JP2002169411A - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び画像形成装置

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JP2002169411A
JP2002169411A JP2000367271A JP2000367271A JP2002169411A JP 2002169411 A JP2002169411 A JP 2002169411A JP 2000367271 A JP2000367271 A JP 2000367271A JP 2000367271 A JP2000367271 A JP 2000367271A JP 2002169411 A JP2002169411 A JP 2002169411A
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heater
temperature
fixing
fixing device
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JP2000367271A
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Hiroto Hasegawa
浩人 長谷川
Satoru Izawa
悟 伊澤
Masahiko Suzumi
雅彦 鈴見
Toshio Miyamoto
敏男 宮本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム加熱方式・加圧回転体駆動方式の定着
装置2、および該定着装置2を具備した画像形成装置に
おいて、間欠プリント、ホット(HOT)スタート時に
おける上述のスリップを防止すること。 【解決手段】プリント開始時、ヒータ54近傍のサーミ
スタ54eの出力を検知して、検知温度T1と定着温度
T2の温度差ΔT=T2−T1が所望の温度T0より小
さい時、ヒータの立ち上げタイミングを遅らす。これに
より、HOTスタート時加圧ローラが過剰に暖まること
なく、スリップを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材上に形成担
持させた未定着画像を加熱定着する定着装置(定着
器)、および画像形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、フィルム加熱方式・加圧回
転体駆動方式の定着装置、および該定着装置を具備した
画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、電子写真方式・静電記録方式等の
作像技術を用いたプリンター・複写機・ファクシミリな
どの画像形成装置において、記録材上に形成担持させた
未定着画像を定着する定着装置としては、熱効率、安全
性が良好な接触加熱型の熱ローラ定着装置や、省エネル
ギータイプ・オンデマンドタイプのフィルム加熱方式の
定着装置が広く採用している。
【0004】フィルム加熱方式の定着装置は、例えば、
特開昭63−313182号公報、特開平2−1578
78、4−44075〜44083、4−204980
〜204984号公報等に提案されており、ヒータ(加
熱体)と、このヒータと摺動する耐熱性フィルム(定着
フィルム)と、このフィルムを介してヒータと圧接して
定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、定着ニッ
プ部のフィルムと加圧部材の間で未定着画像が形成され
た記録材を挟持搬送して未定着画像をフィルムを介して
付与されるヒータからの熱と定着ニップ部の加圧力によ
って記録材上に永久画像として定着させる装置である。
【0005】このようなフィルム加熱方式の定着装置
は、ヒータとして低熱容量線状加熱体を、フィルムとし
て薄膜の低熱容量のものを用いることが出来るため、省
電力化・ウエイトタイム短縮化(クイックスタート性)
が可能である。
【0006】又この種のフィルム加熱方式の定着装置に
おいては、定着フィルムの駆動方式として、フィルムの
搬送に専用の搬送用ローラと従動ローラを用いてテンシ
ョンを加えながら加圧部材としての加圧ローラとの間で
定着フィルムを搬送する方式と、円筒形定着フィルム
を、加圧部材としての加圧ローラを回転駆動させること
で加圧ローラの搬送力で駆動させるテンションレスの方
式がある。前者は定着フィルムの搬送製を高くできる利
点を有し、後者は装置構成を簡略化して低コストの装置
を実現できる利点がある。
【0007】また、近年のコンピュター産業の発展に伴
い、プリンターの需要も高まり世界各国で使用されるよ
うになってきた。これにより、使用される紙種も厚み、
表面性等多種多様に富むと同時に画像形成装置の高速化
と相まって、1枚目のプリント時間の短縮や1枚目プリ
ント定着性確保などの点から、ヒータから記録材へ与え
る瞬間的熱量を少しずつ増加させてゆき満足のゆく定着
性を得てきた。さらに近年、ユーザーの高画質に対する
要求も高まり、ドット再現性、階調性に優れたプリンタ
ーが発表され、顕画剤(現像剤)であるトナーの粒径も
さらに微小径化することで高画質化が図られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、フィルム加熱
方式・加圧回転体駆動方式の定着装置を使用し、間欠プ
リントで50枚ほど通紙したところ、定着装置で「スリ
ップジャム」が発生した。
【0009】スリップジャム(以下、スリップと称す
る)とは、加圧ローラ駆動、フィルム従動(テンション
レス)であるフィルム加熱方式・加圧回転体駆動方式の
定着装置において、定着ニップ部に未定着画像が載った
記録材(以下、紙と記す)が搬送された際、加圧ローラ
と紙が滑ることで発生する現象である。
