JP2002178256A - 工作機械の制御システムおよび記録媒体 - Google Patents

工作機械の制御システムおよび記録媒体

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JP2002178256A JP2000381824A JP2000381824A JP2002178256A JP 2002178256 A JP2002178256 A JP 2002178256A JP 2000381824 A JP2000381824 A JP 2000381824A JP 2000381824 A JP2000381824 A JP 2000381824A JP 2002178256 A JP2002178256 A JP 2002178256A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】研削加工中にインプロセスで工作物の加工精度
を検出することが可能な工作機械の制御システムを提供
する。 【解決手段】微研削時において(S14:Yes)、工
作物の半径変化速度ΔVを算出し(S16)、その半径
変化速度ΔVと微研削時切込速度Vfとの差分の絶対値
が許容範囲内(下限値α、上限値β)に収まっているか
どうかを判定し(S18)、収まっていればカウンタ値
Tをインクリメントし(S20)、収まっていなければ
カウンタ値Tをクリアし(s22)、カウンタ値Tがカ
ウンタしきい値Tf以上であれば(S26:Yes)、
工作物の加工精度が許容範囲内に収まっており良品であ
ると判定し(S28)、カウンタ値Tがカウンタしきい
値Tf未満であれば(S26:No)、工作物の加工精
度が許容範囲内に収まっておらず品質不良あると判定す
る(S30)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工作機械の制御シス
テムおよび記録媒体に係り、詳しくは、工作物を保持し
て回動させ、その工作物に向けて回動する砥石を移動さ
せ、工作物に砥石を接触させて研削加工する工作機械の
制御システム、および、この制御システムのプログラム
が記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、工作物を保持して回動させ、
その工作物に向けて回動する砥石を移動させ、工作物に
砥石を接触させて研削加工する工作機械が種々提案され
ている。このような工作機械で同一寸法形状の工作物を
多数個生産する際には、工作物の加工精度を許容範囲内
に収める必要があり、そのための品質チェックが重要に
なる。従来の品質チェック方法では、研削加工済みの任
意の個数の工作物を母集団とし、その母集団から無作為
に抜き取った1個の工作物を試料とし、その試料の寸法
を測定器(例えば、真円度測定器など)を用いて測定
し、その測定結果から母集団の寸法を推定して加工精度
を評価していた。つまり、工作物の生産ラインから適宜
抽出した工作物に対して、生産ラインのオフラインで品
質チェックを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の品質チェック方
法には以下の問題がある。 前記試料の寸法を測定器を用いて測定している間、工
作機械による研削加工を中断していると(生産ラインを
停止させていると)、工作機械の製造効率(生産ライン
の生産効率)が低下することになる。 前記試料の寸法を測定器を用いて測定している間も、
工作機械による研削加工を続行していると(生産ライン
を稼働させていると)、前記試料の測定結果から加工精
度が許容範囲を外れていることが判明した場合、その試
料の測定中に生産した工作物についても加工精度が許容
範囲を外れていると推定されるが、その加工精度が許容
範囲を外れた品質不良の工作物については品質チェック
を行うことができず良品とみなされるおそれがある。 実際に加工精度を測定するのは母集団のなかの1個の
工作物だけであり、母集団の他の工作物の加工精度につ
いてはあくまで推定で評価しているだけであるため、母
集団のなかには加工精度が許容範囲を外れた品質不良の
工作物が含まれているおそれがある。
【0004】このような従来の品質チェック方法の問題
点を解決するには、研削加工中にインプロセスで工作物
の加工精度を検出すればよい。そうすれば、工作機械の
製造効率(生産ラインの生産効率)が低下することはな
く、全ての工作物について品質チェックを実行できるた
め、品質不良の工作物が良品とみなされることもなくな
る。本発明は上記要求を満足するためになされたもので
あって、その目的は、研削加工中にインプロセスで工作
物の加工精度を検出することが可能な工作機械の制御シ
ステムを提供することにある。また、本発明の別の目的
は、この制御システムのプログラムが記録されたコンピ
ュータで読み取り可能な記録媒体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発
明は、工作物を保持して回動させる工作物回動手段と、
工作物を研削する砥石と、その砥石を回動させながら工
作物に向けて移動させる砥石駆動手段と、工作物の径を
測定する工作物径測定手段とを備えた工作機械の制御シ
ステムにおいて、前記工作物径測定手段の測定した工作
物の径に基づいて、その工作物の径の変化速度を算出す
る工作物径変化速度算出手段と、前記砥石駆動手段が前
記砥石を工作物に向けて移動させる移動速度と、前記工
作物径変化速度算出手段の算出した工作物の径の変化速
度との差分を算出し、その差分が所定範囲内に収まって
いるかどうかを判定する第1判定手段と、その第1判定
手段の判定した前記差分が所定範囲内に収まっている状
態が、所定時間以上続いているかどうかを判定する第2
