JP2002175607A - 磁気記録素子およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録素子およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の磁気記録素子では、ギャップ層として
NiPを使用し、これを直流電流を用いた電気メッキ法
によりメッキ形成していたが、この場合、界面付近での
元素P含有量が低下し、前記ギャップ層の耐食性及び非
磁性化を促進させることができなかった。 【解決手段】 ギャップ層22を形成するためにNiP
などを用い、このときパルス電流を用いた電気メッキ法
によりメッキ形成する。これにより前記ギャップ層22
の界面付近でのNiのエピタキシャル成長による結晶化
を抑制することができる。したがって前記界面付近に元
素Pなどの非磁性元素を多く取り込むことができ、前記
界面付近をアモルファス状態にして耐食性を向上させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スク装置などに装備される磁気記録素子に係り、特にギ
ャップ層の下部磁極層(あるいは下部コア層)との界面
付近での耐食性及び平滑性を向上させることができ、ま
た非磁性化を促進できる薄膜磁気ヘッド及びその製造方
法に関する磁気記録素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、従来における磁気記録素子
(薄膜磁気ヘッド)の構造を示す部分正面図である。
【0003】図14に示す符号1は、パーマロイなどの
磁性材料で形成された下部コア層であり、この下部コア
層1の上に、絶縁層9が形成されている。
【0004】前記絶縁層9には、記録媒体との対向面か
らハイト方向(図示Y方向)にかけて、内幅寸法がトラ
ック幅Twで形成された溝部9aが形成されている。
【0005】この溝部9a内には、下から順に、下部コ
ア層1に磁気的に接続する下部磁極層2、ギャップ層
4、及び上部コア層6に磁気的に接続する上部磁極層5
がメッキ形成されている。さらに、前記上部磁極層5上
に上部コア層6がメッキ形成されている。
【0006】また、絶縁層9に形成された溝部9aより
もハイト方向(図示Y方向)における前記絶縁層9の上
には、螺旋状にパターン形成されたコイル層(図示せ
ず)が設けられている。
【0007】図14に示すインダクティブヘッドでは、
前記コイル層に記録電流が与えられると、下部コア層1
及び上部コア層6に記録磁界が誘導され、下部コア層1
と磁気的に接続する下部磁極層2及び上部コア層6と磁
気的に接続する上部磁極層5間からの洩れ磁界により、
ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録され
る。
【0008】ところで前記ギャップ層4は、メッキ形成
可能な例えばNiPで形成される。従来では前記NiP
膜を直流電流を用いた電気メッキ法によりメッキ形成し
ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら直流電流
を用いた電気メッキ法により前記NiP膜を前記下部磁
極層2との界面からメッキ成長させると、特に前記界面
付近での元素Pの含有量は非常に小さくなることがわか
った。例えば前記界面から2.5nm程度の膜厚内では
前記元素Pの含有量は8質量%よりも小さくなることが
後述の実験結果でわかった。
【0010】直流電流を用いて電気メッキすると、メッ
キ形成時のNi−P膜に対する電流密度の分布に偏りが
発生し、あるメッキ面に電流が集中的に且つ継続して流
れる。そして、このような電流分布の偏りは、結晶性の
下部磁極層2と格子整合性を図りやすい元素Niがエピ
タキシャル的に成長していき、結晶化することで、前記
界面付近での元素Pの含有量は極端に小さくなるものと
考えられる。また上記したNiのエピタキシャル成長に
より、前記界面での面粗れがひどくなる。
【0011】上記のように前記界面付近での元素Pの含
有量が極端に小さく、また面粗れが発生したNiP膜は
耐食性が低下し、中性からアルカリ領域の水溶液に弱い
ため、スライダ製造の洗浄工程などで使用される洗浄液
に侵食されやすく、図15(模式図)に示すように前記
NiP膜に亀裂が入るなどの不具合が発生した。これに
よってオーバーライト特性などの記録特性が低下する。
【0012】また前記界面付近での元素Pの含有量が低
下することで、前記界面付近は磁性を帯びやすく、これ
によって前記ギャップ層4の膜厚で決定されるギャップ
長Glの大きさが変動するため、所定の記録特性を有す
る薄膜磁気ヘッドを歩留まり良く製造できない。
【0013】そこで本発明は上記従来の課題を解決する
ためのものであり、特に前記界面付近における元素Pの
含有量を従来に比べ多くすることで、ギャップ層の耐食
性及び平滑性を向上させることができ、また非磁性化を
促進できる磁気記録素子を提供することを目的としてい
る。
【0014】また本発明は、パルス電流による電気メッ
キ法によりギャップ層をメッキ形成することで、前記界
面付近で元素Niがエピタキシャル成長により結晶化す
るのを抑制し、非磁性元素(例えば元素Pなど)を多く
含有させることが可能な磁気記録素子の製造方法を提供
することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、下部コア層
と、前記下部コア層上に、直接に又は下部磁極層を介し
て形成されたギャップ層と、前記ギャップ層上に、直接
に又はトラック幅を決める上部磁極層を介して形成され
る上部コア層とを有する磁気記録素子において、前記ギ
ャップ層は、NiPによってメッキ形成されており、前
記下部磁極層あるいは前記下部コア層との界面から10
nmまでの膜厚内の元素Pの含有量が、8質量%以上で
15質量%以下であることを特徴とするものである。
【0016】これにより前記ギャップ層には、下部磁極
層あるいは下部コア層との界面から膜厚方向に、Niの
エピタキシャル成長による結晶化した領域が形成され
ず、従来、Niが結晶化した界面付近は、本発明では、
元素Pが8質量%以上で15質量%以下含有されたアモ
ルファス状態になっている。
【0017】このように前記界面では、元素Pが従来よ
りも多く含有されたアモルファス状態となることで、前
記ギャップ層の耐食性及び平滑性が向上し、スライダ製
造の洗浄工程の洗浄液等に侵食されず、従来のように前
記ギャップ層に亀裂が入るなどの不具合を防止できる。
また前記界面から10nmの膜厚内に元素Pが8質量%
以上で15質量%以下含有されることで、この部分を非
磁性にでき、ギャップ長Glが所定値となる磁気記録素
子を歩留まり良く製造できる。
【0018】また本発明では、前記界面から40nmま
での膜厚内の元素Pの含有量が、8質量%以上で15質
量%以下であることが好ましい。
