JP2002174244A - すべり軸受 - Google Patents

すべり軸受

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JP2002174244A JP2000368464A JP2000368464A JP2002174244A JP 2002174244 A JP2002174244 A JP 2002174244A JP 2000368464 A JP2000368464 A JP 2000368464A JP 2000368464 A JP2000368464 A JP 2000368464A JP 2002174244 A JP2002174244 A JP 2002174244A
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/12Structural composition; Use of special materials or surface treatments, e.g. for rust-proofing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C9/00Bearings for crankshafts or connecting-rods; Attachment of connecting-rods
    • F16C9/04Connecting-rod bearings; Attachments thereof

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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハウジングと軸受メタルとの間におけるフレッ
ティング摩耗を長期間にわたって効果的に防止する。 【解決手段】 コンロッドの大端部2の第1取り付け孔
2aの内面(ハウジング内面)には軸受メタル5が取り
付けられている。このハウジング内面及び軸受メタル5
の内面のうちの表面粗さの小さい方の面に、Hv100
0以上の硬度をもつ硬質皮膜を形成する。硬質皮膜によ
り覆われた面は、硬度が高く摩滅もし難い硬質皮膜によ
り、長期間にわたって摩耗が確実に防止される。表面粗
さの小さい面に形成された硬質皮膜は、この硬質皮膜自
身の表面粗さも形成される面の表面粗さに応じて小さく
なり、該硬質皮膜自身のもつ相手攻撃性も小さくなる。
したがって、硬質皮膜で覆われた面及び硬質皮膜の形成
されていない相手側の面の双方における耐摩耗性を長期
間にわたって高く維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングと、該
ハウジングの内面に取り付けられた軸受メタルとを備え
たすべり軸受に関する。本発明のすべり軸受は、例えば
車両用エンジンのコンロッドやクランク軸受部に利用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】自動車の内燃機関用部品としてのコンロ
ッドは、棒状のロッド本体部と、このロッド本体部の一
端に設けられた第1取付孔を有する大端部と、ロッド本
体部の他端に設けられた第2取付孔を有する小端部とを
備えている。そして、大端部の第1取付孔には通常軸受
メタルを介してクランクシャフトが回動可能に取り付け
られ、小端部の第2取付孔にはピストンピンが回動可能
に取り付けられる。
【0003】ここに、例えば大端部の第1取付孔とクラ
ンクシャフトとの間に介在された軸受メタルは、その内
面にアルミニウム合金等の軸受層が形成されている。そ
して、この軸受メタルとハウジングとしての大端部との
間におけるフレッティング摩耗を防止すべく、軸受メタ
ルの背面及び大端部の内面に摩耗防止皮膜を形成するこ
とが行われている。
【0004】例えば、特開平6−323327号公報に
は、厚さ10μm以上の硬質のNi−Pメッキ層を大端
部の内面に形成したアルミニウム合金製コンロッドが開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記N
i−Pメッキ層を設けたコンロッドでは、初期のフレッ
ティング特性は良好であるが、例えば180時間以上の
長時間の耐久試験後においてはフレッティング摩耗によ
