JP2002173366A - コーディエライト系セラミックス材料 - Google Patents

コーディエライト系セラミックス材料

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JP2002173366A JP2000371927A JP2000371927A JP2002173366A JP 2002173366 A JP2002173366 A JP 2002173366A JP 2000371927 A JP2000371927 A JP 2000371927A JP 2000371927 A JP2000371927 A JP 2000371927A JP 2002173366 A JP2002173366 A JP 2002173366A
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Takeshi Asada
剛 浅田
Riichi Yasukochi
利一 安河内
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コーディエライト系セラミック材料に於いて
室温近傍で熱膨張係数を0とし、コーディエライト系セ
ラミック材の剛性率をさらに向上させ、緻密で高面性状
を有する均一黒色化を達成する。 【解決手段】 コーディエライト結晶相を有するコーデ
ィエライト粉末を主成分に、IIa、IIIb、IVb族の金
属酸化物のうち少なくとも一種を18.0質量%以下含
有せしめ、且つ、前記酸化物をコーディエライト結晶粒
界に存在または一部固溶させた。さらに、焼結助剤成分
としてTiOx(X≦2.0)を5.0質量%以下を単
独、或いは、IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物のうち
少なくとも一種を18.0質量%以下添加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超精密加工用治
具、超精密加工機器部材、測定機器用部材等に好適に使
用でき常温近傍で低熱膨張性を示すコーディエライト系
セラミックス材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超精密加工分野に於いては高い精
度が要求されるようになり、その超精密加工用治具、超
精密加工機器用部材や測定機器用部材には温度変化に伴
う寸法変化抑制、高剛性、耐摩耗性の観点から、炭化珪
素や窒化珪素等の比較的熱膨張が小さく、熱伝導率の高
い材料が主流となっている。ところが、これらの材料の
熱的特性では更なる超精密性を要求される治具、機器、
測定器部材としての利用は難しい。
【0003】そこで、より低熱膨張特性を有する材料が
求められるようになり、その意味から、それ自体が低熱
膨張材料であるコーディエライト材料が注目されるよう
になり、例えば、特開平1−191422号公報、特公
平6−97675号公報にはこのコーディエライト材料
を静電チャック用基板として使用することが提案されて
いる。
【0004】このコーディエライト材料を精密加工時の
治具等への適用を目的とするためには材料自体の剛性率
が低く、その剛性を高めるため、低熱膨張特性を維持し
つつ他の特性を付加した複合材料が提案されている。例
えば、特開平11−79830号公報には、高剛性率を
得るために窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素を10〜7
0質量%配合し、さらにイットリアあるいは希土類金属
の酸化物を添加することによって剛性率が150GPa
以上のコーディエライト系材料が得られることが開示さ
れている。
【0005】また、特開平11−255557号公報に
は、コーディエライト結晶の化学量論組成比よりもAl
とMgOを結晶相に過剰に固溶させ、更には希土
類酸化物と窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素を含有させ
ることにより170GPa以上の剛性率を有するコーデ
ィエライト系材料が得られることが開示されている。
【0006】また、特開平11−209171号公報に
は、希土類金属の酸化物を1〜20質量%含有せしめる
ことによってボイドの少ないコーディエライト系材料を
得ることが開示されている。
【0007】さらには、特開平11−343168号公
報には、希土類金属の酸化物を添加したコーディエライ
トをカーボン雰囲気下で焼成して、カーボンを0.1〜
