JPH10309736A - 射出成形機及び射出成形方法 - Google Patents

射出成形機及び射出成形方法

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JPH10309736A
JPH10309736A JP9137521A JP13752197A JPH10309736A JP H10309736 A JPH10309736 A JP H10309736A JP 9137521 A JP9137521 A JP 9137521A JP 13752197 A JP13752197 A JP 13752197A JP H10309736 A JPH10309736 A JP H10309736A
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cavity
molten resin
injection molding
mold
molding machine
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JP9137521A
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Atsushi Yusa
敦 遊佐
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/263Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B29C2045/2657Drive means for the outer peripheral ring
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形における溶融樹脂の流動性を向上
し、光学特性が均一な樹脂基板を製造する。 【解決手段】 射出成形機内の可動金型4及び固定金型
12が型締めされて形成されたキャビティ7の末端部5
3は可動金型4の環状溝51から固定金型12の方に突
出可能な外径リング14により画定される。溶融樹脂1
3がキャビティ7内に射出された後、キャビティ末端部
53に到達する前に外径リング14を突出させてキャビ
ティ末端部53を閉鎖させる。外径リング14の駆動機
構19による移動は溶融樹脂のキャビティ7内の到達位
置と相関のあるスクリュー位置センサ28からの検出信
号に基づいて回路22にて制御される。溶融樹脂13か
ら発生したガスをキャビティ末端部53から逃がすこと
ができ、樹脂流動性が向上して転写率及び光学特性に優
れた基板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型のキャビティ
内に溶融樹脂を射出することにより樹脂成形品を製造す
るための射出成形機及び射出成形方法に関し、さらに詳
細には、可動金型と固定金型が型締めされることによっ
て形成されるキャビティ内での溶融樹脂の流動性に優
れ、高密度記録が可能な光ディスク用基板の成形に好適
な射出成形機及び射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代の到来により、光磁
気ディスクやデジタルバーサタイルディスク(DVD)
等の大記録容量を持つ光記録媒体が音声や画像情報の記
録再生に使用されている。これらの光記録媒体は、ポリ
カーボネート等の樹脂基板上に記録層や反射層等を積層
して構成される。樹脂基板は、通常、プリフォーマット
信号やデータ信号を複製可能なスタンパを装着した金型
内に溶融樹脂を射出成形することによって製造される。
【0003】図9に、光ディスク用プラスチック基板を
射出成形するために用いられている従来の射出成形機の
主要部を模式的に示す。成形機のフレーム(図示しな
い)上に設置された固定プラテン1は4本のタイバー2
の末端に固定されており、可動プラテン3はこの4本の
タイバー2上に摺動可能に支持されている。可動プラテ
ン3は、図示しない型締め力発生機構と連結されてお
り、型締め力発生機構の動きに連動して、可動プラテン
3及び可動プラテン3に取付けられた可動金型4が図中
の左右方向に移動し、それにより可動金型4と固定金型
12の開閉並びに型締めが行われる。型締め力発生機構
としては、直圧式やトグル式等がある。
【0004】固定金型4及び可動金型12が型締めされ
ることによって形成される空間、すなわち、キャビティ
7内には溶融樹脂が充填される。キャビティ7の外周側
は、可動金型14の表面(鏡面の外側)に埋設された外
形リング14により画定されている。また、図示した金
型では、固定金型12の側に、凹凸状のプリピットやプ
リグルーブを複製するためのスタンパ5が装着されてお
り、スタンパ5の表面は外形リング14の内周及び可動
金型4の表面とともにキャビティ7のキャビティ面を構
成することになる。溶融樹脂の充填は、加熱筒8内でス
クリュー9の回転により可塑化及び計量された溶融樹脂
を油圧シリンダー10の圧力によりスクリュー前に押し
出すことにより行われ、溶融樹脂はノズル先端24及び
金型内スプール63を経てキャビティ7内に充填され
る。こうして充填された溶融樹脂は、キャビティ内で、
金型温調媒体流路6を流れる媒体により冷却されて、ス
タンパ5に刻まれた凹凸ピット等が転写された円盤状の
樹脂基板となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構造の射
出成形機において、樹脂充填の際、キャビティ7は外径
リング14により常時密閉されており、キャビティ7の
末端はバリが許容される範囲までしかクリアランスを設
けることができない。かかる構造は、溶融状態の樹脂か
ら発生するガスを逃がしにくく、樹脂充填時にはキャビ
ティ7の内圧を上昇させていた。このキャビティ7の内
圧上昇により、溶融樹脂がキャビティ7内の末端部まで
均一に流動することが困難となり、樹脂温度や金型温度
を高くする等の樹脂の流動性を向上させる技術が必要で
あった。
【0006】特に、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂
材料を用いスタンパ上のピットや溝などの信号を転写し
て得る光ディスク用基板成形プロセスにおいては、転写
性を向上したり、基板内の残留応力に起因する複屈折を
低減するため、ガス逃げや樹脂の流動性を改善する種々
