JP6195028B1 - α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法 - Google Patents

α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法を提供する。【解決手段】式[式中、R1はアルキル基または置換アルキル基を表す。]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、酸素(O2)または不活性ガスの雰囲気下、密閉容器内で気相と液相とを有する気液状態で保存する方法において、該容器内の気相部の酸素濃度が5000ppm以下となるよう調整し、次いで、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存する工程を含むことを特徴とする。当該方法によれば、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールのジフルオロ酢酸への変化を長期間に亘り抑制できる。【選択図】なし

Description

本発明は、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法に関する。
式[1]:
Figure 0006195028
で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドは、先端材料分野の材料もしくは医農薬用の中間体として有用な化合物である。ジフルオロメチル基(−CHF)は、高い電気陰性度を持つフッ素原子2つおよび水素原子1つが、同一の炭素原子に結合している。この特異な構造が、それを用いて合成した各種材料の撥水性、透明性、低誘電性、特異な生理活性、ミミック効果、などの特徴に深く関係すると考えられている。このため、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドをビルディングブロックとして用いた物質は、先端材料分野及び医農薬中間体などの分野で、活発な研究開発の対象となっている。
このようなα,α−ジフルオロアセトアルデヒド類の製造方法として、触媒存在下、ジフルオロメチル基を持つエステル類に対し、水素化リチウムアルミニウム等のヒドリド還元剤を用いた還元反応が知られている(非特許文献1)。また、本出願人は、α,α−ジフルオロ酢酸エステル類に対し、ルテニウム触媒の存在下、水素(H)による還元反応による方法を開示している(特許文献1)。
一方、アルデヒドという物質は不安定で、次第に他のアルデヒド分子と重合することが知られている(非特許文献2)。本発明で対象とするアルデヒドは、強力な電子求引基であるジフルオロメチル基が直結しているため、自己重合体、水和体、ヘミアセタール体、アセタール体、及び、これらの構造的特徴が組み合わさった化合物等、複数の安定な等価体として得られることも、特許文献1に開示されている。
このように、ジフルオロメチル基が直結しているアルデヒドは、複数の化合物に変換されやすい傾向があった。そこで、本出願人は、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドは、一般式[2]:
Figure 0006195028
[式中、Rはアルキル基または置換アルキル基を表す。]
で表されるアルコールとの共存下では、一般式[3]:
Figure 0006195028
[式中、Rは一般式[2]におけるRと同じ。]
で示されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを形成するところ、共存するアルコールの量を調整することで、該ヘミアセタールが系内に安定に存在しやすくなり(保存安定性の向上)、併せて、該ヘミアセタール以外の化合物(二量体)を格段と生成しにくくなるという特異的な現象をも見出し、特許文献2でその旨を報告している。
国際公開第2014/115801号 国際公開第2016/017318号
The Journal of Organic Chemistry,1997,62(25),8826−8834. 有機合成化学第19巻第3号(1961年)、254〜260頁
α,α−ジフルオロアセトアルデヒドは、自己重合体、水和体、ヘミアセタール体等、安定な等価体として得られることは、前述した特許文献等で既に周知の事実である為、当業者であればこれらの特許文献を参考に、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドをアルコールとの共存下、一般式[3]で示されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを形成させることは容易である。
また、特許文献2に記載の方法は、ヘミアセタールの長期保存が可能となり、ヘミアセタール以外の、この化合物特有の現象とも言える、一般式[4]:
Figure 0006195028
[式中、Rは一般式[2]におけるRと同じ。]
で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドの二量体(以下、本明細書で単に「二量体」と言うことがある)についても、抑制できる。
このように、特許文献2に記載の方法はヘミアセタールの保存において有用な方法であるが、該方法は、保管条件に幾つかの制限(系内が中性であること、水の含有量が1000ppm以下であること、系内のアルコールの総モル数が、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドの総モル数に対して1.15倍以上、4.00倍以下であること)があり、長期間の保存を行うにあたり、必ずしも簡便な方法とは言えなかった。
