JP2002166454A - ディスク基板の射出成形方法 - Google Patents

ディスク基板の射出成形方法

Info

Publication number
JP2002166454A
JP2002166454A JP2000364050A JP2000364050A JP2002166454A JP 2002166454 A JP2002166454 A JP 2002166454A JP 2000364050 A JP2000364050 A JP 2000364050A JP 2000364050 A JP2000364050 A JP 2000364050A JP 2002166454 A JP2002166454 A JP 2002166454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
temperature
stamper
shot
molten resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000364050A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawasaki
川▲さき▼吉弘
Kazuo Inoue
和夫 井上
Kazuhide Hayashi
林  一英
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000364050A priority Critical patent/JP2002166454A/ja
Publication of JP2002166454A publication Critical patent/JP2002166454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度光ディスクの基板を成形する際、ノイ
ズの小さい光ディスク基板を提供する。 【解決手段】 金型1および2スタンパ3を用いてディ
スク基板を成形する際の金型温度を、ディスク基板を連
続成形する金型温度T2より低く設定した金型温度T1
で少なくとも1ショット成形する。これにより第一ショ
ット成形時のスタンパ汚損を防止する。その後、金型1
2,13およびスタンパ14の温度を光ディスク基板と
しての諸特性が得られる金型温度T2に設定した状態に
して基板を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク基板や
光磁気ディスクに用いられるディスク基板の射出成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク上の記録情報は通常、同心円
状やスパイラル状に形成された情報ピットもしくは連続
溝などの情報記録トラックとしてディスク基板上に書き
込まれている。このような光ディスクに用いられる基板
は、情報ピットあるいは連続溝を記録したスタンパを設
置した金型内に、溶融したポリカーボネートなどの合成
樹脂材料を射出し金型を圧縮する方法により製作される
のが一般的である。
【0003】図5に射出成形機の概略図を示す。図に示
すように、射出成形機500において、501は固定側
金型、502は可動側金型、503はスタンパ、504
はキャビティ、505は固定プラテン、506は可動プ
ラテン、507および508は金型温度調整手段、50
9はノズル、510は加熱筒、511はスクリュ、51
2はホッパ、513は溶融樹脂、514は成形機本体、
515は可塑化装置、516は型締装置である。
【0004】固定側金型501は固定側プラテン505
を介して成形機本体514に接合されており、一方、可
動側金型502は本体に接続している型締装置516に
よって往復動作を行う可動プラテン505に接合されて
いる。
【0005】スタンパ503は固定側金型501の内面
に接合されている。また、両金型を閉じ合わせた際にで
きる空隙がキャビティ504である。ここでスタンパ5
03は固定側金型501に接合されているが、可動側金
型502に接合される形態の金型であっても以下の説明
に差はない。
【0006】金型501および502は温度調整手段5
07および508により所望の温度に加熱あるいは冷却
することができる。また、型締装置516により射出時
(あるいは射出中射出後の)金型嵌合面に圧縮力をかけ
ることもできる。可動プラテン506は製品取り出し時
に後退して金型を開き、次回成形時に再度前進して金型
を閉じる。一方、ホッパ512から投入された樹脂は、
可塑化装置505によって回転数および移動速度、圧力
をコントロールされるスクリュ511によって必要量計
量されて加熱筒510内で溶融混練されて溶融樹脂51
3となり、可塑化装置515の射出動作によりスクリュ
511に押し出されてノズル509を介してキャビティ
504内に押し出される。
【0007】図6は一般的な光ディスクの成形動作の説
明フロー図である。初回成形分の樹脂が加熱筒内でホッ
パ512からスクリュ511に計量されつつ溶融される
(S601)。そして金型501および502を閉じる
(S602)。次に、スクリュ511によって溶融樹脂
