JP4174632B2 - インバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置 - Google Patents

インバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽負荷時に電動機の周波数指令を上げて加速することにより運転時間の短縮を図るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クレーン・ホイストの昇降・横行・走行にインバータを用いる際、作業時間短縮(作業効率向上)の目的で軽負荷時は定格速度以上での運転が要求される。これらの例としては、例えば、実用新案登録公報第2545288号に提案されている「電気ホイストのインバータ制御装置」がある。
この装置は図11に示すように、電気ホイスト100が2台の横行用電動機102、103(紙面奥)の駆動により横行レール104を駆動軸を挟んで東西方向に横行し、巻上げ用電動機107の駆動によって、ワイヤロープ108の巻込み・繰出しを行ってフック109に掛けた荷物を昇降させるものである。そして無負荷時には無負荷検出器ロードリミッタ111の接点がオンして無負荷を検出し、インバータ(図示していない)が負荷時の定格周波数60Hzより高い周波数120Hzを発生して高速駆動を行い、全体の運転時間を短縮している。
一方、特開平8−231193号公報に開示されている「長揚程インバータホイスト」の場合は、図12の構成図に示すように、無負荷時に無負荷(軽負荷)検出手段203(無負荷検出リミッタ)が巻上げモータ210の負荷電流を変成器CTを介して検出し、電流/電圧変換回路AVで変換した電圧を無負荷設定値と比較判定回路ALで比較することによって無負荷を検出したら、タイマーT220を作動させてリレーR6を励磁し、高速指令信号Hをインバータの変換部201aへ出力して定格周波数60Hzの1.5倍の90Hzの周波数を発生して、自動・手動による高速巻上げで駆動するものである。そして次に、荷物の昇降時、検出電流値が無負荷設定値を超えたら、高速運転を解除し60Hzの低速運転に戻すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記2つの従来例においては、無負荷又は軽負荷をロードリミッタ、あるいは負荷電流と設定電流値の比較によって検出し、定格周波数数60Hzの1.5倍、又は2倍の90Hz、120Hzで高速運転を行うようにしているが、ロードリミッタを使用する方式では検出精度が低く、一方の電流検出方式も、電動機のトルクと速度の特性からモータの許容最大トルクは一定ではなく定格速度以上では一般的に速度に逆比例、又は速度の2乗に逆比例して逓減するものであり、こうした特性が考慮されていないので不十分な制御であって、モータ能力的に増速が可能かどうかの正確な判定に基づいた加速運転が行われていないので、依然として重負荷を軽負荷と見誤って高速運転を行い、失速する危険が無くなっていない。
ちなみに図9に直流機の例を示すと、図9(a)の構成図のように直流機の場合、電機子電流Iaと界磁電流Ifが別々に制御されるため、モータ負荷率に相当する電機子電流値とその極性、及びモータ回転方向を速度センサPGなどで検出すれば、図9(b)のモータ速度、電流・トルク特性に示すような特性となり、負荷率および力の方向がわかるので比較的容易に増速可能か?どうかの判定ができる。
これに対して従来例としても示したクレーン・ホイストに主に使用される誘導電動機の場合は、図10の4象限特性に示すように、電流の実効値(絶対値)を検出するだけでは、回生も含め加速するにあたりモータ能力的に増速が可能か?どうか判定することが難しい。
また、ベクトル制御の場合、直流機の界磁電流に相当する励磁電流と直流機の電機子電流に相当する2次電流を別々に制御して複雑な演算を行っているが、トルクモニターの目的で一般的に用いられるトルク指令では、負荷率と速度の関数となってしまうために判定が難しいという問題があった。
そこで、本発明はモータの速度に依存しない簡易な検出値を用いて負荷率を推定することで、省エネルギー制御により安全且つ正確に自動軽負荷増速運転を実施できるインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、インバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置に係り、軽負荷時に電動機への出力指令周波数を上げて加速することにより運転時間短縮するインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速装置が、速度指令を入力し、前記電動機が滑らかに加減速するように出力指令周波数を出力するソフトスタータと、インバータ回路の出力電力検出値を出力する出力電力検出回路と、前記出力電力検出値を用いて加速レート逓減、あるいは加速停止させる機能を有する軽負荷増速判定回路を備え、前記ソフトスタータは、前記出力指令周波数を求める際、1演算周期当たりの加算周波数ΔFaccを演算し、前記軽負荷増速判定回路は、前記出力電力検出値が、所定値1から所定値2(ただし、所定値1<所定値2)の間では前記加算周波数ΔFaccを逓減し、所定値2を超えると前記加算周波数ΔFaccをゼロにして、前記出力指令周波数を修正することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速判定回路が、前記電動機の運転状態が電動状態か回生状態かにより、前記所定値1及び所定値2の値を個別に設定可能とした判定回路を有することを特徴としている。