判定手段と、その第2判定手段の判定に基づいて、前記
第1判定手段の判定した前記差分が所定範囲内に収まっ
ている状態が所定時間以上続いている場合には工作物の
加工精度が許容範囲内に収まっていると判定し、それ以
外の場合には工作物の加工精度が許容範囲内に収まって
いないと判定する第3判定手段とを備えた工作機械の制
御システムをその要旨とする。
【0006】ここで、工作物が砥石に接触した直後に
は、砥石の反対方向に工作物が逃げて大きく撓み、その
撓み量は研削加工がすすむにつれて除々に減少してゆ
き、最終的には、砥石駆動手段が砥石を工作物に向けて
移動させる移動速度(切込速度)に対応した撓み量に収
束する。そして、工作物の撓み量が前記移動速度に対応
した値に収束したとき、工作物の径の変化速度は前記移
動速度とほぼ等しくなる。工作物の撓み量が大きい状態
では、工作物の断面の真円度が低くなっている。そのた
め、工作物の撓み量が最も小さくなっている状態(工作
物の撓み量が前記移動速度に対応した値に収束し、工作
物の径の変化速度が前記移動速度とほぼ等しくなってい
る状態)にすれば、工作物の断面の真円度を高めて加工
精度を向上させることができる。
【0007】そこで、請求項1に記載の発明では、工作
物の径の変化速度が前記移動速度とほぼ等しくなってい
るかどうか(前記差分が所定範囲内に収まっているかど
うか)を判定している。そして、工作物の径の変化速度
が前記移動速度とほぼ等しくなっている状態が、所定時
間以上続いた場合に、工作物の加工精度が許容範囲内に
収まっていると判定している。従って、請求項1に記載
の発明によれば、研削加工中にインプロセスで工作物の
加工精度を検出することが可能になり、工作機械の製造
効率(生産ラインの生産効率)が低下することはなく、
全ての工作物について品質チェックを実行できるため、
品質不良の工作物が良品とみなされることもなくなる。
尚、前記した第1判定手段における所定範囲と、第2判
定手段における所定時間とについては、実験的に最適値
を求めて設定すればよい。
【0008】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の工作機械の制御システムにおいて、前記砥石駆
動手段は、前記工作物径測定手段の測定した工作物の径
に基づいて、前記砥石を工作物に向けて移動させる移動
速度を複数段階に分けて段階的に下げてゆき、前記第1
判定手段,第2判定手段,第3判定手段はそれぞれ、前
記砥石駆動手段による前記移動速度の少なくとも最後の
段階にて、前記各判定を行うことをその要旨とする。
【0009】従って、請求項2に記載の発明によれば、
砥石を工作物に向けて移動させる移動速度を複数段階に
分けて段階的に下げてゆくことにより、研削加工時間の
短縮と、研削終了時の加工精度の確保とを両立させるこ
とができる。そして、工作物の最終的な加工精度が決定
される段階(砥石駆動手段による前記移動速度の少なく
とも最後の段階。例えば、微研削時)にて、前記各判定
を行うことにより、工作物の加工精度を正確に検出する
ことができる。
【0010】次に、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の工作機械の制御システムにおい
て、前記第3判定手段は、その判定終了時に、前記第1
判定手段の判定した前記差分が所定範囲内に収まってい
ない場合には、それ以前の状態に関係なく、工作物の加
工精度が許容範囲内に収まっていないと判定することを
その要旨とする。つまり、第3判定手段の判定終了時
に、前記第1判定手段の判定した前記差分が所定範囲内
に収まっていない場合、それ以前に工作物の径の変化速
度が前記移動速度とほぼ等しくなっていたとしても、工
作物の最終的な加工精度は許容範囲を外れたものとな
る。そこで、請求項3に記載の発明のようにすれば、研
削加工の終了時における工作物の加工精度を許容範囲内
に確実に収めることができる。
【0011】次に、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれか1項に記載の工作機械の制御システムに
おいて、前記工作物径測定手段は、工作物の径を周期的
に測定し、前記工作物径変化速度算出手段は、前記工作
物径測定手段が周期的に測定した工作物の径に基づい
て、その周期的に測定された工作物の径の変化の平均値
をとり、その平均値に基づいて工作物の径の変化速度を
算出することをその要旨とする。つまり、工作物径測定
手段の測定結果に何らかの原因でノイズが含まれている
場合、工作物径変化速度算出手段が算出した工作物の径
の変化速度には誤差が生じることがある。そこで、請求
項4に記載の発明のようにすれば、前記ノイズの影響を
回避することが可能になり、工作物の径の変化速度を正
確に算出することができる。
【0012】次に、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の工作機械の制御システムにおいて、前記第2判
定手段は、前記工作物径測定手段による工作物の径の測
定の周期に基づいて、前記所定時間の検出を行うことを
その要旨とする。従って、請求項5に記載の発明によれ
ば、工作物径測定手段による工作物の径の測定の周期を
流用して前記所定時間の検出を行うため、前記所定時間
の検出を容易かつ確実に行うことができる。
【0013】次に、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜5のいずれか1項に記載の工作機械の制御システムに
おいて、前記第3判定手段の判定結果を報知する報知手
段を備えたことをその要旨とする。従って、請求項6に
記載の発明によれば、報知手段の報知した第3判定手段
