JP4537034B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
電子写真方式・静電記録方式等の画像形成プロセスを利用した画像形成装置(画像記録装置)では、像担持体としての感光ドラム等の上に静電潜像を形成し、潜像を現像剤を用いて現像してトナー像として可視化し、このトナー像を用紙などの記録材上に転写し、その後、トナー像が転写された記録材を、定着装置に設けられた定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより、トナー像を記録材に永久画像として加熱定着している。
図13はこのような画像形成装置の典型的な一例を示す要部の概略側面図である。紙面に垂直方向に延在配置され、矢印X方向に回転する感光体1(以下感光ドラムと呼ぶ)の表面が、高圧電源7に接続された帯電ローラ2によって一様に帯電され、レーザスキャナ3により該帯電面に画像信号によって変調されたレーザビームLが付与されて静電潜像が形成される。この潜像に現像器4からトナー5が供給されてトナー像となって転写ニップ部Tに到来する。
転写部位Tは感光ドラム1とこれに当接する導電性転写ローラ6とのニップ部からなり、感光ドラム1上のトナー像部分がこの転写部位Tに到来するタイミングを合わせて、記録材Pが供給されて前記ニップ部を通過する。この時、転写ローラ6には電源8によって転写バイアスが印加され、感光ドラム1側のトナー像は記録材Pに転移する。その後、トナー像を担持した記録材Pは転写部位Tを離れて不図示の定着装置に搬送される。
近年、特にスタンバイ時に定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力抑えた定着方法を用いたフィルム加熱方式の定着装置が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
この定着装置は、ヒータ(加熱体)と、このヒータと摺動する耐熱性フィルム(定着フィルム)と、このフィルムを介してヒータと圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材を有し、定着ニップ部のフィルムと加圧部材の間で未定着画像が形成された記録材を挟持搬送して未定着画像をフィルムを介して付与されるヒータからの熱と定着ニップ部の加圧力によって記録材上に永久画像として定着させる装置である。
このようなフィルム加熱方式の定着装置は、ヒータとして低熱容量線状加熱体を、フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることが出来るため、省電力化・ウエイトタイム短縮化(クイックスタート)が可能である。
また、この種のフィルム加熱方式の定着装置においては、定着フィルムの駆動方式として、フィルムの搬送に専用の搬送用ローラと従動ローラを用いてテンションを加えながら加圧部材としての加圧ローラとの間で定着フィルムを搬送する方式と、円筒形定着フィルムを、加圧部材としての加圧ローラを回転駆動させることで加圧ローラの搬送力で駆動させるテンションレスの方式がある。前者は定着フィルムの搬送性を高くできる利点を有し、後者は装置構成を簡略化して低コストの装置を実現できる利点がある。
また、近年のコンピュター産業の発展に伴い、プリンタの需要も高まり世界各国で使用されるようになってきた。これにより、使用される紙種も厚み、表面性等多種多様に富むと同時に画像形成装置の高速化と相まって、1枚目のプリント時間の短縮や1枚目プリント定着性確保などの点から、ヒータから記録材へ与える瞬間的熱量を少しずつ増加させてゆき満足のゆく定着性を得てきた。さらに近年、ユーザーの高画質に対する要求も高まり、ドット再現性、階調性に優れたプリンタが発表され、顕画剤(現像剤)であるトナーの粒径もさらに微小径化することで高画質化が図られている。
また、この種の画像形成装置の転写バイアス制御に関しては、先にATVC方式(Active Transfer Voltage Control)が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
この方式は、転写時に転写ローラ6に印加する転写バイアスを最適化する手段で、画像形成装置の初期回転中に転写ローラ6から感光ドラム1に所望の定電流バイアスを印加し、その時の検知電圧Voから転写ローラの抵抗値を検出し、転写時にその抵抗値に応じた定電圧バイアスを選択することにより、転写バイアスを最適化するものである。この場合、転写電圧Vtは以下の式(ATVC式)に表される。
Vt=AVo+B (A、Bは定数)
接触転写方式では、転写ローラの抵抗値により記録材先端に印加すべき最適な電圧値が変わる。また、転写ローラは抵抗値のバラツキが大きく、高湿環境(H/H)から低湿環境(L/L)において記録材特性も激しく変化する。この特性を活かして、転写ローラの抵抗値からH/H環境とL/L環境を区別することが可能となると共に、環境変動で転写ローラによる転写性が変わらないようにすることが出来る。
Vtの算出は、記録材先端にて爆発画像などの転写電流不良による現像を防ぐ為に、初期回転によって求められたVoにより算出される。
特開昭63−313182号公報 特開平 2−157878号公報 特開平 4− 44075号公報 特開平 4−204980号公報 特開平 2−264278号公報
以上説明した動作を行う画像形成装置においては、以下の問題がある。
画像形成装置の定着装置は、用紙上のトナー像を安定して定着させる為に発熱体であるヒータによる温度制御を行う。詳細には、プリンタを制御する制御部が、ヒータの温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタの抵抗値に基づいて温度制御を行うが、ヒータ及びサーミスタはフィルムの内部に設けられおり、加圧ローラについてはいずれも設けられていない。