2.0質量%含有せしめたステージ位置測定ミラーなど
の半導体製造装置用部品に適した黒色コーディエライト
系材料が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般のコーディエライ
ト材料は、常温近傍に於いては負の熱膨張特性を有して
いることから、常温で使用される測定機器用部材等に使
用する場合等には精度維持の観点から望ましくない。ま
た、超精密加工用治具、超精密加工機器用部材では外部
応力による変形が極力制御されることが望ましいことか
ら、使用される温度で熱膨張が少なく剛性率の高い材料
が望ましい。
【0009】しかし、コーディエライト材料に剛性率を
付与すべく、比較的熱膨張の低い炭化珪素や窒化珪素等
を添加した場合には、添加物粒子とコーディエライト粒
子の熱膨張特性の差が大きく、焼成体の結晶粒界に熱膨
張特性の差異による微細亀裂が発生し、材料の破壊やソ
リ発生の恐れがある。また、この複合系材料は熱膨張が
大きく、常温近傍ではその低熱膨張特性を維持できない
欠点がある他、コーディエライト結晶が添加物により、
焼成時の粒界の移動に影響を受け、高密度化、緻密化が
難しく材料内部に気孔が存在するものしか得られない。
一方、添加物の量が少量の場合には比較的緻密な材料が
得られるものの、コーディエライト材料の剛性率向上に
はさほど効果はなく、熱膨張特性に悪影響を与えること
となる。また、反射鏡等に使用される部材は、機能上高
品位の表面平滑性が要求されることから残存気孔が多
い、また母相と分散相(硬質)に加工段差が生じ易い硬
質添加物を分散した複合系コーディエライト材料は使用
できない。
【0010】また、コーディエライト結晶相と整合性の
高いAl3やMgOを過剰に固溶させ、剛性率を向
上させる場合に於いては、大型部材等の焼成時には材料
内外で固溶反応の不充分な部分、更には冷却速度に差が
生じ、コーディエライト結晶中での固溶量に差が生じる
ことになる。その結果、コーディエライト結晶の格子定
数に差が生じ、更には粒界への析出量にも差が生じるこ
とになり材料の部分的な熱膨張特性や剛性率に相違を生
むことになる。
【0011】また、反射鏡等に於いては遮光性が要求さ
れることから、黒色の材料が望ましい。コーディエライ
ト材料の黒色化については、前述のとおりカーボン雰囲
気もしくはカーボン添加の報告がなされているが、カー
ボン雰囲気での焼成過程では材料外部の緻密化進行が早
く、材料内部にまで炭化が進行しないため結果的に材料
内外で均一な黒色化は望めない。また、カーボンを分散
添加した場合ではコーディエライト材料中のカーボンが
欠陥となり材料強度、剛性率を低下させてしまうことや
面性状の良い材料も得られない。
【0012】本願発明が解決しようとする課題は、それ
自体が低熱膨張材料であるコーディエライト系セラミッ
クス材料に於ける常温近傍の熱膨張係数を0に制御する
ことである。
【0013】また、他の課題は、それ自体が低熱膨張材
料であるコーディエライト系セラミックス材料の熱膨張
特性に影響を与えることなく、緻密化を達成することに
ある。
【0014】さらに、他の課題は、それ自体が低熱膨張
材料であるコーディエライト系セラミックス材料の熱膨
張特性に影響を与えることなく、剛性率を向上させるこ
とにある。
【0015】またさらに、他の課題は、それ自体が低熱
膨張材料であるコーディエライト系セラミックス材料の
熱膨張特性に影響を与えることなく、色ムラのない均一
な黒色化を達成することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題は、コー
ディエライト材料に、IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物の
うち少なくとも一種を含有せしめ、且つ、前記金属酸化
物をコーディエライト結晶粒界に存在もしくは一部固溶
せしめたことによって解決した。このコーディエライト
系セラミックス材料は熱膨張係数0の温度を基準とする
±10.0℃に於いて、±1.5×10−7−1の熱
膨張係数を有する。
【0017】本発明に使用されるコーディエライト原料
は、一般に市販される合成コーディエライト粉末を用い
ることができるが、粘土質を含む合成粉末の場合にはコ
ーディエライト主三成分の組成安定性が悪い上、Fe
やCaO等の不純物を多く含んでおり、常温近傍の
熱膨張制御を安定させ難い。従って本発明のように常温
近傍での熱膨張係数0及び緻密な材料を得るためには主
