JP2002172361A - 塗膜の形成方法 - Google Patents

塗膜の形成方法

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JP2002172361A JP2001283031A JP2001283031A JP2002172361A JP 2002172361 A JP2002172361 A JP 2002172361A JP 2001283031 A JP2001283031 A JP 2001283031A JP 2001283031 A JP2001283031 A JP 2001283031A JP 2002172361 A JP2002172361 A JP 2002172361A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プライマーを用いることなく、下地基材上に
形成される下塗り層とその上に形成される上塗り層との
接着性を向上させることができるとともに、発泡性を抑
制して耐久性を向上させることができる塗膜の形成方法
を提供する。 【解決手段】 塗膜の形成方法は、ポリマーセメントモ
ルタルからなる下地調整材を下地基材上に塗工して下塗
り層を形成する工程と、下塗り層上に数平均分子量10
00〜20000である水酸基を有するビニル重合体及
びポリイソシアネートを含有する上塗り塗料を塗工して
上塗り層を形成する工程とよりなるものである。また、
水酸基を有するビニル重合体は150〜350℃の高温
でビニル単量体を重合させて得られるものが好ましい。
さらに、下地調整材はシランカップリング剤又はアルミ
ナセメントをも含有するものであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、土木、建築用の
構造物の表面に形成され、その構造物の表面を保護する
ための塗膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下地調整材は、コンクリートなどの下地
表面の凹凸や巣穴などを補修し、塗装下地として良好な
表面性を確保するものである(以下、不陸調整とい
う)。この種の下地調整材としては、例えばセメントに
アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョンなどの
合成樹脂エマルジョン、発泡体及び繊維状物質を配合し
た組成物が知られている。そして、その下地調整材上に
アクリルゴムやポリウレタンからなる上塗り塗料が塗工
される(特開昭61−242969号公報)。
【0003】また、塗料として利用できる2液硬化型ウ
レタン組成物も知られている(特開平10−17640
号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、下地調整材
上に上塗り塗料をそのまま塗工すると、下地調整材に対
する上塗り塗料の塗膜の接着性が低いため、上塗り塗料
を塗工する前に下地調整材上にプライマーを塗布してお
く必要がある。また、下地調整材中に有機ポリイソシア
ネートが含まれていると、コンクリート下地表面に塗工
されたとき、有機ポリイソシアネートがコンクリート下
地中の水分と反応して炭酸ガスを発生し、下地調整材に
よる下地層が膨らんでコンクリート下地や上塗り層に対
する接着強度が下がり、さらには耐久性が低下するとい
う問題があった。
【0005】この発明は上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、プライマーを用いることなく、下地基材上
に形成される下塗り層とその上に形成される上塗り層と
の接着性を向上させることができるとともに、発泡性を
抑制して耐久性を向上させることができる塗膜の形成方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の塗膜の形成方法は、ポリ
マーセメントモルタルからなる下地調整材を下地基材上
に塗工して下塗り層を形成する工程と、下塗り層上に数
平均分子量1000〜20000である水酸基を有する
ビニル重合体及びポリイソシアネートを含有する上塗り
塗料を塗工して上塗り層を形成する工程とを含むことを
特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明の塗膜の形成方法
は、請求項1に記載の発明において、水酸基を有するビ
ニル重合体が150〜350℃の温度でビニル単量体を
重合させて得られるものである。
【0008】請求項3に記載の発明の塗膜の形成方法
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、下地
調整材がシランカップリング剤をも含有するものであ
る。請求項4に記載の発明の塗膜の形成方法は、請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、
ポリマーセメントモルタルがアルミナセメントを含有す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。下地基材上への塗膜の形成方法は、
下地基材上に下塗り層を形成する工程と、下塗り層上に
上塗り層を形成する工程とよりなっている。下塗り層を
形成する工程は、ポリマーセメントモルタルからなる下
地調整材を下地基材上に塗工することにより行われる。
上塗り層を形成する工程は、下塗り層上に数平均分子量
1000〜20000である水酸基を有するビニル重合
体及びポリイソシアネートを含有する上塗り塗料を塗工
することにより行われる。これらの下塗り層と上塗り層
とによって塗膜が構成される。
【0010】下地調整材はコンクリートなどの下地基材
表面に対して良好な表面性を確保するための不陸調整に
使用されるものである。この下地調整材に含有されるポ
リマーセメントモルタルについて説明する。
【0011】ポリマーセメントモルタルは、セメント、
砂、合成樹脂エマルジョン、水のほか、必要によりシラ
ンカップリング剤、繊維状物質、減水剤、界面活性剤、