従って、サーミスタが検知する温度は、ヒータの温度が一定であっても加圧ローラの温度と一致するとは限らない。例えば、用紙のサイズや厚さ、熱吸収性、及び複数の用紙の搬送間隔によって加圧ローラの温度は変化するのである。
そして、加圧ローラの表面層はPFAチューブ等により形成されており、材質の特性上ある一定温度以上になると用紙Pを搬送する力(以下搬送力と呼ぶ)が低下して、加圧ローラと用紙との間でスリップジャム(以下スリップと呼ぶ)が発生してしまうという問題がある。
ここで、スリップとは、加圧ローラをモータで駆動するとともに、フィルムを加圧ローラの回転に従動させる方式の定着装置において、定着ニップ部に未定着画像であるトナー像が載った用紙(記録材)が搬送された際、加圧ローラとフィルムとの間に存在する用紙が加圧ローラの回転に従動することなく滑りを生じてしまう現象をいう。
一般に、スリップの発生しやすい用紙Pの条件として、高温高湿(H/H)環境下で放置されて含水率が8.0%以上あり、坪量として70g/m以下の用紙があげられる。
図4は、加圧ローラの表面温度と加圧ローラが用紙に与える搬送力(gf)の関係を示したグラフである。図4からも分かるように、加圧ローラの表面温度が125℃を超えると加圧ローラが用紙に与える搬送力が急激に低下している。
ここで、加圧ローラの表面温度とは、用紙の先端が定着ニップ部に突入した瞬間の温度のことである。加圧ローラに高温高湿環境下で水分を吸収した含水率の高い用紙が通紙されると、用紙が保持する水分が蒸発して、用紙と加圧ローラとの間に水蒸気層ができ、加圧ローラが用紙に与える搬送力が低下して用紙と加圧ローラとの間でスリップが発生しやすくなると考えられる。
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものであり、画像形成装置の置かれた環境が高温高湿の環境であっても、加熱部材に対して記録材を加圧しつつ搬送するための加圧部材と記録材との間でスリップが発生することを防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体上の前記画像を記録材に転写する転写手段と、前記転写手段によって前記画像が転写された記録材に、前記画像を熱定着させる加熱部材と、前記加熱部材と対向し記録材を加圧するための加圧部材と、前記加熱部材への電力投入のタイミングを制御する制御手段とを有し、前記画像形成手段による画像形成が終了し、前記加熱部材及び前記加圧部材による定着動作が終了した後、前記加熱部材への電力投入を停止させる且つ前記加圧部材の回転駆動を停止させるための動作を含む終了動作を行う画像形成装置であって、前記制御手段は、前記終了動作が完了してから所定時間経過後に再び画像形成を行うための信号を受信する場合は、予め定められたタイミングで前記加熱部材への電力投入及び前記加圧部材の回転駆動を開始して、前記画像形成手段による画像形成を行い、画像形成装置が設置された環境が高温高湿環境である場合、且つ前記終了動作が終了してから所定時間以内に再び画像形成を行うための信号を受信する場合は、前記加熱部材への電力投入の開始を前記予め定められたタイミングより遅延させ、前記加熱部材に電力投入されていない状態且つ記録材がない状態で前記加圧部材を回転駆動させた後、前記画像形成手段による画像形成を行うことを特徴とする。
本発明によれば、先の画像情報信号に応じた現像剤像が転写された記録材に対する定着動作と、次の画像信号に応じた現像剤像が転写された記録材に対する定着動作との間に加圧部材の温度を低下させるための所定の温度低下期間を設け、所定の温度低下期間を出力部が出力する環境に関する情報に基づいて設定するので、画像形成装置の置かれた環境が高温高湿の環境であっても、加熱部材に対して記録材を加圧しつつ搬送するための加圧部材と記録材との間でスリップが発生することを防止できる。
また、先の画像情報信号に応じた現像剤像が転写された記録材に対する定着動作と、次の画像信号に応じた現像剤像が転写された記録材に対する定着動作との間に加圧部材の温度を低下させるための所定の温度低下期間を設け、転写部材に一定電流が流れるよう転写部材に印加される転写電圧が所定電圧以下である場合の所定の温度低下期間を、転写電圧が所定電圧より大きい場合の所定の温度低下期間より長くするので、画像形成装置の置かれた環境が高温高湿の環境であっても、加熱部材に対して記録材を加圧しつつ搬送するための加圧部材と記録材との間でスリップが発生することを防止できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図2は第1の実施形態における電子写真方式のレーザビームプリンタ100の構成を示す概略図である。
図2において、101はプリンタ制御部であり、レーザビームプリンタ100の各部を制御して用紙P上に画像を形成するものである。
また、図2において102は画像処理制御部であり、ホストコンピュータ等の外部装置からプリントすべき画像情報信号を受信するとともに、受信した画像情報信号をレーザビームプリンタ100で画像形成可能な画像信号に変換する処理を行うものである。また、画像処理制御部102は、プリンタ制御部101に画像信号を送信するとともにプリントの開始指示等を送信するものである。
図2において、3はレーザスキャナであり、プリンタ制御部101は、ホストコンピュータ等の外部装置からレーザビームプリンタ100送られた画像情報信号に基づきレーザスキャナ3が感光ドラム1に照射するレーザ光Lの強度を変調する。
また、レーザスキャナ3がレーザ光Lを露光する感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2により一様の電位に帯電されており、感光ドラム1上に照射されたレーザ光Lによって静電潜像が形成される。
この静電潜像は、感光ドラム1の矢印方向の回転により、現像装置4と感光ドラム1との対向部へと搬送され、現像装置4によって静電潜像が現像剤であるトナーで順次現像される。
そして、プリンタ制御部101は、現像装置4により現像されたトナー像を、記録材供給手段たる給紙装置12から転写ニップ部Tに送られてきた記録材たる用紙Pにイオン導電性の転写ローラ6によって順次転写させる。