【0019】また本発明では、前記元素Pの含有量は、
10質量%以上で15質量%以下であることが好まし
く、より好ましくは、前記元素Pの含有量は、11質量
%以上で15質量%以下である。
【0020】上記の範囲内であれば、元素Niのエピタ
キシャル成長による結晶化をより抑えることができ前記
ギャップ層の耐食性をさらに向上させることができると
共に、前記ギャップ層の界面付近での非磁性化をより促
進でき、良好な記録特性を有する磁気記録素子を製造す
ることが可能である。
【0021】また本発明では、前記ギャップ層の膜厚全
体の平均した元素Pの含有量は、11質量%以上で15
質量%以下であることが好ましい。
【0022】前記界面から少なくとも10nm、好まし
くは40nmの膜厚内のみでなく前記ギャップ層の膜厚
全体の元素Pの平均含有量を上記の範囲内に規制するこ
とで、前記ギャップ層全体の耐食性の向上を図ることが
でき、また前記ギャップ層全体の非磁性化を促進でき、
前記ギャップ層近傍において漏れ磁界を確実に発生させ
ることができる。
【0023】なお上記した元素Pの含有量の測定は、X
線分析装置を用いて行った。X線分析装置のみでは元素
Pの含有量は相対的な値しか得られないので、湿式分析
で前記X線分析装置から得られた元素Pの含有量を補正
し絶対値を得た。それが上記した本発明の元素Pの含有
量である。
【0024】また下部磁極層あるいは下部コア層との界
面からの距離については、透過電子顕微鏡(TEM)を
用いて測定した。
【0025】また本発明は、磁性材料製の下部コア層
と、記録媒体との対向面で前記下部コア層の上にギャッ
プ層を介して対向する磁性材料製の上部コア層とを有す
る、磁気記録素子の製造方法において、(a) 前記下
部コア層をメッキ形成する工程と、(b) 前記下部コ
ア層上に直接、または前記下部コア層上に下部磁極層を
メッキ形成した後この下部磁極層上に、Niを主成分と
した非磁性のギャップ層をパルス電流を用いた電気メッ
キ法によりメッキ形成する工程と、(c) 前記ギャッ
プ層上に直接、または上部磁極層を介して、上部コア層
をメッキ形成する工程と、を有することを特徴とするも
のである。
【0026】既に説明したように従来では直流電流を用
いた電気メッキ法によりギャップ層をメッキ形成してい
たが、この方法であると電流密度の分布に偏りが発生
し、あるメッキ面に電流が集中的に且つ継続して流れ
る。そしてこのような電流分布の偏りによって、前記下
部磁極層あるいは下部コア層との界面付近では、Niが
エピタキシャル成長により結晶化する。これによって前
記界面付近での非磁性元素(例えば元素Pなど)の含有
量は急激に低下し、この部分の耐食性及び非磁性化は低
下した。
【0027】そこで本発明では、直流電流に代えてパル
ス電流を用いた電気メッキ法を使用することとした。
【0028】すなわち電流制御素子のON/OFFを繰
返し、メッキ形成時に、電流を流す時間と、電流を流さ
ない空白な時間を設ける。このように電流を流さない時
間を設けることで、従来のように直流電流を用いた場合
に比べメッキ形成時における電流密度の分布の偏りを緩
和することが可能になり、ギャップ層を少しずつ形成し
てゆく。
【0029】これによって前記界面付近では、Niのエ
ピタキシャル成長による結晶化は抑制され、前記界面付
近に非磁性元素を適量含むアモルファス状態としてメッ
キ成長させることが可能になる。よって耐食性及び平滑
性に優れたギャップ層を形成でき、また前記界面付近に
おける非磁性化を促進できる。
【0030】また本発明では、前記(b)工程におい
て、前記ギャップ層を、最初に所定の電流密度を有する
パルス電流を用いて所定の膜厚までメッキ形成した後、
残りのギャップ層を前記所定の電流密度よりも高い電流
密度を有するパルス電流を用いてメッキ形成することが
好ましい。
【0031】上記のように最初、すなわち界面からのメ
ッキ形成では、電流密度を小さくして、メッキ成長を遅
くすることでNiのエピタキシャル成長による結晶化を
抑制し、非磁性元素を適量含んだアモルファス状態とす
ることができる。その後、電流密度を上げることでメッ
キ成長を速めてギャップ層形成を短時間で形成できるよ
うにする。電流密度を上げる段階では、電流密度を小さ
くして形成したギャップ層は既にアモルファス化してメ
ッキ成長しているので、その上に電流密度を上げて形成
するギャップ層も適量の非磁性元素を含みながらアモル
ファス化してメッキ成長してゆく。このため本発明で
は、前記ギャップ層全体を適量な非磁性元素を含むアモ
ルファス状態とすることができる。
【0032】また本発明では、前記所定の電流密度を、
1.5mA/cm2以上で3.0mA/cm2以下とし、
この電流密度を有するパルス電流を用いて前記ギャップ
層を最初の10nmの膜厚までメッキ形成することが好
ましい。
【0033】また本発明では、前記ギャップ層を最初の
40nmの膜厚までメッキ形成することをより好まし
い。
【0034】上記の電流密度の数値範囲内であると、界
面付近ではゆっくりとギャップ層をメッキ成長させて膜
中に非磁性元素が適量入ってアモルファス化していき、
元素Niのエピタキシャル成長による結晶化を適切に抑
制することができる。なお上記の電流密度よりも小さい
値であると、メッキ成長速度が遅すぎて前記ギャップ層
がメッキ成長しづらくなり好ましくない。また上記の電
流密度よりも大きい値であると、メッキ成長が速すぎ
て、膜中に非磁性元素が入りづらくなり元素Niが結晶
化して好ましくない。
【0035】なお前記ギャップ層をNiPでメッキ形成
するとき、上記の数値範囲内であれば、最初の10nm
の膜厚内の元素Pの含有量を、8質量%以上で15質量
%以下に設定することができる。あるいは好ましくは、
最初の40nmの膜厚内の元素Pを8質量%以上で15
質量%以下に設定することができる。
【0036】また本発明では、前記残りのギャップ層
を、8.5mA/cm2以上で11.0mA/cm2以下
の電流密度を有するパルス電流を用いてメッキ形成する
ことが好ましい。前記残りのギャップ層のメッキ形成時
の電流密度を最初よりも上げることでメッキ成長を速
め、ギャップ層を短時間で形成できる。また前記残りの
ギャップ層を上記の高い電流密度を有するパルス電流で
メッキ形成しても、その下に形成されているギャップ層
はアモルファス化されているので、それに合わせて前記
残りのギャップ層を適量の非磁性元素を含んだアモルフ
ァス状態で形成できる。また前記ギャップ層をNiPで
形成するとき、ギャップ層の膜厚全体の元素Pの平均し
た含有量を11質量%以上で15質量%以下に設定する
ことができる。
【0037】なお本発明では、前記ギャップ層をNi−
P、Ni−W、Ni−P−Mo、およびNi−P−Wの
いずれか一種でメッキ形成することができる。
【0038】すなわち上記したパルス電流を用いた電気
メッキ法ではNiPに限られず、Ni−Wなどを使用し