消泡剤、増粘剤などが含有されているものである。セメ
ントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、
シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセ
メントなどが使用される。中でも、アルミナセメント
は、該セメントが配合されたポリマーセメントモルタル
を使用して形成される下塗り層が、上塗り層との接着性
の特に優れたものとなるために好ましい。
【0012】ポリマーセメントモルタルは、その中に含
まれるセメントの質量を基準としてアルミナセメントの
割合が50質量%以上のものがより好ましい。アルミナ
セメントを50質量%未満とアルミナセメント以外のセ
メントを50質量%以上とを混合して使用すると、ポリ
マーセメントが増粘又は固化して塗工できなくなる場合
もある。アルミナセメントの具体例としては、アサノア
ルミナセメント1号、アサノアルミナセメント2号(以
上は太平洋マテリアル社製、耐火物用アルミナセメン
ト)、シマンフォンジュ、セカール51BTF、ターナ
ルRG(以上はラファージュ社製、建材用アルミナセメ
ント)などが挙げられる。
【0013】また、砂は岩石又は鉱物の細粒からなるも
のであり、例えば粒径が0.05〜2mmのものを10
質量%以上、好ましくは30質量%以上含有しているも
のをいう。これにより、下地基材表面に対する下地調整
材の流動性を調整して塗工作業性を良好に維持し、厚塗
りを可能とすることができ、下地調整材による下地基材
表面の不陸調整を容易に行うことができる。
【0014】合成樹脂エマルジョンは、セメントに混和
されて得られるセメントモルタルの接着性を向上させる
ためのもので、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル
重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エ
マルジョン、スチレン−ブタジエン共重合ラテックスな
どが使用される。中でも、耐候性及び耐久性に優れるア
クリル樹脂エマルジョン又はエチレン−酢酸ビニル共重
合体エマルジョンが好ましい。
【0015】アクリル樹脂エマルジョンのうち、カチオ
ン性アクリル樹脂エマルジョンが好ましく、このカチオ
ン性アクリル樹脂エマルジョンは、(メタ)アクリル酸
エステル単独又はそれと共重合可能な共重合性単量体と
の共重合体の水性分散液をカチオン性界面活性剤により
カチオン化することにより又は前記単量体の一部にカチ
オン性単量体を使用することにより製造される。共重合
体の場合には、(メタ)アクリル酸エステルの割合が3
0質量%以上であることが望ましい。
【0016】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−
ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アク
リレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ペ
ンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】また、共重合性単量体としては、アクリル
アミド、アクリロニトリル、N−メチロールアクリルア
ミド、アクリル酸グリシジル、エチレン、酢酸ビニル、
塩化ビニリデン、スチレン、ブタジエンなどが挙げられ
る。さらに、カチオン性の共重合性単量体としては、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリ
ジン、ジメチルアリルアミン、アリルメチルアミン又は
それらの四級化アンモニウム塩である。
【0018】合成樹脂エマルジョンの配合割合は、セメ
ント100質量部に対して合成樹脂エマルジョンの固形
分が0.5〜50質量部であることが好ましく、3〜3
0質量部であることがさらに好ましい。この割合が0.
5質量部未満の場合、下地基材に対する下地調整材の密
着性が不十分になり、下地調整材の強度が不足し、50
質量部を越える場合、ガスの透過性が低下し、硬化が遅
延するようになって好ましくない。
【0019】下地調整材がシランカップリング剤を添加
されたものである場合、上塗り塗料との接着力が大きい
ものとなるために好ましい。シランカップリング剤の例
としては、アミノ基を有するアミノ系シランカップリン
グ剤、ウレイド基を有するウレイド系シランカップリン
グ剤、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリン
グ剤、メルカプト基を有するメルカプト系シランカップ
リング剤、イソシアネート基を有するイソシアネート系
シランカップリング剤が挙げられる。これらのうち、ア
ミノ系シランカップリング剤は、下地調整材が上塗り塗
料との接着力が特に大きいものとなるために好ましいも
のである。
【0020】シランカップリング剤の配合割合は、合成
樹脂エマルジョンの固形分を1とした質量比で0.00
1〜100であることが好ましく、0.005〜50で
あることがより好ましく、0.01〜30であることが
さらに好ましい。なお、固形分とは、水などの揮発性成
分以外の成分を意味する。
【0021】前記繊維状物質は、セメントのアルカリに
よって劣化されない材質からなり、繊維長3mm以上の
有機質又は無機質繊維が好ましい。具体的には、ガラス
繊維、銅繊維などの無機繊維やアクリロニトリル、ポリ
アミドなどの有機質繊維が挙げられる。中でも、ガラス
繊維は施工性及び硬化物の強度に優れているため好まし
い。この繊維状物質の配合割合は、セメント100質量
部に対して1〜10質量部が好ましく、2〜7質量部が
より好ましく、3〜6質量部が特に好ましい。この配合
割合が1質量部未満の場合、ガス透過性能が低下するよ
うになり、10質量部を越える場合、下地調整材の強度
及び下地基材への接着力が低下するおそれがある。
【0022】その他、減水剤は下地調整材の流動性を変
えることなく、単位水量を減らすために用いられる混和