転写ローラ6は、φ6mmの鉄製の芯金にイオン導電系のNBR(ニトリルブタジエンゴム)により弾性層を形成し、φ15mm、硬度45°(Asker‐C 500g加重時)としたものである。また、NBRの配合調整により抵抗値を8×10Ωとした。イオン導電性ソリッドゴムは、レーザビームプリンタ100が置かれた環境に応じて抵抗値が変化するという特性が顕著であり、レーザビームプリンタ100が置かれた環境を検知するための一種の環境センサーとして利用することが出来る。
8は、転写ローラ6に印加する転写電圧を発生させる転写電圧印加部である直流高電圧発生装置であり、9はこの直流高電圧発生装置8を制御する転写電圧制御部である。プリンタ制御部101は、転写部位Tにてトナー像が転写された用紙Pを感光ドラム1の回転に伴って分離されるとともに、定着装置11へと送り出す。
次に、定着装置11の構成について説明する。
定着装置11は、フィルム加熱方式、加圧回転体駆動方式の所謂テンションレスタイプであり、図3は定着装置11の横断面図である。
定着装置11には、耐熱性及び剛性を備えるフィルム内面ガイド部材21と、このフィルム内面ガイド部材21の下面にフィルム内面ガイド部材21の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定された通電により発熱するヒータ22を有する。
ヒータ22は例えばセラミックヒータ等が用いられる。
そして、ヒータ22が嵌め込まれたフィルム内面ガイド部材21には、外周長が約57mmで円筒型の耐熱性樹脂製の定着フィルム23がルーズに外側から嵌め込まれている。定着フィルム23は例えばポリイミド等の耐熱性樹脂製のものである。定着フィルム23の内周長は、ヒータ22を含むフィルム内面ガイド部材21の外周長より3mm大きくしてあり、フィルム23はヒータ22を含むフィルム内面ガイド部材21に対して周長に余裕を持たせてルーズに外嵌されている。
また、定着装置11は加圧ローラ24を有する。
24は加圧回転体としての加圧ローラ(圧接ローラ、駆動ローラ)であり、この加圧ローラ24とヒータ22を含むフィルム内面ガイド部材21との間にフィルム23が挟まれている。加圧ローラ24は、芯金25と、該芯金上に同心一体に形成されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成された弾性層とから成る回転体である。加圧ローラ24は、芯金25の両端部を装置シャーシーの手前側と奥側の側板間に軸受け部材を介して回転自由に軸受け保持させて配設してある。そして、加圧ローラ24とフィルム内面ガイド部材21は、お互いが圧接されるように固定されており、定着ニップ部Nを形成している。
加圧ローラ24は、プリンタ制御部101により制御される回転制御部10により所定の周速度で回転駆動される。
この加圧ローラ24の回転駆動による該加圧ローラ24の外面とフィルム23との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状のフィルム23に回転力が作用して、該フィルム23が、その内面側がヒータ22の下向き面に密着して摺動しながらフィルム内面ガイド部材31の外周を従動回転する。回転制御手段10は、加圧ローラ14を回転駆動するモータ26と、このモータ26の回転を制御するCPU27とを有する。
プリンタ制御部101は、加圧ローラ24を回転駆動するとともに、それに伴って円筒状のフィルム23が従動回転状態とする。
またプリンタ制御部101は、ヒータ22に通電するとともに、該ヒータ22が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nのフィルム23と加圧ローラ24との間に未定着トナー像tを担持させた記録材Pを導入する。
そして、プリンタ制御部101は、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側がフィルム23の外面に密着させてフィルム23と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送させる。この挟持搬送過程において、ヒータ22の熱がフィルム23を介して用紙Pに付与され、用紙P上の未定着トナー像tが用紙P上に加熱及び加圧されることで溶融定着される。なお、定着ニップ部Nを通過した用紙Pはフィルム23から曲率分離される。
次に、レーザビームプリンタ100による画像形成動作について説明する。
(待機動作)
プリンタ制御部101は、レーザビームプリンタ100に電源が投入されたことにより、メインモータ(不図示)を駆動して感光ドラム1を回転させる。
そして、プリンタ制御部101は、レーザビームプリンタ100を用紙Pに画像形成可能な状態とすべく、帯電ローラ2に所定の高電圧を印加して感光ドラム1の表面電位を所定電位に安定化させる(以下、待機動作という)。この、待機動作によりレーザビームプリンタ100は所定の準備状態となる。
(初期回転動作)
次に、ホストコンピュータ等の外部装置から画像情報信号が送られてきたことに応じて、レーザビームプリンタ100を準備状態から用紙Pへの画像形成を行う状態へ移行させるための動作を実行する(初期回転動作)。この初期回転動作は待機動作中に画像処理制御部102からプリンタ制御部101に画像情報信号が入力したときには待機動作が終了したのに引き続いて実行される。
プリンタ制御部101は、画像情報信号の入力がないときには待機動作の終了後にメインモータの駆動を一旦停止させることで感光ドラム1の回転駆動を停止させる。
なお、プリンタ制御部101は、画像情報信号が入力されるまでは、レーザビームプリンタ100を所定の待機状態とする。そして、プリンタ制御部101は、画像情報信号が入力されたことに応じて初期回転動作、つまり定着装置11の加圧ローラを含めた駆動回転を実行する。
また、プリンタ制御部101は、初期回転動作として定着装置11のヒータ22に対する電力供給を開始する。
