JP4725229B2 - 組合せ摺動部材、及びこれを用いた内燃機関及びすべり軸受機構 - Google Patents

組合せ摺動部材、及びこれを用いた内燃機関及びすべり軸受機構 Download PDF

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Description

本発明は、一方の摺動面に非晶質炭素材料からなる被膜が形成された組合せ摺動部材に係り、特に、摺動面の摺動特性が向上する組合せ摺動部材に関する。
従来から、自動車において、エンジンなど機器には、摺動部材が用いられており、この摺動部材の摺動特性を向上させるために、様々な開発がされている。その中でも、その摺動面の耐摩耗性を向上させ、低摩擦特性を得るために、非晶質炭素材料(DLC)からなる被膜を摺動部材の表面に形成することは良く知られた技術である。
このようなDLCを用いた一例として、非晶質硬質炭素膜を被覆したピストンリングと、該ピストンリングと摺動する摺動面に、鉄系部材を備えたシリンダーライナーと、の組み合わせが開示されている(特許文献1参照)。
特開2004−176848号公報
ところで、近年、自動車のエンジンは、高出力及び高回転を得るべく、さらなる高性能化が求められている。例えば、燃料噴射部品のシリンダとピストンのような部材は、装置の軽量化に伴いその大きさが小型化する一方、このような高性能化を図るために摺動面に作用する面圧は、さらに高面圧化する傾向にある。そして、摺動時において、この高面圧化により部材の摺動面に油膜切れが発生し、その結果、双方の摺動面が著しく摩耗し、焼付きが生じる虞がある。
しかし、前述した如く、摺動部材の一方の表面に、非晶質硬質炭素膜を形成した場合には、被膜を形成していないものに比べて、その表面は硬さが高いために耐摩耗性は向上すると考えられるが、このように一方の部材の耐摩耗性を向上させてしまうと、必然的に他方(相手材)の摩耗は促進してしまい、摺動部材全体としての摩擦係数の低減、耐焼付き性の向上などの諸性能を総合的に向上させることは困難になる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、上述した過酷な使用環境下においても組合せる摺動部材の双方の摩耗を低減すると共に、この組合せた摺動部材の焼付き特性、摩擦特性などの諸特性を向上することができる組合せ摺動部材を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決する過程として、組合せ摺動部材の摩擦抵抗は、摺動部材の接触面積と、接触面に作用するせん断力の積、に比例するもであって、この摩擦抵抗を低減するためには、両者のパラメータを小さくするように材料を選定すべきであると考えた。
そこで、発明者らは、この接触面のせん断力を小さくすることができる材料として延性に富んだ金属材料である銀に着目した。そして、多くの実験を行うことにより、銀を用いて摺動部材の接触面積を小さくするには、銀を剛性のある合金材料に分散して保持させることが有効な手法であるとの知見を得た。さらに、このような銀を分散させた摺動部材の相手材料としては、この合金材料よりも高い表面硬さを有し、摺動時に形成される銀の薄膜を削らないような安定した低粗度表面を維持することができること、銀を含む摺動面に対して凝着し難いこと等の諸条件を満たすことから、非晶質炭素材料が好適であるとの知見を得た。
本発明は、本発明者らが得た上記の新たな知見に基づくものであり、本発明の組合せ摺動部材は、摺動面に非晶質炭素材料からなる被膜(DLC被膜)を形成した第一摺動部材と、該第一摺動部材の摺動面と摺動する摺動面に、少なくとも銀を1〜20重量%含有した合金材料を備えた第二摺動部材と、を有することを特徴としている。
本発明の如き組合せ摺動部材は、第二摺動部材である合金材料中に含有した銀が、第一摺動部材の摺動面との接触面において薄膜を形成し、この銀薄膜により、摩擦係数を低減することができる。さらに、非晶質炭素材料は、耐凝着性に優れた材料であり、このような材料により形成されて被膜は、表面粗さも変動し難いので、相手材料の形成された銀の薄膜は、摺動時には安定して形成される。
