JP2002162762A - 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2002162762A
JP2002162762A JP2000360998A JP2000360998A JP2002162762A JP 2002162762 A JP2002162762 A JP 2002162762A JP 2000360998 A JP2000360998 A JP 2000360998A JP 2000360998 A JP2000360998 A JP 2000360998A JP 2002162762 A JP2002162762 A JP 2002162762A
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Masanari Asano
真生 浅野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電位保持性が安定していて、カブリが無く、
画像欠陥がない、感光体寿命が長い、トナーフィルミン
グやクリーニング不良が無い、画像形成方法及び画像形
成装置とプロセスカートリッジを提供する。 【解決手段】 導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸
送物質とバインダを含む光導電層を有する感光体を用い
る画像形成方法において、前記光導電層の最外層が特定
構造の電荷輸送物質とバインダを含み、トナーの形状係
数の変動係数が16%以下で、個数粒度分布における個
数変動係数が27%以下であり、かつ前記トナーを構成
する樹脂の溶解性パラメータ値SPtと感光体の最外層
を構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPpとの差の絶
対値、ΔSPが1.0(cal・cm31/2以下である
ことを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる画像形成方法、画像形成装置及びプロセ
スカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成方法は、複写機
やプリンタ等の画像形成装置として広く実用化されてい
る。
【0003】電子写真に用いる感光体は、今日、電荷発
生層と電荷輸送層を積層した感光層を持つ有機感光体
(機能分離積層型有機感光体)が多く用いられている。
これは機能分離することにより多くの化合物の中から特
定機能だけが優れたものを選び出し、組み合わせて使用
することが出来るため、高性能で耐久性のある感光体が
得られる為である。例えば、感光層(光導電層ともい
う)を構成する電荷輸送層の素材として、所謂ヒドラゾ
ン型電荷輸送物質は低電界部での電荷輸送能が優れ、残
留電位やカブリがなく良好な特性を有していることが知
られている。
【0004】一方、上記感光層に形成され静電潜像の現
像に当たっては、画質向上の為、比較的球形で、粒径分
布のシャープなトナー、特に重合トナーの使用が試みら
れている。しかし、重合トナー等の粒径の揃った、球形
で角がないトナーを用いると、繰り返し使用中に感光体
の表面層に発生した微細クラック部分にトナーが侵入し
やすく、クラックを成長、拡大させ、感光層にダメージ
を与える傾向がある。特に上記ヒドラゾン型電荷輸送物
質を用いるとこの傾向が激しく、画像に出てこない程度
のクラックが発生すると急速に広がり、感光体寿命を縮
めてしまう。
【0005】この様なトナーが感光体表面上に発生した
クラック内に侵入するということは、トナー表面と感光
体表面との間に生ずる相互作用も何らかの影響を与え、
クラック拡大の因子の1つと考えられる。
【0006】ところで、特開平4−106553号公報
に記載の如く、トナーと感光体表面層バインダの溶解性
パラメータ値(SP値:Solubility Par
ameter)の差を大きくし、化学親和性を低下さ
せ、フィルミングの発生防止策が提案されているが、上
記クラックについての対応策は知られていないのが現状
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き状
況において、ヒドラゾン型電荷輸送物質を含有する感光
体の表面に出来るクラックを抑え、高感度、低カブリで
耐久性の高い画像形成を行うためになされた。
【0008】即ち、本発明の目的は、電位保持性が安定
していて、カブリが無く、画像欠陥がなく画質が良い、
例え微細なクラックが発生しても感光体寿命を損なわな
いため感光体寿命が長い、感光体表面のトナーフィルミ
ングやクリーニング不良が無い画像形成方法及び画像形
成装置とプロセスカートリッジを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記ヒド
ラゾン型の電荷輸送物質(CTMと略すことあり)とバ
インダを用いた表面層において、トナーとバインダのS
P値の差を大きくしても顕著なクラックの改善効果は見
られず、ΔSPが1.0(cal・cm31/2以下の条
件を選ぶことにより、かえってクラックの成長が抑えら
れることを見出し、本発明に至った。
【0010】本発明の目的は、下記構成の何れかを採る
ことにより達成される。 〔1〕 導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質
とバインダを含む光導電層を有する感光体を用い、少な
くとも帯電、像露光、トナーによる現像、転写を繰り返
す画像形成方法において、前記光導電層の最外層が前記
一般式(1)、(2)又は(3)で示される何れかの電
荷輸送物質とバインダを含み、前記トナーの形状係数の
変動係数が16%以下で、個数粒度分布における個数変
動係数が27%以下であり、かつ前記トナーを構成する
樹脂の溶解性パラメータ値SPtと感光体の最外層を構
成する樹脂の溶解性パラメータ値SPpとの差の絶対
値、ΔSPが1.0(cal・cm31/2以下であるこ
とを特徴とする画像形成方法。
【0011】〔2〕 前記バインダがポリカーボネート
であることを特徴とする〔1〕に記載の画像形成方法。
【0012】〔3〕 前記バインダがBPZ型ポリカー
ボネートであることを特徴とする〔2〕に記載の画像形
成方法。
【0013】〔4〕 前記バインダがジメチルBPA型
ポリカーボネートであることを特徴とする〔2〕に記載
の画像形成方法。
【0014】〔5〕 前記電荷発生物質がフタロシアニ
ンであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕の何れか1項
に記載の画像形成方法。
【0015】〔6〕 前記光導電層にAO剤を含むこと
を特徴とする〔1〕〜〔5〕の何れか1項に記載の画像
形成方法。
【0016】〔7〕 前記光導電層にEA剤を含むこと
を特徴とする〔1〕〜〔6〕の何れか1項に記載の画像
形成方法。
【0017】〔8〕 前記ΔSPが0.1〜0.8(c
al・cm31/2であることを特徴とする〔1〕〜
〔7〕の何れか1項に記載の画像形成方法。
【0018】
〔9〕 前記トナーが、形状係数1.0〜
1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有す
ることを特徴とする〔1〕〜〔8〕の何れか1項に記載
の画像形成方法。
【0019】〔10〕 前記トナーが、形状係数1.2
〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有
することを特徴とする〔1〕〜〔8〕の何れか1項に記
載の画像形成方法。
【0020】〔11〕 前記トナーが、角がないトナー
粒子を50個数%以上含有することを特徴とする〔1〕
〜〔10〕の何れか1項に記載の画像形成方法。
【0021】〔12〕 前記トナーの個数平均粒径が3
〜8μmであることを特徴とする〔1〕〜〔11〕の何
れか1項に記載の画像形成方法。
【0022】〔13〕 前記トナー粒子の粒径をD(μ
m)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横
軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度
分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるト
ナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻
度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)
との和(M)が70%以上であることを特徴とする
〔1〕〜〔12〕の何れか1項に記載の画像形成方法。
【0023】〔14〕 前記トナーが少なくとも重合性
単量体を水系媒体中で重合せしめて得られる粒子からな
ることを特徴とする〔1〕〜〔13〕の何れか1項に記
載の画像形成方法。
【0024】〔15〕 前記トナーが少なくとも樹脂粒
子を水系媒体中で会合させて得られる粒子からなること
を特徴とする〔1〕〜〔14〕の何れか1項に記載の画
像形成方法。
【0025】〔16〕 前記トナーがスチレン−(メ
タ)アクリレート系樹脂であることを特徴とする〔1〕
〜〔15〕の何れか1項に記載の画像形成方法。
【0026】〔17〕 導電性基体上に、電荷発生物質
と電荷輸送物質とバインダを含む光導電層を有する感光
体と、少なくとも帯電器、像露光器、トナーによる現像
器、転写器を有する画像形成装置において、前記光導電
層の最外層が前記一般式(1)、(2)又は(3)で示
される何れかの電荷輸送物質とバインダを含み、前記ト
ナーの形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒
度分布における個数変動係数が27%以下であり、かつ
前記トナーを構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPt
と最外層を構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPpと
の差の絶対値、ΔSPが1.0(cal・cm31/2
下であることを特徴とする画像形成装置。
【0027】〔18〕 〔17〕に記載の画像形成装置
に用いられるプロセスカートリッジにおいて、感光体
と、少なくとも帯電器、像露光器、現像器、転写器、ク
リーニング器の何れかを一体的に構成し、画像形成装置
本体に着脱自在に取り付けたことを特徴とするプロセス
カートリッジ。
【0028】尚、本発明における溶解性パラメータ値S
Pとは、例えばプラスチック加工技術ハンドブック(1
995 高分子学会編 日刊工業新聞社)にも記載され
ている様に、分子間結合力を表す凝集エネルギー密度
(CED)の平方根で表されるもののことである。
【0029】本発明においては、感光体表面を構成する
樹脂に対して、トナーを構成する樹脂同士のぬれ特性や
溶解性をどの程度有しているかという視点に立って検討
されたものである。
【0030】即ち、感光体表面を構成する樹脂のSP値
とトナーの樹脂のSP値とが近いものであれば、感光体
表面上に発生したクラックにトナーが入り込み易い状況
となり、非常に好ましくないものと予測されるものであ
った。
【0031】しかし、本発明者等が検討した結果、全く
予期せぬことではあるが、双方の樹脂のSP値の差が1
0以下の時にクラック発生の防止という驚くべき効果を
生ずることを見出した。
【0032】本発明の効果がもたらされる理由は明らか
でないが、本発明者等は本発明のヒドラゾン型電荷輸送
物質とバインダの組み合わせにおいて、感光体表面層と
トナーのバインダとのSP値を近接させることにより、
本発明のトナーを使用した場合の、画像に出ない微細ク
ラック部の成長作用の阻害や修復作用を持たすことが出
来るか、或いはクラックを促進する汚染物質、例えば油
