JP2002169245A - ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法

Info

Publication number
JP2002169245A
JP2002169245A JP2000366396A JP2000366396A JP2002169245A JP 2002169245 A JP2002169245 A JP 2002169245A JP 2000366396 A JP2000366396 A JP 2000366396A JP 2000366396 A JP2000366396 A JP 2000366396A JP 2002169245 A JP2002169245 A JP 2002169245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
silver halide
represented
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000366396A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Yasuda
庄司 安田
Minoru Sakai
稔 酒井
Mitsunori Hirano
光則 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000366396A priority Critical patent/JP2002169245A/ja
Publication of JP2002169245A publication Critical patent/JP2002169245A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 網点品質が良好で、オリジナル再現性(網階
調再現性)に優れ、現像液の補充量を低減させた場合に
も写真性が安定であるハロゲン化銀写真感光材料及びそ
の処理システムを提供する。 【解決の手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロ
イド層の少なくとも1層中に少なくとも1種の酸化され
ることにより現像抑制剤を放出するレドックス化合物、
及び少なくとも1種の造核促進剤を含有するハロゲン化
銀写真感光材料において、少なくとも2種のヒドラジン
造核剤を含有し、そのうち少なくとも1種が一般式Iの
ヒドラジン誘導体であるハロゲン化銀写真感光材料及び
この感光材料の処理方法。 (I) R1-S-R2-G3-N(R11)-C(=X)-N(R12)-(R3-L2)m -R
4-NHNH-G1-R5 一般式Iのより具体的な一般式17の、さらに具体例に
は化合物1aがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料および、それを用いた超硬調ネガ画像形成方法に
関するものであり、特に写真製版工程に用いられるハロ
ゲン化銀感光材料に適した超硬調ネガ型写真感光材料と
それを用いる画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツ分野の写真製版工程
では、連続調の写真画像は、画像の濃淡を網点面積の大
小によって表現するいわゆる網点画像に変換して、これ
に文字や線画を撮影した画像と組み合わせて印刷原版を
作る方法がおこなわれている。このような用途に用いら
れるハロゲン化銀感光材料は、文字、線画、網点画像の
再現性を良好にするために、画像部と非画像部が明瞭に
区別された、超硬調な写真特性を有することが求められ
てきた。特に、網写真の拡大(目伸し)、あるいは縮小
(目縮め)における網点画像の再現性、明朝/ゴシック
文字の混在する原稿での文字の再現性などにおいては、
単に超硬調な写真特性だけでなく、微細な線画の再現お
よび網点画像の大点から小点にわたって忠実に再現でき
る、広いラチチュードを有する画像形成方法が求められ
てきた。
【0003】広いラチチュードの要望に応えるシステム
として、塩臭化銀からなるハロゲン化銀感光材料を、亜
硫酸イオンの有効濃度をきわめて低くしたハイドロキノ
ン現像液で処理することにより、高コントラストを有す
る画像を形成する、いわゆるリス現像方式が知られてい
た。しかしこの方式では現像液中の亜硫酸イオン濃度が
低いため、現像液の空気酸化に対してきわめて不安定で
あり、液活性を安定に保つために多くの補充量を必要と
していた。
【0004】リス現像方式の画像形成の不安定性を解消
し、良好な保存安定性を有する現像液で処理し、超硬調
な写真特性が得られる画像形成システムとして、例え
ば、米国特許第4,166,742号、同第4,16
8,977号、同第4,221,857号、同第4,2
24,401号、同第4,243,739号、同第4,
269,922号、同第4,272,606号、同第
4,311,781号、同第4,332,878号、同
第4,618,574号、同第4,634,661号、
同第4,681,836号、同第5,650,746号
等が挙げられる。これらはヒドラジン誘導体を添加した
表面潜像型のハロゲン化銀写真感光材料を、亜硫酸保恒
剤を0.15モル/リットル以上含むpH11.0〜12.
3のハイドロキノン/メトールあるいはハイドロキノン
/フェニドンを現像主薬とする現像液で処理し、γが1
0を越える超硬調のネガ画像を形成するシステムであ
る。この方法によれば超硬調で高感度の写真特性が得ら
れ、現像液中に高濃度の亜硫酸塩を添加することができ
るので、現像液の空気酸化に対する安定性は従来のリス
現像液に比べて飛躍的に向上する。
【0005】ヒドラジン誘導体による超硬調画像を充分
発揮させるためには、pH11以上、通常11.5以上
の値を有する現像液で処理することが必要であった。高
濃度の亜硫酸保恒剤によって現像液の安定性を高めるこ
とを可能としたとはいえ、超硬調な写真画像を得るため
には上述のようなpH値の高い現像液を用いることが必
要であり、保恒剤があっても現像液は空気酸化されやす
く不安定なため、さらなる安定性の向上を求めてより低
いpHで超硬調画像を実現する工夫が試みられてきた。
【0006】例えば、米国特許4,269,929号
(特開昭61−267759号)、米国特許4,73
7,452号(特開昭60−179734号)、米国特
許5,104,769号、同4,798,780号、特
開平1−179939号、同1−179940号、米国
特許4,998,604号、同4,994,365号、
特開平8−272023号には、pH11.0未満の現
像液を用いて超硬調な画像を得るために、高活性なヒド
ラジン誘導体および造核促進剤を用いる方法が開示され
ている。このような画像形成システムによる処理では、
シャープな網点品質、処理安定性の向上はみられたが、
オリジナル再現性、広い露光ラチチュードの観点でさら
なる改良が求められていた。
【0007】オリジナル再現性を改良する方法として特
開平3−39952号、同3−174143号、同4−
19647号では、酸化により現像抑制剤を放出するレ
ドックス化合物を含む層とヒドラジン誘導体を含む感光
性ハロゲン化銀乳剤層とを有する重層構成の超硬調ハロ
ゲン化銀感光材料をpH11以上の現像液で処理する方
法が開示されている。
【0008】また特開平4−122926号、同7−4
3867号、同7−261310号では、酸化により現
像抑制剤を放出するレドックス化合物を含む層とヒドラ
ジン誘導体および造核促進剤を含む感光性ハロゲン化銀
乳剤層とを有する重層構成の感光材料をpH11以下の
現像液で処理して、オリジナル再現性の向上した画像を
形成する方法が開示されている。しかしながら、この方
法では現像液の補充量を低減させた場合に写真性が変動
する問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的は
網点品質が良好で、オリジナル再現性(網階調再現性)
にすぐれたハロゲン化銀写真感光材料を提供することで
ある。本発明の第二の目的は、現像液の補充量を低減さ
せた場合にも写真性が安定であるハロゲン化銀写真感光
材料、及びその処理システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の発明
により達成された。 (1)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層
を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロイド層の少
なくとも1層中に少なくとも1種の酸化されることによ
り現像抑制剤を放出するレドックス化合物、及び少なく
とも1種の造核促進剤を含有するハロゲン化銀写真感光
材料において、少なくとも2種のヒドラジン造核剤を含
有し、そのうち少なくとも1種が一般式(I)で表され
るヒドラジン誘導体であることを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料。 一般式(I) R1-S-R2-G3-N(R11)-C(=X)-N(R12)-(R3-L2)m -R4-NHNH-G
1-R5 式中、R1 は脂肪族基または芳香族基を表わす。R2 は
-R21CO- 基、-R21SO2-基、-R21SO- 基、-R21COCO- 基、
チオカルボニル基、イミノメチレン基、-R21P(O)(G2R6)
- 基、2価の脂肪族基または2価の芳香族基を表わす。
G3 は単結合、-O- 基、-N(R6)- 基、2価の脂肪族基ま
たは2価の芳香族基を表わす。R11、R12は水素原子、
脂肪族基または芳香族基を表わす。Xは酸素原子、硫黄
原子または=NR6基を表わす。R3 、R4 は2価の脂肪族
基または2価の芳香族基を表わす。L2 は-SO2N(R6)-
基、-N(R6)-SO2N(R6)-基、-CON(R6)- 基、-N(R6)CON(R
6)-基、-G2-P(O)(G2R6)-N(R6)- 基を表わす。G1 は-CO
-基、-SO2- 基、-SO-基、-COCO-基、チオカルボニル
基、イミノメチレン基または-P(O)(G2R6)-基を表わす。
R5 は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、
アリールオキシ基またはアミノ基を表わす。mは0また
は1を表わす。R1 とR11、R1 とR12、R11とR12、
R1 とR11とR12は互いに結合して環を形成してもよ
い。なお、上記において、G2 は単結合、-O- 基または
-N(R6)- 基を表わし、R6は水素原子、脂肪族基または
芳香族基を表わす。R21は単結合、2価の脂肪族基また
は2価の芳香族基を表わす。 (2)前記のレドックス化合物が酸化されることにより
放出する現像抑制剤が、隣接基と窒素原子で結合する含
窒素ヘテロ環残基であり、その置換基として少なくとも
1つのニトロ基を直接もしくは間接的に有し、かつpKa
値9〜11を与え得るヘテロ環基であることを特徴とす
る(1)項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (3)前記造核促進剤が下記一般式(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)または(f)で表されることを
特徴とする(1)または(2)項に記載のハロゲン化銀
写真感光材料。
【0011】
【化3】
【0012】一般式(a)においてQ1は窒素原子また
はリン原子を表し、R100、R110、R120はそれぞれ脂
肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表し、これらは互
いに結合して環状構造を形成していてもよい。MはMに
含まれる炭素原子でQ1 +と結合するm10価の有機基を表
し、ここにm10は1〜4の整数を表す。一般式(b)、
一般式(c)または一般式(d)において、A1、A2
3、A4、A5はそれぞれ、4級化された窒素原子を含
む不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表し、
10およびL20は2価の連結基を表し、R111、R222
333は置換基を表す。一般式(a)、一般式(b)、
一般式(c)または一般式(d)で表される4級塩化合
物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキ
シ基の繰り返し単位を、計20個以上有しているが、こ
れは複数箇所にまたがって置換されていてもよい。
【0013】
【化4】
【0014】一般式(e)においてQ2は窒素原子また
はリン原子を表す。R200、R210、R220は一般式
(a)のR100、R110、R120と同義の基を表す。一般
式(f)においてA6は一般式(b)におけるA1または
2と同義の基を表す。但しA6が形成する含窒素不飽和
ヘテロ環は置換基を有してもよいが、置換基上に1級の
水酸基を有することはない。一般式(e)および一般式
(f)においてL30はアルキレン基を表し、Yは-C(=O)-
または-SO2-を表し、L40は少なくとも一つの親水性基
を含有する2価の連結基を表す。一般式(a)〜一般式
(f)においてXn-は、n価の対アニオンを表し、nは
1〜3の整数を表す。但し、分子内に別にアニオン基を
有し、Q1 +、Q2 +またはN+と分子内塩を形成する場
合、Xn-は必要ない。 (4)(1)、(2)または(3)項に記載のハロゲン
化銀写真感光材料を、画像露光後、pH9.0〜pH11.
0の現像液を用いて現像処理し、現像液補充量が1平方
メートルあたり250ml以下であることを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の感光材料は、少なくとも
2種のヒドラジン造核剤を含有し、そのうち少なくとも
1種が一般式(I)で表されることを特徴とするヒドラ
ジン誘導体である。 一般式(I) R1-S-R2-G3-N(R11)-C(=X)-N(R12)-(R3-L2)m -R4-NHNH-G
1-R5 式中、R1 は脂肪族基または芳香族基を表わす。R2 は
-R21CO- 基、-R21SO2-基、-R21SO- 基、-R21COCO- 基、
チオカルボニル基、イミノメチレン基、-R21P(O)(G2R6)
- 基、2価の脂肪族基または2価の芳香族基を表わす。
G3 は単結合、-O- 基、-N(R6)- 基、2価の脂肪族基ま
たは2価の芳香族基を表わす。R11、R12は水素原子、
脂肪族基または芳香族基を表わす。Xは酸素原子、硫黄
原子または=NR6基を表わす。R3 、R4 は2価の脂肪族
基または2価の芳香族基を表わす。L2 は-SO2N(R6)-
基、-N(R6)-SO2N(R6)-基、-CON(R6)- 基、-N(R6)CON(R
6)-基、-G2-P(O)(G2R6)-N(R6)- 基を表わす。G1 は-CO
-基、-SO2- 基、-SO-基、-COCO-基、チオカルボニル
基、イミノメチレン基または-P(O)(G2R6)-基を表わす。
R5 は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、
アリールオキシ基またはアミノ基を表わす。mは0また
は1を表わす。R1 とR11、R1 とR12、R11とR12、
R1 とR11とR12は互いに結合して環を形成してもよ
い。なお、上記において、G2 は単結合、-O- 基または
-N(R6)- 基を表わし、R6は水素原子、脂肪族基または
芳香族基を表わす。mは0または1を表わし、R21は単
結合、2価の脂肪族基または2価の芳香族基を表わす。
【0016】一般式(I)で表される化合物についてさ
らに詳細に説明する。一般式(I)において、R1 で表
される脂肪族基は、好ましくは炭素数1〜30のもので
あって、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状の
アルキル基である。一般式(I)においてR1 で表され
る芳香族基は、単環または2環のアリール基または不飽
和ヘテロ環基である。ここで不飽和ヘテロ環基は、アリ
ール基と縮環していてもよい。R1 の脂肪族基または芳
香族基は置換されていてもよく、代表的な置換基として
は例えばアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、アミノ基、ウレイド基、ウレ
タン基、アリールオキシ基、スルファモイル基、カルバ
モイル基(アミノカルボニル基)、アルキルまたはアリ
ールチオ基、アルキルまたはアリールスルホニル基、ア
ルキルまたはアリールスルフィニル基、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アリールオキシカ
ルボニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ルオキシ基、カルボンアミド基(アシルアミノ基)、ス
ルホンアミド基、カルボキシル基、リン酸アミド基、ジ
アシルアミノ基、イミド基などが挙げられる。特に好ま
しい置換基としては、R1 がアルキル基である場合には
アリール基、R1 がアリール基である場合にはアルキル
基、アラルキル基、R1 がアルキル基またはアリール基
である場合には、アルキルチオ基(炭素数1〜20のも
のが好ましい)、アリールチオ基(炭素数6〜20のも
のが好ましい)、アミノ基(モノまたはジアルキル置換
アミノ基を含む。炭素数は20までが好ましい)、カル
バモイル基(炭素数30までのものが好ましい)、アル
コキシカルボニル基(炭素数2〜20のものが好まし
い)、アシルアミノ基(炭素数2〜30のものが好まし
い)、スルホンアミド基(炭素数1〜30のものが好ま
しい)、ウレイド基(炭素数1〜30のものが好まし
い)、リン酸アミド基(炭素数1〜30のものが好まし
い)が挙げられる。これらの基は更に置換されていても
よい。
【0017】一般式(I)において、R11、R12で表さ
れる脂肪族基は、炭素数1〜30の直鎖、分岐または環
状のアルキル基である。一般式(I)において、R11、
R12で表される芳香族基は、単環または2環のアリール
基または不飽和ヘテロ環基である。ここで不飽和ヘテロ
環基は、アリール基と縮環していてもよい。R11、R12
の脂肪族基または芳香族基は置換されていてもよく、代
表的な置換基としてはR1 の置換基として列挙したもの
にくわえて、アルコキシ基で置換されていてもよく、好
ましい置換基としてはアルキル基(好ましくは炭素数1
〜20のもの)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜
30のもの)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0のもの)、置換アミノ基(好ましくは炭素数1〜20
のアルキル基で置換されたアミノ基)、アシルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜30を持つもの)、スルホンア
ミノ基(好ましくは炭素数1〜30を持つもの)、ウレ
イド基(好ましくは炭素数1〜30を持つもの)、リン
酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30のもの)などで
ある。これらの基はさらに置換されていてもよい。R1
1、R12としては水素原子、アルキルチオ基およびアリ
ールチオ基で置換されたアルキル基(炭素数2〜2
0)、および炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
が好ましい。一般式(I)においてR1 とR11、R1 と
R12、R11とR12およびR1 とR11とR12は互いに連結
して環を形成していてもよい。
【0018】一般式(I)において、R2 は-R21CO-
基、-R21SO2-基、-R21SO- 基、-R21COCO- 基、チオカル
ボニル基(例えば-R21CS-)、イミノメチレン基(−NH-
CH2−基、R1の置換基として列挙したものでさらに置換
されていてもよい)、-R21P(O)(G2R6)- 基、2価の脂肪
族基、2価の芳香族基またはそれらの組合せを表わし、
好ましくは-R21CO- 基、-R21SO2-基、-R21COCO-基、-R2
1P(O)(G2R6)- 基、2価の脂肪族基、2価の芳香族基を
表わし、特に好ましくは-R21CO- 基、2価の脂肪族基、
2価の芳香族基を表わす。R2 で表される2価の脂肪族
基は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に炭
素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキレン基で
ある。一般式(I)においてR2 で表される芳香族基
は、単環または2環のアリーレン基または2価の不飽和
ヘテロ環基(例えば2価のピリジン環基)である。ここ
で不飽和ヘテロ環基はアリール基と、縮環していてもよ
い。R2 としては、炭素数1〜20のアルキレン基、ア
リーレン基であり、さらに置換されていてもよく、代表
的な置換基としてはR11、R12の置換基として列挙した
ものがあてはまる。
【0019】一般式(I)において、R21、R3 、R4
で表される2価の脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30
のものであって、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐また
は環状のアルキレン基である。一般式(I)においてR
21、R3 、R4 で表される2価の芳香族基は、単環また
は2環のアリーレン基または2価の不飽和ヘテロ環基で
ある。ここで不飽和ヘテロ環基はアリール基と、縮環し
ていてもよい。R21として好ましいのは、炭素数1〜1
0のアルキレン基、フェニレン基であり、R3、R4 と
して好ましくはアリール基であり、特に好ましくはベン
ゼン環を含むものである。R21、R3 、R4 の脂肪族基
または、芳香族基は置換されていてもよく、代表的な置
換基としてはR11、R12の置換基として列挙したものが
あてはまる。
【0020】一般式(I)においてL2 で表される基の
うち特に好ましいものは-SO2NR6-基である。一般式
(I)のG3で表される基における2価の脂肪族基及び
2価の芳香族基の好ましい例としては、それぞれR2で
挙げた基と同じものが挙げられ、一般式(I)における
G3 で表される基のうち特に好ましいものは、単結合、
-O- 基、-NR6- 基であり、一般式(I)においてXで表
される基のうち好ましいものは、酸素原子、硫黄原子で
あり、酸素原子が特に好ましい。一般式(I)において
mは好ましくは1であり、0であってもよい。
【0021】一般式(I)においてR5 で表わされる脂
肪族基としては、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基
であり、芳香族基としては単環または2環のアリール
基、不飽和ヘテロ環基が好ましい。R5において、アル
コキシ基として好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基
であり、アリールオキシ基として好ましくは炭素数6〜
15のアリールオキシ基であり、アミノ基として好まし
くは炭素数1〜6の置換アミノ基である。G1 が-CO-基
の場合、R5 で表わされる基のうち好ましいものは、水
素原子、アルキル基(例えば、メチル基、トリフルオロ
メチル基、メトキシメチル基、フェノキシメチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、3−メタンスルホンアミドプ
ロピル基、フェニルスルホニルメチル基など)、アラル
キル基(例えば、o−ヒドロキシベンジル基など)、ア
リール基(例えば、フェニル基、3,5−ジクロロフェ
ニル基、o−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メ
タンスルホニルフェニル基、2−ヒドロキシメチルフェ
ニル基、ピリジニウム基など)などであり、特に水素原
子が好ましい。R5 は置換されていても良く、置換基と
しては、R1 、R11、R12に関して列挙した置換基が適
用できる。一般式(I)のG1 としては−CO−基が最も