剤であり、一般にコンクリートの混和剤として使用され
ているものが用いられる。また、界面活性剤は下地調整
材の流動性を調整したり、接着性や強度を高めたりする
ために配合され、カチオン性界面活性剤、非イオン界面
活性剤などが用いられる。消泡剤は下地調整材の発泡を
抑制するために配合され、増粘剤は下地調整材の粘度を
高めて塗工性を向上させると同時に、下地基材表面の不
陸調整を容易に行うために用いられる。この増粘剤とし
ては、例えばメチルセルロース、ポリエチレンオキサイ
ドなどが挙げられる。
【0023】次に、上塗り塗料には数平均分子量100
0〜20000である水酸基を有するビニル重合体と、
ポリイソシアネートとが含まれている。水酸基を有する
ビニル重合体は、その水酸基がポリイソシアネート中の
イソシアネート基とウレタン化反応して硬化物を生成す
るものである。そのビニル重合体としては、水酸基を有
する(メタ)アクリレート〔以下、水酸基含有(メタ)
アクリレートという〕の1種類以上と、その他のエチレ
ン性不飽和基を有する単量体(以下、エチレン性不飽和
単量体という)の1種類以上との共重合体が好ましい。
なお、本明細書ではアクリルとメタクリルを(メタ)ア
クリルと総称する。
【0024】水酸基含有(メタ)アクリレートとして
は、種々のものが使用でき、例えばヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びグリセリ
ンモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのモノ
又はポリ(メタ)アクリレート、並びにシクロヘキセン
オキシドと(メタ)アクリル酸との付加物等のエポキシ
ドと(メタ)アクリル酸との付加物等の分子中に水酸基
を1個ないし複数個有する(メタ)アクリレートが挙げ
られる。
【0025】エチレン性不飽和単量体は、前記水酸基含
有(メタ)アクリレート以外のものであれば種々のもの
が使用でき、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、酢酸ビニル及び水酸基を有しない
(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基を有しな
い(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0026】水酸基を有するビニル重合体はその数平均
分子量が1000〜20,000であり、1,000〜
10,000のものが好ましい。この数平均分子量が1
000未満の場合には、上塗り塗料を下塗り層上に厚塗
りできなかったり、上塗り層が柔軟性に劣るものとなっ
たりする。他方、20,000を越える場合には、上塗
り塗料の粘性が高くなり、塗工等の際の作業性に劣るも
のとなる。
【0027】本明細書において、数平均分子量(以下、
必要によりMnと略記する)及び重量平均分子量(以
下、必要によりMwと略記する)とは、溶媒としてテト
ラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロ
マトグラフィ(以下、GPCと略記する)により測定し
た分子量をポリスチレンに換算した値である。
【0028】また、水酸基を有するビニル重合体として
は、水酸基価が10〜400mgKOH/gのものが好
ましく、50〜300mgKOH/gのものがより好ま
しい。この水酸基価が10mgKOH/g未満の場合、
ポリイソシアネートとの反応が不十分で硬化不良になっ
たり、得られる塗膜(上塗り層)の耐薬品性、耐磨耗性
及び引張物性に劣る傾向がある。逆に、400mgKO
H/gを越える場合、得られる上塗り層が脆いものとな
る傾向がある。
【0029】さらに、水酸基を有するビニル重合体とし
てはガラス転移温度(以下、Tgという)が−70〜3
0℃であるものが好ましく、−60〜20℃であるもの
がより好ましい。Tgが−70℃より低い場合には、得
られる上塗り層の強度が劣る傾向となる。また、Tgが
30℃を越える場合には、上塗り層が脆くなる傾向にあ
る。
【0030】水酸基含有(メタ)アクリレートとエチレ
ン性不飽和単量体の共重合体としては、従来知られてい
る方法、例えば塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等
の方法により、必要に応じて重合溶媒、ラジカル重合開
始剤及び連鎖移動剤の存在下に、水酸基含有(メタ)ア
クリレートとエチレン性不飽和単量体とを加熱攪拌する
ことにより製造される。
【0031】この場合、反応温度は使用する単量体、ラ
ジカル重合開始剤の有無や種類、重合溶媒の有無や沸点
等により適宜選択すればよいが、通常は50〜350℃
が適当である。50℃未満の場合には、得られる重合体
の分子量が大きくなり過ぎたり、反応速度が遅くなって
しまうことがあり、他方350℃を越える場合には、分
解反応が生成して反応液に着色が見られたりすることが
ある。150〜350℃で重合させる場合には、ラジカ
ル重合開始剤や連鎖移動剤を使用しないで又は少量の使
用により目的分子量の重合体を得やすく、これらに由来
する不純物濃度を小さくでき、上塗り層が耐候性の良好
なものとなるため好ましい方法である。
【0032】ラジカル重合開始剤は特に限定されない
が、一般的に熱重合で使用されるアゾ系の重合開始剤及
び過酸化物系の重合開始剤等が挙げられる。アゾ系の重
合開始剤としては、例えば2,2'−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニ
トリル)及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等が挙げられる。過酸化物系の重合開始
剤としては、過酸化水素、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド及びベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。熱重
