JP2002178012A - オンラインロール研削方法 - Google Patents

オンラインロール研削方法

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JP2002178012A
JP2002178012A JP2000377657A JP2000377657A JP2002178012A JP 2002178012 A JP2002178012 A JP 2002178012A JP 2000377657 A JP2000377657 A JP 2000377657A JP 2000377657 A JP2000377657 A JP 2000377657A JP 2002178012 A JP2002178012 A JP 2002178012A
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Japan
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roll
grinding
rolled
rolling
grindstone
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JP2000377657A
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Katsushi Yamamoto
克史 山本
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール研削量を適切にし、圧延用ワークロー
ルとの摩擦の大きい被圧延材でのロール原単位の低減
と、同ロールとの摩擦の小さい被圧延材での砥石原単位
の低減を実現する。 【解決手段】 回転するロール25の周面に砥石34を
押し付け、更にロール軸方向にオシレートさせるオンラ
インロール研削方法において、単位時間当たりのロール
研削体積を被圧延材毎に可変とするようプリセットす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯圧延用ロー
ルのオンラインロール研削方法に係り、特に、圧延用ワ
ークロールとの摩擦の大きい被圧延金属帯でのロール原
単位の低減と、同ロールとの摩擦の小さい被圧延材での
砥石原単位の低減を実現することが可能なオンラインロ
ール研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、熱間圧延における仕上圧延で
は、圧延用ワークロール(以下単にロールと称す)と被
圧延金属帯(以下、単に被圧延材と称す)が接触する箇
所において、ロールが圧延反力を受けながら被圧延材と
摩擦するために磨耗することが知られている。この磨耗
は、ロールと被圧延材が接触する箇所で進行するため、
圧延に寄与しないロール胴長方向(円柱形状ロールの中
心軸方向)の両端部と、圧延に寄与する部分(以下、板
道と称する)との境界には、磨耗による段差が発生す
る。この段差は、板道中央を挟んでロール胴長方向に2
箇所対称に形成されるが、何本もの被圧延材を連続して
圧延すると、この段差が大きく成長する。ここでもし、
この2箇所の段差発生位置の間隔より広い板幅の被圧延
材を圧延すると、上下のロール間ギャップがロール軸方
向に不均一な状態で圧延されることになり、圧延後の被
圧延材長手方向の形状が大きく乱れ、通板上の支障にな
る場合があるばかりでなく、被圧延材の圧延後の板幅方
向の板厚分布も段差を有した状態に仕上がり、製品品質
上も大きな問題となる。
【0003】上記問題を発生させないためには、板幅に
応じて被圧延材の圧延順を規制することで一応の解決は
つくが、広幅の被圧延材の圧延チャンスの規制により、
その他の被圧延材も含め、圧延チャンスが来るまでの半
製品仕掛日数が長くなり、納期上の問題や、仕掛在庫半
製品という資産の積み増しといったコスト上の問題を招
いていた。そのため、近年では、圧延しながら上記の磨
耗段差を除去し、被圧延材の板幅による圧延順の制約を
緩和ないしは撤廃する目的で、オンラインでロールを研
削するオンラインロール研削装置が実操業に導入されつ
つある。
【0004】砥石とロールの接触面のロール軸方向の幅
が決まっていて、ロール1周当たりのロール軸方向への
移動量も、この幅で一定とした場合、ロール表面が研削
される現象は、砥石とロールの接触押圧により発生する
