JP2002166654A - 光記録情報媒体 - Google Patents

光記録情報媒体

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JP2002166654A
JP2002166654A JP2001284865A JP2001284865A JP2002166654A JP 2002166654 A JP2002166654 A JP 2002166654A JP 2001284865 A JP2001284865 A JP 2001284865A JP 2001284865 A JP2001284865 A JP 2001284865A JP 2002166654 A JP2002166654 A JP 2002166654A
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JP2001284865A
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Norihiko Mihara
紀彦 三原
Masashi Koike
正士 小池
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DVD規格を満足する記録再生信号を得るこ
とができ、且つ波長390〜430nmの範囲から選択
される青紫色レーザーを用いて記録及び/又は再生も可
能な光記録媒体を提供する。 【解決手段】 グルーブを有す透明な基板上に、少なく
とも記録層、金属反射層を有する光記録媒体において、
該記録層が式(1)に示すメソ位の窒素数が1〜4個の
アザポルフィリン金属錯体色素を主成分としてなり、波
長λ1のレーザー光を用いて記録及び/又は再生が可能
であり、波長λ1より短波長側の波長λ2のレーザー光
を用いて記録及び/又は再生が可能であり、かつ、該記
録層の屈折率nが、波長λ1で2.0以上、λ2で1.
8以上、減衰係数kがλ1で0.04〜0.20、λ2
で0.30以下、且つ、透明基板のグルーブピッチが
0.70〜0.85μm、グルーブ半値幅が0.20〜
0.35μm、その傾斜角度が45〜65°となること
を特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度光記録媒
体、特に複数のレーザー波長に対して記録及び/又は再
生可能な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし、且つ反射率を大きく
するため記録層の上に反射層を設けた記録可能な光記録
媒体は、例えば、Optical Data Storage 1989 Technica
l Digest series vol.1 45(1989)に開示されて以来、記
録層にシアニン系色素やフタロシアニン系色素を用いた
媒体はCDRとして広く市場に供されてきている。これ
らの媒体は780nmの半導体レーザーで記録すること
ができ、且つ780nmの半導体レーザーを搭載してい
る市販のCD−ROMプレーヤーと再生互換を有すとい
う特徴をもつ。更に、近年、映像、動画などの大容量デ
ータに対して630〜680nmの赤色半導体レーザー
で記録再生でき市販のDVDプレーヤーやDVD−RO
Mプレーヤーで再生できる4.7GBの容量を有すDV
DR媒体が提案され市場に供給され出した。そして更
に、昨今では、390〜430nmの青紫色半導体レー
ザーの供試に伴い高精細動画をも対象とした15GB以
上の高密度を有すHD−DVDR(High Density DVD
R)媒体の検討もスタートしている。
【0003】このような高密度記録・再生用途への展開
においては、レーザーの短波長化を伴うシステム更新が
余儀なくされるが、既存システム上で既に大量に普及し
た開発ソフトや長年蓄積されたデータベース等のソフト
資産は、これらのシステム更新の際にも継続して安定に
再生されることが常に強く要請される。
【0004】かかる中、CDやCD−ROM,DVD−
Video,DVD−ROMなど再生専用媒体は、基本
的には色素など使用していないので、反射率、変調度そ
してトラッキング出力に関しても波長依存性が小さく短