また、前記で述べた通り、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドは、ヘミアセタールを形成することで保存安定性が向上するが、保管中に分解が進行し、分解物としてジフルオロ酢酸が副生してしまうこともあった(後述の比較例)。一旦、ジフルオロ酢酸が生成してしまうと、この化合物自体、強酸性物質であり、この量が増えることで反応容器の材質に影響を与えることから、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドの長期保存には不向きであった。
そこで、ジフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールが、保管中に分解が進行しない条件、すなわち、保存安定性の向上のための知見が求められていた。
このような課題に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、不活性ガス雰囲気下、密閉容器内で気相と液相とを有する気液状態で保存するにあたり、気相部の酸素濃度を5000ppm以下、かつ、遮光条件下とすることで、それ自身分解せずにジフルオロ酢酸の生成が抑制できるという知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[発明1]−[発明6]に記載する発明を提供する。
[発明1]
一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、酸素(O)または不活性ガスの雰囲気下、密閉容器内で気相と液相とを有する気液状態で保存する方法において、
該容器内の気相部の酸素(O)濃度が5000ppm以下となるよう調整し、
次いで、
α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存する工程を含む、
前記方法。
[発明2]
以下の工程を含む、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法。
[第1工程]
一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを容器に供給し、
該容器内を、該α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールからなる液相部と、
気相部と、
を有する気液状態を形成する工程。
[第2工程]
第1工程後、前記容器内に酸素(O)または不活性ガスを充填し、該容器内の気相部の酸素濃度が5000ppm以下となるように調整する工程。
[第3工程]
第2工程後、前記容器を密閉し、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存する工程。
[発明3]
前記保存を、−50〜80℃の温度範囲で行う、発明1に記載の方法。
[発明4]
前記第3工程において、保存を−50〜80℃の温度範囲で行う、発明2に記載の方法。
[発明5]
一般式[5]:
Figure 0006195028
[式中、Rはアルキル基または置換アルキル基を表す。]
で表されるα,α−ジフルオロ酢酸エステル類を、一般式[2]で表されるアルコールを溶媒とし、塩基及びルテニウム触媒の存在下、水素(H)と反応させることにより、一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを製造し、次いで、該ヘミアセタールを出発原料として用いる、発明1乃至4の何れかに記載の方法。
[発明6]
一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールにおけるRが、メチル基又はエチル基である、発明1乃至5の何れかに記載の方法。
本発明によれば、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの分解物である、ジフルオロ酢酸の生成が抑制できるという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。なお、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールのRはアルキル基または置換アルキル基を表す。また、一般式[4]で表される二量体におけるRについても、前記ヘミアセタールにおけるRと同義である。
アルキル基(本明細書で言う「アルキル基」は、「非置換のアルキル基」のことを示す)は炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数3〜10の環状のアルキル基を示す。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。置換アルキル基は、前記アルキル基の任意の炭素原子上に、任意の数および任意の組み合わせで、置換基を有する。係る置換基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、シアノ基または低級アルコキシカルボニル基等である。具体的には、フッ素、塩素、臭素、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基およびプロポキシカルボニル基等が挙げられる。なお、本明細書において、“低級”とは、炭素数1〜6の、直鎖状もしくは分枝状の鎖式または環式(炭素数3以上の場合)であるものを意味する。
