JP2000189168A - 新規転写伸長抑制因子 - Google Patents
新規転写伸長抑制因子Info
- Publication number
- JP2000189168A JP2000189168A JP10373999A JP37399998A JP2000189168A JP 2000189168 A JP2000189168 A JP 2000189168A JP 10373999 A JP10373999 A JP 10373999A JP 37399998 A JP37399998 A JP 37399998A JP 2000189168 A JP2000189168 A JP 2000189168A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- leu
- glu
- ala
- protein
- ser
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
いて、そのDRB感受性に関与し、しかもpolIIの
伸長反応の抑制に関わる新規な蛋白質因子を明らかにす
ることにより、polIIの伸長反応の制御機構を解明
することが求められている。 【解決手段】 本発明によれば、真核生物の細胞におけ
るpolII伸長反応を制御することが可能で、癌治療
に有効と考えられるNELF、該NELFを構成するサ
ブユニット蛋白質、該サブユニット蛋白質をコードする
DNA、該サブユニット蛋白質を認識する抗体を提供す
ることができる。
Description
以下に記載する。 CTD:C−ターミナルドメイン(C-terminal domai
n) DEAE:ディエチルアミノエチル(diethylaminoethy
l) DRB:5,6-dichloro-β-D-ribofuranosylbenzimidazo
le(図1参照) DSIF:DRB sensitivity-inducing factor dTT:ジチオトレイトール(dithiothreitol) EDTA:エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminet
etraacetic acid) EST:イクスプレスド シークエンス タグ(expres
sed sequence tag) HEPES:N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethane
sulfonic acid HIV:ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficien
cy virus) IPTG:isopropyl-1-thio-β-D-galactoside LTR:long terminal repeat MEM:minimal essential medium NELF:negative elongation factor NTP:ヌクレオシド三リン酸 ORF:open reading frame PBS:リン酸緩衝塩類溶液(phosphate-bufferd sali
ne) PCR:polymerase chain reaction RACE:rapid amplification of cDNA ends RT−PCR:reverse transcription-PCR PMSF:phenylmethylsulfonylfluoride pol II:RNAポリメラーゼII P−TEFb:positive transcription elongation fa
ctor b PVDF:polyvinylidene difluoride SDS:ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodesyl sul
fate) SDS−PAGE:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS-polyacrylamide gel electrophoresis) TAR配列:trans-activation responsive region TFII:transcription factor II Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
〔tris (hydroxymethyl)aminomethane〕 dhfr:ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate redu
ctase)
応におけるpol IIの伸長反応をDSIFとともに
抑制し、その伸長反応のDRB感受性に関与する蛋白
質、該蛋白質を構成するサブユニット蛋白質、該サブユ
ニット蛋白質をコードするDNA、該サブユニット蛋白
質を認識する抗体に関する。
の中に非常に多種類存在し、ヒトでは10万種類にも及
ぶと考えられるが、真核生物においてこのような各遺伝
子からのmRNAの転写反応は、普遍的にpol II
により行われている。
ター上で複合体を形成した後、転写産物の合成を開始
し、開始とともにプロモーターから離れ、遺伝子の塩基
配列に対応した転写産物の伸長反応を行う。pol I
Iと直接相互作用し、伸長反応を促進する「基本伸長因
子」が発見されたこと、伸長反応を標的とする転写調節
因子が報告されたことなどから、上記伸長反応は、po
l IIだけの単純な反応ではなく、複雑に制御された
反応であることが分かってきた。
Iによる伸長反応に特異的な阻害剤である〔Genes to C
ells, 3, 9 (1998)〕。DRBは、in vivoでの転写や低
い精製度の細胞抽出物を用いたin vitro転写系において
は転写の伸長反応を強く阻害するが、pol IIおよ
びある程度精製した基本転写因子から再構成されたinvi
tro転写系では阻害活性を示さない〔J. Biol. Chem., 2
64, 2250 (1989)〕。このことから、DRBが直接阻害
する標的は、pol IIや基本転写因子ではなく、未
同定な別の因子であることが予想されていた。また、D
RBは遺伝子の種類に関係なくmRNAの転写を普遍的
に阻害することから、このDRBの標的因子も、pol
IIの伸長反応に普遍的な役割を果たす因子と考えら
れた。
る2つの因子、P−TEFbとDSIFが同定された。
P−TEFbは伸長反応を促進する「正」の因子であ
り、伸長反応をDRB感受性に誘導する因子であること
から、DRBの直接の標的だと考えられた。その後、P
−TEFbはcyclin T1とCdk9からなる蛋
白質リン酸化酵素であり、P−TEFbがpol II
のCTDをDRB感受性リン酸化することが判明した
〔J. Biol. Chem., 271, 27176 (1996)、Genes & Devel
opment, 11, 2622 (1997)〕。以前から転写産物の合成
の開始から伸長反応にかけて、pol IIのCTDは
高度にリン酸化されることが知られており、P−TEF
bはCTDのリン酸化を介して伸長反応を促進すると考
えられているが、その機構は不明である。
誘導する蛋白性因子であるが、伸長反応を抑制する
「負」の因子である。DSIFはp160とp14とい
う2つのサブユニットから構成され、これらのサブユニ
ットはヒトcDNAクローニングの結果、それぞれ酵母
の転写因子Spt5、Spt4のホモログであることが
判明した〔Genes & Development, 12, 343 (1998)、Gen
es & Development, 12, 357 (1998)〕。しかしながら、
DSIF単独ではpol IIの伸長反応を抑制するこ
とができないため、pol IIの伸長反応のDRB感
受性に関与し、かつpol IIの伸長反応の抑制に関
わる他の因子の存在が示唆されていた。
ol II伸長反応において、そのDRB感受性に関与
し、しかもpol IIの伸長反応の抑制に関わる新規
な蛋白質因子を明らかにすることにより、pol II
の伸長反応の制御機構を解明することが求められてい
る。
種基本転写因子およびpol IIを用いて、in vitro
で真核生物の転写系を再構成した系を用いて、転写反応
のDRB感受性を解析することにより、DSIF、P−
TEFb以外にpol IIの伸長反応におけるDRB
感受性に関与する細胞中の蛋白質因子の存在を発見し、
細胞抽出液より該蛋白質を精製することにより発明を完
成させた。
関する。 (1)pol IIが関与する遺伝子の転写反応におい
て、pol IIの伸長反応をDSIF存在下で抑制す
る活性を有する蛋白質(negative elongation factor:
以下、NELFと略す)。
成された蛋白質である、上記(1)記載の蛋白質。 (3)サブユニット蛋白質が、配列番号10〜23のい
ずれかに記載のアミノ酸配列を含む、上記(2)記載の
蛋白質。
2、4、6および8記載のアミノ酸配列から選ばれるア
ミノ酸配列を有する蛋白質または該蛋白質の変異体であ
る、上記(2)記載の蛋白質。 ここで、配列番号2、4、6および8記載のアミノ酸配
列から選ばれるアミノ酸配列を有する蛋白質の変異体と
は、該アミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、
置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつN
ELFを構成する他のサブユニット蛋白質と共同するこ
とによりNELFの有する活性を有する蛋白質を構成す
ることのできる蛋白質を意味する。
は、出願前周知技術である部位特異的変異誘発法により
実施することができる。かかる1若しくは数個のアミノ
酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有す
るポリペプチドは、Molecular Cloning, A Laboratory
Manual, SecondEdition, Cold Spring Harbor Laborato
ry Press (1989)(以下、モレキュラークローニング 第
2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biolo
gy, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-199
7)(以下、カレント プロトコルイン モレキュラ バイ
オロジーと略す)、Nucleic Acids Research, 10, 6487
(1982)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 6409(198
2)、Gene, 34, 315 (1985)、Nucleic Acids Research,
13, 4431 (1985)、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA,82, 4
88 (1985)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81,5662 (19
84)、Science, 224, 1431 (1984)、PCT WO85/00817(19
85) 、Nature, 316, 601 (1985)等に記載の方法に準じ
て調製することができる。
記載の蛋白質のN末端にFlagタグペプチドを付加した蛋
白質である、上記(2)記載の蛋白質。 (6)サブユニット蛋白質が、配列番号9記載のアミノ
酸配列を有する蛋白質である、上記(5)記載の蛋白
質。
載のアミノ酸配列を含む蛋白質。 (8)配列番号2、4、6および9記載のアミノ酸配列
から選ばれるアミノ酸配列を有する蛋白質または配列番
号2、4、6および8記載のアミノ酸配列から選ばれる
アミノ酸配列を有する蛋白質の変異体。
白質の変異体と同義である。 (9)上記(7)または(8)記載の蛋白質をコードす
るDNA。 (10)配列番号1、3および5記載の塩基配列から選
ばれる塩基配列を有するDNAまたは該DNAの変異
体。
基配列から選ばれる塩基配列を有するDNAの変異体と
は、該塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNAであり、かつ該DNA
のコードする蛋白質が、NELFを構成する他のサブユ
ニット蛋白質と共同することにより、NELFの有する
活性を有する蛋白質を構成することのできる蛋白質とな
ることを意味する。
ブリダイズするDNA」とは、上記(9)記載DNA、
または配列番号1、3および5記載の塩基配列から選ば
れる塩基配列を有するDNAをプローブとして、コロニ
ー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダ
イゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼ
ーション法等を用いることにより得られるDNAを意味
し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDN
Aを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0M
のNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを
行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline-sodium
citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、15
0mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウム
よりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄す
ることにより同定できるDNAをあげることができる。
クローニング 第2版、カレントプロトコル イン モレ
キュラ バイオロジー、DNA Cloning 1: Core Techni
ques, A Practical Approach, Second Edition, Oxford
University Press (1995)(以下、DNAクローニング
1と略す)等の実験書に記載されている方法に準じて行
うことができる。
には、配列番号1、3および5記載の塩基配列から選ば
れる塩基配列を有するDNAと少なくとも80%以上の
相同性を有するDNA、好ましくは95%以上の相同性
を有するDNAをあげることができる。
DNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DN
A。 (12)上記(11)記載の組換え体DNAを保有する
形質転換体。 (13)上記(12)記載の形質転換体を培養液中で培
養し、上記(7)または(8)記載の蛋白質を該培養物
中に生成・蓄積させ、該培養物中より該蛋白質を採取す
ることを特徴とする、該蛋白質の製造法。
白質を認識する抗体。 (15)上記(14)記載の抗体を用いた、上記
(1)、(7)または(8)記載の蛋白質を免疫学的に
検出あるいは定量する方法。以下、本発明を詳細に説明
する。
断らない限りモレキュラー クローニング 第2版に記載
の方法に準じて行うことができる。 1.NELFの精製 本発明のNELFは、DRB、精製した各種基本転写因