た場合でも、界面付近での元素Niのエピタキシャル成
長による結晶化を抑制でき、耐食性及び平滑性に優れ、
非磁性化を促進できるギャップ層をメッキ形成すること
が可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における磁気記録
素子(薄膜磁気ヘッド)の構造を示す部分正面図、図2
は磁極部を拡大した部分拡大図、図3は図1に示す薄膜
磁気ヘッドを3−3線から切断し矢印方向から見た部分
断面図である。
【0040】図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のイ
ンダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダ
クティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用
ヘッド(いわゆるAMR、GMR、TMRなどを用いた
MRヘッド)が積層されていてもよい。
【0041】図1に示す符号20は、例えばパーマロイ
などの磁性材料で形成された下部コア層である。なお、
前記下部コア層20の下側に再生用ヘッドが積層される
場合、前記下部コア層20とは別個に、磁気抵抗効果素
子をノイズから保護するシールド層を設けてもよいし、
あるいは、前記シールド層を設けず、前記下部コア層2
0を、前記再生用ヘッドの上部シールド層として機能さ
せてもよい。
【0042】図1に示すように前記下部コア層20の両
側には、絶縁層23が形成される。また図1に示すよう
に、下部磁極層21の基端から延びる下部コア層20の
上面20aはトラック幅方向(図示X方向)と平行な方
向に延びて形成されていてもよく、あるいは前記上部コ
ア層26から離れる方向に傾斜する傾斜面20b,20
bが形成されていてもよい。前記下部コア層20の上面
に傾斜面20b,20bが形成されることで、サイドフ
リンジングの発生をより適切に低減させることができ
る。
【0043】図1に示すように、前記下部コア層20上
には、磁極部24が形成され、前記磁極部24は記録媒
体との対向面に露出形成されている。この実施例におい
て前記磁極部24はトラック幅Twで形成された、いわ
ばトラック幅規制部である。前記トラック幅Twは、
0.7μm以下で形成されることが好ましく、より好ま
しくは0.5μm以下である。
【0044】図1に示す実施例では、前記磁極部24
は、下部磁極層21、ギャップ層22、および上部磁極
層35の3層膜の積層構造で構成されている。以下、前
記磁極層21、35およびギャップ層22について説明
する。
【0045】図1に示すように、前記下部コア層20上
には、メッキ下地層25(図3を参照のこと)を介し
て、磁極部24の最下層となる下部磁極層21がメッキ
形成されている。前記下部磁極層21は、下部コア層2
0と磁気的に接続されており、前記下部磁極層21は、
前記下部コア層20と同じ材質でも異なる材質で形成さ
れていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形
成されていてもどちらでもよい。なお前記下部磁極層2
1の高さ寸法は、例えば0.3μm程度で形成される。
【0046】前記下部磁極層21上には、非磁性のギャ
ップ層22が積層されている。本発明では、前記ギャッ
プ層22は、非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層
21上にメッキ形成される。なお前記ギャップ層22の
高さ寸法は、例えば0.2μm程度で形成される。
【0047】次に前記ギャップ層22上には、後述する
上部コア層26と磁気的に接続する上部磁極層35がメ
ッキ形成されている。なお前記上部磁極層35は、上部
コア層26と同じ材質で形成されていてもよいし、異な
る材質で形成されていてもよい。また単層膜でも多層膜
で形成されていてもどちらでもよい。なお前記上部磁極
層35の高さ寸法は、例えば2.4μm〜2.7μm程
度で形成されている。
【0048】上記したようにギャップ層22が、金属材
料であるNiPでメッキ形成されていれば、下部磁極層
21、ギャップ層22および上部磁極層35を連続して
メッキ形成することが可能になる。
【0049】なお本発明では前記磁極部24は、上記3
層膜の積層構造に限られない。前記磁極部24は、ギャ
ップ層22と上部磁極層35からなる2層膜で形成され
ていてもよい。
【0050】また上記したように、磁極部24を構成す
る下部磁極層21および上部磁極層35は、それぞれの
磁極層が磁気的に接続されるコア層と同じ材質でも異な
る材質で形成されてもどちらでもよいが、記録密度を向
上させるためには、ギャップ層22に対向する下部磁極
層21および上部磁極層35は、それぞれの磁極層が磁
気的に接続されるコア層の飽和磁束密度よりも高い飽和
磁束密度を有していることが好ましい。このように下部
磁極層21および上部磁極層35が高い飽和磁束密度を
有していることにより、ギャップ近傍に記録磁界を集中
させ、記録密度を向上させることが可能になる。
【0051】ところで本発明は、前記ギャップ層22は
NiPでメッキ形成され、図2に示すように前記下部磁
極層21との界面から10nmまでの膜厚H1内の元素
Pの含有量が、8質量%以上で15質量%以下に設定さ
れている。好ましくは40nmまでの膜厚H1内の元素
Pの含有量が、8質量%以上で15質量%以下に設定さ
れている。
【0052】図2に示すように前記ギャップ層22は、
前記下部磁極層21との界面が平滑化され、しかも前記
膜厚H1内では、上記含有量の元素Pを含んだアモルフ
ァス状態になっている。
【0053】このように本発明では、元素Pの含有量は
界面付近で従来よりも多くなり、適正量の元素Pを含ん
だアモルファス状態でメッキ形成されることで、前記界
面付近でのギャップ層22の耐食性及び平滑性を向上さ
せることが可能である。従って本発明では、スライダ加
工の洗浄工程などで使用される中性やアルカリ性の洗浄
剤に曝されても、前記ギャップ層22は侵食されず、前
記ギャップ層22に従来のような亀裂(図15を参照の
こと)が入ることはない。
【0054】また前記ギャップ層22の前記界面付近で
適量の元素Pが含まれることで、この部分での非磁性化
を促進できる。ギャップ長Glは前記ギャップ層22の
膜厚で決定されるが、前記ギャップ層22の界面付近が
適切に非磁性化されることで、前記ギャップ長Glを所
定値に収めることが可能である。
【0055】よって本発明では、薄膜磁気ヘッドのオー
バーライト特性などの記録特性を良好に保ち、しかも所
定の記録特性を有する薄膜磁気ヘッドを歩留まり良く製
造することが可能である。
【0056】なお、上記した元素Pの含有量の測定は、
X線分析装置によって行った。ただしX線分析装置によ
る元素Pの含有量は相対値として測定されるので、これ