一般式[3]で示されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールのうち、Rがメチル基またはエチル基のもの、すなわち、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタールまたはα,α−ジフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタールが、入手の容易さから好ましく用いられる。
保存に供する、一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの製造方法としては、例えば、特許文献1に記載されているように、一般式[5]で表されるα,α−ジフルオロ酢酸エステル類を、一般式[2]で表されるアルコールを溶媒とし、塩基及びルテニウム触媒の存在下、水素と反応させることで製造できる。
また、非特許文献1に記載されているジフルオロ酢酸エステルのヒドリド還元等、公知の方法で製造できるが、特許文献1に記載の方法が、大量規模で該ヘミアセタールを製造する上で特に有利である。本発明を実施する上で重要である為、以下、この製造方法について説明する。
一般式[5]で表されるα,α−ジフルオロ酢酸エステル類におけるRは、アルキル基または置換アルキル基を表し、それぞれの定義は、一般式[3]または一般式[4]におけるRと同義である。
本反応に用いることのできるルテニウム触媒は、特に制限はないが、例えば、下記の一般式[6]または式[7]で表されるルテニウム触媒を用いるのが好ましい。
Figure 0006195028
[式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、Arはそれぞれ独立に芳香環基または置換芳香環基を表し、Xはそれぞれ独立に形式電荷が−1または0の配位子(但し、3つのXの形式電荷の合計は−2)を表し、nはそれぞれ独立に1または2の整数を表す。]
Figure 0006195028
[式中、Phはフェニル基を表す。]
一般式[6]で表されるルテニウム触媒のアルキル基の定義は、一般式[3]または一般式[4]におけるRと同義である。該ルテニウム触媒の芳香環基は、芳香族炭化水素基、または窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基である。芳香族炭化水素基の具体例としては炭素数6〜18の、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基等であり、ヘテロ原子を含む芳香族複素環基の具体例としてはピロリル基(窒素保護体も含む)、ピリジル基、フリル基、チエニル基、インドリル基(窒素保護体も含む)、キノリル基、ベンゾフリル基およびベンゾチエニル基等である。
一般式[6]で表されるルテニウム触媒の、置換アルキル基及び置換芳香環基における「置換基」とは、前記のアルキル基又は芳香環基の、任意の炭素原子上に、任意の数および任意の組み合わせで、存在するものを指す。係る置換基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、芳香環基、カルボキシル基、カルボキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、ヒドロキシル基、ならびにヒドロキシル基の保護体等である。具体的には、フッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、プロピル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシルボニル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピロリル基(窒素保護体も含む)、ピリジル基、フリル基、チエニル基、インドリル基(窒素保護体も含む)、キノリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。
さらに、一般式[6]で表されるルテニウム触媒の置換アルキル基は、前記のアルキル基の任意の炭素−炭素単結合が、任意の数および任意の組み合わせで、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合に置き換わることもできる(当然、これらの不飽和結合に置き換わったアルキル基は、前記の置換基を同様に有することもできる)。置換基の種類に依っては置換基自体が副反応に関与する場合もあるが、好適な反応条件を採用することにより最小限に抑えることができる。
また、前記の“係る置換基は”の“芳香環基”には、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルボキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、ヒドロキシル基およびヒドロキシル基の保護体等が置換することもできる。さらに、ピロリル基、インドリル基、カルボキシル基、アミノ基およびヒドロキシル基の保護基は、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.等に記載された保護基である。
一般式[6]で表されるルテニウム触媒のうち、下記式:
Figure 0006195028
[式中、Phはフェニル基を表す。]
で表されるルテニウム触媒{(商品名「Ru−MACHO」、高砂香料工業株式会社製)として市販されている}は活性が高く、特に好ましい。