ここで、ホストコンピュータ等の外部装置からの画像情報信号に用紙Pの種類の指定情報が含まれていない場合、プリンタ制御部101は、定着装置11のヒータの温度制御に関しノーマルモードの定着温度(165℃)とする。
また、転写高電圧制御部9は、転写ローラ6に4μAの定電流が流れるよう転写高電圧発生装置8を制御する。なお、レーザビームプリンタ100は、転写ローラ6に流れる転写電流値を検知する転写電流検知部(不図示)を備えている。
そして、プリンタ制御部101は、転写電流値が4μAとなるときに転写高電圧発生装置8が転写ローラ6に印加している転写電圧値Voを検出する、いわゆるATVC制御を行う。この転写電圧値Voは、レーザビームプリンタ100の置かれた環境に応じた電圧値であり、転写電圧Voに基づいて、用紙Pが転写ニップ部Tを通過する際に転写高電圧発生装置8が転写ローラ6に印加する転写印加電圧Vtを演算する。
第1の実施形態において、転写電圧V0から以下の式(1)を用いて転写電圧Vtを演算する。
Vt=2.2Vo+0.8 (1)
(画像形成動作)
前述の初期回転動作が終了すると、引き続いて感光ドラム1上にトナー像を形成する画像形成動作が実行されるとともに、感光ドラム1上に形成されたトナー像の用紙Pへの転写が実行され、その後用紙P上のトナー像が定着装置11によって定着処理がなされてトナー像が形成された用紙Pが排紙される。
なお、画像形成動作は、連続して複数ページの画像を用紙Pに形成する場合は、設定されたプリント枚数分だけ前述の動作が繰り返して実行される。
また、連続して複数ページの画像を用紙Pに形成する場合は、用紙Pの後端部が転写ニップ部Tを通過した後、次の用紙Pの先端部が転写ニップ部Tに到達するまでの期間は、転写ニップ部Tにおいて用紙Pが存在しない状態(いわゆる非通紙状態)となる。
(後回転動作)
外部装置から入力される画像情報信号に係る最後の画像についての画像形成動作が終了した後は、再び所定の待機状態へ移行させるための終了動作である後回転動作を実行する。
具体的に、プリンタ制御部101は、1つのプリントジョブにかかる画像情報信号の最終ページについての定着動作が終了してからしばらくの間、メインモータを継続して回転駆動させるとともに、帯電ローラ2に所定の高電圧を印加して感光ドラム1の表面電位を所定電位に安定化させる。この時、すでに画像形成動作は終了していることから、プリンタ制御部101は、定着装置11のヒータに電力を供給することなくオフ状態とする。
なお、定着動作とは、用紙Pが定着装置11を通過する際にヒータ22に電力を供給して用紙P上のトナー像を用紙Pに熱定着させる動作をいい、1つのプリントジョブにかかる画像情報信号の最終ページにかかる用紙Pの後端が定着ニップ部Nを通過したことに応じて定着動作から後回転動作へ移行する。
以上の後回転動作を実行した後、プリンタ制御部101は、メインモータの駆動を停止して感光ドラム1の回転駆動を停止し、画像処理制御部102に次の画像情報信号が入力されるまで所定の待機状態とする。
なお、1枚の用紙Pのみに画像形成する場合、プリンタ制御部101は、その1枚についての画像形成動作が終了した後に後回転動作を実行するとともにレーザビームプリンタ100を準備状態とする。
そして、プリンタ制御部101は、待機状態において画像情報信号が画像処理制御部102に入力されると、初期回転動作を実行する。
以上説明した動作を行うレーザビームプリンタ100においては、以下の問題がある。
図3に示したように、レーザビームプリンタ100の定着装置11は、用紙P上のトナー像を安定して定着させる為に発熱体であるヒータ22による温度制御を行っている。詳細には、プリンタ制御部101が、ヒータ22の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ29の抵抗値に基づいて温度制御を行うが、ヒータ22及びサーミスタ29はフィルム23の内部に設けられおり、加圧ローラ24についてはいずれも設けられていない。
従って、サーミスタ29が検知する温度は、ヒータ22の温度が一定であっても加圧ローラ24の温度と一致するとは限らない。例えば、用紙Pのサイズや厚さ、熱吸収性、及び複数の用紙Pの搬送間隔によって加圧ローラ24の温度は変化するのである。
そして、加圧ローラ24の表面層はPFAチューブ等により形成されており、材質の特性上ある一定温度以上になると用紙Pを搬送する力(以下搬送力と呼ぶ)が低下して、加圧ローラ24と用紙Pとの間でスリップジャム(以下スリップと呼ぶ)が発生してしまうという問題がある。
ここで、スリップとは、加圧ローラ24をモータ26で駆動するとともに、フィルム23を加圧ローラ24の回転に従動させる方式の定着装置11において、定着ニップ部Nに未定着画像であるトナー像が載った用紙P(記録材)が搬送された際、加圧ローラ24とフィルム23との間に存在する用紙Pが加圧ローラ24の回転に従動することなく滑りを生じてしまう現象をいう。
一般に、スリップの発生しやすい用紙Pの条件として、高温高湿(H/H)環境下で放置されて含水率が8.0%以上あり、坪量として70g/m以下の用紙Pがあげられる。
図4は、加圧ローラ24の表面温度と加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力(gf)の関係を示したグラフである。図4からも分かるように、加圧ローラ24の表面温度が125℃を超えると加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が急激に低下している。
ここで、加圧ローラ24の表面温度とは、用紙Pの先端が定着ニップ部Nに突入した瞬間の温度のことである。加圧ローラ24に高温高湿環境下で水分を吸収した含水率の高い用紙Pが通紙されると、用紙Pが保持する水分が蒸発して、用紙Pと加圧ローラ24との間に水蒸気層ができ、加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が低下して用紙Pと加圧ローラ24との間でスリップが発生しやすくなると考えられる。