りNi−Pメッキ層が摩滅し、十分な耐フレッティング
性が得られないという問題があった。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、ハウジングと軸受メタルとの間におけるフレッテ
ィング摩耗を長期間にわたって効果的に防止しうるすべ
り軸受を提供することを解決すべき技術課題とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のすべり軸受は、ハウジングと、該ハウジングの内面
に取り付けられた軸受メタルとを備えたすべり軸受にお
いて、上記ハウジングの内面及び上記軸受メタルの背面
のうちの表面粗さの小さい方には、Hv1000以上の
硬度をもつ硬質皮膜が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0008】好適な態様において、前記硬質皮膜はDL
C(ダイヤモンドライクカーボン)膜であり、特にフッ
素、ケイ素及びチタンのうちの少なくとも一種を含有す
るDLC膜であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のすべり軸受は、ハウジン
グと、該ハウジングの内面に取り付けられた軸受メタル
とを備えている。
【0010】上記ハウジング及び軸受メタルの形状は特
に限定されるものではなく、本発明を適用しようとする
製品形状に応じて適宜設定可能である。ただし、軸受メ
タルはハウジングの内面に取り付けられるものであり、
ハウジングの内面及び軸受メタルの背面同士が整合して
当接し合うように、ハウジングの内面形状及び軸受メタ
ルの背面形状は対応した形状とされる。
【0011】また、軸受メタルの内面には、アルミニウ
ム合金等の所定の軸受合金層が必要に応じて形成され
る。
【0012】そして、本発明のすべり軸受では、上記ハ
ウジングの内面及び上記軸受メタルの背面のうちの表面
粗さの小さい方に、Hv1000以上の硬度をもつ硬質
皮膜が形成されていることを特徴とする。
【0013】上記硬質皮膜は、ハウジングの内面及び軸
受メタルの背面間におけるフレッティング摩耗を防止す
るためのものである。この硬質皮膜が直接形成されて該
硬質皮膜により覆われた面は、Hv1000以上と硬度
が高く摩滅もし難い硬質皮膜により、長期間にわたって
摩耗が確実に防止される。なお、この硬質皮膜の硬度が
Hv1000未満であると、硬質皮膜自身が摩滅し易く
なることから、該硬質皮膜で覆われた面における耐摩耗
性を長期間にわたって十分に高く維持することが困難と
なる。一方、硬質皮膜の硬度が極端に高くなると、相手
攻撃性の増大による不都合が生じるため、硬質皮膜の硬
度の上限はHv9000程度とすることが好ましい。
【0014】このように硬質皮膜により覆われた面にお
ける耐摩耗性を長期間にわたって高く維持する観点から
は、該硬質皮膜の硬度はより高い方が好ましく、硬質皮
膜自身がより摩滅し難いものであることが好ましい。し
かし、硬質皮膜の硬度が高くなると、硬質皮膜自身の相
手攻撃性が大きくなって、硬質皮膜の形成されていない
相手側の面が該硬質皮膜により攻撃されて摩耗し易くな
るという懸念を生ずる。
【0015】そこで、本発明のすべり軸受では、硬度の
高い硬質皮膜であっても該硬質皮膜自身のもつ相手攻撃
性を抑えるべく、ハウジングの内面及び軸受メタルの背
面のうちの表面粗さの小さい方の面にHv1000以上
と極めて硬度の高い硬質皮膜を形成している。このよう
に表面粗さの小さい面に形成された硬質皮膜は、この硬
質皮膜自身の表面粗さも形成される面の表面粗さに応じ
て小さくなり、その結果該硬質皮膜自身のもつ相手攻撃
性も小さくなる。
【0016】したがって、本発明のすべり軸受では、硬
質皮膜で覆われた面及び硬質皮膜の形成されていない相
手側の面の双方における耐摩耗性を長期間にわたって高
く維持することができる。よって、本発明のすべり軸受
では、ハウジングと軸受メタルとの間におけるフレッテ
ィング摩耗を長期間にわたって効果的に防止することが
可能となる。
【0017】なお、Hv1000以上の硬度をもつ硬質
皮膜は、ハウジングの内面及び軸受メタルの背面のうち
の表面粗さの小さい方に形成すれば、上記した本発明の
作用効果を発揮しうる。ただし、必要に応じて表面粗さ
の大きい(粗い)方の面にも所定の硬質皮膜を形成して