【0010】スリップが発生する状態でフィルムの回転
速度をレーザドップラー速度計で測定した結果を図14
に示す。図に示すように紙が定着ニップに噛んだ瞬間か
ら、紙が滑ることで、フィルムの速度が遅くなり、フィ
ルムに加圧ローラからの駆動力が伝わっていないことが
判る。このため紙が一定の速度で、搬送できなくなりス
リップが発生するのである。
【0011】さらにスリップの確認をしたところ、スリ
ップは、以下の条件で発生し易いことが判った。
【0012】条件:記録材(紙)の吸湿量が高い 条件:加圧ローラの温度が高い 条件:印字パターンのドット比率が高い [条件について]プリントに使用されるメディアに
は、表面性、坪量など、多種多様なものが存在してい
る。このうち、高温多湿環境で紙を放置した場合、吸湿
してしまう。このため、プリント行程で、定着ニップま
で紙が搬送された時、ヒータの加熱により、加圧ロー
ラ、及びフィルムが十分暖まっており、定着ニップに紙
が噛んだ際、水蒸気が紙から発生する。この時発生した
水蒸気が加圧ローラに付着することで、加圧ローラと紙
の間に水蒸気が存在するため、紙が滑ることで、加圧ロ
ーラの搬送力が紙を介してフィルムに伝わらず、フィル
ムがスリップしてしまう。
【0013】時間がたつことで、スリップしている間
も、ヒータは加熱しており、紙に含まれる水蒸気は蒸発
し、加圧ローラからの駆動力が紙を介してフィルムに伝
わることで、安定して紙搬送速度が得られるようにな
る。しかし、最初にスリップが発生することで、紙搬送
が遅延してジャムとなる。
【0014】一般にスリップの発生しやすい紙として、
含水率で23℃、70%RH放置の含水率が8.0%以
上であり、坪量として、70g/m2以下が挙げられ
る。
【0015】[条件について]プリント中の定着温度
は、定着性が確保でき、かつ熱オフセットが発生しない
ように、定着温度が決定されている。さらに定着温度は
サーミスタ検知温度に応じて決定され、電源投入時等定
着装置が冷却された状態では、高いヒータ温度で制御さ
れ、さらにプリントが続いた場合、加圧ローラ、フィル
ムガイド、剛性加圧ステー(Tステー、金属ステー)等
が暖まるためプリント枚数に応じて定着温度を下げるこ
とが一般的である。
【0016】また、間欠プリントを行う際、加圧ローラ
は各プリント行程での余熱で加熱され、蓄熱されるた
め、連続プリントに比べ温度は高くなる傾向がある。
【0017】また、定着行程のヒータオンタイミングは
プリント開始時、定着装置に紙が突入する前に、加圧ロ
ーラ、定着フィルム等定着装置構成部品が十分暖まるよ
うに、プリンターがプリント信号を受け、プリント行程
が始まると、ヒータがオンされることが一般的である。
【0018】この時、プリント開始給紙時の給紙センサ
ーオン後や、定着ニップに紙突入前のトップセンサー、
或いはレジストセンサーオン後にヒータオンされること
が一般的である。
【0019】停止インターバルの短い、間欠プリントの
場合、連続プリントに比べ、加圧ローラ温度が過剰に高
くなり、約50枚のプリントで、約150℃以上となる
ことで、スリップが発生してしまう。
【0020】[条件について]スリップ発生時、印字
パターンでドット比率の高いもので発生しやすい。ドッ
ト比率の高い画像パターンとして、ベタ黒画像や、ハー
フトーンなどのグラフィックパターンが挙げられ、これ
らのパターンは、紙上印字面全域にトナー像が構成され
ていることになる。そのため、スリップ発生時、紙から
発生する水蒸気は印字面にはトナー像があるため、逃げ
られず、積極的に紙の裏側すなわち加圧ローラ側に逃げ
ることになる。よって、加圧ローラと紙の間に溜まる水
蒸気でスリップが発生しやすい。
【0021】本発明は、上記に鑑みて提案されたもので
あり、フィルム加熱方式・加圧回転体駆動方式の定着装
置、および該定着装置を具備した画像形成装置におい
て、間欠プリント、ホット(HOT)スタート時におけ
る上述のスリップを防止すること等を目的とするもので
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする定着装置および画像形成装置である。
【0023】(1)固定支持されたヒータと、該ヒータ
と摺動するフィルムと、該フィルムを介して前記ヒータ
と圧接して定着ニップを形成し、回転駆動される加圧回
転体と、を有し、前記定着ニップのフィルムと加圧回転
体の間で未定着画像が形成された記録材を挟持搬送して
ヒータの熱で未定着画像を定着させる定着装置におい
て、ヒータの温度を検知する温度検知素子の検知温度と
ヒータの目標加熱温度との温度差が所望の値より小さい
場合、ヒータの加熱時間を切り替える温度制御手段を有
することを特徴とする定着装置、である。
【0024】より具体的には、プリント開始時、前記温
度検知素子の検知温度と前記ヒータの目標加熱温度の温
度差がA℃以下の時、ヒータのオンタイミングを前記温
度差がA℃より大きい場合より、遅らせる制御とする。
【0025】即ち、ヒータの温度を検知する温度検知素
子の検知温度をTl、ヒータの目標加熱温度をT2とす
ると、T1−T2≦Aの時、ヒータオンタイミングをT
1−T2>Aの時より遅らせる。
【0026】上記構成により、間欠プリントが続いて、
加圧ローラがプリント時の余熱で、十分暖まった場合、
次のプリント開始時には、T1−T2≦Aとなり、ヒー
タオンタイミングをT1−T2>Aの時より遅らせて立
ち上げを行う。これにより、ヒータ立ち上げ時に過剰に
加圧ローラが暖まることはなく、定着ニップに吸湿した
記録材(紙)が噛んでも、加圧回転体である加圧ローラ
と紙の間で発生する水蒸気は少量であり、紙が加圧ロー
ラと接触しても滑ることはない。よって、間欠プリント
においても、紙を介して加圧ローラの駆動力がフィルム
に安定して伝達でき、スリップを防止して、紙搬送の安
定化が可能となる。
【0027】また、ヒータオンタイミングを遅らせて
も、加圧ローラ、フィルムガイド等が十分暖まっている