好ましい。又、R5 はG1 −R5の部分を残余分子から
分裂させ、−G1 −R5 部分の原子を含む環式構造を生
成させる環化反応を生起するようなものであってもよ
く、その例として例えば特開昭63−29751号など
に記載のものが挙げられる。R6において、脂肪族基と
して好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、芳香
族基として好ましくは炭素数6〜15のアリール基また
は不飽和へテロ環基である。R6 は水素原子あるいは炭
素類1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子が特に好
ましい。また一般式(I)で表わされる化合物が2つ以
上のR6 やG2 を含有する場合、それらは同じであって
も異なっていても良く、また、R6 は置換されていても
よい。代表的な置換基としてはR11、R12の置換基とし
て列挙したものがあてはまる。
【0022】一般式(I)のR1 、R11、R12、R2 、
R3 、R4 またはR5 はその中にカプラー等の不動性写
真用添加剤において常用されているバラスト基またはポ
リマーが組み込まれているものでもよい。バラスト基は
8以上の炭素数を有する写真性に対して比較的不活性な
基であり、例えばアルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルフェニル基、フェノキシ基、アルキルフェ
ノキシ基などの中から選ぶことができる。またポリマー
として例えば特開平1−100530号に記載のものが
挙げられる。一般式(I)のR1 、R11、R12、R2 、
R3 、R4 またはR5 はその中にハロゲン化銀粒子表面
に対する吸着を強める基が組み込まれているものでもよ
い。かかる吸着基としては、チオ尿素基、複素環チオア
ミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米
国特許第4,385,108号、同4,459,347
号、特開昭59−195,233号、同59−200,
231号、同59−201,045号、同59−20
1,046号、同59−201,047号、同59−2
01,048号、同59−201,049号、同61−
170,733号、同61−270,744号、同62
−948号、同63−234,244号、同63−23
4,245号、同63−234,246号に記載された
基が挙げられる。
【0023】以下に本発明に用いられる化合物を列記す
るが本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】本発明に用いられるヒドラジン化合物は例
えば、特開昭61−213,847号、同62−26
0,153号、米国特許第4,648,604号、米国
特許第3,379,529号、同3,620,746
号、同4,377,634号、同4,332,878
号、特開昭49−129,536号、同56−153,
336号、同56−153,342号、特開平1−26
9936号、米国特許第4,988,604号、同4,
994,365号などに記載されている方法を利用する
ことにより合成することができる。
【0031】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は適
当な水混和性有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノ
ール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メニルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
に良く知られている乳化分散法によって、ジフチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作成して用いることもで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、
コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いる
こともできる。
【0032】本発明においてヒドラジン系造核剤は、支
持体に対してハロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳
剤層、あるいは他の親水性コロイド層のどの層に添加し
てもよいが、該ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接
する親水性コロイド層に添加することが好ましい。
【0033】本発明の感光材料は少なくとも2種のヒド
ラジン造核剤を含有するが、そのうち少なくとも1種が
一般式(I)で表されることを特徴とするヒドラジン誘
導体であれば、少なくとももう1種のヒドラジン造核剤
は特に限定されない。具体的には、特願2000−11
4354に記載の一般式(D)で表されるヒドラジン造
核剤を用いることができる。
【0034】また、一般式(I)で表されるヒドラジン
系造核剤を2種類以上併用、または一般式(I)で表さ
れるヒドラジン系造核剤と一般式(I)で表される以外
のヒドラジン系造核剤を併用して使用することもでき
る。本発明において造核剤総使用量はハロゲン化銀1モ
ルに対し1×10-5〜1×10-2モルが好ましく、1×
10-5〜5×10-3モルがより好ましく、2×10 -5
5×10-3モルが最も好ましい。このうち、一般式
(I)で表されるヒドラジン誘導体の使用量はハロゲン
化銀1モルに対し、1×10-6〜1×10-2モルが好ま
しく、5×10-6〜5×10-3モルであることがより好
ましい。
【0035】本発明においては、感光材料中に造核促進
剤を内蔵する。本発明に用いられる造核促進剤として
は、アミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド誘導体ま
たはヒドロキシメチル誘導体などが挙げられる。以下に
その例を列挙する。特開平7−77783号公報48頁
2行〜37行に記載の化合物で、具体的には49頁〜5
8頁に記載の化合物A−1)〜A−73)。特開平7−
84331号に記載の(化21)、(化22)および
(化23)で表される化合物で、具体的には同公報6頁
〜8頁に記載の化合物。特開平7−104426号に記
載の一般式〔Na〕および一般式〔Nb〕で表される化
合物で、具体的には同公報16頁〜20頁に記載のNa
−1〜Na−22の化合物およびNb−1〜Nb−12
の化合物。特開平8−272023号に記載の一般式
(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、
一般式(5)、一般式(6)および一般式(7)で表さ
れる化合物で、具体的には同明細書に記載の1−1〜1
−19の化合物、2−1〜2−22の化合物、3−1〜
3−36の化合物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜
5−41の化合物、6−1〜6−58の化合物、および
7−1〜7−38の化合物。特開平9−297377号
のp55,カラム108の8行〜p69,カラム136
の44行までに記載の造核促進剤。
【0036】本発明に用いられる造核促進剤としては、
一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化合物が
好ましく、特に一般式(b)で表される化合物が最も好
ましい。
【0037】一般式(a)においてR100、R110、R
120で表される脂肪族基とは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、2−
エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オク
タデシル基などの直鎖又は分枝状のアルキル基;置換も
しくは無置換のベンジル基などのアラルキル基;シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など
のシクロアルキル基;アリル基、ビニル基、5−ヘキセ
ニル基などのアルケニル基;シクロペンテニル基、シク
ロヘキセニル基などのシクロアルケニル基;フェニルエ
チニル基等のアルキニル基が挙げられる。芳香族基とし
てはフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基などの
アリール基が、またヘテロ環基としては、ピリジル基、
キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チアゾリル
基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾ
チアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピロリジ
ル基などが挙げられる。
【0038】これらの基上に置換した置換基の例として
は、R100、R110、R120で表される基の他に、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン
原子、ニトロ基、(アルキルもしくはアリール)アミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキル又は
アリール)チオ基、カルボンアミド基、カルバモイル
基、ウレイド基、チオウレイド基、スルホニルウレイド
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ヒドロキシ
ル基、スルホニル基、カルボキシル基(カルボキシラー
トを含む)、スルホ基(スルホナートを含む)、シアノ
基、オキシカルボニル基、アシル基、ヘテロ環基(4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基を含む)等が挙げら
れる。これら置換基はこれら置換基でさらに置換されて
いてもよい。一般式(a)のR100、R110、R120で表
される基は、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。
【0039】一般式(a)のMで表される基の例として
は、m10が1を表す時、R100、R1 10、R120と同義の
基が挙げられる。m10が2以上の整数を表す時、MはM
に含まれる炭素原子でQ1 +と結合するm10価の連結基を
表し、具体的には、アルキレン基、アリーレン基、ヘテ
ロ環基、さらにはこれらの基と−CO−基、−O−基、
−N(RN)−基、−S−基、−SO−基、−SO2-、
−P(=O)−基を組みあわせて形成されるm10価の連
結基を表す(RNは水素原子またはR100、R11 0、R120
と同義の基を表し、分子内に複数のRNが存在する時、
これらは同じであっても異なっていても良く、さらには
互いに結合していても良い)。Mは任意の置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては、R100、R110、R
120で表される基が有していてもよい置換基と同じもの
が挙げられる。
【0040】一般式(a)においてR100、R110、R
120は、好ましくは炭素数20以下の基であり、Q1がリ
ン原子を表す時、炭素数15以下のアリール基が特に好
ましく、Q1が窒素原子を表す時、炭素数15以下のア
ルキル基、アラルキル基又はアリール基が特に好まし
い。m10は1または2が好ましく、m10が1を表す時、
Mは好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素数1
5以下のアルキル基、アラルキル基またはアリール基が
特に好ましい。m10が2を表す時、Mで表される2価の
有機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、さ
らにはこれらの基と−CO−基、−O−基、−N
(RN)−基、−S−基、−SO2-基を組みあわせて形
成される2価の基である。m10が2を表す時、MはMに
含まれる炭素原子でQ1 +と結合する総炭素数20以下の
2価の基であることが好ましい。なおM、あるいはR
100、R110、R120が、エチレンオキシ基もしくはプロ
ピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場合、以上
述べた総炭素数の好ましい範囲は、その限りではない。
またm10が2以上の整数を表す時、分子内にR100、R
110、R 120はそれぞれ複数存在するが、その複数のR
100、R110、R120はそれぞれ同じであっても異なって
いても良い。
【0041】一般式(a)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所
に置換されていても、あるいは複数箇所にまたがって置
換されていてもよい。m10が2以上の整数を表す時、M
で表される連結基に、エチレンオキシ基もしくはプロピ
レンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有している
ことがより好ましい。
【0042】一般式(b)、一般式(c)または一般式
(d)において、A1、A2、A3、A4、A5は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表し、炭素原子、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子および水素原子を含んでも
よく、更にベンゼン環が縮環してもかまわない。A1
2、A3、A4、A5が形成する不飽和ヘテロ環の例とし
ては、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミ
ダゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾ
トリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリミジン環、
ピラゾール環などを挙げることができる。特に好ましく
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環である。
1、A2、A3、A4、A5が4級化された窒素原子と共
に形成する不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよ
い。この場合の置換基の例としては、一般式(a)のR
100、R110、R120で表される基が有していてもよい置
換基と同じものが挙げられる。置換基として好ましく
は、ハロゲン原子(特にクロロ原子)、炭素数20以下
のアリール基(特にフェニル基が好ましい)、アルキル
基、アルキニル基、カルバモイル基、(アルキルもしく
はアリール)アミノ基、(アルキルもしくはアリール)オ
キシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒドロキシ基、メ
ルカプト基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ス
ルホ基(スルホナートを含む)、カルボキシル基(カルボ
キシラートを含む)、シアノ基、等が挙げられる。特に
好ましくは、フェニル基、アルキルアミノ基、カルボン
アミド基、クロロ原子、アルキルチオ基等であり、最も
好ましくはフェニル基である。
【0043】L10、L20で表される2価の連結基は、ア
ルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキニレン、
2価のヘテロ環基、−SO2-、−SO−、−O−、−S
−、−N(RN’)−、−C(=O)−、−PO−を単
独または組合せて構成されるものが好ましい。ただしR
N’はアルキル基、アラルキル基、アリール基、水素原
子を表す。L10、L20で表される2価の連結基は任意の
置換基を有していてもよい。置換基の例としては、一般
式(a)のR100、R110、R120で表される基が有して
いてもよい置換基と同じものが挙げられる。L10、L20
の特に好ましい例として、アルキレン、アリーレン、−
C(=O)−、−O−、−S−、−SO 2-、−N
(RN’)−を単独または組合せて構成されるものを挙
げることができる。
【0044】R111、R222、R333は炭素数1〜20の
アルキル基またはアラルキル基が好ましく、各々同じで
も異なっていてもよい。R111、R222、R333は置換基
を有していてもよく、置換基としては、一般式(a)の
100、R110、R120で表される基が有していてもよい
置換基と同じものが挙げられる。特に好ましくは、R
111、R222、R333は各々炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基である。その好ましい置換基の例と
しては、カルバモイル基、オキシカルボニル基、アシル
基、アリール基、スルホ基(スルホナートを含む)、カル
ボキシル基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ基、
(アルキルまたはアリール)アミノ基、アルコキシ基を
挙げることができる。但しR111、R222、R333にエチ
レンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単
位を複数個含む場合、以上のR111、R222、R333につ
いて述べた炭素数の好ましい範囲は、その限りではな
い。
【0045】一般式(b)または一般式(c)で表され
る4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基もしくは
プロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有す
るが、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数
箇所に置換されていてもよく、A1、A2、A3、A4、R
111、R222、L10、L20の何れに置換されていてもよい
が、好ましくは、L10またはL20で表される連結基に、
エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返
し単位を計20個以上有していることが好ましい。
【0046】一般式(d)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所
に置換されていても、あるいは複数箇所に置換されてい
てもよく、A5またはR333の何れに置換されていてもよ
いが、好ましくは、R333で表される基に、エチレンオ
キシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計
20個以上有していることが好ましい。
【0047】一般式(a)、一般式(b)、一般式
(c)、および一般式(d)で表される4級塩化合物
は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを、同時
に繰り返し含んでいてもよい。またエチレンオキシ基ま
たはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場
合に、繰り返し個数は、厳密に一つの値を取っていて
も、あるいは平均値として与えられてもよく、後者の場
合、4級塩化合物としては、ある程度の分子量分布を持
つ、混合物となる。本発明においてはエチレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有する場合がより好まし
く、さらに計20個〜計67個有する場合が好ましい。
【0048】一般式(e)においてQ2、R200
210、R220は、それぞれ一般式(a)におけるQ1
100、R110、R120と同義の基を表し、その好ましい
範囲もまた同じである。一般式(f)においてA6は、
一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表し、
その好ましい範囲もまた同じである。但し、一般式
(f)のA6が4級化された窒素原子と共に形成する含
窒素不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよいが、
1級の水酸基を含む置換基を有することはない。
【0049】一般式(e)および一般式(f)において
30はアルキレン基を表す。アルキレン基としては、直
鎖、分岐、あるいは環状の、置換もしくは無置換のアル
キレン基で、炭素数1〜20のものが好ましい。またエチ
レン基に代表される飽和のもののみならず、-CH2C6H4CH
2-や-CH2CH=CHCH2-に代表される不飽和の基が含まれて
いるものでも良い。またL30が置換基を有する時、その
置換基としては一般式(a)のR100、R110、R120
表される基が有していてもよい置換基の例が挙げられ
る。L30としては炭素数が1〜10の、直鎖または分岐の
飽和の基が好ましい。さらに好ましくは、置換もしくは
無置換の、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基
で、特に好ましくは置換もしくは無置換の、メチレン基
またはエチレン基で、最も好ましくは置換もしくは無置
換のメチレン基である。
【0050】一般式(e)および一般式(f)において
40は、少なくとも一つの親水性基を有する2価の連結
基を表す。ここに親水性基とは−SO2-、−SO−、−O
−、−P(=O)=、−C(=O)−、−CONH−、−SO2
NH−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、アミ
ノ基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化された窒素
原子を含むヘテロ環基の各基、あるいはこれらの基の組
み合わせからなる基を表す。これらの親水性基とアルキ
レン基、アルケニレン基、アリーレン基、へテロ環基を
適宜組み合わせてL40が構成される。L40を構成するア
ルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、へテロ環
基等の基は、置換基を有していてもよい。置換基として
は、一般式(a)のR100、R110、R120で表される基
が有していてもよい置換基の例と同じものが挙げられ
る。L40において親水性基はL40を分断する形態で存在
していても、L40上の置換基の一部として存在していて
も良いが、L40を分断する形態で存在していることがよ
り好ましい。例えば-C(=O)-、-SO2-、-SO-、-O-、-P(=
O)=、-CONH-、-SO2NH-、-NHSO2NH-、-NHCONH-、カチオ
ン性基(具体的には窒素またはリンの4級塩構造、ある
いは4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環)、ア
ミノ基、グアジニノ基の各基、あるいはこれらの基の組
み合わせからなる2価の基が、L40を分断する形態で存
在している場合である。
【0051】L40が有する親水性基として好ましい例の
一つは、エーテル結合とアルキレン基を組み合わせた、
エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基の繰り返し単位
を複数個有する基である。その重合度もしくは平均重合
度は、2〜67個が好ましい。L40が有する親水性基と
してはまた、−SO2-、−SO−、−O−、−P(=O)=、−C
(=O)−、−CONH−、−SO2NH−、−NHSO2
NH−、−NHCONH−、アミノ基、グアジニノ基、
アンモニオ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基
等の基を組み合わせた結果として、あるいはまたはL40
の有する置換基として、解離性基を含む場合も好まし
い。ここで解離性基とは、アルカリ性の現像液で解離し
うる酸性度の低いプロトンを有する基もしくは部分構
造、あるいはまたその塩を意味し、具体的には、例えば
カルボキシ基/−COOH、スルホ基/−SO3H、ホ