の試みがなされてきた。近年、基板の板厚を薄くし、案
内溝の間隔(トラックピッチ)を狭くすることにより光
記録媒体を高密度化することが行われており、これまで
以上に射出成形時の樹脂の流動性を向上することが望ま
れている。しかしながら、樹脂温度や金型温度等を制御
するだけでは、これらの高密度記録媒体用基板の射出成
形に要求されている樹脂の流動性を達成することは困難
であり、さらなる成形技術が要望されていた。
【0007】特開平2−52716号は、キャビティ末
端を形成する部品である外径リングを駆動させる機構を
備えた光ディスク基板用金型を開示している。外径リン
グ駆動機構は、固定金型の鏡面上に形成された環状溝内
に嵌入された外径リング、それに連結したロッド及びピ
ストン、並びに圧油が供給されることによってピストン
を駆動する油室等から構成されている。成形品の冷却後
期の任意のタイミングでピストンが反キャビティ側に移
動することによってロッドを介して外径リングが反キャ
ビティ側が引っ込み、それにより成形品の外径面が金型
内で離型される。この公報に開示された技術は、金型か
ら成形品の離型性を改善することを目的としており、樹
脂充填時には外径リングによりキャビティは密閉されて
いるために、前記のようなガス逃げ不良やガス逃げの不
均一による基板外周部における光学特性のむら(マイク
ロリターデーション)等の問題を回避することはできな
い。
【0008】本発明は、前記従来技術の問題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、射出成形にお
ける溶融樹脂の流動性を向上し、光学特性が均一な樹脂
基板を製造することができる射出成形機及び射出成形方
法を提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、基板外周部
に極めてバリの少ない樹脂基板を製造することができる
射出成形機及び射出成形方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、可動金型と固定金型とから構成される金型のキャ
ビティ内に溶融樹脂を射出することにより樹脂成形品を
製造する射出成形機において、上記可動金型と固定金型
の開閉方向と直交する方向におけるキャビティ末端部を
画定する部材と、上記部材を可動金型と固定金型の開閉
方向に駆動することによってキャビティ末端部を開閉す
る駆動手段と、上記キャビティ内における溶融樹脂の到
達位置を直接または間接的に検出するための検出手段
と、上記検出手段からの検出信号に基づいて、上記溶融
樹脂がキャビティ内に射出された後であって且つキャビ
ティ末端部に到達する前に、上記キャビティ末端部画定
部材がキャビティ末端部を閉鎖するように上記駆動手段
を制御する制御手段とを有することを特徴とする射出成
形機が提供される。
【0011】本発明の第1の態様に従う射出成形機は、
キャビティ末端部を画定する部材、例えば、外径リング
を、可動金型と固定金型の開閉方向に移動させることが
できる駆動手段を有する。さらに、射出成形機は、駆動
手段を制御して、キャビティ内における溶融樹脂の到達
位置を検出することができる検出手段からの検出信号に
基づいて、溶融樹脂がキャビティ内に射出された後であ
って且つキャビティ末端部に到達する前に上記キャビテ
ィ末端部画定部材がキャビティ末端部を閉鎖させる制御
手段を有する。このため、溶融樹脂のキャビティ内への
射出開始時には、キャビティ末端部画定部材が後退(ま
たは前進)してキャビティ末端部を開放するため、溶融
樹脂から発生するガスを、開放されたキャビティ末端部
から逃がすことができる。この結果、キャビティ内圧の
上昇が防止され、溶融樹脂のキャビティ内での流動が容
易となり、樹脂成形品の外周部(外壁部)を形成するこ
とになるキャビティ末端部にまで溶融樹脂が均一且つス
ムーズに行き渡る。
【0012】そして、溶融樹脂がキャビティ末端部に至
る前に、好ましくは直前に、キャビティ末端部画定部材
が前進(または後退)してキャビティ末端部を閉鎖させ
る。この閉鎖は、キャビティ末端部画定部材と可動金型
または固定金型の鏡面との間のクリアランスを考慮する
必要がなく、完全に閉鎖してもよい。それゆえ、樹脂成
形品の末端にバリが発生することを防止することができ
る。本発明の射出成形機において、キャビティ末端部画
定部材が前進(または後退)してキャビティ末端部を形
成(閉鎖)するタイミングは任意に設定できるが、成形
条件変更時に過充填となった場合、樹脂がキャビティを
越えてオーバーパックし、金型の破損などトラブルが生
じる恐れがあるので確実に溶融樹脂がキャビティ末端部
に到達する前に駆動する必要がある。本発明では検出手
段により溶融樹脂がキャビティ末端部に到達するタイミ
ングを検出することができるため、かかるタイミングに
基づいて溶融樹脂がキャビティ末端部に到達する前に確
実にキャビティ末端部を閉鎖することが可能となる。
【0013】本発明の第2の態様に従えば、可動金型と
固定金型とから構成される金型のキャビティ内に溶融樹
脂を射出することにより樹脂成形品を製造する射出成形
機において、上記可動金型と固定金型の開閉方向と直交
する方向におけるキャビティ末端部を画定する部材と、
上記部材を可動金型と固定金型の開閉方向に駆動するこ
とによってキャビティ末端部を開閉する駆動手段とを有
し、該駆動手段が駆動力発生源と駆動力伝達手段から構
成され、該駆動力発生源が成形機本体側に装着されてな
ることを特徴とする射出成形機が提供される。
【0014】本発明の第2の態様に従う射出成形機は、
外径リングのようなキャビティ末端部を画定する部材を
備え、このキャビティ末端部画定部材を駆動する駆動手
段の駆動力発生源、例えば、油圧シリンダを、金型内部
ではなく、成形機本体側、例えば、可動プラテン内部ま
たは外部に装着することができる。これにより、金型の
製造コストを低下し、金型を量産することが容易とな
る。この場合、金型内部には駆動力伝達手段、例えば、
突き出しピン等の移動経路や圧力伝達流体が流動する流
路等が形成される。
【0015】上記第2の態様における射出成形機におい
ては、溶融樹脂の冷却から型開きまでにおける工程にお
いて、上記部材を駆動してキャビティ末端部を開放する
ことにより成形品を離型させることができる。これによ
り、成形品の離型が確実となり、金型の型開きが極めて
