JP2002170089A - カード状電子情報記憶媒体及びカード状電子情報記憶媒体の製造方法並びにカード状電子情報記憶媒体の製造装置 - Google Patents

カード状電子情報記憶媒体及びカード状電子情報記憶媒体の製造方法並びにカード状電子情報記憶媒体の製造装置

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JP2002170089A
JP2002170089A JP2000368523A JP2000368523A JP2002170089A JP 2002170089 A JP2002170089 A JP 2002170089A JP 2000368523 A JP2000368523 A JP 2000368523A JP 2000368523 A JP2000368523 A JP 2000368523A JP 2002170089 A JP2002170089 A JP 2002170089A
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adhesive
sheet material
adhesive layer
card
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Yuichi Yamamoto
裕一 山本
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】加熱や加圧等による比較的過大な条件を付与す
ることなく、表面平滑性、表面印字性に優れ、またカー
ルを防止する。電子情報記録再生媒体の製造を連続的に
行なうことが可能であり、生産効率を高くする。 【解決手段】第1のシート材2と第2のシート材3の間
に介在される接着剤層4,5内にICチップ6及びアン
テナ7を有するICユニット9を封入した構成であっ
て、前記第2のシート材3上に直接、または前記接着剤
層を間に挟むように前記ICユニット9を載置し、その
上から更に接着剤層4,5を介在させた後、前記第1の
シート材を接着する構成とした電子情報記録再生媒体1
において、ICユニット上に介在させた接着剤層が、異
なる物性値を持った複数の接着剤層で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICカード、よ
り詳しくは非接触式ICカード等のカード状電子情報記
憶媒体及びカード状電子情報記憶媒体の製造方法並びに
カード状電子情報記憶媒体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】身分証明書カードやクレジットカードな
どには、従来磁気記録方式によりデータを記録する磁気
カードが広く利用されてきた。しかしながら、磁気カー
ドはデータの書き換えが比較的容易にできるため、デー
タの改ざん防止が十分でないこと、磁気のため外的な影
響を受けやすく、データの保護が十分でないこと、さら
に記録できる容量が少ないなどの問題点があった。そこ
で、近年ICカード、より詳しくは非接触式ICカード
等のカード状電子情報記憶媒体が普及し始めている。
【0003】このようなカード状電子情報記憶媒体とし
て、特開平11−167613号公報には、接着剤層に
埋め込んだアンテナと、ICチップを接続するようにし
て、表面シートとICチップ乃至接着剤層に埋め込んだ
アンテナとを接着するための接着剤層を別途設けること
が記載され、接着剤層が複数層構成になっている。
【0004】また、特開2000−36024号公報に
は、表面シート上に緩衝層、接着剤層の順に積層し、I
Cチップの凹凸を吸収させ、表面平滑性を確保しようと
した構成が記載され、緩衝層と接着剤層は、基本的には
違うものとしている。
【0005】また、非接触式ICカードの製造方法にお
いて、表裏のシート材間に接着剤を充填し、その中にI
Cユニットを内蔵する方法は、公知である。同様に、表
裏シート上に接着剤層を形成する方法として、ロール方
式や、ダイコーターを用いた塗布により行なわれる方法
も公知である。
【0006】また、表裏シート、ICユニット、接着剤
層の積層時に、ICユニット上に塗布する方法について
は、例えば特開平10−147087号公報に開示され
ている。ホットメルト接着剤が塗布される貼り合わせ部
材の張り合わせ面を、ホットメルト接着剤の塗布直前に
加熱する方法は、特開平8−77631号公報に開示さ
れている。ホットメルト接着剤を使用した積層体に対し
て、ホットメルト接着剤のメルティングポイントよりも
高く、かつ積層部材の熱変形が起こる温度よりも低い温
度でホットプレスを行う方法が特開平6−115038
号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
167613号公報に記載の構成では、ICチップを内
蔵する部分は、ICチップ部相当の孔を開けた中間シー
トを用い、かつ接着剤層にアンテナを内包させたもの
を、接着剤層、表面シートと順次積層、接着させるた
め、非常に製造効率が悪い。
【0008】また、特開2000−36024号公報に
記載の構成では、緩衝層が接着剤層と同一機能を持って
いるわけでは無いので、緩衝層と表面シートとの接着強
度の点、ラミネート時にかなり高い加熱加圧条件を必要
とするため、表面シートそのものや、場合によっては予
め形成されている表面シート上の印刷(受像)層がダメ
ージを受けて、品質を維持できなかったり、内蔵される
ICチップに損傷を与え、機能を果たせなくなることが
ある。さらに、ICチツプを内包しようとする接着剤層
がICチップの厚み以下の厚さでは、接着剤層の外側に
変形し難い緩衝層があるのでは、表面平滑性が十分に得
られるとは言えないし、表面印字性が低下し、あるいは
カールするなどの問題がある。
【0009】また、ICユニットは通常、フィルムなど
の基板上にICチップや、アンテナが設置されており、
表面はその凹凸形状が現れている。しかし、表面シート
が積層されてカード形状になったときに、表面にICチ
ップなどの形状が出ると、美観上、及び表面印刷性など
の点から好ましくない。そのため、接着剤層に完全にI
Cユニットが埋め込まれて、その形状がカード表面に現
れないように、例えばホットメルトタイプの接着剤を使
用して、加熱加圧プレスによりカード表面の平滑性を確
保しようとしている。また、特開平10−147087
号公報に開示されているように、ICユニット上に接着
剤を塗布し、その後ラミネートする方法や、接着剤付き
のシートと、ICユニットを載置したシート材をロール
プレス方式でラミネートする方法は、連続的な加工が可
能であるため、生産効率は高いので好ましい方法であ
る。
【0010】しかしながら、このような方法では、通常
の大気圧下での接着剤塗布、ラミネート加工となり、表
面凹凸形状となるICチップ部などの段差部で、気泡を
巻き込み、最終的にカード表面の凹凸の原因になってし
まう。接着剤塗布時に、比較的低粘度の接着剤を使用す
ると、塗布工程での気泡巻き込みはかなり抑制される
が、完全ではなく、また低粘度がゆえに接着剤組成とし
て硬化時の弾性率が低くなってしまい、特にカード厚み
の4割程度以上が接着剤層になってしまう層構成の積層
カードでは、その剛性が確保できないという問題があ
る。
【0011】また、ホットメルト接着剤が塗布される貼
り合わせ部材の張り合わせ面を、ホットメルト接着剤の
塗布直前に加熱するのは、どんな温度でも良いというの
ではなく、ホットメルト接着剤が圧力により流動変形を
開始する軟化点温度以上であることが好ましい。積層体
状態で加熱したり、接着面と反対側から加熱すると、熱
伝導効率が悪くなり、場合によってはカード基材、もし
くはカード基材表面の印刷等が、熱劣化してしまい、製
品として好ましくない。
【0012】この発明は、かかる実情に鑑みて成された
もので、請求項1乃至請求項10に記載の発明の第1の
目的は、加熱や加圧等による比較的過大な条件を付与す
ることなく、表面平滑性、表面印字性に優れ、またカー
ルを防止するICユニットを内蔵したカード状電子情報
記憶媒体及びカード状電子情報記憶媒体の製造を提供す
ることである。
【0013】また、第2の目的は、カード状電子情報記
憶媒体の製造を連続的に行なうことが可能であり、生産
効率を高くすることができるICユニットを内蔵したカ
ード状電子情報記憶媒体の製造方法並びにカード状電子
情報記憶媒体の製造装置を提供することである。
【0014】請求項11乃至請求項33に記載の発明の
目的は、製造プロセスを大きく増加することなく、また
補強シートのように新たな部材を追加することなく、気
泡の巻き込みの無い、表面平滑性が確保でき、かつ積層
カード状態での剛性も確保できるカード状電子情報記憶
媒体を得ることが可能なICユニットを内蔵したカード
状電子情報記憶媒体の製造方法並びにカード状電子情報
記憶媒体の製造装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、この発明は、以下のように構成
した。
【0016】請求項1に記載の発明は、『第1のシート
材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にIC
チップ及びアンテナを有するICユニットを封入した構
成であって、前記第2のシート材上に直接、または前記
接着剤層を間に挟むように前記ICユニットを載置し、
その上から更に接着剤層を介在させた後、前記第1のシ
ート材を接着する構成としたカード状電子情報記憶媒体
において、前記ICユニット上に介在させた接着剤層
が、異なる物性値を持った複数の接着剤層で形成されて
いることを特徴とするカード状電子情報記憶媒体。』で
ある。
【0017】この請求項1に記載の発明によれば、IC
ユニット上に介在させた接着剤層が、異なる物性値を持
った複数の接着剤層であり、加熱や加圧等による比較的
過大な条件を付与することなくICユニットの凹凸や曲
がりを軽減し、表面平滑性、平面印字性を得ることがで
きる。
【0018】請求項2に記載の発明は、『前記複数層の
接着剤層のうち、最もICユニットに近い側の接着剤層
の厚さが、ICユニットの中で最も厚い部材の厚さ以上
であることを特徴とする請求項1に記載のカード状電子
情報記憶媒体。』である。
【0019】この請求項2に記載の発明によれば、最も
ICユニットに近い側の接着剤層の厚さが、ICユニッ
トの中で最も厚い部材の厚さ以上であり、加圧による比
較的過大な条件を付与することなくICユニットの凹凸
や曲がりを吸収し、表面平滑性、表面印字性を得ること
ができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、『第1のシート
材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にIC
チップ及びアンテナを有するICユニットを封入した構
成であって、前記第2のシート材上に複数層を有する接
着剤層を間に挟むように前記ICユニットを載置し、そ
の上から更に接着剤層を介在させた後、前記第1のシー
ト材を接着する構成としたカード状電子情報記憶媒体お
いて、前記第2のシート材上の複数層の接着剤層のう
ち、最もICユニットに近い側の接着剤層の厚さが、I
Cユニットの中で最も厚い部材の厚さ以上であることを
特徴とするカード状電子情報記憶媒体。』である。
【0021】この請求項3に記載の発明によれば、第2
のシート材上の複数層の接着剤層のうち、最もICユニ
ットに近い側の接着剤層の厚さが、ICユニットの中で