波長レーザーが搭載された更新プレーヤーでの再生も比
較的容易に可能である。
【0005】しかしながら、記録層に有機色素を用いて
いる既存のCDR媒体では、記録層光学特性の波長依存
が大きく、その結果反射率、変調度、トラッキング出力
などが波長により大きく変化した。例えば780nm付
近の光に対して65%以上の反射率を有するが630〜
680nmから選ばれた赤色光に対しては記録層に用い
ている色素の吸収が多きすぎるため反射率は10%程度
と小さくなってしまい、また変調度も小さく、且つ記録
波形にもおおきな歪みが観測されるケースがあった。こ
こで、反射率が10%程度では信号検出が非常に困難で
あり、仮に検出できてもエラーレートやジッターが大き
くなり通常のプレーヤーでの再生は困難となった。
【0006】CDRをCDとDVDの双方の波長で夫々
の規格に適合するような信号品位で再生させるために、
特開平8−156408号公報、特開平8−31012
1号公報、特開平9−267562号公報、特開平11
−11015号公報などに、780nm近傍と635〜
670mnから選ばれる波長で、それぞれ光学感度(屈
折率変化)を有する2つの色素を用い、その積層構造や
記録層中での適量ブレンドによって2波長双方での再生
互換を達成させるという提案がある。しかしながら、こ
れらの積層やブレンド手法は夫々の波長帯での記録特性
を良好に保持させるための現実的な製造条件(膜厚管
理、ブレンド管理)が非常に狭く厳しく、現実的な媒体
製造には向かなかった。このため、現在ではDVDプレ
ーヤー側が780nmと650nmの実質2つのレーザ
ー発光素子をチップ内部に同居させた光学系を組上げ、
その搭載によりDVDとCDRの再生を可能としてい
る。
【0007】また、CDR媒体と同様に記録層に有機色
素を用いる既存のDVDR媒体においても前記の波長依
存性に関しては何ら改善されておらず、650nm付近
で45%以上の反射率で再生しえるDVD互換信号も、
次世代主流と見こまれる390〜430nmの青紫色光
のレーザー再生においては反射率はもとより、信号変調
度も著しく小さくなり信号検出が不可能となる問題を孕
んでいる。しかも赤色と青紫色レーザーの混載に関して
は、そもそもレーザー素子の組成がことなるため、赤色
と青紫色レーザーをチップ下で同居させるのは困難なこ
ともあり、余計2つの波長の再生を繋ぐ光記録媒体の提
案が切望されている。特開平11−110815号公
報、特開平11−105423号公報には、それぞれジ
ペニルアミノスクアリウム化合物、シアノスチリル化合
物を用いた青色レーザーで再生可能なDVDRの提案が
あるが、本発明者らの検討に依れば加工性等に問題があ
り良好な記録膜となりえなかった。その他、DVDR媒
体で赤色と青紫色の2波長再生互換が確保しえる媒体提
案として良好な提案は実質全くない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、DVD規
格を満足する記録再生信号を得ることができ、且つ波長
390〜430nmの範囲から選択される青紫色レーザ
ーを用いて記録及び/又は再生も可能な光記録媒体を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、メソ位の窒素数が
1〜4個のアザポルフィリン金属錯体が有するSore
t帯(青色領域)およびQ帯(赤色)の2つの鋭い光学
吸収帯から双方の波長で高い屈折率と適性な減衰係数の
バランスを見出すにあたり、双方波長において良好な再
生信号が獲得できることを検証し本発明を達成した。
【0010】即ち、本発明は、 〔1〕グルーブを有す透明な基板上に、少なくとも記録
層、金属反射層を有する光記録媒体において、該記録層
が式(1)に示すメソ位の窒素数が1〜4個のアザポル
フィリン金属錯体色素を主成分としてなり、波長λ1の
レーザー光を用いて記録及び/又は再生が可能であり、
波長λ1より短波長側の波長λ2のレーザー光を用いて
記録及び/又は再生が可能であり、かつ、該記録層の屈
折率nが、波長λ1で2.0以上、λ2で1.8以上、
減衰係数kがλ1で0.04〜0.20、λ2で0.3
0以下であり、且つ、透明基板のグルーブピッチが0.