水素と反応させる際、塩基の存在下で行うことが必要であるが、該ルテニウム触媒の3つのX配位子の内、少なくとも1つがBHを採る場合は、塩基の非存在下に反応を行うこともできる。
一方、一般式[7]で表されるルテニウム触媒は、公知の方法で調製することも可能であるが、商品名「Ru−SNS」(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)として市販されているものを用いるのが便利である。
更に、前述したルテニウム触媒以外にも、例えば、Angew.Chem.Int.Ed.2013,52,2538−2542、Organometallics 2012,31,5239−5242、Angew.Chem.Int.Ed.2012,51,2772−2775およびAngew.Chem.Int.Ed.2006,45,1113−1115等に記載されたルテニウム触媒が挙げられる。その代表的なもの(均一系のルテニウム触媒)を図1に示すが(略記号/Et;エチル基、t−Bu;tert−ブチル基、Ph;フェニル基、i−Pr;イソプロピル基)、当然これらに限定されるものではない。これらのルテニウム触媒でも同様の反応条件で用いることが可能である。
Figure 0006195028
ルテニウム触媒の使用量は、α,α−ジフルオロ酢酸エステル類1モルに対して0.000001モル以上を用いれば良く、0.00001〜0.005モルが好ましく、0.00002〜0.002モルが特に好ましい。
塩基は、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、水酸化テトラアルキルアンモニウム、アルカリ金属のアルコキシド、有機塩基、アルカリ金属のビス(トリアルキルシリル)アミド、ならびにアルカリ金属の水素化ホウ素等である。具体的には、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn−プロピルアンモニウム、水酸化テトラn−ブチルアンモニウム、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウム等が挙げられる。これらの中でもアルカリ金属のアルコキシド(アルコキシドの炭素数は1〜6)が好ましく、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシドおよびカリウムメトキシドが特に好ましい。
なお、後述の合成例の通り、ナトリウムメトキシドは通常メタノール溶液として入手できる。このため、反応系中には、メタノールが残存することになる。すなわち、メタノールが、一般式[2]で表されるアルコールとしての役割を少なくとも一部は果たすことになる。
一般式[2]で表されるアルコール類のうち、Rは前述した一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールのRと同義である。
アルコール類の具体的な化合物はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられるが、これらのうち、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが好ましく、中でも、メタノールとエタノールは、無水試薬を大量規模で容易に入手でき、しかもα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの安定性向上の効果も大きいためとりわけ好ましい。
塩基を用いる場合の該使用量は、原料のα,α−ジフルオロ酢酸エステル類1モルに対して0.001モル以上を用いれば良く、0.005〜5モルが好ましく、0.01〜3モルが特に好ましい。
水素ガスの使用量は、α,α−ジフルオロ酢酸エステル類1モルに対して1モル以上を用いれば良く、大過剰が好ましく、加圧下(水素圧は後述する)での大過剰が特に好ましい。
水素圧は、特に制限はないが、通常、10〜0.01MPa(絶対圧基準。以下、本明細書で同じ)であり、6〜0.1MPaが好ましく、5〜0.3MPaがより好ましい。
反応溶媒の使用量は、原料のα,α−ジフルオロ酢酸エステル類1モルに対して0.03L(リットル)以上を用いれば良く、0.05〜10Lが好ましく、0.07〜7Lが特に好ましい。
反応時間は、72時間以内で行えば良く、原料基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、核磁気共鳴等の分析手段により反応の進行状況を追跡し、原料基質の減少が殆ど認められなくなった時点を終点とすれば良い。これにより一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールが製造でき、本発明の保存方法における出発原料として利用できる。
なお、この水素化反応では、一旦、α,α−ジフルオロアセトアルデヒド(前記一般式[1]に相当)が生成するが、系内に存在するアルコールと反応し、安定なアルキルヘミアセタール(一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタール)に速やかに変換される。従って、本保存方法における出発原料には、一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの他、一般式[2]で表されるアルコール、及び一般式[4]の二量体が含まれることがあるが(後述の実施例)、このような出発原料であっても、本発明における保存方法は好適に実施することができる。
次に、本発明における保存方法について説明する。