ため、短い時間で目標ヒータ温度まで立ち上げることが
可能となり、定着に必要な温度を十分確保でき、定着不
良が発生しない。
【0028】(2)前記(1)に記載の定着装置におい
て、ヒータの温度を検知する温度検知素子の検知温度と
ヒータの目標加熱温度との温度差に応じて、ヒータの加
熱時間を複数切り替えることを特徴とする定着装置、で
ある。
【0029】より具体的には、前記温度差が、A,B,
C[℃]、A>B>Cの時、ヒータオンタイミングを
A,B,Cの順に遅く立ち上げる制御とする。上記構成
により、プリント開始時の定着温度がTa<Tb<Tc
[℃]となっているおり、厚紙等定着性を確保するため
に、Tcを使用した場合にも、ヒータオンタイミングが
Ta、Tbより遅くできる。よって、厚紙等でヒータ温
度を高く、間欠プリントを続けた場合でも、過剰に加圧
ローラが暖まることなく、定着ニップでの、紙からの水
蒸気の発生量を抑え、スリップを防止して、紙搬送の安
定化が可能となる。合わせて、厚紙においてもて、定着
温度が高い為、十分な定着性を確保することができる。
【0030】(3)前記(1)に記載の定着装置におい
て、外気温検知素子を有し、該外気温検知素子の検知温
度、及びヒータの温度を検知する温度検知素子の検知温
度とヒータの目標加熱温度との温度差に応じて、ヒータ
の加熱時間及び目標加熱温度を複数切り替えることを特
徴とする定着装置である。
【0031】より具体的には、外気温検知温度がTα、
Tβ、Tγ(Tα<Tβ<Tγ)の時、Tα、Tβ、T
γの順にヒータオンタイミングを遅くする温度制御とす
る。上記構成により、Tαは、低温環境、Tβは通常環
境、Tγは高温環境と判断でき、定着ニップで紙から発
生する水蒸気量もTα、Tβ、Tγの順に多くなる。そ
こで、Tα、Tβ、Tγの順にヒータオンタイミングを
遅くすることで、各環境で、過剰に加圧ローラが過剰に
暖まることなく、水蒸気の発生量を抑え、スリップを防
止できる。加えて、低温環境では、紙も冷えているた
め、定着に要する熱量も多量になり、定着温度も高くな
ることで、立ち上げに時間がかかるが、ヒータも早く立
ち上げているため、立ち上げの時間は十分であり、定着
性を確保できる。
【0032】(4)記録材に未定着画像を形成する作像
プロセス手段と、未定着画像を記録材に加熱定着させる
定着装置を有する画像形成装置において、定着装置が前
記(1)から(3)の何れかに記載の定着装置であるこ
とを特徴とする画像形成装置、である。
【0033】(5)前記(4)に記載の画像形成装置に
おいて、作像プロセス手段が転写方式電子写真プロセス
手段であることを特徴とする画像形成装置、である。
【0034】
【発明の実施の形態】〈第1の実施例〉 (1)画像形成装置例 図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成模型
である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセ
スを用いたレーザービームプリンターである。
【0035】10は画像形成装置の総括符号、1は画像
形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリ
ッジである。本実施例におけるプロセスカートリッジ1
は、像担持体としての電子写真感光ドラム3と、帯電装
置としての帯電ローラ6と、現像装置5と、クリーニン
グ装置7、との4つの作像プロセス機器を包含させて構
成してある。
【0036】感光ドラム3は、OPC、アモルファスS
e、アモルファスSi等の感光材料をアルミニウムやニ
ッケル等のシリンダ状の基板上に形成して構成されてい
る。
【0037】感光ドラム1は矢印の時計方向に所定の周
速度をもって回転駆動され、その表面は、帯電装置とし
ての帯電ローラ6によって一様に帯電される。
【0038】次に、画像露光装置であるレーザースキャ
ナー4による像露光Lを受ける。レーザースキャナー4
は画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応してオ
ン/オフ変調制御されたレーザービームを出力して、回
転する感光ドラム3の帯電処理面を走査露光Lする。こ
の走査露光により感光ドラム1上に画像情報の静電潜像
が形成される。
【0039】この静電潜像は現像装置5でトナー像とし
て現像されて可視化される。現像方法としては、ジャン
ピング現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像と
の組み合わせで用いられることが多い。本実施例では現
像剤として絶縁性一成分トナーTを用いた現像装置であ
る、この現像装置5内のトナーTが消費されると新しい
プロセスカートリッジ1に交換される。
【0040】記録材(以下、紙と記す)Pはカセット1
2から給紙ローラ9によって取り出され、反転シートパ
ス9aを通ってレジストローラ11に送られる。給送さ
れた紙Pは、レジストローラ11によって、感光ドラム
3の表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光ドラ
ム3と転写ローラ8とで形成される転写ニップ部に供給
され、一定の加圧力で挟持搬送される。転写ニップ部に
おいて、感光ドラム1上のトナー像は不図示の電源によ
る転写バイアスの作用で紙Pに静電転写される。
【0041】転写ニップ部を通過した紙Pは、感光ドラ
ム3面から分離され、トナー像を保持して定着装置2へ
搬送され、定着装置2の定着ニップ部で加熱・加圧され
てトナー像が紙P上に定着されて永久画像となり、機外
へ排出される。
【0042】一方、紙分離後の回転感光ドラム3はその
表面に残る転写残留トナーがクリーニング装置7により
除去されて、繰り返して作像に供される。
【0043】(2)画像形成装置の動作シーケンス 図2は上記画像形成装置の動作シーケンス図である。