そして、第一摺動部材は、少なくとも銀を1〜20重量%含有しなければならず、このような銀の含有量にすることにより、DLC被膜と合金表面上に形成された馴染み性のよい銀薄膜とを摺動させることが可能となり、摺動部材の摩耗が少なく、摩擦係数が低くなる。銀の含有量が、1重量%よりも小さい場合には、摺動時に、第二摺動部材の表面に充分な銀の薄膜が形成されず、摩擦係数が高く、摩耗量も多くなり、また、銀の含有量が、20重量%よりも大きい場合には、銀の含有量が多いため、第二摺動部材の強度が低下し、たとえ、銀の薄膜が形成されたとしても、摩擦係数が高く、第二摺動部材の摩耗が多くなり、その結果、DLC被膜も摩耗してしまう。
さらに、第一摺動部材の被膜の表面硬さは、Hv1000以上であることが好ましい。第一摺動部材の表面硬さが、このような範囲を満足することにより、第一摺動部材及び第二摺動部材の摩耗が極端に促進することがない。すなわち、第一摺動部材の表面硬さがHv1000以下である場合には、この表面硬さを満たさない摺動部材の摩耗が促進し、結果として、双方の摺動部材が摩耗することになる。
さらに、第一摺動部材のDLC被膜の膜厚は、0.1μm以上であることが好ましく、この膜厚よりも小さい場合には、摺動時に、このDLC被膜は、すぐに摩滅してしまい、所望の効果を得ることができない。
このDLC被膜を成膜する方法としては、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどを利用した物理的蒸着法(PVD)により成膜してもよく、プラズマ処理などを利用した化学気相成長法(CVD)により成膜してもよい。
また、バイアス電圧をかけてPVDにより成膜をする場合には、バイアス電圧の大きさを所定電圧に設定することにより、被膜の表面硬さを調整することができる。また、この非晶質炭素材料中に、Si、Ti、Cr、Mo、Fe、Wなどの添加元素を含有させてもよく、このような元素を添加することにより、被膜の表面硬さを調整することもできる。
さらに、このDLC被膜を摺動部材に形成するにあたっては、摺動部材の母材と被膜との間に、中間層として、Crからなる層を設けることにより、DLC被膜の密着性を向上させることができる。Crの代わりに、TiまたはWを用いても同様に、密着性を向上させることができる。
さらに、この銀は、合金材料中に分散して介在していることが好ましい。このように、合金中の銀を均一に分散して介在させることにより、銀が、合金材料と合金化することがないので、摺動表面に安定した延性のある銀薄膜を均一に形成することができ、さらに、この薄膜が摩滅したとしても、新たに銀の薄膜を形成することができる。
また、第一摺動部材の表面粗さは、中心線平均粗さRa0.5μmよりも小さいことが好ましい。中心線平均粗さRa0.5μm以上の場合には、摺動時に形成される銀の薄膜を削ってしまい、部材の接触面に作用するせん断力を低減することができない。より好ましくは、第一摺動部材の表面粗さは、中心線平均粗さRaは、0.4μm以下である。そして、このような表面粗さを得るためには、被膜前のこれら摺動部材の母材の表面粗さを、前記表面粗さの範囲に調整することにより達成することができる。
このような第二摺動部材の合金材料は、鉄合金からなることが好ましい。この鉄合金は、鋼、鋳造品、焼結品などであってもよく、溶射により被膜を形成したものであってもよい。このような鉄合金は、剛性のある金属体であり、摺動時において、銀を分散保持させることが可能となる。また、この鉄合金は、上述した量の銀を含有していれば、この他にも、炭素、ケイ素、クロム、モリブデン、マンガン、ニッケル等を含有していてもよい。
特に、鉄合金を用いた場合には、鉄合金の強度を考えると、摺動速度が遅く、接触面圧が高い箇所に、この組合せ摺動部材を適用することがより好ましく、このような条件を満たす好適な箇所として、内燃機関のピストンリングとシリンダブロックが挙げられる。そして、この組合せ摺動部材を内燃機関に適用した場合には、内燃機関を構成するピストンリングの摺動面には前記組合せ摺動部材の第一摺動部材が用いられ、シリンダブロックの摺動面には前記組合せ摺動部材の第二摺動部材が用いられていることが好ましい。
内燃機関のピストンリングとシリンダブロックとに、このような組合せ摺動部材を適用することにより、双方の部品の摩耗を低減し摺動特性を向上することができる。すなわち、第一摺動部材の摺動面は、第二摺動部材の摺動面に比べて、表面硬さが高く摩耗し難くいので、この第一摺動部材を、摺動面が常に相手材の摺動面と接触するピストンリングに用いることにより、双方の部材の摩耗を抑えることができ、これら部材の長寿命化を図ることができる。