スホン酸基/−PO3H、リン酸基/−OPO3H、ヒド
ロキシ基/−OH基、メルカプト基/−SH、−SO2
NH2基、N−置換のスルホンアミド基/−SO2NH−
基、−CONHSO2-基、−SO2NHSO2-基、−C
ONHCO−基、活性メチレン基、含窒素ヘテロ環基に
内在する−NH−基、またはこれらの塩のことである。
【0052】L40は好ましくはアルキレン基またはアリ
ーレン基と、-C(=O)-、-SO2-、-O-、-CONH-、-SO2NH-、
-NHSO2NH-、-NHCONH-、およびアミノ基を適宜組み合わ
せたものが用いられる。より好ましくは炭素数2〜5のア
ルキレン基と-C(=O)-、-SO2-、-O-、-CONH-、-SO2NH-、
-NHSO2NH-、-NHCONH-を適宜組み合わせたものが用いら
れる。
【0053】Yは-C(=O)-または-SO2-を表す。好ましく
は-C(=O)-が用いられる。
【0054】一般式(a)〜一般式(f)においてXn-
で表される対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテー
トイオン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベ
ンゾエートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−
トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンス
ルホネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネート
イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝
酸イオン等が挙げられる。Xn-で表される対アニオンと
しては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、ス
ルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、nは1また
は2が好ましい。Xn-としては、クロロイオンまたはブ
ロモイオンが特に好ましく、クロロイオンが最も好まし
い。但し、分子内に別にアニオン基を有し、Q1 +、Q2 +
またはN+と分子内塩を形成する場合、Xn-は必要な
い。
【0055】本発明の4級塩化合物としては、一般式
(b)、一般式(c)、一般式(f)で表される4級塩
化合物がより好ましく、中でも一般式(b)および一般
式(f)で表される4級塩化合物が特に好ましい。さら
に一般式(b)においては、L 10で表される連結基にエ
チレンオキシ基の繰り返し単位を20個以上有する場合
が好ましく、さらに20個〜67個有する場合が特に好
ましい。また一般式(f)においては、A6が形成する
不飽和へテロ環化合物が4-フェニルピリジン、イソキノ
リン、キノリンを表す時が特に好ましい。
【0056】次に一般式(a)〜一般式(f)で表され
る4級塩化合物の具体例を示す。(式中、Phはフェニ
ル基を表す。)ただし本発明は以下の化合物例によって
限定されるものではない。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】本発明の一般式(a)〜一般式(f)で表
される4級塩化合物は、公知の方法により容易に合成す
ることができるが、以下に、その合成例を示す。
【0066】合成例1(例示化合物3の合成) ポリエチレングリコール(平均分子量2000、800g)、
塩化チオニル(584ml)とDMF(4ml)を室温で混
合した後、90℃に加熱し5時間撹拌した。過剰の塩化チ
オニルを留去した後に、4−フェニルピリジン(372g)
を加え150℃で7時間反応させた。反応混合物を酢酸エチ
ル/2−プロパノール(10/1)の溶液にし、冷却して析
出した固体を濾取した。これを乾燥して、目的とする例
示化合物3を得た。(584g,収率62%)
【0067】合成例2(例示化合物6の合成) ポリエチレングリコール(平均分子量2000、10g)、塩
化チオニル(7.3ml)とDMF(0.1ml)を室温で混
合した後、90℃に加熱し5時間撹拌した。過剰の塩化チ
オニルを留去した後に、イソキノリン(4.0g)を加え1
50℃で7時間反応させた。反応混合物を酢酸エチル/2
−プロパノール(10/1)の溶液にし、冷却して析出した
固体を濾取した。これを乾燥し、目的とする例示化合物
6を得た。(7.1g,収率60%)
【0068】合成例3(例示化合物4の合成) 上記合成例1において、ポリエチレングリコール(平均
分子量2000)を用いる代わりに、ポリエチレングリコー
ル(平均分子量3000)を用いた以外は、全く同様にして
例示化合物4を得た。
【0069】合成例4(例示化合物65の合成) 1,10-ジアミノ-4,7-ジオキサデカン(17.6g、0.1モ
ル)、炭酸カリウム(27.6g、0.2モル)、酢酸エチル
(100ml)、水(50ml)を室温で激しく撹拌し、そこに
クロロアセチルクロリド(34g、 0.3モル)を滴下し
た。この反応液を分液し、酢酸エチル層を硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、濃縮すると1,10-ビス(クロロアセチルア
ミノ)-4,7-ジオキサデカンが得られた(23g、収率70
%)。この化合物3.3gとトリフェニルホスフィン(7.9
g)を混合し、150℃で5時間加熱した。反応混合物を冷
却後酢酸エチルで3回洗浄すると、褐色の粘稠な液体と
して例示化合物65が5.4g(収率63%)が得られた。
【0070】合成例5(例示化合物62の合成) 合成例4におけるトリフェニルホスフィンの代わりに4-
フェニルピリジンを用いた以外、全く同様の操作を行
い、例示化合物62を得た。
【0071】合成例6(例示化合物71の合成) 合成例4における1,10-ジアミノ-4,7-ジオキサデカンの
代わりにO,O’-ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレ
ングリコール800を用い、トリフェニルホスフィンの代
わりに4-フェニルピリジンを用いた以外全く同様の操作
を行い、例示化合物71を得た。
【0072】本発明の造核促進剤は、適当な水混和性有
機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノー
ル、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに
溶解して用いることができる。
【0073】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水の中
にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって
分散し用いることができる。
【0074】本発明の造核促進剤は、支持体に対してハ
ロゲン化銀乳剤層側のハロゲン化銀乳剤を含まない親水
性コロイド層からなる非感光性層に添加することが好ま
しく、特に該ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の親水性
コロイド層からなる非感光性層に添加することが好まし
い。本発明の造核促進剤の添加量はハロゲン化銀1モル
に対し1×10-6〜2×10-2モルが好ましく、1×1
-5〜2×10-2モルがより好ましく、2×10-5〜1
×10-2モルが最も好ましい。また、2種類以上の造核
促進剤を併用して使用することもできる。
【0075】次に、本発明の、酸化されることにより現
像抑制剤を放出しうるレドックス化合物について説明す
る。レドックス化合物のレドックス基としては、ハイド
ロキノン類、カテコール類、ナフトハイドロキノン基、
アミノフェノール類、ピラゾリドン類、ヒドラジン類、
ヒドロキシルアミン類、レダクトン類であることが好ま
しく、ヒドラジン類であることがさらに好ましい。本発
明の酸化されることにより現像抑制剤を放出しうるレド
ックス化合物として用いられるヒドラジン類は、好まし
くは一般式(R−1)、一般式(R−2)、一般式(R
−3)で表わされる。一般式(R−1)で表わされる化
合物が特に好ましい。
【0076】
【化11】
【0077】式中R1は脂肪族基または芳香族基を表わ
す。G1は−CO−基、−COCO−基、−CS−基、
−C(=NG22)−基、−SO−基、−SO2−基ま
たは−P(O)(G22)−基を表わす。G2は単なる
結合手、−O−基、−S−基または−N(R2)−基を
表わし、R2はR1と同定義の基または水素原子を表わ
し、分子内に複数のR2が存在する場合それらは同じで
あっても異なっても良い。A1、A2は水素原子、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基またはアシル基
を表わし置換されていても良い。一般式(R−1)では
1、A2の少なくとも一方は水素原子である。A3はA1
と同義または−CH2CH(A4)-(Time)t-PUGを表わす。A4
ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホニル基ま
たは−G1−G2−R1(この場合、分子内の2つの−G1
−G2−R1は同じであっても異なっても良い。)を表わ
す。Timeは二価の連結基を表わし、tは0または1
を表わす。PUGは現像抑制剤を表わす。
【0078】一般式(R−1)、(R−2)、(R−
3)についてさらに詳細に説明する。一般式(R−
1)、(R−2)、(R−3)において、R1で表され
る脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであっ
て、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアル
キル基である。このアルキル基は置換基を有していても
よい。一般式(R−1)、(R−2)、(R−3)にお
いて、R1で表される芳香族基は単環または2環のアリ
ール基または芳香族ヘテロ環基である。ここで芳香族ヘ
テロ環基はアリール基と縮合してヘテロアリール基を形
成してもよい。例えばベンゼン環、ナフタレン環、ピリ
ジン環、キノリン環、イソキノリン環等がある。なかで
もベンゼン環を含むものが好ましい。R1として特に好
ましいものはアリール基である。
【0079】R1のアリール基または芳香族ヘテロ環基
は置換されていてもよく、代表的な置換基としては、例
えばアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アルコキシ基、アリール基、置換アミノ基、ウ
レイド基、チオウレイド基、イソチオウレイド基、ウレ
タン基、アリールオキシ基、スルファモイル基、カルバ
モイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニ
ル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基、スルホ基、アリールオキシカルボニル基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カ
ルボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルア
ミノ基、カルボキシル基、リン酸アミド基などが挙げら
れ、好ましい置換基としては直鎖、分岐または環状のア
ルキル基(好ましくは炭素数1〜20のもの)、アラル
キル基(好ましくは炭素数7〜30のもの)、アルコキ
シ基(好ましくは炭素数1〜30のもの)、置換アミノ
基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基で置換され
たアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜
40を持つもの)、スルホンアミド基(好ましくは炭素
数1〜40を持つもの)、ウレイド基(好ましくは炭素
数1〜40を持つもの)、スルファモイルアミノ基(好
ましくは炭素数1〜40を持つもの)、リン酸アミド基
(好ましくは炭素数1〜40のもの)などである。
【0080】一般式(R−1)、(R−2)、(R−
3)におけるG1としては−CO−基、−SO2−基が好
ましく、−CO−基が最も好ましい。A1、A2としては
水素原子が好ましく、A3としては水素原子、-CH2-CH(A
4)-(Time)t-PUGが好ましい。
【0081】一般式(R−1)、(R−2)、(R−
3)においてTimeは二価の連結基を表わし、タイミ
ング調節機能を有していてもよい。Timeで表わされ
る二価の連結基は、酸化還元母核の酸化体から放出され
るTime−PUGから一段階あるいはその以上の段階
の反応を経てPUGを放出せしめる基を表わす。Tim
eで表わされる二価の連結基としては、例えば米国特許
第4,248,962号(特開昭54−145,135
号)等に記載のp−ニトロフェノキシ誘導体の分子内閉
環反応によってPUGを放出するもの;米国特許第4,
310,612号(特開昭55−53,330号)およ
び同4,358,525号等に記載の環開裂後の分子内
閉環反応によってPUGを放出するもの;米国特許第
4,330,617号、同4,446,216号、同
4,483,919号、特開昭59−121,328号
等に記載のコハク酸モノエステルまたはその類縁体のカ
ルボキシル基の分子内閉環反応による酸無水物の生成を
伴って、PUGを放出するもの;米国特許第4,40
9,323号、同4,421,845号、リサーチ・デ
ィスクロージャー誌No. 21,228(1981年12
月)、米国特許第4,416,977号(特開昭57−
135,944号)、特開昭58−209,736号、
同58−209,738号等に記載のアリールオキシ基
またはヘテロ環オキシ基が共役した二重結合を介した電
子移動によりキノモノメタン、またはその類縁体を生成
してPUGを放出するもの;米国特許第4,420,5
54号(特開昭57−136,640号)、特開昭57
−135,945号、同57−188,035号、同5
8−98,728号および同58−209,737号等
に記載の含窒素ヘテロ環のエナミン構造を有する部分の
電子移動によりエナミンのγ位よりPUGを放出するも
の;特開昭57−56,837号に記載の含窒素ヘテロ
環の窒素原子と共役したカルボニル基への電子移動によ
り生成したオキシ基の分子内閉環反応によりPUGを放
出するもの;米国特許第4,146,396号(特開昭
52−90932号)、特開昭59−93,442号、
特開昭59−75475号、特開昭60−249148
号、特開昭60−249149号等に記載のアルデヒド
類の生成を伴ってPUGを放出するもの;特開昭51−
146,828号、同57−179,842号、同59
−104,641号に記載のカルボキシル基の脱炭酸を
伴ってPUGを放出するもの;−O-COOCRaRb-PUG
(R a,Rbは一価の基を表わす。)の構造を有し、脱炭
酸と引き続くアルデヒド類の生成を伴ってPUGを放出
するもの;特開昭60−7,429号に記載のイソシア
ナートの生成を伴ってPUGを放出するもの;米国特許
第4,438,193号等に記載のカラー現像薬の酸化
体とのカップリング反応によりPUGを放出するものな
どを挙げることができる。これら、Timeで表わされ
る二価の連結基の具体例については特開昭61−23
6,549号、特開平1−269,936号、同3−6
7,246号等にも詳細に記載されている。
【0082】一般式(R−1)、(R−2)、(R−
3)においてPUGは現像抑制剤である。PUGはヘテ
ロ原子を有し、ヘテロ原子を介して一般式(R−1)、
(R−2)、(R−3)で表わされる化合物の他の部分
と結合している。一般的に公知の現像抑制剤の例はたと
えばテー・エッチ・ジェームズ(T.H.James)著「ザ・セ
オリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The
Theoryof the Photographic Process)」第4版、19
77年、マクミラン(Macmillan)社刊、396頁〜39
9頁や特開平3−67,246号明細書56頁〜69頁
などに記載されている。これらの現像抑制剤は置換基を
有してもよい。有用な置換基としては例えば、メルカプ
ト基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
基、ヒドロキシ基、アルキル基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニ
ルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルファモイル
基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン原子、シ
アノ基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボンアミド
基、スルホンアミド基、ホスホンアミド基などが挙げら
れ、これらの基はさらに置換されても良い。
【0083】本発明に用いるPUGで表わされる現像抑
制剤は造核伝染現像を抑制する化合物であることが好ま
しい。造核伝染現像は、富士フイルム GRANDEXシステム
(富士写真フイルム(株)やKodak Ultratecシステム
(Eastman Kodak Co.,Ltd.) の画像形成法に用いられた
新しい現像ケミストリーである。この現像ケミストリー
は、「日本写真学会誌,52巻5号390〜394頁
(1989)や「ジャーナル オブ フォトグラフィッ
ク サイエンス」35巻 162頁(1987)に解説
されているように、露光されたハロゲン化銀粒子の通常
の現像主薬による現像過程と、それによって生成した現
像薬の酸化生成物と造核剤とのクロス酸化に基づいて造
核活性種が生成し、この活性種による周辺の未露光〜弱
く露光されたハロゲン化銀粒子の造核伝染現像過程の2
つの過程から成っている。従って、全体の現像過程は、
通常の現像過程と、造核現像過程の総和からなっている
ので、現像抑制剤として従来知られている通常の現像抑
制剤の他に、新しく造核伝染現像過程を抑制する化合物
が抑制作用を発揮しうる。後者を、ここでは、造核現像
抑制剤と称する。本発明に用いるPUGで表わされる現
像抑制剤は、造核現像抑制剤が好ましい。造核現像抑制
剤として作用する化合物としては、従来知られている現
像抑制剤も効果があるが、特に有効な化合物は、少なく
とも1つ以上のニトロ基、またはニトロソ基を有する化
合物、ピリジン、ピラジン、キノリン、キノキサリン、
あるいはフェナジンなどの含窒素複素環骨格、特に6員
の含窒素複素芳香環骨格を有する化合物、N−ハロゲン
結合を有する化合物、キノン類、テトラゾリウム類、ア
ミンオキシド類、アゾキシ化合物類、酸化能を有する配
位化合物類などである。その中でもニトロ基を有する化
合物、およびピリジン骨格を有する化合物が特に有効で
ある。
【0084】これらの造核現像抑制剤は置換基を有して
も良く、それら置換基の性質、例えば電子吸引性、電子
供与性、疎水性、親水性、電荷、ハロゲン化銀への吸着
性などの性質によって現像抑制の強さ、拡散のし易さを
はじめとするさまざまな特性をコントロールすることが
できる。有用な置換基の例としては前に一般的な現像抑
制剤の置換基の例として列挙したものがあてはまる。本
発明に有用なこれらの造核現像抑制剤の具体例は特開平
4−136839号、特許第2665693号などに詳
細に記載されているほか、特開平4−136841号、
特許第2631162号、特許第2725088号、特
開平4−283743号、特許第2779712号にも
Ind として記載されている。また、別の系列の造核現像
抑制剤として、アニオン性荷電基、あるいは現像液中で
解離してアニオン性荷電を生じうる解離性基を有するハ
ロゲン化銀粒子への吸着性化合物も有効であり、これら
は特許第2694373号にも詳細に記載されている。
【0085】一般式(R−1)、(R−2)、(R−
3)において、R1または Timeは、その中にカプラー等
の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト
基や一般式(R−1)、(R−2)、(R−3)で表わ
される化合物がハロゲン化銀に吸着することを促進する
基が組み込まれていてもよい。バラスト基は一般式(R
−1)、(R−2)、(R−3)で表わされる化合物が
実質的に他層または処理液中へ拡散できないようにする
のに十分な分子量を与える有機基であり、6以上の炭素
数を有する、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(または
アルキレン基)、アルコキシ基(またはアルキレンオキ
シ基)、アルキルアミノ基(またはアルキレンアミノ
基)、アルキルチオ基、あるいはこれらを部分構造とし
て、他にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、−CO
−、−CONH−、−NHCONH−、−NHCSNH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−等の基との組み
合わせからなる基を表す。バラスト基として好ましくは
炭素数6〜30のアルキル基が組み合わされた基が好ま
しく、特に炭素数7〜24のアルキル基が組み合わされ
た基が好ましい。
【0086】ハロゲン化銀への吸着促進基としては、具
体的には4−チアゾリン−2−チオン、4−イミダゾリ
ン−2−チオン、2−チオヒダントイン、ローダニン、
チオバルビツール酸、テトラゾリン−5−チオン、1,
2,4−トリアゾリン−3−チオン、1,3,4−オキ
サゾリン−2−チオン、ベンズイミダゾリン−2−チオ
ン、ベンズオキサゾリン−2−チオン、ベンゾチアゾリ
ン−2−チオン、チオトリアジン、1,3−イミダゾリ
ン−2−チオンのような環状チオアミド基、鎖状チオア
ミド基、脂肪族メルカプト基、芳香族メルカプト基、ヘ
テロ環メルカプト基(−SH基が結合した炭素原子の隣
が窒素原子の場合はこれと互変異性体の関係にある環状
チオアミド基と同義であり、この基の具体例は上に列挙
したものと同じである。)、ジスルフィド結合を有する
基、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、テトラゾー
ル、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾー
ル、ベンゾチアゾール、チアゾール、チアゾリン、ベン
ゾオキサゾール、オキサゾール、オキサゾリン、チアジ
アゾール、オキサチアゾール、トリアジン、アザインデ
ンのような窒素、酸素、硫黄及び炭素の組合せからなる
5員ないし6員の含窒素ヘテロ環基、及びベンズイミダ
ゾリニウムのような複素環四級塩などが挙げられる。こ
れらはさらに適当な置換基で置換されていてもよい。置
換基としては、例えばR1の置換基として述べたものが
挙げられる。
【0087】一般式(R−1)、(R−2)、(R−
3)においてR1または Timeは、その中に以下に述べる
特定の基を含んでいてもよい。即ち、カチオン性基(具
体的には、4級のアンモニオ基を含む基、4級化された
リン原子を含む基、または4級化された窒素原子を含む
含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロ
ピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル,
アリール,またはヘテロ環)チオ基、解離性基(アルカ
リ性の現像液で解離しうる酸性度の低いプロトンを有す
る基もしくは部分構造、あるいはまたその塩を意味し、
具体的には、例えばカルボキシ基/−COOH、スルホ
基/−SO3H、ホスホン酸基/−PO3H、リン酸基/
−OPO3H、ヒドロキシ基/−OH基、メルカプト基
/−SH、−SO2NH2基、N−置換のスルホンアミド
基/−SO2NH−基、−CONHSO2−基、−SO2
NHSO2―基、−CONHCO−基、活性メチレン
基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、またはこ
れらの塩)を含んでいてもよい。一般式(R−1)で表