本発明は、一般式[3]で表されるα,α-ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、酸素(O)または不活性ガスの雰囲気下、密閉容器内で気相と液相とを有する気液状態で保存する方法において、
該容器内の気相部の酸素濃度が5000ppm以下となるよう調整し、
次いで、
α,α-ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存すること、
を特徴としている。
また、以下の工程、
[第1工程]
一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、容器に供給し、
該容器内を、該α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールからなる液相部と、
気相部と、
を有する気液状態を形成する工程。
[第2工程]
第1工程後、前記容器を密閉し、続いて該容器内に酸素(O)または不活性ガスを充填し、該容器内の気相部の酸素濃度が5000ppm以下となるように調整する工程。
[第3工程]
第2工程後、前記容器を密閉し、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存する工程。
についても、本発明における実施態様に含まれるため、これらの工程について、以下、順を追って説明する。
[第1工程〜第3工程]
一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを容器に供給する際、用いる容器は、容器内の気液状態が保つことができる密閉容器であって、遮光条件下で酸素を透過しない材質であれば、ガラス製容器(グラスライニングも含む)、ステンレス鋼製等、何れも好適に用いることができる。例えば、固定した保存容器である貯蔵タンク、輸送に使用されるドラム等の容器が挙げられる。
次に、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの容器への供給方法について説明する。
該ヘミアセタールを容器に供給する際、α,α-ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、容器の体積の20%以上99%未満、好ましくは50%以上95%未満充填する。充填量は、用いる容器の大きさに依存するため、この範囲になるよう、調整しながら行うと良いが、容器の体積に対して20%未満であると本発明で対象とする該ヘミアセタールを保存する量が少ないこととなる。このことは、実際の該ヘミアセタール製造の、保存する作業工程数が多くなることを意味し、経済的とは言えない。
一方、容器の体積に対して99%以上となると、外部(容器の外)の温度の変動によって該ヘミアセタールに体積変動が生じ、容器の破損や内部液の漏出の原因となることがある。密閉容器において、本発明で開示する酸素濃度範囲を保つ場合、気相部のみならず、液相部(α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタール)の溶存酸素濃度をも考慮する必要がある(容器内の酸素濃度範囲が時間により変動し、本発明における保存効果に影響を及ぼす場合がある為)。
該ヘミアセタールを容器に供給後、窒素、アルゴン等の不活性ガスを充填するが、不活性ガスを容器内に充填する方法について特に制限はない。
例えば、
後述の実施例で記載するように、容器にα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを容器内に供給した後、不活性ガスを容器内の液相部(液相部は、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールが含まれる)にバブリングを行った後、容器内を密閉する、
または、
α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを容器内に供給した後、容器内を密閉し、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールが容器外に排出されない程度に減圧操作を行った後、不活性ガスを容器内の液相部に吹き付ける、もしくは液相部に不活性ガスをバブリングさせる、
等が挙げられる。
何れの場合も、液相部の溶存酸素濃度を低下すると共に、同時に容器内の気相部が不活性ガスに徐々に置換されることになる。
なお、溶存酸素の除去効率を上げるため、これらの方法に液相部の攪拌操作、または脱気操作を併用することは好ましい。該ヘミアセタールの保存の規模に応じ、これらの方法を適宜組み合わせることで効率よく酸素濃度を減少させることが可能である。
不活性ガスの種類としては窒素、アルゴン等の反応に影響を及ぼさないガスを用いる。
次に、本発明では、気相部の酸素濃度を、5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは300ppm以下となるように容器内の酸素を調整する。
酸素濃度の調製方法についての具体的な方法に制限はない。
例えば、
(1)不活性ガスを容器へ導入することで前記の酸素濃度範囲になるように調整する、
または、
(2)酸素と、窒素、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを吹き込み、容器内の酸素濃度を適切な範囲まで低下させる、
または、
(3)α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを含む容器内を密閉し、容器内を減圧する、