容易となる。また、本発明の第1の態様の射出成形機の
ように、さらに、上記キャビティ内における溶融樹脂の
到達位置を直接または間接的に検出するための検出手段
と、上記検出手段からの検出信号に基づいて、上記溶融
樹脂がキャビティ内に射出された後であって且つ溶融樹
脂がキャビティ末端部に到達する直前に上記キャビティ
末端部画定部材がキャビティ末端部を閉鎖するように上
記駆動手段を制御する制御手段とを備えることによっ
て、溶融樹脂充填時にキャビティ末端部画定部材を駆動
させることもできる。これにより、溶融樹脂のキャビテ
ィ内での流動が容易となり、成形品の外周部(外壁部)
を形成することになるキャビティ末端部にまで溶融樹脂
が均一且つスムーズに行き渡るとともに、成形品の末端
に発生するバリを殆ど無くすことが可能になる。
【0016】本発明の第1および第2の態様に従う射出
成形機において、上記駆動手段が、圧力、速度またはそ
の両方により制御されることができる。例えば、油圧変
化を駆動源とする場合、減圧弁によって圧力を、絞り弁
によって速度を制御することが可能である。
【0017】本発明の第1態様に従う射出成形機及び検
出手段を備えた第2の態様に従う射出成形機において、
キャビティ内における溶融樹脂の到達位置を検出する
際、キャビティにおける樹脂の充填位置と相関がとれる
ものならば任意の物理量を検出してもよい。例えば、射
出シリンダー内で検出されるスクリュー位置、充填圧
力、充填時間、充填速度などの信号が望ましい。即ち、
前記検出手段は、成形機のスクリュー位置を検出する検
出器または溶融樹脂の射出圧力を検出する検出器にする
ことができる。これらの検出器は、射出成形機に元々装
着されているものであり、新たに検出器を設ける必要が
ないため、本発明の射出成形機の製造コストを低減する
ことができる。これらの検出器を用いる場合には、検出
器からの検出信号と溶融樹脂の到達位置の関係を予め調
べておき、射出成形中に、かかる関係と検出信号とから
溶融樹脂の到達位置を求めることができる。その他、キ
ャビティや金型の開き量を検出する検出器や、金型内の
充填圧力を検出する検出器を用いることもできる。
【0018】本発明の第1および第2の態様に従う射出
成形機において、上記成形品が光ディスク用基板であ
り、上記可動金型または固定金型にスタンパが装着さ
れ、上記部材が該スタンパが装着されない方の金型に設
けられた外径リングであることが好ましい。本発明の射
出成形機を用いて光ディスクを成形することにより、特
に外周部のマイクロリターデーションが低減され、基板
外周部にバリが殆どない光ディスクが得られる。特に、
本発明の射出成形機は高密度記録用の光ディスクに有効
であることから、上記樹脂成形品は厚み0.8mm以下
の光ディスク用基板であることが好ましい。
【0019】本発明の第1の態様に従う射出成形機で
は、キャビティ末端部画定部材の駆動手段は、金型内に
装着してもよく、射出成形機の本体側に装着してもよ
い。金型の製造コストを低減する観点からすれば射出成
形機の本体側、例えば、可動プラテンに装着するのが好
ましい。一方、本発明の第2の態様に従う射出成形機で
は、キャビティ末端部画定部材の駆動手段のうち駆動力
発生源は射出成形機の本体側に装着され、駆動力発生源
は、例えば、油圧シリンダにすることができる。
【0020】本発明の第3の態様に従えば、可動金型と
固定金型とから構成される金型のキャビティ内に溶融樹
脂を射出し、溶融樹脂を冷却することにより樹脂成形品
を製造するための射出成形方法において、上記可動金型
と固定金型の開閉方向と直交する方向におけるキャビテ
ィ末端部を、溶融樹脂がキャビティ内に射出されるとき
に開放しておき、溶融樹脂がキャビティ末端部に到達す
る前に閉鎖することを特徴する射出成形方法が提供され
る。
【0021】本発明の射出成形方法に従えば、キャビテ
ィ末端部を溶融樹脂がキャビティ内に射出されるときに
開放しておくため、溶融樹脂から発生するガスをキャビ
ティ末端部から逃がすことができる。それゆえ、樹脂充
填の間に、キャビティ内圧の上昇が防止され、溶融樹脂
のキャビティ内での流動が容易となり、成形品の外周部
(外壁部)を形成することになるキャビティ末端部にま
で溶融樹脂が均一且つスムーズに行き渡る。そして、溶
融樹脂がキャビティ末端部に至る前に、キャビティ末端
部を閉鎖させる。この閉鎖は、キャビティ末端部を画定
する部材、例えば、外周リングと可動または固定金型の
鏡面との間のクリアランスを考慮する必要がなく、完全
に閉鎖してもよいため、成形品の末端にバリが発生する
ことを防止することができる。
【0022】本発明の射出成形方法において、上記溶融
樹脂のキャビティ内の到達位置を直接または間接的に検
出し、該検出された溶融樹脂の到達位置に基づいてキャ
ビティ末端部の開閉を制御することができる。これによ
り、キャビティ末端部の自動的な開閉が可能となり、溶
融樹脂がキャビティ末端部に至る前に確実にキャビティ
末端部を閉鎖することができる。
【0023】本発明の射出成形方法において、上記溶融
樹脂のキャビティ内の到達位置を直接または間接的に検
出する場合には、上記成形機のスクリュー位置または溶
融樹脂の射出圧力もしくは射出速度を検出することによ
って溶融樹脂のキャビティ内の到達位置を検出すること
が好ましい。スクリュー位置または溶融樹脂の射出圧力
もしくは射出速度の検出器は通常の射出成形機に装着さ
れているため、新たに検出器を設ける必要がなく、容易
に検出が可能であるからである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態及び
実施例を図面を用いて具体的に説明するが、本発明はそ
れらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 本発明に従う射出成形機は、通常の射出成形機と同様
に、主に、型締装置、射出装置、油圧駆動装置及び電気
制御装置から構成されている。図1に、本発明に従う射
出成形機の射出装置近傍の概略構成を示す。射出装置
は、主に、可動金型4を保持する可動プラテン3、固定
金型12を保持する固定プラテン1、金型キャビティ7
内に溶融樹脂を射出する加熱筒8、プラテンを支持する
タイバー2、図示しない型締め力発生機構(型締めシリ
ンダ)等から構成される。この実施例では、図1に示し
た射出成形機を用いて、外径φ120mmm、板厚0.
