JP2002176798A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

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JP2002176798A JP2000375908A JP2000375908A JP2002176798A JP 2002176798 A JP2002176798 A JP 2002176798A JP 2000375908 A JP2000375908 A JP 2000375908A JP 2000375908 A JP2000375908 A JP 2000375908A JP 2002176798 A JP2002176798 A JP 2002176798A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻上機等のシステムで用いられる誘導電動機
制御装置の使い勝手を良くし、巻上機の利用効率を改善
する。 【解決手段】 誘導電動機制御装置を構成する加速トル
ク演算回路22,トルク演算回路25および速度演算回
路26A等により、軽負荷時には誘導電動機9の運転可
能な最大速度指令値で運転し、定格荷重時には誘導電動
機9を定格速度で運転するとともに、巻上機の上昇時と
下降時の速度をほぼ同じにし、かつ、機械効率ηから伝
達係数kを演算する演算回路28を付加することによ
り、トルクに応じて機械効率ηを可変にし、制御性能の
向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、巻上機の駆動源
としての誘導電動機をベクトル制御により可変速制御す
る誘導電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ベクトル制御方式のインバータで給電さ
れる誘導電動機が減速機を介して巻上機を駆動するシス
テムにおいては、通常は巻上機の最大荷重での最高走行
速度と、その最大荷重で加減速する際の必要トルク最大
値と、減速機のギヤ比から誘導電動機の定格速度と定格
出力トルクを選定している。しかし、このようなシステ
ムを例えばクレーン巻上機などに適用する場合などで
は、最大荷重に満たない荷重で昇降させることが多く、
上記のような条件を採用した誘導電動機では、システム
効率が低くなってしまう。そのため、軽荷重で昇降させ
るときには、最大荷重のときに比べてより高速に昇降さ
せてシステム効率を改善するようにした誘導電動機の制
御装置を、出願人は先に提案している(特願2000−
065958号:提案装置ともいう)。
【0003】図5は、この種の提案装置を示すブロック
図である。なお、同図において、1は速度指令器、2は
単一積分器、3は速度調節器、4は磁束指令値演算器、
5はベクトル演算器、6は速度検出器、7は交流電源、
8はインバータ、9は誘導電動機(モータともいう)、
10は負荷、21は加速度演算回路、22は加速トルク
演算回路、23はトルク設定回路、24は荷重推定回
路、25はトルク演算回路、26は速度演算回路、27
は速度指令値変換回路を示す。
【0004】図5において、速度指令器1は、誘導電動
機9が運転すべき回転速度の速度指令値N# を指令す
る。速度指令値変換回路27は、速度指令器1の指令値
# と速度演算回路26の演算値N0 # のいずれか大き
いほうの値を、新たな速度指令値N# として単一積分器
2に出力する。単一積分器2は、予め定めた加速勾配
(増加値/単位時間)または減速勾配(減少値/単位時
間)で、前記速度指令値N# に達する(速度設定値N*
=N# )まで増加または減少させる速度設定値N* を出
力する。
【0005】速度調節器3は、上記速度設定値N* と速
度検出器6の検出値nとの偏差を調節演算し、その差を
零にするトルク指令τ* を出力する。磁束指令値演算回
路4は、速度検出値nから磁束指令値Φ* を演算して出
力する。また、ベクトル演算器5では、トルク指令値τ
* と磁束指令値Φ* とからインバータ8をベクトル制御
する制御信号を出力し、その結果、交流電源7の電力が
