JP2002178660A - 感熱孔版印刷用フィルムおよび感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用フィルムおよび感熱孔版印刷用原紙

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JP2002178660A
JP2002178660A JP2000382196A JP2000382196A JP2002178660A JP 2002178660 A JP2002178660 A JP 2002178660A JP 2000382196 A JP2000382196 A JP 2000382196A JP 2000382196 A JP2000382196 A JP 2000382196A JP 2002178660 A JP2002178660 A JP 2002178660A
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film
heat
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acid
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Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kenji Kida
健次 喜田
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、フィルムの穿孔感度に優れ、かつ、
白抜け欠点のない画像性に優れた感熱孔版印刷用フィル
ムおよび原紙を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の感熱孔版印刷用フィルムは、熱可
塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ポリ乳酸を主体
とするポリマーからなるコーティング層が形成されてな
ることを特徴とするものである。また、本発明の感熱孔
版印刷用原紙は、かかる感熱孔版印刷用フィルムの該コ
ーティング層を介して、インキ透過性を有する多孔性支
持体が接合されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッド、
あるいはハロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュ
ランプ、レーザー光線等によって穿孔製版される感熱孔
版印刷用フィルムおよび感熱孔版印刷用原紙に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より感熱孔版印刷用原紙(以下、原
紙という)としては、塩化ビニリデンフィルム、ポリエ
ステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の熱可塑性
樹脂フィルムに、天然繊維、化学繊維または合成繊維あ
るいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗等によって
構成された多孔性支持体を接着剤で貼り合わせた構造の
ものが知られている(例えば、特開昭51−2513号
公報、特開昭57−182495号公報など)。
【0003】近年、感熱孔版印刷分野において印刷物に
対して高い解像度が要求されており、サーマルヘッドの
熱素子を小さくするとともにサーマルヘッドの加熱周期
を短かくして、単位面積当たりの穿孔数を増やす試みが
なされている。このような場合に、短時間で適正な大き
さの穿孔を得るためには、サーマルヘッドに供給するエ
ネルギーを低減させる必要があり、そのためには原紙を
構成するフィルムが低いエネルギーで穿孔すること、い
わゆるフィルムが高感度であることが必須である。
【0004】従来より、フィルムの高感度化を目的に、
フィルムに用いられるポリマーの組成や融点を規定した
り(特開平2−158391号公報、特開平7−276
839号公報、特開平10−119453号公報、特開
平11−147379号公報、特開2000−1085
41号公報など)、フィルムの厚さや熱収縮特性、表面
粗さを規定したフィルム(特開昭62−282983号
公報、特開昭63−160895号公報)など多くの提
案がなされている。
【0005】しかしながら、フィルム自体の高感度を実
現したとしても、フィルムとインキ透過性の多孔性支持
体とを接着剤を用いて貼り合わせた従来原紙の場合、フ
ィルムと多孔性支持体間に存在する接着剤によって、フ
ィルムの均一な穿孔が妨げられたり、かりに均一に穿孔
したとしても接着剤がインキの透過を阻害したりして、
印刷物に白抜け欠点が生じ、近年要求されている高解像
度機に供するには必ずしも十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の感熱
孔版印刷用フィルムおよび感熱孔版印刷用原紙の背景に
鑑み、フィルムの穿孔感度に優れ、かつ、白抜け欠点の
ない画像性に優れた感熱孔版印刷用フィルムおよび原紙
を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の感熱孔版印刷用フィルムは、熱
可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ポリ乳酸を主
体とするポリマーからなるコーティング層が形成されて
なることを特徴とするものである。また、本発明の感熱
孔版印刷用原紙は、かかる感熱孔版印刷用フィルムの該
コーティング層を介して、インキ透過性を有する多孔性
支持体が接合されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまりフィ
ルムの穿孔感度に優れ、かつ、白抜け欠点のない画像性
に優れた感熱孔版印刷用フィルムについて、鋭意検討
し、特定なポリマーからなるコーティング層を形成させ
てみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明
したものである。
【0009】本発明における熱可塑性樹脂フィルムとし
ては、加熱穿孔性を有するものであれば特に限定されな
いが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂フ
ィルムが挙げられ、中でもポリエステルからなるフィル
ムが好ましい。
【0010】ポリエステルからなるフィルムに用いられ
るポリエステルとして好ましくは、ジカルボン酸成分と
グリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルが
使用される。
【0011】かかるジカルボン酸成分としては、芳香族
ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン
酸を用いることができ、芳香族ジカルボン酸成分として
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホン
ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フ
ェニルエンダンジカルボン酸等を用いることができる。
脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、ア
ジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸等を用いることが
できる。また、脂環族ジカルボン酸成分としては、例え
ば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を用いること
ができる。
【0012】これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、
2種以上併用してもよく、さらにはヒドロキシ安息香酸
等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0013】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、スピログリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,
2′ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プ
ロパン等を用いることができる。中でもエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログ
リコールが好ましく用いられる。これらのグリコール成
分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0014】また、本発明の効果を阻害しない範囲で、
フィルムの成形性、取扱い性の向上を目的として、上記
ポリエステルに、トリメリト酸、トリメシン酸、ペンタ
エリストール、トリメチロールプロパン、グリセリン等
の多官能化合物やp−オキシ安息香酸等のオキシジカル
ボン酸等を共重合してもよい。
【0015】本発明の感熱孔版印刷用フィルムのポリエ
ステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレート
との共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート
とエチレンテレフタレートとの共重合体、ブチレンテレ
フタレートとヘキサメチレンテレフタレートとの共重合
体、ヘキサメチレンテレフタレートと1,4−シクロヘ
キサンジメチレンテレフタレートとの共重合体、エチレ
ンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレートと
の共重合体およびこれらのブレンド物等を用いることが
できる。さらに好ましくはエチレンテレフタレートとエ
チレンイソフタレートとの共重合体、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレート、ヘキサメチレンテレフタレートと
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、エ
チレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレー
トとの共重合体等を用いることができる。
【0016】本発明の感熱孔版印刷用フィルムにおける
ポリ乳酸を主体とするポリマーに用いられるポリ乳酸と
は、乳酸ホモポリマーまたは乳酸と他のヒドロキシカル
ボン酸等との共重合体、もしくはこれらの混合物であ
る。
【0017】かかるポリマーを構成する乳酸成分として
は、L−乳酸、D−乳酸、またはそれらの混合物を使用
することができる。また、乳酸成分と併用できるヒドロ
キシカルボン酸類としては、グリコール酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草
酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸
等を挙げることができる。
【0018】さらには、発明の効果を阻害しない範囲に
おいて、ジカルボン酸類やグリコールも使用することが
できる。乳酸成分とその他の成分との混合物は、ポリマ
ー中の乳酸成分の含有率が50mol%以上となるよう
に、種々の組合せで使用することが好ましい。
【0019】本発明の感熱孔版印刷用フィルムは、熱可
塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にポリ乳酸を主体と
するポリマーからなるコーティング層が形成されてなる
ことが肝要である。ポリ乳酸を主体とするポリマーから
なるコーティング層を形成することにより、サーマルヘ
ッドで加熱した場合にフィルム自体の穿孔性が向上する
ものである。また、ポリ乳酸を主体とするポリマーから
なるコーティング層を介して多孔性支持体と直接接合し
て原紙を構成することにより、白抜け欠点のない高品質
の印刷物が得られる原紙とすることができるものであ
る。
【0020】本発明の感熱孔版印刷用フィルムの厚さ
は、好ましくは0.1〜10μmであり、より好ましく
は0.5〜7μm、特に好ましくは0.7〜5μmであ
る。
【0021】本発明のポリ乳酸を主体とするポリマーか
らなるコーティング層の厚さは、好ましくは0.01〜
5μmであり、より好ましくは0.01〜3μm、更に
好ましくは0.01〜1μmである。
【0022】本発明の感熱孔版印刷用原紙とは、上記の
フィルムとインキ透過性の多孔性支持体とが、ポリ乳酸
を主体とするポリマーからなるコーティング層を介して
直接接合されてなるものである。多孔性支持体として
は、印刷インキの透過が可能で、フィルムが穿孔される
加熱条件では実質的に熱変形を起こさない多孔質のもの
であればよく、抄造紙、不織布、織布、紗またはその他
の多孔体あるいはこれらを併用したものを好ましく用い
ることができる。
【0023】本発明の原紙に用いられる多孔性支持体の
目付量は、インキの透過性と保持性のバランスの点で、
1〜30g/m2であるのが好ましく、より好ましくは
1〜20g/m2、特に好ましくは1〜15g/m2であ
る。多孔性支持体が繊維の場合、繊維の平均径は0.5
〜30μmであるのが好ましく、より好ましくは1〜2
0μm、特に好ましくは1〜10μmである。また使用
する繊維は、全て同一直径のものであってもよいし、異
なる繊維径の繊維が混繊されたものであってもよい。
【0024】本発明の多孔性支持体を構成する繊維に
は、インキとの親和性を付与するために必要に応じて繊
維の表面に、酸やアルカリ等による化学処理あるいはコ
ロナ処理、低温プラズマ処理等を施してもよい。
【0025】以下、本発明の感熱孔版印刷用フィルムお
よび原紙の製造方法について説明する。
【0026】本発明におけるポリ乳酸を主体とするポリ
マーは、次のような方法で得ることができる。原料とし
ては、L−乳酸またはD−乳酸の乳酸成分を主体とし
て、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草
酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸類
を併用することができる。またこれらのヒドロキシカル
ボン酸の環状エステル中間体、例えば、ラクチド、グリ
コリド等を原料として使用することもできる。更にジカ
ルボン酸類やグリコール類等も使用することができる。
【0027】ポリ乳酸ポリマーは、上記原料を直接脱水
縮合する方法、または上記環状エステル中間体を開環重
合する方法によって得ることができる。例えば、直接脱
水縮合して製造する場合、乳酸類または乳酸類とヒドロ
キシカルボン酸類を、好ましくは有機溶媒、特にフェニ
ルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ま
しくは共沸により留出した溶媒から水を除き、実質的に
無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合
することにより、本発明に好適な高分子量のポリマーが
得られる。
【0028】また、低分子量の重合体を高温減圧下で解
重合した際に生成するラクチド等の環状エステル中間体
を、オクチル酸錫等の触媒を用い、減圧下開環重合する
ことによっても高分子量のポリマーが得られる。ポリマ
ーの分子量は、成形性等の点から重量平均分子量1万〜
100万の範囲であることが好ましく、より好ましくは
10万〜50万である。
【0029】また、本発明のポリ乳酸を主体とするポリ
マーは、乳酸成分量が50モル%以上となる範囲内であ
れば、ヒドロキシカルボン酸成分を構成成分とするポリ
グリコール酸、ポリ酪酸、ポリヒドロキシブチレート等
や、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とす
るポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリブチレンサクシネート等のポリエステル、またはこ
れらのポリエステルを主体とする共重合体等とのブレン
ド体であってもよい。また、共重合体の場合は、ランダ
ム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂として、好ましく用
いられるポリエステルは、次の方法で製造することがで
きる。すなわち、前記のジカルボン酸成分とグリコール
成分とを直接エステル化反応させた後、この反応の生成
物を減圧下で加熱して、余剰のグリコール成分を除去し
つつ、重縮合させることによって製造する方法や、酸成
分として、ジアルキルエステルを用い、これとグリコー
ル成分とで、エステル交換反応させた後、上記と同様に
重縮合させることによって製造する方法等がある。この
際、必要に応じて、反応触媒としてアルカリ金属、アル
カリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモ
ン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもでき
る。
【0031】本発明におけるポリ乳酸ポリマーやポリエ