最も厚い部材の厚さ以上であり、加圧による比較的過大
な条件を付与することなくICユニットの凹凸や曲がり
を吸収し、表面平滑性、表面印字性を得ることができ
る。
【0022】請求項4に記載の発明は、『第1のシート
材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にIC
チップ及びアンテナを有するICユニットを封入した構
成であって、前記第2のシート材上に複数層の接着剤層
を間に挟むように前記ICユニットを載置し、その上か
ら更に複数層を有する接着剤層を介在させた後、前記第
1のシート材を接着する構成としたカード状電子情報記
憶媒体において、前記第1及び第2のシート材側のそれ
ぞれの複数層ある接着剤層のうち、最もICユニットに
近い側の接着剤層の厚さが、少なくともICユニットの
中で最も厚い部材の厚さの1/2以上であることを特徴
とするカード状電子情報記憶媒体。』である。
【0023】この請求項4に記載の発明によれば、第1
及び第2のシート材側のそれぞれの複数層ある接着剤層
のうち、最もICユニットに近い側の接着剤層の厚さ
が、少なくともICユニットの中で最も厚い部材の厚さ
の1/2以上であり、加圧による比較的過大な条件を付
与することなくICユニットの凹凸や曲がりを吸収し、
表面平滑性、表面印字性を得ることができる。
【0024】請求項5に記載の発明は、『前記複数層の
接着剤層のうち、最もICユニットに近い側の接着剤層
の半硬化状態の弾性率が最も小さく、シート材側の接着
剤層ほど、半硬化状態の弾性率が大きくなる構成とした
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項
に記載のカード状電子情報記憶媒体。』である。
【0025】この請求項5に記載の発明によれば、最も
ICユニットに近い側の接着剤層の半硬化状態の弾性率
が最も小さく、シート材側の接着剤層ほど、完全に硬化
していない半硬化状態の弾性率が大きく、加熱及び加圧
による比較的過大な条件を付与することなくICユニッ
トの凹凸や曲がりを吸収し、表面平滑性、表面印字性を
得ることができ、しかもカールを防止することが可能で
ある。
【0026】請求項6に記載の発明は、『前記複数層の
接着剤層のある一定温度での溶融粘度が、最もICユニ
ットに近い側の接着剤層が最も低く、シート材側の接着
剤層ほど前記溶融粘度が高くなる構成としたことを特徴
とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカ
ード状電子情報記憶媒体。』である。
【0027】この請求項6に記載の発明によれば、複数
層の接着剤層のある一定温度での溶融粘度が、最もIC
ユニットに近い側の接着剤層が最も低く、シート材側の
接着剤層ほど溶融粘度が高く、加熱及び加圧による比較
的過大な条件を付与することなくICユニットの凹凸や
曲がりを吸収し、表面平滑性、表面印字性を得ることが
でき、しかもカールを防止することが可能である。
【0028】請求項7に記載の発明は、『前記接着剤層
がホットメルト接着剤層であり、前記複数層を形成する
接着剤層の軟化点温度が、最もICユニットに近い側の
接着剤層が最も低く、シート材側の接着剤層ほど前記軟
化点温度が高くなる構成としたことを特徴とする請求項
1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカード状電子情
報記憶媒体。』である。
【0029】この請求項7に記載の発明によれば、接着
剤層がホットメルト接着剤層であり、複数層を形成する
接着剤層の軟化点温度が、最もICユニットに近い側の
接着剤層が最も低く、シート材側の接着剤層ほど軟化点
温度が高く、加熱及び加圧による比較的過大な条件を付
与することなくICユニットの凹凸や曲がりを吸収し、
表面平滑性、表面印字性を得ることができ、しかもカー
ルを防止することが可能である。
【0030】請求項8に記載の発明は、『前記複数層の
接着剤層のうち、最もICユニットに近い側の接着剤層
ほど、半硬化状態の引っ張り伸び率が小さくなる構成と
したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
1項に記載のカード状電子情報記憶媒体。』である。
【0031】この請求項8に記載の発明によれば、複数
層の接着剤層のうち、最もICユニットに近い側の接着
剤層ほど、半硬化状態の引っ張り伸び率が小さく、加熱
及び加圧による比較的過大な条件を付与することなくI
Cユニットの凹凸や曲がりを吸収し、表面平滑性、表面
印字性を得ることができ、しかもカールを防止すること
が可能である。
【0032】請求項9に記載の発明は、『第1のシート
材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にIC
チップ及びアンテナを有するICユニットを封入する構
成であって、前記第2のシート材上に直接、または前記
接着剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その
上から更に接着剤層を介在させた後、第1のシート材を
接着するカード状電子情報記憶媒体の製造方法におい
て、前記接着剤層が異なる物性値を持った複数層で形成
されており、前記第2のシート材上に直接、または前記
接着剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その
上から更に接着剤層を介在させ、第1のシート材を積層
した後で、加熱及び加圧して各部材を接着することを特
徴とするカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』であ
る。
【0033】この請求項9に記載の発明によれば、第2
のシート材上に直接、または接着剤層を間に挟むように
ICユニットを載置し、その上から更に接着剤層を介在
させ、第1のシート材を積層した後で、加熱及び加圧し
て各部材を接着することで、ICユニットを内蔵したカ
ード状電子情報記憶媒体の製造を連続的に行なうことが
可能であり、生産効率を高くすることができる。
【0034】請求項10に記載の発明は、『前記加熱温
度が前記複数層の接着剤層のうち、最もICユニットに
近い側の接着剤層の軟化点温度以上であることを特徴と
する請求項1に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造
方法。』である。
【0035】この請求項10に記載の発明によれば、加
熱温度が複数層の接着剤層のうち、最もICユニットに
近い側の接着剤層の軟化点温度以上であり、ICユニッ
トを内蔵したカード状電子情報記憶媒体の製造を連続的
に行なうことが可能であり、生産効率を高くすることが
できる。
【0036】請求項11に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にI
Cチップ及びアンテナを有するICユニットを封入する
構成であって、前記第2のシート材上に直接、または前
記接着剤層を間に挟むように前記ICユニットを載置
し、その上に更に接着剤層を塗布させた後、前記第1の
シート材を接着するカード状電子情報記憶媒体の製造方
法において、前記ICユニット上に形成される接着剤層
が複数層で形成され、かつ同時重層塗布されることを特
徴とするカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』であ
る。
【0037】この請求項11に記載の発明によれば、I
Cユニット上に形成される接着剤層が複数層で形成さ
れ、かつ同時重層塗布されることで、製造プロセスを大
きく増加することなく、また補強シートのように新たな
部材を追加することなく、気泡の巻き込みの無い、表面
平滑性が確保でき、かつ積層カード状態での剛性も確保
できるカード状電子情報記憶媒体を得ることができる。
また、異なる物性の接着剤を同時重層塗布することによ
り、接着剤同士の界面の接着強度が強く、界面剥離の問
題も発生しない。
【0038】請求項12に記載の発明は、『前記複数層
の接着剤層のうち、最下層となる最もICユニットに近
い側の接着剤層の塗布時の粘度が、最下層よりすぐ上層
の接着剤層の塗布時の粘度より低い構成とした接着剤層
の同時重層塗布により、複数層の接着剤層を形成させる
ことを特徴とする請求項11に記載のカード状電子情報
記憶媒体の製造方法。』である。
【0039】この請求項12に記載の発明によれば、最
下層となる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布
時の粘度が、最下層よりすぐ上層の接着剤層の塗布時の
粘度より低い構成とした接着剤層の同時重層塗布によ
り、単純に低粘度接着剤層を適用したのみでは、カード
の剛性が確保できないが、ICユニットと接しない側の
接着剤層は、比較的高粘度で硬化時の弾性率が大きい物
性の接着剤を適用することで、カードの剛性が確保でき
る。また、同時重層塗布することにより、接着剤同士の
界面の接着強度が強く、界面剥離の問題も発生しない。
【0040】請求項13に記載の発明は、『前記複数層
の接着剤層のうち、最下層となる最もICユニットに近
い側の接着剤層の塗布時の粘度をη A、それ以外の接着
剤層の塗布時の平均粘度をηBとしたとき、ηB/η A
2となることを特徴とする請求項11または請求項12
に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』であ
る。
【0041】この請求項13に記載の発明によれば、I
Cユニットに近い側の接着剤層の塗布時の粘度をη A
それ以外の接着剤層の塗布時の平均粘度をηBとしたと
き、η B/η A≧2となる条件とした場合は、接着剤塗布
直後の接着剤層のレベリング効果が、より得られること
になるので、接着剤層の表面に現われるICチップ部等
の凹凸形状が矯正され、平滑な接着剤層表面が得られ、
その上に表面シートを積層しても、優れた平面性を持つ
カード表面が得られることになる。
【0042】請求項14に記載の発明は、『前記複数層
の接着剤層のうち、最下層となる最もICユニットに近
い側の接着剤層の塗布時の厚みが、ICユニットの中で
最も厚い部材の厚さ以上であることを特徴とする請求項
11乃至請求項13のいずれか1項に記載のカード状電
子情報記憶媒体の製造方法。』である。
【0043】この請求項14に記載の発明によれば、I
Cユニットに近い側の接着剤層の塗布時の厚みが、IC
ユニットの中で最も厚い部材の厚さ以上であり、ICユ
ニットのICチップ部等の凹凸形状が矯正され、比較的
平滑な表面が得られ、優れた平面性を持つカード状電子
情報記憶媒体が得られる。
【0044】請求項15に記載の発明は、『前記接着剤
層がホットメルト接着剤層であり、複数層の接着剤層の
うち、最下層となる最もICユニットに近い側の接着剤
層の塗布時の温度が、それ以外の接着剤層の温度よりも
高い接着剤層の同時重層塗布により、複数層の接着剤層
を形成させることを特徴とする請求項11乃至請求項1
4のいずれか1項に記載のカード状電子情報記憶媒体の
製造方法。』である。
【0045】この請求項15に記載の発明によれば、最
下層となる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布
時の温度が、それ以外の接着剤層の温度よりも高い接着
剤層の同時重層塗布により、最下層となる最もICユニ
ットに近い側の接着剤層を、比較的低粘度とした場合と