【0044】a.前多回転動作:画像形成装置の始動動
作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。メ
イン電源スイッチ−オンにより、装置のメインモータを
駆動させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定のプロセ
ス機器の準備動作を実行させる。
【0045】b.前回転動作:プリント前動作を実行さ
せる期間である。この前回転動作は前多回転動作中にプ
リント信号が入力したときには前多回転動作に引き続い
て実行される。プリント信号の入力がないときには前多
回転動作の終了後にメインモータの駆動が一旦停止され
て感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置は
プリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態
に保たれる。プリント信号が入力すると、前回転動作が
実行される。
【0046】c.プリント動作:所定の前回転動作が終
了すると、引き続いて回転感光ドラム1に対する作像プ
ロセスが実行され、回転感光ドラム面に形成されたトナ
ー像の記録材Pへの転写、定着器6によるトナー像の定
着処理がなされて画像形成物がプリントアウトされる。
【0047】連続プリントモードの場合は上記のプリン
ト動作が所定の設定プリント枚数分繰り返して実行され
る。
【0048】d.紙間:連続印字モードにおいて一の記
録材の後端部が転写ニップ部を通過した後、次の記録材
の先端部が転写ニップ部に到達するまでの間の、転写ニ
ップ部における記録材の非通紙状態期間である。
【0049】e.後回転動作:最後の記録材のプリント
動作が終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を
継続させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定の後動作
を実行させる期間である。
【0050】f.スタンバイ:所定の後回転動作が終了
すると、メインモータの駆動が停止され感光ドラム1の
回転駆動が停止され、画像形成装置は次のプリントスタ
ート信号が入力するまでスタンバイ状態に保たれる。
【0051】1枚だけのプリントの場合は、そのプリン
ト終了後、プリンタは後回転動作を経てスタンバイ状態
になる。
【0052】スタンバイ状態においてプリントスタート
信号が入力すると、プリンタは前回転動作に移行する。
【0053】cのプリント動作時が画像形成時であり、
aの前多回転動作、bの前回転動作、dの紙間、eの後
回転動作が非画像形成時(非プリント時)になる。
【0054】(3)定着装置2 図3は定着装置の拡大横断面模型図である。本例の該定
着装置2は、特開平4−44075〜44083、4−
204980〜204984号公報等に開示の、円筒状
(エンドレスベルト状)の定着フィルムを用いた、フィ
ルム加熱方式、加圧回転体駆動方式(テンションレスタ
イプ)のオンデマンド定着装置である。
【0055】51は定着部材(定着ユニット)、52は
加圧回転体としての加圧ローラであり、両者51・52
の圧接により定着ニップ部nを形成させている。
【0056】定着部材51は図面に垂直方向を長手とす
る部材であり、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を
有するフィルムガイド部材53と、このフィルムガイド
部材53の下面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部
に嵌め入れて固定して配設した、通電により発熱するヒ
ータ(加熱体)54と、ヒータ54を取り付けたフィル
ムガイド部材53にルーズに外嵌した円筒状の耐熱性の
定着フィルム55と、フィルムガイド部材53の内側に
挿通した剛性加圧ステー56等からなる。
【0057】加圧ローラ52は、芯金52aと、該芯金
上に同心一体に形成具備させたシリコーンゴムやフッ素
ゴム等の耐熱性ゴムあるいはシリコーンゴム等を発泡し
て形成された弾性層52bとから成る回転体である。弾
性層52b上にはPFA、PTFE、FEP等のフッ素
樹脂から成る耐熱離型層を形成しても良い。
【0058】加圧ローラ52は芯金52aの両端部を装
置シャーシーの手前側と奥側の側板間に軸受部材を介し
て回転自由に軸受保持させて配設してある。
【0059】定着部材51は、この加圧ローラ52の上
側に、ヒータ54側を下向きにして加圧ローラ52に並
行に配置し、剛性加圧ステー56の両端部を不図示のバ
ネ等の加圧附勢部材にて加圧ローラ52の軸線方向に附
勢することで、ヒータ54の下向き面を定着フィルム5
5を介して加圧ローラ52の弾性層52bに該弾性層の
弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、所定幅の
定着ニップ部nを形成させてある。加圧ローラ52側を
加圧附勢部材にて定着部材51の下面に押し上げ附勢し
て所定幅の定着ニップ部nを形成する装置構成にするこ
ともできる。
【0060】加圧ローラ52は駆動手段Mにより矢印の
反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧
ローラ52の回転駆動による該加圧ローラ52の外面と
定着フィルム55との、定着ニップ部nにおける圧接摩
擦力により円筒状の定着フィルムに回転力が作用して該
定着フィルム55がその内面側がヒータ54の下向き面
に密着して摺動しながらフィルムガイド部材53の外周
を矢印の時計方向に従動回転状態になる。
【0061】ヒータ54の構成及び制御については次の
(4)及び(5)項で詳述する。
【0062】フィルムガイド部材53は、例えば、PP
S・液晶ポリマーなどの耐熱性の樹脂の成形品であり、