ステルには、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料、可
塑剤、末端封鎖剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機
滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合するこ
とができる。さらには、目的に応じて易滑性を付与する
こともできる。
【0032】また、易滑性を付与する方法としては、特
に制限はされないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、
タルク、アルミナ、ジルコニア、スピネル、湿式あるい
は乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、
ポリスチレン等を構成成分とする有機粒子等を配合する
方法、界面活性剤を塗布する方法等を採用することがで
きる。かかる粒子の配合量としては、ポリマー100重
量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、より好
ましくは0.1〜3重量部である。また、配合する粒子
の平均径としては、0.01〜3μmが好ましく、より
好ましくは0.1〜2μmである。このような粒子は、
種類、平均径の異なる複数の併用であってもよい。
【0033】本発明の感熱孔版印刷用フィルムは、熱可
塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にポリ乳酸を主体と
するポリマーからなるコーティング層を形成してなる。
例えば、ポリ乳酸を主体とするポリマーを溶媒を用いて
溶解し、該溶解液をフィルム表面にコーティングし、そ
の後、加熱乾燥して溶媒を除去することにより作製する
ことができる。ポリ乳酸ポリマーを溶解する溶媒として
は特に限定されないが、N−メチル−2−ピドリドン、
クロロホルム、塩化メチレン、トリクレン、苛性ソーダ
等を挙げることができる。コーティングの方法は特に限
定されないが、ロールコーター、グラビアコーター、リ
バースコーター、バーコーター等を用いるのが好まし
い。
【0034】ポリ乳酸を主体とするポリマー溶液のコー
ティングは、熱可塑性樹脂フィルムの製膜工程の途中で
行うこともできる。例えば、縦横逐次2軸延伸法で製膜
する場合、縦延伸後のフィルム表面にポリ乳酸を主体と
するポリマー溶液をコーティングし、横延伸工程で横延
伸しつつ溶媒を除去しても良いし、横延伸した後に熱処
理工程で溶媒を除去してもよい。
【0035】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、上記のフ
ィルムとインキ透過性の多孔性支持体とを接着剤を用い
ず直接接合してなる。直接接合する方法としては、フィ
ルム表面のポリ乳酸を主体とするポリマーからなるコー
ティング層と多孔性支持体とを重ね合わせ、加熱ロール
で熱接着する方法により達成できる。熱接着温度は60
〜170℃の範囲であるのが好ましい。また、熱可塑性
樹脂フィルムの表面にポリ乳酸を主体とするポリマー溶
液をコーティングした後、多孔性支持体を重ね合わせ、
その後、溶媒を加熱除去してもよい。また、熱可塑性樹
脂フィルムの表面にポリ乳酸を主体とするポリマー溶液
をコーティングした後、加熱乾燥して、ある程度溶媒を
除去した半乾きの状態で、多孔性支持体を重ね合わせ、
その後、溶媒を完全に除去する方法でもよい。
【0036】本発明の原紙は、サーマルヘッド等との融
着防止のため、サーマルヘッドと接触するフィルム表面
に離型剤を塗布するのが好ましい。離型剤としては、シ
リコーンオイル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界
面活性剤、ワックス系離型剤等を用いることができる。
これら離型剤中には、本発明の効果を阻害しない範囲内
で帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化防止剤など各種添加剤を
併用することができる。
【0037】塗布方法は特に限定されないが、ロールコ
ーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコ
ーター等を用いて塗布するのが好ましい。また、離型剤
を塗布する前に必要に応じて、塗布面に空気中その他種
々の雰囲気中でコロナ放電処理を施してもよい。
【0038】<特性の測定方法> (1)フィルムの全厚さ(μm) アンリツ製電子マイクロメーターK306Cを用いて、
サンプルの幅方向に10箇所の厚さを測定し、その平均
値を求めた。 (2)穿孔性 作製した原紙を理想科学工業(株)製RISOGRAP
H“GR377”に供給して、5mm角の黒ベタを格子
状に製版してマスターを作製した。該マスターの穿孔部
分をサンプリングし、フィルム面を走査型電子顕微鏡で
200倍の倍率で写真撮影を行った。該写真を目視観察
して未穿孔および穿孔不良を数え、次のように穿孔性を
判定した。
【0039】 未穿孔および穿孔不良が全くなく、均一に穿孔されたも
のを◎ 未穿孔はないが、穿孔不良が少し発生したものを○ 未穿孔が発生したもの、あるいは穿孔不良が著しいもの
を× とした。◎、○が実用に供し得るものである。 (3)印刷性 作製した原紙を理想科学工業(株)製RISOGRAP
H“GR377”に供給して、RISO NEWS CHART を原稿
として製版し、印刷濃度=3、印刷速度=3で50枚の
印刷を行い、50枚目の印刷物を目視観察して次のよう
に判定した。