荷重、及び、砥石とロールが接触した状態でロールが回
転して摺動する延べ長さに支配される。従って、単位時
間当たりのロール研削体積である、以下、研削能とも称
する量は、砥石のロール表面への砥石押付線圧と、砥石
とロールとの間で生じる相対摺動速度に依存する。その
定性的関係は、砥石押付線圧が大きいほど研削能は大き
くなり、又、相対摺動速度が大きいほど研削能は大きく
なるといった関係にある。研削能を表わす式としては、
例えば、特開平7−88513などに、次式のような回
帰式が記載されている。
【0005】 Vg=a・Pb・Vrc …(1) Vg:研削能(cc/min) P :砥石押付線圧(kgf/mm) Vr:相対摺動速度(mpm) (Vr=VR+VG VR:ロール周速(mpm)、VG:砥石周速(mp
m)) a,b,c:研削能パラメータ
【0006】上記に述べた考え方に基づき、研削能を一
定とした場合の砥石押付線圧と相対摺動速度の関係を大
まかに図示すると、図1のようになる。
【0007】上記の研削能を用いた場合、1オシレート
により研削される研削量(ロール径方向に研削される深
さ)ΔRは、次式で表わされる。
【0008】 ΔR=(Vg×106)/(60π×Dw×Vosc) …(2) ΔR:1オシレート当たりの研削量(μm) Dw:ロール直径(mm) Vosc:オシレート速度(mm/sec)
【0009】つまり、ΔRは研削能Vgと比例関係にあ
ることが判る。ここで、オシレートとは、英語では本来
振動という意味であるが、本発明では砥石がロール軸方
向に何パスか往復移動動作する場合、あるいは、一方向
に1パスの移動動作をするだけの場合も含め、オシレー
トと称することとし、1オシレートとは、一方向に1パ
スの移動動作をする場合を指すものとする。
【0010】ここで、例えば熱間圧延などにおける仕上
圧延(以下、単に圧延と称す)では、通板性及び製品品
質上の仕上出側温度確保の必要性などの観点から、圧延
中に加減速する。この加減速前後の速度(相対摺動速度
に影響)は、予め決められていると共に、加減速中も含
め、リアルタイムにモニタできる。そのため、研削能を
一定とするために、上記に示されるような関係式により
砥石押付線圧を決定する。これにより、オンラインロー
ル研削装置は、圧延中に変動するロール周速に対応して
砥石押付線圧を変化させるよう制御することにより、研
削能を一定とすることができ、目標通りの研削が実現で
きる。ここで、上記(1)式に示される研削能を決定づ
ける各種定数は、事前に実験データ等から同定して求め
ておけばよく、研削対象となるロールの材質などをキー
データとして記憶しておくことができる。
【0011】前述の特開平7−88513では、更に、
ロールの研削前及び研削後のロールプロフィールをそれ
ぞれ計測して、研削毎に実績の研削量ΔRから実績の研
削能Vgを求め、その結果をフィードバックし、(1)
式を用いて次回の研削の砥石押付線圧Pあるいはロール
周速を修正することで、研削精度を高める、としてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オンラ
インロール研削装置による研削制御方法については研究
中の部分が多く、前述の特開平7−88513に開示の
技術には、実際のところ、ロールを削りすぎる場合があ
る、砥石の減りが早い、など、未だ改善の余地があっ
た。又、ロールプロフィールを実際に計測する必要があ
り、センサ設置費用が高い、センサの誤測定など信頼性
が十分でない、センサのメンテナンスが大変、という問
題もあった。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、ロール研削量を適切に設定して、圧
延用ワークロールとの摩擦の大きい被圧延材でのロール
原単位の低減と、同ロールとの摩擦の小さい被圧延材で
の砥石原単位の低減を実現することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属帯をロー
ルを用いて圧延するに際し、回転するロールの周面に砥
石を押し付け、更にロール軸方向にオシレートさせるオ
ンラインロール研削方法において、単位時間当たりのロ
ール研削体積を被圧延金属帯毎に可変とするようプリセ
ットするようにして、前記課題を解決したものである。
【0015】又、前記単位時間当たりのロール研削体積
を、被圧延金属帯毎の予測ロール周速と設定押付圧力に