三成分であるAl 、MgO、SiO2のモル比を
2:2:5の±0.5質量%、望ましくは±0.2質量
%の公差内に納める必要があり、且つ、それ以外の不純
物含有量は0.2質量%以下とするのが望ましい。かか
るコーディエライト系セラミックス材料としては、平均
粒径が粗粒である場合でも粉砕混合法を用いて、2.0
μm以下の粉末とすることで良好な焼結性が得られる。
【0018】コーディエライトを構成するコーディエラ
イト結晶相自体は、常温近傍の熱膨張係数は負の状態で
あるが、IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物のうち少なくと
も一種を添加することにより、これら添加物がコーディ
エライト粒界に存在もしくは一部固溶して存在し、負の
熱膨張を打ち消すことになり、常温近傍の熱膨張係数
0、更にはその温度を基準とする±10.0℃に於い
て、±1.5×10−7 −1の熱膨張係数に調節可能
となる。
【0019】熱膨張係数制御のための添加物としてはコ
ーディエライト結晶相との整合性の点からIIa、IIIb、I
Vb族の金属酸化物が望ましく、コーディエライトに対し
て18.0質量%以下が必要であり、特にAl、Mg、
Siの酸化物が望ましい。また、焼成条件としてはコー
ディエライト結晶と添加物との固溶反応を抑制するた
め、低温、短時間での焼成を行うことが望ましい。
【0020】本発明の低熱膨張材料は、合成コーディエ
ライト粉末を平均粒子径で2.0μm以下まで粉砕する
と同時に、IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物のうち少なく
とも一種を所定量添加混合し、混合用メディアをジルコ
ニアボールとし、ボールミルやビーズミル等を用い充分
に粉砕混合し所定形状に成形後真空や大気、または不活
性ガス中にて脱ワックス処理を行なう。焼成は脱ワック
スされた成形体を真空中、または絶対値200KPa以下
の不活性加圧ガス雰囲気中で1200℃〜1450℃、
特に1300℃〜1420℃の温度範囲で焼成し、さら
に必要で有れば不活性高圧ガス中でHIP処理すること
によって得られる。
【0021】また、密度と剛性率の改善は、焼結助剤と
してTiOx(X≦2.0)をコーディエライトに5.
0質量%以下添加することによって焼成時の粒界の拡散
速度を向上させることにより焼成温度を低下させ、焼成
温度範囲を大きく広げ、焼成後のTiの酸化物が結晶粒
界に整合性の高い形で存在し、結晶粒子も微細化するこ
とからコーディエライト結晶粒子間の結合力を強化し、
焼成物の剛性を高めることができる。より緻密化を行な
うためには、不活性高圧ガス中、1100℃〜1300
℃の温度にてHIP処理を行なう。これにより気孔率が
2.0%以下であり、剛性率140GPa以上のコーデ
ィエライト系セラミックス材料が得られる。
【0022】この焼結助剤成分としてTiOx(X≦
2.0)を5.0質量%以下添加することによるコーデ
ィエライト系セラミックス材料の相対密度と剛性率の改
善は、前記IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物と併せて添加
することによる上記の低熱膨張特性の向上効果とが複合
され優れた特性を有するコーディエライト系セラミック
ス材料とすることができる。
【0023】さらに、本発明によるコーディエライト系
セラミックス材料の均一な黒色化は、前記TiOx(X
≦2.0)を5.0質量%以下添加したコーディエライ
ト成形体を真空中または不活性ガス雰囲気中で焼成する
ことによって、TiOx(X≦2.0)の酸素元素の一
部が還元され、一部炭化することから黒色化が進行し、
最終的には緻密で均一な黒色コーディエライト材料が得
られる。また、このTiの酸化物は、熱膨張調整のため
のIIa、IIIb、IVb族の金属酸化物のうち少なくとも一つ
と併せて適量添加することによって常温近傍での熱膨張
係数0の特性を阻害することなく焼成体の内外にわたっ
て均一な黒色が得られる。
【0024】この黒色化のための焼成用セッターとして
は、TiOx(X≦2.0)の酸素元素を吸収し、黒色
化を進行させる働きがあるカーボン材を用いることが望
ましい。アルミナるつぼ等の酸化物系セッターはTiO
x(X≦2.0)の還元作用が半減するため、黒色化に
は望ましくない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって発明の実施
の形態を説明する。
【0026】市販の純度99.5%以上、平均粒径5.