70〜0.85μmの範囲から選択され、グルーブ半値
幅が0.20〜0.35μm、その傾斜角度が45〜6
5°となることを特徴とする光記録媒体。
【0011】
【化2】
【0012】(各式中、X1からX3はそれぞれ独立に窒
素原子又はCH基を示し、R1からR8はそれぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の置換ま
たは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換または
無置換のアリール基、水酸基、置換または無置換のアル
コキシ基、置換または無置換のアリールオキシ基、アミ
ノ基またはアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カ
ルボキシ基、置換または無置換のカルボン酸エステル
基、置換および無置換のカルボン酸アミド基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、スルホン酸基、置換または無
置換のスルホン酸エステル基、置換または無置換のスル
ホンアミド基、置換または無置換のシリル基およびシロ
キシ基から選択される。また中心金属Mは、遷移金属を
示し、電荷を有してカチオン塩構造をとっても良い。)
【0013】〔2〕波長λ1のレーザー光を用いて記録
及び再生が可能であり、波長λ1より短波長側のλ2の
レーザー光を用いて再生が可能である〔1〕の光記録媒
体。
【0014】〔3〕レーザー光の波長λ1が630〜6
80nmの範囲から選択され、λ2が390〜430n
mの範囲から選択される〔1〕又は〔2〕の光記録媒
体。
【0015】〔4〕基板を通じて測定した波長λ1での
レーザー光の反射率が40%以上で且つλ2でのレーザ
ー光の反射率が15%以上である〔1〕〜〔3〕のいず
れかに記載の光記録媒体。である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明によれば、上記のような屈
折率n及び減衰係数kを有するアザポルフィリン系色素
を記録層として用いれば、波長630〜680nmの赤
色レーザーで記録及び/又は再生可能で、且つ、390
〜430nmから選ばれた青紫色レーザーで記録及び/
又は再生可能となる光記録媒体が実現される。
【0017】ここで、ピロール環4個を少なくとも1個
以上の窒素原子で環化させたアザポルフィリン化合物
は、着目する390〜430nm領域に長波長側の吸収
端を有すSoret帯と、630〜680nm領域に長
波長側の吸収端を有すQ帯との2つの大きな吸収ピーク
を持ち、双方の波長帯域で高屈折率特性を示した。ここ
で、メソ位の窒素数が多くなるほどQ帯の吸収係数が大
きくなった。
【0018】ここで、好ましくは窒素数=1〜3の窒素
で繋いだモノアザポルフィリン、ジアザポルフィリン、
トリアザポルフィリン骨格が好ましい。この窒素数範囲
であれば赤色域と青色域双方で高い屈折率を確保するこ
とができるからである。この点ではジアザポルフィリン
が特に好ましい。窒素数が0のポルフィリンでは、Qバ
ンドの強度が全く得られず630〜680nm領域でn
>2.0の高屈折率は達成し得ない。
【0019】ここで、有機色素の特性を考慮した場合、
記録層の光学定数は、630〜680nmから選択され
る波長λ1において、屈折率nが2.0以上、好ましく
は2.0〜2.7で、且つ消衰係数kが0.04〜0.
20、好ましくは0.04〜0.15である。また、3
90〜430nmの範囲から選ばれる波長λ2において
は、nが1.8以上、好ましくは2.0以上で、且つk
が0.30以下、好ましくは0.20以下である。
【0020】又、λ1においてn(λ1)<2.0の場
合には、当該波長においての記録信号振幅の獲得が困難
となる。当該色素系でn(λ1)>2.7の獲得は同時
にk(λ1)>2.0条件を要求するため、好ましくな
い。更にk(λ1)>0.20は、光吸収が大きくなり
すぎ、記録層中の熱量発生が大きくなって微小な記録ピ
ットを安定に形成できなくなり、逆に、k<0.04で
は、記録感度が獲得できない場合がある。
【0021】同時に、波長λ2においても、n(λ2)
<1.8では、波長λ2での再生時の信号振幅が確保で
きず、又、k(λ2)>0.30の場合には、同様に吸
収が大きくなり、λ2においての再生光の信号劣化が懸
念される。
【0022】更に、記録膜としての光学特性、耐久性そ
して溶解性や塗布特性などを向上させるために置換基を
導入することが望ましい。特に当該アザポルフィリン化
合物は会合を起こしやすく、それによる光学特性(屈折
率)の低下をきたすため分子の立体障害を大きくさせる
ような置換基を導入してやることが望ましい。
【0023】この化合物のR1からR8に導入する各種
置換基の具体例としては、水素、フッ素、塩素、臭素な
どのハロゲン、炭素数1〜12の置換または無置換のア
ルキル基(メチル、エチル、n−ピロピル、iso−プ
ロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n
−ペンチル、ヘキシル、アミル、シクロヘキシル、メチ
ルシクロヘキシル基など)、炭素数6〜20の置換また