同様の効果が得られることになり、ICユニットのIC
チップ部等の凹凸形状が矯正され、比較的平滑な表面が
得られ、優れた平面性を持つカード状電子情報記憶媒体
が得られる。
【0046】請求項16に記載の発明は、『前記ICユ
ニット上に形成されるホットメルト接着剤が、溶融タン
クからコータヘッドまで送液されるまでに複数の流路に
振り分けられ、かつ最下層として塗布されるホットメル
ト接着剤を、それ以外の接着剤層の温度以上に加熱して
同時重層塗布されることを特徴とする請求項15に記載
のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』である。
【0047】この請求項16に記載の発明によれば、I
Cユニット上に形成されるホットメルト接着剤が、溶融
タンクからコータヘッドまで送液されるまでに複数の流
路に振り分けられ、かつ最下層として塗布されるホット
メルト接着剤を、それ以外の接着剤層の温度以上に加熱
して同時重層塗布され、同時重層塗布が可能な重層ダイ
コータを使用して、かつ塗布時、特にICチップ等の段
差部で気泡を巻き込まないようにすることができる。
【0048】請求項17に記載の発明は、『前記複数層
の接着剤層のうち、最下層となる最もICユニットに近
い側の接着剤層の塗布幅が、それ以外の接着剤層の塗布
幅より狭いことを特徴とする請求項11乃至請求項16
のいずれか1項に記載のカード状電子情報記憶媒体の製
造方法。』である。
【0049】この請求項17に記載の発明によれば、I
Cユニットに近い側の接着剤層の塗布幅が、それ以外の
接着剤層の塗布幅より狭いことで、塗布端部から不用意
に接着剤が流出し、厚みムラや工程汚染が発生してしま
うのを防止することができる。
【0050】請求項18に記載の発明は、『前記塗布さ
れる接着剤がシート材、またはICユニットに接触する
部分の、シート材搬送方向の上流側を減圧状態にするこ
とを特徴とする請求項11乃至請求項17のいずれか1
項に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』で
ある。
【0051】この請求項18に記載の発明によれば、塗
布される接着剤がシート材、またはICユニットに接触
する部分の、シート材搬送方向の上流側を減圧状態にす
ることで、より一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面
平滑性が確保できる。
【0052】請求項19に記載の発明は、『前記塗布さ
れる接着剤がシート材、またはICユニットに接触する
部分の、シート材搬送方向の下流側を加圧状態にするこ
とを特徴とする請求項11乃至請求項17のいずれか1
項に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』で
ある。
【0053】この請求項19に記載の発明によれば、塗
布される接着剤がシート材、またはICユニットに接触
する部分の、シート材搬送方向の下流側を減圧状態にす
ることで、より一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面
平滑性が確保できる。
【0054】請求項20に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在されるホットメルト接
着剤層内にICチップ及びアンテナを有するICユニッ
トを封入するカード状電子情報記憶媒体の製造装置にお
いて、前記ホットメルト接着剤が、溶融タンクからコー
タヘッドまで送液されるまでに複数の流路に振り分けら
れ、かつ最下層として塗布されるホットメルト接着剤
を、それ以外の接着剤層の温度以上に加熱して同時重層
塗布することを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の
製造装置。』である。
【0055】この請求項20に記載の発明によれば、ホ
ットメルト接着剤が、溶融タンクからコータヘッドまで
送液されるまでに複数の流路に振り分けられ、かつ最下
層として塗布されるホットメルト接着剤を、それ以外の
接着剤層の温度以上に加熱して同時重層塗布すること
で、及び単一のホットメルト接着剤、及び単一の溶融タ
ンクを用いて、塗布時には異なる物性の複数の接着剤層
構成とすることができる。
【0056】請求項21に記載の発明は、『前記複数層
の接着剤層のうち、最下層となる最もICユニットに近
い側の接着剤層の塗布幅が、それ以外の接着剤層の塗布
幅より狭いことを特徴とする請求項20に記載のカード
状電子情報記憶媒体の製造装置。』である。
【0057】この請求項21に記載の発明によれば、I
Cユニットに近い側の接着剤層の塗布幅が、それ以外の
接着剤層の塗布幅より狭いことで、塗布端部から不用意
に接着剤が流出し、厚みムラや工程汚染が発生してしま
うのを防止することができる。
【0058】請求項22に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にI
Cチップ及びアンテナを有するICユニットを封入する
構成であって、第2のシート材上に直接、または前記接
着剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その上
に更に接着剤を塗布させた後、第1のシート材を接着す
るカード状電子情報記憶媒体の製造方法において、前記
塗布される接着剤がシート材、またはICユニットに接
触する部分の、シート材搬送方向の上流側を減圧状態に
することを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の製造
方法。』である。
【0059】この請求項22に記載の発明によれば、塗
布される接着剤がシート材、またはICユニットに接触
する部分の、シート材搬送方向の上流側を減圧状態にす
ることで、一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平滑
性が確保できる。
【0060】請求項23に記載の発明は、『前記接着剤
層が複数層で形成され、かつ同時重層塗布されることを
特徴とする請求項22に記載のカード状電子情報記憶媒
体の製造方法。』である。
【0061】この請求項23に記載の発明によれば、接
着剤層が複数層で形成され、かつ同時重層塗布すること
により、接着剤同士の界面の接着強度が強く、界面剥離
の問題も発生しない。
【0062】請求項24に記載の発明は、『塗布される
接着剤が接触する部分が、部分的に凹凸になる箇所を通
過するときだけ、前記減圧状態を通常の設定条件よりも
強くすることを特徴とする請求項22または請求項23
に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』であ
る。
【0063】この請求項24に記載の発明によれば、塗
布される接着剤が接触する部分が、部分的に凹凸になる
箇所を通過するときだけ、減圧状態を通常の設定条件よ
りも強くすることで、接着剤層に筋状のムラの発生が無
く、より一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平滑性
が確保できる。
【0064】請求項25に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にI
Cチップ及びアンテナを有するICユニットを封入する
構成であって、第2のシート材上に直接、または前記接
着剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その上
に更に接着剤を塗布させた後、第1のシート材を接着す
るカード状電子情報記憶媒体の製造方法において、前記
塗布される接着剤がシート材、またはICユニットに接
触する部分の、シート材搬送方向の下流側を加圧状態に
することを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の製造
方法。』である。
【0065】この請求項25に記載の発明によれば、塗
布される接着剤がシート材、またはICユニットに接触
する部分の、シート材搬送方向の下流側を加圧状態にす
ることで、一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平滑
性が確保できる。
【0066】請求項26に記載の発明は、『前記接着剤
層が複数層で形成され、かつ同時重層塗布されることを
特徴とする請求項25に記載のカード状電子情報記憶媒
体の製造方法。』である。
【0067】この請求項30に記載の発明によれば、製
造プロセスを大きく増加することなく、また補強シート
のように新たな部材を追加することなく、気泡の巻き込
みの無い、表面平滑性が確保でき、かつ積層カード状態
での剛性も確保できるカード状電子情報記憶媒体を得る
ことができる。また、異なる物性の接着剤を同時重層塗
布することにより、接着剤同士の界面の接着強度が強
く、界面剥離の問題も発生しない。
【0068】請求項27に記載の発明は、『塗布される
接着剤が接触する部分が、部分的に凹凸になる箇所を通
過するときだけ、前記加圧状態が通常の設定条件よりも
強くなることを特徴とする請求項25または請求項26
に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。』であ
る。
【0069】この請求項27に記載の発明によれば、塗
布される接着剤が接触する部分が、部分的に凹凸になる
箇所を通過するときだけ、加圧状態が通常の設定条件よ
りも強くすることで、より一層確実に気泡の巻き込みの
無い、表面平滑性が確保できる。
【0070】請求項28に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にI
Cチップ及びアンテナを有するICユニットを封入する
構成であって、前記第2のシート材上に直接、または前
記接着剤層を間に挟むように前記ICユニットを載置
し、その上に、別途接着剤を塗布させた第1のシート材
を、前記ICユニット側と接着剤面が接着するようにラ
ミネートするカード状電子情報記憶媒体の製造方法にお
いて、ICユニットが載置された第2のシート材と、接
着剤が塗布された第1のシート材の接着剤面とがラミネ
ートされる直前を、減圧状態にすることを特徴とするカ
ード状電子情報記憶媒体の製造方法。』である。
【0071】この請求項28に記載の発明によれば、第
2のシート材と、接着剤が塗布された第1のシート材の
接着剤面とがラミネートされる直前を、減圧状態にする
ことで、より一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平
滑性が確保できる。
【0072】請求項29に記載の発明は、『第1のシー
ト材の接着剤面が、第2のシート材に載置されたICユ
ニット上の凹凸になる箇所を通過するときだけ、前記減
圧状態が通常の設定条件よりも強くなることを特徴とす
る請求項28に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造
方法。』である。
【0073】この請求項29に記載の発明によれば、第
1のシート材の接着剤面が、第2のシート材に載置され
たICユニット上の凹凸になる箇所を通過するときだ
け、減圧状態が通常の設定条件よりも強くすることで、
より一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平滑性が確
保できる。