インバータ8により所望の電圧と周波数の交流電力に変
換され、このインバータ8が出力する交流電力が供給さ
れる誘導電動機9を、ベクトル制御方式により可変速制
御することができる。
【0006】図6は、速度指令値N# と速度設定値N*
と関係を説明するためのタイムチャートである。図6に
示す時刻T0 で、正転方向の速度指令値N# が発せられ
ると、時刻T0から時刻T1 までの期間は、単一積分器
2に予め設定された加速勾配(増加値/単位時間)に基
づいて速度設定値N* を正転方向に増加させ、時刻T1
でN* =N# になり、時刻T1 から速度指令値N# が零
にされる時刻T2 までの期間は、単一積分器2がN
* (=N# )を出力し、時刻T2 から時刻T3 までの期
間は、単一積分器2に予め設定された減速勾配(減少値
/単位時間)に基づいて速度設定値N* の正転方向の値
を減少させ、時刻T3 でN* =0となり、時刻T3 から
逆転方向の速度指令値N# が発せられる時刻T4 までの
期間は、単一積分器2がN* (=0)を出力し、時刻T
4 から時刻T5 までの期間は、上記減速勾配に基づいて
速度設定値N* の逆転方向の値を増加させ、時刻T5
* =N# になり、時刻T5 から速度指令値N# が零に
される時刻T6 までの期間は、単一積分器2がN* (=
# )を出力し、時刻T6 から時刻T7 までの期間は、
上記減速勾配に基づいて速度設定値N* の逆転方向の値
を減少させ、時刻T7 でN* =0となる。
【0007】図7は、図5に示す誘導電動機9の負荷1
0として、減速機を介して巻上機を駆動するシステムの
動作説明図であり、同図(イ)は巻上機の状態を示し、
同図(ロ)は巻上機を昇降させる誘導電動機9の速度を
示し、同図(ハ)は巻上機の昇降に伴う誘導電動機9の
出力トルクを示す。なお、時刻t0 以前の期間では荷重
(図示のm)は地上にあり、誘導電動機9は停止してお
り(速度=0)、かつ図示されないブレーキにより制動
が掛けられている。
【0008】まず、時刻t0 より巻上機は巻き上げ動作
を開始するが、図7(イ)の左端図は時刻t0 の巻上機
の状態を示し、上記ブレーキは時刻t0 の時点で開放さ
れ、時刻t0 より時刻t1 までは上記単一積分器2に設
定された加速勾配で、巻上機の巻き上げ速度Vを増加さ
せている期間を示す。時刻t1 において、上記速度指令
値N# と速度設定値N* が一致し、時刻t1 より時刻t
2 までは巻き上げ速度Vが一定の期間を示している。時
刻t2 より時刻t3 までは、単一積分器2に予め設定さ
れた減速勾配で、巻上機の巻き上げ速度Vを減少させて
いる期間を示している。また、時刻t3 より時刻t4
では、誘導電動機9は停止しており(速度=0)、かつ
図示されないブレーキにより制動が掛けられ、この期間
では図7(イ)の中央図のように、荷重(m)は空中に
停止している。
【0009】次の時刻t4 から時刻t5 までは、単一積
分器2に設定された加速勾配で巻上機の巻き下げ速度V
を増加させている期間を示す。時刻t5 において、速度
指令値N# と速度設定値N* が一致し、時刻t5 より時
刻t6 までは、巻き下げ速度Vが一定の期間を示してい
る。時刻t6 より時刻t7 までは、単一積分器2に予め
設定された減速勾配で、巻上機の巻き下げ速度Vを減少
させている期間を示している。時刻t7 以降の期間では
荷重(m)は地上にあり、誘導電動機9は停止しており
(速度=0)、かつ図示されないブレーキによって制動
が掛けられている。7(イ)の右端図は時刻t7 での巻
上機の状態を示している。このとき、巻上機の一定走行
に必要な誘導電動機9の出力トルクτ0 と、巻上機の加
速または減速に必要な誘導電動機9の出力トルクτ0 ±
τ1 とを図7(ハ)に示す。
【0010】次に、加速度演算回路21、加算トルク演
算回路22、トルク設定回路23、荷重推定回路24、
トルク演算回路25、速度演算回路26および速度指令
値変換回路27等によりシステムの運転効率を改善すべ
く、巻上機の荷重に対し運転可能な最大回転速度の演算
について説明する。図8は、誘導電動機9の負荷10と