を絶対値に補正するため、前記X線分析装置による測定
後、湿式分析を行った。これにより測定された元素Pの
含有量が上記した値である。
【0057】また前記界面からの距離については、透過
電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した。
【0058】また本発明では、前記界面から10nmま
で、好ましくは40nmの膜厚H1内の元素Pの含有量
が、10質量%以上で15質量%以下であることが好ま
しい。また前記元素Pの含有量は11質量%以上で15
質量%以下であることがより好ましい。
【0059】上記の範囲内であれば、前記NiP膜で形
成されたギャップ層22の界面から膜厚H1内でのNi
の結晶化を抑制してアモルファス化をより促進でき、耐
食性及び平滑性の向上、さらには非磁性化をより促進さ
せることができる。よって前記ギャップ層22の界面付
近に亀裂等の不具合が発生することはなく、記録特性に
優れた薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0060】また本発明では、前記ギャップ層22の膜
厚全体の平均した元素Pの含有量は、11質量%以上で
15質量%以下であることが好ましい。このようにギャ
ップ層22の膜厚全体で上記した元素Pを含有すること
により、前記ギャップ層22の膜厚全体の耐食性を向上
させることができ、しかも非磁性化を促進できる。よっ
て前記ギャップ層22全体を洗浄液などによる侵食から
適切に保護できると共に、前記ギャップ近傍において漏
れ磁界を確実に発生させることができる。
【0061】次に本発明では図3のように、前記磁極部
24は、記録媒体との対向面(ABS面)からハイト方
向(図示Y方向)にかけて長さ寸法L1で形成されてい
る。前記磁極部24と下部コア層20間には例えば有機
絶縁材料などで形成されたGd決め層27が形成されて
いる。なお前記Gd決め層27の先端から記録媒体との
対向面までの距離はL2で形成され、この距離L2はギ
ャップデプス(Gd)である。
【0062】また図3に示すように、前記磁極部24の
ハイト方向(図示Y方向)の後方であって下部コア層2
0上には絶縁下地層28を介してコイル層29が螺旋状
に巻回形成されている。前記絶縁下地層28は、例え
ば、AlO、Al23、SiO 2、Ta25、TiO、
AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、Ni
O、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少な
くとも1種からなる絶縁材料で形成されていることが好
ましい。
【0063】さらに前記コイル層29の各導体部のピッ
チ間は、絶縁層30によって埋められている。前記絶縁
層30は、AlO、Al23、SiO2、Ta25、T
iO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si
34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiON
のうち少なくとも1種から選択されることが好ましい。
【0064】前記絶縁層30は、図1に示すように、前
記磁極部24のトラック幅方向(図示X方向)の両側に
形成され、前記絶縁層30は記録媒体との対向面に露出
形成されている。
【0065】図3に示すように、前記絶縁層30上に
は、第2のコイル層33が螺旋状に巻回形成されてい
る。
【0066】図3に示すように、前記第2のコイル層3
3は、レジストやポリイミド等の有機材料で形成された
絶縁層32によって覆われ、前記絶縁層32上には、N
iFe合金等で形成された上部コア層26が例えばフレ
ームメッキ法等によりパターン形成されている。
【0067】また図3に示すように、前記上部コア層2
6の先端部26aは、前記上部磁極層35上に磁気的に
接続されて形成され、前記上部コア層26の基端部26
bは、下部コア層20上にNiFe合金等の磁性材料で
形成された持上げ層36上に磁気的に接続されて形成さ
れている。なお前記持上げ層36は形成されていなくて
も良く、この場合、前記上部コア層26の基端部26b
は、下部コア層20上に直接接続されることになる。前
記上部コア層26上はAl23等の保護層34によって
覆われている。
【0068】また図1に示すように、前記上部磁極層3
5上に接合されている端部での上部コア層26の幅寸法
は、前記上部磁極層35のトラック幅方向の幅寸法より
も大きくなっていることがわかる。これにより、前記上
部コア層26からの磁束を、効率よく前記上部磁極層3
5に流すことができ、記録特性の向上を図ることができ
る。
【0069】図4は、本発明の別の実施の形態の薄膜磁
気ヘッドの縦断面図である。なお図4に示す薄膜磁気ヘ
ッドの図示左側の端面が記録媒体との対向面となってい
る。
【0070】本実施の形態では、下部コア層40の上
に、非磁性金属材料からなるギャップ層41が下部コア
層40上にメッキ形成されている。
【0071】本発明では、非磁性金属材料として、Ni
Pが選択され、前記下部コア層40との界面から10n
mの膜厚内で、好ましくは40nmの膜厚内での元素P
の含有量は8質量%以上で15質量%以下に設定されて
いる。好ましくは10質量%以上で15質量%以下であ
り、より好ましくは11質量%以上で15質量%以下で
ある。
【0072】これにより前記下部コア層40との界面か
ら10nmの膜厚内では、元素Niのエピタキシャル成
長による結晶化を抑制でき、上記数値範囲内の元素Pを
含有したアモルファス状態となっている。このため前記
界面での耐食性及び平滑性を向上させることができ、ス
ライダ製造工程での洗浄液等による侵食を回避でき、従
来のように前記ギャップ層41の界面付近での亀裂等の
発生を抑制することができる。また上記の元素Pを含む
ギャップ層41であれば前記界面付近での非磁性化を適
切に促進させることができるため、ギャップ長Glが一
定の大きさである薄膜磁気ヘッドを歩留まり良く製造す
ることが可能である。
【0073】また前記ギャップ層41の膜厚全体の平均
した元素Pの含有量は11質量%以上で15質量%以下
であることが好ましく、これによりギャップ層41の膜
厚全体を適量の元素Pを含んだアモルファス状態にで
き、耐食性を向上させることができると共に、ギャップ
近傍において漏れ磁界を確実に発生させることができ
る。
【0074】なお前記元素Pの含有量の測定方法に関し
ては図1で説明した通りであり、X線分析装置を用い、
さらに湿式分析で前記X線分析装置で測定された含有量
を補正して絶対値にしており、また前記界面からの距離
については透過電子顕微鏡を用いて測定した。
【0075】図4では前記ギャップ層41の上にはポリ
イミドまたはレジスト材料製の絶縁層42を介して平面