性物質等のトリガーを感光体表面から排除する機能を持
たすことが出来るのではないかと推測している。
【0033】本発明においては感光体の最外層を構成す
る樹脂のSP値とトナーを構成する樹脂のSP値の差の
絶対値ΔSPが1.0(cal・cm31/2以下である
ことを特徴とするものであり、ΔSPはより好ましくは
0.1〜0.8(cal・cm31/2の範囲にあるもの
である。
【0034】尚、ΔSPが1.0より大きくなってしま
うと、クラックの成長抑止が、期待できなくなり好まし
くない。また、ΔSPが0、即ち双方の溶解性パラメー
タが等しくてもよい。
【0035】一般式(1)、(2)及び(3)におい
て、一般式(1)のR1はメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等の低級アルキル基:アリル基:フェニ
ル基:ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基であ
り、R2はo−トリル基、m−トリル基、p−トリル
基、p−エチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m
−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、p−ブロ
ムフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシ
フェニル基、p−メトキシフェニル基等の置換基を有し
ていても良いフェニル基を表す。
【0036】一般式(2)におけるR3は、水素原子:
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基等の低級アルキル基:アリル基:フェニル基:ベンジ
ル基、フェネチル基等のアラルキル基である。また、
X、Y及びZはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基等の低級アルキル基:メトキシ基、エ
トキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ基:フェノキ
シ基:ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリ
ールアルコキシ基を表す。中でもXおよびYが低級アル
キル基またはアルコキシ基、Zが水素原子、R3はフェ
ニル基のものが好ましい。
【0037】一般式(3)におけるR1は水素原子、ハ
ロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基を表
し、R2及びR3は各々置換基を有していても良いアルキ
ル基或いはアリール基を表す。またAr1は置換基を有
していても良いアリール基を表す。
【0038】上記R1、R2及びR3、またはAr1におい
て、アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等を挙げることが出来、置換アルキルには
アラルキル基を含む。アリール基としては、フェニル
基、ナフチル基等をあげることができる。さらに各々の
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
原子、水酸基、アリール基を挙げることが出来る。
【0039】下記に、具体的化合物例を挙げる。
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】尚、本発明におけるSP値は、ポリマー
エンジニアリング アンド サイエンス(Polyme
r Engineering and Scienc
e)第14巻、第2号の第147〜154頁 1974
年2月(ROBERT F.FEDORS)の記載に基
づいている。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる事項を更に
説明する。
【0047】本発明において、感光体とは導電性基体上
に少なくとも複数の樹脂層を持つものであり、即ち下引
層(中間層)、感光層、表面層、更には電荷発生層、電
荷輸送層等の中、2つ以上の層が樹脂層として存在して
いるものが多く、これら導電性基体上に積層されたもの
全てを総称して光導電層としている。
【0048】《導電性基体(支持体)》本発明の電子写
真感光体の導電性基体は、 1)アルミニウム、ステンレス等の金属板や円筒管 2)紙或いはプラスチックフィルム等の支持体上に、ア
ルミニウム、パラジウム及び金等の金属薄層をラミネー
ト若しくは蒸着によって設けたもの 3)紙、プラスチックフィルム等の支持体上に、導電性
ポリマー、酸価インジウム及び酸化錫等の導電性化合物
の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの 4)アルマイト乃至は封孔処理をしたアルマイト基体 等が挙げられる。好ましくはアルミニウムの円筒管であ
る。
【0049】《中間層》本発明の感光体に用いられる中
間層(UCL)は導電性支持体と前記感光層のとの接着
性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するため
に、該支持体と前記感光層の間に設けられるが、該中間
層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の
中の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら
樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくで
きる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これ
ら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが
好ましい。
【0050】又、本発明に最も好ましく用いられる中間
層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の
有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた
中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の
膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0051】又、別の好ましい中間層としては酸化チタ
ンとバインダ樹脂を含有し、酸化チタンをバインダ樹脂
溶液中に分散、塗布したものが挙げられる。
【0052】酸化チタンは、種々な結晶形、粒径及び表
面処理状態の物質が使用出来る。好ましくはアナターゼ
型結晶形で粒径が0.02〜0.5μmの物質、さらに
好ましくは表面処理を何も行っていない状態の物質又は
有機シランで表面処理を行った物質が挙げられる。
【0053】中間層のバインダ樹脂としては、酸化チタ
ンを良好に分散し、且つ、支持体及び中間層の上に設け
られる層との接着性が良好なポリアミド樹脂が好ましい
が、これに限定されるものではない。
【0054】《電荷発生層》本発明の電荷発生層は、電
荷発生物質とバインダ樹脂を含有し、電荷発生物質をバ
インダ樹脂溶液中に分散、塗布して形成する。
【0055】電荷発生物質は、公知のフタロシアニン化
合物であり、好ましくはチタニルフタロシアニン化合物
及びヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物である。
更にはチタニルフタロシアニンのY型、A型(β型)
等、Cu−Kα特性X線(波長1.54Å)に対するブ
ラッグ角2θの主要ピークが特徴的なチタニルフタロシ
アニン化合物が良い。これらオキシチタニルフタロシア
ニンについては特開平10−069107号公報に記載
されている。又、これらの電荷発生物質は単独で使用し
ても、2種以上例えばY型とA型を混合して使用しても
良く、多環キノン例えばペリレン顔料と混合して用いて
も良い。
【0056】電荷発生層のバインダ樹脂としては、公知
の樹脂を用いることが出来、例えば、ポリスチレン樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の中、2つ以上の構
成単位を含む共重合体樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹
脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0057】電荷発生層の形成は、バインダ樹脂を溶剤
で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散
して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗
布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
【0058】電荷発生層に使用するバインダ樹脂を溶解
し塗布するための溶剤としては、例えば、トルエン、キ
シレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタ
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジ
オキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0059】電荷発生物質の分散手段としては、超音波
分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキ
サー等が使用出来るがこれらに限定されるものではな
い。
【0060】電荷発生層を形成する塗布機としては浸漬
塗布機、リングコータ等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0061】バインダ樹脂に対する電荷発生物質の混合
割合は、バインダ樹脂100部(質量部以下も同じ)に
対して電荷発生物質1〜600部が好ましく、さらに好
ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、
電荷発生物質の特性、バインダ樹脂の特性及び混合割合
等により異なるが好ましくは0.01〜5μmである。
【0062】《電荷輸送層》本発明の電荷輸送層は、電
荷輸送物質とバインダ樹脂を含有し、電荷輸送物質をバ
インダ樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
【0063】電荷輸送物質は、前記一般式で挙げられる
電荷輸送物質の他、例えば、カルバゾール誘導体、オキ
サゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール
誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、
イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリ
ジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合
物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロ
ン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミ
ン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導
体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアン
トラセン等であり、これらを一般式(1)、(2)及び
(3)で表される化合物と混合して使用してもよい。