を温度調整されたキャビティ504内に射出充填し(S
603)、金型圧縮力を加える(S604)。その後、
次サイクル分の樹脂を溶融して計量しておき(S60
5)、一方でキャビティ504内では、圧縮力を加えた
溶融樹脂を冷却する(S606)。冷却時間経過後、金
型501および502を開いて(S607)、製品とな
った基板が取り出される(S608)。以降は金型を閉
じるところから次のショットに移行する。ここで1ショ
ットとは、型閉S602から製品取り出しS608まで
の成形動作1回分を指す。
【0008】通常、光ディスク用のスタンパを新規に使
用開始する場合において、スタンパ503を金型501
および502内に取り付けてから、成形品が所望の光学
特性および機械特性などを満たすような条件にあらかじ
め金型温度を設定して昇温しておき、成形機側も成形品
が所望の特性を満たす成形条件に設定しておいてから成
形を開始する。この際、成形開始から成形システム全体
(成形機全体の温度、射出/圧縮圧力、金型動作、基板
と金型間の離型状態など含めた成形動作)が平衡状態に
到達するまでの間、試し打ちと称して数ショットから数
万ショットの成形品を廃棄している。
【0009】つまり、試し打ちは、このような金型50
1、502やスタンパ503のなじみや成形機の定常運
転動作へ移行するための温度変動の安定化、および基板
の離型動作の安定化による離型ムラの除去などが目的で
ある。また、試し打ちからそのままの成形条件で引き続
き連続成形を行って得られた基板を用いてディスク化
し、特性検査によってその新規スタンパの使用可否の判
定を行うのが一般的である。
【0010】このように、従来は、試し打ち時の成形条
件がその後の本番成形によって得られる基板(あるいは
ディスク)特性に直接与える影響について勘案されたも
のは皆無であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年光ディ
スクの高密度化はめざましく、高密度に情報を蓄積する
ために、ディスクの記録用案内溝(プリグルーブ)や情
報記録ピットの溝間(トラックピッチ)を小さくするこ
とで、単位面積辺りの記録密度を向上する方法が採られ
ている。
【0012】このような高密度光ディスクの基板は、ス
タンパ表面の微細な情報あるいは溝の記録パターンを高
精度に転写し、かつ情報再生時の信号品質を高品位に保
つために複屈折を規定量以下に抑えることが求められ
る。そのためには、射出成形時の金型温度を機械特性が
規定量以下になる範囲でできるだけ高温に設定し、成形
する樹脂の溶融温度も樹脂の分解温度近辺まで高温に設
定する必要がある。
【0013】しかし、従来のように試し打ちの初回成形
時から金型温度を高温に設定して成形する場合、以下の
ような問題が存在する。
【0014】図7〜図10は、成形品がディスク基板と
して必要充分な転写性や光学特性が得られるような温度
T2に設定されている場合の成形動作を説明するための
概略図である。各図において、704はキャビティ、7
05および706は金型温度調整手段、707は第一シ
ョットの溶融樹脂、708は第一ショットのオリゴマ、
709は第一ショットのガス状の離型剤成分、710は
固形化したオリゴマ、712および713は温度がT2
である金型、714は温度がT2であるスタンパ、71
5は第二ショットの溶融樹脂、716は第二ショットの
オリゴマ、717は第二ショットのガス状の離型剤成
分、718は固形化した第二ショットのオリゴマ、73
5は部分的に付着した離型剤、736は金型およびスタ
ンパに付着残留したオリゴマである。
【0015】また、図7は、新スタンパの使用開始時に
温度調整手段705および706により金型温度がT2
の場合の金型712,713及びスタンパ714を表し
ている。ここで、金型キャビティ704内に溶融樹脂7
を射出する。
【0016】このとき、図8に示すように射出された溶
融樹脂707がスタンパ714上に到達する前に、溶融
樹脂中に含まれる、溶融樹脂707より分子量の小さい
オリゴマ成分708が噴出してくる。さらにその前に
は、樹脂中にごく微量だけ含まれている、他の成分に比
してさらに比較的分子量の小さい離型剤成分709がガ
ス状成分として噴出してくる。オリゴマ成分708の由
来は、樹脂の製造工程で含まれる低重合成分あるいは成
形機での可塑化時に加水分解によって生成されたもので
あると考えられる。
【0017】従って、スタンパ714および金型712
の表面には、ガス状の離型剤成分709とオリゴマ成分
708とが順に接触した後、溶融樹脂707が到達す
る。
【0018】しかしながら、高密度光ディスクの基板の
転写性を良好に維持するような温度T2は、樹脂のガラ
ス転移温度Tgに近い温度であるため、第一ショットか
ら表面温度がT2である場合にはガス状の離型剤成分7
09は、スタンパ714表面に十分に凝結付着せずにそ
のままスタンパの外周方向に流れていってしまい、図8
に示すように、その一部が残留離型剤成分735とし
て、金型712およびスタンパ714上に点状に残留し
て部分的に付着する。
【0019】このような状態下では、オリゴマ成分70