同様に、この組合せ摺動部材を燃料噴射部品のシリンダとピストンに適用した場合には、燃料噴射部品を構成するピストンの摺動面には組合せ摺動部材の第一摺動部材が用いられ、シリンダの摺動面には組合せ摺動部材の第二摺動部材が用いられることが好ましい。
また、別の態様としては、この第二摺動部材の合金材料は、銅合金からなることが好ましい。この銅合金は、伸銅品、鋳造品、焼結品などであってもよく、溶射により被膜を形成したものであってもよい。このような銅合金は、剛性のある金属体であり、摺動時において、銀を分散保持させることが可能となる。また、この銅合金は、上述した量の銀を含有していれば、この他にも、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、チタン、スズ等を含有していてもよい。
特に、銅合金を用いた場合には、銅合金の強度を考えると、摺動速度が速く、接触面圧が低い箇所に、この組合せ摺動部材を適用することがより好ましく、このような条件を満たす好適な箇所として、すべり軸受機構のシャフトと軸受が挙げられる。そして、この組合せ摺動部材をすべり軸受機構に適用した場合には、すべり軸受機構を構成するシャフトの摺動面には組合せ摺動部材の第一摺動部材が用いられ、軸受の摺動面には組合せ摺動部材の第二摺動部材が用いられることが好ましい。このように、すべり軸受のシャフトと軸受とに、このような組合せ摺動部材を適用することにより、双方の部品の摩耗を低減し摺動特性を向上することができる。第二摺動部材は、摺動の初期において、馴染み特性が良好であり、馴染みのついた後は、銅合金上の銀薄膜とDLC被膜で良好な潤滑状態が形成され、双方の摩耗も非常に少なくなる。
本発明によれば、組合せた摺動部材の双方の摩耗を低減すると共に、組合せ摺動部材の摩擦特性を向上することができ、組合せ摺動部材全体としての寿命を長寿命化することができる。
以下に、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
以下のように第一摺動部材と第二摺動部材とからなる組合せ摺動部材を製作した。第一摺動部材として、まずステンレス鋼(JIS規格:SUS440C、焼入れ品、表面硬さHv500)の棒材から、16mm×6mm×10mmのサイコロ部材(母材)を製作した。このサイコロ部材の表面粗さが中心線平均粗さRa0.1μmとなるように、表面粗さを調整し、16mm×6mmの面にアンバランスドマグネトロンスパッタリング装置(神戸製鋼所社製)を用いて、この表面に、非晶質炭素材料(DLC)からなる被膜を被覆した。この被膜の成膜条件としては、アルゴン(Ar)にメタン(CH)を体積率で5%混合したガスをフローガスとして用い、雰囲気温度を100℃にしてサイコロ部材にバイアス電圧100Vを印加し、グラファイトターゲットをスパッタ粒子にすることにより、表1に示す如く表面硬さ2000Hv、表面粗さRa(中心線平均粗さ)0.12μm、膜厚1.5μmとなるDLC被膜が形成されたサイコロ試験片を得た。
一方、第二摺動部材として、まず、ステンレス鋼(JIS規格:SUS440C)の棒材から、外形35mm×内径30mm×幅10mmの円筒部材(母材)を製作した。そして、この円筒部材の外周面に、通常のプラズマ溶射により、5重量%の銀を含んだ鉄合金(Fe−0.6C)の溶射皮膜を形成し、その外周面を加工して、表1に示す如く、膜厚50μm、表面粗さRa0.20μm、表面硬さHv380の、円筒試験片を得た。
そして、この組合せ摺動部材に対して、摩擦摩耗試験を行った。具体的には、DLC被膜が形成されたサイコロ試験片(第一摺動部材)の16mm×6mmの面と、溶射皮膜が形成された円筒試験片(第二摺動部材)の外周面とを接触させ、その接触した摺動面に潤滑油(SAE 5W−30、油温80℃)を給油しながら、荷重60kgfを負荷し、円筒試験片の円筒軸を中心として回転数160rpmの条件で回転させて、30分間試験を行った。この試験中における組合せ摺動部材の摩擦係数を測定すると共に、この試験後のサイコロ試験片の摩耗痕深さ、円筒試験片の摩耗重量を測定し、これらの測定値をそれぞれの摩耗量(サイコロ摩耗量、円筒試験片摩耗量)とした。この試験結果を図1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様に組合せ摺動部材を製作した。実施例1と異なる点は、表1に示す如く、円筒試験片(第二摺動部材)を、95重量%銅合金粉(Zn:33.5%(重量%)、Al:3.0%、Ni:2.0%、Ti:1.5%及び残部がCuからなる銅合金)と5重量%銀粉を混合して、通常の焼結(窒素雰囲気)法により混合物を焼結させ、外形35mm×内径30mm×幅10mmの形状に作製し、その表面を加工して、表1に示す如く、表面粗さRa0.30μm、表面硬さHv200の表面を得た点である。