される化合物はまた、そのヒドラジン基/−N(A1)
−N(A2)−の部分構造に関しての多量体(例えば2
〜6量体)を形成しうる様な構造をしていてもよい。
【0088】以下に本発明の一般式(R−1)、(R−
2)、(R−3)で表される化合物の具体例を列記する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【表14】
【0095】
【表15】
【0096】
【表16】
【0097】本発明の一般式(R−1)で表される化合
物のうち、さらに好ましいものは、下記一般式(1a)
で表される。
【0098】
【化12】
【0099】一般式(1a)においてPUGNは現像抑制剤
を表し、かつ隣接するカルボニル基と窒素原子で結合す
る含窒素ヘテロ環残基を表す。但し該ヘテロ環基は、そ
の置換基として少なくとも1つのニトロ基を直接もしく
は間接的に有し、かつpKa値9〜11を与え得るヘテロ
環基を表す。phはフェニル基を表し、少なくとも1つ
の解離性基を直接もしくは間接的に置換基として有す
る。Zはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、pは0
〜4の整数を表す。
【0100】次に本発明の一般式(1a)で表される化
合物 について詳しく説明する。一般式(1a)におい
てZは、ベンゼン環上に置換しうる任意の置換基を表
す。任意の置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ
素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、ア
ルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチ
ン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環
基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイ
ル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモ
イル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキ
シ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ
もしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバ
モイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(ア
ルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、N−置
換の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アル
コキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、
スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミ
カルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オ
キサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)ス
ルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルフ
ァモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキ
ル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキルま
たはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリー
ル)スルフィニル基、スルファモイル基、アシルスルフ
ァモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその
塩、スルホ基またはその塩、リン酸アミドもしくはリン
酸エステル構造を含む基、等が挙げられる。
【0101】これら置換基は、これら置換基でさらに置
換されていてもよい。
【0102】一般式(1a)においてphで表されるフ
ェニル基は、少なくとも1つの解離性基を直接もしくは
間接的に置換基として有する。ここに解離性基とは、ア
ルカリ性の現像液中において解離しうる酸性度の低いプ
ロトンを有する基もしくは部分構造、あるいはまたその
塩のことで、具体的には、例えばカルボキシ基(−CO
OH)、ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基(−O
PO3H)、アリールスルホンアミド基、アルキルスル
ホンアミド基、スルファモイル基、アシルスルファモイ
ル基、カルバモイルスルファモイル基、スルホニルウレ
イド基、スルホニルカルバモイル基、スルファモイルカ
ルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルホニルスル
ファモイル基、活性メチレン基、またはこれらの塩であ
る。但しスルホ基(−SO3H)、メルカプト基(−S
H)、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、ヒドロ
キシ基(−OH基)は含まれない。またアリールスルホ
ンアミド基は、少なくとも1つの電子吸引性基を置換基
として有するベンゼンスルホンアミド基に限られる。こ
こで電子吸引性基とは、ベンゼンスルホンアミド基のベ
ンゼン環のオルト位またはパラ位の置換基についてはハ
メットの置換基定数σp値が正の値を取る置換基を意味
し、ベンゼン環のメタ位の置換基についてはσm値が正
の値を取る置換基を意味する。ここでσpが正の値を取
る置換基とは具体的に、ハロゲン原子、アシル基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルバモイル基、カルボキシル基、シアノ基、(アルキル
またはアリール)スルホニル基、スルホ基またはその
塩、スルファモイル基、ニトロ基、チオウレイド基、ス
ルホンアミド基、イミド基、複数のハロゲン原子で置換
されたアルキル基(−CF3基等)等が挙げられ、また
σmが正の値を取る置換基とは、σpが正の値を取る置
換基として挙げた例と同じものが挙げられる他に、アシ
ルアミノ基、ウレイド基、(アルコキシもしくはアリー
ルオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。これ
ら電子吸引性基は該ベンゼン環に2つ以上置換していて
もよく、また該ベンゼン環は電子吸引性基以外の任意の
置換基を有していてもよい。
【0103】解離性基が活性メチレン基を表す時、活性
メチレン基とは2つまたは3つの電子吸引性基に挟まれ
たメチレン基もしくはメチン基を意味し、電子吸引性基
とはハメットの置換基定数σpが正の値を取りうる原子
団で、具体的には上述の説明の通りである。2つまたは
3つの電子吸引性基は互いに結合して環状構造をとって
いてもよい。
【0104】なお本発明において、解離性基の塩とは具
体的に、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、リチ
ウムカチオン、マグネシウムカチオン、テトラブチルア
ンモニウムカチオン等の、アルカリ金属イオン、アルカ
リ土類金属イオン、有機アンモニウムイオン、有機ホス
ホニウムイオンなどが挙げられる。
【0105】一般式(1a)においてph基が、間接的
に少なくとも1つの解離性基を有する場合とは、解離性
基が2価もしくはそれ以上の連結基を介して、ph基に
置換されている場合を言う。ここに2価もしくはそれ以
上の連結基とは、具体的に次の一般式で表される。 {(*)m−L1}n−L2−** ここにL1はアルキレン基またはフェニレン基を表し、
L2は、−O−,−NRN−,−S−,−C=O−,−
SO2−,−SO−,−C=S−,−P=O−の単独、
もしくはこれらの基の組み合わせからなる基を表し、R
Nは水素原子、一価のアルキル基または一価のアリール
基を表す。*は解離性基との結合位置を示し、**は一
般式(1a)のph基との結合位置を示す。mは1また
は2、nは1または2を表す。L1またはRNで表され
る基は、任意の置換基を有していてもよく、具体的には
一般式(1a)のZで表される基について説明した置換
基と同じものが挙げられる。
【0106】一般式(1a)においてph基は、置換基
として、解離性基もしくは解離性基を含む置換基以外
に、同時に任意の置換基を有していてもよく、ここに任
意の置換基とは、具体的には一般式(1a)のZで表さ
れる置換基について説明した置換基と同じものが挙げら
れる。
【0107】一般式(1)においてPUGNで表される含窒
素ヘテロ環基は、現像抑制剤を表すが、これは一般式
(R−1)のPUGで表される現像抑制剤と同義の基で
ある。一般式(1a)においてPUGNで表される含窒素ヘ
テロ環基は、窒素原子を有し、窒素原子を介して隣接す
るカルボニル基と結合する、pKa値9〜11を与える含
窒素ヘテロ環基で、その置換基として少なくとも1つの
ニトロ基を直接もしくは間接的に有する含窒素ヘテロ環
基である。ここにpKa値とは、アセトニトリルおよび水
の1:1混合溶液を溶媒として、酸−塩基規定によりpH
メーターで求められるpKa値である。一般式(1a)に
おいてPUGNで表される含窒素ヘテロ環基とは、5員〜7
員の、芳香族もしくは非芳香族の、単環もしくは縮環
の、含窒素ヘテロ環基で、そのヘテロ環を具体的に挙げ
れば、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール類、
インダゾール類、フタルイミド類、コハク酸イミド類、
ヒダントイン類、ウラゾール類、o-スルホベンツイミド
類、イサチン類等を挙げることが出来る。一般式(1
a)においてPUGNで表される含窒素ヘテロ環基が、その
置換基として少なくとも1つのニトロ基を間接的に有す
る時、ニトロ基とPUGNで表される含窒素ヘテロ環基とを
連結する置換基としては、少なくとも1つのアリーレン
基を含む2価の連結基を表し、アルキレン基,−O−,
−NRN'−,−S−,−C=O−,−SO2−,−SO
−,−C=S−,−P=O−の単独、もしくはこれらの
基の組み合わせからなる基を含んでいてもよい。ここに
N'は水素原子、一価のアルキル基または一価のアリー
ル基を表す。
【0108】次に本発明の一般式(1a)で表される化
合物の、好ましい範囲について述べる。
【0109】一般式(1a)においてZの好ましい例と
しては、アルキル基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、イミド基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、(アルキル,アリール,また
はヘテロ環)チオ基、スルファモイル基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。一般式(1
a)においてpは、好ましくは0または1、より好まし
くは0である。
【0110】一般式(1a)においてph基が有する解
離性基として好ましくは、カルボキシ基(−COO
H)、アリールスルホンアミド基、アルキルスルホンア
ミド基、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、
カルバモイルスルファモイル基、スルホニルウレイド
基、スルホニルカルバモイル基、スルファモイルカルバ
モイル基、アシルカルバモイル基、スルホニルスルファ
モイル基、活性メチレン基、またはこれらの塩である。
特に好ましくは、カルボキシ基またはその塩、アリール
スルホンアミド基、スルホニルウレイド基、スルホニル
カルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基であ
る。ここでアリールスルホンアミド基は、少なくとも1
つの電子吸引性基を置換基として有するベンゼンスルホ
ンアミド基に限られるが、ここで電子吸引性基として好
ましくは、ベンゼンスルホンアミド基のベンゼン環のオ
ルト位またはパラ位の置換基については具体的に、ハロ
ゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、シアノ基、スルファモイル基、ニトロ基、チ
オウレイド基、スルホンアミド基、イミド基、複数のハ
ロゲン原子で置換されたアルキル基(−CF3基等)等
が挙げられ、メタ位の置換基については、オルト位また
はパラ位の置換基として挙げたものの他に、アシルアミ
ノ基、ウレイド基、(アルコキシもしくはアリールオキ
シ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ア
ルコキシ基、等が挙げられる。
【0111】一般式(1a)においてph基が、2価も
しくはそれ以上の連結基を介して、間接的に少なくとも
1つの解離性基を有する場合に、その連結基として好ま
しい例を挙げると、*−アルキレン基−CONH−、*
−アルキレン基−NHCONH−、*−アルキレン基−
SO2NH−、*−アルキレン基−NHSO2NH−、*
−アルキレン基−NHCO−、*−アルキレン基−OC
O−、*−フェニレン基−CONH−、*−フェニレン
基−NHCONH−、*−フェニレン基−SO 2NH
−、*−フェニレン基−NHCO−、*−フェニレン基
−NHSO2NH−、*−フェニレン基−OCO−、等
が挙げられる。ここに*は解離性基との結合位置を表
す。
【0112】一般式(1a)においてPUGNで表されるヘ
テロ環基は、好ましくはpKa値9.5〜11.0の値を
与えうるヘテロ環基で、さらに好ましくはpKa値9.8
〜10.8の値を与えうるヘテロ環基である。
【0113】一般式(1a)においてPUGNで表されるヘ
テロ環基として好ましくは、ベンズイミダゾール類、イ
ンダゾール類、ベンゾトリアゾール類である。一般式
(1a)においてPUGNで表されるヘテロ環基に、ニトロ
基が間接的に置換している場合には、少なくとも1つの
ニトロ基が置換したフェニル基が、単結合もしくは2価
の連結基を介して、該ヘテロ環基に連結されていること
が好ましい。その連結基としては、−NHCO−、−N
HCONH−、−O−アルキレン−、−NHSO2−、
−O−、−S−、−S−アルキレン−、等の連結基が好
ましい。一般式(1a)においてPUGNがベンゾトリアゾ
ール類を表す時、ニトロ基は間接的に置換していること
が好ましく、さらには少なくとも1つのニトロ基が置換
したフェニル基が、Btr−NHCO−、Btr−NHCON
H−、Btr−O−アルキレン−、Btr−NHSO2−、Btr
−O−、Btr−S−、Btr−S−アルキレン−、等の連結
基を介して連結されていることが好ましい。ここでBtr
はベンゾトリアゾール類との置換位置を表す。
【0114】一般式(1a)においてPUGNで表されるヘ
テロ環基としては、インダゾール類が特に好ましい。さ
らには1つのニトロ基と、ニトロ基以外の1つもしくは
2つの電子吸引性の置換基が、同時に直接置換されたイ
ンダゾール類が特に好ましい。この場合、pKa9〜11
を与えうる、ニトロ基以外の電子吸引性の置換基とは具
体的に、ハロゲン原子(クロロ原子、ブロモ原子、フッ
素原子、よう素原子)、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルホン
アミド基、シアノ基、カルバモイル基、トリフルオロメ
チル基、カルボキシ基、スルホ基またはその塩、アシル
基、ホルミル基等が挙げられる。中でも、ハロゲン原
子、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、カル
バモイル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基が特に好ましく、アルコキシカルボニル
基(特にメトキシカルボニル基)が最も好ましい。
【0115】一般式(1a)で表される本発明の化合物
は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において
常用されているバラスト基またはポリマーが組み込まれ
ているものでもよい。特にバラスト基が含まれているも
のは、本発明の好ましい例の一つである。バラスト基に
ついては、一般式(R−1)〜(R−3)についての説
明の中で既に説明した。バラスト基は、一般式(1)で
表される化合物の何処に置換されていても良いが、好ま
しくはphで表される基に直接もしくは間接的に置換さ
れていることが好ましい。またポリマーとしては、例え
ば特開平1−100530号に記載のものが挙げられ
る。
【0116】一般式(1a)で表される化合物は、その
中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を
含む基、4級化されたリン原子を含む基、または4級化
された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレン
オキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を
含む基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ
基が含まれていてもよい。これらの基が含まれる例とし
ては、例えば特開平7−234471号、特開平5−3
33466号、特開平6−19032号、特開平6−1
9031号、特開平5−45761号、米国特許499
4365号、米国特許4988604号、特開平7−5
610号、特開平7−244348号、独特許4006
032号等に記載の化合物が挙げられる。一般式(1
a)で表される化合物に、(アルキル,アリール,また
はヘテロ環)チオ基が含まれているものは、本発明の好
ましい例の一つである。一般式(1a)で表される化合
物に、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基
が含まれる時、一般式(1a)のphで表される基に、
直接または間接的に置換されていることが好ましい。
【0117】一般式(1a)で表される化合物は、ハロ
ゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれてい
てもよい。かかる吸着基については、一般式(R−1)
〜(R−3)についての説明の中で既に説明した。
【0118】以下に本発明の一般式(1a)で表される
化合物の具体例を列記するが本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0119】
【表17】
【0120】
【表18】
【0121】
【表19】
【0122】
【表20】
【0123】
【表21】
【0124】
【表22】
【0125】
【表23】
【0126】
【表24】
【0127】
【表25】
【0128】本発明に用いられるレドックス化合物とし
ては上記のものの他に、例えば特開昭61−213,8
47号、同62−260,153号、特開平3−39,
953号、同3−39,951号、同3−39,949
号、同3−67,246号、同4−136839号、同
4−136840号、同4−136841号、同4−2
83743号、同4−278939号、特開平4−33
0432号、特許第2779712号、特許第2676
439号、特許第2709760号等に記載されたもの
を用いることができる。さらに11−263833号、
11−263901号、11−263997号、11−
2887号に記載されたものを用いることができる。
【0129】本発明に用いられるレドックス化合物の合
成法は上記の資料に記載されているほか、例えば米国特
許第4,684,604号、特開平1−269,936
号、米国特許第3,379,529号、同3,620,
746号、同4,377,634号、同4,332,8
78号、特開昭49−129,536号、同56−15
3,336号、同56−153,342号などに記載さ
れている。
【0130】本発明のレドックス化合物は、ハロゲン化
銀1モルあたり1×10-6〜5×10-2モル、より好ま
しくは1×10-5〜1×10-2モルの範囲内で用いられ
る。また、2種類以上のレドックス化合物を併用して使
用することもできる。本発明のレドックス化合物は、適
当な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
に良く知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作成して用いることもで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、レドックス化合物の粉末を水の中にボールミル、
コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いる
こともできる。
【0131】本発明に規定するレドックス化合物は、ハ
ロゲン化銀乳剤層、またはその他の親水性コロイド層に
添加される。また、複数のハロゲン化銀乳剤層のうちの
少なくとも一層に添加しても良い。いくつかの構成例を
あげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。 構成例 1) 支持体の上に、本発明に規定するレドック
ス化合物を含むハロゲン化銀乳剤層と保護層を有する。
これらの乳剤層、又は保護層に造核剤として本発明に規
定するヒドラジン誘導体を含んでも良い。 構成例 2) 支持体の上に、順に、第1のハロゲン化銀
乳剤層と第2のハロゲン化銀乳剤層を有し、第1のハロ
ゲン化銀乳剤層、もしくは隣接する親水性コロイド層
に、該ヒドラジン誘導体を含み、第2のハロゲン化銀乳
剤層、もしくは隣接する親水性コロイド層に該レドック
ス化合物を含む。 構成例 3) 構成例 2) で2つの乳剤層の順が逆の構成
である。構成例 2) と 3) においては、2つの感光性乳
剤層の間に、ゼラチンや合成ポリマー(ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコールなど)を含む中間層を設けて
も良い。 構成例 4) 支持体上に、該ヒドラジン誘導体を含むハ
ロゲン化銀乳剤層を有し、該乳剤層の上、もしくは、支
持体とハロゲン化銀乳剤層との間に、該レドックス化合
物を含む親水性コロイド層を有する。特に好ましい構成
は、構成例 2) または 3) である。
【0132】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
るハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀として特に制限はな
く、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀
を用いることができるが、塩化銀50モル%以上を含有
する塩臭化銀、沃塩臭化銀が好ましい。ハロゲン化銀粒
子の形状は、立方体、十四面体、八面体、不定型、板状
いずれでも良いが、立方体が好ましい。ハロゲン化銀の
平均粒径は0.1μm〜0.7μmが好ましいが、より
好ましくは0.1〜0.5μmであり、{(粒径の標準
偏差)/(平均粒径)}×100で表される変動係数が
15%以下、より好ましくは10%以下の粒径分布の狭
いものが好ましい。ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均
一な相からなっていても異なっていても良い。また粒子
内部あるいは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有し
ていても良い。本発明に用いられる写真乳剤は、P. Gla
fkides著 Chimie et Physique Photographique (Paul
Montel社刊、1967年)、G. F. Dufin著 Photographic Em
ulsionChemistry (The Forcal Press刊、1966年)、V.