の判定結果に基づいて、工作機械のオペレータは、研削
加工を終了した工作物の加工精度が許容範囲内に収まっ
ているかどうか(工作物が良品か不良品か)を確実に認
知することができる。
【0014】次に、請求項7に記載の発明は、請求項1
〜6のいずれか1項に記載の工作機械の制御システムに
おける前記工作物径変化速度算出手段,第1判定手段,
第2判定手段,第3判定手段として、コンピュータシス
テムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピ
ュータで読み取り可能な記録媒体を提供するものであ
る。
【0015】つまり、請求項1〜6のいずれか1項に記
載の工作機械の制御システムにおける前記工作物径変化
速度算出手段,第1判定手段,第2判定手段,第3判定
手段を実現するための機能は、コンピュータシステムで
実行されるプログラムとして備えることができる。この
ようなコンピュータプログラムの場合、例えば、ROM
やバックアップRAMをコンピュータで読み取り可能な
記録媒体として前記コンピュータプログラムを記録して
おき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピ
ュータシステムに組み込んで用いることができる。この
他、半導体メモリ(メモリスティックなど),ハードデ
ィスク,フロッピー(登録商標)ディスク,データカー
ド(ICカード,磁気カードなど),光ディスク(CD
−ROM,CD−R,CD−RW,DVDなど),光磁
気ディスク(MOなど),相変化ディスク,磁気テープ
などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に前記コ
ンピュータプログラムを記録しておき、そのコンピュー
タプログラムを必要に応じてコンピュータシステムにロ
ードして起動することにより用いてもよい。
【0016】尚、上述した[特許請求の範囲]および
[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載
した構成要素と、後述する[発明の実施の形態]に記載
した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「工作機械」は円筒研削盤10に該当する。「工作物回
動手段」は、主軸台16、心押台18、主軸16a、チ
ャック16b、センタ18a、主軸サーボモータ42、
主軸エンコーダ44、数値制御装置100から構成され
る。「砥石駆動手段」は、砥石台20、砥石駆動モータ
24、プーリ26,30、ベルト28、第1モータ駆動
回路(DUZ)80、第1サーボモータ82、第1エン
コーダ84、数値制御装置100から構成される。「砥
石」は砥石車22に該当する。「工作物径測定手段」
は、定寸装置50とA/Dコンバータ108およびCP
U102におけるS12の処理に該当する。
【0017】「工作物径変化速度算出手段」は、CPU
102におけるS16の処理に該当する。「第1判定手
段」は、CPU102におけるS18の処理に該当す
る。「第2判定手段」は、CPU102におけるS20
〜S24の各処理に該当する。「第3判定手段」は、C
PU102におけるS26〜S30の各処理に該当す
る。「報知手段」は、出力装置112および数値制御装
置100から構成される。「記録媒体」はROM122
に該当する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を円筒研削盤の制御
システムに具体化した一実施形態について図面を参照し
て説明する。 [実施形態の主要構成]図1は、本実施形態における円
筒研削盤の制御システムの概略構成図であり、円筒研削
盤の要部平面図と、制御システムのブロック回路図とを
示すものである。本実施形態の制御システム1は、円筒
研削盤10、数値制御装置(CNC:Computerized Num
erical Control)100、入力装置110、出力装置1
12などから構成されている。
【0019】円筒研削盤10の構成部材はベッド12上
に配置されている。ベッド12上には、テーブル14が
水平方向(図示X−X’方向)に移動可能に案内支持さ
れている。テーブル14は、第2サーボモータ92の回
転軸に取り付けられたボールねじ(図示略)によって送
り移動される。第2サーボモータ92の回転位置(テー
ブル14の位置)は第2エンコーダ94によって検出さ
れる。テーブル14上には、主軸台16と心押台18と
が対向して配置されている。主軸台16における心押台
18側の端部には主軸16aが設けられ、主軸16aの
先端部にはチャック16bが設けられ、主軸16aは主
軸サーボモータ42によって回転駆動される。主軸サー
ボモータ42の回転数は主軸エンコーダ44によって検
出される。心押台18における主軸台16側の端部には
センタ18aが設けられている。
【0020】工作物(ワーク)Wは第1端部(図示左端
部)と第2端部(図示右端部)とを有し、その第1端部
はチャック16bによって把持され、その第2端部はセ
ンタ18aによってセンタ支持され、工作物Wは主軸台
16と心押台18との間に支持される。そして、工作物
Wは主軸16aの回転に伴って回転駆動(回動)され、
その工作物Wの回転軸(ワーク回転軸)はテーブル14
の移動方向(図示X−X’方向)と平行に設定されてい
る。そして、ベッド12上には、工作物Wの半径を測定
するための定寸装置50が配設されている。
【0021】また、ベッド12上には、砥石台20が、
テーブル14の移動方向(図示X−X’方向)と直交す
る水平方向(図示Y−Y’方向)に案内支持されてい
る。砥石台20は、第1サーボモータ82の回転軸に取
り付けられたボールねじ(図示略)によって送り移動さ