【0064】電荷輸送層用のバインダ樹脂は、公知の樹
脂を用いることが出来、ポリカーボネート樹脂、ポリア
クリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹
脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメ
タクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネー
ト樹脂が好ましい。更にはポリカーボネート樹脂の中で
も、BPA型、BPZ型、ジメチルBPA型、BPA−
ジメチルBPA共重合体型等がクラック、耐摩耗性帯電
特性の点で好ましい。
【0065】電荷輸送層の形成は、バインダ樹脂と電荷
輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で
一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが
好ましい。
【0066】上記バインダ樹脂と電荷輸送物質を溶解す
るための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、
メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,
3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
【0067】バインダ樹脂に対する電荷輸送物質の混合
割合は、バインダ樹脂100部に対して電荷輸送物質1
0〜500部が好ましく、さらに好ましくは20〜10
0部である。
【0068】電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特
性、バインダ樹脂の特性及び混合割合等により異なるが
好ましくは10〜100μmで、さらに好ましくは15
〜40μmである。
【0069】電荷輸送層中にはAO剤(酸化防止剤)、
EA剤(電荷受容性化合物)、安定剤等を添加しても良
い。
【0070】AO剤については特願平11−20013
5号公報、EA剤は特開昭50−137543号及び同
58−76483号の各公報に記載のものが良い。
【0071】《保護層(中間層)》耐久性をアップする
為に、電荷輸送層上に保護層を設けても良い。保護層バ
インダ樹脂は、公知の樹脂を用いることが出来、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル
共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられ
る。特開平9−190004号、特開平10−9578
7号、特開2000−171990号の各公報に記載の
シロキサン系樹脂も良い。
【0072】次に本発明で、用いられるトナーについて
の説明を行う。本発明者等は、鋭意検討した結果、トナ
ーについては、形状係数の変動係数が16%以下であ
り、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下で
あるトナーを使用することで本発明の問題を解決するこ
とができることを見出した。すなわち、トナー自体の形
状の分布を均一化することにより、帯電量分布を狭くす
ることができ、画像欠陥の発生を防止することができ、
画質を向上できる。
【0073】又、本発明者等が更に検討した結果、角が
ないトナー粒子ではその表面の平滑性により、過度な帯
電性の蓄積が無いことから、本発明の効果がさらに発揮
されることを見出した。すなわち、角がないトナー粒子
が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変
動係数が27%以下であるトナーを使用するのが本発明
に好適であることがわかった。
【0074】さらに、本発明者等の検討の結果、特定の
形状についてその形状を揃えた場合にも、トナーの帯電
性を均一化することができ、同様の効果を発揮すること
を見出した。すなわち、形状係数が1.2〜1.6の範
囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係数
の変動係数が16%以下であるトナーを使用するのが好
適であることを見出した。
【0075】このトナーの帯電量分布について検討した
結果、トナーの帯電量分布をきわめてシャープなものと
するためには、トナー粒子の粒径のバラツキを小さく制
御すると共に、形状のバラツキも小さく制御する必要が
あることが判明した。トナーの帯電量分布をきわめてシ
ャープにすることで、トナー帯電量を低く設定した場合
にも、長期にわたって安定した帯電性を得、高画質の向
上保持が可能となる。
【0076】本発明のトナーの形状係数は、下記式によ
り示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示
す。
【0077】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0078】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係
数を上記算出式にて測定したものである。
【0079】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.0〜1.6、または
1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のト
ナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する
方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段
階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、
または1.2〜1.6に調整したトナーを調製する方法
がある。
【0080】上記方法の中では重合法トナーが製造方法
として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均
一性に優れる点等で好ましい。
【0081】本発明のトナーの形状係数の変動係数は下
記式から算出される。 変動係数(%)=(S/K)×100 式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差、Kは形状係数の平均値を示す。
【0082】この形状係数の変動係数は16%以下であ
り、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数
が16%以下であることにより、帯電量分布がシャープ
となり、画質が向上する。
【0083】この形状係数および形状係数の変動係数
を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する為に、
所謂重合法において樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融
着、形状制御させる工程で、形成されつつあるトナー粒
子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工
程終了時期を決めてもよい。
【0084】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0085】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0086】本発明のトナーの個数粒度分布および個数
変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコー
ルターマルチサイザー(コールター社製)で測定される
ものである。本発明においてはコールターマルチサイザ
ーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科
機社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用し
た。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するア
パーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm
以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平
均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対する
トナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径
とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0087】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式から算出される。 個数変動係数(%)=(S/Dn)×100 式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dn
は個数平均粒径(μm)を示す。
【0088】本発明のトナーの個数変動係数は27%以
下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数
が27%以下であることにより、帯電量分布がシャープ
となり、転写効率が高くなって画質が向上する。
【0089】本発明の個数変動係数を制御する方法は特
に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力
により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をよ
り小さくするためには液中での分級が効果的である。こ
の液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回
転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速
度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法があ
る。
【0090】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必要となることが多い。懸濁重
合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナー
としての所望の大きさの油滴に分散させることが必要で
ある。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、
ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断
を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さ
くすることとなるが、このような機械的な剪断による方
法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとな
り、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広
いものとなる。このために分級操作が必要となる場合が
多い。
【0091】本発明の角がないトナー粒子とは、電荷の
集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすい
ような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体
的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。