6mmの光ディスク用基板を製造する。
【0026】固定金型12の可動金型4と対向する面
(鏡面)12aにはスタンパ5が装着されている。スタ
ンパ5は、厚み0.3mmの純Ni材料で作製され、そ
の表面にはトラックピッチ0.8μm、幅0.3μm、
深さ0.2μmのU字形のグルーブ及びアドレスピット
やサーボピット等のプリフォーマットパターンを光ディ
スク基板表面に形成するための凹凸が形成されている。
【0027】可動金型4及び固定金型12の内部にはそ
れぞれ金型温調媒体流路6が形成されており、図示しな
い温度制御機構で温度制御された温水が金型温調媒体流
路6を循環することによって、可動金型4及び固定金型
12の温度が制御される。
【0028】可動金型4の表面には環状溝51が形成さ
れており、環状溝51内には、環状の外径リング14が
挿入されている。外径リング14は、後述する外径リン
グ駆動機構19により固定金型12の表面12aに向か
って前進または後退することができ、これによって、可
動金型4と固定金型12の開閉方向と直交する方向のキ
ャビティ7の末端部53,53’が開放または閉鎖され
る。すなわち、金型内に形成されるキャビティ7は、可
動金型4と固定金型12が型締めされたときの可動金型
4の表面4aと、外径リング51が固定金型12の方に
前進してキャビティ末端部53を閉鎖したときの外径リ
ング51の内側面と、スタンパ5の表面5aによって画
定される。
【0029】加熱筒8は、通常の射出成形機で用いられ
るものと同様の構造を有し、内部に油圧シリンダ10と
連結されたスクリュー9が配置されている。油圧シリン
ダ10は、サーボ弁23により駆動され、油圧を検出す
るための圧力センサ27を備える。また、加熱筒8内に
はスクリュー9の筒内位置を検出するための位置センサ
28が装着されている。
【0030】射出成形機の本体側、例えば、可動プラテ
ン3の外部には、外径リング駆動機構19を構成する油
圧シリンダ17が装着されている。油圧シリンダ17
は、油圧を制御して外径リング駆動速度(駆動圧)を調
節するための絞り弁21を介して電磁弁16と接続され
ている。電磁弁16には、減圧弁20及び圧力計11が
それぞれ接続されている。射出成形機は、外径リング駆
動機構19を駆動するための油圧を制御するフィードバ
ック回路22を備える。フィードバック回路22は、前
述のスクリュー位置センサ28及び圧力センサ27と接
続されており、これらのセンサからキャビティ7内の所
定の樹脂到達位置に相当する信号を受けて電磁弁16を
開閉する信号を電磁弁を送る。
【0031】フィードバック回路22は、射出成形機の
動作を一括して管理するコントローラ(図示しない)内
に組み込まれ、かかるコントローラは本発明における制
御手段として機能する。スクリュー位置センサ28及び
/または圧力センサ27は、本発明における検出手段と
して機能する。
【0032】ここで、外径リング駆動機構19を図1お
よび2(a) を用いて説明する。図2(a) に示すように、
可動金型4の環状溝51内には、外径リング14及び外
径リング14をガイドするボールリテーナ25を備え、
ボールリテーナ25は外径リング14の前進または後退
時の環状溝51に対するかじりを防止する。外径リング
14は、ピン55によりシリンダ59内に摺動可能に挿
入されたピストン57と連結している。シリンダ59内
には、ピストン57を外径リング14が後退する方向に
付勢するように戻しバネ15が装着されている。ピン5
5は、ピストン57と連結するとともに、さらに、図1
に示すように、延在して屈曲した後、合体して油圧シリ
ンダ17に固定された突き出しピン18と連結してい
る。前記ボールリテーナ25、ピン55、シリンダ5
9、戻しバネ15、突き出しピン18、電磁弁16、減
圧弁20、絞り弁21及び油圧シリンダ17は外径リン
グ駆動機構、すなわち本発明における駆動手段を構成す
る。
【0033】以下に、図1および図2(a) に示した射出
装置を備えた射出成形機の動作を説明する。
【0034】固定金型12の表面12aにスタンパ5が
装着された後、金型温調媒体流路6に温調水を循環させ
て金型温度を120℃に保持した。可動金型4及び固定
金型12を25トンの圧力で型締めした後、340℃に
設定した加熱筒8からポリカーボネート樹脂をスクリュ
ー前進速度最大120mm/sにてキャビティ7に射出
充填した。
【0035】射出充填初期の状態において、図(2) (a)
に示すように、外径リング14は戻しバネ15により後
退しており、キャビティ末端部53が開放されているた
め、溶融樹脂から発生したガスを逃がすための大きなク
リアランスが確保される。このクリアランス量の設定は
任意であるが、本実施例ではキャビティ7の厚みと同じ
0.6mmとした。そして、樹脂が図2(a) に示すよう
な任意の位置に到達した瞬間に、スクリュー位置センサ
28からの検出信号を受けて、電磁弁16が開き、減圧
弁20からの油が油圧シリンダー17に供給される。そ
して、油圧シリンダー17が圧力Pで突き出しピン18
を介して外径リング駆動機構19及び外径リング14を
キャビティ末端部53が閉鎖されるようにスタンパ側に
突き出す。この結果、図2(b) に示すように、溶融樹脂
13はキャビティ末端部53にて外径リング14によっ
て封止される。
【0036】外径リング14を突き出すとき、外径リン
グ突き出し機構19を通じて外径リング14にかかる突
き出し圧力Pは、戻しバネ15の付勢力及び樹脂のキャ
ビティ7内の充填圧力PR の和よりも高いこと、すなわ
ち、樹脂充填圧PR により外径リング14が後退しない
だけの力が必要である。圧力Pは、減圧弁20によって
適宜調整することができ、また駆動速度は絞り弁21に
よって調整することができる。また、充填初期において
は、外径リング14にかかる突き出し圧力Pは、戻しバ
