JP2002171978A - 劇症c型肝炎ウイルス株の遺伝子 - Google Patents
劇症c型肝炎ウイルス株の遺伝子Info
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Abstract
ウイルスゲノム配列を解明し、その遺伝子配列検索の手
がかりを提供すること。 【解決手段】 C型肝炎ウイルス劇症肝炎株の全ゲノム
配列及びアミノ酸配列に関する。かかる全ゲノム配列
は、従来のHCV株が有する遺伝子情報と異なる遺伝子
情報を有するものであり、そのような遺伝子を解明する
ことにより、新たなHCVウイルスの遺伝子診断法の確
立、更にはHCVウイルスによる劇症肝炎に対する治療
方法の開発への指針を与えるものである
Description
による劇症肝炎を罹患した患者より検出されたC型肝炎
ウイルスの遺伝子及び該遺伝子によりコードされるポリ
ペプチドに関する。
上がウイルス性肝炎といわれているが、そのなかでもA
型肝炎ウイルス(HAV)又はB型肝炎ウイルス(HB
V)によるものが多く、C型肝炎ウイルス(HCV)に
よるものはそれ程多いものではない。しかしながら、稀
ではあるが、HCV感染による劇症肝炎も報告されてお
り、したがってHCVは、劇症肝炎を発症する原因ウイ
ルスともなり得る可能性を秘めている。
肝炎と異なり、一般的には、HCVに感染しても、強い
急性肝炎となることは少なく、感染の急性期であって
も、まったく無症状のまま進行し、その後に慢性感染す
ることが多い。したがって、他のウイルス感染症におけ
る強毒、弱毒株の相違が、ウイルスゲノムの突然変異に
よることなどから考えると、一般的に前記のような慢性
感染の経過を示すHCVと、劇症肝炎を発症させるHC
Vとの間には、ウイルスゲノム上に遺伝子情報の違いが
あるものと推測することができる。
による劇症肝炎患者から分離したHCVの全ウイルスゲ
ノムをクローニングし、その配列を決定し、劇症肝炎を
引き起こすHCVの遺伝子を解明することは、新たなH
CVウイルスの培養法の確立、感染性HCVのcDNA
クローンの確立、HCVウイルスの病原性の相違を決定
する遺伝子領域の探索、又は新たなHCVウイルスの遺
伝子診断法の確立、更にはHCVウイルスによる劇症肝
炎に対する治療方法の開発等にとって、極めて重要なこ
とと考えられる。したがって、本発明は前記の点に鑑
み、劇症肝炎を発症させたC型肝炎ウイルスの全ウイル
スゲノム配列を解明して、その遺伝子配列検索の手がか
りを提供することを課題とする。
めに、本発明者は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染に
よる劇症肝炎患者から分離したHCVの全ウイルスゲノ
ムのクローニングし、その塩基配列を決定し、これまで
報告されているウイルスゲノム配列と比較を行った。そ
の結果、劇症C型肝炎患者から分離されたウイルス株
は、慢性肝炎患者から分離されたウイルス株とは異なる
遺伝子情報を有する、全長9678塩基長を有する、配
列番号1に示す塩基配列を有するものであり、該塩基配
列の341番から9439番に、配列番号2に示す30
33個のアミノ酸残基をコードする長い翻訳領域が存在
することを確認するとともに、配列番号2に示すアミノ
酸配列のうち、特にアミノ酸番号161〜191で表さ
れるアミノ酸配列が公知のHCVのものと異なる特徴的
部分であることを見出し、本発明を完成させた。
番号161〜191で表されるアミノ酸配列を含むポリ
ペプチド。 (2)アミノ酸残基数が31〜3033である前記
(1)に記載のポリペプチド。 (3)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプ
チド。 (4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリペプ
チドをコードする塩基配列を含むDNA。 (5)配列番号1に示す塩基配列のうち、ヌクレオチド
番号821〜913で表される塩基配列と同一又は相補
的な塩基配列を含むDNA。 (6)塩基数が93〜9678である前記(4)又は
(5)に記載のDNA。 (7)配列番号1に示す塩基配列と同一又は相補的な塩
基配列からなるDNA。
せたHCVのゲノム配列は、従来の慢性C型肝炎患者か
ら分離されたウイルス株とは異なった遺伝子情報を有す
ることから、その病原性が異なるものである。したがっ
て、本塩基配列の翻訳領域より、従来のHCV株とは異
なる遺伝子情報をもつ遺伝子配列を決定し、それを利用
することにより、前記する、新たなHCVウイルスの遺
伝子診断法の確立、更にはHCVウイルスによる劇症肝
炎に対する遺伝子治療法の開発に一つの指針を与えるも
のである。
Vについては、既に、クローニングされた遺伝子をもと
に作成された組換え体ウイルス蛋白質を抗原に用いて輸
血用血液中に存在する抗ウイルス抗体を検出する系が構
築されており(Kuo G. et al., Science, 244, 362 (19
89))、また、逆転写反応によりRNA遺伝子をそれと
相補的なcDNAに置換した後、その一部をポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)法によって増幅するというRT−
PCR法によってHCV遺伝子を高感度に検出する系が
確立されている(Okamoto H. et al., Japan. J. Exp.
