JPH0565301A - カーボネート化セルロース誘導体 - Google Patents

カーボネート化セルロース誘導体

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JPH0565301A
JPH0565301A JP3255895A JP25589591A JPH0565301A JP H0565301 A JPH0565301 A JP H0565301A JP 3255895 A JP3255895 A JP 3255895A JP 25589591 A JP25589591 A JP 25589591A JP H0565301 A JPH0565301 A JP H0565301A
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JP
Japan
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formula
cellulose
derivative
carbonated
group
Prior art date
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Withdrawn
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JP3255895A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Naka
浩之 中
Fumihiko Sato
文彦 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿性、耐候性に優れた新規セルロース誘導
体。 【構成】 【化1】 〔式中、a,b及びcは、a≧0、b≧0、c>0であ
り、a+b+c=3を満足する数であり、Rは、 【化2】 (ここに、R”はC1 〜C12のアルキル基、又はシクロ
アルキル基を表す。)、または−NO2 基を表し、R'
はC1 〜C12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニ
ル基または置換フェニル基を表す。nはセルロース誘導
体の重合度を表し、10〜3,000の数を示す。〕で
表されるカーボネート化セルロース誘導体。 【効果】 本発明による新規カーボネート化セルロース
誘導体は耐湿性、耐候性に優れ、フィルム、塗料用樹
脂、コーティング材料、接着剤などの原料として有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカーボネート化
セルロース誘導体に関するものであり、耐湿性、離型
性、耐候性に優れ、成形品、フィルム、塗料用樹脂、コ
ーティング材料、接着剤等の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】これまで、米国特許第3,767,64
2号明細書や米国特許第2,824,098号明細書で
示されるセルロースエステル誘導体はフィルム、塗料用
樹脂、コーティング材料、成形品などとして実用に供さ
れている。しかしながら、これらは湿度の高い条件や直
射日光に弱く、加水分解を受けて異臭を発生したり、着
色して変性することが共通の問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
の置換基を有し、耐湿性、耐候性を有するセルロース誘
導体を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、セルロース
誘導体であって、耐湿性、耐候性に優れた化合物を開発
するために鋭意研究を重ねた結果、セルロース分子中に
或るヒドロキシル基をカーボネート化した誘導体が、そ
の目的に適合することを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は下記〔I〕で表される
カーボネート化セルロース誘導体である。
【化3】
【0006】〔式中、a,b及びcは、a≧0、b≧
0、c>0であり、a+b+c=3を満足する数であ
り、Rは、
【化4】
【0007】(ここに、R”はC1 からC12のアルキル
基、またはシクロアルキル基である)、または−NO2
基を表し、R’はC1 からC12のアルキル基、シクロア
ルキル基、フェニル基または置換フェニル基を表す。n
はセルロース誘導体の重合度を表し、10〜3,000
の数を示す。〕
【0008】この式〔I〕におけるR’のアルキルは、
直鎖状、枝分かれ状のいずれでもよいが、好ましくは、
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどの直鎖
である。また、置換フェニルは、例えばp−フロロフェ
ニル、p−クロロフェニルなどのハロゲン置換フェニ
ル;メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニ
ル等のアルキル置換フェニル等が挙げられる。中でもフ
ェニル基が好ましい。
【0009】本発明の化合物はいずれも文献未載の新規
化合物であり、セルロース原料(例えばパルプ、脱脂
綿、セルロース微結晶、セルロースジアセテート、セル
ローストリアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、硝酸セルロースなど)に例えば下記式〔II〕のよ
うなカーボネート化合物を反応させたり、
【0010】
【化5】 (式中、R”はC1 〜C12のアルキル基、シクロアルキ
ル基、フェニル基、置換フェニルを表す。)
【0011】下記式〔III〕で表される酸クロリドを
反応させることにより得ることができる。
【化6】 (式中、R”は式〔II〕でのR”と同じである。)
【0012】前記セルロース原料と式〔II〕あるいは
式〔III〕で示される化合物との反応は、溶媒を使用
したり、使用せずに直接に反応させて得ることができ
る。
【0013】溶媒としては、一般的にはDMSO、DM
F、DMAc、ピリジン、N−メチルピロリドンなどの
極性の高い化合物が用いられる。反応温度は、セルロー
ス原料の種類、溶媒の種類、その他の条件により必ずし
も一定しないが、通常は常温〜230℃、好ましくは5
0〜210℃の間の温度から選ばれる。
【0014】また、反応を促進するために、触媒を使用
する方が好ましく、スズ、亜鉛、マグネシウム、チタ
ン、鉛、ジルコニウムなどの金属化合物、例えばn−ジ
ブチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、酢
酸亜鉛、酢酸マグネシウム、テトラアルコキシチタン、
酢酸鉛などを挙げることができる。
【0015】このようにして得られる反応混合物から、
目的化合物を得るには、例えば未反応の式〔II〕ある
いは式〔III〕の化合物や副生物、さらに反応に使用
した溶媒や触媒を溶解させ、かつ目的化合物は溶解しな
い洗浄溶剤、例えばメタノール、エタノールなどのアル
コール類を使用して目的物を析出、精製することが出来
る。具体的には、アルコール類に反応混合物を注ぎ、析
出する目的化合物を濾過するか、又は遠心分離機で分離
することにより、単離することができる。
【0016】本発明の化合物は、その赤外線吸収スペク
トルが1600〜1700nm付近にカルボニル基に由
来する吸収を示すことおよび式〔I〕におけるR’によ
る新たなプロトンの増加を核磁気共鳴装置(NMR)に
よって同定することができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例および応用例によって本発明を
詳細に説明するが、これらは本発明の特許請求の範囲を
制限しない。
【0018】
【実施例1】ジフェニルカーボネート(融点80℃)1
35gを加熱溶解し、その中にセルローストリアセテー
ト6.0g、触媒としてn−ジブチルスズオキサイド8
3.4mgを投入し、反応温度を180℃に保ち、窒素
下、強く攪拌して反応を進める。加熱溶解したジフェニ
ルカーボネートに懸濁していたセルローストリアセテー
トは温度の上昇とともに溶解し、均一な透明液となる。
【0019】均一な透明液となって後、加熱を4.5時
間続ける。反応液を50〜60℃に冷却した後、予めメ
タノール400mlを入れたビーカーに攪拌条件下で反
応液を注入する。直ちに、メタノールに溶解しない目的
物が沈澱物として析出する。濾集して得られた沈澱物を
再びメタノール300mlに分散させ、未反応のジフェ
ニルカーボネートや触媒を溶解させ、濾過操作により目
的物7.2gを得る。
【0020】さらに、セルローストリアセテートが上記
沈澱物に付着している場合には、沈澱物をアセトン10
0mlに投入後、濾別し(セルローストリアセテートは
アセトンに不溶)、濾液を濃縮すれば精製されたカーボ
ネート化セルロースを得ることができる。得られもの
は、微黄色の綿状固体である。
【0021】このものの赤外線吸収スペクトルおよびH
1 −NMRのチャートを図1〜2、図4(溶媒;重クロ
ロホルム)図5(溶媒;重アセトン)に示す。図1〜2
において、原料のセルローストリアセテートにはない、
フェニルに基づく1500cm-1、1600cm-1の強
い吸収によってジフェニルカーボネートとの反応が認め
られる。さらに、図4〜5においてフェニル基に起因す
る7.2ppmのプロトン積分値から、置換度1.02
と計算される。
【0022】
【実施例2】セルロースジアセテート2.4gをDMS
O 36gに溶解し、ジフェニルカーボネート25.6
gとn−ジブチルスズオキサイド23mgを添加し、1
10℃に加熱した。
【0023】加熱を初めて1時間位経過すると茶褐色の
粘稠液となるが、そのまま反応を5時間続けた。反応液
を50〜60℃に冷却後、メタノール300mlに注入
し、析出した沈澱物を濾取し、実施例1と同じように再
びメタノール200mlにて洗浄、精製して目的物2.
3gを得た。実施例1と同様にして得られたカーボネー
ト化セルロースの赤外線吸収スペクトルおよびNMRチ
ャートを解析することにより置換度0.3と計算され
た。
【0024】
【応用例】実施例1で合成したカーボネート化セルロー
スの一部をクロロホルムに溶解し、10%液とした後、
0.2μmのフィルターで濾過し、シャーレに注ぎ、風
乾して成膜した。膜厚は約1.4μmであった。得られ
た膜の強度、耐湿性を試験して、下記表1に示す結果を
得た。
【0025】比較例として、市販のセルロースアセテー
トプロピオネート(E.Kodak社製)、セルロース
アセテートブチレート(E.Kodak社製)を上記と
同様にて成膜して試験に供した。その結果を表1に載せ
た。
【0026】
【表1】
【0027】なお、膜強度は引張試験機にて測定し、耐
湿性については相対湿度100%の雰囲気(底に水を張
った密閉容器)に入れた時の膜の状態を観察した。
【0028】
【発明の効果】本発明の新規カーボネート化セルロース
は、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレート等の他のエステル誘導体に比べて耐湿性に
優れ、膜強度も強い。従って、フィルム、塗料用樹脂、
コーティング材料、接着剤などとしても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化合物の1例の赤外線吸収スペク
トル図を示す。
【図2】原料のセルローストリアセテートの赤外線吸収
スペクトル図を示す。
【図3】本発明の化合物の1例の構造式を示し、下記図
4〜5のスペクトル図中の基をその式中の(イ)〜
(リ)で表す。
【図4】本発明の化合物の1例の重クロロホルム中での
1 −NMRスペクトラムである。
【図5】図4で測定した同サンプルの重アセトン中での
1 −NMRスペクトラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08B 5/02 8615−4C 7/00 8615−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔I〕で表されるカーボネート化
    セルロース誘導体。 【化1】 〔式中、a,b及びcは、a≧0、b≧0、c≧0であ
    り、a+b+c=3を満足する数であり、 Rは、 【化2】 (ここに、R”はC1 からC12のアルキル基、またはシ
    クロアルキル基である)、または−NO2 基を表し、 R’はC1 からC12のアルキル基、シクロアルキル基、
    フェニル基または置換フェニル基を表す。nはセルロー
    ス誘導体の重合度を表し、10〜3,000の数を示
    す。〕
JP3255895A 1991-09-09 1991-09-09 カーボネート化セルロース誘導体 Withdrawn JPH0565301A (ja)

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Effective date: 19981203