ネ15の付勢力や充填圧力PR よりも弱い圧力であれば
ガス逃げのクリアランスが確保できるので、突き出し圧
力Pを徐々に上げる等、圧力を多段階制御してもよい。
【0037】突き出しタイミングを決める任意の充填位
置は、スクリューを前進させる油圧シリンダ10の油圧
を検出する圧力センサ27の信号もしくはスクリュー前
進位置を監視する位置センサ28より検出される信号を
用いて、これをフィードバック回路22にかかるトリガ
ーとすることにより管理することができる。本実施例に
おいてはスクリュー位置センサー28が3mm前進した
と検知した際にキャビティ7内の外径φ40mmの位置
まで樹脂が到達することを予め調査しておき、前記スク
リュー位置でトリガーをかけ、遅延時間0sにてフィー
ドバック回路より電磁弁16を作動する信号を出すよう
にした。戻しバネ15の付勢力20kgf/cm2 、最
大充填圧力120kgf/cm2 のとき突き出し圧力
は、圧力計11にて測定した値で60kgf/cm2
上に調整すれば、溶融樹脂が外径リングを越えてオーバ
ーパックすることが回避できることがわかった。
【0038】この実施例では、外径リング前進開始より
型開き及び製品取り出しのタイミングまで外径リング駆
動圧力を保持し、外径リング14によりキャビティ末端
部53を保持し続けた。この外径リング駆動圧力を型開
き時もしくは取り出し時などに変化させ、製品の離型抵
抗を任意に制御することもできる。また、溶融樹脂13
がキャビティ7内に充填された後、金型内を循環する温
度制御媒体により溶融樹脂13が冷却される工程におい
て、外径リング14を可動金型4内の環状溝51内に再
び後退させて、樹脂成形品の外周部をキャビティ7から
離型してもよい。
【0039】この実施例では、圧力Pの調整は油圧制御
で行ったが、減圧弁等用いて空気圧で制御してもよい。
なお、本実施例においては可動金型4から外径リング1
4が突き出ることによりキャビティ末端部53が閉鎖さ
れたが、駆動機構を固定金型側に設けてもよく、キャビ
ティ末端部53を閉鎖させる力は突き出し力でも戻し力
でもよい。
【0040】比較例1 本発明の射出成形機の効果を確認するため、実施例1の
射出成形機を用いて以下の実験を行なった。実施例1に
おいて外径リング駆動機構に常時60kgf/cm2
圧力をかけてキャビティ7への樹脂充填開始から充填終
了を通してキャビティ7の末端部53が外径リング14
で密閉された状態にした以外は、実施例1と同様な条件
でポリカーボネートを射出成形した。こうすることによ
り、射出成形機は図9に示したような従来の射出成形機
と同様に機能することになる。
【0041】〔転写率の測定〕次に、実施例1及び比較
例1の射出成形機を用いた射出成形において、樹脂温度
340℃、型締め圧を25トンとし、金型温度を110
℃〜140℃の範囲で変化させた場合に得られる成形品
(光ディスク基板)の最外周における転写率をAFM
(Atomic Force Microscope )にて測定した。なお、こ
こでいう転写率は、(成形基板のプリピットまたはプリ
グルーブ深さ)/(スタンパにおけるプリピットまたは
プリグルーブ深さ)×100(%)で表した。
【0042】結果を金型温度に対する転写率の変化を表
す図3のグラフに示す。このグラフより本発明の射出成
形機を用いると、転写マージンに影響を与える金型温度
を変化させても転写率に殆ど変化がなく、いずれも90
%以上の極めて良好な転写率を維持していることがわか
る。
【0043】これに対して、外径リングを溶融樹脂射出
の間に駆動させなかった比較例の射出成形機では、転写
率を向上させるには金型温度を高温にして樹脂の粘度を
低く維持しなければならず、金型温度140℃において
も転写率90%を達することはできなかった。
【0044】また、実施例1及び比較例1の射出成形機
を用いた射出成形において、金型温度120℃、型締め
圧を25トンとし、樹脂温度を330℃〜360℃の範
囲で変化させた場合に得られる成形品(光ディスク基
板)の最外周における転写率をAFMにて測定した。
【0045】結果を樹脂温度に対する転写率の変化を表
す図4のグラフに示す。このグラフより実施例1の射出
成形機を用いると、転写マージンに影響を与える樹脂温
度を変化させても転写率に殆ど変化がなく、いずれも9
0%以上の極めて良好な転写率を維持していることがわ
かる。
【0046】これに対して、外径リングを溶融樹脂射出
の間に駆動させなかった比較例の射出成形機では、樹脂
温度を変化させても転写率は65%までにしか達するこ
とができない。
【0047】また、実施例1及び比較例1の射出成形機
を用いた射出成形において、金型温度120℃、樹脂温
度を340℃とし、型締め圧を約5〜50トンの範囲で
変化させた場合に得られる成形品(光ディスク基板)の
最外周における転写率をAFMにて測定した。
【0048】結果を型締め圧力に対する転写率の変化を
表す図5のグラフに示す。このグラフより実施例1の射
出成形機を用いると、転写マージンに影響を与える型締
め圧力を変化させても転写率に殆ど変化がなく、いずれ
も90%以上の極めて良好な転写率を維持していること
がわかる。
【0049】一方、外径リングを溶融樹脂射出の間に駆
動させなかった比較例の成形機では、転写率を向上させ
るには型締め圧力を低下させて型を開かせることにより
キャビティ厚みを厚くし、樹脂の流動性を改善すること
が必要であることがわかった。なお、比較例1の場合で
は、型締め圧力5トンにおいても転写率90%を達成す
ることができなかった。
【0050】なお、比較例の射出成形機では、スタンパ
の転写率95%以上得るためには、金型温度130℃以
上、樹脂温度380℃以上、型締め圧5トン以下とする
必要があることがわかった。しかしながら、この条件で
は樹脂温度がポリカーボネートの熱分解温度を超えてい