従って変えるようにしたものである。
【0016】本発明は、従来技術とは異なり、 (1)研削能を固定せずに可変とし、大きな値になるよ
うに制御することで、ロールの磨耗が大きい被圧延材を
圧延する場合にも、ロールの研削残しに伴なう段差プロ
フィールを発生させず、一方、ロールを研削しすぎもせ
ず、ロール原単位の低減適正化を図ることができる。 (2)研削能を可変とし、小さな値とすることで、砥石
の減りを抑制し、砥石原単位の低減適正化を図ることが
できる。 (3)上述の研削能を個々の被圧延材1本毎にプリセッ
トするだけで、上記(1)、(2)を実現でき、ロール
プロフィールを実際に計測するセンサを別個に必要とせ
ず、センサ設置費用、信頼性、メンテナンスといった問
題に悩まされずに済む。
【0017】まず、(1)研削能を大きく設定すること
でロール原単位の低減適正化ができる作用について説明
する。
【0018】今、圧延することで生じるロール磨耗が大
きい、幅Wなる被圧延材を圧延した場合を考える。ロー
ル軸方向の磨耗分布は図2のようになる。板道でロール
表面が磨耗するが、板幅端部が接触する箇所では、板幅
中央部が接触する箇所と比べて局所的に深く磨耗する。
ここで、板幅中央部で生じるロール磨耗が3μm、板幅
端部で生じるロール磨耗が1μm多い4μmであったと
き、オンラインロール研削装置が研削量ΔRにして1μ
mとなる研削能を有していたとすると、目標研削プロフ
ィールは図3(A)の破線のようになり、4回のオシレ
ート動作で4μm研削して、ロール表面を平坦な状態に
することになる。ここで更に、同様の磨耗量を発生させ
る被圧延材が連続したとする。一般的に熱間圧延では同
様の鋼種を連続して圧延する場合、通常幅が狭くなる圧
延順とするが、ここでも、被圧延材の幅は先に圧延した
ものと比べて若干幅が狭い場合を想定する。磨耗分布及
び目標研削プロフィールは、先の被圧延材の場合と同様
に図3(B)のようになり、同様に4回のオシレート動
作でロール表面を平坦な状態にすることになる。しか
し、これら2本の被圧延材を圧延後のロールの磨耗分布
及び研削プロフィールを足し合わせた図を図3(C)に
示すが、ロール表面を常に平坦な状態に保とうとするよ
うに研削制御が行われるが故に、板道内がその都度研削
され、ロール表面を余計に研削する結果となっている。
【0019】一方、研削量ΔRが2倍の2μmとなる研
削能を有している場合で同様のケースについて図示した
ものを図4に示す。1本目では、図4(A)に示す如
く、板道外では2回のオシレートで丁度段差を研削し切
る一方、板道内は、ΔRが大きいため、研削するほど磨
耗が成長していないとして研削動作は行われないことに
なる。又、2本目では、図4(B)に示す如く、被圧延
材が1本目に比べて少し狭い場合を想定するが、板道の
外では2回オシレートすると研削し過ぎとなるため、1
回しかオシレートしない。一方、板道内は研削動作をせ
ずに済むことになる。従って、これら2本の被圧延材を
圧延後の磨耗分布及び研削プロフィールを足し合わせた
結果をみると、図4(C)に示す如く、ロール表面を余
計に研削せずに済んでおり、ロール表面も高々ΔR以下
の凹凸(この場合2μm)しか残らない。この程度のわ
ずかな凹凸であれば、被圧延材製品の品質に悪影響を及
ぼすものではない。つまり、板幅端部で大きな磨耗が発
生するような磨耗の大きな被圧延材を圧延する場合に
は、ΔRを極力大きくする(研削能を大きくする)こと
が、ロール表面を余計に研削せずに済み、ロール原単位
を低減できるのである。そのため、上記のような被圧延
材を圧延する場合は、できるだけ研削能を大きなものと
したい。つまり、砥石押付線圧を大きくするか、相対摺
動速度を大きくするかといった手段を講じることにな
る。しかし、後者については、被圧延材の速度(ロール
周速と略同一)は、被圧延材の品質及び通板性の観点か
ら決められており、又、砥石の回転速度も設計上決定さ
れている。従って、砥石押付線圧を極力大きくすること
で研削能を大きくすることとなる。ここで、砥石押付線
圧をあまりに大きくしすぎると、最悪の場合、砥石の回
転が停止する事態を誘発し、ロール上に砥石停止による
螺旋状のマークがついてしまうため、ロール表面保護、
及び、被圧延材表面品質確保の観点から、これを防止す
るよう注意する。
【0020】次に、(2)研削能を小さくすることで、
砥石原単位の低減適正化が図れる作用について説明す
る。