【0040】 黒ベタ部分の白抜けが全くないものを◎ 黒ベタ部分の白抜けがわずかに発生したものを○ 黒ベタ部分の白抜けが目立つものを× とした。◎、○が実用に供し得るものである。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。 実施例1 (ポリ乳酸ペレットの作製)L−乳酸80重量部とヒド
ロキシカプロン酸20重量部より合成したL−乳酸ポリ
マー100重量部に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウ
ム粒子0.5重量部を加え混合後、回転方向の異なる2
軸押出機に供給して200℃で押し出しペレット化し
た。得られたペレットを減圧下50℃で処理して結晶化
および乾燥を行った。 (ポリ乳酸ポリマーのコーティング液の作製)上記のポ
リ乳酸ペレットをN−メチル−2−ピロリドンを溶媒と
して、温度60℃で撹拌溶解し、濃度5重量%のコーテ
ィング液を作製した。 (ポリエステルペレットの作製)エチレンテレフタレー
ト85モル%、エチレンイソフタレート15モル%から
なる共重合ポリエステルポリマー100重量部に平均粒
径1.5μmの炭酸カルシウム粒子0.5重量部を加え
混合後、回転方向の異なる2軸押出機に供給して270
℃で押し出しペレット化した。得られたペレットを減圧
下100℃で処理して結晶化および乾燥を行った。 (フィルムの作製)上記のポリエステルペレットを押出
機に供給して加熱溶融し、T型口金から押し出し、直径
600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ25μm
の未延伸フィルムを作製した。
【0042】得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に
供給して予熱し、温度90℃の周速の異なるロール間で
長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却し
た。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導
き、熱風温度90℃で加熱しつつ幅方向に3.5倍延伸
し、さらにテンター内で140℃で熱処理して、厚さ2
μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
【0043】このとき、テンター式延伸機の入り口で、
上記のポリ乳酸ポリマーのコーティング液をバーコータ
ーで塗布し、ポリエステルフィルムの片面にポリ乳酸ポ
リマーのコーティング層を形成した感熱孔版印刷用フィ
ルムを得た。 (原紙の作製)上記の感熱孔版印刷用フィルムのポリ乳
酸ポリマーコーティング面に、繊維径5μm、目付量1
0g/m2のポリエステル抄造紙を重ねて、温度120
℃の加熱ロールにて直接接合した後、もう一方のフィル
ム面にシリコーン系離型剤を塗布して感熱孔版印刷用原
紙を作製した。
【0044】該原紙の評価結果を表1に示すが、該原紙
の穿孔性と画像性はともに◎であった。 実施例2 実施例1において、ポリ乳酸ポリマーのコーティング液
を塗布しないで、厚さ2μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルムを作製した。次いで、得られた2軸延伸ポリエス
テルフィルムの片面に実施例1で作製したポリ乳酸ポリ
マーのコーティング液を塗布し、さらにその上から繊維
径5μm、目付量10g/m2のポリエステル抄造紙を
重ね、熱風オーブン中で溶媒を乾燥除去して、感熱孔版
印刷用原紙を作製した。
【0045】該原紙の評価結果を表1に示すが、該原紙
の穿孔性と画像性はともに○であった。 比較例1 実施例2で作製した2軸延伸ポリエステルフィルムと、
繊維径5μm、目付量10g/m2のポリエステル抄造
紙とを、酢酸ビニル系接着剤で貼り合わせ、もう一方の
フィルム面にシリコーン系離型剤を塗布して感熱孔版印
刷用原紙を作製した。
【0046】該原紙の評価結果を表1に示すが、該原紙
の穿孔性、画像性はともに×であった。
【0047】
【表1】
【0048】表1からわかるように、実施例1、2のも
のは、原紙における穿孔性に優れ、かつ、画像性も良好
である。これに対して、比較例1のものは、穿孔性、画
像性ともに不良であった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、高解像度機で製版して
も、良好な穿孔が形成され、穿孔感度に優れた感熱孔版
印刷用フィルムを提供することができ、また、該フィル
ムを用いた原紙で印刷したものは、白抜け欠点がなく高
品質の印刷物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 AB25 BA01 BA05 BA10 DA56 DA73 DA76 EA02 GA34 4F006 AA11 AA31 AA35 AB35 BA01 CA01 DA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    に、ポリ乳酸を主体とするポリマーからなるコーティン
    グ層が形成されてなることを特徴とする感熱孔版印刷用
    フィルム。
  2. 【請求項2】該熱可塑性樹脂フィルムが、ジカルボン酸
    成分とグリコール成分から構成されるポリエステルフィ
    ルムであることを特徴とする請求項1に記載の感熱孔版
    印刷用フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の感熱孔版印刷用
    フィルムのポリ乳酸を主体とするポリマーからなるコー
    ティング層を介して、インキ透過性を有する多孔性支持
    体が接合されていることを特徴とする感熱孔版印刷用原
    紙。
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