【0074】請求項30に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にI
Cチップ及びアンテナを有するICユニットを封入する
構成であって、第2のシート材上に直接、または前記接
着剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その上
に更に接着剤を塗布させた後、第1のシート材を接着す
るカード状電子情報記憶媒体の製造方法において、塗布
される接着剤がICユニット上に接触する直前に、前記
ICユニット上が、接着剤の軟化点温度より高く、シー
ト材かつICユニットの熱変形が起こる温度よりも低い
温度で加熱された状態であることを特徴とするカード状
電子情報記憶媒体の製造方法。』である。
【0075】この請求項30に記載の発明によれば、塗
布される接着剤がICユニット上に接触する直前に、I
Cユニット上が、接着剤の軟化点温度より高く、シート
材かつICユニットの熱変形が起こる温度よりも低い温
度で加熱された状態であるため、ICユニットが接着剤
層へ充分埋め込まれると共に、シート材かつICユニッ
トが熱変形を起こさないことで表面平滑性が確保でき
る。
【0076】請求項31に記載の発明は、『第1のシー
ト材と第2のシート材の間に介在される接着剤層内にI
Cチップ及びアンテナを有するICユニットを封入する
構成であって、第2のシート材上に直接または前記接着
剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その上に
別途接着剤を塗布させた第1のシート材を、前記ICユ
ニット側と接着剤面が接着するようにラミネートするカ
ード状電子情報記憶媒体の製造方法において、接着剤層
が塗布される前記ICユニット上と、接着剤が塗布され
た第1のシート材の接着剤面のどちらか一方か、もしく
はその両方がラミネートされる直前に加熱された状態で
あることを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の製造
方法。』である。
【0077】この請求項31に記載の発明によれば、接
着剤層が塗布されるICユニット上と、接着剤が塗布さ
れた第1のシート材の接着剤面のどちらか一方か、もし
くはその両方がラミネートされる直前に加熱された状態
であり、連続的な加工が可能であるため、生産効率は高
いので好ましい。
【0078】請求項32に記載の発明は、『前記加熱
が、それぞれの部材の貼合面側から行うことを特徴とす
る請求項30または請求項31に記載のカード状電子情
報記憶媒体の製造方法。』である。
【0079】この請求項32に記載の発明によれば、加
熱が、それぞれの部材の貼合面側から行うことで、第1
のシート材と第2のシート材、もしくは表面の印刷等
が、熱劣化することがなく、製品として好ましい。
【0080】請求項33に記載の発明は、『前記加熱が
温風の吹き出しによるものであり、温風の吹き出し方向
が、第1のシート材と第2のシート材の搬送される方向
に対向する方向であることを特徴とする請求項30また
は請求項31に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造
方法。』である。
【0081】この請求項33に記載の発明によれば、加
熱が温風の吹き出しによるものであり、温風の吹き出し
方向が、第1のシート材と第2のシート材の搬送される
方向に対向する方向であり、温風を吹き付けることによ
り加温状態にする方法をとり、かつ吹きつけ方向を第1
のシート材と第2のシート材の搬送方向に対向する方向
とした場合、温風の温度はホットメルト接着剤の軟化点
温度以上であることが好ましく、風速は搬送速度よりも
速い条件であることが好ましい。また、この場合は、風
速が速いほど、塗布される接着剤がシート材、またはI
Cユニットに接触する部分の、シート材搬送方向の上流
側を減圧状態にする効果が得られるため、第1のシート
材側の接着剤層とICユニットが貼り合わされるラミネ
ート部において、より気泡を巻き込みにくくなる。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、この発明のカード状電子情
報記憶媒体及びカード状電子情報記憶媒体の製造方法並
びにカード状電子情報記憶媒体の製造装置の実施の形態
を、図面に基づいて説明する。
【0083】まず、請求項1乃至請求項10に記載の発
明を図1乃至図4に示す。
【0084】図1はカード状電子情報記憶媒体の積層構
造を示す斜視図である。
【0085】この実施の形態は、カード状電子情報記憶
媒体1として薄型の非接触式ICカードを示し、データ
の送受信装置と非接触式ICカードとが接触しないで、
双方の電子情報のやり取りを行う方式である。
【0086】カード状電子情報記憶媒体1としてのIC
カードは、第1のシート材2である表面シートと、第2
のシート材3である裏面シートの間に介在される接着剤
層4,5内にICチップ6、アンテナ7及びICユニッ
ト基板8を有するICユニット9を封入した構成であっ
て、第2のシート材3上に直接、または接着剤を間に挟
むようにICユニット9を載置し、その上から更に接着
剤を介在させた後、第1のシート材2を接着する構成で
ある。
【0087】このカード状電子情報記憶媒体1は、IC
ユニット8を内包するために、第1のシート材2である
表面シートと第2のシート材3である裏面シートの間に
接着剤を用いるが、例えばエポキシ系2液混合タイプ
(この場合、塗布直前に混合される。)や、ホットメル
ト接着剤、好ましくは湿気硬化型、光硬化型といった反
応型ホットメルト接着剤が使われる。
【0088】このカード状電子情報記憶媒体1としての
ICカードの表面シート部分は樹脂製であり、従来は塩
化ビニル製のものが使われていたが、近年ではポリエチ
レンテレフタレート(PET)樹脂が主流である。その
他、紙製などもある。
【0089】また、ICユニット9を内包するために、
第1のシート材2と第2のシート材3の間に接着剤を用
い、例えばホットメルト接着剤、好ましくは湿気硬化型
や、光硬化型の反応型ホットメルト接着剤が使われる。
【0090】接着剤の溶融粘度は、加熱加圧時の接着剤
の流動性を考慮すると、100,000mPa・sec
以下であることが好ましい。特に、この発明のICユニ
ット9側に配置される接着剤層の溶融粘度は、10,0
00mPa・sec以下、好ましくは6,000mPa
・sec以下であることが良い。それ以上の粘度である
と、ラミネート時にかなり加熱、もしくは加圧をしなけ
ればならず、表面シートそのものや、場合によっては予
め形成されている表面シート上の印刷(受像)層がダメ
ージを受けて、品質を維持できなかったり、内蔵される
ICユニット8に損傷を与え、機能を果たせなくなるこ
とがある。
【0091】ICユニット9は、少なくともICチップ
6とそれに接続されたアンテナ7で構成されているが、
分離しないように樹脂フィルム上や、不織布上などのI
Cユニット基板8に配置されて、ユニット状になってい
るものが、製造取り扱い上好ましい。
【0092】第1のシート材2である表面シートの接着
剤層側に、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー
塗布などの易接着処理を施してあるのが好ましく、第2
のシート材3である裏面シート上に同様の易接着処理を
施してから、接着剤層を積層してあるのがさらに好まし
い。これらの易接着処理は、予め別の装置にて処理済み
のものでかまわないが、更に好ましくは、接着剤の塗布
直前にオンライン上で処理するのが良い。
【0093】図2はカード状電子情報記憶媒体の第1の
実施の形態の積層構造を示す図である。
【0094】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体1は、ICユニット9上に介在させた接着剤層4が、
異なる物性値を持った複数の接着剤層4a,4bで形成
されている。
【0095】このようにICユニット9上に介在させた
接着剤層4が、異なる物性値を持った複数の接着剤層4
a,4bであり、この複数層の接着剤層4a,4bのう
ち、最もICユニット9に近い側の接着剤層4aの厚さ
D2が、ICユニット9の中で最も厚い部材の厚さD1
以上である。
【0096】ICユニット基板8には、ICチップ6、
アンテナ7が第1のシート材2側に配置され、このIC
チップ6、アンテナ7により凹凸が生じているが、IC
ユニット9に近い側の接着剤層4aの厚さD2が、IC
ユニット9の中で最も厚い部材の厚さD1以上であり、
加熱及び加圧にって接着剤層4aがICユニット9の凹
凸や曲がりを吸収することができ、加熱や加圧等による
比較的過大な条件を付与することなく、表面平滑性、表
面印字性を得ることができる。
【0097】図3はカード状電子情報記憶媒体の第2の
実施の形態の積層構造を示す図である。
【0098】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体1は、 第2のシート材3上の複数層の接着剤層5
a,5bのうち、最もICユニット9に近い側の接着剤
層5aの厚さD3が、ICユニット9の中で最も厚い部
材の厚さD1以上である。
【0099】ICユニット基板8には、ICチップ6、
アンテナ7が第2のシート材3側に配置されているが、
ICユニット9に近い側の接着剤層5aの厚さD3が、
ICユニット9の中で最も厚い部材の厚さD1以上であ
り、加熱及び加圧にて接着剤層5aがICユニット9の
凹凸や曲がりを吸収することができ、加熱や加圧等によ
る比較的過大な条件を付与することなく、表面平滑性、
表面印字性を得ることができる。
【0100】図4はカード状電子情報記憶媒体の第3の
実施の形態の積層構造を示す図である。
【0101】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体1は、第2のシート材3上に複数層の接着剤層5a,
5bを間に挟むようにICユニット9を載置し、その上
から更に複数層を有する接着剤層4a,4bを介在させ
た後、第1のシート材2を接着する構成である。
【0102】この第1及び第2のシート材側のそれぞれ
の複数層ある接着剤層のうち、最もICユニット9に近
い側の接着剤層4a,5aの厚さD2,D3が、少なく
ともICユニット9の中で最も厚い部材の厚さD1の1
/2以上であり、加熱及び加圧にって接着剤層4a,5
aがICユニット9の凹凸や曲がりを吸収することがで
き、加熱や加圧等による比較的過大な条件を付与するこ
となく、表面平滑性、表面印字性を得ることができる。
【0103】図2乃至図4の実施の形態において、複数
層の接着剤層のうち、最もICユニット9に近い側の接
着剤層4a,5aの半硬化状態の弾性率が最も小さく、
シート材側の接着剤層4b,5bほど、半硬化状態の弾
性率が大きくなる構成であり、加熱や加圧によってIC
ユニット9の凹凸をより確実に吸収し、表面平滑性、表
面印字性を得ることができ、しかもカールを防止するこ
とが可能である。
【0104】また、複数層の接着剤層のある一定温度で
の溶融粘度が、最もICユニットに近い側の接着剤層4
a,5aが最も低く、シート材側の接着剤層4b,5b
ほど溶融粘度が高くなる構成であり、加熱や加圧によっ
てICユニット9の凹凸をより確実に吸収し、表面平滑
性、表面印字性を得ることができ、しかもカールを防止
することが可能である。
【0105】また、接着剤層4,5がホットメルト接着
剤であり、複数層を形成する接着剤層の軟化点温度が、
最もICユニットに近い側の接着剤層4a,5aが最も