Med., 60, 215(1990))。そして、これらの方法によっ
てHCVが感染している輸血用血液を発見することが可
能になっている。したがって、これらの方法に本発明を
適用することにより、従来法では検出することができな
かった劇症肝炎を発症させるHCVの検出が可能になる
と考えられる。
号2に示すアミノ酸番号1〜3033からなるアミノ酸
配列のうち、アミノ酸番号161〜191で表されるア
ミノ酸配列を含むものであり、該ポリペプチドを構成す
るアミノ酸残基の数は、通常31〜3033である。
すアミノ酸配列のうち、アミノ酸番号161〜191で
表されるアミノ酸配列が特に公知のHCVと異なる特徴
的部分である。したがって、前記アミノ酸配列以外の部
分においては、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は
付加されていてもよい。前記のアミノ酸の欠失、置換又
は付加は、出願前周知技術である部位特異的変異誘発法
により実施することができる。
又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドは、
Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edi
tion, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)
(以下「モレキュラー・クローニング第2版」とい
う。)、Current Protocols in Molecular Biology, Su
pplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)(以
下「カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー」という。)、Nucleic Acids Research,
10, 6487 (1982)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 6
409 (1982)、Gene, 34, 315 (1985)、Nucleic Acids Re
search, 13, 4431 (1985)、Proc. Natl. Acad.Sci. US
A, 82, 488 (1985)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81,
5662 (1984)、Science, 224, 1431 (1984)、WO85/0081
7、Nature, 316, 601 (1985)等に記載の方法に準じて調
製することができる。
ードする塩基配列を含むDNAであり、例えば、配列番
号1に示すヌクレオチド番号1〜9678からなる塩基
配列のうち、ヌクレオチド番号821〜913で表され
る塩基配列と同一又は相補的な塩基配列を含むDNAが
挙げられる。本発明のDNAの塩基数は、通常93〜9
678である。
ヌクレオチド番号821〜913で表される塩基配列と
同一又は相補的な塩基配列を含むDNAは、ヌクレオチ
ド番号821〜913で表される塩基配列を含む、配列
番号1に示す塩基配列の全配列又は部分配列からなるD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしう
るDNAを包含する。
ブリダイズしうるDNA」とは、前記ヌクレオチド番号
821〜913で表される塩基配列を含む、配列番号1
に示す塩基配列の全配列又は部分配列からなるDNAを
プローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション
法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンブロ
ットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得
られるDNAを意味し、具体的には、コロニー又はプラ
ーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、
0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリ
ダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC
(saline-sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶
液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエ
ン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィ
ルターを洗浄することにより同定できるDNAが挙げら
れる。
・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イ
ン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1: Cor
e Techniques, A Practical Approach, Second Editio
n, Oxford University Press(1995)等の実験書に記載さ
れている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイ
ズしうるDNAとしては、具体的には、前記ヌクレオチ
ド番号821〜913で表される塩基配列を含む、配列
番号1に示す塩基配列の全配列又は部分配列と少なくと
も80%以上の相同性を有するDNA、好ましくは95
%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
例えば、次のようにして行うことができる。劇症C型肝
炎患者の血清から全RNAを調製する方法として、酸性
グアニジンイソチオシアネート・フェノール・クロロホ
ルム(acid-guanidinium-isothiocyanate-phenol-chlor
oform; AGPC)法〔Analytical Biochemistry, 162, 156
(1987)、実験医学 9, 1937 (1991)、日本ジーン社製I
SOGEN−LS〕、チオシアン酸グアニジン−トリフ
ルオロ酢酸セシウム法〔Methods in Enzymology, 154,
3 (1987)〕等を用いることができる。
RNAを調製する方法として、オリゴ(dT)固定化セ
ルロースカラム法(モレキュラー・クローニング第2
版)やオリゴdTラテックスを用いる方法等を用いるこ
とができる。ファースト・トラック・mRNA単離キッ
ト〔Fast Track mRNA Isolation Kit;インビトロジェ
ン(Invitrogen)社製〕、クイック・プレップ・mRN
A精製キット〔Quick Prep mRNA Purification Kit;フ
ァルマシア(Pharmacia)社製〕等のキットを用いて血
清等から直接mRNAを調製することもできる。得られ
た全RNA又はmRNAを用い、常法によりcDNAラ
イブラリーを作製する。
レキュラー・クローニング第2版やカレント・プロトコ
ールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNACl
oning1: Core Techniques, A Practical Approach, Sec
ond Edition, Oxford University Press (1995) 等に記
載された方法、あるいは市販のキット、例えばマウス白
血病ウイルスリバーストランスクリプターゼ(Superscr
ipt II、Life Technologies社製;ロックビル、メリー
ランド)、スーパースクリプト・プラスミド・システム
・フォー・cDNA・シンセシス・アンド・プラスミド
・クローニング〔SuperScript Plasmid System for cDN
A Synthesis and Plasmid Cloning;ギブコBRL(Gib
co BRL)社製〕やザップ−cDNA・シンセシス・キッ
ト〔ZAP-cDNA Synthesis Kit、ストラタジーン社製〕を
用いる方法等が挙げられる。
ローニングベクターとしては、大腸菌K12株中で自律
複製できるものであれば、ファージベクター、プラスミ
ドベクター等いずれでも使用できる。具体的には、ZAP
Express〔ストラタジーン社製、Strategies, 5, 58 (19
92)〕、pBluescript II SK(+)〔Nucleic Acids Researc
h, 17, 9494 (1989)〕、Lambda ZAP II(ストラタジー
ン社製)、λgt10、λgt11〔DNA Cloning, A Practi
cal Approach, 1, 49 (1985)〕、λTriplEx (クローン
テック社製)、λExCell(ファルマシア社製)、pT7T31
8U(ファルマシア社製)、pcD2〔Mol. Cell. Biol., 3,
280 (1983)〕、pUC18〔Gene, 33, 103 (198
5)〕、pAMo〔J.Biol. Chem., 268, 22782-22787 (1
993) 、別名pAMoPRC3Sc(特開平05-336963号)〕等が挙
げられる。
coliに属する微生物であればいずれも用いることができ
る。具体的には、Escherichia coli XL1-Blue MRF'〔ス
トラタジーン社製、Strategies, 5, 81 (1992)〕、Esch
erichia coli C600〔Genetics, 39, 440 (1954)〕、Esc
herichia coli Y1088〔Science, 222, 778 (1983)〕、E
scherichia coli Y1090〔Science, 222, 778 (198
3)〕、Escherichia coli NM522〔J. Mol. Biol., 166,
1 (1983)〕、Escherichia coli K802〔J. Mol. Biol.,
16, 118 (1966)〕、Escherichia coli JM105〔Gene, 3