ヒータ54を支持し、且つ定着フィルム55の円滑な回
転を促す案内部材の役割をしている。
【0063】定着フィルム55は、熱容量を小さくして
クイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚1
00μm以下、本実施例では60μmとした。耐熱性・
離型性・強度・耐久性等のあるPTFE、PFA、PP
S等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイ
ミド、PEEK、PES等のフィルム表面にPTFE、
PFA、FEP等を離型層としてコーティングした複合
層フィルムである。
【0064】加圧ローラ52が回転駆動され、それに伴
って円筒状の定着フィルム55が従動回転状態になり、
またヒータ54に通電がなされ、該ヒータが昇温して所
定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニ
ップ部nの定着フィルム55と加圧ローラ52との間に
未定着トナー像Tを担持した紙(記録材)Pが導入さ
れ、定着ニップ部nにおいて記録材Pのトナー像担持面
側が定着フィルム55の外面に密着してフィルム55と
一緒に定着ニップ部nを挟持搬送されていく。この挟持
搬送過程において、ヒータ54の熱が定着フィルム55
を介して紙Pに付与され、紙P上の未定着トナー像Tが
紙P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ
部nを通過した紙Pは定着フィルム55から曲率分離さ
れる。
【0065】62・63は定着装置の上側と下側の筐
体、60・61は下側筐体63に設けた記録材入口側と
同出口側のガイド部材である。
【0066】(4)ヒータ54 ヒータ54は本例のものは所謂セラミックヒータであ
る。各種の構成形態のものが知られている。典型的な構
成形態は、Al23(アルミナ)・AlN(窒化アルミ
ニウム)等のセラミック基板上に、Ag/Pd等の通電
発熱抵抗体のペーストを印刷・焼成して発熱体を形成
し、更に発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガラス
コーティング層を形成した、全体に低熱容量の細長・面
状部材であり、発熱体への通電により全体に迅速に昇温
する。
【0067】図4は本例において用いたヒータ54の構
成説明図である。(a)はヒータ表面側の一部切り欠き
平面模型図と制御系のブロック図、(b)はヒータ裏面
側の平面模型図、(c)は(b)のc−c線に沿う拡大
横断面模型図である。
【0068】54aはヒータ基板としてのAl23基板
であり、通紙方向と直交する方向を長手とする横長・薄
肉板部材である。
【0069】54bはヒータ基板54aの一方面側に基
板長手に沿って形成具備させた通電発熱抵抗層(以下、
発熱体と記す)である。銀パラジューム(Ag/Pd)
・Ta2N等の通電発熱抵抗体ペーストを用いてスクリ
ーン印刷等でパターン形成し、焼成することで具備させ
ている。
【0070】54c・54cはヒータ基板54aの両端
部側の面にそれぞれ形成具備させた給電用電極パターン
であり、それぞれ発熱体54bの一端部側と他端部側と
に延長電路を介して電気的に導通させてある。各給電用
電極パターン54c・54cおよび延長電路は銀(A
g)等の導電体ペーストを用いてスクリーン印刷等でパ
ターン形成し、焼成することで具備させている。
【0071】54dは発熱体54bの保護と絶縁性を確
保するための、熱伝導の良いガラス層であり、複数層設
けている。
【0072】54eはヒータの温度を検知する温度検知
素子としてのサーミスタであり、ヒータヒータ基板54
aの裏面側に印刷或いは接着されている。
【0073】上記のヒータ54はヒータ基板54aの発
熱体54b・ガラス層54eを形成具備させた面側をヒ
ータ表面側として、このヒータ表面側を外側にしてフィ
ルムガイド部材53の下面に固定して配設してあり、こ
のヒータ表面に対して定着フィルム55の内面が密着し
て摺動する。
【0074】21は制御回路(制御CPU)、22はA
Cドライバ、23は商用AC電源である。ヒータ54の
給電用電極パターン54c・54cとACドライバ22
とがコネクタ(不図示)を介して電気的に連絡される。
ACドライバ22は制御回路21により制御される。ヒ
ータの温度を検知する温度検知素子としてのサーミスタ
54eの電気的な温度検知情報はA/Dコンバータ24
を介して制御回路21に入力する。
【0075】26(図1・図4)は画像形成装置の適所
に設けた外気温検知素子である。この素子26の検知情
報もA/Dコンバータ25を介して制御回路21に入力
する。
【0076】制御回路21はACドライバ22を制御し
てヒータ54の発熱体54bに通電して発熱させる。
【0077】上記のようにヒータ54の発熱体54bに
通電がなされることで、発熱体54bの発熱でヒータ5
4が迅速に昇温する。そのヒータ54の温度情報がサー
ミスタ54eからA/Dコンバータ24を介して制御回
路21に入力する。制御回路21はその入力温度情報を
基にヒータ温度を所定の一定温度に制御すべくACドラ
イバ22を制御する。即ちヒータ54の発熱体54bへ
電力制御されたAC電流を流すことにより、ヒータ温度
を所定の定着温度に温調制御する構成となっている。
【0078】(5)スリップ防止制御 プリント開始時、ヒータ54近傍のサーミスタ54eの
出力を検知して、検知温度T1と定着温度T2の温度差
ΔT=T2−T1が所望の温度T0より小さい時、ヒー
タの立ち上げタイミングを遅らす。これにより、HOT
スタート時加圧ローラが過剰に暖まることなく、スリッ
プを防止できる。
【0079】本実施例における定着温度制御のフローチ
ャートを図5に示す。図5において、間欠プリントで、
加圧ローラ52が暖まっている状態で、ヒータオンタイ
ミングを遅らすことで、加圧ローラ52が過剰に暖まる