しての減速機10aを介した巻上機10bと、巻上機1
0bの荷重(m)とからなるシステムを示す構成図であ
る。
【0011】図8において、誘導電動機9が回転速度n
〔r/min〕で回転することで、減速機10aを介し
た巻上機10bが回転し、荷重mは速度V〔m/mi
n〕で上昇,下降する。上記速度設定値N* の増加また
は減少している期間、すなわち加減速時における速度調
節器3の出力であるトルク指令τ* と走行トルクτ0
加減速必要トルクτ1 の間には次の(1)式の関係があ
る。 τ* =τ0 +τ1 …(1) この走行トルクτ0 は、次の(2)式の右辺に示す2つ
の成分に分解される。 τ0 =τ01+τ02 …(2) ここに、τ01:荷重mに対する走行トルク τ02:機械損補償トルク
【0012】また、加減速必要トルクτ1 は、次の
(3)式の右辺に示す2つの成分に分解される。 τ1 =τ11+τ12 …(3) ここに、τ11:荷重mに対する加減速必要トルク τ12:荷重m以外、即ち電動機と巻上機に対する加減速
必要トルク 上記τ01,τ11,τ12は、システムの機械仕様からそれ
ぞれ(4)〜(6)式のように表わせる。 τ01=mV/2πn〔kgfm〕 …(4) τ11=m・(V2 /π2 2 )(1/375)・Δn〔kgfm〕…(5) τ12=(GD2 /375)・Δn〔kgfm〕 …(6) ここに、m:荷重質量〔kg〕 V:昇降速度〔m/min〕 n:電動機回転速度〔r/min〕 Δn:電動機回転加速度〔r/min〕 GD2 :電動機軸換算全はずみ車効果〔kgfm2
【0013】上記システムにおける機械損補償トルクτ
02は、減速機10aの効率に基づくものが大勢を占める
ので、次の(7)式で得られる値をトルク設定回路23
に予めプリセットする。 τ02={減速機定格出力×(1−減速機効率)/電動機定格出力} ×電動機定格トルク〔kgfm〕 …(7) また、機械損は誘導電動機9が回転方向によりその極性
が異なるので、トルク設定回路23には速度検出値nを
取り込み、極性を持った機械損補償トルクτ02を出力す
るようにしている(図11参照)。
【0014】上記(6)式の荷重m以外、すなわち電動
機と巻上機に対する加減速必要トルクは、予め設定でき
る電動機軸換算全はずみ車効果GD2 と、後述の加速度
演算回路21で得られる加速度Δnに基づく乗算演算
を、加算トルク演算回路22で行なう。加速度演算回路
21は、次式(8)の演算を行なう。 Δn=(nk −n(k-1) )/TS 〔r/min/s〕 …(8) ここに、nk :今回の電動機速度検出値〔r/min〕 n(k-1) :前回の電動機速度検出値〔r/min〕 TS :速度検出周期〔s〕 なお、速度調節器3により速度設定値N* と速度検出値
nとの偏差が零となるように制御されるので、加速度Δ
nは単一積分器2に設定されている値を用いて行なうこ
ともできる。
【0015】トルク設定回路23からの出力である機械
損補償トルクτ02と、加算トルク演算回路22からの出
力である加減速必要トルクτ12とを、上記(1)〜
(3)式に代入すると、次の(9)式が得られる。 τ01+τ11=τ* −τ02−τ12 …(9) すなわち、(4),(5),(9)式の間には(4)+
(5)=(9)の関係があるので、この関係式に基づい
て荷重推定回路24では荷重mを求める演算を行なって
いる。また、トルク演算回路25において、荷重推定回
路24で得られた荷重mの推定値と上記(4)式とか
ら、荷重mに対する走行トルクτ01が求まり、同様に上
記(5)式とから、荷重mに対する加減速必要トルクτ
11が求まる。
【0016】次に、速度演算回路26での誘導電動機9
の運転可能最大速度指令値N0 # の演算について説明す
る。まず、加算トルク演算回路22の演算値(加減速必
要トルクτ12)と、トルク設定回路23の設定値(機械
損補償トルクτ02)と、トルク演算回路25の演算値
(τ01,τ11)と、巻上機10bの加減速に必要な誘導
電動機9の出力トルクの最大値(τM1)との間には、次