もよい。この表面粗さの粗い方の面に形成される硬質皮
膜は、Hv1000以上の硬度をもつものでも、Hv1
000未満の硬度をもつものでも、いずれでもよいが、
表面粗さの小さい方の面に形成された硬質皮膜に対する
相手攻撃性を抑えるべくHv1000未満(望ましくは
Hv300〜700程度)の硬度をもつものとすること
が好ましい。このように表面粗さの大きい方の面にも硬
質皮膜を形成すれば、表面粗さの小さい方の面に形成さ
れた硬質皮膜による攻撃から該表面粗さの大きい方の面
を護ることができ、該表面粗さの大きい方の面における
耐摩耗性をより向上させることが可能となる。
【0018】ハウジングの内面及び軸受メタルの背面の
うちの表面粗さの小さい方に形成される、Hv1000
以上の硬度をもつ上記硬質皮膜の好適な態様は、以下の
とおりである。
【0019】この硬質皮膜を構成する材料としては、特
に限定されず、TiN、CrN、Cr2 NやWC等を採
用することもできるが、炭素系のものを採用することが
好ましい。炭素系の硬質皮膜であれば、TiNやCrN
等と比べて、鉄系の相手材との凝着が起こり難いので、
硬質皮膜自身の摩滅をより抑えることができると考えら
れる。
【0020】また、この炭素系硬質皮膜には、結晶性の
ダイヤモンド膜や、非晶質炭素よりなるDLC(ダイヤ
モンドライクカーボン)膜があるが、これらのうちでは
Hv1000〜5000程度のDLC膜が特に好まし
い。DLC膜は、鉄系の相手材との凝着が起こり難く、
またDLC膜自身の表面粗さが該DLC膜を形成する面
の表面粗さとなる。すなわち、DLC膜の成膜処理の前
後で表面粗さが変化せず、DLC膜を形成する面を研磨
等して表面粗さを小さくしておけば、その面に形成され
るDLC膜自身の表面粗さもそれと同等に小さくなる。
したがって、DLC膜によれば、相手攻撃性を小さくす
ることができるとともに、相手材の摩耗粉等によりDL
C膜自身が摩滅することもより抑えるができる。なお、
このようなDLC膜は化学蒸着(CVD)法、プラズマ
CVD法やイオンビーム形成法等により成膜することが
できる。これに対し、結晶性のダイヤモンド膜は、硬度
がHv7000〜8000程度と極端に高くなるととも
に、結晶相の成長によりダイヤモンド膜自身の表面粗さ
が大きくなることから、相手攻撃性が大きくなる。
【0021】また、硬質皮膜としてDLC膜を採用した
場合は、フッ素、ケイ素及びチタンのうちの少なくとも
一種を含有させることが好ましい。DLC膜にこれらの
成分を添加することにより、鉄系の相手材に対する耐凝
着性をさらに向上させることができ、耐フレッティング
特性をより向上させることが可能となる。なお、フッ
素、ケイ素及びチタンの合計の含有量は、硬質皮膜全体
を100vol%としたとき、0.5〜30vol%と
することが好ましい。フッ素、ケイ素及びチタンの合計
の含有量が0.5vol%よりも少ないと、これらの成
分を添加することによる効果が得られず、30vol%
よりも多いと、十分な硬さが得られなくなる。
【0022】上記硬質皮膜の膜厚としては、0.5〜5
μm程度とすることが好ましい。膜厚が0.5μmより
も薄いと均一な硬質皮膜の形成が困難となり、膜厚が5
μmよりも厚いと剥離し易くなる。
【0023】また、上記硬質皮膜が形成される面の表面
粗さの大きさは、この面に形成される硬質皮膜自身の表
面粗さの大きさに影響を及ぼす。このため、ハウジング
の内面及び軸受メタルの背面のうち、硬質皮膜が形成さ
れる表面粗さの小さい方の面は、10μmRz以下の表
面粗さとすることが好ましく、5μmRz以下の表面粗
さとすることが特に好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、図
面を参照しつつ説明する。
【0025】本実施例は、自動車の内燃機関用部品とし
てのコンロッドの大端部におけるすべり軸受部に本発明
を適用したものである。
【0026】(実施例1)図1に示すコンロッドは、H
v240の硬度をもつS45C調質材よりなり、棒状の
ロッド本体部1と、このロッド本体部1の一端に設けら
れた大端部2と、ロッド本体部1の他端に設けられた小
端部3とを備えている。
【0027】上記大端部2は、二分割されており、ボル
ト4により一体化されている。この大端部2は、本発明
に係るハウジングを構成するもので、円形断面の第1取
付孔2aが設けられている。そして、大端部2の第1取