ことを防止している。
【0080】以下に、フローチャートの説明をする。ま
ず、図5のフローチャートは、間欠プリントで、加圧ロ
ーラ52が十分暖まる場合に適用する。即ち、連続プリ
ント中は、図6に示すように加圧ローラ52は間欠プリ
ントほど暖まらず、水蒸気の発生も少ない為スリップは
発生しない。
【0081】図5において、図示しないパソコン等か
ら、プリント信号を受けると、プリント動作を開始する
(ステップS1)。
【0082】ここで、スキャナー4、感光ドラム3の回
転とほぼ同時期に定着動作も開始する(ステップS
2)。定着動作として、サーミスタ54eが温度検知T
1[℃]を行う(ステップS2)。
【0083】ここで、定着行程の目標ヒータ温度をT2
[℃]とすると、T2−Tl≦A[℃]がNo.の時は
カセット12から紙Pの給紙後すぐに、ヒータ通電を開
始して、T2にヒータを立ち上げる(ステップS6)。
【0084】逆に、Yes.の時は、カセット給紙後、
更に転写ニップに紙が突入する前のレジストローラ11
を通過した時点でヒータ通電を行い、T2に立ち上げる
(ステップS7)。
【0085】即ち、後者のほうが、ヒータオンタイミン
グが遅く紙が定着ニップ突入までの加熱時間が短いこと
になる。そのため、加圧ローラ52も過剰に暖まること
はなく、スリップ発生温度まで、達することはなく、ス
リップを防止できる。
【0086】また、ステップS7において、加圧ローラ
52、フィルムガイドガイド部材53、剛性加圧ステー
56等が十分暖まっており、これらの余熱のためヒータ
加熱時間が短くなっても、紙定着の突入時には、定着不
良は発生しない。
【0087】[実験1]ここで、本実施例の画像形成装
置を使用して、従来例と本実施例における、間欠プリン
ト時の加圧ローラ温度変化とスリップの確認行った。
【0088】 プロセススピード:30π=94.2mm/sec ファーストプリントタイム:13sec ヒータオンタイミング切り替え:T2−T1≦A=70
[℃]に設定 定着フィルム55:厚み50μmのポリイミドを基層と
し、その上に厚み10μmのPFA層を設ける構成で、
フィルム内径25φ ヒータ54:Al23基板上にAg/Pbペーストを圧
膜印刷し、焼成して発熱体を作成し、その上にガラスコ
ーティング層50〜60μm設ける。
【0089】サーミスタ54e:ヒータ基盤裏側にチッ
プ状サーミスタを接着固定 加圧ローラ52:φ12のアルミ芯金上に液状シリコー
ンゴムを熱硬化さ せたゴム層4mm、表層に離型層として、50μmのP
FAチューブをプライマー接着〜外径約φ22 トナーT:体積平均粒径5.8μmの絶縁一成分磁性ト
ナー 紙P:含水率8.5%の23℃/70%放置の64g/
2オフィスリーダーA4 印字パターン:印字率100% べた黒画像 上記条件で、1枚プリント2秒休止の間欠プリント10
0枚で、スリップ、加圧ローラ温度の確認を行った。図
7は朝一コールドスタート、図8は通紙で加圧ローラ5
2が暖まった状態でのホットスタートでの結果である。
【0090】まず図7において、従来例では30枚、5
0枚目でスリップが発生し、加圧ローラ温度はそれぞれ
146℃、150℃であったのに対し、本実施例では、
5枚目からヒータオンタイミング切り替えが作動し、ヒ
ータオンが遅くなることで、100枚プリンとしても、
ローラ温度は135℃であり、スリップは発生しなかっ
た。
【0091】図8においても従来例では、プリント開始
2枚目、3枚目で143℃、146℃となりスリップが
発生したのに対し、本実施例では1枚目からヒータオン
タイミング切り変えが作動し、100枚通紙しても13
7℃であり、スリップは発生しなかった。
【0092】更に検討を行った結果、ヒータオンタイミ
ングを切り替える条件であるT1−T2の温度差Aの設
定は、ヒータ温度設定、ヒータの立ち上がり時間、及び
加圧ローラ52の熱容量によっても異なるが、一般的に
A=40〜80℃程度で、良好な結果を示すことが確認
された。
【0093】また、図5のフローチャートでは前記切り
替えを給紙後から、レジストローラ通過後で行っている
が、それぞれ給紙ローラ、レジストユニットに配置して
いる、不図示の給紙センサー、レジストセンサーのオン
タイミングと同期させて行ったり、制御回路(制御CP
U)21のタイマークロックから時間を演算して作動さ
せても同様の効果が期待できる。
【0094】以上説明したように、間欠プリントが続い
て、加圧ローラ52がプリント時の余熱で十分暖まった
場合でも、プリント開始時のヒータ温度を検知し、その
温度とヒータ目標温度との温度差に応じてヒータオンタ
イミングを遅らせて立ち上げを行う。これにより、ヒー
タ立ち上げ時に過剰に加圧ローラ52が暖まることはな
く、定着ニップ部nに吸湿した紙Pが噛んでも、加圧ロ
ーラ52と紙Pの間で発生する水蒸気は少量であり、紙
Pが加圧ローラ52と接触しても滑ることはない。よっ
て、間欠プリントにおいても、紙Pを介して加圧ローラ
Pの駆動力がフィルム55に安定して伝達でき、スリッ
プを防止して、定着紙搬送の安定化が可能となる。ま
た、ヒータオンタイミングを遅らせても、加圧ローラ、
フィルムガイド等が十分暖まっているため、短い時間で
目標ヒータ温度まで立ち上げることが可能となり、定着
に必要な温度を十分確保でき、定着不良は発生せず良好
な定着画像を提供できる。
【0095】〈第2の実施例〉厚紙と呼ばれるメディ
ア、例えば坪量105g/m2のボンド紙等では、定着
に必要な熱量も多く、定着温度も高くして使用されるこ
とが多い。この時、ユーザーがパソコン上のプリンター
ドライバーソフトを操作することでハイモードとして、
使用されることが多い。ここで、ボンド紙等の厚紙では
表面性も粗く多少放置により吸湿しても、発生する水蒸
気が紙表面から、抜けることで、スリップが発生するこ
とはない。しかしながら、ボンド紙をハイモードでプリ
ント後、加圧ローラ温度が更に高くなっている状態で、