的に螺旋状となるようにパターン形成されたコイル層4
3が設けられている。なお、前記コイル層43はCu
(銅)などの電気抵抗の小さい非磁性導電性材料で形成
されている。
【0076】さらに、前記コイル層43はポリイミドま
たはレジスト材料で形成された絶縁層44に囲まれ、絶
縁層44の上に軟磁性材料製の上部コア層45が形成さ
れている。
【0077】図4に示すように、上部コア層45の先端
部45aは、記録媒体との対向面において、下部コア層
40の上にギャップ層41を介して対向し、ギャップ長
Gl1の磁気ギャップが形成されており、上部コア層4
5の基端部45bは、下部コア層40と磁気的に接続さ
れている。
【0078】また下部コア層40の飽和磁束密度Msは
高いことが好ましいが、上部コア層45の飽和磁束密度
Msよりも低くすることにより、下部コア層40と上部
コア層45との間における洩れ磁界を磁化反転しやすく
すると、より記録媒体への信号の書込み密度を高くでき
る。
【0079】次に図1と同じ形状の薄膜磁気ヘッドの製
造方法について図面を参照しながら説明する。
【0080】図5では下部コア層20上に、レジスト層
51を塗布形成している。前記レジスト層51の厚さ寸
法H3は、少なくとも図1に示す完成した薄膜磁気ヘッ
ドにおける磁極部24の厚さ寸法よりも厚く形成されて
いなければならない。
【0081】次にレジスト層51に、露光現像によっ
て、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)
に所定の長さ寸法であって、且つトラック幅方向(図示
X方向)に所定の幅寸法で形成される溝51aを形成
し、溝51a内に、磁極部24を形成する。
【0082】図5に示すように磁極部24を、下から下
部磁極層21、ギャップ層22、および上部磁極層35
で構成し、これら各層を、メッキ下地層25を下地とし
て連続してメッキ形成する。これにより製造工程の簡略
化を図ることが可能である。
【0083】本発明では、前記ギャップ層22をパルス
電流を用いた電気メッキ法によってメッキ形成する。前
記ギャップ層22をNiを主成分とした非磁性材料によ
り形成する。
【0084】本発明では数秒サイクルでON/OFFを
繰返し、そのときのデューティ比を、0.1から0.5
程度に設定することが好ましい。例えば0.5秒サイク
ルでON/OFFを繰返す。
【0085】上記のようにパルス電流を用いた電気メッ
キ法によれば、ギャップ層22のメッキ形成時に、電流
を流す時間と、電流を流さない空白な時間を設けること
ができる。このように電流を流さない時間を設けること
で、従来のように直流電流を用いた場合に比べメッキ形
成時における電流密度の分布の偏りを緩和することが可
能になっている。そして前記ギャップ層22を少しずつ
メッキ形成することができる。
【0086】このようにパルス電流を用いた電気メッキ
法によって、メッキ形成時における電流密度の分布の偏
りを低減させることができるから、前記下部磁極層21
との界面付近でメッキ形成されたギャップ層22には、
従来のように元素Niがエピタキシャル成長により結晶
化していない。本発明では前記界面付近での前記ギャッ
プ層22を非磁性元素が従来に比べ多く含まれたアモル
ファス状態でメッキ形成することができる。
【0087】このように前記ギャップ層22の界面付近
では、非磁性元素を適量に含んだアモルファス状態とな
ることにより、前記界面付近での前記ギャップ層22の
耐食性及び平滑性を向上させることが可能である。また
前記界面付近での非磁性化を促進することができる。
【0088】また本発明では、前記ギャップ層22を、
最初に所定の電流密度を有するパルス電流を用いて所定
の膜厚までメッキ形成した後、残りのギャップ層22を
前記所定の電流密度よりも高い電流密度を有するパルス
電流を用いてメッキ形成することが好ましい。
【0089】これにより、前記ギャップ層22の初期段
階のメッキ形成を、元素Pを多く含んだアモルファス状
態にでき、前記元素Niのエピタキシャル成長による結
晶化を抑制することができる。このため前記ギャップ層
22と下部磁極層21との界面付近では、前記ギャップ
層22の耐食性、平滑性を向上させることができ、また
非磁性化を促進できる。
【0090】また前記ギャップ層22を所定の電流密度
を有するパルス電流を用いて所定膜厚までメッキ形成し
た後、残りのギャップ層22を前記所定の電流密度より
も高い電流密度を有するパルス電流によってメッキ形成
することで、前記残りのギャップ層22を速くメッキ形
成することができ、前記ギャップ層22のメッキ形成を
短時間で形成することが可能になる。なお既に初期段階
でメッキ形成されたギャップ層22は、非磁性元素を適
量に含んだアモルファス状態となっていることにより、
前記残りのギャップ層22もそれに合わせて非磁性元素
を適量に含んだアモルファス状態でメッキ形成すること
が可能である。すなわち本発明によれば、前記ギャップ
層22全体を非磁性元素を適量に含んだアモルファス状
態で形成することが可能である。
【0091】また本発明では、前記所定の電流密度を、
1.5mA/cm2以上で3.0mA/cm2以下とし、
この電流密度を有するパルス電流を用いて前記ギャップ
層22を最初の10nmの膜厚までメッキ形成すること
が好ましい。より好ましくは前記ギャップ層22を最初
の40nmの膜厚までメッキ形成することである。この
ときメッキ形成時間は、7〜15分程度である。またO
N/OFFのデューティー比は、例えば0.5秒サイク
ルである。また前記電流密度に合わせて電流値を決定し
なければならないが、一例として前記電流値は40mA
以上で70mA以下程度である。
【0092】例えば前記ギャップ層22にNiPを選択
したとき、前記ギャップ層22の下部磁極層21との界
面から10nmの膜厚内、好ましくは40nmの膜厚内
には、元素Pが8質量%以上で15質量%以下含まれた
アモルファス状態にメッキ形成でき、元素Niのエピタ
キシャル成長による結晶化を抑制できる。よって前記界
面から10nmの膜厚内、好ましくは前記界面から40
nmの膜厚内での前記ギャップ層22の耐食性及び平滑
性を向上させることができ、また非磁性化を促進するこ
とができる。
【0093】なお電流密度が1.5mA/cm2よりも
小さい場合、前記ギャップ層22のメッキ成長速度が非
常に遅くなることにより、前記ギャップ層22を適切に
メッキ形成できず好ましくない。また前記電流密度が
3.0mA/cm2よりも大きい場合、メッキ成長速度
が急激に速くなることで、界面では元素Niのエピタキ
シャル成長による結晶化が促進され元素Pが適量に入ら
なくなり、耐食性の低下、および磁性化を招いて好まし
くない。
【0094】また本発明では、前記電流密度を有するパ
ルス電流により、前記ギャップ層22を10nm、ある
いは40nmまでメッキ成長させた後、前記残りのギャ