れる。第1サーボモータ82の回転位置(砥石台20の
位置)は第1エンコーダ84によって検出される。砥石
台20には、円板状の砥石車22がテーブル14の移動
方向(図示X−X’方向)と平行な軸線回りに回転可能
に支持されている。砥石車22の回転軸にはプーリ30
が取り付けられ、砥石駆動モータ24の回転軸にはプー
リ26が取り付けられ、各プーリ30,26にはベルト
28が架け渡されている。そして、砥石駆動モータ24
の動力は、プーリ26→ベルト28→プーリ30の経路
で砥石車22に伝達され、砥石車22は高速で回転駆動
(回動)される。
【0022】円筒研削盤10は、数値制御装置100に
よって制御される。数値制御装置100は、CPU10
2、RAM120、ROM122、インターフェース
(I/F)104,106、A/Dコンバータ108な
どを有する周知のマイクロコンピュータを含んで構成さ
れている。入力装置(例えば、キーボード、ポインティ
ングディバイスなど)110から転送されてくる種々の
データ信号は、インターフェース104を介してCPU
102へ転送される。また、CPU102の生成した種
々のデータ信号は、インターフェース104を介して出
力装置(例えば、ディスプレイ、音声再生装置など)1
12へ転送される。
【0023】CPU102は、ROM122に記憶され
ているコンピュータプログラムに従い、コンピュータに
よる各種演算処理により、各インターフェース104,
105およびA/Dコンバータ108を介して転送され
てきたデータ信号と、RAM120に記憶されているデ
ータ信号とに基づいて、円筒研削盤10を制御するため
のデータ信号を生成する。RAM120には、定寸装置
50の測定した工作物Wの半径(R(n),R(n−
1),R(n−2)……R(n−m),R(n−m−
1))を記憶しておくための工作物径バッファ領域12
0a、後述する工作物Wの半径変化速度(半径減少速
度)ΔVを記憶しておくための工作物径変化速度バッフ
ァ領域120b、後述する工作物Wの微研削時切込速度
Vfを記憶しておくための切込速度バッファ領域120
c、後述する許容範囲(有効範囲)の下限値αおよび上
限値βを記憶しておくための許容範囲バッファ領域12
0d、後述するカウンタしきい値Tfを記憶しておくた
めのカウンタしきい値バッファ領域120eが設けられ
ている。
【0024】定寸装置50から出力されたアナログ信号
(工作物Wの半径)は、A/Dコンバータ108により
ディジタル信号に変換されてCPU102へ転送され
る。主軸エンコーダ44の検出信号(主軸サーボモータ
42の回転数)は、インターフェース106を介してC
PU102へ転送される。
【0025】第1エンコーダ84は、第1サーボモータ
82の回転位置(砥石台20の位置)を検出し、その検
出信号を、第1モータ駆動回路(DUZ)80へ転送す
ると共に、インターフェース106を介してCPU10
2へ転送する。CPU102の生成した第1サーボモー
タ82の駆動信号は、インターフェース106を介して
第1モータ駆動回路80へ転送される。第1モータ駆動
回路80は、CPU102の生成した駆動信号に従っ
て、第1サーボモータ82を回転駆動する。
【0026】第2エンコーダ94は、第2サーボモータ
92の回転位置(テーブル14の位置)を検出し、その
検出信号を、第2モータ駆動回路(DUX)90へ転送
すると共に、インターフェース106を介してCPU1
02へ転送する。CPU102の生成した第2サーボモ
ータ92の駆動信号は、インターフェース106を介し
て第2モータ駆動回路90へ転送される。第2モータ駆
動回路90は、CPU102の生成した駆動信号に従っ
て、第2サーボモータ92を回転駆動する。
【0027】[実施形態の動作]数値制御装置100の
CPU102は、ROM122に記録されている研削加
工のコンピュータプログラムに従い、円筒研削盤10に
よる研削加工が開始されると、各エンコーダ44,8
4,94の検出信号に基づいて各サーボモータ42,8
2,92の回転駆動を制御する。その結果、第1サーボ
モータ82により砥石台20が図示Y’方向に移動さ
れ、工作物Wの研削加工箇所が砥石車22の研削面の正
面側に向けられる。そして、砥石駆動モータ24により
砥石車22が一定回転速度で回転駆動される。また、第
2サーボモータ92によりテーブル14が図示X−X’
方向に所定速度で移動される。さらに、主軸サーボモー
タ42により主軸16aが回転駆動され、主軸16aに
設けられたチャック16bに把持されている工作物Wが
所定回転速度で回転駆動される。そして、工作物Wの外
周面の研削加工箇所が砥石車22の研削面に接触されて
研削加工される。
【0028】この工作物Wの研削加工と同時に、定寸装
置50により工作物Wの半径が測定される。このとき、
定寸装置50の測定ヘッド50aは、工作物Wを挟んで
砥石車22の研削面と対向する位置に配置されている。
そのため、砥石車22による工作物Wの研削加工箇所の
半径を、定寸装置50によって研削加工中にリアルタイ
ムで測定することができる。
【0029】ここで、砥石台20の図示Y’方向への移
動速度は、研削開始から研削終了までの間に3段階に変
更される。尚、この砥石台20の移動速度は、工作物W
に対する砥石車22の切込速度と等しくなる。すなわ
ち、研削が開始されると、まず、砥石台20の移動速度
(砥石車22の切込速度)は相対的に速い一定速度に設
定され、工作物Wは速いペースで研削加工される(この
研削加工は「粗研削」と呼ばれる)。次に、砥石台20
の移動速度は粗研削より遅い一定速度に設定され、工作
物Wは粗研削より遅いペースで研削加工される(この研
削加工は「精研削」と呼ばれる)。続いて、砥石台20
の移動速度は精研削より遅い一定速度に設定され、工作