ユーザーが定着温度設定をハイモードから、通常のモー
ドに戻さずに前記第1の実施例(実施例1)で示す64
g/m2の吸湿紙をプリントした場合、従来例同様スリ
ップが発生した。
【0096】そこで以下に本実施例を述べる。図9〜1
1は本実施例における、ヒータオンタイミングを示すフ
ローチャートである。図において、プリント開始時のヒ
ータオンタイミングをヒータの目標加熱温度とヒータ近
傍のサーミスタとの温度差に応じて、複数切り替える構
成となっている。
【0097】即ち、定着温度がTa<Tb<Tc[℃]
と設定してあり、各温度に応じてプリント開始時のサー
ミスタ温度との温度差をA・B・C[℃]、A>B>C
の時ヒータオンタイミングをA,B,Cの順に遅く立ち
上げる制御としている。図9は定着温度が最も低くTa
で、プリント開始時スキャナー回転と同期してヒータを
立ち上げ、図10は従来例と同様、図11は定着温度が
最も高く、ヒータオンは転写バイアスオン後最も遅く行
っている。
【0098】上記構成より、厚紙等定着性を確保するた
めに、Tcを使用した場合にも、ヒータオンタイミング
がTa、Tbより遅くできる。よって、厚紙等でヒータ
温度を高く、間欠プリントを続けた場合でも、過剰に加
圧ローラが暖まることなく、定着ニップでの、紙からの
水蒸気の発生量を抑え、スリップを防止して、定着紙搬
送の安定化が可能となる。合わせて、加圧ローラが暖ま
ってから、本実施例の図11は実施される為、定着ニッ
プに紙が到達するまでに十分ヒータ温度を立ち上げるこ
とが可能であり、厚紙においても十分な定着性を確保で
きる。
【0099】[実験2]第1の実施例(実施例1)で使
用したプリンターで、ヒータオンタイミングを以下の3
通りに変えて、朝一、スタンバイ各100枚の間欠プリ
ントを行った。
【0100】 ヒータオンタイミング切り替え:Tc−T3≦A=50[℃]に設定 Tb−T2≦B=70[℃]に設定 Ta−T1≦B=80[℃]に設定 結果:加圧ローラ温度は140℃以下でスリップ発生せ
ず。
【0101】(含水率8.5%の23℃/70%放置の
64g/m2オフィスリーダー A4) 各温度で定着不良発生せず。
【0102】(放置の105g/m2 ボンド Lt
r) 図12に実施例1との比較データをしめす。切り替え温
度を変えることで、2枚ほど早く、切り替えモードに入
り、その後のプリントでも加圧ローラの温度上昇が押さ
えられていることが判る。
【0103】〈第3の実施例〉前記第2の実施例(実施
例2)の構成でハイモードTcの温調で、12℃/10
%の環境で、放置105g/m2ボンドをプリントした
ところ朝一初期、3〜5枚目で定着不良が発生した。こ
れは、12℃/10%の環境で、実施例2の制御が入る
ことで、加圧ローラ温度が低下し、十分な定着温度が得
られない為に発生する。また、プリンター機内は、動作
開始ですぐに暖まるが、機外に放置してある乾燥した紙
は、十分冷えている為、実施例2の制御が初期に入る
と、十分な定着温度が、得られずに定着不良となってし
まう。
【0104】以下に本実施例(実施例3)を述べる。実
施例1の画像形成装置(図1、図4)に加え、外気温検
知用のサーミスタ26が配されている。このサーミスタ
26の外気温検知の情報よりTα、Tβ、Tγ(Tα<
Tβ<Tγ)の時、Tα、Tβ、Tγの順にヒータオン
タイミングを遅くする温度制御とする。
【0105】即ち、Tαは低温環境、Tβは通常環境、
Tγは高温環境と判断でき、定着ニップで紙から発生す
る水蒸気量もTα、Tβ、Tγの順に多くなる。そこ
で、Tα、Tβ、Tγの順にヒータオンタイミングを遅
くすることで、各環境で、過剰に加圧ローラが過剰に暖
まることなく、水蒸気の発生量を抑え、スリップを防止
できる。加えて、低温環境では、紙も冷えているため、
定着に要する熱量も多量になり、定着温度も高くなるこ
とで、立ち上げに時間がかかるが、ヒータも早く立ち上
げているため、立ち上げの時間は十分であり、定着性を
確保できる。更に、実施例2と組み合わせることで、プ
リンターの使用環境に応じた最適のヒータ温調を得るこ
とが可能となり、環境、紙種、紙の放置状況によらず、
良好な定着画像が得られると共に、スリップを防止し定
着紙搬送の安定化が可能となる。
【0106】尚、本実施例では、外気温情報のみで制御
を行ったが、湿度制御及びその両方(環境情報)で制御
を行うこともできる。
【0107】〈その他〉 1)セラミックヒータ54の構成形態は実施例のものに
限られないことは勿論である。
【0108】2)定着フィルム55はその内面がヒータ
54およびフィルムガイド部材53に摺擦しながら回転
するため、ヒータ54およびフィルムガイド部材53と
定着フィルム55の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要が
ある。このためヒータ54およびフィルムガイド部材5
3の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させて
ある。これにより定着フィルム55はスムーズに回転す
ることが可能となる。
【0109】フィルム55はロール巻きの有端ウエブ状
にし、これを加圧ローラ52の回転駆動により走行移動
させる装置構成とすることもできる。
【0110】3)また、定着装置は、ヒータとして鉄板
等の電磁誘導発熱部材を用いた電磁誘導加熱タイプであ
ってもよい。
【0111】図13は電磁誘導加熱タイプ・加圧用回転
体駆動方式・フィルム型オンデマンド定着器の一例の概
略構成模型図である。54Aはヒータとしての鉄板等の
電磁誘導発熱部材である。30は励磁コイル31と磁性
コア32から成る磁場発生器である。励磁回路33から
励磁コイル31に高周波電流が通電されることで発生す
る高周波磁界によりヒータ54Aが電磁誘導発熱する。
このヒータ54Aの熱により、定着ニップ部nを挟持搬
送される紙(記録材)Pが加熱される。ヒータ54Aの