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項2記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記回生状態で用いる増速判定回路における所定値1及び所定値2の値は、それぞれ前記電動状態で用いる増速判定回路における所定値1及び所定値2の値よりも小さい値としたことを特徴としている。
そして、請求項4記載の発明は、インバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置に係り、軽負荷時に電動機への出力指令周波数を上げて加速することにより運転時間短縮するものであって、前記電動機の回転速度を検出してベクトル制御をするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速装置が、速度指令を入力し、前記電動機が滑らかに加減速するように出力指令周波数を出力するソフトスタータと、前記出力指令周波数と前記回転速度の偏差がゼロとなるように前記偏差を増幅して2次電流指令値を求める増幅回路と、前記2次電流指令値を用いて加速レート逓減、あるいは加速停止させる機能を有する軽負荷増速判定回路を備え、前記ソフトスタータは、前記出力指令周波数を求める際、1演算周期当たりの加算周波数ΔFaccを演算し、前記軽負荷増速判定回路は、前記2次電流指令値が、所定値1から所定値2(ただし、所定値1<所定値2)の間では前記加算周波数ΔFaccを逓減し、所定値2を超えると前記加算周波数ΔFaccをゼロにして、前記出力指令周波数を修正することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速判定回路が、前記2次電流指令値と前記回転速度の符号を用いて、前記電動機の運転状態が電動状態か回生状態か、正回転か負回転の状態かの組み合わせである4つの状態を判別し、前記所定値1及び所定値2の値を前記4つの状態で個別に設定可能とした判定回路を有することを特徴としている。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項4記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速装置が、前記回転速度が定格回転数に達してから、前記2次電流指令値を前記軽負荷増速判定回路に入力するようになっていることを特徴としている。
そして、請求項7記載の発明は、インバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置に係り、軽負荷時に電動機への出力指令周波数を上げて加速することにより運転時間を短縮するものであって、前記電動機の回転速度を検出してベクトル制御をするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速装置は、速度指令を入力し、前記電動機が滑らかに加減速するように出力指令周波数を出力するソフトスタータと、前記出力指令周波数と前記回転速度の偏差がゼロとなるように前記偏差を増幅して2次電流指令値を求める増幅回路と、前記2次電流指令値と励磁電流指令値を用いて演算されたトルク指令値と、前記回転速度を入力し、出力電力検出値を出力する出力電力検出回 路と、前記出力電力検出値を用いて加速レート逓減、あるいは加速停止させる機能を有する軽負荷増速判定回路を備え、前記ソフトスタータは、前記出力指令周波数を求める際、1演算周期当たりの加算周波数ΔFaccを演算し、前記軽負荷増速判定回路は、前記出力電力検出値が、所定値1から所定値2(ただし、所定値1<所定値2)の間では前記加算周波数ΔFaccを逓減し、所定値2を超えると前記加算周波数ΔFaccをゼロにして、前記出力指令周波数を修正することを特徴としている。
さらに、請求項8記載の発明は、請求項7記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、前記軽負荷増速判定回路が、前記電動機の運転状態が電動状態か回生状態かにより、前記所定値1及び所定値2の値を個別に設定可能とした判定回路を有することを特徴としている。
上記構成によれば、誘導電動機が図10の特性図に示すような電動・正転側を例にとると、定格速度(図中ではモータ速度100の位置)以上で運転されると、電力は定出力特性となり、低速域では「モータ負荷率=モータ電流」だったものが高速域では「モータ負荷率=電力」となる点に着目して、電力を検出してモータ負荷率を推定し、定格速度以上で運転可能か?どうかを判定して、軽負荷増速手段とパワーリミット手段の両機能により、複雑な演算なしにモータ過負荷を回避し、軽負荷時の増速運転を可能にするものである。具体的な適用例としては、V/f制御インバータや、速度センサを使用しない、いわゆるセンサレス・ベクトル制御インバータ、さらに速度センサを使用するインバータでは次のように行っている。