すなわち、図1(a)、(b)、(c)に示すように、
トナー粒子の長径をL、L/10を半径Rとする円で、
トナー粒子周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をこ
ろがした場合に、全く円がトナーの外側に実質的にはみ
ださない場合を角がないトナー粒子という。実質的には
み出さない場合とは、はみ出す円が存在する突起が1箇
所以下をいう。また、トナー粒子の長径とは、トナー粒
子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、
その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
【0092】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0093】本発明のトナーにおいて、角がないトナー
粒子の割合は50個数%以上であるのが好ましく、さら
に好ましくは70個数%以上である。角がないトナー粒
子の割合が50個数%以上であることにより、現像剤搬
送部材などとのストレスにより微細な粒子の発生などが
おこりにくくなり、いわゆる現像剤搬送部材表面に対す
る付着性の過度なトナーの存在を防止することができる
とともに、現像剤搬送部材に対する汚染を抑制すること
ができ、帯電量もシャープにすることができる。また、
摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部
分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分
布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を
長期にわたって形成できる。
【0094】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0095】又、樹脂粒子を会合あるいは融着させるこ
とで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階で
は融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でな
いが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪
拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角が
ないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物
性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラ
ス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、
表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0096】本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で
3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によ
りトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有
機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体
の組成によって制御することができる。
【0097】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、現像剤搬送部材に対する付着性の過度なトナーや付
着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、現
像性を長期に亘って安定化することができるとともに、
転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細
線やドット等の画質が向上する。
【0098】本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒
径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にと
り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数
基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級
に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻
階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対
度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーで
あることが好ましい。相対度数(m1)と相対度数(m
2)との和(M)が70%以上であることにより、トナ
ー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを
画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実
に抑制することができる。
【0099】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0100】測定条件 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0101】次に、本発明に係わる数値について、従来
知られているトナーの数値を説明する。この数値は製造
方法により異なるものである。
【0102】粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜
1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であ
る。このものの形状係数の変動係数は20%程度であ
る。また、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒径を小さ
くするために、トナー粒子に角部分が多くなり、角がな
いトナー粒子の割合は30個数%以下である。従って、
形状を揃えて、角部分がなく、丸みのあるトナーを得よ
うとする場合には、形状係数を制御する方法として前記
した様に熱等により球形化する処理が必要となる。ま
た、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分
級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数
変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作
を繰り返す必要がある。
【0103】懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層
流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子
が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記
載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6である
トナー粒子の割合が20個数%程度となり、また形状係
数の変動係数も18%程度となり、更に角がないトナー
粒子の割合も85個数%程度となる。また、個数粒度分
布における個数変動係数を制御する方法に前記した様
に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪断
を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さ
くするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られる
トナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と
大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには
上記公報記載の技術に基づいてトナーを作製するのであ
れば分級操作が必要である。
【0104】樹脂粒子を会合あるいは融着させることで
形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−
186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数
が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%
程度であり、また形状係数の変動係数は18%程度であ
り、更に角がないトナー粒子の割合も44個数%程度で
ある。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数変動係数
は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分
級操作が必要である。
【0105】本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な
添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、
微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤
等を添加して会合する方法で製造するのが好ましい。会
合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分
散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に
離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳
化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂
粒子および着色剤粒子が複数個融着することをいう。
【0106】尚、本発明における水系媒体とは、少なく
とも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0107】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種
構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料
が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を
含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーな
どを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散さ
せる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置
へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終
了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥
することで本発明のトナーを調製する。
【0108】本発明のトナーを製造する方法として樹脂
粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方