なお、転写ローラ24の抵抗値は低温低湿環境(L/L環境)における値よりも高温高湿環境(H/H環境)における値の方が低くなるという特徴があるので、一定電流が流れるよう転写ローラ6に印加する転写電圧値からレーザビームプリンタ100の置かれた環境を推定することができる。
以上のようなスリップの問題を解決するための第1の実施形態における動作について、図1を参照しつつ説明する。
図1は、第1の実施形態におけるスリップ防止制御のフローチャート示した図である。図1は、ATVC制御の為に準備動作中の転写電圧Voを検知する場合において、レーザビームプリンタ100の置かれた環境が高温高湿(H/H)環境であると判別した場合に、後回転動作に要する時間を延長することで、加圧ローラ24を短期間に冷却させる制御を示している。以下にフローチャートの詳細を説明する。
図1において、プリンタ制御部101は、画像処理制御部102がホストコンピュータ等の外部装置から画像情報信号を受けると、準備動作を実行する(ステップS1)。ここで、ホストコンピュータ等の外部装置からの画像情報信号に用紙Pの種類の指定情報が含まれていない場合、プリンタ制御部101は、定着装置11のヒータ22の温度制御に関しノーマルモードの定着温度(165℃)とする。
次に、プリンタ制御部101は、帯電ローラ2による感光ドラム1の帯電が終了した時点で、感光ドラム1と転写ローラ6が転写ニップ部Tにて当接した状態でATVC制御のための4μAの定電流制御を行う。なお、プリンタ制御部101は、転写電圧制御部9を介して、転写高電圧発生装置8が転写ローラ6に印加した転写電圧Voを検知する(ステップS2)。
そして、プリンタ制御部101は、転写ローラ6に4μAの転写電流が流れる際の転写電圧Voの値をCPU27にホールドしておく(ステップS3)。
続いて、プリンタ制御部101は、転写電圧Voを基に式(1)を用いて転写電圧Vtを算出する(ステップS4)。
その後、プリンタ制御部101は、用紙Pが転写ニップ部Tを通過する際に転写電圧Vtを印加する定電圧制御を行う(ステップS5)。
そして次の(ステップS6)において、プリンタ制御部101は、先にホールドした転写電圧Vo値がVo>0.5kVであるか否かを判断する。プリンタ制御部101は、Vo>0.5kVである場合、プリンタ制御部101は、終了動作として通常の5秒間の後回転動作を行い、Vo≦0.5kVの場合は、後回転動作に要する時間を通常より3秒間延長させて8秒間とする(ステップS7)。プリンタ制御部101は、後回転動作を実行しているときは、たとえ引き続きプリントすべき画像情報信号を画像処理制御部102が外部装置から受信したとしても引き続きプリントすべき画像情報信号にかかるページの画像形成を開始させないので、Vo≦0.5kVの場合は少なくとも8秒間はヒータ22に電力が投入されないので加圧ローラ24の表面温度がスリップを生じる程度にまで高くなることがない。
なお、ステップS6でYESであった場合とNOであった場合とで後回転動作に要する時間は異なるものの、プリンタ制御部101は、定着器11のヒータ22を、いずれの場合もオフ状態とする。
この以上説明したように、プリンタ制御部101は、レーザビームプリンタ100が高温高湿環境(H/H環境)に置かれている場合において用紙Pを通紙する際は、通紙後の加圧ローラ24の表面温度をより短期間で冷却することができるので、その後すぐに次の画像情報信号を受けた場合でも、加圧ローラ24が過剰に暖まっていることは無い。これにより、加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が弱まることも無く、加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が減少してすべりを生じる現象(スリップ)を防止することができる。
ここで、A4サイズ紙14枚/分の印字速度を持つキヤノン株式会社製LBP1210を使用して、第1の実施形態における、間欠プリント時における加圧ローラ24の表面温度の変化とスリップの確認を行った。第1の実施形態においては、加圧ローラ24の表面温度が上昇しやすい条件を第1の実施形態と比較するため、先行する用紙Pに対する後回転動作が完了してから30秒後に後続の用紙Pについての画像形成を開始させる動作を100枚行った(図5中の○)。間欠的に(用紙Pを所定時間以上の間隔を空けて用紙Pを通紙する)画像形成する場合にくらべて、後回転動作を実行することなく連続して100枚の用紙Pにプリントする際の加圧ローラ24は、図5に示すように間欠プリント中ほど暖まらず、水蒸気の発生も少ない為スリップは発生しない。
加圧ローラ24が暖まっていない状態で画像形成を開始(コールドスタート)した場合のプリント枚数と加圧ローラ24の温度との関係を図6に、加圧ローラ24が暖まった状態で画像形成を開始(ホットスタート)した場合のプリント枚数と加圧ローラ24の温度との関係を図7に示す。
図6及び図7では、1枚の用紙Pに対するプリントが終了したことで後回転動作を実行させるとともに、後回転動作が終了してから30秒後に次の1枚の用紙Pへのプリントを開始させた場合を示したものである。
まずコールドスタートで行った図6において、後回転動作に要する時間を5秒とした場合(図6中の○)では20枚目にスリップが発生し、この時の加圧ローラ温度は約135℃であった。しかしプリンタ制御部101が、図1のステップS6でYESと判定して後回転動作に要する時間を通常の5秒から3秒延長して8秒とした場合では、100枚通紙時点でも加圧ローラ温度は130℃にも達せず、スリップは発生しなかった。
次にホットスタートで行った図7において、後回転動作に要する時間を5秒とした場合(図6中の○)では2枚目、3枚目で加圧ローラ温度が135℃を超え、この時点でスリップが発生したのに対し、プリンタ制御部101が、図1のステップS6でYESと判定して後回転動作に要する時間を通常の5秒から3秒延長して8秒とした場合、100枚通紙時点でも130℃に達しない温度を保っており、スリップは発生しなかった。