0μm程度の合成コーディエライト粉末に、以下の各実
施例に示すIIa、IIIb、IVb族の金属酸化物及びTiOx
(X≦2.0)を添加し、平均粒径1.5〜2.5μm
に至るまで粉砕して得られた混合スラリーに適量のワッ
クス成分を加え、スプレードライヤーにて造粒粉末と
し、φ70×10mmの形状に金型予備成形後、冷間水
圧プレスで1.0tonの圧力にて成形した。この成形
体を真空雰囲気中にて脱脂処理し、アルゴンガス50K
Paの加圧雰囲気下で1300℃〜1420℃の温度域
にて焼成したものを高圧アルゴンガス中、加熱中にてH
IP処理して以下の各焼成体の試料を得た。各試料の−
20℃〜60℃範囲の熱膨張特性及び超音波パルス法に
よる室温時の剛性率の測定を行った。
【0027】実施例1
【表1】 IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物として、MgO、Al
、SiO、BeO、CaO、SrO、BaO、B
、Ga、Tl、GeO、SnO
をそれぞれ一種もしくは二種以上複合し、2.0〜1
8.0質量%添加させ、平均粒径1.5μmの粉砕混合
粉末とし、成形後、表1に示す温度にて焼成し、更に不
活性高圧ガス中1100℃にてHIP処理を行うことに
より得られた材料の調査結果を示す。表1記載の焼成温
度は、各試料に於いて最も高い相対密度が得られた温度
であり、この焼成温度よりも20.0℃以上低い場合に
は95.0%程度の相対密度しか得られず、逆に20.
0℃以上高い焼成温度では試料に一部溶融部が確認され
た。相対密度98.0%以上の緻密なコーディエライト
系セラミックス材料を得るためには、同表の焼成温度±
10.0℃にて焼成することが望ましい。
【0028】同表の試料No.1〜34のように、常温近
傍(ここでは−10.0℃〜40.0℃とする)に於い
て、Bで8.0質量%未満、MgO、CaOで1
0.0質量%未満、Al、BeO、SrO、Ba
Oで13.0質量%未満、SiO、Ga、Tl
、GeOで15.0質量%未満、SnOで1
8.0質量%未満の金属酸化物添加により、常温近傍に
て熱膨張係数0であることが確認され、これらの添加量
に於いて熱膨張係数0の温度を基準とする±10.0℃
に於ける熱膨張係数がいずれも±1.5×10−7
−1であることが確認された。また二種以上の金属酸化
物の複合添加においても、試料No.35〜40のよう
に、一種の金属酸化物添加の場合と同様に熱膨張係数の
0制御が可能である。
【0029】なお、同表に示すように金属酸化物を上記
添加量以上に過剰に添加した場合には、熱膨張係数0に
なる温度が−10.0℃よりも低くなり、±10.0℃
に於ける熱膨張係数の範囲にも悪影響があることが確認
された。また二種以上の金属酸化物を添加した場合も、
無数の組み合わせが考えられるため定かではないが、少
なくとも金属酸化物の総添加量が18.0質量%以上に
なると熱膨張係数0になる温度、±10.0℃に於ける
熱膨張係数の範囲に悪影響があることが類推される。
【0030】実施例2
【表2】 表2は合成コーディエライト粉末の平均粒径及びTiO
x(X≦2.0)を添加の有無による相対密度、色調、
剛性率への影響を見たものである。
【0031】同表の試料No.41〜44に見られるよ
うにコーディエライト粉末の粒径が相対密度、色調、剛
性率に影響しており、平均粒径を2.0μm以下にする
ことで、相対密度99.5%以上、剛性率130GPa
以上の緻密で暗色の材料を得られることが確認できた。
同表の試料No.45〜47に見られるようにTiOx
(X≦2.0)を1.0質量%添加することにより、混
合粉末の平均粒径が2.0μm以上あるものについて
も、緻密ではないが材料内部に至るまで均一な黒色を有
することが確認された。また、TiOx(X≦2.0)
を添加することにより相対密度を向上させることがで
き、144時間粉砕混合し平均粒径が1.5μm程度の
ものはすべて相対密度99.8%以上と緻密であり、剛
性率も150GPa以上となることから、TiOx(X
≦2.0)がコーディエライト結晶粒子間の結合性を高
め剛性率の向上に効果があることが確認される。これら
相対密度、剛性率の向上、均一黒色化は、TiOx(X
≦2.0)を0.5、3.0、5.0質量%添加した場
合でも同様の効果が得られるが、TiOx(X≦2.
0)が0.5質量%以下の場合には焼成温度範囲の拡
大、剛性率の向上への効果が十分ではなく、5.0質量
%以上の場合には、TiOx(X≦2.0)がコーディ
エライト結晶粒界に過剰に析出し、剛性率が低下する傾
向が確認された。このため焼成温度の低下、焼成温度範
囲を拡大、高緻密、高剛性率、均一黒色を有するコーデ
ィエライト材料を得るためには、TiOx(X≦2.