8が、スタンパ714表面や金型712の内壁に直接接
触することになり、図9に示すように、スタンパ714
表面や金型712の内壁に接触したオリゴマ成分708
は、スタンパや金型の表面に付着したまま固形化し、固
形化オリゴマ残留物736となる。
【0020】従って、図10に示すように、第二ショッ
ト以降の成形基板は固形化オリゴマ残留物736の形状
が基板表面に転写されることになり、信号ピットあるい
は記録用溝が汚損された基板を成形し続けてしまう。
【0021】このように表面が汚損した基板でディスク
を作成した場合は、信号ピットあるいは記録用溝の再生
ノイズ成分が増加して必要特性を満たさなくなり、すな
わち品質不良となる。従って、このスタンパ714は不
良という判定が下され、使用できないことになる。
【0022】つまり、従来のように充分な転写性が得ら
れるような金型温度で試し打ちを開始する場合には、金
型温度をTgに近い温度に設定して第一ショットから成
形することになり、溶融樹脂内に含まれるオリゴマ成分
がスタンパ表面のピットあるいは溝のパターン上に付
着、固化して、その形状が基板表面に転写され表面パタ
ーンが損なわれてしまい、ディスク再生時のノイズ成分
が増加して特性が悪化する場合があるという課題があっ
た。
【0023】本発明は上記課題を鑑みてなされたもので
あり、ノイズの増加しない高密度光ディスク等に用いら
れるディスク基板の射出成形方法を提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、キャビティ
を有する金型と、前記キャビティ内の少なくとも1つの
面に設置されるスタンパと、前記金型およびスタンパの
温度である金型温度を調節する金型温度調整手段とを用
いて、前記キャビティに離型剤を含有した溶融樹脂を射
出、充填し、前記スタンパによって、充填された前記溶
融樹脂をディスクに成形するディスク基板の射出成形方
法であって、前記金型温度調整手段によって、前記溶融
樹脂で前記ディスク基板を成形可能な最低金型温度をT
0、連続して射出成形を行うための前記金型の温度をT
2、前記溶融樹脂のガラス転移温度をTgとすると、 T1≠T2(ただしT0≦T1≦Tg,T0≦T2≦T
g) となるような温度T1に前記金型温度を調整した状態
で、少なくとも1ショット以上射出成形を行う予備成形
工程と、前記予備成形工程が行われた後、前記金型温度
調整手段によって前記金型温度を前記温度T2にした状
態で、以後の射出成形を行う本製造工程とを備え、前記
温度T1は、前記離型剤が前記金型の内壁および前記ス
タンパ表面に実質一様にする金型温度であることを特徴
とするディスク基板の射出成形方法である。
【0025】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、前記温度T1,T2の間に、 T1<T2 [K] の関係があることを特徴とする上記本発明である。
【0026】また、第3の本発明(請求項3に対応)
は、前記温度T1,T2およびTgの間に、 T1≦(Tg−25)<T2 [K] の関係があることを特徴とする上記本発明である。
【0027】また、第4の本発明(請求項4に対応)
は、前記溶融樹脂がポリカーボネートであることを特徴
とする上記本発明である。
【0028】以上のような本発明のディスク基板の射出
成形方法の一例は、試し打ち時の金型温度設定範囲を本
製造時の温度と違えるように特定することで、基板を高
型温成形する場合でも表面のピットあるいは溝のパター
ンの損壊を抑制し、信号再生時の基板ノイズ増加を抑制
するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照して説明する。本発明の実施の
形態の射出成形方法を実現する射出成形機の構成は、従
来の技術にて説明したものと同様であるので、その説明
は省略する。また、本実施の形態の射出成形方法の各工
程も、図6に示す説明フロー図と同様であるのでその説
明を省略する。
【0030】次に、図1〜図4は、本発明の実施の形態
を説明するための概略図である。図において、1および
2は温度がT1である金型、3はスタンパ、4はキャビ
ティ、5および6は金型温度調整手段、7は第一ショッ
トの溶融樹脂、8は第一ショットのオリゴマ、9は第一
ショットのガス状の離型剤成分、10は固形化したオリ
ゴマ、11は金型表面に付着した離型剤成分からなる凝
結付着層、12および13は温度がT2である金型、1
4は温度がT2であるスタンパ、15は第二ショットの
溶融樹脂、16は第二ショットのオリゴマ、17は第二
ショットのガス状の離型剤成分、18は固形化した第二
ショットのオリゴマである。
【0031】図1は、新スタンパの使用開始時の金型及
びスタンパを表している。金型温度調整手段5および6
によりT1に保温されている金型1および2とスタンパ
3との間に形成されるキャビティ4内に溶融樹脂7を射
出する。このときの設定温度T1は、成形品がディスク
基板として必要充分な転写や光学特性が得られるような
温度T2より低い温度であるが、成形樹脂を金型1およ
び2の外周まで行きわたらせることのできる最低温度T