ップ層22を、8.5mA/cm2以上で11.0mA
/cm2以下の電流密度を有するパルス電流を用いてメ
ッキ形成することが好ましい。これにより前記残りのギ
ャップ層22を速くメッキ形成でき、前記ギャップ層2
2のメッキ形成時間の短縮化を図ることができる。なお
メッキ形成時間は、最終的に得たい膜厚の大きさによっ
て異なるが、例えば7分から8分程度である。またON
/OFFのデューティー比は、例えば0.5秒サイクル
である。また前記電流密度に合わせて電流値を決定しな
ければならないが、一例として前記電流値は200mA
以上で250mA以下程度である。
【0095】またこれにより前記ギャップ層22の膜厚
全体の平均した元素Pの含有量を11質量%以上で15
質量%以下にすることができ、前記ギャップ層22全体
の耐食性及び非磁性化を促進させることが可能である。
【0096】なお上記したパルス電流による電気メッキ
法を用いた製造方法は、前記ギャップ層22をNi−P
で形成することに限定されない。前記ギャップ層22を
Ni−P以外に、Ni−W、Ni−P−Mo、およびN
i−P−Wのいずれか一種でメッキ形成することが可能
である。かかる場合でも上記したパルス電流を用いた電
気メッキ法を用いてメッキ形成する。これにより前記N
i−W、Ni−P−Mo、Ni−P−Wのいずれかを用
いた場合、前記下部磁極層22との界面付近に非磁性元
素である、元素W、元素PとMoあるいは元素PとWを
適量含ませ、アモルファス状態にすることができ、前記
ギャップ層22の耐食性及び平滑性を向上させることが
でき、また非磁性化を促進することができる。
【0097】なおこのパルス電流を用いた電気メッキ法
は、下部コア層20、下部磁極層21、上部磁極層3
5、上部コア層26などの各磁性層をメッキ形成する際
に使用しても良い。これにより結晶粒の粗大化が抑制さ
れるとともに、前記各磁性層の上面はより平滑面とされ
る。したがって前記各磁性層の飽和磁束密度を向上させ
ることができる。なお特に前記下部磁極層21をパルス
電流を用いた電気メッキ法によりメッキ形成することが
好ましい。これにより前記下部磁極層21上に形成され
るギャップ層22の前記下部磁極層21との界面では、
元素Niのエピタキシャル成長による結晶化をより適切
に抑制でき、非磁性元素を多く含んだアモルファス状態
にでき、耐食性及び非磁性化をさらに促進することが可
能である。
【0098】なお図5に示す溝51a内に形成される磁
極部24の膜構成は、上記した3層の構成に限られな
い。すなわち、磁極部24は、下部コア層20と連続す
る下部磁極層21及び/または上部コア層26と連続す
る上部磁極層35が形成され、上部コア層26又は下部
コア層20の一方とこれに対向する前記一方の磁極層の
間、或いは、下部磁極層21と上部磁極層35の間に位
置するギャップ層22で構成されれば、どのような膜構
成であってもかまわない。
【0099】次に図5では、前記レジスト層51を除去
し、新たなレジスト層を形成し、このレジスト層に持上
げ層36形成のための抜きパターンを形成する。そして
前記抜きパターン内に持上げ層36を形成する(図6を
参照のこと)。
【0100】次に図7に示す工程では、磁極部24上か
ら下部コア層20上、さらには持上げ層36上からハイ
ト方向にかけて、絶縁材料で形成された絶縁下地層28
をスパッタ形成する。
【0101】そして図7に示すように、絶縁下地層28
上に、コイル層29を螺旋状にパターン形成する。
【0102】次に図8に示す工程では、コイル層29上
を絶縁層30により覆う。このとき、磁極部24上およ
び持上げ層36上も絶縁層30によって覆われる。
【0103】なお本実施の形態では絶縁層30を無機材
料によってスパッタ形成する。前記無機材料には、Al
23、SiN、SiO2のうちから1種または2種以上
を選択することが好ましい。
【0104】そして図8に示すように、絶縁層30の表
面をCMP技術などを利用して研磨し、磁極部24の表
面が露出するB−B線上まで削っていく。その状態を示
すのが、図9である。
【0105】また上記のCMP法によって、絶縁層30
の表面は、磁極部24の接合面24aと同一平面上で平
坦化されて形成されている。
【0106】次に、図10に示されるように、絶縁層3
0上に、第2のコイル層33を螺旋状にパターン形成す
る。第1層目のコイル層29と第2のコイル層33と
は、それぞれの巻き中心部を介して電気的に接続され
る。さらに、第2のコイル層33を、レジストやポリイ
ミドなどの有機絶縁材料で形成された絶縁層32によっ
て覆い、絶縁層32上に上部コア層26を、フレームメ
ッキ法などの既存の方法でパターン形成する。
【0107】図10に示すように上部コア層26は、そ
の先端部26aにて磁極部24上に接して形成され、ま
た基端部26bにて下部コア層20上に形成された持上
げ層36上に磁気的に接して形成される。
【0108】
【実施例】本発明では、実施例としてパルス電流を用い
た電気メッキ法によりギャップ層をメッキ形成し、比較
例として、直流電流を用いた電気メッキ法によりギャッ
プ層をメッキ形成し、それぞれのギャップ層の表面状態
を透過電子顕微鏡(TEM)で調べた。
【0109】実施例では、最下層として下部磁極層21
となるNiFe合金をパルス電流を用いた電気メッキ法
によりメッキ形成した。前記NiFeの組成比は、Fe
が70質量%で、残りがNi質量%であった。なお前記
下部磁極層を、4000mAのパルス電流を用いてメッ
キ形成した。
【0110】次に前記下部磁極層21にNiPからなる
ギャップ層22をパルス電流による電気メッキ法により
メッキ形成した。なおメッキ浴組成は、硫酸ニッケルが
100g/l、塩化ニッケルが30g/l、亜リン酸水
素ナトリウムが30g/lであった。
【0111】まず、前記ギャップ層を50mAのパルス
電流を用い10分間、メッキ形成した。前記パルス電流
の電流密度は、2.2mA/cm2であった。またON
/OFFのデューティー比は0.5秒サイクルであっ
た。またこのとき前記ギャップ層の膜厚は40nmとな
った。
【0112】次に、250mAのパルス電流を用いて7
分〜8分間、残りのギャップ層をメッキ形成した。前記
パルス電流の電流密度は、10.9mA/cm2であっ
た。またON/OFFのデューティー比は0.5秒サイ
クルであった。またこのメッキ形成を終了した時点での
前記ギャップ層全体の膜厚は200nmとなった。
【0113】次に前記ギャップ層上にNiFeからなる
上部磁極層を4000mAのパルス電流を用いた電気メ
ッキ法によりメッキ形成した。前記上部磁極層のNiF
e組成はFeが70質量%で、残りがNiの質量%であ
った。
【0114】次に比較例では、最下層となるNiFeの
下部磁極層を4000mAのパルス電流を用いた電気メ
ッキ法によりメッキ形成した。前記下部磁極層のNiF