ることや充填時の型締め圧が不安定になることなどによ
り繰り返し良品を成形することができないことが判明し
た。
【0051】実施例2 本実施例においては、外径φ86mm、板厚1.2mm
の3.5型光磁気ディスク用基板を、図1に示した射出
成形機を用いて製造する。但し、スタンパ5は、厚み
0.3mmの純ニッケル製であり、スタンパに刻まれた
信号はトラックピッチ1.1μmのV溝とプリピットか
らなる3.5型5X(記録容量640MB)光磁気ディ
スク用フォーマットである。かかるスタンパ5を実施例
1と同様に固定金型12の表面12aに装着し、金型温
調媒体流路6を流れる温調水の温度を120℃に、加熱
筒8の温度を330℃にそれぞれ制御して射出成形し
た。外径リング14の直径及び可動金型4の環状溝51
の直径は、上記光磁気ディスクの寸法に合わせて調整し
てある。本実施例において外径リングは以下のようにし
て駆動させた。
【0052】樹脂充填前は外径リング14は戻しバネ1
5により後退させ、その際の外径リング14によるガス
逃げクリアランス量が1mmになるようにした。スクリ
ュー位置センサ28によりスクリューが10mm(製品
外径のφ25mmにあたる)の位置に前進したと検知し
た瞬間に、フィードバック回路22が電磁弁16に作動
信号を発生し、外径リング14がキャビティ末端部53
を閉鎖するように突き出させた。この突き出し状態を型
開き開始時点まで保持した。
【0053】このとき最大充填圧力PR は80kgf/
cm2 であり、これに対して外径リング突き出し圧力P
は50kgf/cm2 であり、型締め圧等の調整により
信号エリア最外周である半径r=41mmにおける基板
リターデーション(複屈折量)が10nm以下になるよ
うに調整した。
【0054】上記方法で作製した成形基板を用いて、図
6に示す断面構造からなる光磁気ディスク60を作製し
た。光磁気ディスク60は、ポリカーボネート基板29
上に、SiN誘電体膜31、Tb−Fe−Co系磁性膜
32、SiN誘電体膜33及びAlTi反射膜34を、
マグネトロンスパッタリングにより順次積層して製造し
た。最後に、AlTi反射膜34に紫外線硬化樹脂から
なる保護膜35を、基板29の表面には紫外線硬化樹脂
からなるハードコート膜をそれぞれスピンコート法で塗
布した。
【0055】こうして得られた磁気ディスク60に、記
録磁界300Oeにてλ=680nmのレーザーを用い
光磁気(MO)信号を半径位置r=41mmに記録し
た。記録時のディスク回転数は3000rpmとし、記
録パターンは5X光磁気ディスクにおける細密パターン
である2T信号とした。かかる記録信号を再生し、以下
の方法で図7(a) に示すMO信号における高周波成分の
変動、すなわちISO規格でいうところのACインバラ
ンスを測定した。
【0056】図7(a) はMO信号を50kHz以上のハ
イパスフィルターを通した後の信号波形であり、この信
号振幅電圧をMO振幅とする。そして図7(b) はMO信
号を消去した信号をバンドパスフィルター(1kHz〜
50kHz)を通した後の信号波形であり、局所的な変
動電圧値をACインバランス電圧とする。こうして求め
られたMO振幅とACインバランス電圧よりACインバ
ランスは以下の式(1)より求められる。
【0057】 ACインバランス=(ACインバランス電圧)/(MO振幅)・・・(1)
【0058】5X光磁気ディスクのACインバランスの
ISO規格は0.2以下である。本実施例においては、
光磁気記録再生装置のピックアップの位相差を−50゜
〜+50゜の範囲で変化させ、最外径r=41mmにお
けるACインバランスの位相マージンを測定した。図8
にその結果を示す。
【0059】図8より、本実施例より作製した5X光磁
気ディスクはピックアップの位相差±50゜の範囲でA
Cインバランスの規格を満足していることが明らかであ
る。すなわち、使用するドライブまたは光磁気ディスク
により再生信号の位相がばらついたとしても、良好なA
Cインバランスを維持していることがわかる。
【0060】比較例2 型閉及び溶融樹脂を射出している期間を通して、外径リ
ング14の突き出し圧力を50kgf/cm2 に維持
し、キャビティ末端部53を閉鎖し続けた以外は、実施
例2と同様な方法及び成形機を用いて基板を成形し、得
られた基板から光磁気ディスクを製造した。
【0061】本比較例で作製した5X光磁気ディスクを
実施例2と同様な方法で最外径r=41mmにおけるA
Cインバランスを測定した。その結果を図8に示す。図
8より本比較例の光磁気ディスクにおいてはピックアッ
プの位相差−15゜〜+10゜の範囲ではACインバラ
ンスの規格を満たしているが、それ以外の範囲において
は規格外であることが明らかである。これは、キャビテ
ィ末端部53が常に閉鎖していたために、ガス逃げクリ
アランスの均一性が確保されず、その結果、成形基板に
発生した複屈折楕円体における主軸の傾きが一周内で局
所的に変動することなどにより位相がずれた場合に、局
所的光学変動が顕著になるからであると考えられる。本
比較例と実施例2の結果を比較すると、本発明における
樹脂充填の際、外周ガス逃げクリアランスを一層大きく
確保すれば、局所的光学変動を抑制することができるこ
とがわかる。
【0062】以上、本発明の射出成形機及び射出成形方
法を実施例により具体的に説明してきたが、本発明はそ
れらの具体例に限定されるものではない。例えば、キャ
ビティ末端部画定部材である外径リングを突出させてキ
ャビティ末端部を閉鎖させるタイミングは、溶融樹脂が
キャビティ内に射出された後、キャビティ末端部に到達
する前のタイミングならばいかなるタイミングに設定し
てもよい。
【0063】なお、本発明の射出成形機の構成部分であ
り且つ図1に示さなかった部分、例えば、型締装置、油