合開始剤の使用量は、水酸基含有(メタ)アクリレート
とエチレン性不飽和単量体の合計量100質量部に対し
て、0.01〜10質量部であることが好ましい。
【0033】重合溶媒も特に限定されないが、生成した
共重合体を溶解できるものであれば良い。例えば、トル
エン及びキシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢
酸ブチル、セルソルブアセテート、メチルプロピレング
リコールアセテート、カルビトールアセテート及びメチ
ルプロピレングリコールアセテート、カルビトールアセ
テート及びエチルカルビトールアセテート等の酢酸エス
テル、並びにアセトン及びメチルエチルケトン等のケト
ン類等が挙げられる。重合溶媒の使用量は、得られる共
重合体の固形分濃度として10〜90質量%となる量で
あることが好ましい。
【0034】特に、150〜350℃の連続重合(以
下、高温連続重合という)させる方法は、分子量分布の
揃った共重合体、つまりMw/Mnが1.2〜3.0の
範囲のものを得やすく、組成物の粘度や硬化物の物性
(強度、伸び等)のバランスが良好なものを得やすいた
め好ましい。
【0035】高温連続重合法としては、特開昭57−5
02171号、同59−6207号、同60−2150
07号等の各公報に開示された公知の方法に従えば良
い。例えば、加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧下
で所定温度に設定した後、水酸基含有(メタ)アクリレ
ートとエチレン性不飽和単量体、及び必要に応じて重合
溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器
へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の反応液を
抜き出す方法が挙げられる。
【0036】重合溶媒を使用する場合、反応開始前に反
応器に仕込む溶媒と単量体混合物に混合する重合溶媒は
同一であっても異なっていてもよい。反応開始前仕込み
溶媒又は重合溶媒としては、前記例示のものと同様のも
のが使用できる他、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール及びトリプロピレングリコール等のグリコール類、
これらのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル等
を使用することができる。重合溶媒の配合割合として
は、単量体混合物100質量部に対して200質量部以
下であることが好ましい。
【0037】また、単量体混合物には、必要に応じてラ
ジカル重合開始剤を配合することもでき、前記例示のも
のと同様のものが使用できる。熱重合開始剤を単量体混
合物に配合する場合の配合量としては、単量体混合物1
00質量部に対して0.001〜5質量部であることが
好ましい。
【0038】反応圧力は、反応温度と使用する単量体混
合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及
ぼさないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよ
い。単量体混合物の滞留時間は、2〜60分であること
が好ましい。滞留時間が2分に満たない場合には単量体
の反応率が低くなることがあり、60分を越える場合に
は、水酸基を有するビニル重合体の生産性が悪くなって
しまうことがある。
【0039】50℃以上150℃未満で重合させる方法
には、重合体製造設備が比較的安価なもので済むという
利点がある。この場合、水酸基含有(メタ)アクリレー
トとエチレン性不飽和単量体とからなる単量体混合物を
一括して重合することもできるが、それらの単量体混合
物の一部を重合溶媒及びラジカル重合開始剤を仕込んだ
反応器に添加して反応を開始した後、残りの単量体混合
液を反応液に滴下する重合方法が、得られる水酸基を有
するビニル重合体の分子量分布を小さくするために好ま
しい。
【0040】次に、ポリイソシアネートは水酸基を有す
るビニル重合体とウレタン化反応して硬化物を生成する
ものである。このポリイソシアネートとしては特に溶剤
で希釈する必要のない、常温で液状のものが好ましい。
【0041】具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート及び水添ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等、並びにこれらのビュレット体、イソシアヌレート
体及びカルボジイミド変性物等の芳香環を有しない脂肪
族系ポリイソシアネートが硬化物の耐候性を優れたもの
にするため好ましい。
【0042】また、これら以外にも、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソ
シアネート、液状ジフェニルメタンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネート及びナフ
タレンジイソシアネート等、並びにこれらのビュレット
体、イソシアヌレート体及びカルボジイミド変性物等の
種々のポリイソシアネートが使用可能である。これらの
ポリイソシアネートは、2種以上を併用することもでき
る。
【0043】これらのポリイソシアネートと水酸基を有
するビニル重合体との配合割合は、ビニル重合体中の水
酸基に対するポリイソシアネート中のイソシアネート基
の当量比として0.5〜2.0であることが好ましく、
0.7〜1.5であることがより好ましい。また、上塗
り塗料が後述する低分子量多価アルコールを添加された
ものである場合には、ビニル重合体中の水酸基と低分子
量多価アルコール中の水酸基の合計量に対するイソシア
ネート基の当量比として0.5〜2.0であることが好
ましく、0.7〜1.5であることがより好ましい。こ
の当量比は0.5より小さい場合には、得られる上塗り
層の強度が低く、耐薬品性等にも劣るものになるので、
0.5以上であることが好ましい。また、当量比が2.