低く、シート材側の接着剤層4b,5bほど軟化点温度
が高くなる構成であり、加熱や加圧によってICユニッ
ト9の凹凸をより確実に吸収し、表面平滑性、表面印字
性を得ることができ、しかもカールを防止することが可
能である。
【0106】また、複数層の接着剤層のうち、最もIC
ユニット9に近い側の接着剤層4a,5aほど、半硬化
状態の引っ張り伸び率が小さくなる構成であり、加熱や
加圧によってICユニット9の凹凸をより確実に吸収
し、表面平滑性、表面印字性を得ることができ、しかも
カールを防止することが可能である。
【0107】半硬化状態とは、完全には硬化していない
状態を指し、例えば反応型接着剤の場合、硬化反応を促
進する手段を付与する前の状態で固体化した状態であ
る。ホットメルトタイプでは固体状態であっても、加熱
により再軟化できる状態を指す。軟化点温度とは、JI
SK6863の軟化点温度測定方法に従って測定された
温度を示す。
【0108】また、カード状電子情報記憶媒体1の製造
として、第1のシート材2と第2のシート材3の間に介
在される接着剤層4,5内にCユニット9を封入する構
成であって、第2のシート材3上に直接、または接着剤
層5を間に挟むようにICユニット9を載置し、その上
から更に接着剤層4を介在させた後、第1のシート材2
を接着するが、接着剤層4,5が異なる物性値を持った
複数層で形成されており、第2のシート材3上に直接、
または接着剤層5を間に挟むようにICユニット9を載
置し、その上から更に接着剤層4を介在させ、第1のシ
ート材2を積層した後で、加熱及び加圧して各部材を接
着する。
【0109】このように第2のシート材3上に直接、ま
たは接着剤層5を間に挟むようにICユニット9を載置
し、その上から更に接着剤層4を介在させ、第1のシー
ト材2を積層した後で、加熱及び加圧して各部材を接着
することで、ICユニット9を内蔵したカード状電子情
報記憶媒体1の製造を連続的に行なうことが可能であ
り、生産効率を高くすることができる。
【0110】また、加熱温度が複数層の接着剤層のう
ち、最もICユニットに近い側の接着剤層4a,5aの
軟化点温度以上であり、ICユニット9を内蔵したカー
ド状電子情報記憶媒体1の製造を連続的に行なうことが
可能であり、生産効率を高くすることができる。
【0111】次に、この発明の実施例を比較例と比較し
て説明する。 [実施例] (比較例)厚さ0.18mmのPETシート上に、厚さ
0.2mmのホットメルト接着剤層を塗布し、さらにそ
の上に最大厚さが0.3mmである送受信アンテナとI
CチップからなるICユニットを載置した。ホットメル
ト接着剤層は、軟化温度が90℃で、湿気硬化型ポリウ
レタンホットメルトを使用した。
【0112】載置されたICユニットの上に、前記と同
じ0.2mm厚さのホットメルト接着剤層、表面シート
(0.18mm厚みPETシート)を積層し、鏡板平面
熱プレスにて、100℃加熱、5kgf/cm2の条件
で熱圧着させたのち、所定の大きさに打ち抜くことで、
ICチップ、及びアンテナを内包した、厚み0.76m
mの非接触式ICカードを作製した。 (実施例1)0.18mm厚さのPETシート上に、I
Cチップ、アンテナを実装し、その上に0.25mm厚
さのホットメルト接着剤A、0.15mm厚さのホット
メルト接着剤Bの順に積層し、さらに、接着剤層の上に
表面シート(0.18mm厚みPETシート)を積層し
た。ICユニット部の最大厚みは、0.3mmであっ
た。
【0113】その後、鏡板平面熱プレスを使用して、1
00℃加熱、5kgf/cm2の条件で熱圧着させたの
ち、所定の大きさに打ち抜くことで、ICチップ及びア
ンテナを内包した、厚み0.76mmの非接触式ICカ
ードを作製した。上記接着剤A、接着剤Bの物性を変化
させて、カードの仕上り性を評価した。その結果を表1
に示す。
【0114】
【表1】 ICカード反り量の評価は、JISX6301によるI
Cカード反り量の測定方法を参考にした。 (実施例2)0.18mm厚さのPETシート上に、
0.1mm厚さのホットメルト接着剤C、0.1mm厚
さのホットメルト接着剤Dの順に積層し、その上にIC
チップ、アンテナを載置し、さらに0.1mm厚さのホ
ットメルト接着剤D、0.1mm厚さのホットメルト接
着剤C、表面シート(0.18mm厚みPETシート)
の順に積層した。ICユニット部の最大の厚みは、0.
3mmであった。
【0115】その後、鏡板平面熱プレスを使用して、1
00℃加熱、5kgf/cm2の条件で熱圧着させ、I
Cチップ及びアンテナを内包した、厚み0.76mmの
非接触式ICカードを作製した。
【0116】上記接着剤C、接着剤Dの物性を変化させ
て、カードの仕上り性を評価した。その結果を表2に示
す。
【0117】
【表2】 (実施例3、4)0.18mm厚さのPETシート上
に、ICチップ及びアンテナを実装し、その上に0.2
5mm厚さのホットメルト接着剤E、0.1mm厚さの
ホットメルト接着剤F、0.05mm厚さのホットメル
ト接着剤Gの順に積層し、さらに接着剤層の上に表面シ
ート(0.18mm厚みのPETシート)を積層した。
【0118】ICユニット部の最大厚みは、0.3mm
であった。
【0119】その後、鏡板平面熱プレスを使用して、1
00℃加熱、5kgf/cm2の条件で熱圧着させ、I
Cチップ及びアンテナを内包した、厚み0.76mmの
非接触式ICカードを作製した(実施例3)。
【0120】同様に、0.18mm厚さのPETシート
上に、ICチップ及びアンテナを実装し、その上に0.
35mm厚さのホットメルト接着剤E、0.03mm厚
さのホットメルト接着剤Gの順に積層し、さらに、接着
剤層の上に表面シート(0.18mm厚みPETシー
ト)を積層し、厚み0.76mmの非接触式ICカード
を作製した(実施例4)。
【0121】上記接着剤E、接着剤F、接着剤Gの物性
を変化させて、カードの仕上り性を評価した。その結果
を表3に示す。
【0122】
【表3】 次に、請求項11乃至請求項33に記載の発明を図5乃
至図に示す。
【0123】図5はカード状電子情報記憶媒体の製造を
示すフローチャートである。
【0124】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体の製造は、実装工程A、貼り合せ工程B及び打ち抜き
工程Cを有する。
【0125】実装工程Aでは、ICチップにアンテナ加
工し、ICユニット基板にICチップボンディングを行
ない、ICユニット化する。
【0126】貼り合せ工程Bでは、第2のシート材であ
る裏面シートに文字記録層を形成し、接着剤を塗布す
る。また、第1のシート材である表面シートに画像形成
層を形成する。第2のシート材の接着剤上にICユニッ
トを仮接着し、接着剤を塗布し、第2のシート材である
裏面シートを第1のシート材である表面シートによりラ
ミネートし、加熱、加圧し、第1のシート材及び第2の
シート材を一体化して冷却する。
【0127】打ち抜き工程Cでは、カード形態に打ち抜
き、外観検査を行ない、カード状電子情報記憶媒体とし
て薄型の非接触式ICカードを作製し、この非接触式I
Cカードはデータの送受信装置と非接触式ICカードと
が接触しないで、双方の電子情報のやり取りを行う方式
である。
【0128】図6はカード状電子情報記憶媒体の製造ラ
インの一例を示す図である。
【0129】カード状電子情報記憶媒体の製造装置20
には、ロール状の第1のシート材12を送り出す送出軸
21が設けられ、この送出軸21から送り出されて供給
される。また、ロール状の第2のシート材13を送り出
す送出軸22が設けられ、この送出軸22から送り出さ
れて供給される。
【0130】第2のシート材13には、エクストルージ
ョンダイ23を使用して接着剤を塗布し、所望の膜厚の
接着剤層を形成し、この第2のシート材13の接着剤層
上にICユニット25を供給し仮接着する。その後に、
エクストルージョンダイ26を使用して接着剤を塗布
し、所望の膜厚の接着剤層を形成する。なお図示してい
ないが、エクストルージョンダイ26を使用して、第1
のシート材に接着剤を塗布し、所望の膜厚の接着剤層を
形成し、ラミネートしても構わない。
【0131】このように第2のシート材13の接着剤上
にICユニット25を仮接着し、接着剤を塗布し、ラミ
ネート部27で第2のシート材13を第1のシート材1
2によりラミネートし、加熱加圧部28で加熱、加圧
し、塗布部90、塗布液乾燥部95、切断部74及び打
抜部73へ送る。
【0132】加熱加圧部28は、搬送路の上下に対向し
て配置される平型の熱プレス上型28aと熱プレス下型
28bを有し、熱プレス上型28aと熱プレス下型28
bは互いに接離する方向に移動可能に設けられている。
【0133】さらに好ましくは、加熱加圧部28はロー
ルプレス、もしくはベルトプレスなどの連続的にラミネ
ート、及び加熱加圧加工が行える装置である方がよい。
【0134】塗布部90には、受像層塗布液容器30が
搬送路の上方に設けられ、受像層塗布液容器30内には
供給ローラ31aが設けられ、この供給ローラ31aか
ら中間ローラ31bを介して受像層塗布液33が塗布ロ
ーラ32へ供給され、塗布ローラ32の逆回転により、
第1のシート材12の一面側に受像層塗布液33が塗布
されてリバースコータ法により受像層が表面に形成され
る。
【0135】また、塗布部90には、筆記層塗布液容器
60が搬送路の下方に設けられ、筆記層塗布液容器60
内には供給ローラ61aが設けられ、この供給ローラ6
1aから中間ローラ61bを介して筆記層塗布液63が
塗布ローラ62へ供給され、塗布ローラ62の逆回転に
より、第2のシート材13の一面側に筆記層塗布液63
が塗布されてリバースコータ法により筆記層が表面に形
成される。
【0136】塗布液乾燥部95は第1のシート材12及
び第2のシート材13を通過させることにより、受像層
及び筆記層の溶剤を気化させて両面への塗布層を形成す
る。
【0137】切断部74は搬送路の上下に対向配置され
るカッター上型74a及びカッター下型74bからな
り、カッター上型74aは上下動可能に設けられ、第1
及び第2のシート材1,4が熱溶着した状態でシート状
に切断し、シート84を打抜部73へ送る。
【0138】打抜部73は、搬送路の上下に対向して配
置されるカード打抜上型73a及びカード打抜下型73
bからなる。カード打抜上型73aは上下方向に移動可
能になっており、第1及び第2のシート材12,13が
完全に熱溶着した後一体となり、その後ICカードCA
の大きさに打ち抜くようになっている。カード打抜下型
73bの下方部には、シート84から例えば4〜100
枚抜かれたICカードCAを順次積み上げて収納する収
納部85が設けられる。
【0139】図7はカード状電子情報記憶媒体の製造の
第1の実施の形態を示す図である。
【0140】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体の製造は、ICユニット25上に形成される接着剤層
40が複数層40a,40bで形成され、かつ同時重層
塗布される。図7(a)のコータヘッド41は、塗布通
路41a,41bが独立して形成され、独立した塗布口
から同時重層塗布される。図7(b)のコータヘッド4
1は、塗布通路41a,41bが途中で集合して形成さ
れ、集合した塗布口から同時重層塗布される。図7
(c)のコータヘッド41は、塗布通路41a,41b
が塗布口で集合して形成され、この集合した塗布口から
同時重層塗布される。
【0141】このようにICユニット25上に形成され