法も挙げることができる。この方法としては、特に限定
されるものではないが、例えば、特開平5−26525
2号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−
15904号公報に示す方法を挙げることができる。
【0109】樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒
子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子
を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化
剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を
加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラ
ス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつ
つ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで
水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌
しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子
を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、
本発明のトナーを形成することができる。なお、ここに
おいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒
を加えてもよい。
【0110】本発明のトナー樹脂を構成する重合性単量
体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロ
ロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあ
るいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル誘
導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフ
ィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル
類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチル
ケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化
合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化
合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体
がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わ
せて使用することができる。
【0111】又、樹脂を構成する重合性単量体としてイ
オン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが
さらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン
酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有す
るもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエ
ステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3
−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリ
レート等が挙げられる。
【0112】更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニ
ル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0113】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0114】乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカ
ル重合開始剤を使用することができる。水溶性ラジカル
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、
アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙
げることができる。
【0115】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0116】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0117】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0118】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0119】本発明のトナーに使用する着色剤としては
カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用
することができ、カーボンブラックとしてはチャンネル
ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁
性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、
これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等
の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理
する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と
呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができ
る。
【0120】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数
平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜
200nm程度が好ましい。
【0121】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0122】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0123】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。これら荷
電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平
均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ま
しい。
【0124】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0125】懸濁重合法においては、特定の攪拌翼を使
用することで、乱流を形成することができ、形状を容易
に制御することができる。
【0126】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0127】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度
分布を均一化することができる攪拌翼および攪拌槽を使
用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転
数、時間を制御することにより、本発明の形状係数およ
び均一な形状分布を有するトナーを形成することができ
る。
【0128】又、本発明のトナーでは、外添剤として無
機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用する
ことでより効果を発揮することができる。この理由とし
ては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することがで
きるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0129】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。
【0130】この外添剤の添加量としては、トナー中に
0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量
%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わ
せて使用してもよい。
【0131】次に、これに限定されるものではないが、
図2に本発明に係わる画像形成装置の一例を示す構成図
の例を挙げ、本発明の画像形成方法の説明をする。
【0132】図2において、図示しない原稿読み取り装
置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源11
から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー12に
より、図2の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを
補正するfθレンズ13を介して、感光体面上に照射さ
れ静電潜像を作る。感光体14は、あらかじめ帯電器1
5により一様帯電され、像露光のタイミングにあわせて
時計方向に回転を開始している。
【0133】感光体面上の静電潜像は、反転現像条件の
下で現像器16により現像され、形成された現像像はタ
イミングを合わせて搬送されてきた転写体18に転写器
17の作用により転写される。さらに感光体14と転写
体18は分離器(分離極)19により分離されるが、現
像像は転写体18に転写担持されて、定着器40へと導
かれ定着される。
【0134】感光体面に残留した未転写のトナー等は、
クリーニングブレード方式のクリーニング器21にて清
掃され、帯電前露光(PCL)22にて残留電荷を除
き、次の画像形成のため再び帯電器15により、一様帯
電される。
【0135】尚、転写体Pは代表的には普通紙である
が、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定
されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0136】又、クリーニングブレード23は、厚さ1
〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウ
レタンゴムが最も良く用いられる。
【0137】また、本発明の画像形成装置において、感
光体と、少なくとも帯電器、像露光器、現像器、転写
器、クリーニング器の何れかを一体的に構成したプロセ
スカートリッジを構成し、画像形成装置本体に着脱自在
に取り付けるのも好ましい態様である。さらに、本発明
に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加
熱方式をあげることができる。特に、接触加熱方式とし
て、熱圧定着方式、さらには熱ローラー定着方式および
固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材によ