(1) V/f制御の場合は、トルク補償回路の電力検出回路で負荷率を推定することにより増速可能かの判定を行い、パワーリミットを実行することができる。
(2) 速度センサレス・ベクトル制御の場合は、モータ速度推定オブザーバの電力検出回路の出力をモニターして、負荷率を推定することにより増速可能かの判定を行い、パワーリミットを実行することができる。
(3) 速度センサ出力よりすべり周波数を演算してトルク制御を行うベクトル制御のインバータでは、電力の代わりに2次電流をモニターして負荷率を推定することにより増速可能かの判定を行い、パワーリミットを実行できる。
(4) あるいは、速度センサを使用するベクトル制御のインバータでは、速度検出とトルク指令より電力を演算検出して負荷率を推定し、増速可能かの判定を行って、パワーリミットを実行できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の構成図である。図2は図1に示す電動側増速判定回路のブロック図である。図3は図2に示す加速レートの説明図である。
図1は速度センサ(PG)を持たないV/f制御の構成例が示されている。 図示しない直流電源間に並列接続された平滑用コンデンサ9と変換部10で構成する電圧制御インバータによりモータIM11が駆動される。V/f制御段は、速度(周波数)指令を入力してゆるやかに始動加速する指令を出力するソフトスタータ6と、このソフトスタータ6の出力指令周波数に比例した電圧を発生するV/fパターン回路7と、このV/fパターン回路7からのインバータ出力電圧とCT12により検出されるインバータ出力電流とを乗算して出力電力を求める乗算演算回路8と、を有している。求められた出力電力検出値5は図示していないインバータ内蔵回路でトルク補償やベクトル制御に用いられる。
このソフトスタータ6へ加速レート等を出力するのが、本発明の軽負荷増速判定回路1である。この軽負荷増速判定回路1は電動側増速判定回路2と回生側増速判定回路3と出力回路4とを有している。電動側増速判定回路2は、出力電力検出値5より電動側の負荷率を求め増速判定を行ない負荷増速の機能と、パワーリミットを実行するパワーリミットの機能を併せ持つものである。この電動側増速判定回路2等は具体的にはインバータ装置中のアプリケーションソフトで実現することができる。
同じく回生側増速判定回路3は、回生側で増速が可能かの判定を行う軽負荷増速の機能と、パワーリミット手段の機能を併せ持つものである。
ーーた、出力回路4は、電動側の加速レートと回生側の加速レートを制御部へ送出するものである。
図2は図1のこの電動側増速判定回路2の具体例であり、パワーリミット加速有効周波数入力信号20と、パワーリミットの有効無効を選択するパワーリミット加速選択信号とをAND回路21でANDをとり、AND回路21の出力で電力検出値5をスイッチするスイッチ22と、増速判定用のテーブル(ビットマップ)を用いて増速判定を行う増速判定回路23と、パワーリミットタイマー24、タイマースイッチ25と、判定結果をソフトスタータへ出力する出力回路26と、警告回路27とで構成している。
なお、図1の回生側増速判定回路3については図示しないが、これと同様な構成を持っている。
図3は増速判定を行う図2の増速判定回路23が制御する加速レートの説明図であり、縦軸が加速レート(%)、横軸が電力検出値(%)である。第1象限は電動側で加速レートの逓減を開始させる加速レート逓減レベルは80%、加速を停止するホールドレベルを100%としている。また、第2象限は回生側を表し、回生側の加速レート逓減レベルは60%、ホールドレベルは80%となっている。
【0006】
つぎに動作について説明する。
図1に示すようなV/f制御の誘導電動機11の場合は、図10に示した4象限特性のように、低速域では「モータ負荷率=電流」だったものが、モータが定格速度100以上で運転されると定出力特性となり高速域では「モータ負荷率=電力」となることを利用して、電力を検出して負荷率を推定するものである。
V/f制御のインバータでは単に電動機11に与える電圧と周波数をV/fパターン7に従って供給するだけで、簡単に可変速運転が可能であり、1台のインバータで複数のモータを駆動できる等の簡便さがあるが、低周波数領域での電動機トルクの低下を補償するためにトルク補償回路(トルクブースト)を用いる必要がある。トルク補償回路にはモータ電力の検出回路を備えているので、電力検出値5として利用して電動側増速判定回路2により電力を検出する。
検出された電力検出値は図2に示すように、パワーリミット加速有効周波数20とパワーリミット加速選択信号とのAND回路21の出力がON時にスイッチ22がONして増速判定回路23に取り入れられる。パワーリミット加速有効周波数は、使用される加速有効周波数が有効として、すなわちパワーリミット加速選択は有効と設定して軽負荷増速判定回路1の動作をONするものである。(この加速選択の有効・無効の選択設定は省いて常時有効としてもよい)。