0を越える場合には、得られる上塗り層が高湿度下で発
泡しやすいため不適当である。
【0044】また、上塗り塗料には得られる上塗り層の
機械的物性を向上させる目的で、低分子量多価アルコー
ルを配合することが好ましい。低分子量多価アルコール
とは、分子中の炭素数の合計が2〜8の多価アルコール
を意味する。この低分子量多価アルコールの具体例とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、3-メチル1,5-ペンタン
ジオール、ビスフェノールA、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、グリセリン及びソルビトール
等が挙げられる。これらの低分子量多価アルコールは、
2種以上を併用することもできる。
【0045】低分子多価アルコールを配合する場合の好
ましい割合は、水酸基含有重合体100質量部に対して
0.1〜50質量部であり、より好ましい割合は1〜3
0質量部である。この割合が0.1質量部より少ない場
合には、得られる上塗り層の機械的物性を向上させる効
果が十分ではなく、50質量部より多い場合には、得ら
れる上塗り層が硬く脆いものとなることがある。
【0046】さらに、上塗り塗料には吸水剤を配合する
ことが好ましく、かかる吸水剤により上塗り塗料中又は
空気中の水分がポリイソシアネートと反応し、炭酸ガス
を発生して発泡するのを抑制することができる。従っ
て、吸水剤を配合することにより、得られる上塗り層表
面の化粧性、上塗り層の強度、下塗り層に対する上塗り
層の接着性を保持することができる。この吸水剤として
は、物理的に水を吸着するゼオライト、粉末状シリカゲ
ルや、化学的に水を吸着する酸化カルシウム、無水セッ
コウ、セメント等が使用できる。吸水剤の配合割合は、
水酸基を有するビニル重合体100質量部に対して好ま
しくは0.01〜100質量部、より好ましくは1〜3
0質量部である。この割合が0.01質量部より少ない
場合には、発泡抑制効果が十分に発揮されず、100質
量部より多い場合には、得られる上塗り層が硬く脆いも
のとなることがある。
【0047】また、上塗り塗料は、ポリイソシアネート
が芳香環を有しないものである場合には、硬化性を速め
るために触媒が添加されたものであるのが好ましい。こ
の触媒としては、トリエチルアミン、N,N-ジメチルシク
ロヘキシルアミン、N,N,N'N'- テトラメチルエチレンジ
アミン、N,N,N'N'- テトラメチルプロパン 1,3- ジアミ
ン、N,N,N'N'- テトラメチルヘキサン-1,6- ジアミン、
N,N,N',N''N''-ペンタメチルジエチレントリアミン、
N,N,N',N''N''- ペンタメチルジプロピレン- トリアミ
ン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、
N,N'- ジメチルピペラジン、N,- メチル,N'-(2- ジメチ
ルアミノ)- エチルピペラジン、N-メチルモルホリン、N
・ (N'-ジメチルアミノエチル)-モルホリン、1,2-ジメ
チルイミダゾール、ジメチルアミノエタノール、ジメチ
ルアミノエトキシエタノール、N,N,N'- トリメチルアミ
ノエチル- エタノール、N-メチル-N'-(2ヒドロキシエチ
ル)- エタノールアミン、N-メチル-N'-(2-ヒドロキシ
エチル)- ピペラジン、N-(2-ヒドロキシエチル)モル
ホリン、ビス(2- ジメチルアミノエチル)エーテル及び
エチレングリコールビス(3- ジメチル)-アミノプロピル
エーテル等のアミン系触媒、オクテン酸鉛、オクチル酸
鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチ
ド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマ
レート、ジオクチル錫メルカプチド及びジオクチル錫チ
オカルボキシレート等の有機金属化合物、並びに炭酸カ
ルシウム及び重炭酸ソーダ等が挙げられる。これらの中
でも、有機金属化合物を使用することが、ウレタン化反
応の反応性に優れるため好ましい。
【0048】これら触媒の添加量としては、水酸基を有
するビニル重合体100質量部に対して0.001〜1
0質量部が好ましく、0.001〜3質量部がより好ま
しい。組成物に触媒を配合する場合には、まずポリイソ
シアネートを除いた混合物に触媒を配合し、その後ポリ
イソシアネートを混合することが、副反応を低減させる
ことができるため好ましい。
【0049】また、上塗り塗料には、その流動性を調整
してタレ性や塗工作業性を改善したり、塗膜の強度を高
めたりするために充填剤が配合される。この充填剤とし
ては、硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、マイカ、カオ
リンクレー及び炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤
の含有量は、水酸基を有するビニル重合体に対する質量
比で1よりも大きく、100以下であることが望まし
い。この質量比が1以下では上塗り塗料の流動性を調整
したり、上塗り層の強度を高めたりする効果が低くな
り、100を越えると上塗り塗料の流動性が低くなり過
ぎたり、上塗り層が脆くなったりして好ましくない。
【0050】この発明の上塗り塗料には、上記成分の
他、必要に応じて、セピオライト、アタパルジャイト、
ボラストナイト等の天然鉱物繊維、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、フェノール繊維、ポリビニルアルコ
ール繊維等の人造繊維、有機系増粘剤等の増粘及びタレ
防止剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グ
リーン、酸化チタン、カーボンブラック及び酸化鉄等の
着色用顔料、カルボジイミド系、アゾジカルボキシリッ
ク酸エステル系及び脂肪酸アマイド系等の加水分解防止
剤、立体障害をもったフェノール系、芳香族ジアミン等
の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系及びサルチル酸系等の紫外線吸収剤、シリコーン系、
アクリル系及び鉱物系等の消泡剤、並びにレベリング剤
等を配合することができる。