圧駆動装置及び電気制御装置等は、通常の射出成形機に
おけるそれらの装置と同様の構成にすることができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の第1の態様に従う射出成形機で
は、溶融樹脂のキャビティ内への射出開始時には、キャ
ビティ末端部画定部材が後退しており、キャビティ末端
部が開放されているため、成形品の外周部(外壁部)を
形成することになるキャビティ末端部にまで均一且つス
ムーズに溶融樹脂が行き渡る。このため、金型温度、樹
脂温度及び型締め圧などの成形条件におけるマージンが
拡大し、光学特性(リターデーション)及び転写性に優
れた成形品を得ることができる。また、溶融樹脂がキャ
ビティ末端部に至る前に、キャビティ末端部画定部材が
前進してキャビティ末端部を閉鎖するため、成形品の末
端にバリが発生することを防止することができる。
【0065】本発明の第2の態様に従う射出成形機は、
キャビティ末端部画定部材を駆動する駆動手段の駆動力
発生源、例えば、油圧シリンダを、金型内部ではなく、
成形機本体側、例えば、可動プラテンに装着しているた
め、金型の製造コストを低下し、金型を量産することが
容易となる。また、溶融樹脂を冷却する工程において、
上記部材を駆動してキャビティ末端部を開放することに
より成形品を容易に離型させることができる。
【0066】本発明の第3の態様に従う射出成形方法
は、キャビティ末端部を溶融樹脂がキャビティ内に射出
されるときに開放しておくため、溶融樹脂から発生する
ガスをキャビティ末端部から逃がすことができ、樹脂充
填の間に、キャビティ内圧の上昇が防止され、成形品の
外周部(外壁部)を形成することになるキャビティ末端
部にまで均一且つスムーズに溶融樹脂が行き渡る。ま
た、溶融樹脂がキャビティ末端部に至る前に、キャビテ
ィ末端部を閉鎖させるため、キャビティ末端部を画定す
る部材、例えば、外周リングと可動または固定金型の鏡
面との間のクリアランスを微調整する必要がなく、成形
品の末端にバリが発生することを防止することができ
る。特に、キャビティ容積が狭い製品を成形する場合に
おいても、樹脂温度や金型温度を高くすることなく確実
に樹脂充填が行われるため、金型温度、樹脂温度及び型
締め圧力等の成形条件のマージンを広く確保できるとと
もに、転写性や光学特性等において優れた成形品を得る
ことができる。それゆえ、本発明の射出成形方法は高密
度記録用の光記録媒体用基板の成形に極めて有用とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で用いた射出成形装置の射出
装置の概略構成を概念的に示す図である。
【図2】図1の射出成形装置における外径リング駆動機
構を説明する図であり、(a) は、外径リングがキャビテ
ィ末端部を閉鎖する前の状態を示し、(b) は外径リング
がキャビティ末端部を閉鎖した後の状態を示す。
【図3】本発明の実施例1及び比較例1において金型温
度の変化に対する転写率の変化を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1及び比較例1において樹脂温
度の変化に対する転写率の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例1及び比較例1において型締め
圧力の変化に対する転写率の変化を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例2において成形された樹脂基板
を用いて製造した光磁気ディスクの断面図である。
【図7】光磁気ディスクのACインバランス特性を示す
グラフであり、(a) はMO信号を50kHz以上のハイ
パスフィルターを通した後の波形(MO振幅)であり、
(b) はMO信号を消去した信号をバンドパスフィルター
(1kHz〜50kHz)を通した後の波形である。
【図8】本発明の実施例2及び比較例2において得られ
た光磁気ディスクのACインバランス測定値を示すグラ
フである。
【図9】従来用いられている射出成形装置の射出装置の
概略構成を概念的に示す図である。
【符号の説明】
1 固定プラテン 2 タイバー 3 可動プラテン 4 可動側金型 5 スタンパ 6 金型温調媒体流路 7 キャビティ 8 加熱筒 9 スクリュー 10 油圧シリンダー 11 圧力計 12 固定側金型 13 溶融樹脂 14 外径リング 15 戻しバネ 16 電磁弁 17 油圧シリンダー 18 突き出しピン 19 外径リング駆動機構 20 減圧弁 21 絞り弁 22 フィードバック回路 23 サーボ弁 25 ボールリテーナ 27 圧力センサ 28 位置センサ 51 環状溝 53 キャビティ末端部 55 ピン 63 スプール

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動金型と固定金型とから構成される金
    型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより樹脂
    成形品を製造する射出成形機において、 上記可動金型と固定金型の開閉方向と直交する方向にお
    けるキャビティ末端部を画定する部材と、 上記部材を可動金型と固定金型の開閉方向に駆動するこ
    とによってキャビティ末端部を開閉する駆動手段と、 上記キャビティ内における溶融樹脂の到達位置を直接ま
    たは間接的に検出するための検出手段と、 上記検出手段からの検出信号に基づいて、上記溶融樹脂
    がキャビティ内に射出された後であって且つキャビティ
    末端部に到達する前に、上記キャビティ末端部画定部材
    がキャビティ末端部を閉鎖するように上記駆動手段を制
    御する制御手段とを有することを特徴とする射出成形
    機。