物Wは精研削よりさらに遅いペースで研削加工される
(この研削加工は「微研削」と呼ばれる)。
【0030】つまり、工作物Wの研削加工の速度を高め
て研削加工時間を短縮するには、砥石台20の移動速度
(砥石車22の切込速度)を速く設定して、速いペース
で研削加工する必要がある。しかし、工作物Wの研削加
工の加工精度を高めるには、砥石台20の移動速度を遅
く設定して、遅いペースで研削加工する必要がある。そ
こで、砥石台20の移動速度(砥石車22の切込速度)
を3段階に分けて段階的に下げてゆくことにより、研削
加工時間の短縮と、研削終了時の加工精度の確保とを両
立させているわけである。
【0031】ここで、砥石台20の移動速度(砥石車2
2の切込速度)を、粗研削,精研削,微研削の3段階に
切り替える切替時点(変速時点)、および研削加工の終
了時点は、定寸装置50の測定した工作物Wの半径に基
づいて判定される。つまり、円筒研削盤10のオペレー
タは、精研削の開始時点,微研削の開始時点,研削加工
の終了時点のそれぞれについて工作物Wの半径を予め設
定し、それぞれの設定値(精研削開始半径,微研削開始
半径,研削加工終了半径)を入力装置110を介して数
値制御装置100へ入力する。尚、精研削開始半径,微
研削開始半径,研削加工終了半径については、工作物W
の研削加工前後の半径に基づいて適宜設定すればよい。
【0032】また、オペレータは、粗研削,精研削,微
研削のそれぞれにおける切込速度を予め設定し、それぞ
れの設定値(粗研削時切込速度,精研削時切込速度,微
研削時切込速度)を入力装置110を介して数値制御装
置100へ入力する。尚、これら切込速度については、
工作物Wの材質に応じて適宜設定すればよい。すると、
CPU102は、インターフェース104を介して入力
された前記各設定値をRAM120に記憶させる。
【0033】そして、CPU102は、研削加工中に定
寸装置50の測定した工作物Wの半径が、RAM120
に記憶されている精研削開始半径と等しくなった時点
で、砥石台20の移動速度(砥石車22の切込速度)を
粗研削時切込速度から精研削時切込速度へ切り替える。
続いて、CPU102は、研削加工中に定寸装置50の
測定した工作物Wの半径が、RAM120に記憶されて
いる微研削開始半径と等しくなった時点で、砥石台20
の移動速度を精研削時切込速度から微研削時切込速度へ
切り替える。その後、CPU102は、研削加工中に定
寸装置50の測定した工作物Wの半径が、RAM120
に記憶されている研削加工終了半径(仕上げ半径)と等
しくなった時点で、研削加工を終了させ、第1サーボモ
ータ82により砥石台20を図示Y方向に移動させた後
に、各モータ24,42,82,92を停止させる。
【0034】この円筒研削盤10による研削加工中に、
CPU102はインプロセスで工作物Wの加工精度を検
出して品質チェックを行う。図2は、CPU102が研
削加工中に実行する工作物Wの品質チェック処理の流れ
を示すフローチャートである。CPU102は、ROM
122に記録されている品質チェック処理のコンピュー
タプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理
によって、以下の各ステップの処理を実行する。
【0035】尚、前記コンピュータプログラムをコンピ
ュータで読み取り可能な記録媒体(半導体メモリ(メモ
リスティックなど)、ハードディスク、フロッピーディ
スク、データカード(ICカード,磁気カードなど)、
光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−RW,D
VDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、相変化ディ
スク、磁気テープなど)を備えた外部記憶装置に記録し
ておき、当該コンピュータプログラムを必要に応じて外
部記憶装置からCPU102にロードして起動すること
により用いるようにしてもよい。
【0036】まず、CPU102は、内蔵されたカウン
タのカウンタ値Tをクリア(「0」にリセット)する
(ステップ(以下「S」と記載する)10)。次に、C
PU102は、A/Dコンバータ108を介して入力さ
れた定寸装置50の出力信号に基づいて、工作物Wの現
在の半径R(n)を測定し、その半径R(n)をRAM
120の工作物径バッファ領域120aに記憶させる
(S12)。
【0037】そして、CPU102は、工作物径バッフ
ァ領域120aに記憶された工作物Wの現在の半径R
(n)に基づいて、現在の研削加工が微研削であるかど
うかを判定し(S14)、微研削でない場合(S14:
No)はS12の処理へ戻り、微研削である場合は(S
14:Yes)、工作物Wの半径変化速度ΔVを算出
し、その半径変化速度ΔVをRAM120の工作物径変
化速度バッファ領域120bに記憶させる(S16)。
【0038】ここで、工作物Wの半径変化速度ΔVは、
式(1)によって算出される。
【数1】 (R(n):サンプリングした工作物Wの半径のデータ
のn番目のデータ(現在のデータ)、m:サンプリング
回数、t:サンプリング時間)
【0039】次に、CPU102は、式(2)に示すよ
うに、工作物Wの半径変化速度ΔVと、RAM120の
切込速度バッファ領域120cに記憶されている微研削
時切込速度Vfとの差分の絶対値が、RAM120の許
容範囲バッファ領域120dに記憶されている許容範囲
の下限値αと上限値βとの間に収まっているかどうかを
判定し(S18)、収まっている場合(S18:Ye
s)はカウンタ値Tをインクリメントし(S20)、収
まっていない場合(S18:NO)はカウンタ値Tをク
リアする(S22)。 α≦|ΔV−Vf|≦β ………式(2)