e組成はFeが70質量%で、残りがNiの質量%であ
った。
【0115】次に前記下部磁極層に、NiPからなるギ
ャップ層を70mAの直流電流を用いた電気メッキ法に
よりメッキ形成した。なおこのときのメッキ浴組成は、
上記の実施例のときと同じである。さらに前記ギャップ
層の上にNiFeからなる上部磁極層を4000mAパ
ルス流電流を用いて電気メッキ法によりメッキ形成し
た。
【0116】実施例の透過電子顕微鏡で撮影した写真を
図11に、比較例の透過電子顕微鏡で撮影した写真を図
12に示す。
【0117】図11に示す実施例では、前記ギャップ層
と下部磁極層との界面が平滑化され、また前記ギャップ
層には、上部磁極層や下部磁極層に見られる黒ずみの斑
点が無いことがわかる。前記上部磁極層及び下部磁極層
に見られる黒ずみの斑点は結晶である。すなわち実施例
では、前記ギャップ層には結晶化された部分はなく全体
的にアモルファス状態になっていると認めることができ
る。
【0118】一方、比較例の場合、前記下部磁極層とギ
ャップ層との界面は、面粗れがひどく、また前記界面付
近での前記ギャップ層には黒ずみの斑点が見られる。こ
れは前記ギャップ層を構成する元素Niがエピタキシャ
ル的に成長し結晶化した部分であると認められる。
【0119】以上のようにパルス電流を用いた電気メッ
キ法の場合、直流電流を用いた場合に比べて、特に下部
磁極層との界面でのギャップ層をアモルファス状態に形
成でき、Ni結晶化を抑制できることがわかる。
【0120】次に、本発明では上記したパルス電流によ
ってメッキ形成された実施例の膜構成、および直流電流
によってメッキ形成された比較例の膜構成を用いて、前
記ギャップ層の下部磁極層との界面からの距離と、元素
Pの含有量との関係について調べた。前記界面からの距
離については透過電子顕微鏡を用いて測定し、元素Pの
含有量については、X線分析装置(湿式分析で補正)を
用いて行った。その実験結果を図13に示す。
【0121】図13に示すように比較例では、界面から
2.5nm程度まで元素Pの含有量が非常に低く8質量
%以下であることがわかる。一方、実施例では、前記界
面から10nmのいずれにおいても元素Pの含有量は8
質量%以上であり、また前記界面から40nmの膜厚内
でも同様である。このように実施例では比較例に比べて
特に界面での元素Pの含有量を多くできることがわか
る。なお実施例において、界面から40nmまでのメッ
キ形成は、電流密度を2.2mA/cm2として10分
間行ったものである。
【0122】また比較例の場合、界面から約2.5nm
を越えると、元素Pの含有量は8質量%を上回るが、グ
ラフに示すように、その上限はせいぜい12質量%であ
り、また前記元素Pの含有量は、界面から深くなるほど
一定に保たれるわけでなく、前記含有量の変動が激しい
ことがわかる。
【0123】それに対し実施例の場合、界面からの深さ
に関係なく、前記元素Pの含有量は、ほぼ一定に保たれ
ることがわかる。なおこの実施例では、膜厚全体での平
均した元素Pの含有量は約13質量%であり、本発明で
は前記元素Pの含有量は平均して11質量%以上で15
質量%以内に収まることが好ましい。この範囲内であれ
ば、前記ギャップ層全体の耐食性を向上させることがで
きるとともに、非磁性化を促進させることが可能であ
る。
【0124】ところで比較例のように、特に界面付近で
元素Pが極端に小さくなっていると、この部分では図1
2に見たように元素Niの結晶化が促進し、耐食性が低
下しており中性やアルカリ溶液の洗浄液などによって侵
食されやくなっている。また前記界面付近では元素Ni
の含有量が極端に多いことで磁性を帯び、前記界面付近
は実質的にギャップ層として機能していないと考えられ
る。
【0125】一方、実施例の場合、前記界面から10n
mの膜厚内、好ましくは40nmの膜厚のいずれでも元
素Pは8質量%以上を確保でき、図11に見たように前
記界面付近でのアモルファス化を促進でき耐食性を向上
させることができる。また元素Pを8質量%以上確保す
ることで前記界面での非磁性化を適切に促進できる。こ
こで上限であるが、本発明では15質量%以下と設定し
た。これはメッキ浴中の元素P量を増やしても、メッキ
形成されたNiP中の含有量は15質量%を越えること
はないことに起因する。また好ましい範囲としては10
質量%以上で15質量%以下であり、より好ましい範囲
としては11質量%以上で15質量%以下とした。これ
によってより適切にギャップ層の界面付近での耐食性及
び非磁性化を促進することができる。なお図13に示す
実施例では、上記した好ましい範囲、およびより好まし
い範囲を満たしていることがわかる。
【0126】なお電流密度に関しては、本発明では、最
初、膜厚が10nm、好ましくは40nmまでは1.5
mA/cm2以上から3.0mA/cm2以下であること
が好ましい。図11及び図13に示した実施例では、最
初の電流密度は2.2mA/cm2であった。なお電流
の大きさに関しては、上記した電流密度の範囲内に合う
ように調整しなければならないが、例えば本発明では一
例として、40mA以上で70mA以下を提示すること
ができる。
【0127】次に残りのギャップ層をメッキ形成すると
きに使用される電流密度は、8.5mA/cm2以上で
11.0mA/cm2以下であることが好ましい。なお
図11及び図13に示した実施例では、残りのギャップ
層をメッキ形成するときの前記電流密度は、10.9m
A/sm2であった。またこの場合も、電流の大きさに
関しては、上記した電流密度の範囲内に合うように調整
しなければならないが、例えば本発明では一例として、
200mA以上で250mA以下を提示することができ
る。
【0128】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によれば、磁
気記録素子の前記ギャップ層を形成するためにNiPが
用いられ、また下部磁極層あるいは下部コア層との界面
から10nmまでの元素Pの含有量が8質量%以上で1
5質量%以下とされることにより、前記界面から10n
mの膜厚内で、元素Niのエピタキシャル成長による結
晶化を抑制できるので、元素Pを多く取り込み、アモル
ファス状態にすることができる。従って界面付近での前
記ギャップ層の耐食性を向上させることができ、中性や
アルカリ溶液に曝されても前記ギャップ層の侵食を適切
に防止できる。
【0129】また前記元素Pの含有量を適量確保できる
ことで、界面付近での非磁性化を促進できる。
【0130】よって本発明では、記録特性に優れ、しか
も一定の記録特性を有する磁気記録素子を歩留まり良く
製造することができる。
【0131】また本発明の製造方法では、前記ギャップ
層をパルス電流を用いた電気メッキ法によりメッキ形成
することで、前記ギャップ層の界面付近での元素Niの
エピタキシャル成長による結晶化を抑制することができ
る。したがって前記界面付近に元素Pなどの非磁性元素