【0021】今、圧延することで発生するロール磨耗が
比較的小さい被圧延材を圧延する場合を考える。発生磨
耗量が小さい被圧延材を圧延する場合は、ロールにとっ
て板幅端部と接触する箇所が局所的に深く磨耗する程度
も共に小さく、殆ど無視できる。先程の研削能が大きく
ΔRが大きい場合は、1回のオシレートでロール表面を
深く削れる利点はあるが、常にそのような研削をしてい
ると、砥石の減る量が大きくなるという問題がある。オ
ンラインでロールを研削するオンラインロール研削装置
が使用する砥石は、ロール表面を研削するという性質
上、高硬度な材質が要求される。高硬度にすればするほ
ど、高価な材質を用いたり、砥石作成に高度な技術が必
要となるなど、価格も当然高くなる。従って、ロール磨
耗が比較的小さい被圧延材を圧延する場合は、砥石の減
る量を抑え、砥石原単位を改善する方がよい(図5参
照)。
【0022】つまり、ロール磨耗の比較的小さい被圧延
材を圧延する場合は、研削能を小さくする方がよい。こ
れは先と同様の理由から、砥石押付線圧を小さくするこ
とで実現できる。ここで、オンラインロール研削装置が
砥石を前後進させる機構としては、高応答性、仕上圧延
機内という限られたスペース内に設置可能、という技術
的要求があることから、例えば油圧駆動装置を使用する
のがよいが、砥石押付線圧を小さくしすぎると、砥石前
進必要圧力以下となることが予想され、最悪の場合は、
砥石がロール表面まで到達せず、研削できない事態が発
生する可能性があるから、これを防止するよう注意す
る。
【0023】最後に、(3)研削能をプリセットする、
という簡単な手法で上記(1)、(2)のような効果が
得られることについて説明する。
【0024】従来の特開平7−88513に開示のオン
ラインロール研削装置の制御方法では、熱間圧延工場に
おいて圧延される全鋼種及び全サイズトータルでみた仕
上圧延速度の最大最小の範囲を考慮し、その圧延速度
(ロール周速)の範囲内において、ロール表面で砥石が
停止することなく、又、必ずロール表面に砥石が到達で
きる程度の砥石押付線圧となるように研削能を決定して
いた。
【0025】しかし、被圧延材の1本1本においては、
圧延速度は加減速するが、加速前の板速度、加速後の板
速度は、圧延に先立って被圧延材1本毎に予め決められ
ている。砥石押付線圧の上下限も実測し、予めわかって
いるものとすれば、それらの範囲内で、被圧延材毎に別
々の研削能をプリセットにより指定することができる。
つまり、ロール磨耗が大きな被圧延材を圧延する場合は
大きな研削能を、一方、ロール磨耗が比較的小さな被圧
延材を圧延する場合は小さな研削能を、プリセットする
ことができる。ここで、プリセットとは、被圧延材1本
毎に設定する仕上圧延機の各種設定のことであり、被圧
延材先端部のある1点を対象に(プリセットポイント、
あるいはセットアップポイントとも称する)行う。
【0026】更に詳しく述べると、ある被圧延材が圧延
されるのに先立って、予め被圧延材毎の、研削能、加速
前の板速度、加速後の板速度、それにロール径データか
ら、被圧延材毎の加速前のロール周速、加速後のロール
周速、砥石押付線圧を演算して、その値になるように実
際に制御する。演算のロジックは、具体的には、例えば
後述の実施形態中のロジックを使うのがよい。ここで、
加速前・後の板速度は、製品の品質確保上、決められた
値であるから、これをロール周速に変換した値も自由に
は変更できず、被圧延材毎に一意に決まってしまう。そ
うすると、後述実施形態中のロジックによれば、被圧延
材毎に一意の研削能を与える(プリセットする)ことに
より、被圧延材毎に砥石押付線圧が決まり、その値にな
るように実際にリアルタイムに制御することとなる。
【0027】それでは、研削能をいかなる値に決めれば
よいか、ということになるが、それは例えば以下に述べ
るような考え方で決定するのが一例である。
【0028】砥石がロール研削中に回転停止とならない
砥石押付線圧上限値と、砥石が正常にロール表面に向か
って前進し研削が可能となる(ロール表面に到達し研削
することができる)砥石押付線圧下限値を別途実測して
記憶しておくものとする。ここで、(1)式に表わされ
ているような研削能と砥石押付線圧及び相対摺動速度と
の関係式と、(2)式あるいは後述の実施形態で述べる
(3)式の関係から、ロール周速と砥石押付線圧を決定
すれば、被圧延材毎に一意的に研削能が決定されること
を利用する。
【0029】例えば、加速前ロール周速と砥石押付線圧
