JP2013119633A - 摺動部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】摺動部材は、基材の表面に、非晶質炭素材料からなる非晶質炭素被膜が形成された摺動部材である。非晶質炭素被膜の表面には、Ag、Sn、Zn、Au、またはCuを25〜50at%含有した非晶質炭素材料からなる薄膜がさらに被覆されている。
【選択図】図1
Description
〔基材の作製〕
摺動部材の基材を準備する。基材としては、例えば、炭素鋼(JIS:S45C、S30Cなど)、クロム鋼、クロムモリブデン鋼などの合金鋼(JIS規格:SCr、SCMなど)、合金工具鋼(JIS規格:SKS,SKDなど)、ステンレス鋼、軸受鋼、バネ鋼などの特殊用途鋼(JIS規格:SUS、SUJ、SUPなど)、または鋳鉄の鉄系基材を挙げることができる。しかしながら、後述する非晶質炭素被膜20との密着性を確保することができるのであれば、これらの金属材料に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、Cu,Mg,Zn等を含むアルミニウム合金、銅、または、Zn,Al,Sn等を含む銅合金などの金属材料を挙げることができる。
基材の表面に非晶質炭素材料からなる非晶質炭素被膜を被覆する。具体的には、基材を、スパッタリング、真空蒸着、イオン化蒸着、イオンプレーティング、などを利用した物理的蒸着法(PVD)により成膜してもよく、プラズマ処理などを利用した化学気相成長法(CVD)により成膜してもよい。
前記非晶質炭素被膜の表面には、Ag、Sn、Zn、Au、またはCuを25〜50at%含有した非晶質炭素材料からなる薄膜をさらに被覆する。ここで、Ag、Sn、Zn、Au、またはCuを選定した理由は、非晶質炭素材料の炭素と炭化物を形成しないからである。
(実施例1)
摺動部材の基材として、軸受鋼(JIS規格:SUJ2、焼き入れ品、表面硬さHv800)、6.3mm×15.7mm×高さ10mmのブロック試験片(表面粗さ、十点平均粗さRz0.4μm)を準備した。次に、スパッタリング法(PVD法)により、カーボンターゲットにArガスを電界で加速してターゲットに照射することで、カーボンターゲットのカーボンの原子または分子を弾き出し、ブロック試験片の6.3mm×15.7mmを構成する表面に、これを蒸着させて、非晶質炭素材料からなる非晶質炭素被膜を成膜(被覆)した。このときのブロック試験片の温度は、200℃、バイアス電圧は、200Vであり、成膜時間は、120分とし、これにより、膜厚2μm、表面粗さRz0.4〜0.5μm、表面硬さHv2000の非晶質炭素被膜を得た。
実施例1と同様に摺動部材を作製した。実施例1と相違する点は、薄膜の被覆時にAgターゲットを用いていない点である。すなわち、比較例1の場合、6.3mm×15.7mm×10mmのブロック試験片(JIS規格:SUJ2、焼き入れ品、表面硬さHv800)の6.3mm×15.7mmを構成する表面に、実施例1と同じ条件で、スパッタリング法により、カーボンターゲットのみを用いて非晶質炭素被膜および薄膜を被覆した。
実施例1と同様に摺動部材を作製した。実施例1と相違する点は、薄膜に対してAgを含有する量を、20at%にした点である。具体的には、薄膜を成膜する際に、Agターゲットに印加する電圧を変化させることにより、Agの含有量を変化させた。
実施例1、比較例1、および比較例2の摺動部材の相手部材として、構造用炭素鋼(JIS規格:S50C、焼入れ品、表面硬さHv600)を用いて、外径35mm、内径30mm、幅10mmのリング試験片を作製した。得られた円筒試験片の周面の表面粗さは、十点平均粗さRz1.0μmであった。
図1に示すように、実施例1の摺動部材の摩擦係数は、比較例1のものに比べて、0.04と低い値となった。また、これは、実施例1の摺動部材は、薄膜に対してAgを40at%含有させることにより、薄膜は、非晶質炭素被膜よりも表面硬さが低い軟質の薄膜となったことが起因していると考えられる。また、図2に示すように、実施例1の摺動部材が、摩擦係数0.04に安定するまでの時間が短かった。
実施例1と同様に摺動部材を作製した。実施例1と相違する点は、薄膜に対してAgを含有する量を、図3に示すように変更した点である。具体的には、薄膜を成膜する際に、Agターゲットに印加する電圧を変化させることにより、Agの含有量を変化させた。そして、実施例1と同様の摩擦試験を行った。この結果を図3に示す。図3は、摺動部材の薄膜中のAgの含有量と摩擦係数との関係を示した図であり、摩擦係数は、摩擦試験30分直後の値である。
図3に示すように、Agを25〜50at%含有した非晶質炭素材料からなる薄膜は、摩擦係数が0.05以下となり、この範囲がAg含有の最適な範囲といえる。そして、薄膜中のAgが25at%未満の場合には、薄膜の硬さが硬くなるので、初期なじみ性が低下することが考えられ、一方、薄膜中のAgが50at%を超えた場合には、この元素が軟質の金属であるため、相手材の表面に凝着しやすく、摩擦係数が急激に上昇したものと考えられる。
Claims (3)
- 基材の表面に、非晶質炭素材料からなる非晶質炭素被膜が形成された摺動部材であって、
前記非晶質炭素被膜の表面には、Ag、Sn、Zn、Au、またはCuを25〜50at%含有した非晶質炭素材料からなる薄膜がさらに被覆されていることを特徴とする摺動部材。 - 前記薄膜の厚さが0.1〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
- 前記非晶質炭素被膜の表面粗さは、Rz0.4μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部材。
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