の(10)式の関係がある(図7参照)。 τM1=|τ01+τ02|+|τ11+τ12| …(10) 次に、図9に示す誘導電動機9の短時間運転許容トルク
−回転速度特性図(第1象限のみを図示している)か
ら、上記τM1に対応する誘導電動機9の速度指令値N01
# を求める。なお、この速度指令値N01 # は次式(1
1)となる。 N01 # =(τA /τM1)・NB …(11) ここに、NB :電動機定格速度 τA :電動機定格速度の短時間運転許容トルク
【0017】また、昇降距離の長いシステムに適用する
場合には、定速で昇降させる時間も長くなることから巻
上機10bの定速運転に必要な誘導電動機9の出力トル
クの最大値(τM2)は、次の(12)式の関係にある。 τM2=|τ01+τ02| …(12) この場合は、図10に示す誘導電動機9の連続運転許容
トルク−回転速度特性図(第1象限のみを図示してい
る)から、上記τM2に対応する誘導電動機9の速度指令
値N02 # を求める。その速度指令値N02 # は次の(1
3)式となる。 N02 # =(τB /τM2)・NB …(13) ここに、NB :電動機定格速度 τB :電動機定格速度の連続運転許容トルク
【0018】すなわち、速度演算回路26では、上記N
01 # またはN02 # のいずれか小さい方の値を、誘導電動
機9の運転可能最大速度指令値N0 # として出力する。
または、このシステムの動作モードに合わせN01 # また
はN02 # のいずれか一方の値を選択して、誘導電動機9
の運転可能最大速度指令値N0 # として出力する。さら
に、速度指令値変換回路27では、速度指令器1の指令
値N# または速度演算回路26の演算値N0 # のいずれ
か大きい方を新たな速度指令値N# として単一積分器2
に出力する。そして、荷重推定回路24で推定した荷重
m、誘導電動機の短時間および連続の許容トルク−速度
特性などから、誘導電動機の運転可能最大速度を算定し
この速度で運転することにより、例えばクレーン巻上機
を駆動するシステムなどにこの誘導電動機の制御装置を
適用したときに、運転効率を改善できることになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような提案装置では、機械伝達効率を機械損補償トルク
として固定量として演算処理しているため、演算精度が
悪いという難点がある。また、巻き上げ動作と巻き下げ
動作では、異なった運転可能最大速度を演算していた
(巻き下げ時の方が、運転可能最大速度が大きくなって
いた。)。クレーン巻上機を駆動するシステムなどで
は、オペレータが運転操作を行なうため、同一荷重で運
転しているにも関わらず、巻き上げ時と巻き下げ時で運
転速度が異なり、操作に違和感を生じるという難点もあ
る。さらには、クレーン巻上機等には、定格荷重時の定
格速度は仕様で決まっているが、運転可能最大速度で運
転を行なうと定格荷重時には定格速度以上で運転されて
しまうという難点もある。したがって、この発明の課題
は、上記諸問題を解決し、システムの使い勝手を改善す
ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、請求項1の発明では、インバータで給電される
誘導電動機が減速機を介して巻上機を駆動するシステム
であって、前記誘導電動機に指令される速度指令値N#
に基づき、現在の速度設定値N*を所定の加速勾配(増
加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位
時間)で前記速度指令値N# に達する(N* =N# )ま
で増加または減少させるように、前記速度設定値N*
誘導電動機の速度検出値nとの偏差を調節演算して得ら
れるトルク指令値τ* と、速度検出値nから所定の演算
をして得られる磁束指令値Φ* とによりベクトル演算を
し、その演算値に基づき前記インバータを介して誘導電
動機をベクトル制御方式で可変速制御する誘導電動機の
制御装置において、前記速度検出値nから前記誘導電動
機の加速度Δnを演算する加速度演算回路と、前記演算
値Δnと予め設定された誘導電動機の軸換算の全はずみ