本発明の軽負荷増速判定回路1の機能は、定格速度以上で加速運転可能か否かの判定を行うことが主であるから、電動側の増速判定回路23は電力検出値5から定格速度(例えば図10の100)を検出して、定格速度以降でなおかつ検出電力値が小さく負荷率が軽負荷の場合は、加速可能と判定して信号出力回路26へ信号を送出する。出力回路26は加速時にソフトスタータ6の1スキャン当たりの加算周波数ΔFaccづつ滑らかに加速するようにソフトスタータ6へ要求する。ちなみにソフトスタータ6の周波数分解能は、例えば、最高出力周波数を300Hz、分解能を1/10000とすれば1ステップは0.03Hz程度等となる。こうして加速レートを調整しながら速度(周波数)指令を上げて加速を続け、電力検出値5のモニターも続ける。この間、軽負荷増速判定回路1からは加速レート調整中の信号を外部へ出力しているので、オペレータはモータ能力一杯で加速していることをモニタできる。
次に、電力検出値が増速判定回路23の(A)点、又は図3の電力検出値80%の点として示す、予め設定された電動パワーリミット開始レベル又は加速レート逓減レベルに達したらパワーリミットタイマー24をスタートさせてパワーリミット処理に入る。
パワーリミットタイマー24はパワーリミット中の検出で、過渡的な軽負荷による再加速を禁止するためにセットされる。タイマー時間は、例えば、10sec、初期値が1secといった程度である。この間に加速レートを図3に示すように逓減させ、それでも電力検出値が減少しない場合は、例えば、予め決められた図3では電力検出値100%に達した点をホールド・レベル(図2では判定回路23のB点)として、加速を停止して失速を防止するようにしている。
ここまでは主に電動側の動作を図2の増速判定回路23により説明したが、回生動作も図示していない同様の回路で行われる。図3の回生領域に示すように、加速レートを調整して、電力検出値が、例えば、60%の時点を加速レート逓減レベルとして、電力検出値が80%の点をホールド・レベルに設定して、電動側と同様パワーリミットが実施される。
ここで回生側の設定レベルを、60%〜80%として電動側の設定値80%〜100%より低くしているのは、回生動作の場合に加速トルク分(電動側)が回生トルク分を打消す方向に動作するため、加速中に軽負荷と感違いして増速するのを防止する目的で、回生側の設定値を加速トルク分だけ低いレベルに設定している。
次に、回路の安全保護機構としては、電力検出値がオーバーロード(過負荷)等の異常値の場合は、加速レート調整を中止して警告回路27より警告信号を出力して、保持ブレーキ作動等の処理を行う。また、加速レート調整中の状態が長時間続いた場合には、外部より速度指令そのものを逓減させたり、非常停止させることもできる。また、パワーリミットの状態がパワーリミットタイマ時間以上続いた場合は、以後強制的に加速を停止させる処理を行うとよい。
【0007】
以上、V/f制御の例について説明したが、PG無しベクトル制御の場合もこの考え方を用いることができる。すなわち、オブザーバ等の電力検出回路より電力検出を行なえば、図1、図2に示した増速判定回路を用いて、V/f制御と同様に加速レート調整による軽負荷増速、およびパワーリミットを実施することができる。
このように、第1の実施の形態によれば、簡単な回路でパワーリミットや、軽負荷増速がV/f制御でもPG無しベクトル制御でも可能であり、負荷チェックの為に一旦中止する必要も無く過負荷(オーバーロード)検出によって安全対策も可能になる。
【0008】
次に、本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図4は本発明の第2の実施の形態に係るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の構成図である。図5は図4に示す加速レートの説明図である。図4にはPG付きベクトル制御の回路例が示されており、軽負荷増速判定回路40は、4象限増速判定回路41と2次電流検出用スイッチ42とで構成されている。4象限増速判定回路41は、正転/逆転(回転方向)検出値と2次電流指令値とを入力されると、電動側か回生側か正転か逆転かで決まる4象限の処理を1ブロックに纏めた軽負荷増速の機能と加速レート逓減等を行うパワーリミットの機能とを併せ持っている。2次電流検出用スイッチ42は回転数が定格回転数以上になると初めてONとなるものである。
つぎに動作について説明する。
ソフトスタータ43を介してなされた速度指令と誘導電動機に直結したパルスジェネレータPGにより検出した速度を比較回路44で比較してその差を増幅回路46で増幅した2次電流指令48と、励磁電流回路45の励磁電流指令よりトルク指令47を出力し、すべり周波数を積分してベクトル演算器49より3相基準電流を出力してモータの電流制御を行う。この場合は、負荷率の推定に速度関数のトルク指令ではなく、直流機の電機子電流に相当する2次電流指令48を使用し、モータの回転方向と組合わせて判定を行うもので、定格速度以上で判定するものである。