り定着する圧接加熱定着方式をあげることができる。
【0138】
【実施例】本発明の実施態様を、実施例にて具体的に説
明するが、本発明はこの態様に限定されるものではな
い。尚、以下において「部」とは「質量部」を表す。
【0139】(トナー1:乳化重合会合法の例)n−ド
デシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを
入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330R(キ
ャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に
加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー
(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。こ
のものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交
換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液
A」とする。
【0140】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0L
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0L
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0141】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全
量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水4
4.0Lを加える。
【0142】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過し、これを「ラテックス−A」とす
る。
【0143】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、質量平均粒径は12
0nmであった。
【0144】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解し
た溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加
物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶
液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0145】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とする。
【0146】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、WAXエ
マルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエ
マルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃
度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶
液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入
れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0L
を投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレ
ン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgと
メタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴
下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加
熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とした。
【0147】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、質量平均粒径は11
0nmであった。
【0148】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナ
トリウム溶液G」とする。
【0149】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とする。
【0150】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100LのS
US反応釜に、上記で作製したラテックス−A=2
0.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分
散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入
れ攪拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム
溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00k
g、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。そ
の後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度8
5℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時
間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。
次に純水2.1Lを添加して粒径成長を停止する。
【0151】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5Lの反応容器に、上記で作
製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃
±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御し
た。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に
遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を
行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合
液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、
イオン交換水により洗浄した。
【0152】この非球形状粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで
流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得ら
れた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部
をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法
によるトナー1を得た。
【0153】前記塩析/融着段階および形状制御工程の
モニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を
制御することにより、形状および形状係数の変動係数を
制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の
変動係数を任意に調整して、表1に示すトナー1−1〜
1−5を得た。組成はスチレン/n−ブチルアクリレー
ト/メタクリル酸=0.758/0.162/0.08
0モル%であり、樹脂のTgは約57℃、SP値は1
0.04であった。
【0154】(トナー2:乳化重合会合法の例)トナー
1と同様に、塩析/融着段階および形状制御工程のモニ
タリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御
することにより、形状および形状係数の変動係数を制御
し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動
係数を任意に調整して、表1に示すトナー2−1を得
た。組成はトナー1のスチレン/n−ブチルアクリレー
ト/メタクリル酸=0.758/0.162/0.08
0モル%から、スチレン/n−ブチルアクリレート/n
−ブチルメタクリレート=0.87/0.035/0.
095モル%に変更した。樹脂のTgは67℃、SP値
は9.84であった。
【0155】(トナー3:乳化重合会合法の例)トナー
1と同様に、塩析/融着段階および形状制御工程のモニ
タリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御
することにより、形状および形状係数の変動係数を制御
し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動
係数を任意に調整して、表1に示すトナー3−1〜3−
2を得た。組成は、スチレン/n−ブチルアクリレート
/n−ブチルメタクリレート=0.67/0.03/
0.30モル%にした。本樹脂のTgは72℃、SP値
は9.46であった。
【0156】(トナー4:懸濁重合法の例)イオン交換
水709gに、0.1モル/リットルNa3PO4水溶液
451gを投入し、60℃に加温した後、1.0モル/
リットルCaCl2水溶液67.7gを徐々に添加して
Ca3(PO42を含む水溶液を得た。
【0157】 スチレン 11.87g n−ブチルアクリレート 3.12g メタクリル酸 1.04g カーボンブラック(リーガル330R) 1.02g ジ−t−ブチルサルチル酸クロム錯体 0.05g 上記処方を60℃に加温して、ホモミキサーを用いて1
3,000rpmにて均一に分散、溶解した。これに重
合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)1gを溶解し、重合性単量体液を調製した。
【0158】前記の水系媒体中に上記重合性単量体液を
投入し、60℃、窒素雰囲気下においてホモミキサーに
て11,000rpmで20分間撹拌し、トナー粒子サ
イズの懸濁液滴を造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌
しつつ62℃で3時間反応させた。この時点での重合転
化率は89%であった。その後水蒸気の還流を止めて、
液温を82℃として、更に15時間撹拌を続けた。
【0159】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
てCa3(PO42を溶解し、ろ過、水洗、洗浄後、こ
れをフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度6
0℃にて乾燥させた。次いでさらに流動層乾燥機を用い
て60℃の温度で乾燥させた。
【0160】得られた着色粒子の100質量部にシリカ
微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して
懸濁重合法によるトナー4を得た。
【0161】単量体組成はスチレン/n−ブチルアクリ
レート/メタクリル酸=0.758/0.162/0.