8, 275 (1985)〕、Escherichia coli SOLRTM Strain
(ストラタジーン社製)、Escherichia coli LE392(モ
レキュラー・クローニング第2版)等を用いることがで
きる。
リーに加え、市販のcDNAライブラリーも利用するこ
とができる。前記で作製したcDNAライブラリーよ
り、本発明のDNAを有するcDNAクローンを、アイ
ソトープ又は蛍光標識したプローブを用いたコロニー・
ハイブリダイゼーション法又はプラーク・ハイブリダイ
ゼーション法〔モレキュラー・クローニング第2版〕等
により選択することができる。
る塩基配列に基いたプライマーを用いて、PCR〔PC
R Protocols, Academic Press (1990)〕を利用した方
法でcDNAの一部を増幅した断片や、一部明らかにな
っている塩基配列に基いたオリゴヌクレオチドを利用す
ることができる。
端側及び3’末端側の両方の塩基配列がEST等により
明らかになっている場合には、その塩基配列に基いて調
製したプライマーを用いることができる。前記により選
択された本発明のDNAを有するcDNAクローンよ
り、前記の方法に準じてmRNAからcDNAを合成す
る。
加し、このアダプターの塩基配列と一部明らかになって
いる塩基配列に基づいたプライマーでPCRを行う5’
−RACE(rapid amplification of cDNA ends)及び
3’−RACE〔Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 85, 899
8 (1988)〕により、プライマーに用いた配列よりも5’
末端側及び3’末端側のcDNA断片を得ることができ
る。得られたcDNA断片をつなぎあわせることによ
り、本発明の全長DNAを取得することができる。
配列は、該DNA断片をそのまま又は適当な制限酵素等
で切断後常法によりベクターに組み込み、通常用いられ
る塩基配列解析方法、例えばサンガー(Sanger)らのジデ
オキシ法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463 (19
77)〕、あるいはパーキン・エルマー社(PerkinElmer:
373A・DNAシークエンサー)、ファルマシア社、
ライコア(LI-COR)社等の塩基配列分析装置を用いて分
析することにより決定することができる。
づき、DNA合成機で化学合成することにより目的とす
るDNAを調製することもできる。DNA合成機として
は、チオホスファイト法を利用した島津製作所社製のD
NA合成機、フォスフォアミダイト法を利用したパーキ
ン・ エルマー社製のDNA合成機model392等が
挙げられる。
AST 等の相同性検索プログラムを用いて、GenBank、EMB
L及びDDBJ等の塩基配列データベースを検索することに
より確認することができる。新規な塩基配列について
は、アミノ酸配列に変換した後、FASTA、フレーム
サーチ(FrameSearch)等の相同性検索プログラムを用
いて、GenPept 、PIR、Swiss-Prot等のアミノ酸配列デ
ータベースを検索することにより、相同性をもつ既存の
遺伝子を検索することができる。
NAを宿主細胞中で発現させ、本発明のポリペプチドを
製造するために、モレキュラー・クローニング第2版、
カレント・プロトコールズ・インモレキュラー・バイオ
ロジー等に記載された方法を用いることができる。すな
わち、本発明のDNAを適当な発現ベクターのプロモー
ター下流に挿入した組換えベクターを造成し、該ベクタ
ーを宿主細胞に導入することにより、本発明のポリペプ
チドを発現する形質転換体を取得し、該形質転換体を培
養することにより、本発明のポリペプチドを製造するこ
とができる。
胞、昆虫細胞、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現で
きるものであればいずれも用いることができる。発現ベ
クターとしては、前記宿主細胞において自律複製可能な
いしは染色体中への組込みが可能で、本発明のDNAを
転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用
いられる。
場合、本発明のポリペプチド遺伝子発現ベクターは原核
生物中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、
リボソーム結合配列、本発明のDNA及び転写終結配列
より構成された組換えベクターであることが好ましい。
プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
80(インビトロジェン社製)、pGEMEX−1(Pr
omega社製)、pQE−8(QIAGEN社製)、pKYP1
0(特開昭58−110600号)、pKYP200
〔Agric. Biol. Chem., 48, 669 (1984)〕、pLSA1
〔Agric. Biol. Chem., 53, 277 (1989)〕、pGEL1
〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 82, 4306 (1985)〕、
pBluescript II SK(-)(STRATAGENE社)、pTrs30
(FERM BP−5407)、pTrs32(FER
M BP−5408)、pGHA2(FERM BP−
400)、pGKA2(FERM B−6798)、p
Term2(特開平3−22979号、US46861
91、US4939094、US5160735)、p
KK233−3(アマシャム・ファルマシア・バイオテ
ク社製)、pGEX(Pharmacia社製)、pETシステ
ム(Novagen社製)、pSupex、pTrxFus(I
nvitrogen社)、pMAL−c2(New England Biolabs
社)等が挙げられる。
できるものであればいかなるものでもよい。例えば大腸
菌を宿主とした場合は、trpプロモーター(Ptrp)、la
c プロモーター(Plac)、PLプロモーター、T7プロモ
ーター、PRプロモーター等の、大腸菌やファージ等に
由来するプロモーター等が挙げられる。また、Ptrpを
2つ直列させたプロモーター(Ptrp×2)、tacプロモ
ーター、T7lacプロモーター、let I プロモーターのよ
うに人為的に設計改変されたプロモーター等も用いるこ
とができる。枯草菌を宿主とした場合は、枯草菌のファ
ージであるSPO1やSPO2のプロモーター、pen
Pプロモーター等が挙げられる。
ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列と開始コドンとの間を
適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミ
ドを用いることが好ましい。本発明のDNAの発現には
転写終結配列は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の
直下に転写終結配列を配置することが好ましい。
チア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバ
クテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス
属等に属する微生物、例えば、Escherichia coli XL1-B
lue、Escherichia coli XL2-Blue、Escherichia coli D
H1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY32
76、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM10
9、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.4
9、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、
Serratia ficaria、Serratia fonticola、Serratia liq
uefaciens、Serratia marcescens 、Bacillus subtilis
、Bacillus amyloliquefaciens、Brevibacterium ammm
oniagenes、Brevibacterium immariophilum ATCC1406
8、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Coryn
ebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium g
lutamicum ATCC14067、Corynebacterium glutamicum AT
CC13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC1387
0、Microbacterium ammoniaphilum ATCC15354、Pseudom
onas sp. D-0110等が挙げられる。
宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用い
ることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法
〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 2110 (1972)〕、
プロトプラスト法(特開昭63-248394号)、エレクトロ
ポレーション法〔Gene, 17, 107 (1982)、Molecular &G
eneral Genetics, 168, 111 (1979)〕等が挙げられる。
酵母菌株を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクタ
ーとして、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC3
7051)、YCp50(ATCC37419)、pHS19、pHS15等を用いる
ことができる。