従って、回転数が定格回転数以上になると検出スイッチ42がONして検出が開始される。判定は4象限増速判定回路41で2次電流検出値が小さければ負荷率が低いと判定されて加速レートの調整が許可され、図5に示すように電動側、回生側、正転、逆転、の4象限について加速レート逓減レベル=±60%、ホールド=±80%、加速レート逓減レベル=±80%、ホールド=±100%、といった設定に基づいて前実施の形態と同様なパワーリミットが行われる。
また、1ブロックに纏めた構成中、正転時、逆転時、回生時などの個々の増速判定回路自体は図2に示した構成と同一であり、パワーリミットの動作等も前実施の形態と同一なので重複する説明は省略する。
【0009】
次に、本発明の第3の実施の形態について図を参照して説明する。
図6は本発明の第3の実施の形態に係るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の構成図である。
図7は図6に示す加速レートの説明図である。
図6はPG付きのベクトル制御であって、かつ、電力検出方式を用いた例である。モータ制御部の構成は図4の第2の実施の形態と同一である。
また、軽負荷増速判定回路50は2次電流ではなく、トルク指令と速度検出から検出回路51で電力を演算検出し、電動側と回生側双方を収容する構成とした増速判定回路52で判定を行って、パワーリミットを実施している。
従って、モータ制御部の動作は図4の第2の実施の形態と同一であり、軽負荷増速判定回路50については電動側、回生側を1ブロックに収容した電動側・回生側増速判定回路52の構成が異なるだけで、電力検出値による動作自体は第1の実施の形態の図1に示した軽負荷増速判定回路1の場合と同一なので、重複する説明は省略する。
以上説明した本発明の実際の適用例を、図8(a)に、速度指令200%、電力100%で制限した正転・電動時の加速特性例として、軽負荷時、加速トルク75%、負荷トルク50%以下の場合を示す。これは負荷は軽いが加速トルクが大きい場合であり、電力値は100%でリミットされた状態で、モータは能力一杯にFaccステップによりゆるやかに加速される様子を示している。
逆に、図8(b)は、負荷トルクが100%と大きく、負荷そのものが重い場合であり、モータ速度は途中約80%の時点で加速を中止し、モータの失速(過負荷)を防止している。
このように、本発明によれば、軽負荷時は正確な判定によりモータ能力内で一杯に加速し、負荷が重い場合は正確に判定して加速を中止するので、重負荷を軽負荷と見誤って加速してしまい失速するような危険は防止できる。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モータ電流値やモータトルク指令等を用いた複雑な演算に依らずに、電力検出等の簡単な回路でV/f制御でもベクトル制御でもパワーリミットおよび確実な軽負荷増速が可能になるという効果がある。また、加速レートを徐々にゆるやかに設定し、負荷チェックで一旦停止する必要もないので、ギクシャクした動きとタイムラグをなくせる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の構成図である。
【図2】図1に示す電動側増速判定回路のブロック図である。
【図3】図2に示す加速レートの説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の構成図である。
【図5】図4に示す加速レートの説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の構成図である。
【図7】図6に示す加速レートの説明図である。
【図8】本発明のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置の加速特性例を示す図である。
【図9】従来の直流機の説明図である。
【図10】従来の誘導電動機の4象限特性を示す図である。
【図11】従来の電気ホイストのインバータ制御装置の正面図である。
【図12】従来の長揚程インバータホイストの構成図である。
【符号の説明】
1、40、50 軽負荷増速判定回路
2 電動側増速判定回路
3 回生側増速判定回路
4 出力回路
5 電力検出
6、43 ソフトスタータ
7 V/fパターン
8 比較演算回路
9 コンデンサ
10 インバータ主回路
11 モータIM
12 CT
20 パワーリミット加速有効周波数
21 AND回路
22 スイッチ
23 増速判定回路
24 パワーリミットタイマー
25 タイマースイッチ
26 出力回路
27 警告回路
41 4象限増速判定回路
42 検出スイッチ
44 比較回路
45 励磁電流指令
46 アンプ
47 トルク指令
48 2次電流指令
49 ベクトル演算器
51 演算検出回路
52 電動側・回生側増速判定回路

Claims (8)

  1. 軽負荷時に電動機への出力指令周波数を上げて加速することにより運転時間短縮するインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、
