請求項4に記載の
セルロースアシレート。 - 【請求項6】 上記カルボン酸が、ハロゲン原子、シア
ノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、炭素原子数
が1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至12
のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至12のアシル
基および炭素原子数が1乃至12のカルボンアミド基か
らなる群より選ばれる置換基を有する芳香族カルボン酸
である請求項1に記載のセルロースアシレート。 - 【請求項7】 上記カルボン酸が、ハロゲン原子、炭素
原子数が1乃至6のアルキル基および炭素原子数が1乃
至6のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を有
する芳香族カルボン酸である請求項6に記載のセルロー
スアシレート。 - 【請求項8】 セルロースを構成するグルコース単位が
有する三個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸とエ
ステル結合している水酸基の数が平均1.0以上である
請求項1に記載のセルロースアシレート。 - 【請求項9】 セルロースを構成するグルコース単位が
有する三個の水酸基のうち、上記芳香族カルボン酸とエ
ステル結合している水酸基の数が平均2.0以上である
請求項8に記載のセルロースアシレート。 - 【請求項10】 150乃至700の粘度平均重合度を
有する請求項1に記載のセルロースアシレート。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000382015A JP2002179701A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | セルロースアシレート |
DE2001612229 DE60112229T2 (de) | 2000-12-15 | 2001-12-17 | Celluloseester einer aromatischen Carbonsäure |
EP20010130000 EP1215216B1 (en) | 2000-12-15 | 2001-12-17 | Cellulose ester of aromatic carboxylic acid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000382015A JP2002179701A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | セルロースアシレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002179701A true JP2002179701A (ja) | 2002-06-26 |
Family
ID=18849921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000382015A Pending JP2002179701A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | セルロースアシレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002179701A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014513178A (ja) * | 2011-04-13 | 2014-05-29 | イーストマン ケミカル カンパニー | セルロースエステル光学フィルム |
US9777074B2 (en) | 2008-02-13 | 2017-10-03 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a halogenated ionic liquid process and products produced therefrom |
WO2017175752A1 (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社ダイセル | セルロースエステルとその成形体 |
US9834516B2 (en) | 2007-02-14 | 2017-12-05 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a carboxylated ionic liquid process and products produced therefrom |
US9926384B2 (en) | 2009-04-15 | 2018-03-27 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a tetraalkylammonium alkylphosphate ionic liquid process and products produced therefrom |
JP2018145383A (ja) * | 2016-04-08 | 2018-09-20 | 株式会社ダイセル | セルロースエステルからなる成形体 |
JP2018145382A (ja) * | 2016-04-08 | 2018-09-20 | 株式会社ダイセル | セルロース混合エステルとその成形体 |
US10174129B2 (en) | 2007-02-14 | 2019-01-08 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a carboxylated ionic liquid process and products produced therefrom |
-
2000
- 2000-12-15 JP JP2000382015A patent/JP2002179701A/ja active Pending
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9834516B2 (en) | 2007-02-14 | 2017-12-05 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a carboxylated ionic liquid process and products produced therefrom |
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US9777074B2 (en) | 2008-02-13 | 2017-10-03 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a halogenated ionic liquid process and products produced therefrom |
US9926384B2 (en) | 2009-04-15 | 2018-03-27 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a tetraalkylammonium alkylphosphate ionic liquid process and products produced therefrom |
US10494447B2 (en) | 2011-04-13 | 2019-12-03 | Eastman Chemical Company | Cellulose ester optical films |
US9796791B2 (en) | 2011-04-13 | 2017-10-24 | Eastman Chemical Company | Cellulose ester optical films |
US9975967B2 (en) | 2011-04-13 | 2018-05-22 | Eastman Chemical Company | Cellulose ester optical films |
JP2014513177A (ja) * | 2011-04-13 | 2014-05-29 | イーストマン ケミカル カンパニー | セルロースエステル光学フィルム |
JP2014513178A (ja) * | 2011-04-13 | 2014-05-29 | イーストマン ケミカル カンパニー | セルロースエステル光学フィルム |
US10836835B2 (en) | 2011-04-13 | 2020-11-17 | Eastman Chemical Company | Cellulose ester optical films |
WO2017175752A1 (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社ダイセル | セルロースエステルとその成形体 |
JP2018145383A (ja) * | 2016-04-08 | 2018-09-20 | 株式会社ダイセル | セルロースエステルからなる成形体 |
JP2018145382A (ja) * | 2016-04-08 | 2018-09-20 | 株式会社ダイセル | セルロース混合エステルとその成形体 |
KR20180133851A (ko) * | 2016-04-08 | 2018-12-17 | 주식회사 다이셀 | 셀룰로오스에스테르와 그의 성형체 |
US10927190B2 (en) | 2016-04-08 | 2021-02-23 | Daicel Corporation | Cellulose ester and molded article thereof |
KR102360119B1 (ko) * | 2016-04-08 | 2022-02-09 | 주식회사 다이셀 | 셀룰로오스에스테르와 그의 성형체 |
US11643476B2 (en) | 2016-04-08 | 2023-05-09 | Daicel Corporation | Cellulose ester and molded article thereof |
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