【0040】続いて、CPU102は、工作物径バッフ
ァ領域120aに記憶されている工作物Wの現在の半径
R(n)に基づいて研削加工が終了したと判定するまで
(S24:Yes)、S12〜S22の処理を繰り返
す。尚、S12〜S22の処理のルーチンは、前記サン
プリング時間t毎に繰り返される。その後、CPU10
2は、研削加工が終了したと判定すると(S24:Ye
s)、RAM120のカウンタしきい値バッファ領域1
20eに記憶されているカウンタしきい値Tfよりもカ
ウンタ値Tが大きいかどうかを判定する(S26)。
【0041】そして、CPU102は、カウンタ値Tが
カウンタしきい値Tf以上の場合は(T≧Tf、S2
6:Yes)、工作物Wの加工精度が許容範囲内に収ま
っている旨のデータ信号を生成し、そのデータ信号をイ
ンターフェース104を介して出力装置112へ出力し
(S28)、品質チェック処理を終了する。すると、出
力装置112は、工作物Wの加工精度が許容範囲内に収
まっており良品であることをオペレータに通知する(例
えば、ディスプレイにより視覚的に通知したり、音声再
生装置により聴覚的に通知する)。また、CPU102
は、カウンタ値Tがカウンタしきい値Tf未満の場合は
(T<Tf、S26:No)、工作物Wの加工精度が許
容範囲内に収まっていない旨のデータ信号を生成し、そ
のデータ信号をインターフェース104を介して出力装
置112へ出力し(S30)、品質チェック処理を終了
する。すると、出力装置112は、工作物Wの加工精度
が許容範囲内に収まっておらず品質不良であることをオ
ペレータに通知する。
【0042】このように、本実施形態では、微研削時に
おいて(S14:Yes)、工作物Wの半径変化速度Δ
Vを算出し(式(1)、S16)、その半径変化速度Δ
Vと微研削時切込速度Vfとの差分の絶対値が許容範囲
内(下限値α、上限値β)に収まっているかどうかを判
定し(式(2)、S18)、収まっていればカウンタ値
Tをインクリメントし(S20)、収まっていなければ
カウンタ値Tをクリアし(s22)、カウンタ値Tがカ
ウンタしきい値Tf以上であれば(S26:Yes)、
工作物Wの加工精度が許容範囲内に収まっており良品で
あると判定し(S28)、カウンタ値Tがカウンタしき
い値Tf未満であれば(S26:No)、工作物Wの加
工精度が許容範囲内に収まっておらず品質不良あると判
定する(S30)。
【0043】図3は、工作物Wの研削加工中(粗研削,
精研削,微研削)における工作物Wの半径および砥石台
20(砥石車22)の位置の時間変化を示すグラフであ
り、微研削は時間TM1から時間TM2の期間行われ
る。図4(A)は、微研削中(時間TM1から時間TM
2の期間)における工作物Wの半径変化速度ΔVの時間
変化の一例を示すグラフであり、工作物Wの半径変化速
度ΔVはサンプリング時間t毎に算出される。図4
(B)は、図4(A)に示す工作物Wの半径変化速度Δ
Vに対応したカウンタ値Tの時間変化の一例を示すグラ
フである。
【0044】[実施形態の作用・効果] (1)精研削時および微研削時において、工作物Wが砥
石車22に接触した直後には、砥石車22の反対方向に
工作物Wが逃げて大きく撓み、その撓み量は研削加工が
すすむにつれて除々に減少してゆき、最終的には、切込
速度に対応した撓み量に収束する。そして、工作物Wの
撓み量が切込速度に対応した値に収束したとき、工作物
Wの半径変化速度ΔVは切込速度とほぼ等しくなる。工
作物Wの撓み量が大きい状態では、工作物Wの断面の真
円度が低くなっている。そのため、工作物Wの撓み量が
最も小さくなっている状態(工作物Wの撓み量が切込速
度に対応した値に収束し、工作物Wの半径変化速度ΔV
が切込速度とほぼ等しくなっている状態)にすれば、工
作物Wの断面の真円度を高めて加工精度を向上させるこ
とができる。また、3つの研削状態(粗研削,精研削,
微研削)のうち、切込速度が最も遅い微研削において、
工作物Wの最終的な加工精度が決定される。
【0045】そこで、本実施形態では、微研削時に、工
作物Wの半径変化速度ΔVが微研削時切込速度Vfとほ
ぼ等しくなっているかどうか(下限値αと上限値βとの
間に収まっているかどうか)を判定している(S1
8)。そして、工作物Wの半径変化速度ΔVが微研削時
切込速度Vfとほぼ等しくなっている状態(S18:Y
es)が、所定時間Ts以上続いた場合に(S26:Y
es)、工作物Wの加工精度が許容範囲内に収まってい
ると判定している(S28)。
【0046】従って、本実施形態によれば、研削加工中
にインプロセスで工作物Wの加工精度を検出することが
可能になり、円筒研削盤10の製造効率(生産ラインの
生産効率)が低下することはなく、全ての工作物Wにつ
いて品質チェックを実行できるため、品質不良の工作物
Wが良品とみなされることもなくなる。尚、RAM12
0の許容範囲バッファ領域120dに記憶しておく許容
範囲の下限値αおよび上限値βは、実験的に最適値を求
めて設定すればよい。
【0047】(2)上記(1)において、工作物Wの半
径変化速度ΔVが微研削時切込速度Vfとほぼ等しくな
っている状態(S18:Yes)が所定時間Ts以上続
いているかどうかの判定は、カウンタ値Tがカウンタし
きい値Tf以上かどうかを判定することにより行ってい
る。つまり、図2に示すS12〜S22の処理のルーチ
ンは、サンプリング時間t毎に周期的に繰り返されるた
め、式(3)に示すように、工作物Wの半径変化速度Δ
Vが微研削時切込速度Vfとほぼ等しくなっている状態
の継続時間Tcは、カウンタ値Tにサンプリング時間t
を乗算した値になる。また、式(4)に示すように、所
定時間Tsは、カウンタしきい値Tfにサンプリング時
間tを乗算した値になる。
【0048】従って、継続時間Tcが所定時間Ts以上