温度情報がチップサーミスタ54eからA/Dコンバー
タ24を介して制御回路21に取り込まれる。制御回路
21はその入力温度情報を基にヒータ54Aの温度を所
定の一定温度に制御すべく励磁回路33を制御する。即
ちヒータ54Aを電磁誘導発熱させる励磁コイル31へ
の高周波電流を制御することにより、ヒータ温度を目標
温度(プリント温度)に温調制御する構成となってい
る。
【0112】その他の定着器構成、制御等は第1から第
3の実施例と同様である。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ィルム加熱方式・加圧回転体駆動方式の定着装置、およ
び該定着装置を具備した画像形成装置において、プリン
ト前に検知したヒータ近傍の温度と定着目標温度との温
度差が所望の値より小さい場合、ヒータ立ち上げタイミ
ングを遅くすることで、間欠プリント時に加圧ローラが
過剰に暖まることで発生するスリップを防止することが
できた。
【0114】また、前記温度差に応じて、ヒータ立ち上
がりタイミングを変更することで、厚紙等定着温度によ
らず、スリップを防止すると共に、定着性を確保するこ
とが可能となった。
【0115】環境、紙種、紙の放置状況によらず、良好
な定着画像が得られると共に、スリップを防止し定着紙
搬送の安定化が可能となる。
【0116】更に、画像形成装置に外気温センサー(環
境検知センサー)を配することで、使用環境に応じた最
適な定着温調が実現でき、環境、紙種、紙の放置状況に
よらず、良好な定着画像が得られると共に、スリップを
防止し定着紙搬送の安定化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例に係わる画像形成装置の構成略
【図2】 画像形成装置の動作シーケンス図
【図3】 定着装置の拡大横断面模型図
【図4】 ヒータの構成説明図
【図5】 ヒータオンタイミングフローチャート
【図6】 加圧ローラ温度差グラフ
【図7】 実験1の結果グラフ(その1)
【図8】 実験1の結果グラフ(その2)
【図9】 第2の実施例に係わるヒータオンタイミング
フローチャート1
【図10】 同じくヒータオンタイミングフローチャー
ト2
【図11】 同じくヒータオンタイミングフローチャー
ト3
【図12】 実験2の結果グラフ
【図13】 電磁誘導加熱方式の定着装置の一例の概略
構成図
【図14】 ドップラー速度測定結果
【符号の説明】
2・・定着装置、51・・定着部材、52・・加圧部材
(加圧ローラ)、53・・フィルムガイド部材、54・
・ヒータ、54e・・ヒータ温度検知素子(サーミス
タ)、55・・定着フィルム、P・・記録材、T・・未
定着画像(トナー像)、22・・制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴見 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮本 敏男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA30 BA11 BA12 BA25 BA30 BE03 CA04 CA07 CA08 CA30 CA48 3K058 AA02 AA34 AA41 AA45 AA54 AA61 BA18 CA05 CA12 CA16 CA23 CA46 CA61 CB02 CB09 CB10 CB19 CB22 CB23 CB27 CC06 CE02 CE13 CE19 DA04 GA06 3K059 AA08 AA14 AB04 AB19 AB20 AB26 AB28 AC33 AC73 AD02 AD15 AD24 AD28 AD34 BD02 CD02 CD44 CD66 CD75 CD77

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定支持されたヒータと、該ヒータと摺
    動するフィルムと、該フィルムを介して前記ヒータと圧
    接して定着ニップを形成し、回転駆動される加圧回転体
    と、を有し、前記定着ニップのフィルムと加圧回転体の
    間で未定着画像が形成された記録材を挟持搬送してヒー
    タの熱で未定着画像を定着させる定着装置において、 ヒータの温度を検知する温度検知素子の検知温度とヒー
    タの目標加熱温度との温度差が所望の値より小さい場
    合、ヒータの加熱時間を切り替える温度制御手段を有す
    ることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の定着装置において、ヒ
    ータの温度を検知する温度検知素子の検知温度とヒータ
    の目標加熱温度との温度差に応じて、ヒータの加熱時間
    を複数切り替えることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の定着装置において、外
    気温検知素子を有し、該外気温検知素子の検知温度、及
    びヒータの温度を検知する温度検知素子の検知温度とヒ
    ータの目標加熱温度との温度差に応じて、ヒータの加熱
    時間及び目標加熱温度を複数切り替えることを特徴とす
    る定着装置。
  4. 【請求項4】 記録材に未定着画像を形成する作像プロ
    セス手段と、未定着画像を記録材に加熱定着させる定着
    装置を有する画像形成装置において、定着装置が請求項
    1から3の何れかに記載の定着装置であることを特徴と
    する画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の画像形成装置におい
    て、作像プロセス手段が転写方式電子写真プロセス手段
    であることを特徴とする画像形成装置。
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