L. Zelikman et al著 Making and Coating Photographi
c Emulsion (The Forcal Press刊、1964年) などに記載
された方法を用いて調製することができる。すなわち、
酸性法、中性法等のいずれでもよく、又、可溶性銀塩と
可溶性ハロゲン塩を反応させる方法としては、片側混合
法、同時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用
いても良い。粒子を銀イオン過剰の下において形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。
【0133】同時混合法の一つの形式としてハロゲン化
銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すな
わち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用
いることもできる。またアンモニア、チオエーテル、四
置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して
粒子形成させることが好ましい。より好ましくは四置換
チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同
55−77737号に記載されている。好ましいチオ尿
素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジンチオンである。ハロゲン化銀溶剤の
添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイ
ズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モル
あたり10-5〜10-2モルが好ましい。
【0134】コントロールド・ダブルジェット法および
ハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型
が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作
るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳
剤を作るのに有用な手段である。また、粒子サイズを均
一にするためには、英国特許第1,535,016号、
特公昭48−36890、同52−16364号に記載
されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加
速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特
許第4,242,445号、特開昭55−158124
号に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方
法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く成
長させることが好ましい。
【0135】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
VIII族に属する金属を含有してもよい。特に、高コント
ラスト及び低カブリを達成するために、ロジウム化合
物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物などを含有す
ることが好ましい。また、高感度化のためにはK4[Fe(C
N)6]やK4[Ru(CN)6]、K3[Cr(CN)6]のごとき六シアノ化金
属錯体のドープが有利に行われる。
【0136】本発明に用いられるロジウム化合物とし
て、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。たと
えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロジウ
ム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラ
ト、アコ等を持つもの、たとえば、ヘキサクロロロジウ
ム(III) 錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラ
クロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム(II
I) 錯塩、ヘキサアミンロジウム(III) 錯塩、トリザラ
トロジウム(III) 錯塩等が挙げられる。これらのロジウ
ム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられ
るが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般
によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液
(たとえば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン
化アルカリ(たとえばKCl、NaCl、KBr、Na
Br等)を添加する方法を用いることができる。水溶性
ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あら
かじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子
を添加して溶解させることも可能である。
【0137】本発明に用いられるレニウム、ルテニウ
ム、オスミニウムは特開昭63−2042号、特開平1
−285941号、同2−20852号、同2−208
55号等に記載された水溶性錯塩の形で添加される。特
に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体
が挙げられる。〔ML6n-ここでMはRu、Re、ま
たはOsを表し、Lは配位子、nは0、1、2、3また
は4を表す。この場合、対イオンは重要性を持たず、ア
ンモニウムもしくはアルカリ金属イオンが用いられる。
また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シア
ン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位
子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発
明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0138】 〔ReCl63- 〔ReBr63- 〔ReCl5(NO)〕2- 〔Re(NS)Br52- 〔Re(NO)(CN)52- 〔Re(O)2(CN)43- 〔RuCl63- 〔RuCl4(H2O)21- 〔RuCl5(NO)〕2- 〔RuBr5(NS)〕2- 〔Ru(CO)3Cl32- 〔Ru(CO)Cl52- 〔Ru(CO)Br52- 〔OsCl63- 〔OsCl5(NO)〕2- 〔Os(NO)(CN)52- 〔Os(NS)Br52- 〔Os(CN)64- 〔Os(O)2(CN)44-
【0139】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
モル当り1×10-9モル〜1×10 -5モルの範囲が好ま
しく、特に好ましくは1×10-8モル〜1×10-6モル
である。本発明に用いられるイリジウム化合物として
は、ヘキサクロロイリジウム、ヘキサブロモイリジウム
、ヘキサアンミンイリジウム、ペンタクロロニトロシ
ルイリジウム等が挙げられる。本発明に用いられる鉄化
合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオ
シアン酸第一鉄が挙げられる。
【0140】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増
感されることが好ましい。化学増感の方法としては、硫
黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法
などの知られている方法を用いることができ、単独また
は組み合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合
には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセ
レン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金
増感法などが好ましい。
【0141】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時
間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公
知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たと
えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニ
ン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、
チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加
量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大
きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン化銀
1モル当り10 -7〜10-2モルであり、より好ましくは
10-5〜10-3モルである。
【0142】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号、同43−13489号、
特開平4−109240号、同4−324855号等に
記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−3
24855号中の一般式(VIII) および(IX)で示される
化合物を用いることが好ましい。
【0143】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−
313284号に記載の方法で試験することができる。
具体的には、米国特許第1,623,499号、同第
3,320,069号、同第3,772,031号、英
国特許第235,211号、同第1,121,496
号、同第1,295,462号、同第1,396,69
6号、カナダ特許第800,958号、特開平4−20
4640号、同4−271341号、同4−33304
3号、同5−303157号、ジャーナル・オブ・ケミ
カル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション
(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980),ibid
1102(1979),ibid 645(1979)、
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキ
ン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)
1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai) 編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and Tellunium Compounds),Vol1(1
986)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用
いることができる。特に特開平4−324855号中の
一般式(II)(III)(IV) で示される化合物が好ましい。
【0144】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。本発
明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラ
ジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好
ましい。本発明に用いられる金増感剤としては具体的に
は、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオ
ーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン
化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いること
ができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲ
ン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミ
ウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させて
もよい。本発明においては、還元増感を用いることがで
きる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホル
ムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いるこ
とができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特
許(EP)−293,917に示される方法により、チ
オスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用いら
れる感光材料中のハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよ
いし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるも
の、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化
学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)併用し
てもよい。中でも高コントラストを得るためには、特開
平6−324426に記載されているように、支持体に
近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
【0145】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよいが、吸収極大波長を
450nm〜600nmに有する分光増感色素によって
分光増感されていることが好ましい。さらに、特開昭5
5−45015号に記載の一般式〔I〕の化合物、およ
び、特開平9−160185号に記載の一般式〔I〕の
化合物が好ましく、特に、特開平9−160185号に
記載の一般式〔I〕の化合物が好ましい。具体的には、
特開昭55−45015号に記載の(1)から(19)
の化合物、特開平9−160185号に記載のI−1か
らI−40の化合物およびI−56からI−85の化合
物などを挙げることができる。
【0146】その他の増感色素としては、シアニン色
素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、
コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニ
ン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノー
ル色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができ
る。本発明に使用されるその他の有用な増感色素は例え
ばRESEARCH DISCLOSURE Item17643IV−A項(19
78年12月p.23)、同Item18341X項(19
79年8月p.437)に記載もしくは引用された文献
に記載されている。特に各種スキャナー、イメージセッ
ターや製版カメラの光源の分光特性に適した分光感度を
有する増感色素も有利に選択することができる。例え
ば、A)アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭60
−162247号に記載の(I)−1から(I)−8の
化合物、特開平2−48653号に記載のI−1からI
−28の化合物、特開平4−330434号に記載のI
−1からI−13の化合物、米国特許2,161,33
1号に記載のExample1からExample14
の化合物、西独特許936,071号記載の1から7の
化合物、B)ヘリウム−ネオンレーザー光源に対して
は、特開昭54−18726号に記載のI−1からI−
38の化合物、特開平6−75322号に記載のI−1
からI−35の化合物および特開平7−287338号
に記載のI−1からI−34の化合物、C)LED光源
に対しては特公昭55−39818号に記載の色素1か
ら20、特開昭62−284343号に記載のI−1か
らI−37の化合物および特開平7−287338号に
記載のI−1からI−34の化合物、D)半導体レーザ
ー光源に対しては特開昭59−191032号に記載の
I−1からI−12の化合物、特開昭60−80841
号に記載のI−1からI−22の化合物、特開平4−3
35342号に記載のI−1からI−29の化合物およ
び特開昭59−192242号に記載のI−1からI−
18の化合物、E)製版カメラのタングステンおよびキ
セノン光源に対しては、上記記載の化合物の他に特開平
9−160185号に記載のI−41からI−55の化
合物およびI−86からI−97の化合物および特開平
6−242547号に記載の4−Aから4−Sの化合
物、5−Aから5−Qの化合物、6−Aから6−Tの化
合物なども有利に選択することができる。
【0147】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色
素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物
質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosur
e)176巻17643(1978年12月発行)第23
頁IVのJ項、あるいは前述の特公昭49−25500、
同43−4933、特開昭59−19032、同59−
192242等に記載されている。
【0148】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独も
しくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。ま
た、米国特許第3,469,987号明細書等に開示さ
れているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該
溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号、
同44−27555号、同57−22091号等に開示
されているように、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中
に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液として
乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,135
号、同第4,006,025号明細書等に開示されてい
るように界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイ
ド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭5
3−102733号、同58−105141号に開示さ
れているように親水性コロイド中に色素を直接分散さ
せ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51−
74624号に開示されているように、レッドシフトさ
せる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添
加する方法を用いることもできる。また、溶液に超音波
を用いることもできる。
【0149】本発明に用いる増感色素をハロゲン化銀乳
剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認め
られている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。
例えば米国特許第2,735,766号、同第3,62
8,960号、同第4,183,756号、同第4,2
25,666号、特開昭58−184142号、同60
−196749号等の明細書に開示されているように、
ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時
期、脱銀工程中および/または脱塩後から化学熟成の開
始前までの時期、特開昭58−113920号等の明細
書に開示されているように、化学熟成の直前または工程
中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布さ
れる前ならばいかなる時期、工程において添加されても
よい。また、米国特許第4,225,666号、特開昭
58−7629号等の明細書に開示されているように、
同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合
わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または
化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程
中と完了後とに分けるなどして分割して添加してもよ
く、分割して添加する化合物および化合物の組み合わせ
の種類を変えて添加してもよい。
【0150】本発明において増感色素の添加量は、ハロ
ゲン化銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学増感
の方法と程度、カブリ防止剤の種類等により異なるが、
ハロゲン化銀1モルあたり、4×10-6〜8×10-3
ルで用いることができる。例えばハロゲン化銀粒子サイ
ズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀粒子
の表面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×10-6モル
の添加量が好ましく、6.5×10-7〜2.0×10-6
モルの添加量がより好ましい。
【0151】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
に関しては、特に制限はなく、例えば下記箇所に記載さ
れたものを好ましく用いることができる。
【0152】特開平3−39948号公報第10頁右下
11行目から同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒ
ドロキシベンゼン化合物。具体的には、同公報に記載の
化合物(III)−1〜25の化合物。
【0153】特開平1−118832号公報に記載の一
般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極大を持
たない化合物。具体的には、同公報に記載の化合物I−
1〜I−26の化合物。
【0154】特開平2−103536号公報第17頁右
下19行目から同公報18頁右上4行目に記載のかぶり
防止剤。
【0155】特開平2−103536号公報第18頁左
下12行目から同頁左下20行目に記載のポリマーラテ
ックス。特開平9−179228号に記載の一般式
(I)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスで、具体的には同明細書に記載の化合物I−1〜
I−16。特開平9−179228号に記載のコア/シ
ェル構造を有するポリマーラテックスで、具体的には同
明細書に記載の化合物P−1〜P−55。特開平7−1
04413号公報第14頁左1行目から同頁右30行目
に記載の酸性ポリマーラテックスで、具体的には同公報
15頁に記載の化合物II-1)〜II-9)。
【0156】特開平2−103536号公報第19頁左
上15行目から同公報19頁右上15行目に記載のマッ
ト剤、滑り剤、可塑剤。
【0157】特開平2−103536号公報第18頁右
上5行目から同頁右上17行目に記載の硬膜剤。
【0158】特開平2−103536号公報第18頁右
下6行目から同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有
する化合物。
【0159】特開平2−18542号公報第2頁左下1
3行目から同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物
質。具体的には、同公報第2頁右下2行目から同頁右下
10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化
合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物。
【0160】特開平2−103536号公報第17頁右
下1行目から同頁右上18行目に記載の水溶性染料。
【0161】特開平9−179243号記載の一般式
(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般
式(FA3)で表される固体分散染料。具体的には同公
報記載の化合物F1〜F34、特開平7−152112
号記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−1521
12号記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−15
2112号記載の(IV−2)〜(IV−7)。特開平2−
294638号公報及び特開平5−11382号に記載
の固体分散染料。
【0162】特開平2−12236号公報第9頁右上7
行目から同頁右下3行目に記載の界面活性剤。特開平2
−103536号公報第18頁左下4行目から同頁左下
7行目に記載のPEG系界面活性剤。特開平3−399
48号公報第12頁左下6行目から同公報第13頁右下
5行目に記載の含弗素界面活性剤。具体的には、同公報
に記載の化合物VI−1〜VI−15の化合物。
【0163】特開平2−18542号公報第3頁右下1
行目から20行目に記載のバインダー。
【0164】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層及び保護層を含めた親水性コロイド層の膨潤率は80
〜150%の範囲が好ましく、より好ましくは90〜1
40%の範囲である。親水性コロイド層の膨潤率は、ハ
ロゲン化銀写真感光材料における乳剤層及び保護層を含
めた親水性コロイド層の厚み(d0)を測定し、該ハロ
ゲン化銀写真感光材料を25℃の蒸留水に1分間浸漬
し、膨潤した厚み(Δd)を測定し、膨潤率(%)=
(Δd÷d0)×100の計算式によって求める。
【0165】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀乳剤層が塗布されている側の膜面pHは4.5
〜7.5の範囲であり、好ましくは4.8〜7.0であ
り、特に好ましくは5.0〜6.0である。
【0166】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフイルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。また、特開平
7−234478号、及びUS558979号に記載の
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体から
なる支持体も好ましく用いられる。
【0167】以下に本発明における現像液、定着液など
の処理剤および処理方法等について述べるが、言うまで
もなく本発明は以下の記述および具体例に限定されるも
のではない。
【0168】本発明の現像処理には、公知の方法のいず
れを用いることもできるし、現像処理液には公知のもの
を用いることができる。
【0169】本発明に使用する現像液(以下、現像開始
液および現像補充液の双方をまとめて現像液という。)
に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキ
シベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノ
ンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独使用で
も併用でも良い。特に、ジヒドロキシベンゼン系現像主
薬およびこれと超加成性を示す補助現像主薬を含有する
ことが好ましく、ジヒドロキシベンゼン類やアスコルビ
ン酸誘導体と1-フェニル-3-ピラゾリドン類の組み合わ
せ、またはジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン酸誘
導体とp-アミノフェノール類の組み合わせなどを挙げ
ることができる。本発明に用いる現像主薬としては、ジ
ヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキノン、
クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、
メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイドロキノ
ンが好ましい。またアスコルビン酸誘導体現像主薬とし
ては、アスコルビン酸およびイソアスコルビン酸とそれ
らの塩があるが、特にエリソルビン酸ナトリウムが素材
コストの点から好ましい。
【0170】本発明に用いる1-フェニル-3-ピラゾリド
ンまたはその誘導体の現像主薬としては、1-フェニル-3
-ピラゾリドン、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリ
ドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピ
ラゾリドンなどがある。本発明に用いるp−アミノフェ
ノール系現像主薬としてN-メチル−p-アミノフェノー
ル、p−アミノフェノール、N−(β-ヒドロキシフェ
ニル)−p−アミノフェノール、N−(4-ヒドロキシフ
ェニル)グリシン、o−メトキシ−p−(N,N−ジメ
チルアミノ)フェノール、o−メトキシ−p−(N−メ
チルアミノ)フェノールなどがあるが、なかでもN-メ
チル−p−アミノフェノール、または特開平9-297377号
および特開平9-297378号に記載のアミノフェノール類が
好ましい。
【0171】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常0.