0より高い温度である。
【0032】図2は、本発明の予備成形工程の一部とし
て、図1に示すキャビティ4内に、射出方向100に沿
って溶融樹脂7を射出した状態を示す図である。図に示
すように、従来の技術の説明にて先述したように、射出
された溶融樹脂7の前には溶融樹脂中に含まれる分子量
の小さいオリゴマ成分8が噴出してくる。さらにその前
には、樹脂中にごく微量だけ含まれている離型剤成分9
がガス状になり噴出する。
【0033】スタンパ3の表面および金型1の内壁に
は、ガス状の離型剤成分9とオリゴマ成分8が順に接触
するが、このときスタンパ3の表面および金型1の内壁
の温度がが十分に低い温度T1である場合は、第一ショ
ット時にまず比較的分子量の小さいガス状の離型剤成分
9が最初にスタンパ3表面あるいは金型1表面に実質一
様に接触し、充分量だけ凝結付着層11を形成する。
【0034】次に、離型剤成分9と溶融樹脂本体7の間
に流れてくるオリゴマ成分8は、凝結付着層11の内側
に接触することになるので、オリゴマ成分8は、スタン
パ3の表面および金型1の内壁に直接接触しないまま固
形化した固形化オリゴマ成分10を形成し、その次に溶
融樹脂本体7が流れてきて、固形化オリゴマ成分10上
に接着・固形化する。充分冷却された後に、固形化オリ
ゴマ成分10は樹脂本体とともに基板として離型除去さ
れ、本発明の予備成形工程を完了する。
【0035】このとき、図3に示すように、スタンパ3
表面に離型剤層11は残留するので、第二ショット以降
も固形化オリゴマ成分10がスタンパ3表面および金型
1の内壁に直接接触することがない。第二ショット以
降、相当回数ショットを重ねると凝結付着層11の効力
は薄れてくる場合もあるが、この場合は、再び上述した
ような予備成形工程を行えばよい。
【0036】また、第2ショット以降も離型剤成分9は
キャビティ内に析出するが、これは成形された基板とと
もに外部に取り出されるため、新たに凝結付着層を形成
することはない。
【0037】従って、本発明の本製造工程となる、第二
ショット以降は、図4に示すように、金型温度調整手段
5および6により十分な転写性・諸特性の得られる成形
条件温度T2に昇温した金型12,13およびスタンパ
14を用いれば、成形時に溶融樹脂本体15と離型剤成
分17の間に流れてくるオリゴマ成分16が金型12の
内壁及びスタンパ14の表面に直接接触せずに、離型剤
成分からなる凝結付着層11の内側に接触することにな
る。これにより、固形化オリゴマ成分18の付着による
信号ピットの汚損による基板ノイズの増加が抑制されて
良好な特性のディスクが得られる。
【0038】
【実施例】次に、本発明の方法を用いて光ディスク基板
の成形実験を行った。すなわち、光ディスク用成形機
(住友重機械工業(株)製 DISK5AM3)と基材
厚0.6mm成形用の金型((株)精工技研製)を組み
合わせ、基板成形用樹脂材料には代表的な光学用途のポ
リカーボネート(帝人化成(株)製 パンライトAD−
5503:Tg=147℃)を用い、溝深さが80nm
である高密度DVD−RAM(デジタルバーサタイルデ
ィスクランダムアクセスメモリ)用成形条件で基板成形
を行い、(表1)および(表2)のように複数のスタン
パにおける第一ショットおよび本成形の設定金型温度に
対する基板再生ノイズ成分の測定結果を得た。基板のサ
ンプリングは、第一ショット成形後一時成形動作を停止
して金型温度を変更してから本成形を行ってサンプル採
取した。
【0039】基板評価は、ディスク用再生評価機(光源
波長650nm、NA=0.62)の再生光量を通常1
mWから4mWに上げてディスクと反射光量がほぼ等し
くなるようにして、基板の情報読みとり面側からレーザ
ーを照射して線速8.2m/sで再生し、反射光量を検
出してスペクトラムアナライザで2.7MHzの再生信
号強度を抽出しノイズ指数として比較した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 (表1)および(表2)において、第二ショット以降の
本成形時では、金型温度T2が122℃以下では外周部
に転写不良が発生、すなわちスタンパ表面の溝形状を基
板表面に充分に写し取ることができなかったため、本成
形時の成形温度T2は122℃より高く設定する必要が
あった。また、第一ショット時の金型温度T1を50℃
以下にすると、金型外周まで溶融樹脂が行きわたらない
状態になった。
【0042】この結果、少なくとも、第一ショット時の
金型温度が本成形時の基板ノイズに影響を及ぼしてお
り、第一ショット時の金型温度が50℃より大きく、1
22℃以下であればノイズ増加のない良好な基板が得ら
れていることが分かる。
【0043】また、比較例22から、本成形時の温度T
2が147℃以上になると、成形された基板の溝部が変
形不良を起こすため、温度T2はこれ以下になるのが望
ましい。
【0044】したがって、本実施例においては、温度T
1,T2の間は、 T1≦(Tg−25)<T2 (℃) とすることで、最も好適な結果が得られる。ただしここ
でTgは溶融樹脂のガラス転移温度であり、比較例22
から147℃とした。