    前記軽負荷増速装置は、速度指令を入力し、前記電動機が滑らかに加減速するように出力指令周波数を出力するソフトスタータと、インバータ回路の出力電力検出値を出力する出力電力検出回路と、前記出力電力検出値を用いて加速レート逓減、あるいは加速停止させる機能を有する軽負荷増速判定回路を備え、
    前記ソフトスタータは、前記出力指令周波数を求める際、1演算周期当たりの加算周波数ΔFaccを演算し、
    前記軽負荷増速判定回路は、前記出力電力検出値が、所定値1から所定値2(ただし、所定値1<所定値2)の間では前記加算周波数ΔFaccを逓減し、所定値2を超えると前記加算周波数ΔFaccをゼロにして、前記出力指令周波数を修正することを特徴とするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  2. 前記軽負荷増速判定回路は、前記電動機の運転状態が電動状態か回生状態かにより、前記所定値1及び所定値2の値を個別に設定可能とした判定回路を有することを特徴とする請求項1に記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  3. 前記回生状態で用いる増速判定回路における所定値1及び所定値2の値は、それぞれ前記電動状態で用いる増速判定回路における所定値1及び所定値2の値よりも小さい値としたことを特徴とする請求項2に記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  4. 軽負荷時に電動機への出力指令周波数を上げて加速することにより運転時間短縮するものであって、前記電動機の回転速度を検出してベクトル制御をするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、
    前記軽負荷増速装置は、速度指令を入力し、前記電動機が滑らかに加減速するように出力指令周波数を出力するソフトスタータと、前記出力指令周波数と前記回転速度の偏差がゼロとなるように前記偏差を増幅して2次電流指令値を求める増幅回路と、前記2次電流指令値を用いて加速レート逓減、あるいは加速停止させる機能を有する軽負荷増速判定回路を備え、
    前記ソフトスタータは、前記出力指令周波数を求める際、1演算周期当たりの加算周波数ΔFaccを演算し、
    前記軽負荷増速判定回路は、前記2次電流指令値が、所定値1から所定値2(ただし、所定値1<所定値2)の間では前記加算周波数ΔFaccを逓減し、所定値2を超えると前記加算周波数ΔFaccをゼロにして、前記出力指令周波数を修正することを特徴とするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  5. 前記軽負荷増速判定回路は、前記2次電流指令値と前記回転速度の符号を用いて、前記電動機の運転状態が電動状態か回生状態か、正回転か負回転の状態かの組み合わせである4つの状態を判別し、前記所定値1及び所定値2の値を前記4つの状態で個別に設定可能とした判定回路を有することを特徴とする請求項4に記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  6. 前記軽負荷増速装置は、前記回転速度が定格回転数に達してから、前記2次電流指令値を前記軽負荷増速判定回路に入力するようになっていることを特徴とする請求項4に記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  7. 軽負荷時に電動機への出力指令周波数を上げて加速することにより運転時間を短縮するものであって、前記電動機の回転速度を検出してベクトル制御をするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置において、
    前記軽負荷増速装置は、速度指令を入力し、前記電動機が滑らかに加減速するように出力指令周波数を出力するソフトスタータと、前記出力指令周波数と前記回転速度の偏差がゼロとなるように前記偏差を増幅して2次電流指令値を求める増幅回路と、前記2次電流指令値と励磁電流指令値を用いて演算されたトルク指令値と、前記回転速度を入力し、出力電力検出値を出力する出力電力検出回路と、前記出力電力検出値を用いて加速レート逓 減、あるいは加速停止させる機能を有する軽負荷増速判定回路を備え、
    前記ソフトスタータは、前記出力指令周波数を求める際、1演算周期当たりの加算周波数ΔFaccを演算し、
    前記軽負荷増速判定回路は、前記出力電力検出値が、所定値1から所定値2(ただし、所定値1<所定値2)の間では前記加算周波数ΔFaccを逓減し、所定値2を超えると前記加算周波数ΔFaccをゼロにして、前記出力指令周波数を修正することを特徴とするインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
  8. 前記軽負荷増速判定回路は、前記電動機の運転状態が電動状態か回生状態かにより、前記所定値1及び所定値2の値を個別に設定可能とした判定回路を有することを特徴とする請求項7に記載のインバータ制御クレーン・ホイストの軽負荷増速装置。
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