付孔2aの内面には、それぞれが半円形断面をなす一対
の軸受メタル5、5が取り付けられている。なお、この
第1取り付け孔2aには、各軸受メタル5、5を介して
図示しないクランクシャフトが取り付けられる。また、
この大端部2の第1取り付け孔2aの内面(ハウジング
の内面)は、表面粗さが10μmRzとされている。
【0028】上記軸受メタル5は、Hv180の硬度を
もつ冷間圧延鋼板(SPCC)よりなり、背面及び内面
における表面粗さが4μmRzとされている。そして、
図2に示すように、軸受メタル5の内面には、アルミニ
ウム合金(Al−20Sn)よりなる軸受合金層51が
形成されるとともに、軸受メタル5の背面には硬質皮膜
6が形成されている。
【0029】すなわち、硬質皮膜6は、大端部2の第1
取り付け孔2aの内面(ハウジングの内面)及び軸受メ
タル5の背面のうちの表面粗さの小さい方に形成されて
いる。この硬質皮膜6は、膜厚が2μmで、Hv300
0の硬度をもつDLC膜よりなり、イオンビーム形成法
により成膜した。なお、成膜条件は、バイアス電圧:−
1.0kV、電子ビーム電流:100mA、真空度:
0.3Paとした。また、このDLC膜よりなる硬質皮
膜6は、表面粗さが4μmRz(軸受メタル5の背面に
おける表面粗さと同等)とされている。
【0030】上記小端部3には、図示しないピストンピ
ンが回転可能に取り付けられる円形断面の第2取り付け
孔3aが設けられている。
【0031】(実施例2)本実施例は、軸受メタル5の
背面に形成する硬質皮膜6の硬度を変更すること以外
は、前記実施例1と同様である。
【0032】すなわち、本実施例の硬質皮膜6は、膜厚
が2μmで、Hv1300の硬度をもつDLC膜よりな
り、イオンビーム形成法により成膜した。なお、成膜条
件は、バイアス電圧:−0.9kV、電子ビーム電流:
100mA、真空度:0.5Paとした。また、このD
LC膜よりなる硬質皮膜6は、表面粗さが4μmRz
(軸受メタル5の背面における表面粗さと同等)とされ
ている。
【0033】(実施例3)本実施例は、軸受メタル5の
背面に形成する硬質皮膜6をTiN膜とすること以外
は、前記実施例1と同様である。
【0034】すなわち、本実施例の硬質皮膜6は、膜厚
が2μmで、Hv2300の硬度をもつTiN膜よりな
り、アークイオンプレーティング法により成膜した。な
お、成膜条件は、アーク電流:100A、バイアス電
圧:100Vとした。また、このTiN膜よりなる硬質
皮膜6は、表面粗さが5μmRz(軸受メタル5の背面
における表面粗さ4μmよりも粗くなっている)とされ
ている。
【0035】(実施例4)本実施例は、軸受メタル5の
背面に形成する硬質皮膜6をCrN膜とすること以外
は、前記実施例1と同様である。
【0036】すなわち、本実施例の硬質皮膜6は、膜厚
が2μmで、Hv1400の硬度をもつCrN膜よりな
り、アークイオンプレーティング法により成膜した。な
お、成膜条件は、アーク電流:100A、バイアス電
圧:90Vとした。また、このCrN膜よりなる硬質皮
膜6は、表面粗さが4.5μmRz(軸受メタル5の背
面における表面粗さ4μmよりも若干粗くなっている)
とされている。
【0037】(実施例5)本実施例は、軸受メタル5の
背面に形成する硬質皮膜6を結晶性ダイヤモンド膜とす
ること以外は、前記実施例1と同様である。
【0038】すなわち、本実施例の硬質皮膜6は、膜厚
が2μmで、Hv8000程度の硬度をもつ結晶性ダイ
ヤモンド膜よりなり、CVDプラズマ成膜装置を用いた
CVDダイヤモンド合成法により成膜した。なお、成膜
条件は、プラズマ:2.45GHz、2kW、成膜温
度:700℃とした。また、このダイヤモンド膜よりな
る硬質皮膜6は、表面粗さが5.5μmRz(軸受メタ
ル5の背面における表面粗さ4μmよりも粗くなってい
る)とされている。
【0039】(実施例6)本実施例は、軸受メタル5の
背面に形成する硬質皮膜6をフッ素及びケイ素を含有す
るDLC膜とすること以外は、前記実施例1と同様であ
る。
【0040】すなわち、本実施例の硬質皮膜6は、膜厚
が2μmでHv3000の硬度をもち、硬質皮膜6全体
を100vol%としたときフッ素及びケイ素を合計で
10vol%含有するDLC膜よりなる。なお、フッ素
及びケイ素は、マグネトロンスパッタリング装置を使用