は無置換のアリール基(フェニル、ベンジル等の芳香環
を含む)、エーテル基(メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ、ヘプトキシ、フェノキシ基など)、水酸
基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置
換のアリールオキシ基、アミノ基またはアルキルアミノ
基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、置換または無
置換のカルボン酸エステル基、置換および無置換のカル
ボン酸アミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホン酸基、置換または無置換のスルホン酸エステル
基、置換または無置換のスルホンアミド基、置換または
無置換のシリル基およびシロキシ基からそれぞれ独立に
選択される。これら置換基は2つ以上の場合、置換基ど
うしが連結していてもよい。また中心金属Mは、Ni,
Co,Cu,Pd,Zn,Mn及びPtなどの遷移金属
を示している。Mは、電荷を有しカチオン塩構造をとっ
ても良い。
【0024】本発明において用いられる基板は、光によ
って記録再生を行うため透明ならばいかなる材質でも使
用できる。例えばポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂等の有機高分子材
料、ガラスなどの無機材料等を用いることができる。特
に光の透過性や耐熱性のバランスに優れ、成形の容易な
ポリカーボネート系樹脂がより望ましい。また環骨格を
有するポリオレフィンも光学異方性が小さい、吸水性が
低い、そして青紫色領域での透過性に優れるといった点
から望ましい。
【0025】これら基板表面には記録位置を表す案内溝
やピット、一部再生専用の情報等のためのプレピットを
有していても良い。これらの案内溝やピット等は射出成
形により基板を作る際に付与するのが通常とられる方法
であるが、レーザーカッティング法や2P法により作製
しても良い。
【0026】ここで、DVDの記録再生波長であるλ1
はもとより、それよりも短波長側の390〜420nm
の範囲から選択される波長λ2でも安定にトラッキング
エラー出力が獲得できて、かつHF信号にも歪みのない
良好な再生信号を得るためには、まずDVD再生互換を
得る目的のためには、グルーブピッチは0.7〜0.8
5μmの範囲、好ましくは0.74〜0.80μmの範
囲が規格上限定される。当該ピッチ条件でλ2波長での
再生互換を評価したとき、形成されるグルーブの半値
幅、及びグルーブの半径方向断面の傾斜角の規定が重要
となり、それぞれ、半値幅は0.20〜0.35μm、
傾斜角が45〜65°の範囲が適切であることが確認さ
れた。これらの範囲を逸脱したグルーブ形状、例えば、
半値幅が0.35μmよりも大きい場合には、λ2での
トラッキングエラー出力が確保できず、半値幅が0.2
0μmより小さくなると、HF信号での歪みが増加し
た。更に、傾斜角が65°を越えるとそもそも基板成型
時の転写不良が無視できず、逆に45°未満ではλ2で
のトラッキングエラー出力が確保しづらくなる。
【0027】本発明に用いられる記録層は、基本的には
式(1)で表示される化合物からなり、レーザー光を照
射することにより記録できる。また記録層としては、式
(1)の色素に1つまたは2つ以上の色素を混合して使
用してもよいし、記録特性や耐久性を改良するために、
式(1)の色素または他の色素との混合物に、さらに光
吸収性物質以外のものを添加しても良い。
【0028】この記録層に混合される色素の具体例とし
ては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色
素、ナフタロシアニン色素、本発明の式(1)になるア
ザポルフィリン以外のメソ位の窒素数が1〜4個のアザ
ポルフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色
素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アン
トラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、
インドアニリン系色素等である。このうち、高い耐久
性、耐光性を持つフタロシアニン系が特に望ましい。
【0029】色素を用いた記録層は単層でなく2層以上
積層してもよい。このとき(1)に表示される色素を1
層のみに用いてもよいし2層以上に加えてもよい。
【0030】積層される色素の具体例としては、大環状
アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシ
アニン色素、アザポルフィリン色素等)、ポリメチン系
色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウ
ム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色
素、アゾ系色素、インドアニリン系色素等である。
【0031】前記の色素を含有する記録層は、通常スピ
ンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコ
ート等の塗布方法で成膜する事が可能である。塗布に際
しては、色素やレジナスバインダーその他の記録層を形
成する物質を、基板にダメージを与えない溶剤に溶かし
て用い、塗布後乾燥する。用いられる溶剤としては、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン
等の脂肪族や脂環式炭化水素系;トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系;ジエチルエーテル、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン等のエーテル系;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、テトラフルオロプ
ロパノール、メチルセルソルブ等のアルコール系;クロ
ロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロロエタン等
のハロゲン化合物系等の溶剤を好ましく用いることがで
きる。これらの溶剤は単独で用いても良いし混合しても
良い。また、記録層を2層以上積層する場合は、先に塗
布した層を侵さない溶媒を選択することが望ましい。
【0032】記録層を形成する方法として、真空蒸着法
を用いても良い。この方法は記録層物質が溶剤に溶けに
くい場合や基板にダメージを与えない溶剤が選択できな
い場合に有効である。
【0033】記録層の膜厚としては、10nm〜300
nm、望ましくは40nm〜150nmである。
【0034】記録層と基板の間に記録層劣化防止等の目
的で各種下地層を設けても良い。例えば、ポリスチレン
やポリメチルメタクリレート等の有機物、SiO2等の
無機物からなる層を用いることが可能である。これらは
単独で用いても良いし混合しても良い。また、2種顆以
上を積層して使用しても構わない。
【0035】上記の記録層上にAu,Al,Pt,A
g,Ni等の金属やその合金を用いた反射層を設けても
よい。特に酸素や水分に安定な金を用いることが望まし
い。反射層は蒸着、スバッタリング、イオンプレーティ
ング法等によって成膜される。反射層の膜厚は、10n
m〜300nm、望ましくは30nm〜150nmであ
る。
【0036】この金属反射層と記録層の間に層間の密着
力を向上させるため、または反射率を上げるため等の目
的で中間層を設けても良い。
【0037】上記の反射層上に保護層を設けてもよい。
例えばアクリレート系やメタクリレート系の一般的なラ
ジカル反応で重合するもの、エポキシ系のように光でカ
チオン重合を行うもの等の高分子材料がある。これらの
樹脂は単独で重合させても良いし他のモノマー、オリゴ
マーを共重合させても良い。また、溶剤で希釈して塗布
する事も可能である。その中でも作業牲の点からUV硬
化型が望ましい。保護層を形成する場合、スピンコー
ト、ディップコート、バーコート、スクリーン印刷等の
方法で行われるが、作業牲の面からスピンコート法がと
られる場合が多い。これらの膜厚は1μmから100μ
mの範囲で使われるが、1〜20μmが望ましい。
【0038】このように形成された保護層によって記録
層や反射層を保護しているが、使用状況等によってさら
に強い保護層が必要な場合がある。その際上記の保護層
の上にUV硬化樹脂や熱硬化樹脂、含溶剤ポリマーのよ
うな有機物、SiO2のような無機物を用いることがで
きる。これらは単独で用いても良いし、混合しても良
い。さらに他の層との密着性を向上させる等の目的で2
種類以上の膜を重ねて使用しても良い。
【0039】本発明の別の構造として記録層を有する基
板ともう1枚の基板を貼合わせたものを用いることがで
きる。もう1枚の基板は基板そのものでもよいし基板に
記録層・反射層等を付けたものを基板の記録層側を合わ
せるようにして貼付けてもよい。この時の接着方法とし
てはホットメルト法やUV硬化型接着剤を用いる方法、
1液ないし2液混合型の反応性接着剤を用いる方法、等
が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明の実施
形態はこれにより限定されるものではない。
【0041】実施例1 厚さ0.6mm,直径120mmφのスパイラルグルー
ブ状のグルーブ(深さ=150nm,半値幅=0.33
μm,傾斜角=63°、ピッチ=0.74μm)を有す
る射出成形ポリカーボネート基板に下記式(A)で示さ
れるジアザポルフィリン金属錯体:20g/Lのジメチ
ルシクロヘキサン溶液を回転数2000rpmでスピン
コートしグルーブ上で膜厚80nmの記録層を形成し、
70℃で1時間乾燥処理した。続いてこの記録層上にバ
ルザース製スパッタ装置(CDI−900)を用いてA
uを厚さ80nm形成し、更にこの反射層の上にはUV
硬化樹脂:SD−17(大日本インキ(株)製)を塗布
しUV硬化した後、この上に前記と同様に0.6mm厚
のポリカーボネート基板を重ね合せJSR製Z8412
Hラジカル重合接着材によりUV光で貼り合せた光記録
媒体を作製した。
【0042】
【化3】