かどうかは(Tc≧ts)、カウンタ値Tがカウンタし
きい値Tf以上かどうか(T≧Tf)をみればわかるこ
とになる。 Tc=T・t ………式(3) Ts=Tf・t ………式(4) このように、本実施形態によれば、継続時間Tcが所定
時間Ts以上かどうかの判定をカウンタ値Tに基づいて
行うため、当該判定を容易かつ確実に行うことができ
る。尚、RAM120のカウンタしきい値バッファ領域
120eに記憶しておくカウンタしきい値Tfは、実験
的に最適値を求めて設定すればよい。
【0049】(3)工作物Wの半径変化速度ΔVが微研
削時切込速度Vfとほぼ等しくなっていない(下限値α
と上限値βとの間に収まっていない)場合には(S1
8:No)、カウンタ値Tをクリアしている(S2
2)。そのため、工作物Wの半径変化速度ΔVが微研削
時切込速度Vfとほぼ等しくなっている状態(S18:
Yes)がある程度続いた場合でも、微研削が終了する
直前に、半径変化速度ΔVが微研削時切込速度Vfとほ
ぼ等しくならない状態になると(S18:No)、カウ
ンタ値Tがクリアされてカウンタしきい値Tf未満にな
る(S26:No)。
【0050】つまり、微研削の終了時点(S24:Ye
s)で半径変化速度ΔVが微研削時切込速度Vfとほぼ
等しくなっていない場合、それ以前に半径変化速度ΔV
が微研削時切込速度Vfとほぼ等しくなっていたとして
も、工作物Wの最終的な加工精度は許容範囲を外れたも
のとなる。そこで、本実施形態では、微研削の終了時点
で半径変化速度ΔVが微研削時切込速度Vfとほぼ等し
くなっていない場合には、それ以前の状態に関係なく、
カウンタ値Tをクリアすることで、研削加工の終了時に
おける工作物Wの加工精度を許容範囲内に確実に収める
ようにしている。
【0051】(4)工作物Wの半径変化速度ΔVを算出
する際には(S16)、式(1)に示すように、サンプ
リングした工作物Wの半径のデータのn番目のデータ
(現在のデータ)である半径R(n)からm+1回前の
サンプリングデータ(n−m−1番目のデータ)である
半径R(n−m−1)について、任意のデータ(k番目
のデータである半径R(k))とその直前のデータ(k
−1番目のデータである半径R(k−1))との差分を
とり、RAM120の工作物径バッファ領域120aに
記憶されている全データ(R(n)〜R(n−m−
1))について当該差分の総和(Σ)をとり、その総和
の平均(/m)をとり、その平均値をサンプリング時間
tで除算している。
【0052】つまり、定寸装置50の測定結果にノイズ
が含まれている場合、現在のサンプリングデータ(半径
R(n))とその直前のサンプリングデータ(半径R
(n−1))との差分だけから半径変化速度ΔVを算出
すると、算出した半径変化速度ΔVに誤差が生じること
になる。ちなみに、定寸装置50の測定結果にノイズが
含まれる原因としては、円筒研削盤10の機構的原因
(主軸台16、心押台18、主軸16a、チャック16
b、センタ18aなどの寸法誤差)、円筒研削盤10に
対する工作物Wの取付寸法誤差、定寸装置50の測定ヘ
ッド50aや工作物Wに付着した研削屑などがあげられ
る。
【0053】そこで、本実施形態では、前記したように
工作物Wの半径の変化の平均をとることで、前記ノイズ
の影響を回避して、工作物Wの半径変化速度ΔVを正確
に算出するようにしている。
【0054】尚、サンプリング回数mは任意の整数であ
り、このサンプリング回数mを大きく設定するほど、前
記ノイズの影響を受けない正確な半径変化速度ΔVが得
られるが、その反面、RAM120における工作物径バ
ッファ領域120aの記憶容量が増大するため、大容量
のRAM120が必要となり、RAM120の部品コス
トが増大することになる。従って、サンプリング回数m
は、前記ノイズの影響を回避するのに十分な値に実験的
に設定する必要がある。ちなみに、前記ノイズは工作物
Wの1回転毎に周期的に現れることが多いため、サンプ
リング回数mにサンプリング時間tを乗算した値が工作
物Wの1回転に要する時間と等しくなるようにサンプリ
ング回数mを設定すれば、サンプリング回数mを小さく
した上で前記ノイズの影響を確実に回避することができ
る。
【0055】[別の実施形態]尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、以下のように具体化して
もよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそ
れ以上の作用・効果を得ることができる。 [1]上記実施形態では、上記(3)に記載したよう
に、S22の処理においてカウンタ値Tをクリアしてい
る。しかし、S22の処理において、カウンタ値Tをデ
クリメントするようにしてもよい。この場合には、上記
(3)に記載の効果は得られなくなるものの、上記
(1)(2)(4)の効果については同様に得られる。
【0056】[2]上記実施形態では、上記(4)に記
載したように、S16の処理において工作物Wの半径変
化速度ΔVを算出する際に、工作物Wの半径の変化の平
均をとっている。しかし、S16の処理において工作物
Wの半径変化速度ΔVを算出する際に、現在のサンプリ
ングデータ(半径R(n))とその直前のサンプリング
データ(半径R(n−1))との差分だけから半径変化
速度ΔVを算出するようにしてもよい。この場合には、
上記(4)に記載の効果は得られなくなるものの、上記
(1)(2)(3)の効果については同様に得られる。
また、定寸装置50の測定結果にノイズが含まれない場
合には、正確な半径変化速度ΔVが得られることに加
え、RAM120における工作物径バッファ領域120
aの記憶容量が少なくて済むため、小容量のRAM12
0で十分になり、RAM120の部品コストを削減する