  2. 【請求項2】 可動金型と固定金型とから構成される金
    型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより樹脂
    成形品を製造する射出成形機において、 上記可動金型と固定金型の開閉方向と直交する方向にお
    けるキャビティ末端部を画定する部材と、 上記部材を可動金型と固定金型の開閉方向に駆動するこ
    とによってキャビティ末端部を開閉する駆動手段とを有
    し、該駆動手段が駆動力発生源と駆動力伝達手段から構
    成され、該駆動力発生源が成形機本体側に装着されてな
    ることを特徴とする射出成形機。
  3. 【請求項3】 上記溶融樹脂の冷却から型開きまでにお
    ける工程において、上記部材を駆動してキャビティ末端
    部を開放することにより成形品を離型させることを特徴
    とする請求項2に記載の射出成形機。
  4. 【請求項4】 さらに、上記キャビティ内における溶融
    樹脂の到達位置を直接または間接的に検出するための検
    出手段と、 上記検出手段からの検出信号に基づいて、上記溶融樹脂
    がキャビティ内に射出された後であって且つキャビティ
    末端部に到達する前に上記キャビティ末端部画定部材が
    キャビティ末端部を閉鎖するように上記駆動手段を制御
    する制御手段とを有することを特徴とする請求項2また
    は3に記載の射出成形機。
  5. 【請求項5】 上記駆動手段が、圧力、速度またはその
    両方により制御されることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の射出成形機。
  6. 【請求項6】 前記検出手段が、成形機のスクリュー位
    置を検出する検出器または溶融樹脂の射出圧力若しくは
    射出速度を検出する検出器であることを特徴とする請求
    項1,4及び5のいずれか一項に記載の射出成形機。
  7. 【請求項7】 上記樹脂成形品が光ディスク用基板であ
    り、上記可動金型または固定金型にスタンパが装着さ
    れ、上記部材が該スタンパが装着されない方の金型に設
    けられた外径リングであることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか一項に記載の射出成形機。
  8. 【請求項8】 上記樹脂成形品は、厚み0.8mm以下
    の光ディスク用基板であることを特徴とする請求項7に
    記載の射出成形機。
  9. 【請求項9】 上記駆動力発生源が油圧シリンダである
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の射出成形
    機。
  10. 【請求項10】 可動金型と固定金型とから構成される
    金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出し、溶融樹脂を冷
    却することにより樹脂成形品を製造するための射出成形
    方法において、 上記可動金型と固定金型の開閉方向と直交する方向にお
    けるキャビティ末端部を、溶融樹脂がキャビティ内に射
    出されるときに開放しておき、溶融樹脂がキャビティ末
    端部に到達する前に閉鎖することを特徴する射出成形方
    法。
  11. 【請求項11】 上記溶融樹脂のキャビティ内の到達位
    置を直接または間接的に検出し、該検出された溶融樹脂
    の到達位置に基づいてキャビティ末端部の開閉を制御す
    ることを特徴とする請求項10に記載の射出成形方法。
  12. 【請求項12】 上記成形機のスクリュー位置または溶
    融樹脂の射出圧力若しくは射出速度を検出することによ
    って溶融樹脂のキャビティ内の到達位置を検出する請求
    項11に記載の射出成形方法。
  13. 【請求項13】 上記可動金型と固定金型の開閉方向と
    直交する方向におけるキャビティ末端部に、可動金型と
    固定金型の開閉方向に移動することによってキャビティ
    末端部を開閉することができる部材を備えることを特徴
    とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の射出成
    形方法。
  14. 【請求項14】 上記樹脂成形品が光ディスク用基板で
    あることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項
    に記載の射出成形方法。
  15. 【請求項15】 上記可動金型と固定金型の開閉方向と
    直交する方向におけるキャビティ末端部を、溶融樹脂が
    キャビティ内に射出されるときに開放しておき、溶融樹
    脂がキャビティ末端部に到達する前に閉鎖することによ
    って、溶融樹脂から発生するガスを、開放されたキャビ
    ティ末端部を通じて逃がすことを特徴とする請求項10
    〜15のいずれか一項に記載の射出成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1683620A1 (en) * 2005-01-20 2006-07-26 TDK Corporation An injection mould for an optical disc and a moulding method
JP2010247414A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Ube Machinery Corporation Ltd ガスカウンタープレッシャー成形方法、並びにその装置

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