【0045】このように、本発明の方法を採用すること
により再生ノイズ指数の増加を抑制した成形基板を得る
ことができることを示した。
【0046】なお、実施の形態では、一般的なポリカー
ボネート樹脂を使用した場合を説明したが、樹脂の種類
がこれ以外の場合でも、樹脂に含有させる離型剤は樹脂
本体より低融点であるので、本発明と同様の効果が得ら
れるのは言うまでもない。
【0047】また、本実施の形態では、第1ショット時
の金型温度T1と第2ショット以降の金型温度T2と
は、T1<T2の関係があるものとして説明を行った
が、本発明はこれに限定されるものではなく、金型温度
T1が、離型材が金型の内壁およびスタンパ表面に実質
一様に付着するような温度であり、金型温度T2が、溶
融樹脂を連続して射出成形を行うための温度であって、
かつ溶融樹脂のガラス転移温度Tg以下の温度であっ
て、T1≠T2の関係を持つようにすればよい。また、
実施例においては、温度測定は摂氏(℃)で行ったが、
本発明における金型温度の関係は相対的なものなので、
本発明における各温度の関係は、絶対温度(K)で示し
ても構わない。
【0048】また、本実施の形態では、光ディスク基板
を成形するものとして、実施例にてDVD−RAMを作
成した場合の説明を行ったが、本発明のディスク基板の
射出成形方法の対象は、これに限定するものではなく、
CD、LD等の光ディスクに用いられるディスク基板、
MO、MD等の光磁気ディスクに用いられるディスク基
板に対して適用するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明によれば、ディスク基板の射出成形におい
て、予備成形工程時に特定の範囲に金型温度を設定して
溶融樹脂を金型内に射出するので、金型およびスタンパ
表面に優先的に樹脂中に含まれる離型剤成分を優先的に
付着させることができ、金型温度を高温に設定して成形
する本製造工程の場合でも、樹脂中のオリゴマ成分のス
タンパ表面への付着を抑制することができる。この結
果、付着オリゴマによる基板ノイズの発生を抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の成形前の金型を示す概略
断面図
【図2】本発明の実施の形態の第一ショットの金型状態
を示す概略断面図
【図3】本発明の実施の形態の第一ショット基板離型後
の金型状態を示す概略断面図
【図4】本発明の実施の形態の第二ショットの金型状態
を示す概略断面図
【図5】射出成形機の構成概略図
【図6】光ディスク成形機の成形動作のフロー図
【図7】従来の方法の成形前の金型を示す概略断面図
【図8】従来の方法の第一ショットの金型状態を示す概
略断面図
【図9】従来の方法の第一ショット基板離型後の金型状
態を示す概略断面図
【図10】従来の方法の第二ショットの金型状態を示す
概略断面図
【符号の説明】
1、2 金型温度がT1である金型 3 スタンパ 4 キャビティ 5 金型温度調整手段 7 第一ショットの溶融樹脂 8 第一ショットのオリゴマ成分 9 第一ショットのガス状の離型剤成分 10 固形化オリゴマ成分 11 金型表面に付着した離型剤成分からなる凝結付着
層 12、13 温度がT2である金型 14 温度がT2であるスタンパ 15 第二ショットの溶融樹脂 16 第二ショットのオリゴマ成分 17 第二ショットのガス状の離型剤成分 18 第二ショットの固形化オリゴマ成分 500 射出成形機 501 固定側金型 502 可動側金型 505 固定プラテン 506 可動プラテン 509 ノズル 510 加熱筒 511 スクリュ 512 ホッパ 513 溶融樹脂 514 成形機本体 515 可塑化装置 516 型締装置 735 部分的に付着した残留離型剤成分 736 金型に付着残留した固形化オリゴマ残留物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 林 一英 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AG01 AH38 AH79 AM19 AR06 CA11 CB01 CB29 CK43 CL01 CN01 4F206 AA28 AG01 AH38 AH79 AM19 AR064 JA07 JL02 JM04 JN11 JN43 JQ81 5D121 AA02 DD05 JJ08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティを有する金型と、前記キャビ
    ティ内の少なくとも1つの面に設置されるスタンパと、
    前記金型およびスタンパの温度である金型温度を調節す
    る金型温度調整手段とを用いて、前記キャビティに離型
    剤を含有した溶融樹脂を射出、充填し、前記スタンパに
    よって、充填された前記溶融樹脂をディスクに成形する
    ディスク基板の射出成形方法であって、 前記金型温度調整手段によって、前記溶融樹脂で前記デ
    ィスク基板を成形可能な最低金型温度をT0、連続して
    射出成形を行うための前記金型の温度をT2、前記溶融
    樹脂のガラス転移温度をTgとすると、 T1≠T2(ただしT0≦T1≦Tg,T0≦T2≦T