子およびpol IIを用いて、in vitroで真核生物の
転写系を再構成した系(転写再構成系)を構築し、該系
に試験試料(例えば、細胞抽出液あるいは該細胞抽出液
からの精製産物)およびDSIFを添加してpol I
I伸長反応のDRB感受性を解析することにより取得す
ることができる。
各種基本転写因子は、真核生物の細胞核抽出液から精製
したもの、あるいは遺伝子組換え法により大腸菌あるい
は動物細胞等で生産させ精製したものを用いることがで
きる。遺伝子組換え法により生産させた蛋白質の場合
は、それぞれの基本転写因子としての活性が保持されて
いるものを用いる。遺伝子組換え法により大腸菌で生産
させ精製した転写因子として、具体的には、Genes & De
velopment, 12, 343 (1998)に記載の方法で取得された
TFIIB、TFIIE、TFIIFをあげることがで
きる。
の出来る細胞抽出液として、polIIによるmRNA
の転写が行われている真核生物の細胞由来のものであれ
ば、いずれの細胞由来のものを用いることができ、例え
ば、ヒトの細胞由来のものをあげることができる。ヒト
の細胞として、具体的にはHeLa細胞(ATCC No.CCL-
2)あげることができる。
に準じて行うことができる。例えば、HeLa細胞抽出
液由来のNELFは、ホスホセルロースカラムに通塔
後、0.3M KCl濃度で溶出される画分に見出すこ
とができる。該画分をDEAEセファロースカラムに通
塔後、0.225M KClで溶出することにより、N
ELFをDSIFと分離することができる。該溶出液を
さらに、HiTrap Heparinカラム、monoQカラム、フェニ
ルスーパーロースカラム、Mono S PCカラム等用いるこ
とにより、ほぼ純粋なNELFを取得することができ
る。
S−PAGEを用いて解析することにより、NELFが
数種類のサブユニットから構成されていることを確認す
ることができる。例えば、HeLa細胞抽出液由来のN
ELFは、66kDa、61kDa、59kDa、58
kDa、46kDaの5種類のサブユニット蛋白質から
構成されていることがわかる。
配列の決定 精製したNELFサブユニット蛋白質の部分アミノ酸配
列は、以下のようにして決定することができる。上記の
方法で精製したNELF蛋白質をSDS−PAGEにか
け、各サブユニット蛋白質を分離し、それぞれのサブユ
ニット蛋白質を含むゲルを切り出し、該ゲルより各サブ
ユニットを単離する。
ロテインシークエンサーにかけることにより、N末端が
アミノ酸修飾によりブロックされてなければ、N末端か
らのアミノ酸配列を順次得ることができる。また、N末
端よりも内部のアミノ酸配列は、リジルエンドペプチダ
ーゼやトリプシン等の特異的切断点をもつエンドプロテ
アーゼで処理したり、臭化シアンによるメチオニンのC
末側のペプチド結合の切断等の方法により、NELFサ
ブユニット蛋白質が切断して生じたペプチド鎖を逆相H
PLCにより精製し、該ペプチド鎖のアミノ酸配列を同
様に気相法プロテインシークエンサーで解析することに
より、得ることができる。
て、PIR、SwissProt等のアミノ酸配列データベース、ア
ミノ酸配列に変換したGenBank等の塩基配列データベー
スについてBlast、FastA、FrameSearch等の検索法を用
いて相同性検索を行なうことにより、該蛋白質が、既
知、新規あるいは相同性の高い蛋白質であるか確認する
ことができる。
Fを構成している66kDa、61kDa、59kD
a、58kDa、46kDaの5種類のサブユニットに
おいて、46kDaのサブユニットがRD蛋白質と同一
の蛋白質であり、他のサブユニットは新規であることを
確認することができる。
それぞれのNELFサブユニット蛋白質をコードするD
NAを、以下の方法でクローニングすることができる。 3.NELFサブユニット蛋白質をコードするDNAの
調製 (1)ESTの塩基配列を利用したRT−PCRによる
cDNAのクローン化 新規なNELFサブユニット蛋白質の部分アミノ酸配列
に対応する塩基配列を有するいくつかのESTを塩基配
列データベース中より検索する。該検索により相応する
ESTが見いだされ場合には、該ESTの配列から5’
側と3’側のプライマーをそれぞれデザインし、NEL
Fを取得した細胞由来のmRNA、例えば、HeLa細
胞由来のmRNAをもとにして、RT−PCR〔PC
R, A practical Approach, Oxford University Press
(1991)〕を行なうことによりcDNAを増幅することが
できる。
フルオロ酢酸セシウム法〔Methodsin Enzymol., 154, 3
(1987)〕、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール
・クロロホルム法〔Analytical Biochemistry, 162, 15
6 (1987)〕などの方法により全RNAを調製し、この全
RNAからオリゴ(dT)セルロース法(モレキュラーク
ローニング 第2版)等によりポリ(A)+ RNAとしてm
RNAを調製する。
キット〔Fast Track mRNA Isolation Kit;インビ
トロジェン(Invitrogen)社〕、クイックプレップmR
NA精製キット〔Quick Prep mRNA Purification K
it;ファルマシア社〕等のキットを用いてNELFを取
得した細胞から直接mRNAを調製することもできる。
(+)(ストラタジーン社製)、pUC18(宝酒造社製)等の
クローニング用プラスミドにクローン化することができ
る。 (2)完全長cDNAのクローン化 一般にESTの塩基配列のもとになったcDNAクロー
ンの多くは非完全長cDNAクローンであるので、上記
のようにして得られたcDNA断片も完全長でなく、完
全長のcDNAはさらに5'側および3'側に延長部分があ
ることが充分考えられる。完全長のcDNAはRACE
法〔Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 85, 8998 (1988)〕ある
いはcDNAライブラリーのスクリーニングにより調製
することができる。
dTプライマーで2本鎖cDNAを合成後、cDNAの
両端にアダプターを付加する。このアダプターの塩基配
列に対応するプライマーと、RT−PCRにより得られ
たcDNAの5’側および3’側の塩基配列をもとにし
たプライマーを用いてPCRを行うことによりさらに
5’側および3’側のcDNA断片を取得する方法であ
る。
ーを用いて塩基配列を決定した後、5’側cDNA断片
の5’端の塩基配列と3’側cDNA断片の3’端の塩
基配列は、完全長cDNAの5’端および3’端の塩基
配列と考えられるので、この塩基配列をもとにしたプラ
イマーを設計し、NELFを取得した細胞のmRNAか
ら再度RT−PCRすることで、全長cDNAを増幅す
ることができる。この増幅断片はpBluescript II SK(+)
等のクローニング用プラスミドにクローン化することが
できる。
した細胞、例えば、HeLa細胞からcDNAを調製
し、適当なベクターに組み込み、宿主細胞に導入するこ
とにより作製することができる。具体的なcDNAライ
ブラリー作製法としては、モレキュラー クローニング
第2版、DNAクローニング1等に記載された方法、あ
るいは市販のキット、例えばSuperScript Plasmid Syst
em for cDNA Synthesis and Plasmid Cloning(ラ
イフ・テクノロジーズ社製)やZAP-cDNA Synthesis
Kit〔ストラタジーン社〕を用いる方法等をあげること
ができる。
ローニングベクターとしては、大腸菌K12株中で自立
複製できるファージベクター、プラスミドベクターを使
用することができる。具体的には、pBluescript II SK
(-)〔ストラタジーン社〕、Lambda ZAP II(ストラタジ
ーン社製)、λgt11〔DNA Cloning, A Practical Ap
proach, 1, 49 (1985)〕等をあげることができる。
coliに属する微生物であればいずれも用いることができ
る。具体的には、Escherichia coli XL1-Blue MRF'〔ス
トラタジーン社製、Strategies, 5, 81 (1992)〕、Esch
erichia coli Y1090〔Science, 222, 778 (1983)〕等を
用いることができる。
ーに対して、RT−PCRで増幅したcDNAを放射性
同位体やジゴキシゲニン等で標識したものをプローブと
してコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラーク
ハイブリダイゼーションを行うことより完全長cDNA
をクローン化することができる。
解析 (1)(2)の方法で得られたcDNAクローンは、D
NAシークエンサーを用いて全塩基配列を決定すること
ができる。該塩基配列をアミノ酸配列に翻訳することに
より該cDNAがコードする蛋白質のアミノ酸配列を決
定することができる。該アミノ酸配列中に精製したサブ
ユニット蛋白質のアミノ酸配列が存在すれば、取得した
cDNAクローンがサブユニット蛋白質のcDNAクロ
ーンであることを確認することができる。
ドする蛋白質のアミノ酸配列について、GenBank、EMBL
等の塩基配列データベースあるいはPIR、GenPept、Swis
sProt等のアミノ酸配列データベースを検索することに
より、既知、新規あるいは相同性のある遺伝子であるか
確認することができる。
DNAを宿主細胞中で発現させ、製造するために、モレ
キュラー クローニング 第2版、DNAクローニング1
等に記載された方法を用いることができる。
Aを適当な発現ベクターのプロモーター下流に挿入した
組換え体ベクターを造成し、該ベクターを宿主細胞に導
入することにより、NELFサブユニット蛋白質を発現
する形質転換体を取得し、該形質転換体を培養すること
により、NELFサブユニット蛋白質を製造することが
できる。
自律複製可能ないしは染色体中への組込が可能で、宿主
細胞中でサブユニット蛋白質のDNAからmRNAを転
写できるプロモーターを含有しているものが用いられ
る。宿主細胞としては、原核細胞、酵母、動物細胞、昆
虫細胞、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現できるも
のであればいずれも用いることができる。また、動物個
体や植物個体を用いることができる。
クターとしては、宿主動物細胞で転写を行なうプロモー
ター、NELFサブユニット蛋白質のDNA、転写の終
止と転写物のポリアデニル化のシグナルの配列を含有し
ているものが用いられる。またベクターの作製や維持を
容易にするため、E. coli内でも自律複製と遺伝子導入
マーカーとなる薬剤耐性遺伝子を発現できるものが望ま
しい。プロモーターとしては、動物細胞中で転写を行な
えるものであればいずれも用いることができるが、SV40
の初期プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CM
V)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーターお
よびエンハンサー、ラウス肉腫ウイルス、ヒトT細胞白
血病ウイルスI、モロニーマウス白血病ウイルス等レト
ロウイルスのロング・ターミナル・リピート(long ter
minal repeat)などのウイルス由来の配列、あるいはメ
タロチオネイン遺伝子やβ−アクチン遺伝子、伸長因子
−1などの動物細胞由来の遺伝子のプロモーター等をあ
げることができる。
蛋白質のDNAが組み込まれた恒常的なNELFサブユ
ニット蛋白質発現細胞は、G418、ハイグロマイシン
等の薬剤に対する耐性遺伝子を発現できる配列を含むN
ELFサブユニット蛋白質発現ベクターを宿主細胞に導
入し、薬剤の存在下で培養することにより選択すること
ができる。また、宿主細胞中でのNELFサブユニット
蛋白質の生産量を上昇させるために、ジヒドロ葉酸レダ
クターゼ(dhfr)遺伝子を発現できるような配列を含む
NELFサブユニット蛋白質恒常的発現ベクターを宿主
細胞に導入し、dhfr阻害剤であるメトトレキセート(me
thotrexate)の濃度を段階的に上げながら培養すること
により、dhfr遺伝子とともにNELFサブユニット蛋白
質のDNAのコピー数を増幅させることもできる。この
dhfr遺伝子を用いた遺伝子増幅を行なう場合の宿主細胞
としては、dhfr遺伝子が機能していない細胞、例えばCH
O/dhfr-(ATCC:CRL-9096)などを用いる。
クターの作製に用いられる具体的なベクターとして、例
えば、pAGE107〔特開平3-22979、Cytotechnology, 3, 1
33,(1990)〕、pAS3-3(特開平2-227075)、pCDM8〔Natu
re, 329, 840, (1987)〕、pcDNA3.1(+)(インビト
ロジェン社製)、pREP4(インビトロジェン社製)、pBK
-RSV(ストラタジーン社製)、pSVK3(アマシャム・フ
ァルマシア・バイオテク社製)、pcDNA1.1/Amp(イ
ンビトロジェン社製)、pAMo〔J. Biol. Chem., 268, 2
2782 (1993)〕等があげられる。
a細胞やNamalwa細胞、SP2/0、NS0等のマウス・ミエロ
ーマ細胞、YB2/0等のラット・ミエローマ細胞、COS-1、
COS-7等のアフリカミドリザル腎臓細胞、293等のヒト胎
児腎臓細胞、ハムスターの細胞であるCHO細胞、BHK細胞
等をあげることができる。
細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いるこ
とができ、例えば、エレクトロポレーション法〔Cytote
chnology, 3, 133 (1990)〕、リン酸カルシウム法(特
開平2-227075)、リポフェクション法〔Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 84, 7413 (1987)〕等をあげることがで
きる。
バキュロウイルス発現系〔Baculovirus Expression Vec
tors, A Laboratory Manual, W. H. Freeman and Compa
ny,New York (1992)、Bio/Technology, 6, 47 (1988)〕
が用いられる。即ち、トランスファーベクターと呼ばれ
るベクターにNELFサブユニット蛋白質のDNAを挿
入した後、該ベクターとバキュロウイルスを昆虫細胞に
同時に導入し、強力なプロモーターであるポリヘドリン
遺伝子プロモーター下にNELFサブユニット蛋白質の
DNAが挿入された組換えバキュロウイルスを相同組換
えによって作製した後、この組換えバキュロウイルスを
再度昆虫細胞に感染させることにより、NELFサブユ
ニット蛋白質を発現することができる。
ifornica 核多角体病ウイルス、カイコ核多角体病ウイ
ルス等が用いられる。昆虫細胞としてはSpodoptera fru
giperdaの細胞であるSf9およびSf21〔Baculovirus Expr
ession Vectors, A Laboratory Manual, New York (199