080モル%であり、樹脂のTgは約57℃、SP値は
10.04であった。
【0162】
【表1】
【0163】(現像剤の製造)トナー1−1〜3−2、
4の各々と、スチレン−メタクリレート共重合体で被覆
した45μmフェライトキャリアとを、各々19.8g
及びキャリア200.2gの割合で混合することによ
り、評価用の現像剤を製造した。
【0164】感光体1の作製 下記中間層塗布液を調製し、洗浄済みの円筒状アルミニ
ウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μm
の中間層を形成した。
【0165】 〈中間層(UCL)塗布液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散
し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗
布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.2μmの
電荷発生層を形成した。
【0166】 〈電荷発生層(CGL)塗布液〉 Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の 最大ピーク角度が2θで27.3°) 60g ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 100g 2−ブタノン 2100ml 下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製
した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で
塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0167】 〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉 電荷輸送物質(例示化合物CTM−1−1) 200g ビスフェノールA型ポリカーボネート(SP=10.33) 300g (パンライトL−1250 帝人化成社製) 1,2−ジクロロエタン 2000ml AO剤(1−1) 16g EA剤(EA−3) p−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリル 20g
【0168】
【化9】
【0169】
【化10】
【0170】感光体2の作製 感光体1の作製において、下記中間層に換え、CTLの
ポリカーボネートをBPA型からビスフェノールZ型ポ
リカーボネート(SP=10.49)(ユーピロンZ3
00:三菱ガス化学社製)に換えた以外は同様にして感
光体2を作製した。
【0171】 〈中間層(UCL)塗布液〉 ジルコニウムキレート化合物ZC−540(松本製薬社製) 200g シランカップリング剤KBM−903(信越化学社製) 100g メタノール 700ml エタノール 300ml 上記材料を浸漬塗布し、150℃、30分間乾燥し、乾
燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0172】感光体3の作製 陽極酸化封孔処理された円筒状アルミニウム基体上に、
下記中間層塗布液を調製した。この塗布液を前記導電層
上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの中間層
を形成した。 〈中間層(UCL)塗布液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml 下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散
し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中
間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.4μmの
電荷発生層を形成した。
【0173】 〈電荷発生層(CGL)塗布液〉 Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の 最大ピーク角度が2θで27.3°) 10g ポリビニルブチラール(エスレックBH−3:積水化学工業社製) 5g 1,2−ジメトキシエタン 5400ml 下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製
した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で
塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0174】 〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉 電荷輸送物質(例示化合物CTM−3−4) 160g 電荷輸送物質(例示化合物CTM−2−1) 40g ジメチルBPA型ポリカーボネート(SP=9.37) 300g ジオキサン 1000ml テトラハイドロフラン 1000ml AO剤(1−2) 15g EA剤(EA−3) 25g 感光体4の作製 感光体1の作製において、CTLのポリカーボネートを
BPA型からBPA−ジメチルBPA(=7/3 モル
比)共重合ポリカーボネート(SP=9.97)に換え
た以外は同様にして感光体4を作製した。
【0175】感光体5の作製 感光体1の作製において、中間層及びCGLを下記中間
層及びCGLに変えた以外は同様にして感光体5を作製
した。
【0176】 〈中間層(UCL)塗布液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 10部 メチル水素ポリシロキサン表面処理酸化チタン (TTO55N:石原産業社製) 20部 メタノール 80部 1−ブタノール 20部 メタノールと1−ブタノールの混合液にポリアミド樹脂
CM8000を溶解し、その溶解液へメチル水素ポリシ
ロキサン表面処理の酸化チタンTTO55Nを混合し、
この混合液をサンドグラインダーで5時間分散して中間
層塗布液を調製した。この塗布液を洗浄して準備した支
持体上に浸漬塗布し、乾燥を100℃で10分間行い膜
厚0.5μmの「中間層」を形成した。
【0177】 〈電荷発生層(CGL)塗布液〉 Y型チタニルフタロシアニン化合物 630部 A型チタニルフタロシアニン化合物 270部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBH−3:積水化学社製) 900部 1,2−ジメトキシエタン 2000部 1,2−ジメトキシエタンにポリビニルブチラール樹脂
エスレックBH−3を溶解し、この溶解液にY型チタニ
ルフタロシアニン化合物及びA型チタニルフタロシアニ
ン化合物を混合し、この混合液をサンドグラインダーで
10時間分散して電荷発生層塗布液を調製した。この塗
布液を前記中間層の上に浸漬塗布し、乾燥を行い、膜厚
0.25μmの「電荷発生層」を形成した。
【0178】感光体6の作製 感光体5の作製において用いた感光体1の電荷輸送層の
代わりに、下記電荷輸送層を用いた以外は、感光体5と
同様にして感光体6を作製した。
【0179】 〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉 電荷輸送物質(例示化合物CTM−2−1) 47g 電荷輸送物質(例示化合物CTM−3−4) 153g BPA−ジメチルBPA(=7/3 モル比)共重合ポリカーボネート(SP =9.97) 300g AO剤(1−3) 18g AO剤(1−1) 6g EA(EA−3) 25g 1,2−ジクロロエタン 2000ml 感光体7の作製 感光体1の作製において、CTLに用いた電荷輸送物質
(例示化合物CTM1−1)の代わりに、比較例ヒドラ
ゾン化合物(T−4)を用いた以外感光体1と同様にし
て感光体7を作製した。
【0180】《評価》 1.クラックテスト 感光体表面にウレタン製のゴムローラーをテンションメ
ーターを見つつ線圧200mN/cmで押し当てたま
ま、放置し接面のクラック発生の有無を見た。画像に出
ない微細クラックが出たところで下記画像形成装置に装
着し、下記条件下で5000コピーの実写を行った。画
像サンプル及び感光体表面を目視で観察し、クラックの
成長を評価した。
【0181】1レベル・・・画像に出ないクラックのま
まで、実用問題なし 2レベル・・・軽微に画像に出るクラックでかろうじて
実用OK 3レベル・・・クラック拡大成長し、画像上に発生、実
用不可 Konica7050(コニカ社製レーザーデジタル複
写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び
除電器とが一体となったカートリッジを備えている)に
感光体を装着し、以下の帯電条件及びクリーニング条件
に設定した。
【0182】帯電条件 帯電器;初期帯電電位を−650V 現像条件 DCバイアス ;−500V Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm 現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式 現像剤層厚 ;700μm 現像スリーブ径;40mm 転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μA クリーニング条件 弾性体ゴムブレード;自由長:9mm、厚さ:2mm、
硬度:70°、反発弾性:35、感光体当接圧(線
圧):15g/cm 2.実写画像テスト 上記感光体を装着し、前述の帯電条件、クリーニング条
件に設定したコニカ社製複写機Konica7050を
用いて、20℃、60%RH環境下において、A4紙を
用い印字率10%のコピー実写を行い、コピー画像のカ
ブリ、鮮鋭性、画像ムラ等について以下の評価基準にて
目視で画像評価を行った。
【0183】評価は画素率が7%の文字画像、人物顔写
真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあ
るオリジナル画像をA4での複写を行い、ベタ白画像、
ベタ黒画像、細線画像を評価した。
【0184】カブリについては、各画像の濃度はマクベ
ス社製RD−918を使用し絶対反射濃度の測定を行っ
た。残留電位の上昇が大きくなると画像濃度は低下し、
帯電電位の低下が大きくなるとカブリが発生する。又帯
電電位の均一性が低下すると画像ムラが大きくなる。
【0185】一方、鮮鋭性は5世代目のコピー画像で判