    g) となるような温度T1に前記金型温度を調整した状態
    で、少なくとも1ショット以上射出成形を行う予備成形
    工程と、 前記予備成形工程が行われた後、前記金型温度調整手段
    によって前記金型温度を前記温度T2にした状態で、以
    後の射出成形を行う本製造工程とを備え、 前記温度T1は、前記離型剤が前記金型の内壁および前
    記スタンパ表面に実質一様にする金型温度であることを
    特徴とするディスク基板の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 前記温度T1,T2の間に、 T1<T2 [K] の関係があることを特徴とする請求項1に記載のディス
    ク基板の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 前記温度T1,T2およびTgの間に、 T1≦(Tg−25)<T2 [K] の関係があることを特徴とする請求項2に記載のディス
    ク基板の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 前記溶融樹脂がポリカーボネートである
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスク基板の射出
    成形方法。
JP2000364050A 2000-11-30 2000-11-30 ディスク基板の射出成形方法 Pending JP2002166454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000364050A JP2002166454A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 ディスク基板の射出成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000364050A JP2002166454A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 ディスク基板の射出成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002166454A true JP2002166454A (ja) 2002-06-11

Family

ID=18835061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000364050A Pending JP2002166454A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 ディスク基板の射出成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002166454A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4184091B2 (ja) 射出成形方法
JP2002166454A (ja) ディスク基板の射出成形方法
JP2004074727A (ja) 光ディスク基板の成形金型及び光ディスク
CN1132170C (zh) 光盘基板的制造方法
JP3473149B2 (ja) 樹脂製ディスク基板の製造方法
JP2000311397A (ja) 基板成形用金型及び基板の製造方法
JPH0751300B2 (ja) プリフォーマット入り光ディスク基板の成形方法およびそれに用いる金型
JPH10320848A (ja) 光情報記録用ディスク基板の成形方法
JPH09198722A (ja) 光記録媒体の基板製造方法および光記録媒体
JPH09314563A (ja) 円盤状記録媒体基板の成形用金型装置
JPH0531777A (ja) 光デイスク基板の成形方法
JP2980432B2 (ja) 表面に微細なパターンを有し、且つ中心に開口を有する成形品の射出成形方法及びその射出成形装置
JPH10235682A (ja) 射出成形装置
JPH10309736A (ja) 射出成形機及び射出成形方法
JP2000061994A (ja) 光ディスク基板の製造方法
JPH07316B2 (ja) フォーマット入り光ディスク基板の成形方法
JP2003305756A (ja) ディスク基板の製造方法、金型装置及び射出成形装置
JPH07272324A (ja) 光ディスク
JPH09198723A (ja) 光記録媒体の基板製造方法および光記録媒体
JP2006255942A (ja) 光ディスク基板成形用金型装置
JPH0763991B2 (ja) フォーマット入り光ディスク基板成形用金型
JP2003340877A (ja) 記録媒体用基板を製造する方法、記録媒体用基板、記録媒体および射出成形装置
JPH08207083A (ja) 光ディスクの成型方法および成型用金型
JP2002347093A (ja) 射出成形金型
JPH08281692A (ja) 成形品の製造方法及びその成形装置