2)〕、Trichoplusia niの細胞であるHigh 5(インビト
ロジェン社製)等を用いることができる。また、カイコ
幼虫体をそのまま用いることもできる。トランスファー
ベクターには、ポリヘドリンプロモーターおよび相同組
換えを起こさせるためのバキュロウイルス由来の配列、
ベクターの維持・増殖や外来遺伝子の組み込み等の遺伝
子操作を大腸菌内で行なうための配列(大腸菌での自律
複製可能な配列および薬剤耐性遺伝子)が含まれてお
り、具体的にはpVL1392、pVL1393、pBlueBac4(ともに
インビトロジェン社製)等があげられる。
生産することもできる。例えば、公知の方法〔American
Journal of Clinical Nutrition, 63, 639S (1996)、A
merican Journal of Clinical Nutrition, 63, 627S (1
996)、Bio/Technology, 9, 830 (1991)〕に準じて、N
ELFサブユニット蛋白質のDNAを導入した動物中に
NELFサブユニット蛋白質を生産することができる。
ものであればいずれも用いることができるが、例えば、
乳腺細胞特異的なプロモーターであるαカゼインプロモ
ーター、βカゼインプロモーター、βラクトグロブリン
プロモーター、ホエー酸性プロテインプロモーター等が
好適に用いられる。
る場合には、公知の方法〔組織培養, 20 (1994)、組織
培養, 21 (1995)、Trends in Biotechnology, 15, 45
(1997)〕に準じてNELFサブユニット蛋白質を生産す
ることができる。NELFサブユニット蛋白質のDNA
の発現に用いるプロモーターとしては、植物細胞中で遺
伝子を発現できるものであればいずれも用いることがで
き、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の
35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター等をあ
げることができる。また、プロモーターと発現させるN
ELFサブユニット蛋白質のDNAとの間に、トウモロ
コシのアルコール脱水素酵素遺伝子のイントロン1等を
挿入することにより、NELFサブユニット蛋白質のD
NAの発現効率をあげることもできる。
モロコシ、イネ、アブラナ、大豆、トマト、小麦、大
麦、ライ麦、アルファルファ、亜麻等の植物細胞等をあ
げることができる。組換えベクターの導入方法として
は、植物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも
用いることができ、例えば、アグロバクテリウム(Agro
bacterium)、エレクトロポレーション法〔Cytotechnol
ogy, 3, 133 (1990)〕、パーティクルガン(遺伝子銃)
を用いる方法等をあげることができる。
入した植物の細胞や器官は、ジャーファーメンターを用
いて大量培養することができる。また、遺伝子導入した
植物細胞を再分化させることにより、NELFサブユニ
ット蛋白質のDNAが導入された植物個体(トランスジ
ェニック植物)を造成することもできる。
場合は、NELFサブユニット蛋白質発現ベクターは宿
主原核生物中で自律複製可能であり、リボソーム結合配
列を有するプロモーターの下流にNELFサブユニット
蛋白質のDNAが配置されたものを用いる。リボソーム
結合配列と開始コドンとの間は適当な距離(例えば、大
腸菌宿主のベクターの場合6〜18塩基)に調節されて
いることが好ましい。
ニット蛋白質のDNAの直下に転写終結配列を配置する
方が好ましい。また、形質転換体の選択のため、薬剤耐
性遺伝子等のマーカーとなる遺伝子を発現する配列を含
むようにする。プロモーターとしては、宿主細胞中で発
現できるものであればいかなるものでもよい。例えば大
腸菌を宿主とした場合は、trpプロモーター(Ptrp)、
lacプロモーター(Plac)、PLプロモーター、T7プロモ
ーター、PRプロモーター等の、大腸菌やファージ等に
由来するプロモーター等をあげることができる。またP
trpを2つ直列させたプロモーター(Ptrp x2)、tac
プロモーター、T7lacプロモーター、let Iプロモーター
のように人為的に設計改変されたプロモーター等も用い
ることができる。枯草菌を宿主とした場合は、枯草菌の
ファージであるSPO1やSPO2のプロモーター、PenPプロモ
ーター等をあげることができる。
(インビトロジェン社製)、pGEMEX-1(プロメガ社
製)、pQE-8(キアゲン社製)、pKYP200〔Agric. Biol.
Chem., 48, 669 (1984)〕、pLSA1〔Agric. Biol. Che
m., 53, 277 (1989)〕、pGEL1〔Proc. Natl. Acad. Sc
i., USA, 82, 4306 (1985)〕、pBluescript II SK(-)
(ストラタジーン社製)、pKK223-3(アマシャム・ファ
ルマシア・バイオテク社製)、pGEX-5X-3(アマシャム
・ファルマシア・バイオテク社製)、pET14(ノバジェ
ン社製)等を例示することができる。
チア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバ
クテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス
属等に属する微生物、例えば、Escherichia coli XL1-B
lue、Escherichia coli XL2-Blue、Escherichia coli D
H1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY32
76、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM10
9、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.4
9、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、
Serratia ficaria、Serratia fonticola、Serratia liq
uefaciens、Serratia marcescens、Bacillus subtili
s、Bacillus amyloliquefaciens、Brevibacterium ammm
oniagenes、Brevibacterium immariophilum ATCC1406
8、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Coryn
ebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium g
lutamicum ATCC14067、Corynebacterium glutamicum AT
CC13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC1387
0、Microbacterium ammoniaphilumATCC15354、Pseudomo
nas sp. D-0110等をあげることができる。
宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用い
ることができ、例えば、エレクトロポレーション法〔Nu
cleic Acids Res., 16, 6127 (1988)〕、カルシウムイ
オンを用いる方法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69,
2110 (1972)〕、プロトプラスト法(特開昭63-248394
2)、Gene, 17, 107 (1982)やMolecular & General Gen
etics, 168, 111 (1979)に記載の方法等をあげることが
できる。
クターとしては、宿主酵母で転写を行なうプロモータ
ー、NELFサブユニット蛋白質のDNA、転写の終止
配列および酵母での形質転換マーカーとなる遺伝子、た
とえば薬剤耐性遺伝子やTRP1、HIS3、LEU2等のアミノ酸
合成系の遺伝子を発現できる配列を含有しているものが
用いられる。また、発現ベクターの作製や維持を容易に
するため、E. coli内でも自律複製と遺伝子導入マーカ
ーとなる薬剤耐性遺伝子を発現できるものが望ましい。
なえるものであればいずれのものを用いてもよく、例え
ばSaccharomyces cerevisiaeのアルコールデヒドロゲナ
ーゼ遺伝子ADH1やガラクトキナーゼ遺伝子GAL1、GAL10
等のプロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモータ
ー、GAPプロモーター、ヒートショック蛋白質プロモー
ター、MFα1プロモーター、CUP1プロモーター、Pichia
pastorisのアルコールオキシダーゼ遺伝子AOX1のプロモ
ーター等が用いられる。
シゾサッカロマイセス属、ピヒア属等に属する酵母菌株
をあげることができ、具体的には、Saccharomyces cere
visiae、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastoris
等をあげることができる。組換えベクターの導入方法と
しては、酵母にDNAを導入する方法であればいずれも
用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法
〔Methods. Enzymol., 194, 182 (1990)〕、スフェロプ
ラスト法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA,81, 4889 (198
4)〕、酢酸リチウム法〔Journal of Bacteriology, 15
3, 163 (1983)〕等をあげることができる。
NAを組み込んだ組換え体ベクターを保有する微生物、
動物細胞、あるいは植物細胞由来の形質転換体を、通常
の培養方法に従って培養し、NELFサブユニット蛋白
質を生成蓄積させ、該培養物よりNELFサブユニット
蛋白質を採取することにより、NELFサブユニット蛋
白質を製造することができる。
る培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地
〔The Journal of the American Medical Association,
199,519 (1967)〕、EagleのMEM培地〔Science, 122, 5
01 (1952)〕、DMEM培地〔Virology, 8, 396 (1959)〕、
199培地〔Proceeding of the Society for the Biologi
cal Medicine, 73, 1 (1950)〕またはこれら培地に牛胎
児血清等を添加した培地等を用いることができる。必要
に応じてペニシリンやストレプトマイシン等の抗生物質
を培地に添加してもよい。
5%CO2存在下等の条件下で1〜7日間行う。昆虫細
胞を宿主細胞として得られた形質転換体を培養する培地
としては、一般に使用されているTNM-FH培地〔ファーミ
ンジェン(Pharmingen)社製〕、Sf-900II SFM培地(ラ
イフ・テクノロジーズ社製)、ExCell400、ExCell405
〔いずれもJRHバイオサイエンシーズ(JRH Bioscien
ces)社製〕、Grace's Insect Medium〔Nature, 195, 7
88 (1962)〕等を用いることができる。
30℃がよく、培養時間は、通常1〜5日間である。ま
た、培養中必要に応じて、ゲンタマイシン等の抗生物質
を培地に添加してもよい。形質転換体が動物個体または
植物個体の場合は、通常の方法に従って、飼育または栽
培し、NELFサブユニット蛋白質を生成蓄積させ、該
動物個体または植物個体よりNELFサブユニット蛋白
質を採取することにより、NELFサブユニット蛋白質
を製造することができる。
サブユニット蛋白質のDNAを保有する非ヒトトランス
ジェニック動物を飼育し、該組換え体DNAのコードす
るNELFサブユニット蛋白質を該動物中に生成・蓄積
させ、該動物中よりNELFサブユニット蛋白質を採取
することにより、NELFサブユニット蛋白質を製造す
ることができる。該動物中の生成・蓄積場所としては、
例えば、該動物のミルク、卵等をあげることができる。
ニット蛋白質のDNAを保有するトランスジェニック植
物を栽培し、NELFサブユニット蛋白質を該植物中に
生成蓄積させ、該植物中よりNELFサブユニット蛋白
質を採取することにより、NELFサブユニット蛋白質
を製造することができる。
生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地と
しては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類
等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地で
あれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
であればよく、グルコース、フラクトース、スクロー
ス、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン
加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機
酸、エタノール、プロパノールなどのアルコール類等を
用いることができる。
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム
塩、その他の含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水
分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌
体、およびその消化物等を用いることができる。
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。培養
は、通常振盪培養または深部通気攪拌培養などの好気的
条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養期
間は、通常16〜96時間である。培養中pHは3.0
〜9.0に保持する。pHの調整は、無機または有機の
酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア
などを用いて行う。必要に応じて、培養期間中にアンピ
シリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加し
てもよい。
を用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する
ときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加し
てもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベ
クターで形質転換した微生物を培養するときにはIPT
G等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形
質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリ
ル酸等を培地に添加してもよい。
LFサブユニット蛋白質を単離精製するには、以下のよ
うな通常の蛋白質の単離精製法を用いればよい。NEL
Fサブユニット蛋白質が細胞外に分泌される場合には、
培地中にNELFサブユニット蛋白質が蓄積する。従っ
て培養終了後、遠心分離等の手法により細胞を含まない
培地のみを回収する。該培地から、通常の蛋白質の単離
精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩
法、有機溶媒による沈殿法、DEAEセファロース、DIAION
HPA-75(三菱化成社製)、Mono-Q(アマシャム・ファ
ルマシア・バイオテク社製)等のレジンを用いた陰イオ
ン交換クロマトグラフィー法、SPセファロース(アマシ
ャム・ファルマシア・バイオテク社製)等のレジンを用
いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファ
ロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水
性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、
アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォー
カシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を
単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることが
できる。。
体の細胞内に蓄積する場合には、培養終了後の培養物か
ら、形質転換体の細胞を遠心分離等の手法により回収
し、緩衝液にけん濁後、超音波破砕機、フレンチプレス
等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。NELF
サブユニットが細胞内で溶解状態で存在する場合には、
該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清
から、上記の培地からの精製単離と同様にして精製標品
を得ることができる。また、NELFサブユニット蛋白
質が細胞内に不溶体を形成して存在する場合は、該無細
胞抽出液を遠心分離後、沈殿画分としてNELFサブユ
ニット蛋白質の不溶体を回収する。このNELFサブユ
ニット蛋白質の不溶体を蛋白質変性剤で可溶化した後、
該可溶化液を、蛋白質変性剤を含まないあるいは蛋白質
変性剤の濃度が蛋白質が変性しない程度に希薄な溶液に
希釈あるいは透析し、NELFサブユニット蛋白質を正
常な立体構造に復元させた後、上記と同様の単離精製法
により精製標品を得ることができる。
R, 6,129-134、Science,242,1162-1164、J.Biochem.,
110, 166-168 (1991)〕に準じて、in vitro転写・翻訳
系を用いてNELFサブユニット蛋白質を生産すること
ができる。精製したNELFサブユニット蛋白質の構造
解析は、蛋白質化学で通常用いられる方法、例えば遺伝
子クローニングのための蛋白質構造解析(平野久著、東
京化学同人発行、1993年)に記載の方法により実施
可能である。
る抗体の調製 (1)ポリクローナル抗体の調製 上記4.に記載の方法により取得したNELFサブユニ
ット蛋白質の全長または部分断片ポリペプチドを抗原と
して用い、動物に投与することによりポリクローナル抗
体を作製することができる。
ト、マウス、ハムスター等を用いることができる。該抗
原の投与量は動物1匹当たり50〜100μgが好まし
い。ペプチドを用いる場合は、ペプチドをスカシガイヘ
モシアニン(keyhole limpet haemocyanin)や牛チログ
ロブリン等のキャリア蛋白に共有結合させたものを抗原
とするのが望ましい。
週間おきに3〜10回行う。各投与後、3〜7日目に眼
底静脈叢より採血し、該血清が免疫に用いた抗原と反応
することを酵素免疫測定法〔酵素免疫測定法(ELISA
法):医学書院刊 1976年、Antibodies-A Laboratory M
anual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (198
8)〕等で確認する。
抗体価を示した非ヒトほ乳動物より血清を取得し、該血
清を分離、精製することによりポリクローナル抗体を取
得することができる。分離、精製する方法としては、遠
心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウムによる塩
析、カプリル酸沈殿〔Antibodies,A Laboratory Manua
l,Cold Spring Harbor Laboratory, (1988)〕、または
DEAE−セファロースカラム、陰イオン交換カラム、
プロテインAまたはG−カラムあるいはゲル濾過カラム
等を用いるクロマトグラフィー等を、単独または組み合
わせて処理する方法があげられる。
が十分な抗体価を示したラットを抗体産生細胞の供給源
として供する。
投与した後3〜7日目に、脾臓を摘出する。該脾臓をM
EM培地(日水製薬社製)中で細断し、ピンセットでほ
ぐし、1,200rpmで5分間遠心分離した後、上清
を捨てる。
アンモニウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理
し赤血球を除去した後、MEM培地で3回洗浄し、得ら
れた脾細胞を抗体産生細胞として用いる。 (2-2)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスまたはラットから取得した
株化細胞を使用する。
/c由来)骨髄腫細胞株P3-X63Ag8-U1(P3-U1)〔Curr. Top
ics Microbiol. Immunol., 81, 1 (1978)、Eur. J. Imm
unol.,6, 511 (1976)〕、SP2/0-Ag14(SP-2)〔Nature, 2
76, 269 (1978)〕、P3-X63-Ag8653(653)〔J. Immunol.,
123, 1548 (1979)〕、P3-X63-Ag8(X63)〔Nature, 256,
495 (1975)〕等を用いることができる。これらの細胞
株は、8−アザグアニン培地〔RPMI−1640培地
にグルタミン(1.5mM)、2−メルカプトエタノール
(5×10-5M)、ジェンタマイシン(10μg/m
l)および牛胎児血清(FCS)(CSL社製、10
%)を加えた培地(以下、正常培地という)に、さらに
8−アザグアニン(15μg/ml)を加えた培地〕で
継代するが、細胞融合の3〜4日前に正常培地で培養
し、融合には該細胞を2×107個以上用いる。
細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム
1.83g、リン酸一カリウム 0.21g、食塩 7.
65g、蒸留水 1リットル、pH7.2)でよく洗浄
し、細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:
1になるよう混合し、1,200rpmで5分間遠心分
離した後、上清を捨てる。
該細胞群に、攪拌しながら、37℃で、108抗体産生
細胞あたり、ポリエチレングライコール−1000(P
EG−1000) 2g、MEM 2mlおよびジメチル
スルホキシド(DMSO)0.7mlを混合した溶液を
0.2〜1ml添加し、更に1〜2分間毎にMEM培地
1〜2mlを数回添加する。
lになるように調製する。該調製液を900rpmで5
分間遠心分離後、上清を捨てる。得られた沈殿画分の細
胞を、ゆるやかにほぐした後、メスピペットによる吸込
み、吹出しでゆるやかにHAT培地〔正常培地にヒポキ
サンチン(10-4M)、チミジン(1.5×10-5M)
およびアミノプテリン(4×10-7M)を加えた培地〕
100ml中に懸濁する。
μl/穴ずつ分注し、5% CO2インキュベーター中、
37℃で7〜14日間培養する。培養後、培養上清の一
部をとりアンチボディイズ〔Antibodies-A LaboratoryM
anual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Chapte
r14 (1988)〕等に述べられている酵素免疫測定法によ
り、上記抗体産生細胞を取得するために、免疫に用いた
抗原に特異的に反応するハイブリドーマを選択する。
方法をあげることができる。免疫の際、抗原に用いた本
発明のポリペプチドの全長または部分断片精製標品を適
当なプレートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もし
くは後述の(2-4)で得られる精製抗体を第一抗体として
反応させ、さらに第二抗体としてビオチン、酵素、化学
発光物質あるいは放射線化合物等で標識した抗ラットイ
ムノグロブリン抗体を反応させた後に標識物質に応じた
反応を行ない、本発明のポリペプチドに特異的に反応す
るものを本発明のポリペプチドに対するモノクローナル
抗体を生産するハイブリドーマとして選択する。
よりクローニングを2回繰り返し〔1回目は、HT培地
(HAT培地からアミノプテリンを除いた培地)、2回
目は、正常培地を使用する〕、安定して強い抗体価の認
められたものを本発明のポリペプチドに対するモノクロ
ーナル抗体を生産するハイブリドーマ株として選択す
る。
ンタデカン(Pristane)0.5mlを腹腔内投与し、2
週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまたはヌード
マウスに、(2-3)で取得した本発明のポリペプチドに対
するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞
5〜20×106細胞/匹を腹腔内に注射する。10〜
21日間でハイブリドーマは腹水癌化する。
3,000rpmで5分間遠心分離して固形分を除去す
る。得られた上清より、ポリクローナルで用いた方法と
同様の方法でモノクローナル抗体を精製、取得すること
ができる。
ローナル抗体タイピングキットまたはラットモノクロー
ナル抗体タイピングキットを用いて行う。蛋白質量は、
ローリー法あるいは280nmでの吸光度より算出す
る。6.NELFサブユニット蛋白質をコードするDN
A、NELFサブユニット蛋白質、NELF蛋白質、N
ELFあるいはNELFサブユニット蛋白質を認識する
抗体の利用 (1)NELFサブユニット蛋白質のDNAを用いてN
ELFサブユニット蛋白質のmRNAを検出、定量する
ことができる。
調製し、このRNAに対して、標識したNELFサブユ
ニット蛋白質のDNAをプローブとしたノーザンブロッ
トハイブリダイゼーションや、NELFサブユニット蛋
白質のDNAの塩基配列に基づいたオリゴヌクレオチド
をプライマーにしたRT−PCRを行うことにより、N
ELFサブユニット蛋白質の発現している組織や発現時
期の検出・定量および種々の刺激によるNELFサブユ
ニット蛋白質の発現誘導の有無等を調べることができ
る。
Aを用い、4.に記載した方法により、NELFサブユ
ニット蛋白質を生産し取得することができる。細胞から
各サブユニット蛋白質を精製する場合に比べ、他のサブ
ユニット蛋白質や因子の混入がない、より純粋なNEL
Fサブユニット蛋白質を調製できるため、in vitroでN
ELFを再構成する系を作製できる。この系を用いるこ
とにより、個々のサブユニットの機能をより明確に調べ
ることが可能となる。
子の異常な高発現が関与している場合が多い。c−My
cの発現には転写伸長段階の制御が重要であるとの報告
もある〔EMBO J., 11, 1085 (1992)、Genes Dev., 9, 5
59 (1995)〕。NELFはpol IIの伸長反応を普遍
的に抑制することから、NELFとDSIFを発現でき
るような遺伝子治療用ベクターを癌細胞に特異的に導入
することができれば、癌細胞の増殖を抑制することがで
き、癌の治療を行うことができる。
活性化を阻害することが報告されている。従って、DR
Bの作用に関わるNELFもまた、Tatの作用に関与
している可能性があるため、NELF蛋白質あるいはN
ELFを発現する遺伝子治療用ベクターはHIVをはじ
めとするウイルスの増殖を抑制する可能性がある。
によりmRNAレベルあるいは、5.記載の抗体を用い
て蛋白レベルで測定することにより、ウイルスの増殖状
態を診断できる可能性がある。 (5)NELFサブユニット蛋白質を抗原として用い、
5.に記載の方法によりNELFサブユニット蛋白質お
よびNELFを認識する抗体を製造することができる。
るいはNELFサブユニットを検出することができる。
具体的にはマイクロタイタープレートを用いるELIS
A法や蛍光抗体法、イムノブロット法、免疫組織染色等
の検出法をあげることができる。
るいはNELFサブユニットを定量することができる。
具体的には、NELFの定量の場合、液相中でNELF
と反応する抗体のうちエピトープが異なる2種類のモノ
クローナル抗体を用いたサンドイッチELISA法、
125I等の放射性同位体で標識したNELFとNELFを
認識する抗体を用いるラジオイムノアッセイ法等をあげ
ることができる。
の精製を容易に行うことができる。即ち、液相中でNE
LFと反応する抗体をカラムに固定化したアフィニティ
ーカラムを作製し、精製に利用する。 (9)配列番号9に示した、FlagタグペプチドをN
末に付加したRD蛋白質を動物細胞に発現させることに
より、活性を保持したままNELFをFlagタグペプ
チドで標識することができ、抗Flag抗体を用いるこ
とにより、細胞からNELFを非常に容易に精製でき
る。
Iを直接抑制する活性を持っているので、pol II
の伸長反応を制御するツールとなる。 (11)NELF蛋白質を用いたin vitro転写再構成系
は、NELF蛋白質に作用し、pol IIの伸長反応
に影響する薬剤のスクリーニングに用いることができ
る。
ELFの存在の発見 精製した分子からなるin vitro転写再構成系を確立し、
そのDRB感受性を解析することによりDRB感受性の
分子的な解明を行なった。in vitro転写再構成系は、H
eLa細胞の核抽出液を材料として和田らの方法〔Gene
s & Development, 12, 343 (1998)〕に従って以下のよ
うにして構築した。
本転写因子およびpol IIの調製 HeLa細胞の核抽出液をDignamらの論文〔Nucleic Ac
ids Res., 11, 1475 (1983)〕の方法に従って調製し、
ホスホセルロースカラムP11に通塔し、素通り画分
(以降、P.1と呼ぶ。)を回収後、0.3MのKCl
ついで1.0MのKClを用い段階溶出を行い、それぞ
れの溶出画分(以降、それぞれP.3、P1.0と呼
ぶ。)を回収した。上記論文で記載のように、DSIF
はP.1およびP.3に回収され、ほとんどの基本転写
因子とpol IIはP1.0に回収された。
EPES(pH7.9)、20% グリセロール、0.