05モル/リットル〜0.8モル/リットルの量で用いられ
るのが好ましい。またジヒドロキシベンゼン類と1-フェ
ニル-3-ピラゾリドン類もしくはp-アミノフェノール類
の組み合わせを用いる場合には前者を0.05モル/リット
ル〜0.6モル/リットル、好ましくは0.10モル/リット
ル〜0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル以
下、好ましくは0.03モル/リットル〜0.003モル/リッ
トルの量で用いるのが好ましい。
【0172】アスコルビン酸誘導体現像主薬は、通常0.
01モル/リットル〜0.5モル/リットルの量で用いられ
るのが好ましく、0.05モル/リットル〜0.3モル/リッ
トルがより好ましい。またアスコルビン酸誘導体と1-フ
ェニル-3-ピラゾリドン類もしくはp-アミノフェノール
類の組み合わせを用いる場合にはアスコルビン酸誘導体
を0.01モル/リットル〜0.5モル/リットル、1-フェニ
ル-3-ピラゾリドン類もしくはp-アミノフェノール類を
0.005モル/リットル〜0.2モル/リットルの量で用いる
のが好ましい。
【0173】本発明で感光材料を処理する際の現像液に
は、通常用いられる添加剤(たとえば現像主薬、アルカ
リ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤等)を含有する
事ができる。以下にこれらの具体例を示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。本発明で感光材料を
現像処理する際の現像液に用いられる緩衝剤としては、
炭酸塩、特開昭62−186259に記載のほう酸、特開昭60-
93433に記載の糖類(たとえばサッカロース)、オキシ
ム類(たとえばアセトオキシム)、フェノール類(たと
えば5-スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(たとえばナ
トリウム塩、カリウム塩)などが用いられ、好ましくは
炭酸塩、ほう酸が用いられる。緩衝剤、特に炭酸塩の使
用量は、好ましくは0.1モル/リットル以上、特に0.2〜
1.5モル/リットルである。
【0174】本発明に用いられる保恒剤としては亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸
アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリ
ウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがあ
る。亜硫酸塩は好ましくは0.2モル/リットル以上、特
に0.3モル/リットル以上用いられるが、あまりに多量
添加すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は
1.2モル/リットルとするのが望ましい。特に好ましく
は、0.35〜0.7モル/リットルである。ジヒドロキシベ
ンゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用して
前記のアスコルビン酸誘導体を少量使用しても良い。な
かでも素材コストの点からエリソルビン酸ナトリウムを
用いることが好ましい。添加量はジヒドロキシベンゼン
系現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の範囲が好ま
しく、特に好ましくは0.05〜0.10の範囲である。保恒剤
としてアスコルビン酸誘導体を使用する場合には現像液
中にホウ素化合物を含まないことが好ましい。
【0175】上記以外に用いられる添加剤としては、臭
化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドのような有機溶剤、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアル
カノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現
像促進剤、ヘテロ環メルカプト化合物(たとえば3-(5-
メルカプトテトラゾール-1-イル)ベンゼンスルホン酸
ナトリウム、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾールな
ど)、特開昭62−212651に記載の化合物を物理現像ム
ラ防止剤として添加することもできる。また、メルカプ
ト系化合物、インダゾール系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物をカブリ防止
剤または黒ポツ(black pepper)防止剤として含んでも
良い。具体的には、5-ニトロインダゾール、5-p-ニト
ロベンゾイルアミノインダゾール、1-メチル-5-ニトロ
インダゾール、6-ニトロインダゾール、3-メチル-5-ニ
トロインダゾール、5-ニトロベンゾイミダゾール、2−
イソプロピル-5-ニトロベンゾイミダゾール、5-ニトロ
ベンゾトリアゾール、4-((2−メルカプト-1,3,4-
チアジアゾール-2−イル)チオ)ブタンスルホン酸ナ
トリウム、5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2−チオ
ール、メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリ
アゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾールなどを挙
げることができる。これらの添加剤の量は、通常現像液
1リットルあたり0.01〜10ミリモルであり、より好まし
くは0.1〜2ミリモルである。
【0176】さらに本発明の現像液中には各種の有機、
無機のキレート剤を単独または併用で用いることができ
る。無機キレート剤としてはたとえば、テトラポリリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどを用い
ることができる。一方、有機キレート剤としては、主に
有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、有機ホスホン
酸、アミノホスホン酸および有機ホスホノカルボン酸を
用いることができる。有機カルボン酸としてはたとえ
ば、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、グルコン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アシエ
ライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジ
カルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イ
タコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などを挙げるこ
とができる。
【0177】アミノポリカルボン酸としてはたとえば、
イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン
酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、
1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3-ジア
ミノ-2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジ
アミン四酢酸、その他特開昭52−25632、同55-67747、
同57-102624、および特公昭53-40900に記載の化合物を
挙げることができる。
【0178】有機ホスホン酸としては、たとえば米国特
許3214454、同3794591および西独特許公開2227369等に
記載のヒドロキシアルキリデン−ジホスホン酸やリサー
チ・ディスクロージャー第181巻,Item 18170(1979年
5月号)等に記載の化合物が挙げられる。アミノホスホ
ン酸としては、たとえばアミノトリス(メチレンホスホ
ン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、
アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その
他上記リサーチ・ディスクロージャー18170、特開昭57-
208554、同54-61125、同55-29883、同56-97347等に記載
の化合物を挙げることができる。
【0179】有機ホスホノカルボン酸としては、たとえ
ば特開昭52−102726、同53-42730、同54-121127、同55
-4024、同55-4025、同55-126241、同55-65955、同55-65
956および前述のリサーチ・ディスクロージャー18170等
に記載の化合物を挙げることができる。
【0180】これらの有機および/または無機のキレー
ト剤は、前述のものに限定されるものではない。また、
アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用しても良
い。これらのキレート剤の添加量としては、現像液1リ
ットルあたり好ましくは、1×10 -4〜1×10-1モル、より
好ましくは1×10-3〜1×10-2モルである。
【0181】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
たとえば特開昭56-24347、特公昭56-46585、特公昭62
−2849、特開平4-362942、特開平8-6215号に記載の化合
物の他、メルカプト基を1つ以上有するトリアジン(た
とえば特公平6-23830、特開平3-282457、特開平7-17517
8に記載の化合物)、同ピリミジン(たとえば2−メル
カプトピリミジン、2,6-ジメルカプトピリミジン、2,
4-ジメルカプトピリミジン、5,6-ジアミノ-2,4-ジメ
ルカプトピリミジン、2,4,6-トリメルカプトピリミジ
ン、特開平9-274289号記載の化合物など)、同ピリジン
(たとえば2−メルカプトピリジン、2,6-ジメルカプ
トピリジン、3,5-ジメルカプトピリジン、2,4,6-ト
リメルカプトピリジン、特開平7-248587に記載の化合物
など)、同ピラジン(たとえば2−メルカプトピラジ
ン、2,6-ジメルカプトピラジン、2,3-ジメルカプトピ
ラジン、2,3,5-トリメルカプトピラジンなど)、同ピ
リダジン(たとえば3-メルカプトピリダジン、3,4-ジ
メルカプトピリダジン、3,5-ジメルカプトピリダジ
ン、3,4,6-トリメルカプトピリダジンなど)、特開平
7-175177に記載の化合物、米国特許5457011に記載のポ
リオキシアルキルホスホン酸エステルなどを用いること
ができる。これらの銀汚れ防止剤は単独または複数の併
用で用いることができ、添加量は現像液1Lあたり0.05
〜10ミリモルが好ましく、0.1〜5ミリモルがより好まし
い。また、溶解助剤として特開昭61-267759記載の化合
物を用いることができる。さらに必要に応じて色調剤、
界面活性剤、消泡剤、硬膜剤等を含んでも良い。
【0182】現像液の好ましいpHは9.0〜12.0であ
り、特に好ましくは9.0〜11.0、さらに好ましくは9.5〜
11.0の範囲である。pH調整に用いるアルカリ剤には通
常の水溶性無機アルカリ金属塩(たとえば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等)を用いることができる。
【0183】現像液のカチオンとしては、ナトリウムイ
オンに比べてカリウムイオンの方が現像抑制をせず、ま
たフリンジと呼ばれる黒化部のまわりのギザギザが少な
い。さらに、濃縮液として保存する場合には一般にカリ
ウム塩のほうが溶解度が高く好ましい。しかしながら、
定着液においてはカリウムイオンは銀イオンと同程度に
定着阻害をすることから、現像液のカリウムイオン濃度
が高いと、感光材料により現像液が持ち込まれることに
より定着液中のカリウムイオン濃度が高くなり、好まし
くない。以上のことから現像液におけるカリウムイオン
とナトリウムイオンのモル比率は20:80〜80:20の間で
あることが好ましい。カリウムイオンとナトリウムイオ
ンの比率は、pH緩衝剤、pH調整剤、保恒剤、キレー
ト剤などの対カチオンで、上記の範囲で任意に調整でき
る。
【0184】現像液の補充量は、感光材料1m2につき3
90ミリリットル以下であり、325〜30ミリリットルが好
ましく、250ミリリットル以下がより好ましく、250〜12
0ミリリットルが最も好ましい。現像補充液は、現像開
始液と同一の組成および/または濃度を有していても良
いし、開始液と異なる組成および/または濃度を有して
いても良い。
【0185】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜かえることができるが、一般には約0.7〜約
3.0モル/リットルである。
【0186】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
も良く、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それにはた
とえば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明
礬、硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウ
ム、乳酸アルミニウムなどがある。これらは使用液にお
けるアルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.15モル/
リットルで含まれることが好ましい。なお、定着液を濃
縮液または固形剤として保存する場合、硬膜剤などを別
パートとした複数のパーツで構成しても良いし、すべて
の成分を含む一剤型の構成としても良い。
【0187】定着処理剤には所望により保恒剤(たとえ
ば亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.015
モル/リットル以上、好ましくは0.02モル/リットル〜
0.3モル/リットル)、pH緩衝剤(たとえば酢酸、酢
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
リン酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1モル/リット
ル〜1モル/リットル、好ましくは0.2モル/リットル〜
0.7モル/リットル)、アルミニウム安定化能や硬水軟
化能のある化合物(たとえばグルコン酸、イミノジ酢
酸、5-スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコ
ール酸、安息香酸、サリチル酸、タイロン、アスコルビ
ン酸、グルタル酸、アスパラギン酸、グリシン、システ
イン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸やこれ
らの誘導体およびこれらの塩、糖類、ほう酸などを0.00
1モル/リットル〜0.5モル/リットル、好ましくは0.00
5モル/リットル〜0.3モル/リットル)を含むことがで
きる。
【0188】このほか、特開昭62−78551に記載の化合
物、pH調整剤(たとえば水酸化ナトリウム、アンモニ
ア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤等も
含むことができる。界面活性剤としては、たとえば硫酸
化物スルフォン酸化物などのアニオン界面活性剤、ポリ
エチレン系界面活性剤、特開昭57-6840記載の両性界面
活性剤が挙げられ、公知の消泡剤を使用することもでき
る。湿潤剤としては、アルカノールアミン、アルキレン
グリコール等がある。定着促進剤としては、特開平6-30
8681に記載のアルキルおよびアリル置換されたチオスル
ホン酸およびその塩や、特公昭45-35754、同58-12253
5、同58-122536記載のチオ尿素誘導体、分子内に3重結
合を有するアルコール、米国特許4126459記載のチオエ
ーテル化合物、特開昭64-4739、特開平1-4739、同1-159
645および同3-101728に記載のメルカプト化合物、同4-1
70539に記載のメソイオン化合物、チオシアン酸塩を含
むことができる。
【0189】本発明における定着液のpHは、4.0以上
が好ましく、より好ましくは4.5〜6.0を有する。定着液
は処理により現像液が混入してpHが上昇するが、この
場合、硬膜定着液では6.0以下好ましくは5.7以下であ
り、無硬膜定着液においては7.0以下好ましくは6.7以下
である。
【0190】定着液の補充量は、感光材料1m2につき50
0ミリリットル以下であり、390ミリリットル以下が好ま
しく、320〜80ミリリットルがより好ましい。補充液
は、開始液と同一の組成および/または濃度を有してい
ても良いし、開始液と異なる組成および/または濃度を
有していても良い。
【0191】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、たとえばフジハント社製Reclaim R-60などがあ
る。また、活性炭などの吸着フィルターを使用して、色
素などを除去することも好ましい。
【0192】本発明における現像および定着処理剤が液
剤の場合、たとえば特開昭61-73147に記載されたよう
な、酸素透過性の低い包材で保管する事が好ましい。さ
らにこれらの液が濃縮液の場合、所定の濃度になるよう
に、濃縮液1部に対して水0.2〜3部の割合で希釈して使
用される。
【0193】本発明における現像処理剤及び定着処理剤
は固形にしても液剤同様の結果が得られるが、以下に固
形処理剤に関する記述を行う。本発明における固形剤
は、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コ
ンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状な
ど)が使用できる。これらの固形剤は、接触して互いに
反応する成分を分離するために、水溶性のコーティング
剤やフィルムで被覆しても良いし、複数の層構成にして
互いに反応する成分を分離しても良く、これらを併用し
ても良い。
【0194】被覆剤、造粒助剤には公知のものが使用で
きるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物が好まし
い。この他、特開平5-45805 カラム2の48行〜カラム3
の13行目が参考にできる。
【0195】複数の層構成にする場合は、接触しても反
応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成
にして錠剤やブリケット等に加工しても良いし、公知の
形態の成分を同様の層構成にして包装しても良い。これ
らの方法は、たとえば特開昭61-259921、同4-16841、同
4-78848、同5-93991等に示されている。
【0196】固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g/cm3
が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/cm3が好ましく、
顆粒は0.5〜1.5g/cm3が好ましい。
【0197】本発明における固形処理剤の製法は、公知
のいずれの方法を用いることができる。たとえば、特開
昭61-259921、特開平4-15641、特開平4-16841、同4-328
37、同4-78848、同5-93991、特開平4-85533、同4-8553
4、同4-85535、同5-134362、同5-197070、同5-204098、
同5-224361、同6-138604、同6-138605、同8-286329等を
参考にすることができる。
【0198】より具体的には転動造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、解砕造粒法、撹拌造粒法、スプレード
ライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコ
ンパクティング法等を用いることができる。
【0199】本発明における固形剤は、表面状態(平
滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のド
ーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。
さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶
解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形
状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の
異なる多層の造粒物でも良い。
【0200】固形剤の包材は、酸素および水分透過性の
低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状な
どの公知のものが使用できる。また、特開平6-242585〜
同6-242588、同6-247432、同6-247448、同6-301189、同