することにより、DLC膜に含有させた。また、このD
LC膜よりなる硬質皮膜6は、表面粗さが4μmRz
(軸受メタル5の背面における表面粗さと同等)とされ
ている。
【0041】(実施例7)本実施例は、ハウジングの内
面、すなわち大端部2の第1取り付け孔2aの内面を軸
受メタル5の背面よりも表面粗さを小さくし、軸受メタ
ル5の背面ではなく、この第1取り付け孔2aの内面に
硬質皮膜6を形成するもので、その他の構成は前記実施
例1と同様である。
【0042】すなわち、前記大端部2の第1取り付け孔
2aの内面の表面粗さを3μmRzに仕上げて軸受メタ
ル5の背面の表面粗さ(4μmRz)よりも小さくし、
この第1取り付け孔2aの内面に硬質皮膜6を形成し
た。
【0043】この硬質皮膜6は、前記実施例1と同様、
膜厚が2μmで、Hv3000の硬度をもつDLC膜よ
りなり、イオンビーム形成法により成膜した。なお、こ
のDLC膜よりなる硬質皮膜6は、表面粗さが3μmR
z(第1取り付け孔2aの内面における表面粗さと同
等)とされている。
【0044】(比較例1)この比較例は、軸受メタル5
の背面に形成する硬質皮膜6の硬度を変更すること以外
は、前記実施例1と同様である。
【0045】すなわち、この比較例の硬質皮膜6は、膜
厚が2μmで、Hv900の硬度をもつDLC膜よりな
り、イオンビーム形成法により成膜した。なお、成膜条
件は、バイアス電圧:−0.9kV、電子ビーム電流:
100mA、真空度:1Paとした。また、このDLC
膜よりなる硬質皮膜6は、表面粗さが4μmRz(軸受
メタル5の背面における表面粗さと同等)とされてい
る。
【0046】(比較例2)この比較例は、大端部2の第
2取り付け孔2aの内面(ハウジングの内面)及び軸受
メタル5の背面のうち、表面粗さの大きい方の面に硬質
皮膜6を形成するもので、その他の構成は前記実施例1
と同様である。
【0047】すなわち、軸受メタル5の背面(表面粗さ
4μmRz)ではなく、大端部2の第1取り付け孔2a
の内面(表面粗さ10μmRz)に硬質皮膜6を形成し
た。
【0048】この硬質皮膜6は、前記実施例1と同様、
膜厚が2μmで、Hv3000の硬度をもつDLC膜よ
りなり、イオンビーム形成法により成膜した。なお、こ
のDLC膜よりなる硬質皮膜6は、表面粗さが10μm
Rz(第1取り付け孔2aの内面における表面粗さと同
等)とされている。
【0049】(比較例3)この比較例は、軸受メタル5
の背面に硬質皮膜6の代わりにNi−Pめっき膜を形成
すること以外は、前記実施例1と同様である。
【0050】すなわち、この比較例では、無電界めっき
処理を施すことにより、膜厚が15μmで、Hv700
の硬度をもつNi−Pめっき膜を軸受メタル5の背面に
成膜した。なお、成膜は、次亜リン酸塩を還元剤とする
通常の方法で行った。また、このNi−Pめっき膜は、
表面粗さが4μmRz(軸受メタル5の背面における表
面粗さと同等)とされている。
【0051】(比較例4)この比較例は、軸受メタル5
の背面に硬質皮膜6の代わりにPTFE含有のNiめっ
き膜を形成すること以外は、前記実施例1と同様であ
る。
【0052】すなわち、この比較例では、無電界めっき
処理を施すことにより、膜厚が10μmで、Hv400
の硬度をもち、PTFEを5wt%含有するNiめっき
膜を軸受メタル5の背面に成膜した。なお、成膜は、P
TFE粒径0.2〜0.3μm、硝酸ニッケル、次亜リ
ン酸ソーダ、アルキルジカルボン酸(反応促進剤)、安
定剤及びPH調整剤よりなる浴温85〜90℃のめっき
液に約30分浸漬することにより行った。また、このP
TFE含有Niめっき膜は、表面粗さが4μmRz(軸
受メタル5の背面における表面粗さと同等)とされてい
る。
【0053】(比較例5)この比較例は、軸受メタル5
の背面に硬質皮膜6の代わりにリン酸マンガン処理膜を
形成すること以外は、前記実施例1と同様である。
【0054】すなわち、この比較例では、通常のスリッ
パーディップ法によるリン酸マンガン処理を施すことに
より、膜厚が10μmのリン酸マンガン処理膜を軸受メ
タル5の背面に成膜した。なお、このリン酸マンガン処
理膜は、表面粗さが7μmRz(軸受メタル5の背面に
おける表面粗さ4μmよりも粗くなっている)とされて
いる。
【0055】
【表1】
【0056】(評価)前記実施例1〜7及び比較例1〜