以上説明したように、高温高湿環境(H/H環境)において、後回転動作が完了した直後に次の画像情報信号が外部装置から画像処理制御部102に入力されるような間欠プリント(第1の実施形態では30秒以内間欠)が続いて、加圧ローラ24がプリント時の余熱で充分暖まった場合に、後回転動作に要する時間を延長させることで加圧ローラ24の過剰な温度上昇を防ぎ、これにより加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力の低下を抑えることでスリップの発生を防ぐことが出来る。ここで、第1の実施形態においては、Voのしきい値を0.5kVとし、また後回転動作の延長時間を3秒としたが、これはレーザビームプリンタ100のプリントスピードや温調温度等の性能により適宜変更可能とする。
(第2の実施形態)
次に、スリップの問題を解決するための第2の実施形態における動作について、図8を参照しつつ説明する。
図8は、第1の実施形態と同様に転写ローラ24の抵抗値を検知することによって高温高湿(H/H)環境と判別して画像形成動作を行った後、後回転動作が完了してから30秒以内に次のプリント信号が来た場合に、次のプリント信号にかかる画像形成を開始させるまでの待機時間を延長することで、加圧ローラ24が過剰に暖まることを防止する制御を示している。以下にフローチャートの詳細を説明する。
図8において、ステップS1からステップS7までの動作は第1の実施形態の図1と同様である。第2の実施形態では、更にステップS3において、CPU27にホールドしたVoの値がVo≦0.5kVの場合で、且つ後回転終了後30秒以内に次のプリント信号が来た場合に(ステップS8)、通常はプリント信号を受信したら即座にヒータ22への電力の投入を開始するのに対して待機時間を3秒間設け、その後次のステップS9の初期回転動作に移行させるようにする。ステップ9以降は、前のプリント動作と同じである。そして、間欠時間が30秒以上あった場合は、そのまま次のステップS9の初期回転動作に移行する。
連続通紙の場合は、後回転動作を行わずに次の画像情報信号にかかるプリント動作に入っている為、待機時間が無い。この為、待機時間延長の制御に入ることはないが、連続通紙の場合は先に述べたように加圧ローラ24が過剰に暖まることが無い為、スリップが発生することは無い。
この制御により、H/H環境において30秒以内の間欠通紙を連続して行った際に、待機時間を延長することで、加圧ローラ24の表面温度の急激な上昇を抑えることが出来る。また、これにより加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が弱まることも無く、スリップを防止することができる。
ここで、第1の実施形態と同じレーザビームプリンタ100を使用して、後回転動作に要する時間を5秒とした場合と第1の実施形態において後回転動作に要する時間を8秒とした場合と、第2の実施形態においてスタンバイ時間を3秒とした場合について、間欠プリント時の加圧ローラ温度変化とスリップの確認を行った。第2の実施形態においては、加圧ローラ24の温度が上昇しやすい条件として、15秒以内の間欠通紙を100枚行った。15秒以内の間欠にすると、前回の画像情報信号にかかるプリントの後回転動作が完了した直後に次の画像情報信号にかかる初期化回転動作が始まることから、加圧ローラ24を含めたレーザビームプリンタ100の内部の冷却期間が殆ど無くなる為、第2の実施形態で用いるレーザビームプリンタ100にとっては最も厳しい条件とされる。
コールドスタートで測定を行った結果を図9に、加圧ローラ24が暖まった状態でのホットスタートで測定を行った結果を図10に示す。
まずコールドスタートで行った図9において、後回転動作に要する時間を5秒とした場合では15枚目にスリップが発生し、この時の加圧ローラ24の表面温度は約135℃であった。また、第1の実施形態の制御ではスリップは発生しなかったものの、100枚通紙時点でスリップの発生のしきい値温度である135℃に近い温度となった。しかし第2の実施形態の制御では、スタンバイ時間を3秒設けたことにより、100枚通紙時点でも加圧ローラ24の表面温度は130℃より低い温度を保っており、スリップは発生しなかった。
次にホットスタートで行った図10において、後回転動作に要する時間を5秒とした場合では2枚目で加圧ローラ24の表面温度が135℃を超え、この時点でスリップが発生した。また、第1の実施形態の制御ではスリップは発生しなかったものの、100枚通紙時点でスリップの発生のしきい値温度である135℃にほぼ達していた。しかし第2の実施形態の制御では、スタンバイ時間を3秒設けたことにより、100枚通紙時点でも加圧ローラ24の表面温度は130℃より低い温度を保っており、スリップは発生しなかった。
以上説明したように、H/H環境において、後回転動作が完了した直後に次の画像情報信号が来るような間欠プリント(第2の実施形態では15秒以内間欠)が続いて、加圧ローラ24がプリント時の余熱で充分暖まった場合に、後回転動作に要する時間を延長させ、更に次のプリントまでのスタンバイ時間を延長させることで加圧ローラ24の過剰な温度上昇を防ぎ、これにより搬送力の低下を抑えることでスリップの発生を防ぐことが出来る。ここで、第2の実施形態おいては、スタンバイの延長時間を3秒としたが、これはレーザビームプリンタ100のプリントスピードや温調温度等の性能により適宜変更可能とする。
(第3の実施形態)
第3の実施形態におけるスリップ防止制御のフローチャートを図11に示す。第3の実施形態においては、転写ローラ6によって高温高湿(H/H)環境と判別して画像形成動作を行った後、後回転動作が完了してから30秒以内に次の画像情報信号が来た場合に、初期回転動作を開始してヒータ22への電力投入のタイミングのみを遅らせることで、加圧ローラ24が過剰に暖まることを防止する制御を示している。以下にフローチャートの詳細を説明する。