等の方法が挙げられる。
なお、酸素と、窒素、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを吹き込む場合、酸素と不活性ガスとの混合ガスにおけるそれぞれの比率は特に制限はない。
これらの条件を採用することで、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの重合、酸化等の反応を十分に防止することができるが、これらのうち、(1)または(2)の調整方法が、気相部の酸素濃度を、5000ppm以下に調整しやすい為、好ましく用いられる。
なお、気相部の酸素濃度の範囲を、例えば10ppm未満(0ppm〜3ppm未満)に調整することも可能であるが、本発明では前述した酸素濃度の範囲で十分保存効果が得られる為、例えば0ppm付近の極限の数値まで酸素濃度を低下させる必要がない。極限の数値まで酸素濃度を低下させる為には、本発明ではα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを容器に充填した後、密閉し、減圧条件を過酷にする行う必要がある。しかしながら、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタール自身、容器外に排出されてしまうこともあるので、後述する実施例で開示する酸素濃度範囲にすることは、設備の面や作業工程の面で負荷がかからず、好ましい態様と言える。
保存に供する温度は、特に制限はないが、通常、−50〜+80℃という温度範囲での保存が可能である。このうち、例えば−40〜+70℃で保存することは好ましく、常温付近(10〜30℃)が特に好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ここで、生成物の定量(組成比や収率)については、反応混合液を核磁気共鳴分析装置(NMR)によって測定して得られた組成の「モル%」を基に算出した。また、表中の「n.d.」は未検出であることを示す。
[合成例]α,α−ジフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール(略称:DFAL−EtOH)の合成
ステンレス鋼製耐圧反応容器にα,α−ジフルオロ酢酸エチル109g(0.88モル)、下記式:
Figure 0006195028
で表されるルテニウム触媒0.107g(0.18ミリモル)、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液42g(ナトリウムメトキシドとして0.22モル)、メタノール290mLを加え、反応器内を水素ガスで5回置換し、水素圧を1.0MPaに設定し、15℃で8時間攪拌し反応した。反応終了後に19F−NMR分析より、α、α−ジフルオロ酢酸エチルの変換率65%、DFAL−EtOHの選択率は91%であった。19F−NMRは内部標準物質α、α、α−トリフルオロトルエンで定量した。
反応終了液に酢酸13.2g(0.22モル)を加えたところ、pHは8となったので、実質的に中性になったと判断し、添加を中止した。この液体を直接、蒸留(ボトム温度〜66℃、減圧度〜2.1kPa)に付すことにより、DFAL−EtOHを含むメタノール溶液を得た。この溶液を精密蒸留(理論段数35段、留出温度92℃、減圧度〜35kPa)することにより大部分のメタノールを分離した。蒸留釜(ボトム)にエタノール96g(2.08モル)を加えて蒸留を継続し、DFAL−EtOHを留分として45.9g得た。
留分には、エタノール、DFAL−EtOH、下記式
Figure 0006195028
で示されるエチルヘミアセタール由来の「二量体」が含まれていることが分かり、それぞれの純度(モル%)はエタノール8.6wt%、DFAL−EtOHが83.6wt%、「二量体」が7.1wt%であった。純度を考慮した収率は41%であった。
この合成例で得られた留分を用いて、以下の実施例及び比較例を実施した。
[実施例1−2、比較例1−2]
内容積100mlのガラス製容器内に、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール(83.6wt%)、エタノール(8.6wt%)と、下記式:
Figure 0006195028
で表される二量体(7.1wt%)との混合液50gを充填し、窒素を充填した後、混合液に対し窒素ガスでバブリング操作を行った。バブリング操作により、容器内の酸素濃度がそれぞれ、16000ppm程度(実施例1)、7000ppm程度(実施例2)となったところで、酸素及び窒素の混合ガスを、容器内の酸素濃度が以下の表1に示す値となるように容器内に充填し、その後、遮光して密封した。
次に、密封容器を恒温槽内に設置し、70℃の恒温状態で24時間放置した。
24時間経過後、恒温槽から容器を取り出し、内容液を核磁気共鳴分析装置(NMR)によって測定して分解物の有無を確認した。
Figure 0006195028
表1より、実施例1−2では、実用上問題となるジフルオロ酢酸が確認できず、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタールが分解していないことがわかる。それに対し、比較例1−2では、分解物であるジフルオロ酢酸の生成が確認できた。
[実施例3、比較例3−5]
内容積10mlの石英セル容器内に、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール(83.6wt%)、エタノール(8.6wt%)と、下記式:
Figure 0006195028