できるものであればいずれのものを用いてもよく、例え
ば、PH05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモー
ター、ADHプロモーター、gal 1プロモーター、gal 10プ
ロモーター、ヒートショックポリペプチドプロモータ
ー、MFα1プロモーター、CUP 1プロモーター等のプロモ
ーターが挙げられる。
シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコ
スポロン属、シワニオミセス属、ピヒア属等に属する酵
母菌株が挙げられ、具体的には、Saccharomyces cerevi
siae、Schizosaccharomycespombe 、Kluyveromyces lac
tis、Trichosporon pullulans、Schwanniomyces alluvi
us、Pichia pastoris等が挙げられる。
にDNAを導入する方法であればいずれも用いることが
でき、例えば、エレクトロポレーション法〔Methods in
Enzymology, 194, 182 (1990)〕、スフェロプラスト法
〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 4889 (1984)〕、
酢酸リチウム法〔Journal of Bacteriology, 153, 163
(1983)〕等が挙げられる。
現ベクターとして、例えば、pcDNAI/Amp(イ
ンビトロジェン社製)、pcDNAI、pAMoERC3Sc、p
CDM8〔Nature, 329, 840 (1987)〕、pAGE10
7〔特開平3-22979号、Cytotechnology, 3, 133 (1990)
〕、pREP4(インビトロジェン社製)、pAGE
103〔Journal of Biochemistry, 101, 1307 (198
7)〕、pAMo、pAMoA、pAS3−3(特開平2-
227075号)等が用いられる。
できるものであればいずれも用いることができ、例え
ば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate ear
ly)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター又
はメタロチオネインのプロモーター、レトロウイルスの
プロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプ
ロモーター等が挙げられる。また、ヒトCMVのIE遺伝子
のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよい。
胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ
細胞、ヒトの細胞であるナマルバ(Namalwa)細胞又はN
amalwa KJM-1細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト白血病細
胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、チャイニーズ・ハム
スターの細胞であるCHO細胞、HBT5637(特開昭63-299
号)等が挙げられる。マウス・ミエローマ細胞として
は、SP2/0、NSO等、ラット・ミエローマ細胞としてはYB
2/0等、ヒト胎児腎臓細胞としてはHEK293(ATCC: CRL-15
73)等、ヒト白血病細胞としては、BALL-1等、アフリカ
ミドリザル腎臓細胞としてはCOS-1、COS-7等が挙げられ
る。
細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いるこ
とができ、例えば、エレクトロポレーション法〔Cytote
chnology, 3, 133(1990)〕、リン酸カルシウム法(特開
平2-227075号)、リポフェクション法〔Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 84, 7413 (1987)〕、Virology, 52, 456
(1973)に記載の方法等が挙げられる。
えばバキュロウイルス・イクスプレッション・ベクター
ズ、ア・ラボラトリー・マニュアル〔Baculovirus Expr
ession Vectors, A Laboratory Manual, W. H. Freeman
and Company, New York (1992)〕、モレキュラー・バ
イオロジー、ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular
Biology, A Laboratory Manual)、カレント・プロト
コールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Te
chnology, 6, 47 (1988)等に記載された方法によって、
ポリペプチドを発現することができる。
ュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清
中に組換えウイルスを得た後、更に組換えウイルスを昆
虫細胞に感染させ、ポリペプチドを発現させることがで
きる。該方法において用いられる遺伝子導入ベクターと
しては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(と
もにインビトロジェン社製)等が挙げられる。バキュロ
ウイルスとしては、例えば、夜盗蛾科昆虫に感染するウ
イルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレ
アー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californ
ica nuclear polyhedrosis virus) 等を用いることがで
きる。
aの卵巣細胞、Trichoplusia niの卵巣細胞、カイコ卵巣
由来の培養細胞等を用いることができる。Spodoptera f
rugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21(バキュロウイ
ルス・イクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラト
リー・マニュアル)等、Trichoplusia niの卵巣細胞と
してはHigh 5、BTI-TN-5B1-4(インビトロジェン社製)
等、カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mori N4
等が挙げられる。
胞への前記組換え遺伝子導入ベクターと前記バキュロウ
イルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウ
ム法(特開平2-227075号)、リポフェクション法〔Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 7413 (1987)〕等が挙げ
られる。遺伝子の発現方法としては、直接発現以外に、
モレキュラー・クローニング第2版に記載されている方
法等に準じて、分泌生産、融合蛋白質発現等を行うこと
ができる。酵母、動物細胞又は昆虫細胞により発現させ
た場合には、糖又は糖鎖が付加されたポリペプチドを得
ることができる。
地に培養し、培養物中に本発明のポリペプチドを生成蓄
積させ、該培養物から採取することにより、本発明のポ
リペプチドを製造することができる。本発明の形質転換
体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通
常の方法に従って行われる。
られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資
化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転
換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合
成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グル
コース、フルクトース、スクロース、糖蜜、デンプン、
デンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸
等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール
類が用いられる。
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム
塩又はその他の含窒素化合物の他、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水
分解物、大豆粕及び大豆粕加水分解物、各種発酵菌体又
はその消化物等が用いられる。無機物としては、リン酸
水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いら
れる。
養等の好気的条件下、15〜40℃で16〜96時間行
う。培養期間中、pHは3.0〜9.0に保持する。pH
の調整は、無機又は有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭
酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。培養中は必
要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生
物質を培地に添加してもよい。
を用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する
ときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加し
てもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベク
ターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロ
ピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)等
を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換
した微生物を培養するときにはインドール酢酸(IA
A)等を培地に添加してもよい。
を培養する培地としては、一般に使用されているRPM
I1640培地、EagleのMEM培地又はこれら培
地に牛胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養
は、通常5%CO2存在下、35〜37℃で3〜7日間
行い、培養中は必要に応じて、カナマイシン、ペニシリ
ン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
換体を培養する培地としては、一般に使用されているTN
M-FH培地[ファーミンジェン(Pharmingen)社製]、Sf
900IISFM[ライフテクノロジーズ(Life Technologie
s)社製]、ExCell400 、ExCell405[いずれもJRHバイ
オサイエンシーズ(JRH Biosciences)社製]等が用い
られる。
0℃がよく、培養時間は通常1〜5日間である。また、
培養中は必要に応じて、ゲンタマイシン等の抗生物質を
培地に添加してもよい。前記形質転換体の培養液から、
前記方法により発現させた本発明のポリペプチドを単離
精製するためには、通常の酵素の単離、精製法を用いれ
ばよい。例えば、本発明のポリペプチドが、細胞内に溶
解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分
離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機、フ
レンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダイ
ノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。
り得られた上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、
溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒に
よる沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロ
ース、DIAION HPA-75 (三菱化学社製)等レジンを用い
た陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-SepharoseFF
(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換
クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニル
セファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフ
ィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティーク
ロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電
点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独又は組み合わ
せて用い、精製標品を得ることができる。
を形成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕
し、遠心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、
通常の方法により該ポリペプチドを回収後、該ポリペプ
チドの不溶体を蛋白質変性剤で可溶化する。前記可溶化
液を、蛋白質変性剤を含まない又は蛋白質変性剤の濃度
が蛋白質が変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるい
は透析し、該ポリペプチドを正常な立体構造に構成させ
た後、前記と同様の単離精製法により精製標品を得るこ
とができる。
の誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に該
ポリペプチド又はその糖鎖付加体等の誘導体を回収する
ことができる。即ち、該培養物を前記と同様の遠心分離
等の手法により処理することにより可溶性画分を取得
し、該可溶性画分から、前記と同様の単離精製法を用い
ることにより、精製標品を得ることができる。
ク質との融合タンパク質として生産し、融合したタンパ
ク質に親和性をもつ物質を用いたアフィニティークロマ
トグラフィーを利用して精製することもできる。例え
ば、ロウらの方法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86,
8227(1989)、Genes Develop., 4, 1288 (1990)〕、特開
平05-336963号、特開平06-823021号に記載の方法に準じ
て、本発明のポリペプチドをプロテインAとの融合タン
パク質として生産し、イムノグロブリンGを用いるアフ
ィニティークロマトグラフィーにより精製することがで
きる。また、本発明のポリペプチドをFlagペプチド
との融合タンパク質として生産し、抗Flag抗体を用
いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製する
ことができる〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 8227
(1989)、Genes Develop., 4, 1288(1990) 〕。更に、
該ポリペプチド自身に対する抗体を用いたアフィニティ
ークロマトグラフィーで精製することもできる。
プチドの有するアミノ酸配列情報に基づいて、Fmoc
法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBo
c法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法
によっても製造することができる。また、アドバンスト
・ケムテック(Advanced ChemTech)社、パーキン・エ
ルマー社、ファルマシア社、プロテイン・テクノロジー
・インストゥルメント(Protein Technology Instrumen
t)社、シンセセル・ベガ(Synthecell-Vega)社、パーセ
プティブ(PerSeptive)社、島津製作所等のペプチド合
成機を利用し化学合成することもできる。
は、蛋白質化学で通常用いられる方法、例えば遺伝子ク
ローニングのためのタンパク質構造解析(平野久著、東
京化学同人発行、1993年)に記載の方法により実施
可能である。トランスジェニック動物とは、外来遺伝子
を動物の発生初期に導入して得られる動物のことであ
り、例えばマウス、ラット、又はウシ、ヒツジなどの家
畜などが挙げられる。以下にトランスジェニックマウス
の作製について述べる。
[Manupulating the mouseembryo. Alaboratory manua
l. 2nd ed. 1994. Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss, New York.]及びYamamura, K.ら[J. Biochem., 96,
357-363 (1984)]の方法に準じて製造することができ
る。すなわち、ホルモン処理した雌のC57BL/6マウスを
交配させた後、受精卵を取り出し、受精卵の雄性前核内
に、調製したベクター部分を含まない導入遺伝子のフラ
グメントをマイクロガラスピペットを用いてマイクロイ
ンジェクションする。得られた遺伝子導入卵のうち、生
き残った数百個の偽妊娠雌マウスの卵管に移植し、トラ
ンスジェニックマウスを作製する。
体は、以下のようにして作製することができる。まず、
前記で得られた該蛋白質を抗原として免疫する。免疫す
る方法としては、動物の皮下、静脈内又は腹腔内に抗原
をそのまま投与してもよいが、抗原性の高いキャリアタ
ンパク質を結合させて投与したり、又は適当なアジュバ
ントとともに抗原を投与することが好ましい。
ヘモシアニン、キーホールリンペットヘモシアニン、牛
血清アルブミン、牛チログロブリン等が挙げられ、アジ
ュバンドとしては、フロインドの完全アジュバント(Com
plete Freund's Adjuvant)、水酸化アルミニウムゲルと
百日咳菌ワクチン等が挙げられる。免疫動物としては、
ウサギ、ヤギ、3〜20週令のマウス、ラット、ハムス
ターなどの非ヒト哺乳動物が挙げられる。
週間毎に3〜10回行う。抗原の投与量は動物1匹当た
り50〜100μgが好ましい。各投与後、3〜7日目
に免疫動物の眼底静脈叢又は尾静脈より採血し、該血清
の抗原との反応性について、酵素免疫測定法[酵素免疫
測定法(ELISA法):医学書院刊(1976年)]など
で確認する。そして、該血清が十分な抗体価を示した非
ヒト哺乳動物を、血清又は抗体産生細胞の供給源とす
る。
製することにより調製することができる。モノクローナ
ル抗体は、該抗体産生細胞と非ヒト哺乳動物由来の骨髄
腫細胞とを融合させてハイブリドーマを作製し、該ハイ
ブリドーマを培養するか、動物に投与して該細胞を腹水
癌化させ、該培養液又は腹水を分離、精製することによ
り調製することができる。抗体産生細胞は、抗原投与さ
れた非ヒト哺乳動物の脾細胞、リンパ節、末梢血などか
ら採取する。
株化細胞である、8-アザグアニン耐性マウス(BALB/c由
来)骨髄腫細胞株P3-X63Ag8-U1(P3-U1)[G.Kohlerら;
ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジィ(Euro
p. J. Immunol.), 6, 511(1976)]、SP2/0-Ag14(SP-2)
[M.Shulmanら;ネイチャー(Nature), 276, 269(197
8)]、P3-X63-Ag8653(653)[J.F.Kearneyら;ジャーナ