【0051】これらの成分を配合する場合の配合割合と
しては、水酸基を有するビニル重合体100質量部に対
して、100質量部以下であることが好ましい。水酸基
を有するビニル重合体、吸水剤及び低分子量多価アルコ
ールの混合物は、さらに触媒及びその他の配合物を配合
した後、ポリイソシアネートを配合する前に、脱水操作
を行うことが好ましい。当該脱水操作を行うことによ
り、水酸基を有するビニル重合体、吸水剤及び低分子量
多価アルコールに含有される水分とポリイソシアネート
との反応に起因する組成物の発泡防止を効果的に達成す
ることができる。脱水操作の方法としては、真空脱水法
等が挙げられる。
【0052】前述の下地調整材は下地基材上に塗工さ
れ、その上にはさらに上塗り塗料が塗工される。下地基
材としては、コンクリート、モルタルで代表される無機
質基材などが挙げられる。また、下地調整材及び上塗り
塗料の塗工方法としては、ローラ、レーキ、コテ及びス
プレー等の方法が採用され、また注入又は充填方法とし
ては、コーキングガン、ヘラ、スパチュラ及びコテ等を
使用する方法が挙げられる。このようにして、下地基材
上には、下塗り層とその上の上塗り層とからなる塗膜が
形成される。以上のような塗膜の形成方法は、塗料、防
水材、壁材及び塗り床材等のコーティング方法並びにシ
ーリング材等のシーリング方法に好適に適用される。
【0053】・ 以上のように、実施形態で詳述した塗
膜の形成方法によれば、下地基材上には下塗り層を形成
する下塗り塗料としてポリマーセメントモルタルを用い
ることから、下地基材に対して不陸調整がなされ、良好
な表面性が確保される。しかも、ポリマーセメントモル
タル中には接着性の良いアクリル樹脂エマルジョン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンなどが含まれ
ているとともに、上塗り塗料には水酸基を有するビニル
重合体とポリイソシアネートとが反応して接着性の良い
アクリルウレタン重合体が形成されることから、プライ
マーを用いることなく、下塗り層に対する上塗り層の接
着性を向上させることができる。
【0054】加えて、ポリマーセメントモルタルによる
下塗り層によって下地基材からの水分が遮断されるた
め、上塗り層の発泡性を抑制してその耐久性を向上させ
ることができる。その他以下のような実施形態特有の効
果を発揮することができる。
【0055】・ 水酸基を有するビニル重合体として、
特に数平均分子量が500〜20000のものを使用す
ることにより、上塗り塗料を低粘度にすることができ、
塗工時における作業性を向上させることができる。
【0056】・ 上塗り塗料は、上記のように低粘度に
でき、有機溶剤を使用しない無溶剤系の組成物として使
用できるため、臭気等の問題を抑制することができると
同時に、上塗り層を厚膜化することができる。
【0057】・ 上塗り塗料を形成する水酸基を有する
ビニル重合体が150〜350℃の高温重合法によって
得られたものである場合、それに燐酸エステルを添加す
ることで上塗り塗料が硬化するまでの時間(可使時間)
を長くすることができ、塗工作業性を向上させることが
できる。
【0058】・ 水酸基を有するビニル重合体を形成す
るための水酸基含有(メタ)アクリレートとして、ヒド
ロキシエチルメタクリレートを用いた場合、ヒドロキシ
エチルアクリレートを用いた場合に比べ、水酸基を有す
るビニル重合体とポリイソシアネートとの反応硬化物
(上塗り層)の耐加水分解性が優れたものとなる。
【0059】・ ポリマーセメントモルタルがアルミナ
セメントを好ましくは50質量%以上含有することによ
り、下地調整材を水に浸しておいて取り出した下地基材
上に塗工して下塗り層を形成し、高湿度の下で養生し、
上塗り塗材を塗工して高湿度の下で養生しても、接着性
に優れている。さらに、かかる下地調整材を半ば(コン
クリート板の厚さの半分の深さまで)水に浸したコンク
リート板に塗工しても、上塗り塗材による上塗り層の発
泡、膨れを防止することができる。このように、下塗り
層と上塗り層との接着性をより一層向上させることがで
きる。
【0060】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を挙げ、前
記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、以下の各
例において「部」は質量部を、「%」は質量%を意味す
る。 (製造例1、高温連続重合法による水酸基を有する重合
体の製造)電熱式ヒータを備えた容量300mlの加圧
式攪拌槽型反応器を、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルで満たし、温度を250℃にして、圧力調節器
により圧力をゲージ圧で2.45〜2.65MPa(2
5〜27kgf/cm2)に保った。
【0061】次いで、反応器の圧力を一定に保ちなが
ら、水酸基含有(メタ)アクリレートとして2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート16部及び2−ヒドロキシエ
チルアクリレート20部、エチレン性不飽和単量体とし
て2−エチルヘキシルアクリレ−ト54部及びスチレン
10部からなる単量体混合物A−1を、一定の供給速度
(23g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反
応器に連続供給を開始し、単量体混合物A−1の供給量
に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。反応
開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による
温度上昇が認められたが、ヒータを制御することによ
り、反応温度を270〜271℃に保持した。
【0062】単量体混合物A−1の供給開始後に温度が
安定した時点を、反応液の抜き出し開始点とし、これか
ら50分反応を継続した結果、1150部の単量体混合
液A−1を供給し、1130部の反応液を回収した。
【0063】次いで、反応液を薄膜蒸発器に導入して未
反応単量体等の揮発成分を分離し、990部の濃縮液
(水酸基を有するビニル重合体としての共重合体B−
1)を得た。ガスクロマトグラフより、濃縮液中には未
反応単量体は存在していないことを確認した。溶媒とし