車効果として与えられる設定値GD2 とに基づいて、誘
導電動機と巻上機に対する加減速必要トルクτ12を演算
する加速トルク演算回路と、前記トルク指令値τ* ,演
算値τ12,速度検出値n,前記システムの機械効率ηお
よびτ* とτ12との差からトルクが駆動トルクか制動ト
ルクかを判断するとともに、伝達係数kを演算する判別
・演算回路と、前記トルク指令値τ* ,演算値Δn,演
算値τ12,速度検出値n,伝達係数kおよび速度検出値
n時の巻上機の昇降速度Vから巻上機が昇降させている
荷重mを推定する荷重推定回路と、前記荷重推定値mと
速度検出値nと演算値Δnと巻上機の昇降速度Vとから
荷重mに対する走行トルクτ01と加減速必要トルクτ11
を演算するトルク演算回路と、巻上機の定格昇降速度V
と定格荷重mと機械効率ηとモータ定格出力Pとから巻
上機自身の機械的仕様を実現させるための走行トルクを
演算するとともに、この走行トルクと誘導電動機の許容
トルクから運転に最適なトルク−回転速度特性を演算す
るトルク−回転速度演算回路と、前記τ01,τ11,τ12
と、前記誘導電動機の短時間および連続許容トルク−速
度特性と、前記トルク−回転速度演算回路からの出力と
から誘導電動機の運転可能最大速度指令N0 # を求める
速度演算回路と、前記運転可能最大速度指令N0 # を新
たな速度指令N# とする速度指令変換回路とを設けたこ
とを特徴とする。上記請求項1の発明においては、前記
機械効率ηをトルクに関する関数とすることができる
(請求項2の発明)。
【0021】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施の形態を示
すブロック図である。図5に示す提案装置からトルク設
定回路23を削除する一方、伝達係数演算回路28およ
び巻上機自身の機械仕様を実現するための走行トルク−
速度パターン演算回路29を付加した点が特徴である。
また、荷重推定回路および速度演算回路はその演算内容
が図5の場合とは異なっているので、荷重推定回路24
A,速度演算回路26Aとして図示している。
【0022】このような構成において、加減速時におけ
る速度調節器3の出力であるトルク指令τ* と、走行ト
ルクτ0 と加減速必要トルクτ1 の間には、先の(1)
式で示すような関係がある。 τ* =τ0 +τ1 …(1) この走行トルクτ0 は先の(2)式と同じく2つの成分
に分解されるが、そのうちの1つの成分τ01(荷重mに
対する走行トルク)を用いて、次の(14)式のように
表わすことができる。kは伝達係数(伝達効率)であ
る。 τ0 =τ01×k …(14)
【0023】また、加減速必要トルクτ1 は先の(3)
式と同じく2つの成分τ11(荷重mに対する加減速必要
トルク)とτ12(電動機と巻上機に対する加減速必要ト
ルク)に分解されるが、ここでは次の(15)式のよう
に表わす。 τ1 =τ11×k+τ12 …(15) ここに、(τ* ・τ12)のトルクが駆動トルクならばk
=1/η (τ* ・τ12)のトルクが制動トルクならばk=ηであ
り、ηは機械効率を示す。伝達係数演算回路28では、
上記kを求めている。また、駆動,制動の判別は(τ*
−τ12)のトルク極性とモータ速度nの極性の関係から
求める。
【0024】上記(1),(13)式および(14)式
より、次の(16)式の関係が成立する。 τ01×k+τ11×k=τ* −τ12 …(16) 先の(4),(5)式と(16)式との間には、
{(4)式+(5)式}×k=(16)式の関係がある
ので、この関係式から荷重推定回路24Aでは荷重mを
求める演算をしている。
【0025】巻上機自身の機械仕様を実現するための、
走行トルク−速度パターン演算回路29は、予め装置に
設定された巻上機仕様とモータ仕様から、図2に示すよ
うな特性を演算する。走行トルク−速度パターン演算回
路29には、定格荷重では必ず定格速度が運転可能最大
速度として演算でき、かつ、それ以外の荷重ではモータ
の許容トルクまで増速できるよう、図2の許容トルク−
回転速度特性図(実太線参照:第1象限のみ図示)をメ