上限値の対で研削能を計算すれば、決定される研削能
は、その被圧延材で取ることのできる(砥石の回転が停
止しない範囲で)最も大きなものとなり、研削量ΔRも
同様に最大値となる。これを適用すれば、ロール原単位
優先の研削ができる。一方、加速後ロール周速と砥石押
付線圧下限値の対で研削能を計算すれば、逆にΔRは、
その被圧延材で取ることのできる(砥石がロール表面に
到達することが保証された範囲で)最小値となる。これ
を適用すれば、砥石原単位優先の研削が可能となる。
又、研削能を定義する回帰式のモデル誤差や実砥石押付
線圧の変動誤差を考慮し、上記に示したような設定値に
補正を加味するようにすることも、被圧延材毎の精度の
良い研削が可能となることから実操業上便利であり、本
発明の実施を何ら妨げるものではない。
【0030】又、オンラインロール研削装置が圧延中に
実施できるオシレート回数は有限である。被圧延材先端
がロールに噛み込まれてから、尾端がロールから尻抜け
するまでの時間しかオシレートすることはできない。こ
れは、冷間圧延のように被圧延材同士が互いに接合され
ている場合はよいが、熱間圧延のように、個々の被圧延
材が断続的に圧延されるような場合は、被圧延材の先端
がロールに噛み込まれるとき、あるいは尾端がロールか
ら尻抜けするときの衝撃の結果、ロールとオンラインロ
ール研削装置が接触していれば、その衝撃が両者間で連
鎖的に起こり、オンラインロール研削装置が破損する恐
れがあるからである。
【0031】オンラインロール研削装置は、被圧延材先
端のロールへの噛込み、尾端の尻抜けを除いた非圧延中
も研削動作を実施してよいわけであるが、例えば熱間圧
延操業では、生産性向上の観点から、圧延と圧延の間の
インターバル時間は極力短くなる操業を指向しており、
被圧延材の圧延により生じた磨耗段差は、当該被圧延材
の圧延時間内で解消することが望ましい。そこで、ロー
ル原単位優先の設定値はΔRが最大であることから、圧
延中に生じるロール磨耗の大きい被圧延材において研削
残し(研削量が不足し磨耗段差を解消できない状態)を
発生させないように、しかも、被圧延材の圧延時間内に
研削し切る、という観点で設定してもよい。
【0032】更には、ロール原単位優先の設定値の対と
砥石原単位優先の設定値の対を双方合わせて計算し、当
該被圧延材の圧延時間内で磨耗によりロールに生じた段
差を解消するために都合の良い方を選択できる仕組みと
しておけば、圧延で生じるロール磨耗が大きい被圧延材
の場合は、研削残しを発生させないようにロール原単位
優先の設定値から、又、ロール磨耗が比較的小さく圧延
時間内でのロール磨耗段差解消に時間的に十分余裕のあ
るような被圧延材の場合は、砥石原単位優先の設定値か
ら研削能を決定することが可能となり、段差成長速度
(磨耗進行速度)に適応しつつ(当然研削残しを発生さ
せることなく)、砥石原単位を有利にしたロール研削が
可能となる。
【0033】これらの手法は、被圧延材毎に異なる磨耗
進行速度に対応できるのみならず、板幅が異なる複数の
被圧延材が交互に圧延されるような場合、つまり磨耗に
より生じる段差が階段状にロール軸方向上で複数点でき
るような場合でも、各々に適応した研削能を設定できる
ため、被圧延材の圧延チャンスを自由に組んでも何ら障
害になることはなく、被圧延材の圧延チャンスの規制緩
和ないしは撤廃に寄与できるといった点でも有利であ
る。
【0034】以上のように、本発明は、研削能のプリセ
ットという簡便な手法により、ロール原単位、砥石原単
位の低減適正化を図ることができる。ここで、特筆すべ
きことは、本発明は、プリセットという簡便な手法によ
るため、実際にロールのプロフィールを計測するセンサ
を別個に必要とせず、センサ設置費用、その信頼性、メ
ンテナンスなどの問題に悩まされることはない、という
ことである。なお、このことは、実際にロールプロフィ
ールを計測するセンサを設置することを全否定するもの
ではなく、無論、併設してもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0036】本実施形態では、図6に示すような、例え
ば2基の加熱炉20と、3基の粗圧延スタンドR1〜R
3を有する粗圧延機群22と、7基の仕上圧延スタンド
F1〜F7を有する仕上圧延機群24と、交互に使用さ
れる2基のダウンコイラDC1、DC2を有する巻取り
装置28を備えたラインレイアウトの熱間圧延工場の仕