別出来る1mm当たりの細線の本数を目視で判定した。
【0186】得られた結果を以下の表2に示す。 カブリ:ベタ白画像濃度で判定 ◎・・・0.005以下(良好) ○・・・0.005より大で0.01未満(実用化可能
なレベル) ×・・・0.01以上(実用上問題あり) 鮮鋭性:細線画像で判定 ◎・・・8本/mm以上(良好) ○・・・5.6本/mm以上7.1本/mm以下(実用
化可能なレベル) ×・・・5本/mm以下(実用上問題あり) 画像ムラ:ハーフトーン画像の濃度差(ΔHD=最大濃
度−最小濃度)で判定 ◎・・・0.05以下(良好) ○・・・0.05より大で0.1未満(実用上問題ない
レベル) ×・・・0.1以上(実用上問題あり)
【0187】
【表2】
【0188】表2から明らかなように、本発明の画像形
成方法を採用した複写機にて得られたコピー画像は良好
な画像特性が得られるのに対し、本発明から外れる比較
例では、クラックが発生し、画像不良となる他、カブリ
や鮮鋭性等、画像ムラで問題があることが分かる。即ち
実施例1〜6は本発明におけるΔSP値、感光体表面層
及びトナーを有しているため、クラックの他カブリ、画
像ムラ及び鮮鋭性が良好であるという顕著に優れた効果
を示している。
【0189】
【発明の効果】本発明により、電位保持性が安定してい
て、カブリが無く、画像欠陥がなく画質が良い、例え微
細なクラックが発生しても感光体寿命を損なわないので
感光体寿命が長い、感光体表面のトナーフィルミングや
クリーニング不良が無い、画像形成方法及び画像形成装
置とプロセスカートリッジを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】角がないトナー粒子を説明する図。
【図2】画像形成装置の構成図。
【符号の説明】
14 感光体 15 帯電器 16 現像器 17 転写器 18 転写体 40 定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 371 G03G 5/06 371 5/05 101 5/05 101 104 104B 9/08 9/08 9/087 325 381 384

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸
    送物質とバインダを含む光導電層を有する感光体を用
    い、少なくとも帯電、像露光、トナーによる現像、転写
    を繰り返す画像形成方法において、前記光導電層の最外
    層が下記一般式(1)、(2)又は(3)で示される何
    れかの電荷輸送物質とバインダを含み、前記トナーの形
    状係数の変動係数が16%以下で、個数粒度分布におけ
    る個数変動係数が27%以下であり、かつ前記トナーを
    構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPtと感光体の最
    外層を構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPpとの差
    の絶対値、ΔSPが1.0(cal・cm31/2以下で
    あることを特徴とする画像形成方法。 【化1】 (式中、R1は低級アルキル基、アリル基、フェニル
    基、アラルキル基を表し、R2は置換基を有していても
    良いフェニル基を表す。) 【化2】 (式中、X、Y及びZは水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基であ
    る。又、R3は水素原子、低級アルキル基、アリル基、
    フェニル基、アラルキル基である。l、mは1〜5の整
    数、nは0〜3の整数を表す。) 【化3】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有し
    ていても良いアルキル基を表し、R2及びR3は各々置換
    基を有していても良いアルキル基或いはアリール基を表
    す。またAr1は置換基を有していても良いアリール基
    を表す。)
  2. 【請求項2】 前記バインダがポリカーボネートである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記バインダがBPZ型ポリカーボネー
    トであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記バインダがジメチルBPA型ポリカ
    ーボネートであることを特徴とする請求項2に記載の画
    像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記電荷発生物質がフタロシアニンであ
    ることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の
    画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記光導電層にAO剤を含むことを特徴
    とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記光導電層にEA剤を含むことを特徴
    とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ΔSPが0.1〜0.8(cal・
    cm31/2であることを特徴とする請求項1〜7の何れ
    か1項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記トナーが、形状係数1.0〜1.6
    の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有すること
    を特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の画像形
    成方法。
  10. 【請求項10】 前記トナーが、形状係数1.2〜1.
    6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  11. 【請求項11】 前記トナーが、角がないトナー粒子を
    50個数%以上含有することを特徴とする請求項1〜1
    0の何れか1項に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記トナーの個数平均粒径が3〜8μ
    mであることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項
    に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記トナー粒子の粒径をD(μm)と
    するとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を
    0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布
    を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー
    粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の
    高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との
    和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項1
    〜12の何れか1項に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記トナーが少なくとも重合性単量体
    を水系媒体中で重合せしめて得られる粒子からなること
    を特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  15. 【請求項15】 前記トナーが少なくとも樹脂粒子を水
    系媒体中で会合させて得られる粒子からなることを特徴
    とする請求項1〜14の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  16. 【請求項16】 前記トナーがスチレン−(メタ)アク
    リレート系樹脂であることを特徴とする請求項1〜15
    の何れか1項に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 導電性基体上に、電荷発生物質と電荷
    輸送物質とバインダを含む光導電層を有する感光体と、
    少なくとも帯電器、像露光器、トナーによる現像器、転
    写器を有する画像形成装置において、前記光導電層の最
    外層が前記一般式(1)、(2)又は(3)で示される
    何れかの電荷輸送物質とバインダを含み、前記トナーの
    形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布
    における個数変動係数が27%以下であり、かつ前記ト
    ナーを構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPtと最外
    層を構成する樹脂の溶解性パラメータ値SPpとの差の
    絶対値、ΔSPが1.0(cal・cm31/2以下であ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の画像形成装置に用
    いられるプロセスカートリッジにおいて、感光体と、少
    なくとも帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニ
    ング器の何れかを一体的に構成し、画像形成装置本体に
    着脱自在に取り付けたことを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004025371A1 (ja) * 2002-06-28 2004-03-25 Ricoh Company, Ltd. 静電荷像現像用トナー
US7374853B2 (en) 2004-12-02 2008-05-20 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Organic photoreceptor and an image forming method using the same

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