2mM EDTAおよび0.5mM DTTよりなる〕に
0.1M KClを添加した緩衝液〔以下、HGE.1
と呼ぶ。同様にHGEにx MのKClを添加した緩衝
液をHGEx(xはKClのモル濃度を表す数字)と呼
ぶ。〕に対して透析した。
化した60mlのDEAE Sepharose FFカラム(アマシャ
ム・ファルマシア・バイオテク社製)に通塔した。該カ
ラムをHGE.1で洗浄後、HGE.3、HGE1.0を用
いて蛋白質の溶出を行った。
酸アンモニウムを含んだHGE緩衝液に対して透析し、
得られた透析液を、フェニルスーパーロース(Phenyl S
uperose)HR5/5カラム(アマシャム・ファルマシア・バ
イオテク社製;容量1.0ml)に通塔し、素通り画分
(以下、φFTと呼ぶ。)を回収した。
直線勾配のHGE緩衝液15mlを用いて蛋白質を溶出
し、該溶出液を分画しながら回収した。各画分に対し、
基本転写因子それぞれに対する抗体を用いたイムノブロ
ッティングを行なうことにより、該画分に含まれる基本
転写因子の分布を追跡した。
IはφFTに、TFIIEあるいはTFIIFは硫酸アン
モニウム直線勾配のHGE溶出画分にそれぞれ検出され
た。 (2)遺伝子組換え法によるTFIIB、TFIIEお
よびTFIIFの調製精製された基本転写因子を得るた
め、和田らの方法〔Genes & Development, 12, 343 (19
98)〕に従い大腸菌で遺伝子組換え法によりTFII
B、TFIIEおよびTFIIFを生産させ、調製し
た。
写因子を以下、rTFIIB、rTFIIEおよびrT
FIIFと呼ぶ。 (3)DSIFの調製 (1)で得られたP.1とP.3を12mlずつ混合
し、固体の硫酸アンモニウムを飽和するまで加えて4℃
で一晩放置し、蛋白質を塩析させた後、4℃、13,6
00×gで30分遠心することにより、蛋白質を塩析沈
降させた。
(HGE.05を2倍に希釈した緩衝液)に溶解し、
0.5×HGE.05に対して透析し、粗精製DSIF
標品を調製した。このDSIF標品を以下、粗DSIF
と呼ぶ。より精製されたDSIF標品を得るため、DS
IFのサブユニットであるp160とp14を以下のよ
うに遺伝子組換えを用いて生産し、調製した。
テムを用い、ノバジェン社のマニュアルに従って、以下
の方法で、N末側にHisタグを付加したp160およ
びp14を大腸菌で生産させ、精製した。Hisタグを
N末端側に付加する発現用ベクターpET14(ノバジ
ェン社製)にp160 cDNAあるいはp14 cDN
Aを導入し、大腸菌発現用プラスミドpET−p160
およびpET−p14を作製した。
p14をそれぞれ大腸菌BL21(DE3)株(ノバジ
ェン社製)に導入し、100μg/mlアンピシリンを
含んだLB液体培地で37℃で培養した。600nmに
おける濁度が0.6になった時点で、プロモーターの誘
導剤であるIPTGを終濃度が1mMとなるように加
え、さらに4時間培養した。
15分遠心し、菌体を回収した。回収菌体をPBSで2
回洗浄し、培養液に対して1/50容の1×Bindingバ
ッファー(ノバジェン社製)に懸濁させた。これら懸濁
液を用い、断続的に30分、超音波破砕処理を行った
後、これら処理液を4℃、13,600×gで30分遠
心し、穴径0.45μmのフィルターに通すことにより
溶解液を調製した。
ind Resin(ノバジェン社製)に通塔し、Hi
sタグの付加した組換え蛋白質を吸着させた後、ノバジ
ェン社のマニュアルに従って精製した。p14は効率よ
く、高純度で精製できたが、p160は大部分が素通り
画分に回収され、また、溶出画分には多くの分解産物が
含まれていた。
レパラティブ電気泳動装置(日本エイドー)にかけ、分
解していない全長のp160を分取した。取得したp1
60およびp14をアセトン沈澱処理し、得られた沈殿
物を6Mグアニジン塩酸塩にそれぞれ溶解した。
ぞれ透析することにより、精製されたp160およびp
14を取得した。このp160とp14を10:1の割
合で混合したものを遺伝子組換えDSIF標品(以下、
rDSIFと呼ぶ。)として用いた。
感受性の解析 スーパーコイル形態のプラスミドpTF3-6(C2AT)〔J. Vir
ol., 65, 557 (1991)〕およびpMLd(C2AT)〔EMBO J., 9,
841 (1990)〕を転写の鋳型として用いた。これらはア
デノウイルスのE4および主要後期遺伝子プロモーター
の支配下で、380および300塩基のグアニン塩基を
含まない転写産物を合成できるプラスミドである。
ng、pMLd(C2AT) 225ng〕に(1)〜(3)で調
製した画分を添加し、in vitro転写反応系を構築した。
in vitro再構成系としては、φFT(5μl)、rTF
IIB(30ng)、rTFIIE(a 5ng、b
3ng)、rTFIIF(RAP74 15ng、RA
P30 15ng)を混合し、場合によりP−TEFb
画分(6μl)およびDSIFとして粗DSIF(2μ
l)あるいはrDSIF(p160 30ngおよびp
14 3ngの混合物)を添加したものに鋳型用プラス
ミドを加えたもの(以下、転写再構成系と呼ぶ。)を用
いた。該転写再構成系の対照用の系として、未精製の各
種細胞成分を含む分画していないP1.0濃縮画分2μ
lに鋳型用プラスミドを加えた系(以下、未精製系と呼
ぶ。)も用いた。
〔Genes & Development, 12, 343 (1998)〕記載の方法
に従い、30℃で45分間プレインキュベーションした
後、32P標識ヌクレオチドを添加して10分間反応させ
た後、尿素−PAGEにより解析した。
IF標品を加えてDRB感受性を比較した。結果を図2
Bに示した。未精製系(レーン1〜6)では、どちらの
DSIF標品もDRB感受性を誘導し(レーン3〜
6)。これは文献1の結果と一致した。一方、転写再構
成系(レーン7〜10)においては粗DSIFはDRB
感受性を誘導した(レーン7、8)が、rDSIFはD
RB感受性を誘導できなかった(レーン9、10)。
的な転写阻害に必要な、DSIF以外の因子が含まれて
いると考えられた。そこで、転写再構成系にrDSIF
を加え、さらに濃縮していないP.1あるいはP.3を
加えて転写反応のDRB感受性を調べた。
した。P.3の量依存的に顕著にDRB感受性が誘導さ
れた(レーン11〜18)。なお、rDSIFを除いた
場合はDRB感受性が失われた(レーン3〜10)。
P.1にはこのような活性は認められなかった。P.3
に含まれるDRB感受性を担うDSIF以外の因子をne
gative elongation factor;NELFと名付けた。
るため、その蛋白質を以下のようにして精製した。な
お、各精製段階においては、NELFの活性を、実施例
1(4)記載の再構成系に試料をrDSIFと共に添加
し、DRB添加時と非添加時の転写量を比較することに
より、転写のDRB感受性を誘導する活性として測定し
た(以下、この測定系をNELF活性アッセイ系と呼
ぶ。)実施例1(1)と同様にしてHeLa核抽出液1
20ml(蛋白量として約840mg)より調製した
P.3画分(蛋白量として約200mg、KCl濃度
0.3M)を、HGEを用いてKCl濃度が0.15M
になるよう希釈し、これをHGE.15で平衡化したDE
AE Sepharose FFカラム(60ml)に通塔した。
E.225、HGE.3およびHGE1.0を用いて蛋
白質を段階溶出し、該溶出液を分画しながら回収し
た。。各溶出画分について、サブユニットであるp16
0に対する抗体を用いたイムノブロッティングによるD
SIFの検出、およびNELF活性の測定を行った。
ELF活性は0.225M KClの溶出画分に認めら
れ、NELFとDISFを分離することができた。0.