そして、この組合せ摺動部材に対して、実施例1と同様に摩擦摩耗試験を行った。その結果を図1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様に組合せ摺動部材を製作した。実施例1と異なる点は、表1に示す如く、円筒部材の外周面に、通常のプラズマ溶射により、Fe−0.6Cのみ(銀は含まず)の溶射皮膜を形成した点である。そして、この組合せ摺動部材に対して、実施例1と同様に摩擦摩耗試験を行った。その結果を図1に示す。
(比較例2)
実施例2と同様に組合せ摺動部材を製作した。実施例2と異なる点は、表1に示す如く、円筒試験片(第二摺動部材)を、銅合金粉(Zn:33.5%(重量%)、Al:3.0%、Ni:2.0%、Ti:1.5%及び残部がCuからなる銅合金)のみ(銀粉は含まず)を焼結させた点である。そして、上述した摩擦摩耗試験を行った。その結果を図1に示す。
(比較例3)
実施例1と同様に組合せ摺動部材を作製した。実施例1と異なる点は、サイコロ試験片(第一摺動部材)の表面を表面粗さRa0.5μmにした点である。そして、上述した摩擦摩耗試験を行った。その結果を図1に示す。
Figure 0004725229
(結果1)
図1に示すように、実施例1及び実施例2のサイコロ試験片及び円筒試験片の摩耗量は同程度であり、摩擦係数も同程度であった。また、比較例1〜比較例3のサイコロ試験片、及び円筒試験片は、実施例1,2に比べて、その摩耗量は多く、摩擦係数も高かった。
(評価1)
実施例1,2と比較例1,2とを比較すると、実施例1,2のサイコロ試験片及び円筒試験片の摩耗量が小さく、摩擦係数が低くなった理由としては、実施例1,2の円筒試験片には、分散して銀が含有されており、摺動時に、この銀が、円筒試験片の摺動面に銀薄膜を形成し、この銀の薄膜が、部材の接触面に作用するせん断力を低減した結果、摩擦抵抗が軽減されたことによると考えられる。
(評価2)
実施例1と比較例3とを比較すると、比較例3の円筒試験片の溶射被膜に銀を分散して含有したにもかかわらず、比較例3のサイコロ試験片及び円筒試験片の摩耗量が大きく、摩擦係数が高くなった理由としては、比較例3のサイコロ試験片の表面に被覆したDLC被膜の表面粗さが粗く、このDLC被膜が、摺動時に形成される銀薄膜を削ってしまい、部材の接触面に作用するせん断力を低減することができなかったことによると考えられる。この結果から、サイコロ試験片(第一摺動部材)のDLC被膜の表面粗さは、中心線平均粗さRa0.5μmよりも小さいことが好ましく、より好ましくは、中心線平均粗さRa、0.4μm以下であると考えられる。
(実施例3〜6)
実施例1と同様にして、組合せ摺動部材を作製した。実施例1と実施例4は、同じ組合せ摺動部材であり、実施例3,5,6の第一摺動部材(サイコロ試験片)は、表面に溶射した溶射被膜中の銀の含有量を、順次、1重量%,10重量%,19重量%にした点が、実施例1と異なる。そして、実施例3〜6についても実施例1と同様の摩擦摩耗試験を行った。その結果を図2及び表2に示す。
(比較例4〜7)
実施例1と同様にして、組合せ摺動部材を作製した。実施例1と異なる点は、比較例4〜7の第二摺動部材(円筒試験片)の表面に溶射した銀の含有量を、順次、0重量%,0.5重量%,24重量%,30重量%にした点である。そして、比較例4〜7についても実施例1と同様の摩擦摩耗試験を行った。その結果を図2及び表2に示す。
Figure 0004725229
(結果2)
図2及び表2に示すように、実施例3〜6のサイコロ試験片の摩耗量は、0.9μm以下、円筒試験片の摩耗量は、2.2mg以下、摩擦係数は、0.075以下であった。また、比較例4〜7のサイコロ試験片、及び円筒試験片は、実施例3〜6に比べて、その摩耗量は多く、これらの摩擦係数も高かった。
(評価3)
図2から、摩擦係数、摩耗量の双方を低減するためには、第二摺動部材(円筒試験片)の銀の含有量は、少なくとも銀を1〜20重量%含有していなければならならず、このような銀の含有量にすることにより、DLC被膜と鉄合金表面上に形成された馴染み性のよい銀の薄膜とを摺動させることが可能となり、部材双方の摩耗量が少なく、摩擦係数が低くなったものと考えられる。そして、銀の含有量が、1重量%よりも小さい場合には、摺動時に、円筒試験片の表面に充分な銀の薄膜が形成されず、20重量%よりも大きい場合には、銀の含有量が多いため、円筒試験片の強度が低下し、たとえ、銀の薄膜が形成されたとしても、摩擦係数が高く、円筒試験片の摩耗が多くなるため、その結果、サイコロ試験片のDLC被膜も摩耗してしまうと考えられる。