ル・オブ・イムノロジィ(J.Immunol.), 123, 1548(197
9)]、P3-X63-Ag8(X63) [G.Kohlerら;ネイチャー(Nat
ure), 256, 495(1975)]など、イン・ビトロ(in vitr
o)で増殖可能な骨髄腫細胞であればいかなるものでも
よい。これらの細胞株の培養及び継代についてはアンチ
ボディーズ・ア・ラボラトリー・マニュアル[Antibodi
es -A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Labora
tory, 1988、以下「アンチボディーズ・ア・ラボラトリ
ー・マニュアル」という。]に従い、細胞融合時までに
2×107個以上の細胞数を確保する。
とを洗浄した後、ポリエチレングリコール−1000(PEG-1
000)などの細胞凝集性媒体を加え、細胞を融合させ、培
地中に懸濁させる。細胞の洗浄にはMEM培地又はPB
S(リン酸水素二ナトリウム1.83g、リン酸二水素カリ
ウム0.21g、食塩7.65g、蒸留水1リットル、pH7.2)など
を用いる。また、融合細胞を懸濁させる培地としては、
目的の融合細胞のみを選択的に得られるように、HAT培
地{正常培地[RPMI-1640培地に1.5mMグルタミン、5×1
0-5M 2-メルカプトエタノール、10μg/mlジェンタマイ
シン及び、10%牛胎児血清(FCS)(CSL 社製)を加えた培
地]に10-4Mヒポキサンチン、1.5×10-5Mチミジン及び4
×10-7Mアミノプテリンを加えた培地}を用いる。
測定法により、抗原蛋白質に反応し、非抗原蛋白質に反
応しないサンプルを選択する。ついで、限界希釈法によ
りクローニングを行い、酵素免疫測定法により安定して
高い抗体価の認められたものをモノクローナル抗体産生
ハイブリドーマ株として選択する。
ェルプレートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もし
くは精製抗体を第一抗体として反応させる。第一抗体反
応後、プレートを洗浄して第二抗体を添加する。第二抗
体とは、第一抗体のイムノグロブリンを認識できる抗体
を、ビオチン、酵素、化学発光物質又は放射線化合物等
で標識した抗体である。具体的にはハイブリドーマ作製
の際にマウスを用いたのであれば、第二抗体としては、
マウスイムノグロブリンを認識できる抗体を用いる。反
応後、第二抗体を標識した物質に応じた反応を行い、抗
原に特異的に反応するモノクローナル抗体を生産するハ
イブリドーマとして選択する。
胞を培養して得られる培養液、又はプリスタン処理〔2,
6,10,14-テトラメチルペンタデカン(Pristane)0.5mlを
腹腔内投与し、2 週間飼育する〕した8〜10週令のマウ
ス又はヌードマウスに、モノクローナル抗体産生ハイブ
リドーマ細胞を腹腔内投与して腹水癌化させた腹水か
ら、分離、精製することにより調製できる。
としては、遠心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウムに
よる塩析、カプリル酸沈殿法、DEAE-セファロースカラ
ム、陰イオン交換カラム、プロテインA又はG- カラム
又はゲル濾過カラム等を用いるクロマトグラフィー等
を、単独又は組み合わせて行う方法が挙げられる。この
方法により、IgG 又はIgM 画分を回収し、精製モノクロ
ーナル抗体を取得することができる。
る。 (実施例1) 1.劇症C型肝炎ウイルスのクローニング: (1)患者背景:輸血、薬剤性肝障害、アルコール性肝
障害などの既往歴のない男性(32歳)が急性の肝障害
を発症し治療のため入院した。入院後直ちに肝性昏睡と
なり、劇症肝炎と診断された。急性期の血清よりHCV
が検出され、その他のウイルスマーカーは検出できず、
HCV感染による劇症肝炎と診断された。その後の治療
により患者は回復し、肝機能正常となり、ウイルスも検
出されなくなった。その経過を図1に示す。
NAの合成 患者の急性期に採取した血清250μlより、全RNA
を、酸性グアニジンイソチオシアネート・フェノール・
クロロホルム(acid-guanidinium-isothiocyanate-phen
ol-chloroform; AGPC)(ISOGEN−LS;日本ジ
ーン社製)を使用し、抽出し、イソプロパノールにより
沈殿させ、エタノールにて洗浄後、20μlのDEPC
−処理水(和光純薬工業社製)を加え、溶解した。前記
で得た全RNAの20μl溶液のうち10μlを、ラン
ダムプライマー(6−mer)による逆転写、及びマウ
ス白血病ウイルスリバーストランスクリプターゼ(Supe
rscript II、Life Technologies社製;ロックビル、メ
リーランド)による処理を、37℃にて1時間行い、c
DNAを合成した。
cDNAをTaKaRa LA Taq ポリメラーゼ
(宝酒造社製)に付した。劇症肝炎患者から分離したH
CVゲノムの全領域を得るために、HC−J6(アクセ
ッション番号:D00944)のシークエンスをもとに
デザインした20−merのPCRプライマーを使用
し、5’末端及び3’末端を除くHCVゲノム全領域を
含む12個のHCV cDNAフラグメント(DNA断
片)に増幅した。
配列に相当する場所を、HC−J6の核酸配列に従っ
て、その核酸配列の始まりと終わりを番号付けすると、
64〜466、337〜829、637〜1303、1
158〜2348、2305〜3491、3489〜4
648、4566〜5951、5902〜6983、6
967〜8015、7972〜8872、8700〜9
262、9251〜9613であった。なお、PCRの
条件は、95℃30秒間の変性、60℃30秒間のアニ
ーリング、及び70℃1分間の反応を各40サイクル行
うことによるPCRを行った。
CE法を用いて、5’末端側及び3’末端側のウイルス
RNAの核酸配列を決定した。即ち、5’末端配列を決
定するために、cDNAを5’−非翻訳領域(5’−U
TR)プライマー(アンチセンス)により合成し、ター
ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼによ
り合成したcDNAの5’末端にポリC配列を付加した
後、次いでPCR(cDNA末端の増幅のための5’−
RACEシステム:Life Technologies社製;Version
2.0)により増幅した。
出したRNAを、ポリ−A−ポリメラーゼ(宝酒造社
製)を使用してポリアデニル化し、(T)33含有の38
−merオリゴヌクレオチドによりcDNAに変換し、
3’−UTRプライマー及び逆転写に使用するプライマ
ーにより増幅した。増幅生成物をアガロースゲル電気泳
動により分離し、次いで、pGEM−T EASYベク
ター(Promega社,マジソン、ウィスコンシン
州)中にクローニングし、Big Dye Terminator Mix及び
自動DNAシークエンサーmodel310(PE Biosystems
社、カリフォルニア州)によりシークエンスした。
これをJFH−1株と命名した。得られたJFH−1株
は、全長9678塩基長であり、その塩基配列を配列番
号1に示した。以上により決定された全ウイルスゲノム
の塩基配列は、その341番から9439番の間に、3
033個のアミノ酸残基をコードする長い翻訳領域を有
するものであった。そのアミノ酸配列を配列番号2に示
した。
染している慢性肝炎患者6名よりHCVを分離し、前記
と同様にHCVのcDNAをクローニングしてその塩基
配列を決定した。これらの全ウイルスゲノムを、それぞ
れJCH−1株〜JCH−6株と称する。なお、これら
の株の塩基配列は、JCH−1株=9681塩基長;J
CH−2株=9677塩基長;JCH−3株=9678
塩基長;JCH−4株=9676塩基長;JCH−5株
=9691塩基長及びJCH−6株=9686塩基長で
あった。
者から分離したJCH−1株〜JCH−6株、及び、す
でにその塩基配列が解明されているHC−J6株(アク
セッション番号:D00944)との遺伝子配列上の違
いを知るために、6パラメーター法(Gojoboriら、J. M
ed. Evol., 1982; 18: 414-423)及びN−J(Neighbor
-Joining)法(Saitouら、Mol. Biol. Evol., 1987; 4:
406-425)による分子系統樹による解析を行った。その
結果を図2に示す。
性肝炎患者から分離された全てのクローンが、クラスタ
ーを形成するが、劇症肝炎患者から分離したJFH−1
株は、他の遺伝子型(1a,1b,2b,2c)に比べ
ると、遺伝子型2aに近いものの、明らかに慢性肝炎患
者から分離されたクローンのクラスターからは独立して
いる。更に、HCVゲノム上の遺伝子領域ごとに、その
各分離株の遺伝子的な違いを知るために、全ての分離株
間の遺伝子距離と、JFH−1株と他の株間の遺伝子距
離を、核酸については6パラメーター法で、またアミノ
酸は木村の2パラメーター法(Kimura, Proc. Natl. Aca
d. Sci., U.S.A. 1969; 63: 1181-1188)で計算した。
と、他の慢性肝炎患者から分離された株間の、遺伝子距
離の平均を、全ての分離株間の遺伝子距離の平均で割っ
て得られる比を求めて、JFH−1株が各遺伝子領域で
どの程度他の分離株と異なっているかを検討した。核酸
についての結果を表1に、アミノ酸についての結果を表
2に示す。
2a株との間で計算した。 **:遺伝子距離の平均は、JFH−1株を含む、遺伝
子型2a株との間の全ての間で計算した。 ***:HC−J6株を含まないデータである。
2a株との間で計算した。 **:遺伝子距離の平均は、JFH−1株を含む、遺伝
子型2a株との間の全ての間で計算した。 ***:HC−J6株を含まないデータである。
算では、JFH−1株と他の株間の平均遺伝子距離は、
0.1136±0.0073であり、全分離株のHCV
の遺伝子全長における平均遺伝子距離は、0.0969
±0.0140であり、その比は1.173であった。
各領域別に見ると、平均遺伝子距離の比が最も高いの
は、5’−URTであり、その比は1.387であっ
た。
のJFH−1株と他の株間の平均遺伝子距離は、0.0
918±0.0052であり、全分離株のHCVの遺伝
子全長における平均遺伝子距離は、0.0716±0.