を多く取り込むことができ、前記界面付近をアモルファ
ス状態にして耐食性を向上させることができる。
【0132】なお本発明では前記ギャップ層を最初、電
流密度の小さいパルス電流によって所定の膜厚までメッ
キ形成し、次に前記電流密度よりも大きな電流密度によ
ってメッキ形成することが好ましい。これによって前記
ギャップ層の全体の耐食性及び非磁性化を促進できると
共に、前記ギャップ層の形成時間をより速くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気記録素子(薄
膜磁気ヘッド)を示す正面図、
【図2】磁極部を拡大した部分拡大図、
【図3】図1の薄膜磁気ヘッドの3−3線における部分
断面図、
【図4】本発明の第2の実施の形態の磁気記録素子(薄
膜磁気ヘッド)を示す部分断面図、
【図5】本発明の図1ないし図3に示す磁気記録素子
(薄膜磁気ヘッド)の製造方法を示す一工程図、
【図6】図5に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図7】図6に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図8】図7に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図9】図8に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図10】図9に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図11】ギャップ層をパルス電流による電気メッキ法
によりメッキ形成した本発明(実施例)の磁極部の透過
電子顕微鏡写真、
【図12】ギャップ層を直流電流による電気メッキ法に
よりメッキ形成した従来(比較例)の磁極部の透過電子
顕微鏡写真、
【図13】従来例及び比較例におけるNiPの界面から
の距離と元素Pの含有量との関係を示すグラフ、
【図14】従来における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部
分正面図、
【図15】従来における薄膜磁気ヘッドの不具合を説明
するための磁極部の拡大図、
【符号の説明】
20 下部コア層 21 下部磁極層 22 ギャップ層 26 上部コア層 29、33、43 コイル層 35 上部磁極層 51 レジスト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 21/12 C25D 21/12 K Fターム(参考) 4K024 AA14 AA15 AB03 AB04 AB08 AB11 AB19 BA02 BB09 BB14 CA06 CA07 FA05 GA04 GA16 5D033 BA21 DA04 DA31

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部コア層と、前記下部コア層上に、直
    接に又は下部磁極層を介して形成されたギャップ層と、
    前記ギャップ層上に、直接に又はトラック幅を決める上
    部磁極層を介して形成される上部コア層とを有する磁気
    記録素子において、 前記ギャップ層は、NiPによってメッキ形成されてお
    り、前記下部磁極層あるいは前記下部コア層との界面か
    ら10nmまでの膜厚内の元素Pの含有量が、8質量%
    以上で15質量%以下であることを特徴とする磁気記録
    素子。
  2. 【請求項2】 前記界面から40nmまでの膜厚内の元
    素Pの含有量が、8質量%以上で15質量%以下である
    請求項1記載の磁気記録素子。
  3. 【請求項3】 前記元素Pの含有量は、10質量%以上
    で15質量%以下である請求項1または2に記載の磁気
    記録素子。
  4. 【請求項4】 前記元素Pの含有量は、11質量%以上
    で15質量%以下である請求項1または2に記載の磁気
    記録素子。
  5. 【請求項5】 前記ギャップ層の膜厚全体の平均した元
    素Pの含有量は、11質量%以上で15質量%以下であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気記録素子。
  6. 【請求項6】 磁性材料製の下部コア層と、記録媒体と
    の対向面で前記下部コア層の上にギャップ層を介して対
    向する磁性材料製の上部コア層とを有する、磁気記録素
    子の製造方法において、 (a) 前記下部コア層をメッキ形成する工程と、 (b) 前記下部コア層上に直接、または前記下部コア
    層上に下部磁極層をメッキ形成した後この下部磁極層上
    に、Niを主成分とした非磁性のギャップ層をパルス電
    流を用いた電気メッキ法によりメッキ形成する工程と、 (c) 前記ギャップ層上に直接、または上部磁極層を
    介して、上部コア層をメッキ形成する工程と、 を有することを特徴とする磁気記録素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記(b)工程において、前記ギャップ
    層を、最初に所定の電流密度を有するパルス電流を用い
    て所定の膜厚までメッキ形成した後、残りのギャップ層
    を前記所定の電流密度よりも高い電流密度を有するパル
    ス電流を用いてメッキ形成する請求項6記載の磁気記録
    素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記所定の電流密度を、1.5mA/c
    2以上で3.0mA/cm2以下とし、この電流密度を
    有するパルス電流を用いて前記ギャップ層を最初の10
    nmの膜厚までメッキ形成する請求項7記載の磁気記録
    素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ギャップ層を最初の40nmの膜厚
    までメッキ形成する請求項8記載の磁気検出素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記残りのギャップ層を、8.5mA
    /cm2以上で11.0mA/cm2以下の電流密度を有
    するパルス電流を用いてメッキ形成する請求項7ないし
    9のいずれかに記載の磁気記録素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ギャップ層をNi−P、Ni−
    W、Ni−P−Mo、およびNi−P−Wのいずれか一
    種でメッキ形成する請求項6ないし10のいずれかに記
    載の磁気記録素子の製造方法。
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