る接着剤層40が複数層40a,40bで形成され、か
つ同時重層塗布されることで、製造プロセスを大きく増
加することなく、また補強シートのように新たな部材を
追加することなく、気泡の巻き込みの無い、表面平滑性
が確保でき、かつ積層カード状態での剛性も確保できる
カード状電子情報記憶媒体を得ることができる。また、
異なる物性の接着剤を同時重層塗布することにより、接
着剤同士の界面の接着強度が強く、界面剥離の問題も発
生しない。
【0142】また、複数層40a,40bの接着剤層の
うち、最下層となる最もICユニット25に近い側の接
着剤層40aの塗布時の粘度が、最下層よりすぐ上層の
接着剤層40bの塗布時の粘度より低い構成とした接着
剤層の同時重層塗布により、複数層40a,40bの接
着剤層40を形成させる。単純に低粘度接着剤層を適用
したのみでは、カードの剛性が確保できないが、ICユ
ニット25と接しない側の接着剤層は、比較的高粘度で
硬化時の弾性率が大きい物性の接着剤を適用すること
で、カードの剛性が確保できる。それに加えて、最下層
を比較的低粘度接着剤層としているため、表面に凹凸の
あるICユニット上の塗工の場合でも、塗布ムラや気泡
の巻き込みの無い良好な塗布性が得られる。
【0143】特に、複数層40a,40bの接着剤層の
うち、最下層となる最もICユニット25に近い側の接
着剤層40aの塗布時の粘度をη A、それ以外の接着剤
層の塗布時の平均粘度をηBとしたとき、ηB/η A≧2
となる条件とした場合は、接着剤塗布直後の接着剤層の
レベリング効果が、より得られることになるので、接着
剤層の表面に現われるICチップ部等の凹凸形状が矯正
され、平滑な接着剤層表面が得られ、その上に表面シー
トを積層しても、優れた平面性を持つカード表面が得ら
れることになる。
【0144】また、複数層40a,40bの接着剤層の
うち、最下層となる最もICユニット25に近い側の接
着剤層の塗布時の厚みD20が、ICユニット25の中
で最も厚い部材の厚さD21以上であり、ICユニット
のICチップ部等の凹凸形状がさらに矯正され、より一
層平滑な表面が得られ、優れた平面性を持つカード状電
子情報記憶媒体が得られる。
【0145】また、接着剤層がホットメルト接着剤層で
は、複数層40a,40bの接着剤層のうち、最下層と
なる最もICユニット25に近い側の接着剤層40aの
塗布時の温度が、それ以外の接着剤層の温度よりも高い
接着剤層の同時重層塗布により、複数層の接着剤層を形
成させることで、前記のごとく、最下層となる最もIC
ユニット25に近い側の接着剤層を、比較的低粘度とし
た場合と同様の効果が得られる。すなわち、ICユニッ
ト25のICチップ部等の凹凸形状がさらに矯正され、
より一層平滑な表面が得られ、優れた平面性を持つカー
ド状電子情報記憶媒体が得られる。
【0146】また、図8は塗布状態の斜視図、図9はコ
ータヘッド41を下方から見た図、図10は図8のX−
X線に沿う断面図であり、図8及び図9に示すように、
コータヘッド41により複数層40a,40bの接着剤
層40のうち、最下層となる最もICユニット25に近
い側の接着剤層40aの塗布幅W1が、それ以外の接着
剤層40bの塗布幅W2より狭く塗布され、塗布端部か
ら不用意に接着剤が流出し、厚みムラや工程汚染が発生
してしまうのを防止することができる。また、図10に
示すように、最下層となる最もICユニット25に近い
側の接着剤層40aの塗布幅W1よりカード状に打ち抜
く幅W3が狭くなっており、ICユニット25をより確
実に接着剤層の間に介在させることができる。
【0147】図11及び図12はカード状電子情報記憶
媒体の製造の第2の実施の形態を示す図である。
【0148】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体の製造は、ICユニット25上に形成されるホットメ
ルト接着剤が、溶融タンク43からコータヘッド41ま
で送液されるまでに複数の流路44a,44bに振り分
けられ、かつ流路44aにヒーター45を設けて最下層
として塗布されるホットメルト接着剤を、それ以外の接
着剤層の温度以上に加熱して同時重層塗布される。
【0149】このように、最下層として塗布されるホッ
トメルト接着剤を、それ以外の接着剤層の温度以上に加
熱することで、最下層となる最もICユニット25に近
い側の接着剤層を、比較的低粘度とした場合と同様の効
果が得られる。すなわち、ICチップ等の段差部で気泡
の巻き込みや、塗布ムラの発生が無く、ICチップ部等
の凹凸形状が矯正され、優れた平面性を持つカード状電
子情報記憶媒体が得られる。
【0150】また、この実施の形態でも、図8乃至図1
0に示すように、複数層40a,40bの接着剤層のう
ち、最下層となる最もICユニット25に近い側の接着
剤層40aの塗布幅が、それ以外の接着剤層40bの塗
布幅より狭く塗布され、塗布端部から不用意に接着剤が
流出し、厚みムラや工程汚染が発生してしまうのを防止
することができる。
【0151】また、塗布される接着剤がシート材、また
はICユニットに接触する部分の、シート材搬送方向の
上流側を図11に示すように真空チャンバ等の減圧手段
46により吸引して真空にして減圧状態にすることで、
一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平滑性が確保で
きる。塗布される接着剤が接触する部分が、部分的に凹
凸になる箇所を通過するときだけ、減圧状態を通常の設
定条件よりも強くすることで、より一層確実に気泡の巻
き込みの無い、表面平滑性が確保できる。
【0152】また、塗布される接着剤がシート材、また
はICユニットに接触する部分の、シート材搬送方向の
下流側を、図12に示すように加圧チャンバ等の加圧手
段47により加圧空気を供給して加圧状態にすること
で、一層確実に気泡の巻き込みの無い、表面平滑性が確
保できる。塗布される接着剤が接触する部分が、部分的
に凹凸になる箇所を通過するときだけ、加圧状態が通常
の設定条件よりも強くすることで、より一層確実に気泡
の巻き込みの無い、表面平滑性が確保できる。
【0153】加圧手段47として、塗布される接着剤が
シート材、またはICユニットに接触する部分の、シー
ト材搬送方向の下流側に加圧チャンバを設置し、ブロア
などで加圧チャンバ内に空気を送り込んで、加圧にする
方法等が考えられる。
【0154】また、この実施の形態でも、複数層40
a,40bの接着剤層のうち、最下層となる最もICユ
ニット25に近い側の接着剤層の塗布時の粘度が、最下
層よりすぐ上層の接着剤層の塗布時の粘度より低い構成
とした接着剤層の同時重層塗布により、複数層の接着剤
層を形成させる。また、複数層40a,40bの接着剤
層のうち、最下層となる最もICユニットに近い側の接
着剤層の塗布工時の粘度をη A、それ以外の接着剤層の
塗布時の平均粘度をηBとしたとき、ηB/η A≧2とな
る。また、複数層40a,40bの接着剤層のうち、最
下層となる最もICユニット25に近い側の接着剤層の
塗布時の厚みD20が、ICユニット25の中で最も厚
い部材の厚さD21以上である。また、複数層40a,
40bの接着剤層のうち、最下層となる最もICユニッ
ト25に近い側の接着剤層の塗布時の温度が、それ以外
の接着剤層の温度よりも高い接着剤層の同時重層塗布に
より、複数層の接着剤層を形成させる。
【0155】また、接着剤層40が複数層40a,40
bで形成され、かつ同時重層塗布されることで、製造プ
ロセスを大きく増加することなく、また補強シートのよ
うに新たな部材を追加することなく、気泡の巻き込みが
無く、表面平滑性が確保でき、かつ積層カード状態での
剛性も確保できるカード状電子情報記憶媒体を得ること
ができる。また、異なる物性の接着剤を同時重層塗布す
ることにより、接着剤同士の界面の接着強度が強く、界
面剥離の問題も発生しない。
【0156】図13はカード状電子情報記憶媒体の製造
の第3の実施の形態を示す図である。
【0157】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体の製造は、塗布される接着剤がICユニット25上に
接触する直前に、加熱手段48によりICユニット25
を加熱し、ICユニット25上が接着剤の軟化点温度よ
り高く、第2のシート部材13のシート材かつ/または
ICユニット25の熱変形が起こる温度よりも低い温度
で加熱された状態であり、シート材かつ/またはICユ
ニットが熱変形が起こさないでことで、表面平滑性が確
保できる。加熱手段48としては、遠赤外ヒータや、温
風をあてる、などの手段が適用できる。
【0158】図14はカード状電子情報記憶媒体の製造
の第4の実施の形態を示す図である。
【0159】この実施の形態のカード状電子情報記憶媒
体の製造は、加熱手段48で加熱することで、接着剤層
が塗布されるICユニット25上と、接着剤が塗布され
た第1のシート材12の接着剤面のどちらか一方か、も
しくはその両方がラミネートされる直前に加熱された状
態であり、連続的な加工が可能であるため、生産効率は
高いので好ましい。この加熱手段48での加熱が、それ
ぞれの部材の貼合面側から行うことで、第1のシート材
12と第2のシート材13、もしくは表面の印刷等が、
熱劣化することがなく、製品として好ましい。
【0160】図15はカード状電子情報記憶媒体の製造
の第5の実施の形態を示す図である。
【0161】この実施の形態では、加熱手段48が加熱
が温風の吹き出しによるものであり、温風の吹き出し方
向が、第1のシート材12と第2のシート材13の搬送
される方向に対向する方向である。
【0162】このように温風の吹き出し方向が、第1の
シート材12と第2のシート材13の搬送される方向に
対向する方向であり、温風を吹き付けることにより加温
状態にする方法をとり、かつ吹きつけ方向を第1のシー
ト材12と第2のシート材13の搬送方向に対向する方
向とした場合、温風の温度はホットメルト接着剤の軟化
点温度以上であることが好ましく、風速は搬送速度より
も速い条件であることが好ましい。また、この場合は、
風速が速いほど、塗布される接着剤が接触する部分の、
相対的位置として搬送方向の上流側を減圧状態にする効
果が得られるため、接着剤塗布部において、より気泡を
巻き込みにくくなる。
【0163】次に、この発明の実施例を比較例と比較し
て説明する。 [実施例] (比較例1)厚さ0.18mmのPETシート上に、厚
さ0.2mmのホットメルト接着剤層を塗工し、さらに
その上に最大厚さが0.3mmである送受信アンテナと
ICチップからなるICユニットを載置した。ホットメ
ルト接着剤層は、軟化温度が90℃で、湿気硬化型ポリ
ウレタンホットメルトを使用した。
【0164】載置されたICユニットの上に、前記と同
じ0.2mm厚さのホットメルト接着剤層、表面シート
(0.18mm厚みPETシート)を積層して、鏡板平
面熱プレスを使用して、100℃加熱、5kgf/cm
2の条件で熱圧着させ、ICチップ及びアンテナを内包
した厚み0.76mmの非接触式ICカードを作製し
た。 (比較例2)厚さ0.18mmのPETシート(裏面)
上に、厚さ0.2mmのホットメルト接着剤層を塗布
し、さらにその上に最大厚さが0.3mmである送受信
アンテナとICチップからなるICユニットを載置し
た。ホットメルト接着剤層は、軟化点温度が90℃で、
湿気硬化型ポリウレタンホットメルトを使用した。
【0165】一方、表面シート(0.18mm厚みPE
Tシート)の上に、前記と同じ0.2mm厚さのホット
