JP2002179605A - エトキシエトキシスチレン用重合禁止剤及びそれを用いた蒸留方法 - Google Patents
エトキシエトキシスチレン用重合禁止剤及びそれを用いた蒸留方法Info
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Abstract
レンの重合禁止能に優れたエトキシエトキシスチレン用
重合禁止剤及びそれを用いた蒸留方法を提供する。 【解決の手段】ハイドロキノン系化合物からなり、下記
一般式(1) 【化3】 で表されるエトキシエトキシスチレン用重合禁止剤及び
それを用いた蒸留方法を用いる。
Description
分子等の原料として有用なエトキシエトキシスチレンの
重合禁止剤及びそれを用いた蒸留方法に関するものであ
る。例えば、パラ−(1−エトキシエトキシ)スチレン
(以下、PEESと略記する)は、超LSI用途等に使
用されるレジスト原料として極めて有用であることが知
られている(特開昭59−199705号公報、特開平
3−277608号公報、特開平6−266112号公
報)。
スチレンは、一般に光や熱及び酸分の存在などによって
分解や重合することが知られている。
離回収するための蒸留操作時に起こる製品重合がしばし
ば問題となる。すなわち、蒸留時にかかる熱によりPE
ESが重合し、ポリマー状物質を形成して製品収率が著
しく低下するという問題がある。更に、生成する高粘性
のポリマー状物質は、蒸留釜内及び蒸留塔内において種
々のトラブルを引き起こし、蒸留装置及び操作等に多大
な負荷をかけることになる。
間保存すると、製品が一部重合して製品品質が低下する
問題を有している。
めには、重合禁止剤の存在下に種々の操作を行う方法が
好ましい。
−第三級−ブトキシスチレン(以下、PTBSと略記す
る)及びメタ−第三級−ブトキシスチレンの如き化合物
の重合禁止剤としては、フェノ−ル類、ニトロソフェノ
−ル類及びニトロフェノ−ル類が知られている。PTB
Sの製造方法において、重合禁止剤としてp−t−ブチ
ルカテコールの存在下に蒸留を行う方法(特公平4−7
1896号公報、特開平2−160739号公報)が開
示されているが、この重合禁止剤は、エトキシエトキシ
スチレンに適用した場合、低温、短時間の蒸留条件下に
おいてはある程度の重合抑制効果は認められるものの、
工業化レベルの高温、長時間蒸留では、十分な重合抑制
効果が維持できず、製品収率が低下するという問題に加
え、高粘性ポリマー状物質の生成により蒸留塔及び配管
が閉塞したり、分解物が主留分に混入し低品質の製品し
か得られない等の問題がある。
ェノ−ル類で代表されるニトロソ化合物やニトロ化合物
も、前記p−t−ブチルカテコールと同様に重合抑制効
果を有しているものの、工業化レベルの高温、長時間蒸
留条件下ではPEESの重合を起こし易く、製品収率の
低下を招く問題がある。
問題点を有し、エトキシエトキシスチレンの重合禁止剤
として満足できるものではない。
に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の問題
点を解決し、エトキシエトキシスチレンの重合禁止能に
優れたエトキシエトキシスチレン用重合禁止剤及びそれ
を用いた蒸留方法を提供することにある。
点を解決すべく鋭意検討した結果、エトキシエトキシス
チレン用重合禁止剤として、ハイドロキノン系化合物、
特に嵩高い構造を有したハイドロキノン系化合物が極め
て高い重合禁止能を有することを見出した。例えば、蒸
留時の重合抑制剤としてのみならず、エトキシエトキシ
スチレンの保存安定剤としてもすぐれていることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
チレンの重合防止方法において、重合禁止剤が、ハイド
ロキノン系化合物であることを特徴とするエトキシエト
キシスチレン用重合禁止剤及びそれを用いた蒸留方法で
ある。
シスチレンとは、下記一般式(1)
ば、パラ−(1−エトキシエトキシ)スチレン、メタ−
(1−エトキシエトキシ)スチレン等が挙げられる。
合物からなっており、構造式中にハイドロキノン骨格を
含有するものを言い、殊に、ハイドロキノンが種々の置
換基により置換された構造の化合物である。この重合禁
止剤は、特にエトキシエトキシスチレンの蒸留、保存、
輸送等において優れた重合抑制効果がある。
2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキ
ノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジシ
アノハイドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)ハイドロキノン、2,3,5−ト
リメチルハイドロキノンなどの第一級、第二級、第三級
のアルキル基により置換された化合物などが挙げられ
る。これらは1種単独で用いても構わないが、任意の2
以上を併用しても差し支えない。
易さを考慮すると、第三級アルキル基により置換された
化合物、さらに第三級アルキル基が2以上置換した化合