225M KCl溶出画分を蛋白質量として10mgず
つ、HGE.225で平衡化したHiTrap Heparinカラム
(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製;容量5
ml)に通塔し、吸着させた。
およびHGE1.0を用いて段階溶出し、NELF活性は
0.3M KCl画分に認められた。該画分(蛋白量と
して約5mg)を、HGEを用いてKCl濃度が0.2
5Mになるよう希釈し、mono Q HR5/5カラム(アマシャ
ム・ファルマシア・バイオテク社製;容量1.0ml)
に通塔し、吸着させた。
KClの直線濃度勾配のHGE緩衝液15mlを用いて
蛋白質を溶出し、該溶出液を分画しながら回収した。N
ELF活性の認められた0.30M付近に溶出される活
性画分を集め、0.75M (NH4)2SO4を含んだH
GE緩衝液に対して透析した。
henyl Superose HR5/5カラムに通塔し、0.5〜0M
(NH4)2SO4の直線濃度勾配のHGE緩衝液15m
lを用いて蛋白質を溶出し、該溶出液を分画しながら回
収した。NELF活性の認められた画分を集め、HG
E.1に対して透析した。
シャム・ファルマシア・バイオテク社製;容量0.1m
l)に通塔し、0.1〜0.35M KClの直線濃度
勾配のHGE緩衝液1.5mlを用いて蛋白質を溶出
し、該溶出液を分画しながら回収した。
近に認められた。上記精製の過程で、精製段階が進むに
つれ回収されるNELF活性の低下が認められたため、
NELF活性アッセイ系について、イムノブロッティン
グ法により、DSIFと共にDRB感受性に関与する因
子であるP−TEFbの検出を行なった。
にほとんど含まれていないことがわかった。従って、N
ELF活性の低下は、実際にNELFの活性が低下して
いるためではなく、NELF画分中の不純物として系に
存在していたP−TEFbが、精製段階が進むにつれて
反応系に不足してくるためと判断された。
以下の方法でHeLa核抽出液から部分精製したP−T
EFbをNELF活性アッセイ系に添加した。HeLa
核抽出液のホスホセルロースP11カラムの溶出画分に
ついてP−TEFbのCdk9サブユニットに対する抗
体(Santa Cruz社製)を用いたイムノブロッティングに
よりP−TEFbを追跡し、P−TEFbは大部分がP
1.0に含まれていることを確認した。
カラムに通塔後、HGE緩衝液で溶出される画分につい
て同様にイムノブロッティングでP−TEFb検出する
ことにより、P−TEFbを含む画分を集めて回収し、
該画分をアッセイ系に添加した。
カラムの各溶出画分のNELF活性測定結果を図3Bに
示した。溶出画分20〜24にNELF活性が存在して
いた。これらの画分に含まれる蛋白質をSDS−PAG
E後銀染色した結果を図3Bに示したが、NELF活性
画分には分子量66、61、59、58および46kD
aの蛋白質が存在した。
化したSuperdexゲルろ過カラム(アマシャム・ファルマ
シア・バイオテク社製;容量2.4ml)に通塔した。
NELF活性は分子量約300kDaの位置に溶出され
た。該画分に含まれる蛋白質をSDS−PAGE後銀染
色で分析したところ、上記の5種類の分子量の蛋白質は
挙動をともにしており、NELFのサブユニットとして
複合体を形成していることが示唆された。そこで、これ
らの蛋白質をそれぞれNELFp66(分子量66kD
a)、NELFp61(分子量61kDa)、NELF
p59(分子量59kDa)、NELFp58(分子量
58kDa)、NELFp46(分子量46kDa)と
名付けた。最終的に840mgの蛋白質を含むHeLa
核抽出液より2〜3μgの各NELFサブユニット蛋白
質を取得した。
抑制活性の性質 (1)DSIFとの関係 実施例1で構築した転写再構成系(P−TEFb非添
加、DRB非添加)において、rDSIFあるいは実施
例2で精製したNELFを添加した場合の結果を図4A
に示した。
ELF単独(レーン1、5、9)ではどちらの因子もほ
とんど転写に影響しないのに対し、NELFとDSIF
の両者を加えると(レーン5〜12)転写抑制が観察さ
れ、同時に短い転写産物の蓄積が観察された。
に働いて転写を抑制することが分かった。なお、実施例
2で示したように、P−TEFb非存在下ではDRB感
受性は誘導されなかった(図3Dレーン1〜6)。 (2)P−TEFbとの関係 実施例1で構築した再構成系にrDSIFを一定量加え
た系において、実施例2で精製したNELFあるいはP
−TEFbを添加し、P−TEFbとNELFが転写お
よびDRB感受性におよぼす影響を調べた。
下でNELFを加えると、DRBとは無関係に著しく転
写を抑制した(図3Dレーン1〜6)が、P−TEFb
を加えると、この抑制は解除され転写が回復した。また
回復した転写はDRB感受性であった(レーン7〜1
2)。
は転写を抑制するが、P−TEFbはこのNELFの転
写抑制活性を打ち消すことがわかった。 (3)伸長反応におけるpol IIへの直接作用 NELF、DSIFあるいはP−TEFbが、pol
IIに直接作用するか否か、プラスミドのかわりにオリ
ゴdCテンプレート(2本鎖DNAの3’末端にデオキ
シシトシンが数十塩基付加したもの)を鋳型として用い
た再構成系により検討した。
プロモーターを認識することはできないが、このオリゴ
dCテンプレートの場合はpol II単独で効率よく
認識し、転写反応が行われる。オリゴdCテンプレート
dC3.8は北嶋らの論文〔J. Biol. Chem., 269, 299
70 (1994)〕の方法により調製した。
〔EMBO J., 10, 2305 (1991)に記載の方法で調製したも
の;0.5〜1.5μl〕および6mM MgCl2を含
む0.5×HGE.05を基本の反応液とし、場合によ
りNELF、DSIF、P−TEFb等の因子を添加し
た反応液を調製した。
インキュベーションした後、3μlの32P標識NTP溶
液(50μM ATP/CTP/GTP、10μM UT
P、1μCi [α−32P]UTP)を加えて、伸長反
応を開始した。反応2、4、8および16分後に、反応
液をそれぞれ5μl分取し、フェノール・クロロホルム
抽出を行い反応を停止させた。転写産物をエタノール沈
澱により回収し、8%尿素を含むポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動により解析した。
い場合、伸長反応が観察された(レーン1〜4)。この
反応系にDSIFあるいはNELFを単独で加えても、
ほとんど効果は観察されなかった(レーン5〜12)。
しかし、両者を共存させるとpol IIの伸長反応が
著しく抑制された(レーン13〜16)。以上の結果か
ら、DSIFとNELFはpol IIに直接作用して
伸長反応を抑制することが判明した。
響 P-TEFbはCTDのリン酸化を介して伸長反応を促進する
のではないかと示唆されているため、CTDの有無およ
びそのリン酸化状態がNELFとDSIFの伸長反応抑
制活性に及ぼす影響を調べた。
と非リン酸化型のpol II (pol IIa) を、そ
れぞれKimとDahmus〔J. Biol. Chem., 263, 18880 (198
8)〕およびLuら〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 10
004 (1991)〕に記載の方法で分離、調製した。なお、
(3)で用いたpol IIは、大部分が非リン酸化型
である。また、BuratowskiとSharp (1991) の方法〔Mo
l. Cell. Biol., 10, 5562 (1990)〕に従い、pol I
Iaを30℃で30分、0.25μg/mlのキモトリ
プシンで限定分解することにより、CTDを欠失したp
ol IIbを調製した。
(3)と同様のオリゴdCテンプレートの転写再構成系
の反応を、P−TEFb非存在下で行なった。DSIF
およびNELF非存在下では、どのタイプのpol I
Iも同様の活性を示した(図5のレーン1〜4、9〜1
2、17〜20)。よってCTDの有無、あるいはリン
酸化状態はpol IIの伸長反応に直接影響しないこ
とが分かった。
IIaとpol IIbの伸長反応は著しく抑制されたの
に対し(図5のレーン13〜16、21〜24)、po
lIIoの伸長反応はまったく抑制効果を受けなかった
(図5のレーン5〜8)。CTDを持たないpol I
Ibがpol IIaと同様に抑制されたことから、CT
DはDSIFとNELFによる伸長反応の抑制には必要
ないことが分かった。また、pol IIoは全く抑制
を受けないことから、CTDのリン酸化はDSIFとN
ELFによる伸長反応の抑制を打ち消す働きを持つこと
が分かった。
の解析と該蛋白質をコードするcDNAの単離 実施例2と同様に精製した約5μgのNELFサブユニ
ットを含むNELF画分をアセトン沈澱し、7.5%の
SDS−PAGEで分離した。
Fp59、NELFp58、NELFp46の各バンド
を切り出して単離し、ゲル中でLysyl-Cエンドペプチダ
ーゼ(和光純薬製)と反応させることにより、各サブユ
ニット蛋白質を切断した。切断により得られたペプチド
を逆相HPLCによって分離し、自動エドマン分解によ
り各ペプチドのアミノ酸配列を決定した。
される3つのアミノ酸配列が検出された。これらのアミ
ノ酸配列をアミノ酸配列データベースおよび塩基配列デ
ータベースに対して相同性検索した。なお塩基配列デー
タベースは翻訳領域のアミノ酸配列あるいはEST(ex
pressed sequence tag)等の翻訳領域が不明な塩基配列
については強制的に3フレームでアミノ酸配列に変換し
たものに対して相同性検索を行なった。
よびゲノムDNAの塩基配列と一致することが判明し
た。見出されたESTの塩基配列をもとにDNAプライ
マーを合成し、HeLa細胞のmRNAを鋳型としてR
T−PCRを行うことによってNELFp66のcDN
A断片を増幅した。
が充分考えられたため、増幅されたcDNAの5’側お
よび3’側の塩基配列をもとに、RACE法を用いて、
さらに5’側および3’側のcDNA断片を取得し、塩
基配列を決定した。RACE法により得られた5’側c
DNA断片の5’端の塩基配列と3’側cDNA断片の
3’端の塩基配列は、完全長cDNAの5’端および
3’端の塩基配列と考えられるので、この塩基配列をも
とにしたプライマーを設計し、HeLa細胞のmRNA
から再度RT−PCRすることで、NELFp66の全
長cDNAを増幅し、プラスミドpBluescript II SK(+)
(ストラタジーン社)の制限酵素SmaI部位に挿入し、ク
ローン化した。
ichia coli DH5α/pBS-NELF-Aは、FERM BP−6
601として、平成10年12月16日付けで工業技術
院生命工学工業技術研究所、日本国茨城県つくば市東1
丁目3番(郵便番号305-0046)に寄託されている。
定し、配列番号1に示した。該cDNAは1888bp
からなり、配列番号2に示された528アミノ酸からな
る蛋白質をコードしていた。該アミノ酸配列は、配列番
号10〜12に示される3つのアミノ酸配列をすべて含
んでおり、NELFp66のアミノ酸配列であると確認
された。
cDNAの塩基配列を、アミノ酸配列データベースおよ
び塩基配列データベースに対して相同性検索を行なった
が、最初に見出されたESTおよびゲノムDNAの塩基
配列以外に一致あるいは他の動物のホモログと考えられ
るほど高い相同性を示す配列はなく、新規な蛋白質であ
ることが明らかになった。
される3つのアミノ酸配列が検出された。これらのアミ
ノ酸配列をNELFp66と同様にしてアミノ酸配列デ
ータベースおよび塩基配列データベースに対して相同性
検索した結果、複数のヒト由来のEST配列と一致する
ことが判明した。
塩基配列をもとにしたRT−PCRによりcDNA断片
を増幅し単離した。この増幅断片を単離しプローブとし
て用い、HeLa cDNAライブラリー(クローンテ
ック社製)のスクリーニングを行い、NELFp61全
長cDNAクローンを単離した。
t II SK+ の制限酵素EcoRI部位に挿入し、大腸菌D
H5α株に形質転換した。該プラスミドで形質転換した大
腸菌Escherichia coli DH5α/pBS-NELF-Bは、FERM
BP−6602として、平成10年12月16日付け
で工業技術院生命工学工業技術研究所、日本国茨城県つ
くば市東1丁目3番(郵便番号305-0046)に寄託されて
いる。
定し、配列番号3に示した。該cDNAは全長2457
bpからなり、配列番号4に示す580アミノ酸のから
なる蛋白質をコードしていた。このアミノ酸配列は、配
列番号13〜15に示される3つのアミノ酸配列をすべ
て含んでおり、NELFp61のアミノ酸配列であると
確認された。
cDNAの塩基配列を、アミノ酸配列データベースおよ
び塩基配列データベースに対して相同性検索を行なった
が、最初に見出されたESTの塩基配列以外に一致ある
いは他の動物のホモログと考えられるほど高い相同性を
示す配列はなく、新規な蛋白質であることが明らかにな
った。
8 上記同様、NELFp59およびNELFp58の部分
アミノ酸配列を決定した結果、NELFp59について
は配列番号16〜19、NELFp58については配列
番号20〜23に示されるそれぞれ4種類の配列が検出
された。
るようにNELFp59とNELFp58で共通の部分
アミノ酸配列が存在することから同一の遺伝子(以下、
NELFp59/p58遺伝子と呼ぶ。)由来の蛋白質
である可能性が示唆された。これらのアミノ酸配列をN
ELFp66と同様にしてアミノ酸配列データベース塩
基配列データベースに対して相同性検索した結果、複数
のヒト由来のEST配列と一致することが判明した。
塩基配列をもとにしたプライマーを用いてHeLa細胞
mRNAよりRT−PCRによりcDNA断片を増幅し
単離した後、RACE法によりさらに5’側および3’
側のcDNA断片を取得し、塩基配列を決定した。
A断片の5’端の塩基配列と3’側cDNA断片の3’
端の塩基配列はもとにしたプライマーを設計し、HeL
a細胞のmRNAから再度RT−PCRすることで、N
ELFp59/p58遺伝子の全長cDNAを増幅し、
プラスミドpBluescript II SK(+)の制限酵素SmaI部
位に挿入し、クローン化した。
ichia coli DH5α/pBS-NELF-C/Dは、FERM BP−
6603として、平成10年12月16日付けで工業技
術院生命工学工業技術研究所、日本国茨城県つくば市東
1丁目3番(郵便番号305-0046)に寄託されている。
定し、配列番号5に示した。該cDNAは全長2211
bpからなり、配列番号6に示す581アミノ酸のから