(実施例7〜10)
実施例2と同様にして、組合せ摺動部材を作製した。実施例2と実施例8は、同じ組合せ摺動部材であり、実施例7,9,10の第二摺動部材(円筒試験片)は、銀の含有量を、順次、1重量%,10重量%,19重量%にした点が、実施例2と異なる。そして、実施例7〜10についても実施例2と同様の摩擦摩耗試験を行った。その結果を図3及び表3に示す。
(比較例8〜11)
実施例2と同様にして、組合せ摺動部材を作製した。実施例1と異なる点は、比較例4〜7の第二摺動部材(円筒試験片)の銀の含有量を、順次、0重量%,0.5重量%,24重量%,30重量%にした点である。そして、比較例8〜11についても実施例2と同様の摩擦摩耗試験を行った。その結果を図3及び表3に示す。
Figure 0004725229
(結果3)
図3及び表3に示すように、実施例7〜10のサイコロ試験片の摩耗量は、0.9μm以下、円筒試験片の摩耗量は、2.2mg以下、摩擦係数は0.08以下であった。また、比較例8〜11のサイコロ試験片、及び円筒試験片は、実施例7〜10に比べて、その摩耗量は多く、これらの摩擦係数も高かった。
(評価4)
図3より、摩擦係数、摩耗量の双方を低減するためには、第二摺動部材(円筒試験片)の銀の含有量は、少なくとも銀を1〜20重量%含有していなければならならず、このような銀の含有量にすることにより、DLC被膜と銅合金表面上に形成された馴染み性のよい銀の薄膜とを摺動させることが可能となり、部材双方の摩耗が少なく、摩擦係数が低くなったものと考えられる。そして、銀の含有量が、1重量%よりも小さい場合には、摺動時に、円筒試験片の表面に充分な銀の薄膜が形成されず、20重量%よりも大きい場合には、銀の含有量が多いため、円筒試験片の強度が低下し、たとえ、銀の薄膜が形成されたとしても、摩擦係数が高く、円筒試験片の摩耗が多くなるため、その結果、サイコロ試験片のDLC被膜も摩耗してしまうと考えられる。
実施例1,2の組合せ摺動部材と比較例1〜3の組合せ摺動部材の摩擦摩耗試験結果を示した図。 実施例3〜6の組合せ摺動部材と比較例4〜7の組合せ摺動部材の摩擦摩耗試験結果を示した図。 実施例7〜10の組合せ摺動部材と比較例8〜11の組合せ摺動部材の摩擦摩耗試験結果を示した図。

Claims (5)

  1. 摺動面に非晶質炭素材料からなる被膜を形成した第一摺動部材と、該第一摺動部材の摺動面と摺動する摺動面に、少なくとも銀を1〜20重量%含有した鉄合金からなる合金材料を備え、前記第一摺動部材との摺動時に、前記第一摺動部材の摺動面と摺動する摺動面に銀薄膜が形成されるように、前記銀が前記合金材料中に分散して介在した第二摺動部材と、を有することを特徴とする組合せ摺動部材。
  2. 摺動面に非晶質炭素材料からなる被膜を形成した第一摺動部材と、該第一摺動部材の摺動面と摺動する摺動面に、少なくとも銀を1〜20重量%含有した銅合金からなる合金材料を備え、前記第一摺動部材との摺動時に、前記第一摺動部材の摺動面と摺動する摺動面に銀薄膜が形成されるように、前記銀が前記合金材料中に分散して介在した第二摺動部材と、を有することを特徴とする組合せ摺動部材。
  3. 前記第一摺動部材の表面粗さは、中心線平均粗さRa0.5μmよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の組合せ摺動部材。
  4. 請求項に記載の組合せ摺動部材を用いた内燃機関であって、当該内燃機関を構成するピストンリングの摺動面には前記組合せ摺動部材の第一摺動部材が用いられ、シリンダブロックの摺動面には前記組合せ摺動部材の第二摺動部材が用いられていることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項に記載の組合せ摺動部材を用いたすべり軸受機構であって、当該すべり軸受機構を構成するシャフトの摺動面には前記組合せ摺動部材の第一摺動部材が用いられ、軸受の摺動面には組合せ摺動部材の第二摺動部材が用いられていることを特徴とするすべり軸受機構。
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