図11において、ステップS9以外は第2の実施形態と同じである。CPU27にホールドした転写電圧Voの値がVo≦0.5kVの場合で、且つステップS9において、後回転動作が完了した後から30秒以内に次の画像情報信号が来た場合は、通常通り初期回転動作を開始するが、この時ヒータ22への電力投入の開始を2秒遅らす。つまり、ヒータ22に電力を投入することなく加圧ローラ24の回転動作のみを行うことになる。これにより、トータルの準備動作に要する時間も2秒延長することになる。そして、次のステップS10へと進む。ステップ10以降は、第2の実施形態にて説明したプリント動作と同じである。また、間欠時間が30秒以上あった場合は、ステップS9において、第2の実施形態と同様に初期回転動作とヒータ22への電力投入を同時に行う。
この制御により、H/H環境において30秒以内の間欠通紙を連続して行った際に、ヒータ22への電力投入の開始を遅らせて加圧ローラ24の空回転時間を増やすことで、加圧ローラ24の表面温度の急激な上昇を抑えることが出来る。また、これにより加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が弱まることも無く、スリップを防止することができる。更に、第2の実施形態のようにただスタンバイ時間を延長させるだけでなく、加圧ローラ24の空回転時間を増やすことにより、より短期間で加圧ローラ24を冷却させることができる。
ここで、第1の実施形態及び第2の実施形態と同じレーザビームプリンタ100を使用して、第2の実施形態及び第3の実施形態における、間欠プリント時の加圧ローラ24の温度変化とスリップの確認を行った。第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、加圧ローラ24の表面温度が最も上昇しやすい条件となる15秒以内の間欠通紙を100枚行った。
コールドスタートで測定を行った結果と、ホットスタートで測定を行った結果は、共に第2の実施形態とほぼ一致する結果となった。
以上説明したように、H/H環境において、後回転動作が完了した直後に次の画像情報信号が来るような間欠プリント(第3の実施形態では15秒以内間欠)が続いて、加圧ローラ24がプリント時の余熱で充分暖まった場合に、後回転動作に要する時間を延長させ、更にヒータ22への電力投入の開始を遅らせて加圧ローラ24の空回転時間を増やすことで、加圧ローラ24の過剰な温度上昇を防ぎ、これにより加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力の低下を抑えることでスリップの発生を防ぐことが出来る。また、スタンバイ時間を延長させるだけでなく、加圧ローラ24の空回転時間を増やすことで、より短期間で加圧ローラ24を冷却させることができる。
ここで、第3の実施形態においては、初期回転動作を開始してから2秒後にヒータ22へ電力投入を開始することとしたが、これはレーザビームプリンタ100のプリントスピードや温調温度等の性能により適宜変更可能とする。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態の制御に加え、更に先の画像情報信号にかかる全てのページの画像形成が終了して後回転動作も完了してから30秒以内に次の画像情報信号である間欠プリントの1枚目についてのみ、ヒータ22の設定温度を10℃下げるものである。詳しくは、第3の実施形態のステップS8において、前回のプリントの後回転動作が完了してから30秒以内であることを確認したら、次のステップS9においてヒータ22の通電開始を12秒遅らせ、更にヒータ22の温調温度を通常より10℃下げる。第4の実施形態における通常のノーマルモードの温調温度は170℃となっていることから、この場合160℃温調に制御することになる。また、その後連続通紙を行う場合は、2枚目以降は−10℃ではなく通常の温調温度、つまり170℃の温調をかけることとなる。
この制御により、H/H環境において30秒以内の間欠通紙を連続して行った際に、ヒータの通電開始を12秒遅らせ、更に次の1枚目の温調を通常より10℃下げることで、加圧ローラ24の温度の急激な上昇を抑えるだけでなく、常に加圧ローラ24が用紙Pに与える搬送力が最大となる温度を保つことができ、これによりレーザビームプリンタ100の置かれた環境やレーザビームプリンタ100の動作状況に関わらず常に安定した画像を提供することができる。
ここで、第1〜3の実施形態と同じレーザビームプリンタ100を使用して、第3の実施形態及び第4の実施形態における間欠プリント時の加圧ローラ24の温度変化とスリップの確認を行った。第4の実施形態においても、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様に、加圧ローラ24の表面温度が最も上昇しやすい条件となる15秒以内の間欠通紙を100枚行った。
ホットスタートで測定を行った結果を図12に示す。第2の実施形態でも既にスリップは発生せず、加圧ローラ24の表面温度は130℃近辺を保っている。しかし、第4の実施形態では、図4に示すような搬送力を持つ加圧ローラを使用しており、図4によると、搬送力が最大となる加圧ローラ24の温度は122℃程度である。そこで、図12から、第4の実施形態の結果を見ると、通紙中の加圧ローラ24の表面温度は常に搬送力の最大値となる温度近辺で安定していることが分かる。これにより、スリップが発生しないだけでなく、常に安定した搬送力を保つことにより、搬送中の画像の平行性の乱れやブレの発生を防ぐこともできる。
以上説明したように、H/H環境において、後回転動作が完了した直後に次の画像情報信号が来るような間欠プリント(第4の実施形態では30秒以内間欠)が続いて、加圧ローラがプリント時の余熱で充分暖まった場合に、ヒータの通電開始を12秒遅らせ、更に次の1枚目の温調を通常より10℃下げることで、加圧ローラ24の表面温度の急激な上昇を抑えるだけでなく、常に加圧ローラ24の搬送力が最大となる温度を保つことができ、これによりレーザビームプリンタ100の置かれた環境やレーザビームプリンタ100の動作状況に関わらず画像の平行性の乱れやブレの無い安定した画像を提供することができる。なお、第4の実施形態においては、1枚目に下げる温調を10℃としたが、これはレーザビームプリンタ100のプリントスピードや温調温度等の性能により適宜変更可能とする。