7-5664、同7-5666〜同7-5669に開示されているような折
り畳み可能な形状にすることも、廃包材の保管スペース
削減のためには好ましい。これらの包材は、処理剤の取
り出し口にスクリューキャップや、プルトップ、アルミ
シールをつけたり、包材をヒートシールしてもよいが、
このほかの公知のものを使用しても良く、特に限定はし
ない。さらに環境保全上、廃包材をリサイクルまたはリ
ユースすることが好ましい。
【0201】本発明の固形処理剤の溶解および補充の方
法としては特に限定はなく、公知の方法を使用すること
ができる。これらの方法としてはたとえば、撹拌機能を
有する溶解装置で一定量を溶解し補充する方法、特開平
9-80718に記載されているような溶解部分と完成液をス
トックする部分とを有する溶解装置で溶解し、ストック
部から補充する方法、特開平5-119454、同6-19102、同7
-261357に記載されているような自動現像機の循環系に
処理剤を投入して溶解・補充する方法、溶解槽を内蔵す
る自動現像機で感光材料の処理に応じて処理剤を投入し
溶解する方法などがあるが、このほかの公知のいずれの
方法を用いることもできる。また処理剤の投入は、人手
で行っても良いし、特開平9-138495に記載されているよ
うな開封機構を有する溶解装置や自動現像機で自動開
封、自動投入してもよく、作業環境の点からは後者が好
ましい。具体的には取り出し口を突き破る方法、はがす
方法、切り取る方法、押し切る方法や、特開平6-1910
2、同6-95331に記載の方法などがある。
【0202】現像、定着処理が済んだ感光材料は、つい
で水洗または安定化処理される(以下特に断らない限
り、安定化処理を含めて水洗といい、これらに使用する
液を、水または水洗水という)。水洗に使用される水
は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水でも安定化液で
もよい。これらの補充量は、一般的には感光材料1m2
たり約17リットル〜約8リットルであるが、それ以下の
補充量で行うこともできる。特に3リットル以下の補充
量(0も含む。すなわち、ため水水洗)では、節水処理
が可能となるのみならず、自動現像機設置の配管を不要
とすることもできる。水洗を低補充量で行う場合は、特
開昭63-18350、同62−287252等に記載のスクイズロー
ラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を設けることが
より好ましい。また、少量水洗時に問題となる公害負荷
低減や、水垢防止のために種々の酸化剤(たとえばオゾ
ン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、活性ハロゲ
ン、二酸化塩素、炭酸ナトリウム過酸化水素塩など)添
加やフィルター濾過を組み合わせても良い。
【0203】水洗の補充量を少なくする方法として、古
くより多段向流方式(たとえば2段、3段等)が知られて
おり、水洗補充量は感光材料1m2あたり200〜50ミリリ
ットルが好ましい。この効果は、独立多段方式(向流に
せず、多段の水洗槽に個別に新液を補充する方法)でも
同様に得られる。
【0204】さらに、本発明の方法で水洗工程に水垢防
止手段を施しても良い。水垢防止手段としては公知のも
のを使用することができ、特に限定はしないが、防ばい
剤(いわゆる水垢防止剤)を添加する方法、通電する方
法、紫外線または赤外線や遠赤外線を照射する方法、磁
場をかける方法、超音波処理する方法、熱をかける方
法、未使用時にタンクを空にする方法などがある。これ
らの水垢防止手段は、感光材料の処理に応じてなされて
も良いし、使用状況に関係なく一定間隔で行われても良
いし、夜間など処理の行われない期間のみ施しても良
い。またあらかじめ水洗水に施しておいて、これを補充
しても良い。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止
手段を行うことも、耐性菌の発生を抑える上では好まし
い。防ばい剤としては特に限定はなく公知のものが使用
できる。前述の酸化剤の他たとえばグルタルアルデヒ
ド、アミノポリカルボン酸等のキレート剤、カチオン性
界面活性剤、メルカプトピリジンオキシド(たとえば2
−メルカプトピリジン-N-オキシドなど)などがあり、
単独使用でも複数の併用でも良い。通電する方法として
は、特開平3-224685、同3-224687、同4-16280、同4-189
80などに記載の方法が使用できる。
【0205】このほか、水泡ムラ防止や汚れ転写防止の
ために、公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても
良い。また、感光材料から溶出した染料による汚染防止
に、特開昭63-163456に記載の色素吸着剤を水洗系に設
置しても良い。
【0206】水洗工程からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60-235133に記載されているよう
に、定着能を有する処理液に混合利用することもでき
る。また微生物処理(たとえば硫黄酸化菌、活性汚泥処
理や微生物を活性炭やセラミック等の多孔質担体に担持
させたフィルターによる処理等)や、通電や酸化剤によ
る酸化処理をして、生物化学的酸素要求量(BOD)、化
学的酸素要求量(COD)、沃素消費量等を低減してから
排水したり、銀と親和性のあるポリマーを用いたフィル
ターやトリメルカプトトリアジン等の難溶性銀錯体を形
成する化合物を添加して銀を沈降させてフィルター濾過
するなどし、排水中の銀濃度を低下させることも、自然
環境保全の観点から好ましい。
【0207】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357、同2−1324
35、同1-102553、特開昭46-44446に記載の化合物を含有
した浴を感光材料の最終浴として使用しても良い。この
安定浴にも必要に応じてアンモニウム化合物、Bi,Al等
の金属化合物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節
剤、硬膜剤、殺菌剤、防ばい剤、アルカノールアミンや
界面活性剤を加えることもできる。
【0208】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0209】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は焼却処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液はたとえば特公平7-83867、US5439560
等に記載されているような濃縮装置で濃縮液化または固
化させてから処分することも可能である。
【0210】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の開口面積を小さくして液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機につい
ては米国特許3025779、同3545971などに記載されてお
り、本明細書においては単にローラー搬送型自動現像機
として言及する。この自現機は現像、定着、水洗および
乾燥の四工程からなっており、本発明の方法も、他の工
程(たとえば停止工程)を除外しないが、この四工程を
踏襲するのが最も好ましい。さらに、現像定着間および
/または定着水洗間にリンス浴を設けても良い。
【0211】本発明の現像処理では、処理開始から乾燥
後まで(dry to dry)で25〜160秒が好ましく、現像お
よび定着時間が40秒以下、好ましくは6〜35秒、各液の
温度は25〜50℃が好ましく、30〜40℃が好ましい。水洗
の温度および時間は0〜50℃で40秒以下が好ましい。本
発明の方法によれば、現像、定着および水洗された感光
材料は水洗水を絞りきる、すなわちスクイズローラーを
経て乾燥しても良い。乾燥は約40〜約100℃で行われ、
乾燥時間は周囲の状態によって適宜かえられる。乾燥方
法は公知のいずれの方法も用いることができ特に限定は
ないが、温風乾燥や、特開平4-15534、同5-2256、同5-2
89294に開示されているようなヒートローラー乾燥、遠
赤外線による乾燥などがあり、複数の方法を併用しても
良い。
【0212】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0213】実施例1 <ハロゲン化銀乳剤Aの調製>硝酸銀150gを溶解し
た硝酸銀水溶液500mlと、粒子形成後の銀1モル当
たり2×10-7モルに相当する(NH42RhCl
5(H2O)及び1×10-7モルに相当するK3IrCl6
を含む臭化カリウム44gと塩化ナトリウム34gを溶
解したハロゲン塩水溶液500mlを、3gの塩化ナト
リウムと0.02gの1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リチオンと0.5gのクエン酸と4mgのベンゼンチオ
スルホン酸ナトリウムおよび1mgのベンゼンスルフィ
ン酸ナトリウムを1リットルに溶解した2%ゼラチン水
溶液に攪拌しながら34℃で20分間ダブルジェット法
により添加し、平均粒子サイズ0.18μm、塩化銀含
量58モル%の塩臭化銀粒子を得ることにより核形成を
行った。続いて、硝酸銀50gを溶解した硝酸銀水溶液
200mlと、乳剤全体の銀1モル当たり1×10-5
ルに相当するヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを含む臭
化カリウム12gと塩化ナトリウム13gを溶解したハ
ロゲン塩水溶液200mlを、ダブルジェット法により
10分間かけて添加した。
【0214】その後、銀1モルあたり1×10-3モルの
KI溶液を加えてコンバージョンを行い、常法に従って
フロキュレーション法により水洗した。具体的には、温
度を40℃に下げ、下記に示すアニオン性沈降剤−1を
3g加え、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでp
Hを下げた。(pH 2.9±0.2の範囲であった)
次に上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さ
らに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が
沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液を3リットル
除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1
回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了した。
水洗・脱塩後の乳剤に、銀1モルあたりゼラチン40g
を加えpH5.9、pAg7.5に調整した後、さらに
銀1モルあたりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム16
mgとベンゼンスルフィン酸ナトリウム4mg、チオ硫
酸ナトリウム2mg、トリフェニルホスフィンセレニド
2mgおよび塩化金酸8mgを加え、55℃で60分間
加熱し化学増感を施した。その後、安定剤として4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン150mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、
ICI Co.,Ltd.製)を100mgおよび1N
のNaOH溶液を2mlを加えた。得られた粒子は平均
粒子サイズ0.20μm、変動係数10%、塩化銀含有
率60モル%の沃塩臭化銀立方体粒子であった。(最終
的に乳剤として、pH=6.1、pAg=7.2、電導
度=37μS/m、密度=1.20×103kg/m3、粘
度=20mPa・sとなった。)
【0215】<乳剤Bの調製>硝酸銀75gを溶解した
硝酸銀水溶液250mlと、乳剤全体の銀1モル当たり
4×10-7モルに相当する(NH42RhCl5(H
2O)及び1×10-7モルに相当するK3IrCl6を含
む臭化カリウム16gと塩化ナトリウム20gを溶解し
たハロゲン塩水溶液250mlを、4gの塩化ナトリウ
ムと0.02gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリチ
オンと0.5gのクエン酸と4mgのベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウムおよび1mgのベンゼンスルフィン酸
ナトリウムを1リットルに溶解した2%ゼラチン水溶液
に攪拌しながら45℃で12分間ダブルジェット法によ
り添加し、平均粒子サイズ0.20μm、塩化銀含量7
0モル%の塩臭化銀粒子を得ることにより核形成を行っ
た。続いて、硝酸銀125gを溶解した硝酸銀水溶液4
00mlと、臭化カリウム26gと塩化ナトリウム34
gを溶解したハロゲン塩水溶液400mlを、ダブルジ
ェット法により20分間かけて添加した。その後、銀1
モルあたり1×10-3モルのKI溶液を加えてコンバー
ジョンを行い、常法に従ってフロキュレーション法によ
り水洗した。具体的な方法は、乳剤Aと同様に行った。
水洗・脱塩後の乳剤に、銀1モルあたりゼラチン40g
を加え、pH6.0、pAg7.5に調整し、さらに銀
1モルあたりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7mg
とベンゼンスルフィン酸ナトリウム2mg、塩化金酸8
mgおよびチオ硫酸ナトリウム5mgを加え、60℃で
60分間加熱し化学増感を施した。その後、安定剤とし
て4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン250mgおよび防腐剤としてプロキセ
ル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)を100m
gを加えた。得られた粒子は平均粒子サイズ0.28μ
m、変動係数10%、塩化銀含有率70モル%の沃塩臭
化銀立方体粒子であった。(最終的に乳剤として、pH
=6.1、pAg=7.5、電導度=46μS/m、密
度=1.20×103kg/m3、粘度=62mPa・s
となった。)
【0216】<塗布試料の作成>下記に示す両面が塩化
ビニリデンを含む防湿層下塗りからなるポリエチレンテ
レフタレートフィルム支持体上に、UL層/ヒドラジン
含有EM層/中間層/レドックス化合物含有EM層/保
護層の構成となるように塗布して試料を作成した。以下
に各層の調製方法、塗布量および塗布方法を示す。 (UL層)UL層としてゼラチン(防腐剤としてプロキ
セル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)を含有)
0.3g/m2、本発明に規定する造核促進剤の例示化
合物No.3を7.5×10-6mol/m2添加し、ポ
リエチルアクリレート分散物0.25g/m2、および
硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトア
ミド)エタン50mg/m2を塗布した。塗布液のpH
は5.8に調整した。 (ヒドラジン含有EM層) <ヒドラジン含有層乳剤塗布液の調製>乳剤Aに増感色
素として銀1モルあたり5×10-4モルの下記構造式
(s−1)の化合物を加え、さらに1×10-3モルの臭
化カリウム、9×10-4モルの構造式(a)で表される
メルカプト化合物、および構造式(b)で表されるメル
カプト化合物、1×10-4モルの構造式(c)で表され
るトリアジン化合物、ヒドラジン造核剤−A(特願20
00−114354に記載のD−66)、ヒドラジン造
核剤−Bおよび本発明に規定するヒドラジン造核剤の例
示化合物を表26に示す様に添加した。さらに、コロイ
ダルシリカ(日産化学製スノーテックスC)を500m
g/m2、ポリエチルアクリレートの分散物を500m
g/m2塗布されるように加え、ヒドラジン含有層塗布
液を調製した。溶液のpHは5.8に調整した。
【0217】
【化13】
【0218】できあがったハロゲン化銀乳剤塗布液を銀
量3.4g/m2、ゼラチン量1.6g/m2となるよう
に塗布した。
【0219】(中間層) <中間層塗布液の調製>防腐剤としてプロキセルを含む
ゼラチン溶液に、エタンチオスルホン酸ナトリウムを5
mg/m2、(e)で表される染料を50mg/m2、ハ
イドロキノンを100mg/m2、5−クロル−8−ヒ
ドロキシキノリンを10mg/m2、ポリエチルアクリ
レートの分散物を100mg/m2塗布されるように添
加し、中間層塗布液を調製した。溶液のpHは7.0に
調整した。中間層はゼラチン0.7g/ m2となるよう
に塗布した。
【0220】(レドックス化合物含有EM層) <レドックス化合物含有層乳剤塗布液の調製>乳剤Bに
増感色素としてレドックス化合物含有層乳剤の銀1モル
あたり1×10-4モルの先に示した構造式(s−1)の
化合物を添加し、5×10-4モルの構造式(a)で表さ
れるメルカプト化合物、1×10-4モルの構造式(c)
で表されるトリアジン化合物を添加し、さらに下記構造
式(f)で表される染料を5mg/m2、ポリエチルア
クリレートの分散物を100mg/m2、硬膜剤として
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
を50mg/m2塗布されるように添加した。さらに表
26に示すように、本発明に規定するレドックス化合物
の例示化合物を2.1×10-4mol/m2添加して、
レドックス化合物含有層乳剤塗布液を調製した。液のp
Hは5.4に調整した。
【0221】この時、レドックス化合物は以下のように
調製した乳化物を、60℃で溶解して塗布液に添加し
た。 (レドックス乳化物の調製)酢酸エチル30mlに前記
のレドックス化合物を8g(S8含量は5ppm)、p-ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3g、下記
構造式(P−1)、(P−2)で表されるオイルを各4
g加え、60℃にて溶解し、A液とした。水170gに
ゼラチンを8.5g、プロキセル(商品名、ICI C
o.,Ltd.製)を0.05g加え、60℃にて溶解
し、B液とした。A液とB液を混合し、60℃にて高速
ホモジナイザーで乳化分散を行った。乳化分散後、60
℃減圧条件にて脱溶媒を行い、レドックス化合物の4質
量%乳化分散物を得た。できあがったレドックス化合物
含有層乳剤塗布液は銀量0.4g/m2、ゼラチン量
0.5g/m2となるように塗布した。
【0222】(保護層)ゼラチン0.2g/m2、平均
粒子サイズ約3.5μmの不定形なSiO2マット剤5
0mg/m2、コロイダルシリカ(日産化学製スノーテ
ックスC)60mg/m2、流動パラフィン50mg/
2、塗布助剤として下記構造式(g)で表されるフッ
素界面活性剤1mg/m2とp−ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム塩10mg/m2を塗布した。
【0223】尚、各層の塗布液は、下記構造式(Z)で
表される増粘剤を加え、粘度調整した。
【0224】
【化14】
【0225】またバック層は、以下に示す処方にて塗布
した。 <バック層> ゼラチン 2.8g/m2 界面活性剤 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 40mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 40mg/m2 ゼラチン硬化剤 1,2−ビス(ビニルスルホニル アセトアミド)エタン 200mg/m2 SnO2/Sb(質量比90/10、平均粒径0.20μm)200mg/m2 染料 下記染料(h−1)、(h−2)、(h−3)、(h−4)の混合物 染料(h−1) 20mg/m2 染料(h−2) 50mg/m2 染料(h−3) 20mg/m2 染料(h−4) 30mg/m2 防腐剤 (プロキセル) 10mg/m2
【0226】
【化15】
【0227】 <バック保護層> ゼラチン 1.1g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.5μm) 20mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 15mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 15mg/m2 酢酸ナトリウム 60mg/m2 防腐剤 (プロキセル) 1mg/m2
【0228】<支持体>二軸延伸したポリエチレンテレ
フタレート支持体(厚み100μm)の両面に下記組成
の下塗層第1層及び第2層を塗布した。
【0229】 <下塗層第1層> コア−シェル型塩化ビニリデン共重合体 15g 2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g 化合物(i) 0.20g コロイダルシリカ(スノーテックスZL:粒径70〜 100μm日産化学(株)製) 0.12g 水を加えて 100g さらに、10質量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃2分間で、乾燥膜厚が0.