なる蛋白質をコードしていた。該アミノ酸配列は、配列
番号16〜23に示される8つのアミノ酸配列をすべて
含んでいた。
9/p58遺伝子産物を生産させたところ、SDS−P
AGE上での分子量はNELFp59と一致した。した
がってこのcDNAはNELFp59をコードしている
cDNAであり、NELFp58は、NELFp59/
p58遺伝子からのmRNAの選択的スプライシングま
たは翻訳後のプロセシングによって生じると考えられ
た。
よびそれがコードするアミノ酸配列を塩基配列データベ
ースおよびアミノ酸配列データベースに対して相同性検
索を行なったが、最初に見出されたESTの塩基配列以
外に一致あるいは他の動物のホモログと考えられるほど
高い相同性を示す配列はなく、新規な蛋白質であること
が明らかになった。
析 上記同様NELFp46の部分アミノ酸配列を決定した
結果、配列番号24および25に示される2種類の配列
が検出された。これらのアミノ酸配列をNELFp66
と同様にしてアミノ酸配列データベースおよび塩基配列
データベースに対して相同性検索した結果、ヒトRDの
アミノ酸配列の一部と完全に一致した。ヒトRDは38
0アミノ酸からなる蛋白質で、その名前の由来となって
いるアルギニン(R)とアスパラギン酸(D)を基本と
する塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸が交互に約60アミ
ノ酸並んだRDモチーフと呼ばれる領域が存在し、C末
端側にはRNA recognition モチーフ(RRM)と呼
ばれるRNA結合ドメイン様の配列が、N末端側にはロ
イシン残基が7アミノ酸ごとに繰り返されたロイシンジ
ッパー様構造が存在する〔Biochem. J., 294, 589 (199
3)〕。RDの生体内での実際の機能は全く不明であり、
mRNAの伸長反応への関与も知られていなかった。報
告されているRD cDNA〔Biochem. J., 294, 589
(1993)〕のORF部分の塩基配列をもとにしたプライマ
ーを用いてHeLa mRNAよりRT−PCRを行なう
ことにより、RDのORF部分のcDNAを増幅した。 実施例5 NELFサブユニットの発現パターン ヒトの各組織よりmRNAを調製し、各NELFサブユ
ニットの遺伝子発現を
プローブに用いてノーザンブロッティングにより解析し
た。その結果、いずれのNELFサブユニットも心臓、
脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓と、調べたす
べての組織において普遍的に発現していた。
(RD)抗体の調製とRDの検出 (1)抗RD抗体の調製 抗原として、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GS
T)と融合させたヒトRD蛋白質(GST−RD)を調
製するため、実施例4で増幅したヒトRD cDNAの
ORF部分をプラスミドpGEX-5X-3(アマシャム・ファ
ルマシア・バイオテク社製)に挿入した。
Aシークエンサー(パーキン・エルマー社製)により確
認した。GST−RDを大腸菌DH5α株で発現させ、グ
ルタチオン・セファロース4Bカラム(アマシャム・フ
ァルマシア・バイオテク社製)を用いて、該カラムの取
り扱い説明書に従って精製した。
ジュバンドと共にラットに注射し、免疫を行なった。3
回に渡る免疫の後、Antibodies: A Laboratory Manual,
ColdSpring Harbor Laboratory Press (1988)に記載さ
れた方法により抗血清を調製し、以下の実験で抗RD抗
体として用いた。
てイムノブロッティングを行なった。 即ち、実施例1と同様にして調製したHeLa細胞の核
抽出液を試料にしてSDS−PAGEを行い、分離した
蛋白質をPVDFフィルター上に転写した。
として抗RD抗体(1:200希釈)とインキュベーシ
ョンした。該フィルターを洗浄後、二次抗体としてホー
スラディッシュ・パーオキシダーゼ標識抗ラットIgG
抗体〔ダコ(Dako)社製、1:2000希釈〕とインキ
ュベーションした。
マシャム・ファルマシア・バイオテク社製)を用いて抗
RD抗体と結合した蛋白質のバンドを検出した。結果を
図7に示す。ほぼ単一の約50kDaのバンドが検出さ
れ、抗RD抗体によりRDを特異的に検出できることが
わかった(図7Aレーン1)。また、実施例2で精製し
たNELF画分を用い同様の実験を行った場合にも、は
っきりとRDのバンドが検出され(図7Aレーン2)、
NELF中にRDが含まれていることが、抗体によって
も確認された。
解析 (1)抗RD抗体による核抽出液からのRD除去 抗RD抗体を用いて、RDをHeLa細胞の核抽出液か
ら除去することを試みた。
10μlを、20μlのプロテインGセファロースCL-6
B(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)と4
℃で1時間混合し、抗体を担体粒子に固定化した。該抗
RD抗体固定化粒子をNETN緩衝液〔50mM Tr
is(pH7.9)、150mM NaCl、1mM E
DTA、1% ノニデット(Nonidet)P−40〕を用い
て3回、さらにHGE.1を用いて1回洗浄した後、2
00μlのHeLa核抽出液を加えて4℃で2時間混合
し、核抽出液中のRDを抗RD抗体固定化粒子に結合さ
せた。
抗RD抗体固定化粒子を同様に混合し結合反応を行なわ
せた。この操作を繰り返し行い、抗RD抗体固定化粒子
と2回あるいは4回結合反応を行なった核抽出液を調製
した。対照として抗RD抗血清のかわりに免疫していな
いラット血清を用いて同様の操作を行なった。
れぞれ2μlを用いて、実施例6と同様にしてイムノブ
ロッティングを行い、核抽出液中のRDを検出した。4
回結合反応を行わせることにより、抽出液よりほぼ完全
にRDが除かれることが分かった(図7B)。免疫して
いないラット血清を用いて調製した核抽出液ではRDの
量に変化はなかった。
0)、P−TEFb、pol IIを認識する抗体を用
いたイムノブロッティングにより、RD以外のこれらの
因子を検出したところ、いずれも量の変化は認められ
ず、RDのみが特異的に除去されたことが分かった。
にしてそのin vitro転写活性を調べたところ、基本レベ
ルの転写活性には、ほとんど変化なかった(図7C)。
しかしDRB感受性は、RDを除去した核抽出液におい
て著しく損なわれていた。該核抽出液に実施例2で調製
したNELF画分を添加したところ、DSIFを含まな
い粗NELF画分(D.225)、精製NELFのいず
れの場合も、転写活性にはほとんど影響することなく、
DRB感受性が復活した(図7D)。上記結果より、R
DがNELF活性の一部を担っていることが確認され
た。
lagタグペプチド(配列番号9の1〜9番目に記載の
アミノ酸配列を有する)をN末に付加したヒトRD(F
lag−RD)を動物細胞内で遺伝子組換え法により発
現させ、内在性RDのかわりにFlag−RDがサブユ
ニットとして会合したFlagタグで標識されたNEL
F(Flag−NELF)を、以下の方法により細胞内
で形成させた。
ドをコードする塩基配列を付加した、ヒトRDのN末端
部分の塩基配列をもつプライマー〕および3’側のプラ
イマー〔ヒトRDC末端部分の塩基配列と相補的な塩基
配列のプライマー〕を用いて、ヒトRD cDNAを鋳
型にしてPCRを行なうことにより、Flag−RDを
コードするDNAを増幅した。これを動物細胞発現用ベ
クターpCAGGS〔Gene, 108, 193 (1991)〕に挿入
することでFlag−RD動物細胞発現用プラスミドpC
MV-Flag-RDを作製した。
CCL-2.2)は、10%牛胎児血清(Cansera Internation
al社製)およびL−グルタミンを含んだ培地MEM(ニ
ッスイ製薬)を用いて、組織培養用ディッシュ上で維持
した。リン酸カルシウム法により、pCMV-Flag-RD(10μ
g)を、薬剤ネオマイシン(=Geneticin)耐性遺伝子発
現プラスミドpSV2-neo〔J. Mol. Appl. Genet. 1, 327
(1982)〕0.5μgとともに、2×106個のHeLa
細胞にトランスフェクションした。
を希釈して撒き直し、400μg/ml Geneticin〔ラ
イフ・テクノロジーズ(Life Technologies)社〕を含
んだ培地中で2週間、培養した。この間、3日ごとに培地
交換した。得られたGeneticin耐性コロニーを単離し、
Flag−RDの発現を抗Flag M2モノクローナ
ル抗体(Kodak IBI社製)を用いたイムノブロッティン
グにより調べた。
ーのいくつかをそれぞれFlag−RDを構成的に発現
する細胞株として、100μg/ml Geneticinの存在
下で維持した。このようなFlag−RDを構成的に発
現するHeLa S3細胞株からクローン#15を選択
し、以下のようにして大量に培養後、細胞からアフィニ
ティーカラムを用いてFlag−NELFを精製した。
(Moregate社製)を含んだMEMを用いて、大規模なス
ピナー培養に適応させた。該スピナー培養液30Lから
遠心分離(4℃、2000×g)により細胞約2×10
10個を回収し、PBSで2回洗浄した。これ以降の操作
はすべて4℃で行った。
緩衝液〔50mM Tris(pH7.9)、500m
M NaCl、1% ノニデットP−40、1mM PM
SF〕に懸濁し、ダウンス型ホモジナイザーを用いて破
砕した。該破砕液を用い、ゲノムDNAを分断するため
に軽く超音波破砕処理した後、13,600×gで20
分遠心し、得られた上清を再度、同条件下で遠心した。
ターに通したものを細胞溶解液として用いた。該細胞溶
解液40mlを、実施例7(1)と同様にして作製した
抗FlagM2抗体固定化カラム(Kodak IBI社製;容
量1ml)に流速0.4ml/時の条件で通塔し、Fla
g−NELFを結合させた。
した。該カラムを10mlの高塩濃度緩衝液で2回洗浄
し、5mlのHGE.1で1回洗浄した。該カラムの出
口を止め、過剰(100μg)のFlagタグペプチド
(Kodak IBI社)を含んだHGE.1を1mlカラムに加え
て、レジンを懸濁し、5分間放置することによりFla
g−NELFをカラムから溶出させた。
り返した。得られた素通り画分、洗浄液および溶出液を
SDS−PAGEにより解析した。結果を図8Aに示し
た。
通り画分あるいは1回目の洗浄液中に存在し、溶出液に
はFlag−RDに加えて4種類のNELFサブユニッ
ト(NELFp66、NELFp61、NELFp5
9、NELFp58)が特異的に共精製された。即ち、
RDは細胞内で他の4つのサブユニットと非常に安定な
複合体を形成していることが確認された。
か、実施例3(3)と同様にオリゴdCテンプレートを
用いた転写再構成系により検討した。結果を図8Bに示
した。
精製NELF画分と同様にDSIFに依存してpol
IIの伸長反応を抑制し、Flag−NELFがNEL
F活性を有していることを確認した。また、RDを始め
とする5つのサブユニットだけでNELF活性を有する
と考えられた。
用 NELFの作用機構を明らかにするため、NELFと他
の因子との物理的な相互作用を検討した(図9)。Fl
ag−RDを構成的に発現する細胞株と宿主のHeLa
S3細胞株より核抽出液を調製し、抗Flag M2抗
体固定化カラムを用いてFlag−NELFの精製を行
った。その際、変性剤を含まないより緩やかな条件で洗
浄することによりNELFと相互作用する因子が結合画
分に残るようにした。
分および結合画分についてイムノブロッティングにより
Flag−RDの検出を行った結果、Flag−RDは
ほとんど結合画分に回収され、内在性RDは素通り画分
に回収された。他の因子(DSIF、P−TEFb、p
ol II)について、それぞれの因子に対する抗体を
用いたイムノブロッティングにより、検出を行った結
果、DSIFのp160サブユニットとpol IIの
一部が結合画分に回収され、NELFと共精製されるこ
とが分かった。一方、P−TEFbは有意な結合を示さ
なかった。
IIがNELFと相互作用することが明かとなった。p
ol IIのイムノブロッティングに用いてきた抗po
l II抗体8WG16は本来、pol IIoとpol
IIaの双方を認識し得るが、核抽出液にはpol I
Ioがほとんど含まれていないため、pol IIaの
バンドのみが検出される。従って、pol IIoがN
ELFと相互作用するか調べるために、pol IIo
に特異的な抗体B3を用いてイムノブロッティングを行
った。
l IIoは全く結合画分には検出されなかったため、
NELFとpol IIの相互作用はCTDのリン酸化
によって制御されていることが判明した。以上の実験結
果より、以下の可能性が示唆された。
結合し、協調的にその伸長反応を抑制する。しかし通常
はP−TEFbがpol IIのCTDをリン酸化し、
DSIFとNELFをpol IIから遊離させること
で、抑制効果を打ち消す。DRBはP−TEFbの「抗
抑制」反応を阻害し、DSIFとNELFの抑制効果を
維持することで、伸長反応を阻害する。実施例3(4)
で調べたようにCTDはDSIFとNELFによる抑制
の局面には不必要である。即ち、、DSIFとNELF
はCTD以外の部分を介してpol IIに結合すると
思われる。また、NELFはRDサブユニットを介して
転写産物に結合し、この3者の複合体を安定化している
可能性がある。
pol II伸長反応を制御することが可能で、癌治療
に有効と考えられるNELF、該NELFを構成するサ
ブユニット蛋白質、該サブユニット蛋白質をコードする
DNA、該サブユニット蛋白質を認識する抗体を提供す
ることができる。
agタグペプチドをヒトRD蛋白質のN末端に融合
作製のための、HeLa細胞核抽出液からの各成分(p
ol II、基本転写因子、DSIF)の精製フローを
示す図である。Bは未精製系(左6レーン)および転写
再構成系(右4レーン)におけるDRB感受性を示す図
である。+、−はそれぞれの成分あるいは薬剤の添加/
非添加の条件を示す。P.1/P.3 concは、実
施例中1(3)の粗精製DSIF標品を表わす。Cは転
写再構成系における、各成分の添加(+)/非添加
(−)条件でのDRB感受性を示す図である。P.1/
P.3concは粗精製DSIF標品を、P.3 di
lは濃縮していないP.3を表わす。
LFの精製フローを示す図である。Bは上段の2つは、
P−TEFb添加(+)/非添加(−)条件下での、mo
no Sカラムから溶出したNELF含有画分(16〜2
6)、カラム通塔前の標品(IN)のNELF活性アッ
セイの結果を示す図である。−はNELF試料非添加の
コントロールである。下段は、mono Sカラム精製時の各