物が好ましく、例えば、2,5−ジ−t−ブチルハイド
ロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノンが挙
げられる。
装置、方法を用いることができ、蒸留の際には、エトキ
シエトキシスチレンと重合禁止剤とを同時にあるいは別
々に容器に加えればよく、その順序は適宜決めればよ
い。さらに、これらを一度の全量加えてもよいが、少量
ずつ加えることもできる。
トキシスチレンに対し、1ppm〜20重量%、好まし
くは、100ppm〜10重量%の範囲が選ばれる。添
加量が1ppm未満では重合禁止効果が十分に発揮され
ないことがあり、また、20重量%を越えると添加量の
割には効果の向上が見られず、むしろ経済的に不利とな
ることがある。
条件下であれば十分な重合禁止能が発現する。特に、1
50℃以下の条件下であれば、極めて高い重合禁止能を
発現する。
る場合、通常、減圧下で実施され、圧力としては0.1
〜200mmHgの範囲が選ばれる。さらに、蒸留にお
いては、気流同伴を伴わない無気条件又は、窒素あるい
は空気等の気流同伴を行う有気条件下のいずれで蒸留を
実施しても良い。
チレンと共存させておけば、エトキシエトキシスチレン
を長期に保存したり、輸送する際にもその重合を抑制す
ることができ有用である。保存や輸送時における重合禁
止剤の添加量、温度、時間等は重合禁止剤やエトキシエ
トキシスチレンの種類などにより変わるため一概には言
えないが、通常用いられる範囲内で適宜行えばよい。
の方法によれば、エトキシエトキシスチレンの重合を十
分に抑制し、高い回収率の蒸留や、長期安定保存を可能
とする。
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
止剤として2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン40
gを添加した。次にこのフラスコに還流コンデンサーを
取り付けて、130℃、2mmHgの条件で還流比を調
整しながら30時間かけて、PEESを蒸留回収した。
なお、この際、液中にキャピラリーを通じて窒素を導入
した。蒸留終了後にフラスコ内の残差を液体クロマトグ
ラフィーで分析し、ポリマーの収率を求めた。PEES
の回収率を含め、その結果を表1に示す。
ノンに代えて、表1に示した重合禁止剤を所定量用いた
以外は、実施例1に準じてPEESを蒸留回収した。結
果を表1にまとめて示す。
1に準じてPEESを蒸留回収した。結果を表1にまと
めて示す。
て、表1に示した重合禁止剤を所定量用いた以外は、実
施例1に準じてPEESを蒸留回収した。結果を表1に
まとめて示す。
例に比べ、PEESの安定性に優れ、ポリマーの生成量
が少なくなっていることが分かる。特に、実施例1及び
実施例2で用いた重合禁止剤の効果は格段に優れている
ことが分かる。
として2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンをPEE
Sに対して200ppm添加した。次に気相部を窒素で
置換した後に蓋をして、40℃に設定したインキュベー
ター中で保存した。6ヶ月後にサンプル瓶中のPEES
を液体クロマトグラフィーで分析し、ポリマーの収率を
求めた。その結果を表2に示す。
ノンに代えて、表2に示した重合禁止剤を所定量用いた
以外は、実施例8に準じて保存安定性試験を実施した。
結果を表2にまとめて示す。
実施例8に準じて保存安定性試験を実施した。結果を表
1にまとめて示す。
えて、表2に示した重合禁止剤を所定量用いた以外は、
実施例8に準じて保存安定性試験を実施した。結果を表
1にまとめて示す。
例に比べ、PEESの安定性に優れ、樹脂化した量も格
段に少なくなっていることが分かる。
Claims (4)
- 【請求項1】ハイドロキノン系化合物からなり、下記一
般式(1) 【化1】 で表されるエトキシエトキシスチレン用重合禁止剤。 - 【請求項2】ハイドロキノン系化合物が、2−t−ブチ
ルハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、
2,3−ジシアノハイドロキノン、2,5−ビス(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノン、
2,3,5−トリメチルハイドロキノンからなる群から
選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
1に記載のエトキシエトキシスチレン用重合禁止剤。 - 【請求項3】ハイドロキノン系化合物が、2,5−ジ−
t−ブチルハイドロキノン及び/又は2,5−ジ−t−
アミルハイドロキノンであることを特徴とする請求項1
に記載の重合禁止剤。 - 【請求項4】エトキシエトキシスチレンを蒸留するに際
して、請求項1〜3のいずれかに記載のハイドロキノン
系化合物を共存させることを特徴とするエトキシエトキ
シスチレンの蒸留方法。
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