9μmになる様に塗布した。
【0230】 <下塗層第2層> ゼラチン 1g メチルセルロース 0.05g 化合物(j) 0.02g C12H25O(CH2CH2O)10H 0.03 g 防腐剤 (プロキセル) 3.5×10-3g 酢酸 0.2g 水を加えて 100g この塗布液を乾燥温度170℃2分間で、乾燥膜厚が
0.1μmになる様に塗布した。
【0231】
【化16】
【0232】<塗布方法>上記下塗層を施した支持体上
に、まず乳剤面側として支持体に近い側よりUL層、ヒ
ドラジン含有EM層、中間層、レドックス化合物含有E
M層、保護層の順に5層を、35℃に保ちながらスライ
ドビードコーター方式により硬膜剤液を加えながら同時
重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させた
後、乳剤面とは反対側に支持体に近い側よりバック層、
バック保護層の順に、カーテンコーター方式により硬膜
剤液を加えながら同時重層塗布し、冷風セットゾーン
(5℃)した。各々のセットゾーンを通過した時点で
は、塗布液は充分なセット性を示した。引き続き乾燥ゾ
ーンにて両面を同時に下記乾燥条件にて乾燥した。な
お、バック面側を塗布した後、巻き取りまではローラ
ー、その他には一切無接触の状態で搬送した。この時の
塗布速度は120m/min であった。
【0233】<乾燥条件>セット後、水/ゼラチンの質
量比が800%となるまで30℃の乾燥風で乾燥し、8
00〜200%を35℃30%の乾燥風で乾燥させ、そ
のまま風を当て、表面温度34℃となった時点(乾燥終
了と見なす)より30秒後に、48℃2%の空気で1分
間乾燥した。この時、乾燥時間は乾燥開始〜水/ゼラチ
ン比800%までが50秒、800〜200%までが3
5秒、200%〜乾燥終了までが5秒であった。
【0234】この感光材料を25℃55%で巻き取り、
次いで同環境下で裁断し、6時間調湿したバリアー袋
に、25℃50%で8時間調湿した後、25℃50%で
2時間調湿してある厚紙と共に密閉し、表26に示す試
料を作成した。バリアー袋内の湿度を測定したら53%
であった。また、得られた試料の乳剤層側の膜面pHは
5.5〜5.8であった。
【0235】評価は以下の方法で行った。得られた試料
を、ステップウェッジを通して150線/インチのコン
タクトスクリーングレイスキャナーネガNo.2(大日本
スクリーン製造株式会社製)と乳剤面を密着させてタン
グステン光源で露光した。そして下記処方の現像液
(A)((A1)〜(A3))および定着液(B)を使
用し、FG−710F自動現像機(富士写真フイルム株
式会社製)にて35℃30秒の現像時間で処理した。
【0236】 現像液(A1)処方 濃縮液1リットルあたりの組成を示す。 水酸化カリウム 60.0g ジエチレントリアミン・5酢酸 3.0g 炭酸カリウム 90.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 105.0g 臭化カリウム 10.5g ハイドロキノン 60.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.53g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 2.3g 3−(5−メルカプトテトラゾール−1−イル) ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.15g 2−メルカプトベンゾイミダゾール −5−スルホン酸ナトリウム 0.45g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 7.5g pH 10.79 使用にあたっては、母液は上記濃縮液2部に対して水1
部の割合で希釈し母液のpHは10.65であり、補充
液は上記濃縮液4部に対して水3部の割合で希釈し補充
液のpHは10.62であった。
【0237】 定着液(B)処方 濃縮液1リットルあたりの処方を示す。 チオ硫酸アンモニウム 360g エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.09g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 33.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 57.0g 水酸化ナトリウム 37.2g 酢酸(100%) 90.0g 酒石酸 8.7g グルコン酸ナトリウム 5.1g 硫酸アルミニウム 25.2g pH 4.85 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈する。使用液のpHは4.8であった。
【0238】<網階調>得られた網点画像の網階調(9
5%の網点面積を与える露光量と5%の網点面積を与え
る露光量の比率を対数表示したもの)を測定した。数値
が大きいほど露光のラチチュードが広く、画像の再現性
が良好であることを示している。 <網点品質>網点を100倍のルーペで観察し、形成さ
れた網点の品質を評価した。「5」は網点濃度が高く、
エッジシャプネス(キレ)が良好であり、「1」はコン
トラストが低くキレの劣る網点であることを示す。
「3」は写真製版の原稿として実用しうるレベルの網点
品質である。 <階調>γは((1.5−0.3)/log(濃度1.
5を与える露光量)−log(濃度0.3を与える露光
量))で表される値で示した。
【0239】<処理安定性>上記現像液(A1)で、1
日あたり80%黒化の富士写真フイルム株式会社製撮影
フィルムYSを大全サイズ(50.8cm×61cm)
あたり使用液50ml補充しながら大全サイズ20枚処
理し、これを1週間に6日稼動でランニングを15週間
連続して行うことにより、小量のフィルムを処理するこ
とによって亜硫酸濃度が3分の1に減少した現像液が得
られた。(現像液A2)また、上記現像液(A1)で、1
日あたり80%黒化の富士写真フイルム株式会社製撮影
フィルムYSを、大全サイズ(50.8cm×61c
m)あたり使用液50ml補充しながら大全サイズ30
0枚処理し、これを4日間連続して行うことにより、大
量のフィルムを処理することによってpHが10.2に
低下し臭素イオン濃度が増加した現像液が得られた。
(現像液A3)
【0240】処理安定性の評価試験の一つとして上記の
ような疲労現像液を用いて写真性の変動を評価した。現
像液(A1)と現像液(A2)、もしくは(A3)で処理を行
った時に感度変動(ΔS1.5)で評価した。感度値(S
1.5)は、濃度1.5を与える露光量の対数値を用い
た。 ΔS1.5 =−(S1.5(A2orA3)−S1.5(A
1)) 感度が上昇した場合は、ΔS1.5が正の値を、逆に感度
が低下した場合は負の値を示す。Fr(フレッシュ)感
光材料に対する感度変動は実用的には絶対値として0.
10以下であることが必要で、0.05以下であること
が好ましい。
【0241】得られた結果を表26に示した。本発明に
規定する造核剤も含めて、造核剤の単独添加では網階
調、網点品質、処理安定性の全ての品質を満足できな
い。本発明に規定する造核剤(I−3、I−6、I−
9)を併用した試料は、全ての項目において良好な性能
を有していることがわかる。特に、現像抑制剤のpKa値
が9〜11であるレドックス化合物1a、2aを使用し
ている試料は処理安定性が良好である。
【0242】
【表26】
【0243】実施例2 実施例1と同様の実験を下記の固形現像液剤(C)およ
び固形定着剤(D)を用いて行ったところ、実施例1と
同様に本発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0244】 固形現像剤(C)処方 水酸化ナトリウム(ビーズ)99.5% 11.5g 亜硫酸カリウム(原末) 63.0g 亜硫酸ナトリウム(原末) 46.0g 炭酸カリウム 62.0g ハイドロキノン(ブリケット) 40.0g 以下まとめてブリケット化する ジエチレントリアミン・五酢酸 2.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.35g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 1.5g 4−(N−カルボキシメチル−N−メチルアミノ) −2,6−ジメルカプトピリミジン 0.2g 3−(5−メルカプトテトラゾール−1−イル) ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.1g エリソルビン酸ナトリウム 6.0g 臭化カリウム 6.6g このものを水に溶かして1リットルにする。 pH 10.65
【0245】ここで、原料形態で原末は一般的な工業製
品のままで使用し、アルカリ金属塩のビーズは市販品を
用いた。原料形態がブリケットであるものは、ブリケッ
ティングマシンを用いて加圧圧縮して板状にしたものを
破砕して用いた。少量成分に関しては、各成分をブレン
ドしてからブリケットにした。以上の処理剤は、10リ
ットル分を高密度ポリエチレン製の折り畳み可能な容器
に充填し、取り出し口をアルミシールで封印した。溶解
および補充には特開平9−80718号、特開平9−1
38495号に開示されている自動開封機構を有する溶
解補充装置を使用した。
【0246】 固形定着剤(D)処方 A剤(固形) チオ硫酸アンモニウム(コンパクト) 125.0g 無水チオ硫酸ナトリウム(原末) 19.0g メタ重亜硫酸ナトリウム(原末) 18.0g 無水酢酸ナトリウム(原末) 42.0g B剤(液体) エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.03g 酒石酸 2.9g グルコン酸ナトリウム 1.7g 硫酸アルミニウム 8.4g 硫酸 2.1g 水に溶かして50ミリリットルとする。A剤、B剤を水
に溶かして1リットルに調液したものを定着液(D)と
した。pHは4.8であった。
【0247】チオ硫酸アンモニウム(コンパクト)はス
プレードライ法により作成したフレーク品をローラーコ
ンパクターで加圧圧縮し、不定形の4〜6mm程度のチ
ップに破砕したものを用い、無水チオ硫酸ナトリウムと
ブレンドした。その他の原末は一般的な工業製品を使用
した。A剤、B剤とも10リットル分を高密度ポリエチ
レン製の折り畳み可能な容器に充填し、A剤の取り出し
口はアルミシールで封印した。B剤容器の口部は、スク
リューキャップで封をした。溶解および補充には特開平
9−80718号、特開平9−138495号に開示さ
れている、自動開封機構を有する溶解補充装置を使用し
た。
【0248】実施例3 実施例1の現像液(A)の代わりに、下記現像液(E)
を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例
1と同様に本発明の構成の感光材料が良好な性能を示し
た。
【0249】以下に現像液(E)の濃縮液1リットルあ
たりの組成を示す。 水酸化カリウム 105.0g ジエチレントリアミン・五酢酸 6.0g 炭酸カリウム 120.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 120.0g 臭化カリウム 9.0g ハイドロキノン 75.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.25g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 1.35g 4−(N−カルボキシメチル−N−メチルアミノ) −2,6−ジメルカプトピリミジン 0.3g 2−メルカプトベンゾイミダゾール −5−スルホン酸ナトリウム 0.45g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 60.0g pH 10.7 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈する。使用液のpHは10.5であった。
【0250】実施例4 実施例1の現像液(A)で、1日あたり20%黒化の富
士写真フイルム株式会社製スキャナフィルムHLを大全
サイズ(50.8cm×61cm)あたり使用液50m
l補充しながら大全サイズ20枚処理し、これを1週間
に6日稼動でランニングを15週間連続して行うことに
より、小量のフィルムを処理することによって亜硫酸濃
度が3分の1に減少した現像液が得られた。実施例1の
現像液(A)で、1日あたり80%黒化の富士写真フイ
ルム株式会社製スキャナフィルムHLを、大全サイズ
(50.8cm×61cm)あたり使用液50ml補充
しながら大全サイズ300枚処理し、これを4日間連続
して行うことにより、大量のフィルムを処理することに
よってpHが10.2に低下し臭素イオン濃度が増加し
た現像液が得られた。
【0251】上記のような疲労現像液、あるいは疲労途
中段階の現像液を用いて実施例1と同様の実験を行った
ところ、実施例1と同様に本発明の構成の感光材料が良
好な性能を示した。
【0252】実施例5 実施例1の本発明の感光材料の画質を下記の方法で評価
したところ、良好な性能が得られた。
【0253】1.目伸し画質の評価 (1)原稿の作成 富士写真フイルム株式会社製モノクロスキャナーSCA
NART30及び専用感光材料SF−100を使って、
網点よりなる人物の透過画像及び網パーセントを段階的
に変えたステップウェッジを作成した。この時スクリー
ン線数は150線/インチで行った。 (2)撮影 大日本スクリーン(株)製製版カメラファインズームC
−880(カメラ一体型自現機LD−281Q処理)に
上記原稿を目伸ばし倍率が等倍にある様にセットした後
Xeランプを照射することにより評価サンプルに露光を
与えた。この時原稿のステップウェッジの90%の部分
が10%となるようにして露光を行った。 (3)評価 (2)の様に露光量を調節して小点側(ハイライト部)
の網点%を合わせたサンプルのシャドウ部の階調再現性
(網点のつぶれ難さ)を目視評価した。
【0254】2.コピードットの評価 (1)原稿の作成 富士写真フイルム株式会社製モノクロスキャナーSCA
NART30及び専用感光材料SP−100WPを使っ
て、網パーセントを段階的に変えたステップウェッジを
作成した。露光時のスクリーン線数は150線/インチ
で行った。 (2)撮影 大日本スクリーン(株)製製版カメラC−690(オー
トコンパニカ)に上記原稿および試料を所定の位置にセ
ットし、反射原稿に光を照射し撮影した。この時、原稿
上でステップウェッジの80%の部分がサンプル上で2
0%となるように調整して露光を行った。そして実施例
1の現像液(A)および定着液(B)を使用し、FG−
460A自動現像機(富士写真フイルム株式会社製)に
て35℃30秒の現像時間で処理した。 (3)評価 (2)に記載の如く露光時間を調節して小点側の網点%
を合わせたサンプルのシャドウ部の階調再現性(網点の
つぶれ難さ)を目視評価した。
【0255】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、
網点品質が良好で、オリジナル再現性(網階調再現性)
に優れ、現像液の補充量を低減させて処理した場合にも
安定した写真性を示すという優れた効果を奏する。ま
た、本発明の処理方法によれば上記のような優れた品質
の画像を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 光則 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H016 AE00 BD00 BD06 CA04 2H023 CD10 CD11 CD15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロイ
    ド層の少なくとも1層中に少なくとも1種の酸化される
    ことにより現像抑制剤を放出するレドックス化合物、及
    び少なくとも1種の造核促進剤を含有するハロゲン化銀
    写真感光材料において、少なくとも2種のヒドラジン造
    核剤を含有し、そのうち少なくとも1種が一般式(I)
    で表されるヒドラジン誘導体であることを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) R1-S-R2-G3-N(R11)-C(=X)-N(R12)-(R3-L2)m -R4-NHNH-G
    1-R5 式中、R1 は脂肪族基または芳香族基を表わす。R2 は
    -R21CO- 基、-R21SO2-基、-R21SO- 基、-R21COCO- 基、
    チオカルボニル基、イミノメチレン基、-R21P(O)(G2R6)
    - 基、2価の脂肪族基または2価の芳香族基を表わす。
    G3 は単結合、-O- 基、-N(R6)- 基、2価の脂肪族基ま
    たは2価の芳香族基を表わす。R11、R12は水素原子、
    脂肪族基または芳香族基を表わす。Xは酸素原子、硫黄
    原子または=NR6基を表わす。R3 、R4 は2価の脂肪族
    基または2価の芳香族基を表わす。L2 は-SO2N(R6)-
    基、-N(R6)-SO2N(R6)-基、-CON(R6)- 基、-N(R6)CON(R
    6)-基、-G2-P(O)(G2R6)-N(R6)- 基を表わす。G1 は-CO
    -基、-SO2- 基、-SO-基、-COCO-基、チオカルボニル
    基、イミノメチレン基または-P(O)(G2R6)-基を表わす。
    R5 は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、
    アリールオキシ基またはアミノ基を表わす。mは0また
    は1を表わす。R1 とR11、R1 とR12、R11とR12、
    R1 とR11とR12は互いに結合して環を形成してもよ
    い。なお、上記において、G2 は単結合、-O- 基または
    -N(R6)- 基を表わし、R6は水素原子、脂肪族基または
    芳香族基を表わす。R21は単結合、2価の脂肪族基また
    は2価の芳香族基を表わす。
  2. 【請求項2】 前記のレドックス化合物が酸化されるこ
    とにより放出する現像抑制剤が、隣接基と窒素原子で結
    合する含窒素ヘテロ環残基であり、その置換基として少
    なくとも1つのニトロ基を直接もしくは間接的に有し、
    かつpKa値9〜11を与え得るヘテロ環基であることを
    特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  3. 【請求項3】 前記造核促進剤が下記一般式(a)、
    (b)、(c)、(d)、(e)または(f)で表され
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン
    化銀写真感光材料。 【化1】 一般式(a)においてQ1は窒素原子またはリン原子を
    表し、R100、R110、R120はそれぞれ脂肪族基、芳香
    族基またはヘテロ環基を表し、これらは互いに結合して
    環状構造を形成していてもよい。MはMに含まれる炭素
    原子でQ1 +と結合するm10価の有機基を表し、ここにm
    10は1〜4の整数を表す。一般式(b)、一般式(c)
    または一般式(d)において、A1、A2、A3、A4、A
    5はそれぞれ、4級化された窒素原子を含む不飽和ヘテ
    ロ環を完成させるための有機残基を表し、L10およびL
    20は2価の連結基を表し、R111、R222、R333は置換
    基を表す。一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)
    または一般式(d)で表される4級塩化合物は、分子内
    にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返
    し単位を、計20個以上有しているが、これは複数箇所
    にまたがって置換されていてもよい。 【化2】 一般式(e)においてQ2は窒素原子またはリン原子を
    表す。R200、R210、R220は一般式(a)のR100、R
    110、R120と同義の基を表す。一般式(f)においてA
    6は一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表
    す。但しA6が形成する含窒素不飽和ヘテロ環は置換基
    を有してもよいが、置換基上に1級の水酸基を有するこ
    とはない。一般式(e)および一般式(f)においてL
    30はアルキレン基を表し、Yは-C(=O)-または-SO2-を表
    し、L40は少なくとも一つの親水性基を含有する2価の
    連結基を表す。一般式(a)〜一般式(f)においてX
    n-は、n価の対アニオンを表し、nは1〜3の整数を表
    す。但し、分子内に別にアニオン基を有し、Q1 +、Q2 +
    またはN+と分子内塩を形成する場合、Xn-は必要な
    い。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載のハロゲン
    化銀写真感光材料を、画像露光後、pH9.0〜pH11.
    0の現像液を用いて現像処理し、現像液補充量が1平方
    メートルあたり250ml以下であることを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
JP2000366396A 2000-11-30 2000-11-30 ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法 Pending JP2002169245A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366396A JP2002169245A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366396A JP2002169245A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002169245A true JP2002169245A (ja) 2002-06-14

Family

ID=18837035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000366396A Pending JP2002169245A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002169245A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3734903B2 (ja) 現像処理方法
JP3734907B2 (ja) 現像処理方法
JP4191882B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JPH10153838A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JP4086554B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP4191890B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JPH11282132A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JP2002169245A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JPH10207020A (ja) 現像処理方法
JP4050851B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP4035268B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2002174874A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH117093A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2002196444A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2000147702A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001188312A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JPH11282112A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001235822A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001296640A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001296628A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2000105437A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JPH10333290A (ja) 現像処理方法
JP2001092072A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001092073A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001092061A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法