画分(INは通塔前、FTは素通り画分、14〜32は
分取した溶出画分を表す)のSDS−PAGEの結果を
示す図である。右の矢印はNELFの各サブユニットを
示す。CはSuperdexゲルろ過カラム通塔時の各画分(I
Nは通塔前、2〜11は分取した溶出画分を表す)のS
DS−PAGEの結果を示す図である。右の矢印はNE
LFの各サブユニットを、下の矢印は分子量マーカーの
溶出時を示す)。Dは精製したNELFの添加量(μ
l)を変えたときの、転写再構成系(DSIF添加)に
おける転写量およびDRB感受性を、P−TEFb 8
μl添加(左6レーン)/非添加(右6レーン)で比較
した図である。
を変えたときの転写再構成系(P−TEFb、DRB非
添加)の結果を示す図である。E4はアデノウイルスE
4遺伝子、MLは主要後期遺伝子のそれぞれのプロモー
ターからの転写量を示す。右下の太い線は蓄積した短い
転写産物の位置を示す。BはNELFおよびDSIF各
2μlをそれぞれ添加/非添加の条件での、オリゴdC
テンプレートを用いたpol IIの伸長反応(反応時
間2、4、8、16分)の結果を示す図である。
/非添加(−)条件での、CTDリン酸化型pol I
I(pol IIo)、CTD非リン酸化型polII
(pol IIa)、CTD欠失型pol II(pol
IIb)の各pol IIについて、オリゴdCテンプ
レートを用いた伸長反応(反応時間2、4、8、16
分)の結果を示す図である。
ある。星印はロイシンジッパー様構造でのロイシン残基
の位置を表わす。RD repeatsはRDモチーフ、RRM
はRNA recognitionモチーフの位置を表わす。アンダ
ーラインはNELFp46のアミノ酸配列の解析の結果
得られた、2種類の部分ペプチドの位置を表わす。
NE)、精製NELF(purified NELF)に対す
る、抗RD抗体を用いたイムノブロットの結果を示す図
である。Bは固定化抗RD抗体により処理したHeLa
細胞核抽出液中のRD蛋白質(α−RD)、DSIF
(α−p160)、P−TEFb(α−Cdk9)、p
ol II(α−CTD)の各成分をイムノブロットに
より検出した結果を示す図である。NEは処理前のHe
La細胞核抽出液、RD×2/RD×4はそれぞれ抗R
D抗体で2回/4回処理後のHeLa細胞核抽出液、c
trl×2/ctrl×4はそれぞれ対照用の非免疫血
清で2回/4回処理後のHeLa細胞核抽出液での結果
を表わす。CはBと同じ試料について転写再構成系のD
RB感受性を示す図である。Dは抗RD抗体処理HeL
a細胞核抽出液(RD×4)について、粗精製NELF
(D.225)あるいは精製NELF(purifiedNEL
F)を添加したときのDRB感受性を示す図である。c
trl×4は対照用の非免疫血清処理HeLa細胞核抽
出液を表す。
からのFlag−NELF精製時の各画分のSDS−P
AGEの結果を示す図である。矢印はFlag−NEL
Fの各サブユニットを示す。inputは抗Flag M2抗
体固定化カラム通塔前の細胞溶解液を、FTは素通り画
分、1は1回目、2は1の再度通塔時、Wash 1、
2は高塩濃度緩衝液、Wash 3はHGE.1で洗浄
時の洗浄液画分、EluateはHGE.1による溶出
画分をあらわす。BはFlag−NELFを用いたとき
のDSIF添加(+)/非添加(−)での、オリゴdC
テンプレートを用いたpol IIの伸長反応(反応時
間2、4、8、16分)の結果を示す図である。左はF
lag−NELF非添加、中央はFlag−NELF4
μl、右はFlag−NELF8μl添加時の結果であ
る。
び対照用のHeLa細胞の核抽出液を、固定化抗Fla
gM2抗体で処理した際の、各画分(Inputは処理
前の核抽出液、Supは抗体に結合しなかった上清、P
ptは抗体と結合した画分をあらわす)中のRDおよび
Flag−RD(α−RD)、P−TEFb(α−Cd
k9)、DSIF(α−p160)、非リン酸化型po
l II(8WG16)、リン酸化型pol II(B
3)のイムノブロットによる検出結果を示す図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 RNAポリメラーゼII(以下、pol
IIと略す)が関与する遺伝子の転写反応において、p
ol IIの伸長反応をDRB感受性誘導因子(5,6-dic
hloro-β-D-ribofuranosylbenzimidazole sensitivity-
inducing factor)存在下で抑制する活性を有する蛋白
質。 - 【請求項2】 蛋白質が、サブユニット蛋白質で構成さ
れた蛋白質である、請求項1記載の蛋白質。 - 【請求項3】 サブユニット蛋白質が、配列番号10〜
23のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む、請求項2
記載の蛋白質。 - 【請求項4】 サブユニット蛋白質が、配列番号2、
4、6および8記載のアミノ酸配列から選ばれるアミノ
酸配列を有する蛋白質または該蛋白質の変異体である、
請求項2記載の蛋白質。 - 【請求項5】 サブユニット蛋白質が、請求項4記載の
蛋白質のN末端にFlagタグペプチドを付加した蛋白質で
ある、請求項2記載の蛋白質。 - 【請求項6】 サブユニット蛋白質が、配列番号9記載
のアミノ酸配列を有する蛋白質である、請求項5記載の
蛋白質。 - 【請求項7】 配列番号10〜23のいずれかに記載の
アミノ酸配列を含む蛋白質。 - 【請求項8】 配列番号2、4、6および9記載のアミ
ノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列を有する蛋白質また
は配列番号2、4、6および8記載のアミノ酸配列から
選ばれるアミノ酸配列を有する蛋白質の変異体。 - 【請求項9】 請求項7または8記載の蛋白質をコード
するDNA。 - 【請求項10】 配列番号1、3および5記載の塩基配
列から選ばれる塩基配列を有するDNAまたは該DNA
の変異体。 - 【請求項11】 請求項9または10記載のDNAをベ
クターに組み込んで得られる組換え体DNA。 - 【請求項12】 請求項11記載の組換え体DNAを保
有する形質転換体。 - 【請求項13】 請求項12記載の形質転換体を培養液
中で培養し、請求項7または8記載の蛋白質を該培養物
中に生成・蓄積させ、該培養物中より該蛋白質を採取す
ることを特徴とする、該蛋白質の製造法。 - 【請求項14】 請求項7または8記載の蛋白質を認識
する抗体。 - 【請求項15】 請求項14記載の抗体を用いた、請求
項1、7または8記載の蛋白質を免疫学的に検出あるい
は定量する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10373999A JP2000189168A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 新規転写伸長抑制因子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10373999A JP2000189168A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 新規転写伸長抑制因子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000189168A true JP2000189168A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18503108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10373999A Pending JP2000189168A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 新規転写伸長抑制因子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000189168A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7148326B2 (en) | 2000-07-31 | 2006-12-12 | Green Peptide Co., Ltd. | Tumor antigen |
WO2021158789A1 (en) * | 2020-02-07 | 2021-08-12 | Ultragenyx Pharmaceutical Inc. | Chaotropic agents for reducing formation of double-stranded rna |
-
1998
- 1998-12-28 JP JP10373999A patent/JP2000189168A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7148326B2 (en) | 2000-07-31 | 2006-12-12 | Green Peptide Co., Ltd. | Tumor antigen |
US7404270B2 (en) | 2000-07-31 | 2008-07-29 | Green Peptide Co., Ltd. | Tumor antigen |
US7408037B2 (en) | 2000-07-31 | 2008-08-05 | Green Peptide Co., Ltd. | Tumor antigen |
US7427660B2 (en) | 2000-07-31 | 2008-09-23 | Green Peptide Co., Ltd. | Tumor antigen |
US7432354B2 (en) | 2000-07-31 | 2008-10-07 | Green Peptide Co., Ltd. | Tumor antigen |
US7524930B2 (en) | 2000-07-31 | 2009-04-28 | Green Peptide Co., Ltd | Tumor antigen |
JP4900884B2 (ja) * | 2000-07-31 | 2012-03-21 | 株式会社グリーンペプタイド | 腫瘍抗原 |
WO2021158789A1 (en) * | 2020-02-07 | 2021-08-12 | Ultragenyx Pharmaceutical Inc. | Chaotropic agents for reducing formation of double-stranded rna |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6274359B1 (en) | 25-hydroxyvitamin D3-1α-hydroxylase and DNA encoding the hydroxylase | |
US6962984B2 (en) | IgA nephropathy-related DNA | |
EP1225224A1 (en) | Shear stress-response dna | |
JP4112374B2 (ja) | 血管新生マーカーとなるポリペプチドおよびそのdna | |
JP2001231578A (ja) | Il−1ファミリーに属する蛋白質 | |
US20040073001A1 (en) | Beta-catenin nuclear localized protein | |
JPWO2002015925A1 (ja) | アポトーシスの制御方法およびアポトーシス制御ポリペプチド | |
US20080044425A1 (en) | Polypeptides having phospholipase a2 activity | |
JP2000189168A (ja) | 新規転写伸長抑制因子 | |
WO2007037245A1 (ja) | 血管新生抑制作用を有するポリペプチド | |
JP4689047B2 (ja) | 新規ポリペプチド | |
CA2329683C (en) | Iga nephropathy-related dna | |
EP1180525B1 (en) | Transcriptional activation inhibitory protein | |
JP2005229806A (ja) | ホスホジエステラーゼ活性を有するポリペプチド | |
JP4220033B2 (ja) | 新規ポリペプチド | |
JP2001352986A (ja) | 新規ポリペプチド | |
JP2003259884A (ja) | 新規ポリペプチド | |
JP2002272478A (ja) | 新規ポリペプチド | |
WO2000042180A1 (fr) | Nouvelle proteine | |
WO2001009319A1 (fr) | Gene exprime specifiquement dans le muscle cardiaque foetal humain | |
JP2000041681A (ja) | 新規蛋白質 | |
WO2000040609A1 (fr) | Nouvelle proteine | |
JP2003000271A (ja) | 新規ポリぺプチド、新規dna、新規抗体および新規遺伝子改変動物 | |
EP1108725A1 (en) | Novel polypeptide | |
WO2000063392A1 (fr) | Nouvelle tyrosine phosphatase |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050112 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050128 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050629 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080812 |
|
RD13 | Notification of appointment of power of sub attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433 Effective date: 20080918 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20080918 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090106 |