上圧延機群のうち、後段4スタンドF4〜F7個々に、
図7に示すような回転式の砥石34が各2個の研削ユニ
ット32を、ワークロール25の軸方向にオシレート可
能なオンラインロール研削装置30を設置した。図にお
いて、10は被圧延材、26はバックアップロールであ
る。
【0037】図8は、本実施形態の構成の概要を示す図
である。本実施形態は、個々の仕上圧延機毎のロール周
速、砥石押付線圧といった設定値を含め、被圧延材毎の
板厚、板幅等の諸元データ、磨耗プロフィール計算用の
各種パラメータ、及び、個々の仕上圧延機に投入されて
いるワークロール25に関するロール径、材質等の諸元
データを下位計算機50に伝送するデータ伝送部42、
更に、それらのロール周速、砥石押付線圧といった設定
値を、その上限値及び下限値の範囲内で決定する研削能
指定データ決定部44を有する上位計算機40と、該上
位計算機40から伝送された各データを元に、被圧延材
の圧延に伴なうロールの磨耗プロフィールを個々の仕上
圧延機毎に計算により予測し、オンラインロール研削装
置30に対するオシレート量、1オシレート当たりの研
削体積、その際の研削能の指示等を実施すると共に、実
研削時の砥石押付線圧、ロール周速といった実績データ
を基に、実績の磨耗プロフィール管理も行う下位計算機
50と、該下位計算機50からの指令通りに回転式の砥
石34をロール25に押付けながらロール軸方向にオシ
レートして、ロール25を目標プロフィール通りに研削
し、その研削時の実データを下位計算機50に返送する
研削ユニット32から構成されている。
【0038】前記研削ユニット32は、ロール25に対
してロール周面に接触し研削を行う複数の砥石34と、
該砥石34を前後進させるシリンダ36と、砥石34を
ロール軸方向にオシレートさせる砥石台38を有してい
る。
【0039】前記上位計算機40から、予め被圧延材毎
の予測ロール周速と設定押付圧力を伝達し、下位計算機
50でも、それらの設定値に従って研削能を被圧延材毎
に可変とすることで、所定の研削能を満足しながら、ロ
ール原単位又は砥石原単位の向上を図る。
【0040】図9に、本発明によるロール原単位優先の
設定及び砥石原単位優先の設定を実施する場合の設定値
を示す。ここで、砥石押付線圧と相対摺動速度との関係
から研削能Vgを導出する式は、前述した定性的関係に
基づき、以下に示す(3)式を使用した。
【0041】 Vg=(k1・P2+k2・P+k3) ×(k4・Vr2+k5・Vr+k6) …(3) P:砥石押付線圧(kN/mm) Vr:相対摺動速度(mpm) (Vr=VR+VG、 VR:ロール周速(mpm)、VG:砥石周速(mp
m)) k1〜k6:パラメータ
【0042】又、(3)式に現われる各パラメータk1
〜k6、及び、砥石周速VG、砥石押付線圧上限/下限
値Pmax/Pmin、ロール周速の加速後値VRmax/加速
前値VRminは、以下の値を用いた。
【0043】k1:−0.00052,k2:0.08
2,k3:0.29 k4:0,k5:5×10-4,k6:0.8 VG=1000mpm Pmax=29.4kN/mm, Pmin=14.7kN/mm VRmax=1200mpm,VRmin=400mpm
【0044】
【実施例】図10乃至図12は、圧延速度や圧延により
生じる磨耗の程度が異なる被圧延材が混合して圧延され
た、ある圧延サイクルにおいて、上記のような各被圧延
材のデータを元に、本発明による研削能を指定した場合
と、本発明を用いないで研削能を指定した従来方法によ
る場合の、ロール磨耗/研削量分布(図10)、磨耗量
と研削量の累積値履歴(図11)、ロール磨耗段差の研
削残しの推移(図12)、さらに圧延サイクルの圧延順
に沿って定量的に比較した図(図11、図12)も併せ
て示すものである。
【0045】ここで、本発明による方法を用いない従来
方法での研削能の指定は、砥石押付線圧が上限及び下限
の範囲を逸脱しない範囲で、固定して設定されたもので
ある。
【0046】この結果より、従来方法による場合は、研
削能が固定されており、又、その研削能、更にはΔRが
高圧延速度領域にある被圧延材にとっては小さめな数値
となっているため、圧延により生じる磨耗が大きい場合
に、前述したように板道内を常に平坦な状態にすべく研
削しており、板道内が過剰な研削となってしまってい
る。
【0047】一方で、本発明による方法を用いた場合
は、磨耗量の大きな被圧延材ではその被圧延材で取り得