5で示したコンロッドについて、実機耐久試験を実施し
て、処理層の摩滅状況及びフレッティング摩耗の発生状
況を調べた。なお、試験条件は、4気筒2000ccの
ガソリンエンジンを使用し、7600rpm×180時
間×全負荷とした。
【0057】評価結果を表1に示すように、Hv100
0以上の硬度をもつ硬質皮膜6を表面粗さの小さい方の
面に形成した本実施例1〜7では、180時間経過後に
おいてもフレッティング摩耗が発生しなかった。
【0058】また、処理層、すなわち硬質皮膜6として
TiN、CrN、ダイヤモンドを採用した実施例3、
4、5では、160〜170時間経過後に処理層が摩滅
したのに対し、処理層としてDLC膜を採用した実施例
1、2、6、7では、180時間経過後においても処理
層が摩滅せず、処理層の全体が残存していた。これは、
DLC膜は、TiNやCrNと比べて相手材(S45
c)に対する凝着性が低いこと、及びダイヤモンドと比
べて相手攻撃性が小さいことに因るものと考えられる。
なお、ダイヤモンドもDLCと同様、相手材(S45
c)に対する凝着性が低いものであるが、Hv8000
と極めて硬度が高く、しかもダイヤモンド膜の表面粗さ
が5.5μmRzとDLC膜の表面粗さ(4μmRz)
よりも粗くなっていることから、ダイヤモンド膜による
相手攻撃性が増大する。このため、実施例5では、相手
材の摩耗粉の影響により、処理層が摩滅したものと考え
られる。
【0059】また、硬質皮膜6として、F及びSi含有
のDLCを採用した実施例6では、F及びSi成分によ
り相手材(S45C)に対する耐凝着性が向上し、耐フ
レッティング特性が一層向上した。
【0060】一方、比較例1〜5では、いずれも130
時間経過以前に処理層が摩滅するとともに、180時間
経過後にフレッティング摩耗が発生していた。処理層
(DLC)の硬度がHv900と低すぎる比較例1で
は、120時間経過後に処理層が摩滅した。また、表面
粗さの大きい方の面に処理層(Hv3000のDLC)
を形成した比較例2では、試験初期段階から処理層によ
る相手攻撃性が大きく、その結果130時間経過後に処
理層が摩滅した。また、処理層の硬度がHv700以下
と低すぎる比較例3〜5では、いずれも短時間のうちに
処理層が摩滅した。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のすべり軸
受では、ハウジング内面及び軸受メタル背面のうちの表
面粗さの小さい方に硬度の高い硬質皮膜を形成すること
により、硬質皮膜で覆われた面及び硬質皮膜の形成され
ていない相手側の面の双方における耐摩耗性を長期間に
わたって高く維持することができ、ハウジングと軸受メ
タルとの間におけるフレッティング摩耗を長期間にわた
って効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係るコンロッドの平面図である。
【図2】 本実施例に係り、軸受メタルの背面に硬質皮
膜を形成した状態を示す平面図である。
【符号の説明】 1…コンロッド本体部 2…大端部(ハウジ
ング) 5…軸受メタル 6…硬質皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋爪 克幸 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊工 業株式会社内 Fターム(参考) 3J011 CA05 NA01 QA04 SD10 SE02 SE10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、該ハウジングの内面に取
    り付けられた軸受メタルとを備えたすべり軸受におい
    て、 上記ハウジングの内面及び上記軸受メタルの背面のうち
    の表面粗さの小さい方には、Hv1000以上の硬度を
    もつ硬質皮膜が形成されていることを特徴とするすべり
    軸受。
  2. 【請求項2】 前記硬質炭素皮膜はDLC膜であること
    を特徴とする請求項1記載のすべり軸受。
  3. 【請求項3】 前記DLC膜は、フッ素、ケイ素及びチ
    タンのうちの少なくとも一種を含有することを特徴とす
    る請求項2記載のすべり軸受。
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