【0043】この光記録媒体をパルステック工業社製デ
ィスクテスター(DDU1000:波長=658nm,
NA=0.60)にて線速度=3.5m/sで最短ピッ
ト長が0.40μm、0.80μmに相当する単一周波
数での繰り返し信号を記録し、その信号部位を赤色レー
ザー(650nm,NA=0.60)及び青紫色レーザ
ー(405nm,NA=0.65)で再生し、その反射
率(Rtop)、変調度(HF信号、ピット長別に評
価)、CN比(CNR)を評価してみた。結果を下記表
1に示す。
【0044】実施例2 記録層の有機色素として下記式(B)で表される化合物
を用いた以外は、実施例1と同様の基板に同様の膜厚及
び構造で媒体を作製し、同様の信号評価を行った。結果
を表1に示す。
【0045】
【化4】
【0046】比較例1 記録層の有機色素として下記式(C)で表される化合物
を用いた以外は、実施例1と同様の基板に同様の膜厚及
び構造で媒体を作製し、同様の信号評価を行った。結果
を表1に示す。
【0047】
【化5】
【0048】実施例3〜6、比較例2〜5 基板として、表1に示すピッチ、半値幅、傾斜角、深さ
のスパイラル状のグルーブを有する基板を用い、実施例
1と同様にして媒体を作製し、評価した。結果を表1に
示す。
【0049】表1から分かるように、405nm(λ
2)における屈折率が1.8未満である比較例1では、
405nmではトラッキングがかからず、記録再生がで
きなかった。また、色素光学定数を満たしていても、基
板溝形状が本発明の規定の範囲から外れる場合は、特に
短波長側での記録再生に劣るものであった。
【0050】色素光学定数、基板溝形状を本発明で規定
する範囲に調節することで、λ1、λ2の2波長で、良
好な記録再生が可能となる。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、DVD規格を満足する
記録再生信号を得ることができ、且つ波長390〜43
0nmの範囲から選択される青紫色レーザーを用いての
記録及び/又は再生も可能な光記録媒体が提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルーブを有す透明な基板上に、少なく
    とも記録層、金属反射層を有する光記録媒体において、
    該記録層が式(1)に示すメソ位の窒素数が1〜4個の
    アザポルフィリン金属錯体色素を主成分としてなり、波
    長λ1のレーザー光を用いて記録及び/又は再生が可能
    であり、波長λ1より短波長側の波長λ2のレーザー光
    を用いて記録及び/又は再生が可能であり、かつ、該記
    録層の屈折率nが、波長λ1で2.0以上、λ2で1.
    8以上、減衰係数kがλ1で0.04〜0.20、λ2
    で0.30以下であり、且つ、透明基板のグルーブピッ
    チが0.70〜0.85μmの範囲から選択され、グル
    ーブ半値幅が0.20〜0.35μm、その傾斜角度が
    45〜65°となることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 (各式中、X1からX3はそれぞれ独立に窒素原子又はC
    H基を示し、R1からR8はそれぞれ独立に、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の置換または無置換
    のアルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のア
    リール基、水酸基、置換または無置換のアルコキシ基、
    置換または無置換のアリールオキシ基、アミノ基または
    アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ
    基、置換または無置換のカルボン酸エステル基、置換お
    よび無置換のカルボン酸アミド基、アルキルチオ基、ア
    リールチオ基、スルホン酸基、置換または無置換のスル
    ホン酸エステル基、置換または無置換のスルホンアミド
    基、置換または無置換のシリル基およびシロキシ基から
    選択される。また中心金属Mは、遷移金属を示し、電荷
    を有してカチオン塩構造をとっても良い。)
  2. 【請求項2】 波長λ1のレーザー光を用いて記録及び
    再生が可能であり、波長λ1より短波長側のλ2のレー
    ザー光を用いて再生が可能である請求項1記載の光記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 レーザー光の波長λ1が630〜680
    nmの範囲から選択され、λ2が390〜430nmの
    範囲から選択される請求項1〜2のいずれかに記載の光
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 基板を通じて測定した波長λ1でのレー
    ザー光の反射率が40%以上で且つλ2でのレーザー光
    の反射率が15%以上である請求項1〜3のいずれかに
    記載の光記録媒体。
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