ことができる。
【0057】[3]上記実施形態は円筒研削盤の制御シ
ステムに適用したものであるが、本発明はこれに限ら
ず、工作物を保持して回動させ、その工作物に向けて回
動する砥石を移動させ、工作物に砥石を接触させて研削
加工する工作機械(例えば、クランクシャフト研削盤、
カム研削盤など)の制御システム全般に適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態における円筒研
削盤の制御システムの概略構成図。
【図2】一実施形態において工作物の研削加工中に実行
される品質チェック処理の流れを示すフローチャート。
【図3】一実施形態において研削加工中における工作物
の半径および砥石台の位置の時間変化を示すグラフ。
【図4】図4(A)は、微研削中における工作物の半径
変化速度ΔVの時間変化を示すグラフ。図4(B)は、
半径変化速度ΔVに対応したカウンタ値Tの時間変化を
示すグラフ。
【符号の説明】
1…制御システム 10…円筒研削盤 16…主軸台 16a…主軸 16b…チャック 18…心押台 18a…センタ 20…砥石台 22…砥石車 24…砥石駆動モータ 26,30…プーリ 28…ベルト 42…主軸サーボモータ 44…主軸エンコーダ 50…定寸装置 80…第1モータ駆動回路(DUZ) 82…第1サーボモータ 84…第1エンコーダ 100…数値制御装置 108…A/Dコンバータ 102…CPU 112…出力装置 122…ROM

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物を保持して回動させる工作物回動
    手段と、 工作物を研削する砥石と、 その砥石を回動させながら工作物に向けて移動させる砥
    石駆動手段と、 工作物の径を測定する工作物径測定手段とを備えた工作
    機械の制御システムにおいて、 前記工作物径測定手段の測定した工作物の径に基づい
    て、その工作物の径の変化速度を算出する工作物径変化
    速度算出手段と、 前記砥石駆動手段が前記砥石を工作物に向けて移動させ
    る移動速度と、前記工作物径変化速度算出手段の算出し
    た工作物の径の変化速度との差分を算出し、その差分が
    所定範囲内に収まっているかどうかを判定する第1判定
    手段と、 その第1判定手段の判定した前記差分が所定範囲内に収
    まっている状態が、所定時間以上続いているかどうかを
    判定する第2判定手段と、 その第2判定手段の判定に基づいて、前記第1判定手段
    の判定した前記差分が所定範囲内に収まっている状態が
    所定時間以上続いている場合には工作物の加工精度が許
    容範囲内に収まっていると判定し、それ以外の場合には
    工作物の加工精度が許容範囲内に収まっていないと判定
    する第3判定手段とを備えたことを特徴とする工作機械
    の制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の工作機械の制御システ
    ムにおいて、 前記砥石駆動手段は、前記工作物径測定手段の測定した
    工作物の径に基づいて、前記砥石を工作物に向けて移動
    させる移動速度を複数段階に分けて段階的に下げてゆ
    き、 前記第1判定手段,第2判定手段,第3判定手段はそれ
    ぞれ、前記砥石駆動手段による前記移動速度の少なくと
    も最後の段階にて、前記各判定を行うことを特徴とする
    工作機械の制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の工作機
    械の制御システムにおいて、 前記第3判定手段は、その判定終了時に、前記第1判定
    手段の判定した前記差分が所定範囲内に収まっていない
    場合には、それ以前の状態に関係なく、工作物の加工精
    度が許容範囲内に収まっていないと判定することを特徴
    とする工作機械の制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の工
    作機械の制御システムにおいて、 前記工作物径測定手段は、工作物の径を周期的に測定
    し、 前記工作物径変化速度算出手段は、前記工作物径測定手
    段が周期的に測定した工作物の径に基づいて、その周期
    的に測定された工作物の径の変化の平均値をとり、その
    平均値に基づいて工作物の径の変化速度を算出すること
    を特徴とする工作機械の制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の工作機械の制御システ
    ムにおいて、 前記第2判定手段は、前記工作物径測定手段による工作
    物の径の測定の周期に基づいて、前記所定時間の検出を
    行うことを特徴とする工作機械の制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の工
    作機械の制御システムにおいて、 前記第3判定手段の判定結果を報知する報知手段を備え
    たことを特徴とする工作機械の制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の工
    作機械の制御システムにおける前記工作物径変化速度算
    出手段,第1判定手段,第2判定手段,第3判定手段と
    して、コンピュータシステムを機能させるためのプログ
    ラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒
    体。
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