る最大の研削能、更にはΔRとすることが可能なため、
過剰に板道内を研削することなく、最終的なロール表面
も平坦な状態とすることができており、ロール原単位の
観点から優位であることが分かる。又、最大のΔRであ
るが故に、圧延時間内に解消すべき磨耗量を研削しきる
ことができている点でも優位である。
【0048】更に、本発明による方法を用いれば、磨耗
の大きい被圧延材の圧延時には、それに対応した研削能
(つまりΔR)を、又、比較的磨耗の小さい被圧延材の
圧延時には、それに対応した研削能を適宜選択できるこ
とから、必要以上に大きな研削能を指定するものではな
いため、砥石原単位を悪化させずに済み、比較的磨耗の
小さな被圧延材が連続する場合は、砥石原単位上有利と
なる。又、研削残しが発生しないことから、常にワーク
ロールの軸方向磨耗プロフィールがフラットな状態にな
るため、被圧延材の板幅による圧延順の制約の緩和ない
し撤廃が可能となる。
【0049】前記実施形態においては、(1)式や
(3)式のように表される研削能と砥石押付線圧及び相
対摺動速度の関係式と、(2)式の関係式を利用してい
るのみであるため、機能設計も柔軟に変更できるから、
本発明は前記実施形態に限定することなく適宜変更可能
である。また、設定値を決定するのも、必ずしも上位計
算機に限定しなくてもよく、下位計算機その他で行って
も勿論構わない。
【0050】さらにまた、上記の説明では、砥石が回転
式の場合を例に説明したが、本発明はこれに限るもので
はなく、砥石を固定式のものとして押し付けるようにし
ても何ら問題ない。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、被圧延材毎に研削能を
可変としてプリセットし研削することで、ロールプロフ
ィールを計測するセンサを用いなくても、適切な研削を
行うことができ、ロール原単位や砥石原単位を改善する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】研削能一定とした場合の砥石押付線圧と相対摺
動速度との関係の例を示す図
【図2】圧延で発生するロール軸方向の磨耗分布の例を
示す図
【図3】研削能ΔR=1μmの場合の磨耗分布と研削プ
ロフィールの例を示す図
【図4】研削能ΔR=2μmの場合の磨耗分布と研削プ
ロフィールの例を示す図
【図5】ロール同体積研削時における砥石押付線圧と砥
石原単位の関係の例を示す図
【図6】本発明が適用される熱間圧延ラインの例を示す
【図7】オンラインロール研削装置の一例を示す斜視図
【図8】本発明の実施形態の構成図
【図9】本発明によりロール原単位優先の設定及び砥石
原単位優先の設定を実施する場合の比較図
【図10】本発明と従来法における圧延サイクル終了後
の磨耗分布及び研削量分布の例を示す比較図
【図11】同じく磨耗量と研削量の圧延順に沿う累積値
履歴の比較図
【図12】同じく圧延順に沿う研削残しの累積値履歴の
比較図
【符号の説明】
10…被圧延材 24…仕上圧延機群 25…ロール 30…オンラインロール研削装置 32…研削ユニット 34…砥石 36…シリンダ 38…砥石台 40…上位計算機 42…データ伝送部 44…研削能指定データ決定部 50…下位計算機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属帯をロールを用いて圧延するに際し、
    回転するロールの周面に砥石を押し付け、更にロール軸
    方向にオシレートさせるオンラインロール研削方法にお
    いて、 単位時間当たりのロール研削体積を被圧延金属帯毎に可
    変とするようプリセットすることを特徴とするオンライ
    ンロール研削方法。
  2. 【請求項2】前記単位時間当たりのロール研削体積を、
    被圧延金属帯毎の予測ロール周速と設定押付圧力に従っ
    て変えることを特徴とする請求項1に記載のオンライン
    ロール研削方法。
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JP2009226517A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Nisshin Steel Co Ltd ロールの研削方法

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