てテトラヒドロフランを使用し、GPC(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ)より求めた分子量をポリスチ
レン換算した共重合体B−1の数平均分子量(以下、M
nと略する)は2,000、重量平均分子量(以下、M
wと略する)は3,600、Mw/Mnは1.80であ
った。また、濃縮液の水酸基価は173mgKOH/g
であった。 (実施例1) <上塗り塗料Aの製造>前記共重合体B−1の100部
(2.34meq/g)と、ポリイソシアネートとして
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体
〔スミジュールN3500、NCO基含有量5.14m
eq/g、住友バイエルウレタン(株)製〕をNCO/
OH当量比1.05で添加し、十分攪拌して上塗り塗料
Aを製造した。 <試験体の作製>アロンカチオクリートベース(30%
アクリル樹脂エマルション、東亞合成(株)製)3部、水
1.5部、普通ポルトランドセメント10部、砂10
部、ガラス繊維0.1部及び減水剤0.1部を混合し、
ポリマー/セメント比が0.09(9%)のポリマーセ
メントモルタルCを調製した。そして、このポリマーセ
メントモルタルCをコンクリート板に2kg/m2の厚
さに塗工し、20℃、湿度60%で14日養生した。こ
の上に、上塗り塗料Aを1kg/m2の厚さに塗工し、
20℃、湿度60%で7日養生して試験体を得た。
【0064】得られた試験体について、以下の方法に従
って評価を行った。その結果を表1に示す。 <評価> (接着強度)試験体の接着強度を建研式引張試験機を用
いて測定した。また、試験体を20℃の水に30日間又
は60℃の水に7日間浸漬後、同様に接着強度を測定し
た。 (ピーリング試験)試験体の上塗り塗料による塗膜の一
部をカッターなどで切除し、この部分からスパーテル、
指などで上塗り塗料を剥がし、剥げ方を観察した。な
お、表1における○、△、×は以下の意味を表す。
【0065】○;剥げ難い、△;下地調整材と上塗り塗
料による塗膜の界面で剥げる又はこの界面以外で容易に
剥げる、×;この界面で容易に剥げる。 (発泡性)水中に3日間浸漬しておいたコンクリート板
の表面水分を拭き取り、ポリマーセメントモルタルCを
2kg/m2塗工し、40℃、湿度90%で14日養生
した。この上に、上塗り塗料Aを1kg/m2の厚さに
塗工し、40℃、湿度90%で1日間養生し、表面状態
を目視により観察した。なお、表1における○、×は以
下の意味を示す。
【0066】○;外観に異常無し、×;全面に発泡又は
ピンホール、穴が見られる。 (実施例2)アロンカチオクリートベース2部、水2
部、普通ポルトランドセメント10部、砂10部、ガラ
ス繊維0.1部及び減水剤0.1部を混合し、ポリマー
/セメント比が0.06(6%)のポリマーセメントモ
ルタルDを調製し、コンクリート板に2kg/m2の厚
さに塗工し、20℃、湿度60%で14日養生した。こ
の上に、上塗り塗料Aを1kg/m2の厚さに塗工し、
20℃、湿度60%で7日養生して試験体を得た。
【0067】得られた試験体について、実施例1と同様
に評価を行った。その結果を表1に示す。 (実施例3)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョ
ン(昭和高分子(株)製ポリゾール)70部、非イオン性
界面活性剤(花王(株)製エマルゲン985)1部、消泡
剤(サンノプコ(株)製SNデフォーマー)1部、増粘剤
(信越化学(株)製ハイメトローズ)1部、水50部、普
通ポルトランドセメント200部、砂200部、減水剤
1部及びガラス繊維1部を混合し、ポリマー/セメント
比が0.15(15%)のポリマーセメントモルタルE
を調製した。そして、このポリマーセメントモルタルE
をコンクリート板に2kg/m2の厚さに塗工し、20
℃、湿度60%で14日養生した。この上に、上塗り塗
料Aを1kg/m2の厚さに塗工し、20℃、湿度60
%で7日養生して試験体を得た。
【0068】得られた試験体について、実施例1と同様
に評価を行った。その結果を表1に示す。 (実施例4)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョ
ン(昭和高分子(株)製ポリゾール)70部、非イオン性
界面活性剤(花王(株)製エマルゲン985)1部、消泡
剤(サンノプコ(株)製SNデフォーマー)1部、増粘剤
(信越化学(株)製ハイメトローズ)1部、水50部、ア
ミノ系シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製A
−1100)1部、普通ポルトランドセメント200
部、砂200部、減水剤1部及びガラス繊維1部を混合
し、ポリマー/セメント比が0.15(15%)のポリ
マーセメントモルタルFを調製した。そして、このポリ
マーセメントモルタルFをコンクリート板に2kg/m
2の厚さに塗工し、20℃、湿度60%で14日養生し
た。この上に、上塗り塗料Aを1kg/m2の厚さに塗
工し、20℃、湿度60%で7日養生して試験体を得
た。
【0069】得られた試験体について、実施例1と同様
に評価を行った。その結果を表1に示す。 (比較例1)上述のポリマーセメントモルタルCをコン
クリート板に2kg/m2の厚さに塗工し、20℃、湿
度60%で14日養生した。この上に、上塗り塗料G
(ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを主
成分とする屋上防水材)を1kg/m2の厚さに塗工
し、20℃、湿度60%で7日養生して試験体を得た。
【0070】得られた試験体について、実施例1と同様
に評価を行った。その結果を表1に示す。 (比較例2)コンクリート板上に直接上塗り塗料Aを1
kg/m2の厚さに塗工し、20℃、湿度60%で7日
養生して試験体を得た。得られた試験体について、実施
例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】 表1に示したように、実施例1〜4では、下塗り層に対
する上塗り層の接着強度に優れ、剥がれもほとんどな
く、上塗り層における発泡もない。実施例4は60℃の
水に浸漬後の接着強度の低下が少ない。その理由は、下
地調整材がシランカップリング剤を添加されたものであ