第1の実施形態から第4の実施形態においてプリンタ制御部101は、加圧ローラ24の温度を低下させるために後回転動作に要する時間を延長するものであり、その後回転動作においてはヒータ22に対する電力投入を停止するものであったが、ヒータ22を停止させるだけでなく後回転動作中においてヒータ22に投入する電力を定着動作中においてヒータ22に投入する電力よりも低くすることでも同様の効果を得ることができる。
なお、プリンタ制御部101は、ヒータ22を所定温度に維持するように制御し、後回転動作中においてヒータ22に維持させる温度を定着動作中においてヒータ22に維持させる温度よりも低くすることでも同様の効果を得ることができる。
また、第1から第4の実施形態においてH/H環境(高温高湿環境)を判断するために、転写電流値が4μAとなるよう転写高電圧発生装置8が転写ローラ24に印加する転写電圧Vを用いたが、他の方法を用いてH/H環境(高温高湿環境)であるか否かを判断するようにしてもよい。
例えば、レーザビームプリンタ100にユーザがH/H環境であると判断した場合に押すことができるスイッチ等を設け、プリンタ制御部101はスイッチが押されているか否かの出力信号を監視することで、レーザビームプリンタ100が置かれた環境が高温高湿環境であるか否かを判断してもよい。
第1の実施形態から第4の実施形態における定着装置11は、定着フィルム23は耐熱性樹脂製に限られず、可撓性を有する薄肉の金属製(金属スリーブ)で構成することもできる。
第1の実施形態から第4の実施形態における定着装置11は、ヒータ22はセラミックヒータに限られず、例えば、電磁誘導発熱性部材などにすることもできる。
また、ヒータ22は必ずしも定着ニップ部に位置していなくてもよい。定着フィルム23を外部加熱する構成にすることもできる。
また、定着フィルム自体を電磁誘導発熱性のものにして、励磁手段で発熱させる構成にすることもできる。
また、定着装置11の加圧回転体はローラ体に限られず、回動ベルト体にすることもできる。
また、画像形成装置の像担持体は電子写真感光ドラムに限られず、静電記録誘電体や、中間転写ドラムやベルト等の中間転写体であってもよい。
第1の実施形態におけるスリップ防止制御のフローチャートである。 レーザビームプリンタ100の概略構成図である。 定着装置11の横断面図である。 加圧ローラ温度と搬送力との関係を示すグラフである。 プリントモードによる加圧ローラ温度差を示すグラフである。 第1の実施形態におけるコールドスタート時の結果である。 第1の実施形態におけるホットスタート時の結果である。 第2の実施形態におけるスリップ防止制御のフローチャートである。 第2の実施形態におけるコールドスタート時の結果である。 第2の実施形態におけるホットスタート時の結果である。 第3の実施形態におけるスリップ防止制御のフローチャートである。 第4の実施形態におけるホットスタート時の結果である。 レーザビームプリンタの概略構成図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 レーザスキャナ
4 現像装置
5 トナー
6 転写ローラ
7 高圧電源
8 転写高電圧発生装置
9 転写電圧制御部
10 回転制御部
11 定着装置
12 給紙装置
21 フィルム内面ガイド部材
22 ヒータ
23 フィルム
24 加圧ローラ
25 加圧ローラ芯金
26 モータ
27 CPU
29 サーミスタ
N 定着ニップ部N
T 転写ニップ部
P 用紙

Claims (2)

  1. 像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体上の前記画像を記録材に転写する転写手段と、
    前記転写手段によって前記画像が転写された記録材に、前記画像を熱定着させる加熱部材と、
    前記加熱部材と対向し記録材を加圧するための加圧部材と、
    前記加熱部材への電力投入のタイミングを制御する制御手段とを有し、
    前記画像形成手段による画像形成が終了し、前記加熱部材及び前記加圧部材による定着動作が終了した後、前記加熱部材への電力投入を停止させる且つ前記加圧部材の回転駆動を停止させるための動作を含む終了動作を行う画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記終了動作が完了してから所定時間経過後に再び画像形成を行うための信号を受信する場合は、予め定められたタイミングで前記加熱部材への電力投入及び前記加圧部材の回転駆動を開始して、前記画像形成手段による画像形成を行い、
    画像形成装置が設置された環境が高温高湿環境である場合、且つ前記終了動作が終了してから所定時間以内に再び画像形成を行うための信号を受信する場合は、前記加熱部材への電力投入の開始を前記予め定められたタイミングより遅延させ、前記加熱部材に電力投入されていない状態且つ記録材がない状態で前記加圧部材を回転駆動させた後、前記画像形成手段による画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記終了動作が終了してから所定時間以内に再び画像形成を行うための信号を受信した場合、再開後の1枚目の記録材を加熱するときの前記加熱部材の温調温度を通常の温度より低下させ、2枚目以降の記録材を加熱するときの前記加熱部材の温調温度を通常の温度にすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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