で表される二量体(7.1wt%)との混合液5.0gを充填し、窒素雰囲気下で充填した後、混合液に対し窒素ガスでバブリング操作を行った。バブリング操作により、容器内の酸素濃度が6000ppmとなったところで、酸素及び窒素の混合ガスを、容器内の酸素濃度が以下の表2に示す値となるように充填した後、密封した。
その後、容器を25℃で照射条件の異なる環境に7時間置き、分解物の生成を確認した。その結果を表2に示す。
Figure 0006195028
表2より、実施例3では、実用上問題となるジフルオロ酢酸が確認できず、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールが分解していないことがわかる。それに対して、比較例3−5では、分解物であるジフルオロ酢酸の生成が確認できた。
[実施例4−5、比較例6−10]
内容積100mlの透明、遮光それぞれのガラス製容器内に、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタールの(83.6wt%)、エタノール(8.6wt%)と下記式:
Figure 0006195028
で表される二量体(7.1wt%)の混合物50gを窒素雰囲気下で充填した後、窒素ガスをバブリングし、容器内の酸素濃度が以下の表3に示す値となるように充填した後、密封した(但し、比較例10については容器を密封せず、開放系とした)。その後、容器を25℃で太陽光の下、30日間置き、分解物の生成を確認した。その結果を以下の表3に示す。
Figure 0006195028
表3より、実施例4−5では、実用上問題となるジフルオロ酢酸が観察されず、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールが分解していないことがわかる。それに対して、比較例6−10では、分解物であるジフルオロ酢酸の生成が見られた。
以上の結果より、本発明は、特定の酸素濃度及び遮光条件下で保存することにより、長期に亘り、ジフルオロ酢酸が生成せず、効果的な保存方法と言える。
本発明のα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法は、医農薬中間体の保管、貯蔵、流通方法として期待されるものである。

Claims (6)

  1. 一般式[3]:
    Figure 0006195028
    [式中、Rはアルキル基または置換アルキル基を表す。]
    で表されるα,α-ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、酸素(O)または不活性ガスの雰囲気下、密閉容器内で気相と液相とを有する気液状態で保存する方法において、
    該容器内の気相部の酸素(O)濃度が5000ppm以下となるように調整し、
    次いで、
    α,α-ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存する工程を含む、
    前記方法。
  2. 以下の工程を含む、α,α-ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールの保存方法。
    [第1工程]
    一般式[3]:
    Figure 0006195028
    [式中、Rはアルキル基または置換アルキル基を表す。]
    で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを容器に供給し、
    該容器内を、該α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールからなる液相部と、
    気相部と、
    を有する気液状態を形成する工程。
    [第2工程]
    第1工程後、前記容器内に酸素(O)または不活性ガスを充填し、該容器内の気相部の酸素濃度が5000ppm以下となるように調整する工程。
    [第3工程]
    第2工程後、前記容器を密閉し、α,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを、遮光条件下、容器内で保存する工程。
  3. 前記保存を、−50〜80℃の温度範囲で行う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第3工程において、保存を−50〜80℃の温度範囲で行う、請求項2に記載の方法。
  5. 一般式[5]:
    Figure 0006195028
    [式中、Rはアルキル基または置換アルキル基を表す。]
    で表されるα,α−ジフルオロ酢酸エステル類を、一般式[2]:
    Figure 0006195028
    [式中、Rはアルキル基または置換アルキル基を表す。]
    で表されるアルコールを溶媒とし、塩基及びルテニウム触媒の存在下、水素(H)と反応させることにより、一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールを製造し、次いで、該ヘミアセタールを出発原料として用いる、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
  6. 一般式[3]で表されるα,α−ジフルオロアセトアルデヒドアルキルヘミアセタールにおけるRが、メチル基又はエチル基である、請求項1乃至5の何れかに記載の方法。
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