0)を5.0質量%以下、特に1.0〜3.0質量%添
加することが望ましい。
【0032】実施例3
【表3】 表3に、実施例1と同様にコーディエライト粉末にII
a、IIIb、IVb族の金属酸化物をそれぞれ一種もしくは二
種以上複合添加し、且つTiOx(X≦2.0)を1.
0質量%添加したもので、実施例1と同様の製法によっ
て得られた焼成体の調査結果を示す。
【0033】同表において、*印は、本発明の範囲外を
示し、**印は、TiOx(X≦2.0)を5.0質量
%添加した場合を示す。
【0034】同表から、TiOx(X≦2.0)を1.
0質量%添加することによる、熱膨張係数0となる温度
およびその温度を基準とする±10.0℃に於ける熱膨
張係数への影響は小さく、TiOx(X≦2.0)無添
加の場合と同様に、熱膨張係数0となる温度をIIa、III
b、IVb族の金属酸化物を適量添加することにより制御す
ることができ、その温度を基準とする±10.0℃の熱
膨張係数を±1.5×10−7−1に制御できること
が確認された。
【0035】同様に、TiOx(X≦2.0)を5.0
質量%添加した場合に於いても、試料No.91〜102
のように、熱膨張係数0となる温度をIIa、IIIb、IVb族
の金属酸化物を適量添加することにより制御することが
でき、その温度を基準とする±10.0℃の熱膨張係数
を±1.5×10−7−1に制御できることが確認さ
れた。
【0036】更に、TiOx(X≦2.0)を添加する
ことにより、相対密度99.7%以上の緻密で材料全体
が均一に黒色化した、剛性率147GPa以上の高剛性
の材料が得られることが確認された。
【0037】また、これらの材料は相対密度99.7%
以上と緻密であることから、材料表面を研磨した場合に
はRa2.0nm以下の高面性状の平滑面を得ることが
可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0039】1. 常温近傍(−10℃〜40℃)に於
いて、熱膨張係数0に制御することが可能であり、希望
の温度に於いて極低熱膨張特性を持つ材料が得られる。
【0040】2. 剛性率が向上でき、外部応力に対し
て弾性変形が少なく、常温近傍での超精密加工に使用さ
れる被加工品の精度向上に効果があり、剛性率も高いこ
とから超精密加工用の支持材料として使用可能である。
【0041】3. 黒色化が均一にでき、遮光性にムラ
のない商品価値の高い部材が供給できる。
【0042】4. 高緻密、高剛性で信頼性が高く、高
面性状に優れた部材を提供できる。材料は気孔率が2.
0%以下と緻密なことから機械研磨加工等にて材料表面
を研磨した場合には高面性状(Ra2.0nm以下)の
面が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーディエライト結晶相を有するコーデ
    ィエライトを主成分に、IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物
    のうち少なくとも一種を含有せしめ、且つ、前記金属酸
    化物をコーディエライト結晶粒界に存在もしくは一部固
    溶せしめた常温近傍の熱膨張係数を0に制御できるコー
    ディエライト系セラミックス材料。
  2. 【請求項2】 熱膨張係数0の温度を基準とする±1
    0.0℃の温度域における熱膨張係数が±1.5×10
    −7−1である請求項1記載のコーディエライト系セ
    ラミックス材料。
  3. 【請求項3】 コーディエライト結晶相を有するコーデ
    ィエライトに、焼結助剤成分としてTiOx(X≦2.
    0)を5.0質量%以下含有せしめたコーディエライト
    系セラミックス材料。
  4. 【請求項4】 気孔率が2.0%以下である請求項3記
    載のコーディエライト系セラミックス材料。
  5. 【請求項5】 剛性率が140GPa以上の請求項3記
    載のコーディエライト系セラミックス材料。
  6. 【請求項6】 コーディエライト結晶相を有するコーデ
    ィエライトに、焼結助剤成分としてTiOx(X≦2.
    0)を5.0質量%以下含有せしめた混合粉末から成る
    成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼成する
    ことにより均一黒色化を行った請求項3記載のコーディ
    エライト系セラミックス材料。
  7. 【請求項7】 コーディエライト結晶相を有するコーデ
    ィエライトを主成分に、IIa、IIIb、IVb族の金属酸化物
    のうち少なくとも一種と焼結助剤成分としてTiOx(X
    ≦2.0)を5.0質量%以下含有せしめたコーディエ
    ライト系セラミックス材料。
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