0139であり、その比は1.282であった。各領域
別に見ると、平均遺伝子距離の比が高いのは、コア、N
S3、NS5aであり、その比はそれぞれ1.560,
1.464,1.596であった。したがって、劇症肝
炎患者から分離されたJFH−1株には、これらの領域
に、他のHCV分離株と異なる遺伝子情報を有すること
が考えられる。
1)の遺伝子配列の解析からアミノ酸ではコア、NS
3、NS5aの各領域が特に慢性肝炎の分離株の配列と
異なっていることが示された。これらの変異によるJF
H−1株の性質の変化が劇症肝炎の発症機序に関与して
いる可能性を考え、JFH−1株と慢性肝炎分離株との
ウイルス蛋白質の発現を検討した。
すると考えられている構造蛋白質だが、最近の報告では
感染細胞内で感染細胞の様々な遺伝子発現を調節してい
る多機能蛋白質と考えられている。コア蛋白質はそのC
末端がプロセッシングされるが、その切断部位により分
子量の異なる2種類のコア蛋白質が作られる。191ア
ミノ酸からなるコア蛋白質をP23と呼び、179又は
182アミノ酸からなるコア蛋白質をP21と呼ぶ。ウ
イルス粒子のキャプシドを形成しているのはP21と考
えられるが、P21とP23は異なる機能と性質を持つ
ことが予想されている。劇症肝炎分離株JFH−1のコ
ア蛋白質P21とP23の発現について検討した。
肝炎5例から分離したウイルス株(JCH−1〜5)及
びすでに報告されているJ6CF株のコア領域のアミノ
酸配列を図3に示す。このアミノ酸配列を発現するウイ
ルス遺伝子を図4(A)に示すようにT7プロモーター
配列とポリAシグナル配列の間に挿入した。この発現ベ
クターを鋳型として、TNT Coupled Reticulocyte Lysat
e System (Promega)を用いてコア蛋白質を発現させ、S
DS−PAGEにて電気泳動し、PVDF膜に転写して
抗コアモノクローナル抗体で検出した。結果を図4
(B)に示す。JFH−1株からはP21とP23の2
種類のコア蛋白質が検出されたが、慢性肝炎分離株から
は主にP23のみが検出された。
のキメラ遺伝子を作製することによりJFH−1株のど
の部分の変異がP21/P23の発現の変化に関与して
いるかを検討した。図5(A)に示すように、JFH−
1株とJCH−1株を60番目、90番目、160番目
のアミノ酸で入れ替えたキメラ遺伝子を作製した。即
ち、1〜60番のアミノ酸配列と61番以降のアミノ酸
配列とのキメラペプチド、1〜90番のアミノ酸配列と
91番以降のアミノ酸配列とのキメラペプチド、及び1
〜160番のアミノ酸配列と161番以降のアミノ酸配
列とのキメラペプチドをそれぞれコードするキメラ遺伝
子を作製した。図5(A)に示すコア遺伝子領域の斜線
部はJCH−1株と同一の部分、白塗りの部分はJFH
−1株と同一の部分を示す。実験1と同じ方法でこの遺
伝子を発現させた。結果を図5(B)に示す。この結果
からJFH−1株と同じP21/P23の発現パターン
を示すためにはコア蛋白質の161番アミノ酸以降の配
列が重要であることがわかった。また、JCH−1株と
同じ発現パターンを示すためにもコア蛋白質の161番
アミノ酸以降の配列が重要であることがわかった。16
1番目以降のアミノ酸配列でJFH−1株とJCH−1
株で異なるのは164番がJFH−1株:Y、JCH−
1株:F、172番がJFH−1株:F、JCH−1
株:C、173番がJFH−1株:P、JCH−1株:
S、187番がJFH−1株:V、JCH−1株:Tで
あった。即ち、この4ヶ所の変異すべて又はいくつかの
組み合わせでP21/P23の発現パターンが決まるこ
とが明らかとなった。
ア領域の遺伝子のみを挿入したものを用いたため、コア
蛋白質の2ヶ所のプロセッシング部位のうちP21を切
り出してくるもののみを検討できた。次にコア領域の更
に下流つまりE1やE2蛋白質も発現させた状態でP2
1/P23の発現パターンの変化を検討した。図6
(A)に示すように、ウイルス遺伝子のうち構造遺伝子
領域全体を含んだ発現ベクターを構築した。コア領域の
みを発現する発現ベクターとともに実験1,2と同じ方
法で蛋白質を発現させ、コア蛋白質を検出した。結果を
図6(B)に示す。コア領域のみを発現する場合に比べ
構造遺伝子全体を発現させると、P21がP23と比べ
より多く作られるようになるが、JFH−1株ではJC
H−1株よりもP21がより多く作られP23はより少
なく検出された。
変化を細胞内で確認するために実験1で用いた発現ベク
ターを細胞内に導入して細胞内で発現させた。発現ベク
ターDNAをFuGene6(ロッシュ・ダイアグノス
ティックス)を用いて293−T細胞に導入し細胞を回
収、破砕して、SDS−PAGEにて電気泳動し、PV
DF膜に転写して抗コアモノクローナル抗体で検出し
た。結果を図5に示す。JFH−1株ではP21とP2
3の両方を検出したが、JCH−1株からは主にP23
を検出した。
は他の慢性肝炎から分離した株と比較してコア蛋白質の
発現パターンが異なることが明らかとなった。HCVの
コア蛋白質にはP21とP23の2種類があるが、JF
H−1株ではP21がより作られやすいことが示され
た。P21はウイルス粒子のキャプシドを形成する蛋白
質であり、JFH−1株ではP21がより多く作られる
ことにより、感染細胞内でウイルス粒子がより多く産生
されることが考えられる。
造蛋白質の発現について検討した。RNA複製はRNA
replicase活性を持つNS5bにより行われ
るが、NS5bを含む非構造蛋白質は複合体を形成して
ウイルスRNA複製を行っていると考えられている。そ
こで、まずNS5bの発現を検討し、更にNS5bの発
現に重要であるNS3の発現を検討した。
JFH−1株とJCH−1株の翻訳領域全体を挿入した
発現ベクターを構築した(図8(A))。この発現ベク
ターを実験4と同じ方法で培養細胞に導入してその細胞
を回収、破砕してSDS−PAGEにて電気泳動し、P
VDF膜に転写してウエスタンブロット法で検出した。
図8(B)の下段に示すようにコア蛋白質はJFH−1
株とJCH−1株ともに同じくらいの発現量を示した
が、上段に示すNS5bの発現量は明らかにJFH−1
株の方が多かった。
必要なNS3から下流のウイルス遺伝子のみを挿入した
発現ベクターを作製してNS3とNS5bの発現を検討