メルト接着剤層を塗工し、この接着剤層側と前記ICユ
ニットが対向するように、ロールラミネータで積層して
熱圧着させ、ICチップ及びアンテナを内包した厚み
0.76mmの非接触式ICカードを作製した。 (実施例1)0.18mm厚さのPETシート上に、
0.1mm厚さのホットメルト接着剤を塗布し、その上
にICチップ、アンテナを実装した後、ホットメルト接
着剤A、ホットメルト接着剤Bの順に2層構成とした重
層コータを用い、塗布した。さらに、接着剤層の上に表
面シート(0.18mm厚みPETシート)を積層し
た。ICユニット部の最大厚みは、0.3mmであっ
た。
【0166】その後、積層されたシートを加圧加熱手段
により熱圧着させ、ICチップ及びアンテナを内包した
厚み0.76mmの非接触式ICカードを作製した。そ
の結果を表4に示す。
【0167】
【表4】 (実施例2)比較例1と同じ接着剤構成として、ICユ
ニット上への重層塗布時に、接着剤がシート材上に接触
する部分の相対的位置としてシート材搬送方向の上流側
を減圧状態にするように、真空チャンバを設置した。
【0168】真空チャンバ内の減圧度を−0.001M
Paにしたところ、若干、ICチップの周囲に細かい気
泡混入があるが、それ以外は気泡混入がほとんど無く、
実技上支障の無い積層シートが得られた。さらに減圧度
を−0.002MPaにしたところ、気泡混入の無い良
好な積層シートが得られたが、接着剤塗布面に細かい筋
状のムラが発生した。
【0169】真空チャンバ内の減圧度を−0.001M
Paにし、ICチップ、アンテナといった表面凸部が、
接着剤がシート材上に接触する部分を通過するときだけ
減圧度を−0.002MPaにしたところ、前記筋状の
ムラが無く、気泡混入の無い良好な積層シートが得られ
た。 (実施例3)実施例2と同じ構成として、ロールラミネ
ートの直前で、表面シート側接着剤層を、遠赤外線ヒー
タを使用して約100℃になるように加熱した。その直
後にロールラミネートで積層した積層シートでは気泡混
入がほとんど無く、実技上支障の無い積層シートが得ら
れた。
【0170】同様に、ロールラミネートの直前で表面シ
ート側接着剤層及びICユニット側表面を、約90℃の
温風を吹き付けることで加熱させ、かつスリット状の吹
き出し口から背圧3kg/cm2で、その吹き出し方向
をラミネートする各シートの搬送方向に対向する方向で
吹き付けて、その直後にロールラミネートで積層した積
層シートでは気泡混入が無い、良好な積層シートが得ら
れた。
【0171】
【発明の効果】前記したように、請求項1乃至請求項1
0に記載の発明では、加熱や加圧等による比較的過大な
条件を付与することなく、表面平滑性、表面印字性に優
れ、またカールを防止することができる。カード状電子
情報記憶媒体の製造を連続的に行なうことが可能であ
り、生産効率を高くすることができる。
【0172】請求項11乃至請求項33に記載の発明で
は、製造プロセスを大きく増加することなく、また補強
シートのように新たな部材を追加することなく、気泡の
巻き込みが無く、表面平滑性が確保でき、かつ積層カー
ド状態での剛性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カード状電子情報記憶媒体の積層構造を示す斜
視図である。
【図2】カード状電子情報記憶媒体の第1の実施の形態
の積層構造を示す図である。
【図3】カード状電子情報記憶媒体の第2の実施の形態
の積層構造を示す図である。
【図4】カード状電子情報記憶媒体の第3の実施の形態
の積層構造を示す図である。
【図5】カード状電子情報記憶媒体の製造を示すフロー
チャートである。
【図6】カード状電子情報記憶媒体の製造ラインの一例
を示す図である。
【図7】カード状電子情報記憶媒体の製造の第1の実施
の形態を示す図である。
【図8】塗布状態の斜視図である。
【図9】コータヘッド41を下方から見た図である。
【図10】図8のX−X線に沿う断面図である。
【図11】カード状電子情報記憶媒体の製造の第2の実
施の形態を示す図である。
【図12】カード状電子情報記憶媒体の製造の他の第2
の実施の形態を示す図である。
【図13】カード状電子情報記憶媒体の製造の第3の実
施の形態を示す図である。
【図14】カード状電子情報記憶媒体の製造の第4の実
施の形態を示す図である。
【図15】カード状電子情報記憶媒体の製造の第5の実
施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 カード状電子情報記憶媒体 2,12 第1のシート材 3,13 第2のシート材 4,5,40,50 接着剤層 4a,4b,5a,5b 接着剤層 6,25a ICチップ 7,25b アンテナ 8,25c ICユニット基板 9,25 ICユニット 41 コータヘッド 43 溶融タンク 45 ヒーター 46 減圧手段 47 加圧手段 48 加熱手段

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のシート材と第2のシート材の間に介
    在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有する
    ICユニットを封入した構成であって、前記第2のシー
    ト材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むように前
    記ICユニットを載置し、その上から更に接着剤層を介
    在させた後、前記第1のシート材を接着する構成とした
    カード状電子情報記憶媒体において、 前記ICユニット上に介在させた接着剤層が、異なる物
    性値を持った複数の接着剤層で形成されていることを特
    徴とするカード状電子情報記憶媒体。
  2. 【請求項2】前記複数層の接着剤層のうち、最もICユ
    ニットに近い側の接着剤層の厚さが、ICユニットの中
    で最も厚い部材の厚さ以上であることを特徴とする請求
    項1に記載のカード状電子情報記憶媒体。
  3. 【請求項3】第1のシート材と第2のシート材の間に介
    在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有する
    ICユニットを封入した構成であって、前記第2のシー
    ト材上に複数層を有する接着剤層を間に挟むように前記
    ICユニットを載置し、その上から更に接着剤層を介在
    させた後、前記第1のシート材を接着する構成としたカ
    ード状電子情報記憶媒体おいて、 前記第2のシート材上の複数層の接着剤層のうち、最も
    ICユニットに近い側の接着剤層の厚さが、ICユニッ
    トの中で最も厚い部材の厚さ以上であることを特徴とす
    るカード状電子情報記憶媒体。
  4. 【請求項4】第1のシート材と第2のシート材の間に介
    在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有する
    ICユニットを封入した構成であって、前記第2のシー
    ト材上に複数層の接着剤層を間に挟むように前記ICユ
    ニットを載置し、その上から更に複数層を有する接着剤
    層を介在させた後、前記第1のシート材を接着する構成
    としたカード状電子情報記憶媒体において、 前記第1及び第2のシート材側のそれぞれの複数層ある
    接着剤層のうち、最もICユニットに近い側の接着剤層
    の厚さが、少なくともICユニットの中で最も厚い部材
    の厚さの1/2以上であることを特徴とするカード状電
    子情報記憶媒体。
  5. 【請求項5】前記複数層の接着剤層のうち、最もICユ
    ニットに近い側の接着剤層の半硬化状態の弾性率が最も
    小さく、シート材側の接着剤層ほど、半硬化状態の弾性
    率が大きくなる構成としたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれか1項に記載のカード状電子情報記
    憶媒体。
  6. 【請求項6】前記複数層の接着剤層のある一定温度での
    溶融粘度が、最もICユニットに近い側の接着剤層が最
    も低く、シート材側の接着剤層ほど前記溶融粘度が高く
    なる構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のいずれか1項に記載のカード状電子情報記憶媒体。
  7. 【請求項7】前記接着剤層がホットメルト接着剤層であ
    り、前記複数層を形成する接着剤層の軟化点温度が、最
    もICユニットに近い側の接着剤層が最も低く、シート
    材側の接着剤層ほど前記軟化点温度が高くなる構成とし
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載のカード状電子情報記憶媒体。
  8. 【請求項8】前記複数層の接着剤層のうち、最もICユ
    ニットに近い側の接着剤層ほど、半硬化状態の引っ張り
    伸び率が小さくなる構成としたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカード状電子情
    報記憶媒体。
  9. 【請求項9】第1のシート材と第2のシート材の間に介
    在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有する
    ICユニットを封入する構成であって、前記第2のシー
    ト材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むようにI
    Cユニットを載置し、その上から更に接着剤層を介在さ
    せた後、第1のシート材を接着するカード状電子情報記
    憶媒体の製造方法において、 前記接着剤層が異なる物性値を持った複数層で形成され
    ており、前記第2のシート材上に直接、または前記接着
    剤層を間に挟むようにICユニットを載置し、その上か
    ら更に接着剤層を介在させ、第1のシート材を積層した
    後で、加熱及び加圧して各部材を接着することを特徴と
    するカード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記加熱温度が前記複数層の接着剤層の
    うち、最もICユニットに近い側の接着剤層の軟化点温
    度以上であることを特徴とする請求項1に記載のカード
    状電子情報記憶媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有す
    るICユニットを封入する構成であって、前記第2のシ
    ート材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むように
    前記ICユニットを載置し、その上に更に接着剤層を塗
    布させた後、前記第1のシート材を接着するカード状電
    子情報記憶媒体の製造方法において、 前記ICユニット上に形成される接着剤層が複数層で形
    成され、かつ同時重層塗布されることを特徴とするカー
    ド状電子情報記憶媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】前記複数層の接着剤層のうち、最下層と
    なる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布時の粘
    度が、最下層よりすぐ上層の接着剤層の塗布時の粘度よ