モリなどに格納している。図2の特性図におけるτC
基底速度NB におけるモータ定格トルクであり、τk2
予め装置に設定された巻上機仕様とモータ仕様の関係か
ら、下記(17)式のような演算をしてプリセットされ
ている。 τk2={(m×V)/(6122.4×η)/P}×k1 ・τC …(17) ここに、m:定格時の荷重〔kg〕,V:定格昇降速度
〔m/min〕 η:機械効率,P:モータ定格出力,k1 :安全係数
【0026】τk3は、τC に対するモータ最高速度N
MAX におけるトルクで、次の(18)式で表わされる。 τk3=τC ×NB /NMAX (18) 速度が定格速度NB から最高速度NMAX の間ではモータ
許容トルクは、出力一定特性となり、次の(19)式で
示される。 許容トルク=τC ×N/NMAX (19)
【0027】図2に示す許容トルク−回転速度特性図
(実太線参照:第1象限のみ図示)は、τk2とτk3を結
んだのラインと(19)式で決まる許容トルクのラ
インの低い方をプロットしたものである。こうすること
で、定格荷重では必ず定格速度が運転可能最大速度とし
て演算でき、かつ、それ以外の荷重ではモータの許容ト
ルクまで増速できるようにしている。図2の許容トルク
−回転速度特性図(実太線参照:第1象限のみ図示)に
おけるτ01/ηに対する電動機9の速度指令値N03 *
求める。τ01/ηからトルク量を演算するのは、巻き上
げと巻き下げで同一の速度を演算させるためである。な
お、この速度指令値N03 * は、τ01がτ2k以上の場合、
τ01と図2の許容トルク−回転速度特性図(実太線部
分)が交差する点の速度N03 * となる。速度演算回路2
6Aは、従来例で述べたN01 * と上記N03 * の演算を行
なっており、いずれか小さい方の値を誘導電動機9の運
転可能最大速度指令値N0 * として出力する。
【0028】図4にこの発明の第2の実施の形態を示
す。同図からも明らかなように、この例は図1に機械効
率補正演算回路30を付加して構成したもので、機械効
率(伝達効率)ηをトルクの大きさの関数とした点が特
徴である。その関数パターンの1例を図3に示す。図3
では、トルクの大きさが予め設定したτT 以上では、機
械効率(伝達効率)ηを設計値ηT とし、トルクの大き
さが予め設定したτT 以下の場合は、予め設定した
τA ,τB ,ηA ,ηB から決まる点を線間補完するパ
ターンとしている。なお、τA ,τB ,ηA ,ηB は実
機でマニュアル調整して設定される。こうすることで、
演算で使用する機械効率を実動作に合わせて微調整でき
るため、巻き上げ時と巻き下げ時の演算値の差をより小
さくできるという効果がもたらされる。
【0029】以上では、誘導電動機の制御装置をPG
(パルス発生器)付きベクトル制御方式のものとしてい
るが、速度調節器を有し制御対象のモータをトルク制御
可能な制御装置全てに適用することができる。例えば、
制御装置がPGレスベクトル制御装置でも良く、モータ
も直流電動機,同期電動機などでも良い。また、この発
明は、カウンタウエイト(釣り合い重り)を含む昇降機
システムにも適用可能である。
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、定格荷重では必ず定
格速度が運転可能最大速度として演算でき、かつ、それ
以外の荷重ではモータの許容トルクまで増速できるとい
う利点が得られる。また、機械効率をトルクの大きさに
よる関数とすることで、実動作に合わせて微調整できる
ため、巻き上げ時と巻き下げ時の演算値の差をより小さ
くできるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示すブロック図
である。
【図2】許容トルクと回転速度との関係を説明する特性
図である。
【図3】機械効率とトルクとの関係を説明する特性図で
ある。
【図4】この発明の第2の実施の形態を示すブロック図
である。
【図5】提案装置を示すブロック図である。
【図6】図5の動作を説明するタイムチャートである。
【図7】提案装置で巻上機を駆動するシステムの動作説
明図である。