るためと推測している。これに対し、上塗り塗料がこの
発明の範囲外である場合(比較例1)、下塗り層に対す
る上塗り層の接着強度が低く、剥がれも発生する。ま
た、下地調整材を用いない場合(比較例2)、下塗り層
に対する上塗り層の接着強度が低く、剥がれも見られ、
しかも上塗り層で発泡する。 (実施例5)ポリマーセメントモルタルFのセメントを
アルミナセメントに置き替えてポリマーセメントモルタ
ルGを調製した。そして、ポリマーセメントモルタルG
を、水中に7日浸漬しておいたコンクリート板に2kg
/m2の厚さに塗工し、20℃、湿度95%で1日養生
した。この上に上塗り塗材Aを1kg/m2の厚さに塗
工し、20℃、湿度95%で7日養生して試験体を得
た。
【0072】得られた試験体について、実施例1の接着
強度及びピーリング試験を行った。その結果を表2に示
す。また、水中に7日浸漬しておいた30×30cm、
厚さ6cmのコンクリート板を、水を張ったバットに3
cm程度水に浸るように置き、上面を軽く拭いた後、ポ
リマーセメントモルタルGを2kg/m2の厚さに塗工
し、20℃、湿度50%で1日養生した。この上に上塗
り塗材Aを1kg/m2の厚さに塗工し、20℃、湿度
50%で7日養生して外観観察(半没養生での発泡性評
価)を行った。その結果を表2に示す。評価結果は以下
のことを意味する。
【0073】○:外観に異常なし。△:一部に発泡、ピ
ンホール又は穴が見られた。 (実施例6)ポリゾール70部、エマルゲン985 1
部、SNデフォーマー1部、ハイメトローズ1部、水5
0部、A−1100 1部、中庸熱ポルトランドセメン
ト80部、アルミナセメント100部、石膏20部、砂
20部、減水剤0.2部を混合し、ポリマー/セメント
の質量割合が17%のポリマーセメントモルタルHを調
製した。そして、実施例5と同様の試験体を作製し、同
様の評価を行った。その結果を表2に示す。 (実施例7〜10)ポリマーセメントC、D、E及びF
を用い、実施例5と同様の試験体を作製し、同様の評価
を行った。その結果を表2に示す。
【0074】
【表2】 表2に示したように、実施例5及び6では、下地調製材
と上塗り塗料の接着強度に優れ、剥れもほとんどなく、
半没養生での発泡もない。これに対し、アルミナセメン
トを全く含まないポリマーセメントを用いた実施例7〜
10では、接着強度、ピーリング試験結果及び半没養生
での発泡性が実施例5及び6に比べてやや悪かった。ち
なみに、実施例7〜10では、同様の構成の塗膜を有す
る実施例1〜4に比べて評価結果が悪いが、これは試験
条件が厳しいためである。
【0075】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記ポリイソシアネートは常温で液状で、芳香環を
有しない脂肪族系ポリイソシアネートである請求項1か
ら請求項4のいずれか一項に記載の塗膜の形成方法。こ
の方法によれば、ポリイソシアネートを溶剤で希釈する
必要がなく、上塗り層の耐候性を優れたものにすること
ができる。
【0076】・ ポリマーセメントモルタルがカチオン
性アクリル樹脂エマルジョンを含有するものである請求
項1から請求項4のいずれか一項に記載の塗膜の形成方
法。この方法によれば、下塗り層の接着性、耐候性及び
耐久性を向上させることができる。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
以下のような効果が発揮される。請求項1に記載の発明
の塗膜の形成方法によれば、プライマーを用いることな
く、下地基材上に形成される下塗り層とその上に形成さ
れる上塗り層との接着性を向上させることができるとと
もに、発泡性を抑制して耐久性を向上させることができ
る。
【0078】請求項2に記載の発明の塗膜の形成方法に
よれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、上塗り層
中におけるラジカル重合開始剤や連鎖移動剤などの不純
物の濃度を小さくでき、上塗り層の耐候性を良好なもの
とすることができる。
【0079】請求項3に記載の発明の塗膜の形成方法に
よれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加
え、下塗り層と上塗り層との接着性が特に良好なものと
することができる。
【0080】請求項4に記載の発明の塗膜の形成方法に
よれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の
発明の効果に加え、下塗り層と上塗り層との接着性をよ
り一層向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 治之 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社内 (72)発明者 森 泰彦 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA13 DB12 DC05 EA05 EA13 EB03 EB20 EB38 EB52

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーセメントモルタルからなる下地
    調整材を下地基材上に塗工して下塗り層を形成する工程
    と、下塗り層上に数平均分子量1000〜20000で
    ある水酸基を有するビニル重合体及びポリイソシアネー
    トを含有する上塗り塗料を塗工して上塗り層を形成する
    工程とを含むことを特徴とする塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 水酸基を有するビニル重合体が150〜
    350℃の温度でビニル単量体を重合させて得られるも
    のである請求項1に記載の塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 下地調整材がシランカップリング剤をも
    含有するものである請求項1又は請求項2に記載の塗膜
    の形成方法。
  4. 【請求項4】 ポリマーセメントモルタルがアルミナセ
    メントを含有するものである請求項1から請求項3のい
    ずれか一項に記載の塗膜の形成方法。
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