した(図9(A))。方法は実験5と同じである。結果
を図9(B)に示す。NS3の発現量はJFH−1株の
方が多い。しかし、同じ抗体で検出されるNS3のN端
側の分解産物が検出され、その量はJCH−1株の方が
多かった。つまり、JFH−1株のNS3の方が安定で
あることが示された。更に、この発現ベクターを用いた
場合のNS5bの発現量を検討した。やはりJFH−1
株の方がNS5bの発現量が多いことが明らかとなっ
た。実験5及び実験6の結果から、JFH−1株はJC
H−1株に比べNS3の安定性が高いため、NS5bが
より多く作られることが示された。JFH−1株感染細
胞ではNS5bがより多く作られることによりRNA複
製がより効率よく行われ、ウイルス複製とウイルスの産
生も慢性肝炎株よりも効率よく行われることが示され
た。JFH−1株のNS3の遺伝子領域には慢性肝炎分
離株と比べ21ヶ所の特異的なアミノ酸配列の変異があ
る。このアミノ酸変異がNS3の安定性に関与している
可能性がある。また、NS2、NS3、NS4a、NS
4b、NS5a、NS5bの非構造蛋白質は複合体を形
成していることが示されている。このため、NS3以外
の非構造蛋白質領域のアミノ酸変異もNS3の安定性の
変化に関与している可能性がある。
からの分離株と比べてコア、NS3、NS5a領域に変
異が多く、特にコア領域の変異はコア蛋白質のプロセッ
シングに関係しており、P21とP23の発現パターン
を変化させた。この変化によりウイルス粒子産生の変化
が推測された。この変化に関与しているJFH−1株の
配列はコア蛋白質のアミノ酸配列で161番目から19
1番目のなかの慢性肝炎と比べ4個のアミノ酸の変異で
あると考えられた。また、JFH−1株はNS5bの発
現も慢性肝炎分離株より多く、RNA複製がより効率的
に行われることが考えられた。このNS5bの発現の変
化にはNS3のアミノ酸の配列の変異が関与していると
考えられた。これらの変異によるウイルスの性質の変化
が劇症肝炎の病態に関係していると考えられた。
劇症肝炎患者から分離されたJFH−1株は、他の慢性
肝炎患者から分離されたウイルス株とは異なった遺伝子
情報を有することより、その病原性が異なっているもの
と考えられる。したがって、従来のHCV株が有する遺
伝子情報と異なる、劇症肝炎患者から分離されたこのJ
FH−1株の遺伝子情報を利用することにより、新たな
HCVウイルスの培養法の確立、感染性HVCのcDN
Aクローンの確立、HCVウイルスの病原性の相違を決
定する遺伝子領域の探索、新たなHCVウイルスの遺伝
子診断法の確立、更にはHCVウイルスによる劇症肝炎
に対する治療方法の開発等を行うことが可能となる。
分離したウイルス株(JCH−1〜5)及びすでに報告
されているJ6CF株のコア領域のアミノ酸配列を示す
図である。
遺伝子をT7プロモーター配列とポリAシグナル配列(p
A)の間に挿入した発現ベクターの概略図(A)、及び該
発現ベクターを鋳型としてコア蛋白質を発現させて電気
泳動し、PVDF膜に転写して抗コアモノクローナル抗
体で検出した結果(B)を示す。
番目、160番目のアミノ酸で入れ替えたキメラ遺伝子
をT7プロモーター配列とポリAシグナル配列(pA)の間
に挿入した発現ベクターの概略図(A)、及び該発現ベ
クターを鋳型としてコア蛋白質を発現させて電気泳動
し、PVDF膜に転写して抗コアモノクローナル抗体で
検出した結果(B)を示す。
遺伝子領域全体を含んだ発現ベクターの概略図(A)、
及び該発現ベクターを鋳型としてコア蛋白質を発現させ
て電気泳動し、PVDF膜に転写して抗コアモノクロー
ナル抗体で検出した結果(B)を示す。
て細胞内で発現させて電気泳動し、PVDF膜に転写し
て抗コアモノクローナル抗体で検出した結果を示す図で
ある。
挿入した発現ベクターの概略図(A)、及び該発現ベク
ターを細胞内に導入して細胞内で発現させて電気泳動
し、PVDF膜に転写してウエスタンブロット法で検出
した結果(B)を示す。
た発現ベクターの概略図(A)、及び該発現ベクターを
細胞内に導入して細胞内で発現させて電気泳動し、PV
DF膜に転写してウエスタンブロット法で検出した結果
(B)を示す。
酸配列 CH1.ami 慢性肝炎分離株JCH−1のコア領域のアミ
ノ酸配列 CH2.ami 慢性肝炎分離株JCH−2のコア領域のアミ
ノ酸配列 CH3.ami 慢性肝炎分離株JCH−3のコア領域のアミ
ノ酸配列 CH4.ami 慢性肝炎分離株JCH−4のコア領域のアミ
ノ酸配列 CH5.ami 慢性肝炎分離株JCH−5のコア領域のアミ
ノ酸配列 J6CF.ami J6CF株のコア領域のアミノ酸配列 FH 劇症肝炎分離株JFH−1 CH1-5 慢性肝炎分離株JCH−1〜5 CH1 慢性肝炎分離株JCH−1 CH2 慢性肝炎分離株JCH−2 CH3 慢性肝炎分離株JCH−3 CH4 慢性肝炎分離株JCH−4 CH5 慢性肝炎分離株JCH−5 FH ORF 劇症肝炎分離株JFH−1の翻訳領域全体を挿
入した発現ベクター CH1 ORF 慢性肝炎分離株JCH−1の翻訳領域全体を
挿入した発現ベクター Cont. 陰性コントロール、HCVのcDNAを挿入し
ていない発現ベクター Myc human c-myc gene protein HA ヒトインフルエンザウイルスのhemagglutinin prot
ein
Claims (7)
- 【請求項1】 配列番号2に示すアミノ酸配列のうち、
アミノ酸番号161〜191で表されるアミノ酸配列を
含むポリペプチド。 - 【請求項2】 アミノ酸残基数が31〜3033である
請求項1記載のポリペプチド。 - 【請求項3】 配列番号2に示すアミノ酸配列からなる
ポリペプチド。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
リペプチドをコードする塩基配列を含むDNA。 - 【請求項5】 配列番号1に示す塩基配列のうち、ヌク
レオチド番号821〜913で表される塩基配列と同一
又は相補的な塩基配列を含むDNA。 - 【請求項6】 塩基数が93〜9678である請求項4
又は5記載のDNA。 - 【請求項7】 配列番号1に示す塩基配列と同一又は相
補的な塩基配列からなるDNA。
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