【図8】提案装置から減速機を介して巻上機を駆動する
システムを示す構成図である。
【図9】短時間運転許容トルク−回転速度特性図であ
る。
【図10】連続運転許容トルク−回転速度特性図であ
る。
【図11】機械損補償トルクの説明図である。
【符号の説明】
1…速度指令器、2…単一積分器、3…速度調節器、4
…磁束指令値演算器、5…ベクトル演算器、6…速度検
出器、7…交流電源、8…インバータ、9…誘導電動機
(モータ)、10…負荷、21…加速度演算回路、22
…加速トルク演算回路、23…トルク設定回路、24,
24A…荷重推定回路、25…トルク演算回路、26,
26A…速度演算回路、27…速度指令値変換回路、2
8…伝達係数演算回路、29…トルク−速度パターン演
算回路、30…機械効率補正演算回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータで給電される誘導電動機が減
    速機を介して巻上機を駆動するシステムであって、 前記誘導電動機に指令される速度指令値N# に基づき、
    現在の速度設定値N*を所定の加速勾配(増加値/単位
    時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で前
    記速度指令値N# に達する(N* =N# )まで増加また
    は減少させるように、前記速度設定値N* と誘導電動機
    の速度検出値nとの偏差を調節演算して得られるトルク
    指令値τ* と、速度検出値nから所定の演算をして得ら
    れる磁束指令値Φ* とによりベクトル演算をし、その演
    算値に基づき前記インバータを介して誘導電動機をベク
    トル制御方式で可変速制御する誘導電動機の制御装置に
    おいて、 前記速度検出値nから前記誘導電動機の加速度Δnを演
    算する加速度演算回路と、 前記演算値Δnと予め設定された誘導電動機の軸換算の
    全はずみ車効果として与えられる設定値GD2 とに基づ
    いて、誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルクτ
    12を演算する加速トルク演算回路と、 前記トルク指令値τ* ,演算値τ12,速度検出値n,前
    記システムの機械効率ηおよびτ* とτ12との差からト
    ルクが駆動トルクか制動トルクかを判断するとともに、
    伝達係数kを演算する判別・演算回路と、 前記トルク指令値τ* ,演算値Δn,演算値τ12,速度
    検出値n,伝達係数kおよび速度検出値n時の巻上機の
    昇降速度Vから巻上機が昇降させている荷重mを推定す
    る荷重推定回路と、 前記荷重推定値mと速度検出値nと演算値Δnと巻上機
    の昇降速度Vとから荷重mに対する走行トルクτ01と加
    減速必要トルクτ11を演算するトルク演算回路と、 巻上機の定格昇降速度Vと定格荷重mと機械効率ηとモ
    ータ定格出力Pとから巻上機自身の機械的仕様を実現さ
    せるための走行トルクを演算するとともに、この走行ト
    ルクと誘導電動機の許容トルクから運転に最適なトルク
    −回転速度特性を演算するトルク−回転速度演算回路
    と、 前記τ01,τ11,τ12と、前記誘導電動機の短時間およ
    び連続許容トルク−速度特性と、前記トルク−回転速度
    演算回路からの出力とから誘導電動機の運転可能最大速
    度指令N0 # を求める速度演算回路と、 前記運転可能最大速度指令N0 # を新たな速度指令N#
    とする速度指令変換回路とを設けたことを特徴とする誘
    導電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記機械効率ηをトルクに関する関数と
    することを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機の制
    御装置。
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