    り低い構成とした接着剤層の同時重層塗布により、複数
    層の接着剤層を形成させることを特徴とする請求項11
    に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】前記複数層の接着剤層のうち、最下層と
    なる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布時の粘
    度をη A、それ以外の接着剤層の塗布時の平均粘度をηB
    としたとき、ηB/η A≧2となることを特徴とする請求
    項11または請求項12に記載のカード状電子情報記憶
    媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記複数層の接着剤層のうち、最下層と
    なる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布時の厚
    みが、ICユニットの中で最も厚い部材の厚さ以上であ
    ることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれ
    か1項に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】前記接着剤層がホットメルト接着剤層で
    あり、複数層の接着剤層のうち、最下層となる最もIC
    ユニットに近い側の接着剤層の塗布時の温度が、それ以
    外の接着剤層の温度よりも高い接着剤層の同時重層塗布
    により、複数層の接着剤層を形成させることを特徴とす
    る請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載のカ
    ード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】前記ICユニット上に形成されるホット
    メルト接着剤が、溶融タンクからコータヘッドまで送液
    されるまでに複数の流路に振り分けられ、かつ最下層と
    して塗布されるホットメルト接着剤を、それ以外の接着
    剤層の温度以上に加熱して同時重層塗布されることを特
    徴とする請求項15に記載のカード状電子情報記憶媒体
    の製造方法。
  17. 【請求項17】前記複数層の接着剤層のうち、最下層と
    なる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布幅が、
    それ以外の接着剤層の塗布幅より狭いことを特徴とする
    請求項11乃至請求項16のいずれか1項に記載のカー
    ド状電子情報記憶媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】前記塗布される接着剤がシート材、また
    はICユニットに接触する部分の、シート材搬送方向の
    上流側を減圧状態にすることを特徴とする請求項11乃
    至請求項17のいずれか1項に記載のカード状電子情報
    記憶媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】前記塗布される接着剤がシート材、また
    はICユニットに接触する部分の、シート材搬送方向の
    下流側を加圧状態にすることを特徴とする請求項11乃
    至請求項17のいずれか1項に記載のカード状電子情報
    記憶媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在されるホットメルト接着剤層内にICチップ及びア
    ンテナを有するICユニットを封入するカード状電子情
    報記憶媒体の製造装置において、 前記ホットメルト接着剤が、溶融タンクからコータヘッ
    ドまで送液されるまでに複数の流路に振り分けられ、か
    つ最下層として塗布されるホットメルト接着剤を、それ
    以外の接着剤層の温度以上に加熱して同時重層塗布する
    ことを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の製造装
    置。
  21. 【請求項21】前記複数層の接着剤層のうち、最下層と
    なる最もICユニットに近い側の接着剤層の塗布幅が、
    それ以外の接着剤層の塗布幅より狭いことを特徴とする
    請求項20に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造装
    置。
  22. 【請求項22】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有す
    るICユニットを封入する構成であって、第2のシート
    材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むようにIC
    ユニットを載置し、その上に更に接着剤を塗布させた
    後、第1のシート材を接着するカード状電子情報記憶媒
    体の製造方法において、 前記塗布される接着剤がシート材、またはICユニット
    に接触する部分の、シート材搬送方向の上流側を減圧状
    態にすることを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の
    製造方法。
  23. 【請求項23】前記接着剤層が複数層で形成され、かつ
    同時重層塗布されることを特徴とする請求項22に記載
    のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  24. 【請求項24】塗布される接着剤が接触する部分が、部
    分的に凹凸になる箇所を通過するときだけ、前記減圧状
    態を通常の設定条件よりも強くすることを特徴とする請
    求項22または請求項23に記載のカード状電子情報記
    憶媒体の製造方法。
  25. 【請求項25】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有す
    るICユニットを封入する構成であって、第2のシート
    材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むようにIC
    ユニットを載置し、その上に更に接着剤を塗布させた
    後、第1のシート材を接着するカード状電子情報記憶媒
    体の製造方法において、 前記塗布される接着剤がシート材、またはICユニット
    に接触する部分の、シート材搬送方向の下流側を加圧状
    態にすることを特徴とするカード状電子情報記憶媒体の
    製造方法。
  26. 【請求項26】前記接着剤層が複数層で形成され、かつ
    同時重層塗布されることを特徴とする請求項25に記載
    のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  27. 【請求項27】塗布される接着剤が接触する部分が、部
    分的に凹凸になる箇所を通過するときだけ、前記加圧状
    態が通常の設定条件よりも強くなることを特徴とする請
    求項25または請求項26に記載のカード状電子情報記
    憶媒体の製造方法。
  28. 【請求項28】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有す
    るICユニットを封入する構成であって、前記第2のシ
    ート材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むように
    前記ICユニットを載置し、その上に、別途接着剤を塗
    布させた第1のシート材を、前記ICユニット側と接着
    剤面が接着するようにラミネートするカード状電子情報
    記憶媒体の製造方法において、 ICユニットが載置された第2のシート材と、接着剤が
    塗布された第1のシート材の接着剤面とがラミネートさ
    れる直前を、減圧状態にすることを特徴とするカード状
    電子情報記憶媒体の製造方法。
  29. 【請求項29】第1のシート材の接着剤面が、第2のシ
    ート材に載置されたICユニット上の凹凸になる箇所を
    通過するときだけ、前記減圧状態が通常の設定条件より
    も強くなることを特徴とする請求項28に記載のカード
    状電子情報記憶媒体の製造方法。
  30. 【請求項30】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有す
    るICユニットを封入する構成であって、第2のシート
    材上に直接、または前記接着剤層を間に挟むようにIC
    ユニットを載置し、その上に更に接着剤を塗布させた
    後、第1のシート材を接着するカード状電子情報記憶媒
    体の製造方法において、 塗布される接着剤がICユニット上に接触する直前に、
    前記ICユニット上が、接着剤の軟化点温度より高く、
    シート材かつICユニットの熱変形が起こる温度よりも
    低い温度で加熱された状態であることを特徴とするカー
    ド状電子情報記憶媒体の製造方法。
  31. 【請求項31】第1のシート材と第2のシート材の間に
    介在される接着剤層内にICチップ及びアンテナを有す
    るICユニットを封入する構成であって、第2のシート
    材上に直接または前記接着剤層を間に挟むようにICユ
    ニットを載置し、その上に別途接着剤を塗布させた第1
    のシート材を、前記ICユニット側と接着剤面が接着す
    るようにラミネートするカード状電子情報記憶媒体の製
    造方法において、 接着剤層が塗布される前記ICユニット上と、接着剤が
    塗布された第1のシート材の接着剤面のどちらか一方
    か、もしくはその両方がラミネートされる直前に加熱さ
    れた状態であることを特徴とするカード状電子情報記憶
    媒体の製造方法。
  32. 【請求項32】前記加熱が、それぞれの部材の貼合面側
    から行うことを特徴とする請求項30または請求項31
    に記載のカード状電子情報記憶媒体の製造方法。
  33. 【請求項33】前記加熱が温風の吹き出しによるもので
    あり、温風の吹き出し方向が、第1のシート材と第2の
    シート材の搬送される方向に対向する方向であることを
    特徴とする請求項30または請求項31に記載のカード
    状電子情報記憶媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006048246A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Hirachi Jushi:Kk Icタグ取付方法
JP2007316893A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Toppan Forms Co Ltd Icメディアの製造方法及びicメディア
JP2011210123A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Toppan Forms Co Ltd 非接触型データ受送信体の製造方法
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