JP2002161457A - 3層構造編地 - Google Patents
3層構造編地Info
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- JP2002161457A JP2002161457A JP2000357640A JP2000357640A JP2002161457A JP 2002161457 A JP2002161457 A JP 2002161457A JP 2000357640 A JP2000357640 A JP 2000357640A JP 2000357640 A JP2000357640 A JP 2000357640A JP 2002161457 A JP2002161457 A JP 2002161457A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗ピリング性、抗スナッギング性に優れた3
層構造編地を提供する。 【解決手段】 表糸、裏糸及び継ぎ糸からなる3層構造
編地であって、継ぎ糸が嵩高加工を施した合成繊維糸に
撚係数700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚糸
である3層構造編地。
層構造編地を提供する。 【解決手段】 表糸、裏糸及び継ぎ糸からなる3層構造
編地であって、継ぎ糸が嵩高加工を施した合成繊維糸に
撚係数700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚糸
である3層構造編地。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗スナッギング性
に優れた3層構造編地に関するものである。
に優れた3層構造編地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、表糸、裏糸及び継ぎ糸からな
る3層構造編地は、嵩高性、保温性、クッション性に優
れているので、子供用、婦人用のカジュアル衣料用をは
じめスポーツ衣料用としても広く用いられている。そし
て、この3層構造編地の継ぎ糸としては、編地の強度等
の物性面やソフト感の面から合成繊維の仮撚加工糸等の
嵩高加工糸がよく用いられている。継ぎ糸として合成繊
維の嵩高加工糸を用いた3層構造編地は、強度等の物性
面や保温性、クッション性の点では優れているが、着用
時や洗濯時の摩擦や揉み、こすれ等によりスナッギング
やピリングが発生し外観や風合いを損なうという問題が
ある。このスナッギングやピリングは、3層構造編地が
タック組織であるいはタック組織を多用して表裏編地を
継ぎ糸で接結して構成させていて、タック組織は一般に
緩く接結しているため、継ぎ糸としての嵩高加工糸の一
部が摩擦等により引っ張り出され毛玉の芯になり、これ
に継ぎ糸や表糸あるいは裏糸が絡んで発生する。
る3層構造編地は、嵩高性、保温性、クッション性に優
れているので、子供用、婦人用のカジュアル衣料用をは
じめスポーツ衣料用としても広く用いられている。そし
て、この3層構造編地の継ぎ糸としては、編地の強度等
の物性面やソフト感の面から合成繊維の仮撚加工糸等の
嵩高加工糸がよく用いられている。継ぎ糸として合成繊
維の嵩高加工糸を用いた3層構造編地は、強度等の物性
面や保温性、クッション性の点では優れているが、着用
時や洗濯時の摩擦や揉み、こすれ等によりスナッギング
やピリングが発生し外観や風合いを損なうという問題が
ある。このスナッギングやピリングは、3層構造編地が
タック組織であるいはタック組織を多用して表裏編地を
継ぎ糸で接結して構成させていて、タック組織は一般に
緩く接結しているため、継ぎ糸としての嵩高加工糸の一
部が摩擦等により引っ張り出され毛玉の芯になり、これ
に継ぎ糸や表糸あるいは裏糸が絡んで発生する。
【0003】このスナッギングやピリングの発生防止対
策としては、糸使い、編成条件、付帯加工等の面から、
嵩高加工糸の単糸繊度を大きくする、熱接着性繊維を併
用する、度目を詰めて編む、樹脂加工を施す等が考えら
れるが、いずれも風合いが粗硬になったり、初期性能は
良くても耐久性がない等の新たな問題が出て、未だ有効
な解決手段が見出されていないのが現状である。
策としては、糸使い、編成条件、付帯加工等の面から、
嵩高加工糸の単糸繊度を大きくする、熱接着性繊維を併
用する、度目を詰めて編む、樹脂加工を施す等が考えら
れるが、いずれも風合いが粗硬になったり、初期性能は
良くても耐久性がない等の新たな問題が出て、未だ有効
な解決手段が見出されていないのが現状である。
【0004】上記のような現象は、継ぎ糸としての嵩高
加工糸を長く編成して、中間層を厚くしより嵩高で軽量
感のある編地としたいわゆるダンボールニットでは、特
に発生しやすい。また、表糸や裏糸として綿糸や合成繊
維を用いた場合にも上記の現象は発生するが、繊維がフ
ィブリル化しやすく、風合い出しのために多数の仕上げ
加工工程数を要する溶剤紡糸セルロース繊維を表糸や裏
糸として用いる場合には、着用中のみならず編地の製造
中にも編地に外乱が作用する場面が多いため問題となり
やすい状態にある。
加工糸を長く編成して、中間層を厚くしより嵩高で軽量
感のある編地としたいわゆるダンボールニットでは、特
に発生しやすい。また、表糸や裏糸として綿糸や合成繊
維を用いた場合にも上記の現象は発生するが、繊維がフ
ィブリル化しやすく、風合い出しのために多数の仕上げ
加工工程数を要する溶剤紡糸セルロース繊維を表糸や裏
糸として用いる場合には、着用中のみならず編地の製造
中にも編地に外乱が作用する場面が多いため問題となり
やすい状態にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
を鑑みてなされたものであり、抗ピリング性、抗スナッ
ギング性に優れた3層構造編地を提供することを課題と
するものであり、特に表糸や裏糸が溶剤紡糸セルロース
繊維であって抗ピリング性、抗スナッギング性に優れた
3層構造編地を提供することを課題とするものである。
を鑑みてなされたものであり、抗ピリング性、抗スナッ
ギング性に優れた3層構造編地を提供することを課題と
するものであり、特に表糸や裏糸が溶剤紡糸セルロース
繊維であって抗ピリング性、抗スナッギング性に優れた
3層構造編地を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するものであり、表糸、裏糸及び継ぎ糸からな
る3層構造編地であって、継ぎ糸が嵩高加工を施した合
成繊維糸に撚係数700〜10000の追撚を施した嵩
高加工撚糸であることを特徴とする3層構造編地、及び
表糸と裏糸が溶剤紡糸セルロース繊維である上記の3層
構造編地を要旨とするものである。ここで、撚係数K
は、K=Y×T1/2 であり、Yは撚数(回/m)で、
Tは繊度(デシテックス)である。
題を解決するものであり、表糸、裏糸及び継ぎ糸からな
る3層構造編地であって、継ぎ糸が嵩高加工を施した合
成繊維糸に撚係数700〜10000の追撚を施した嵩
高加工撚糸であることを特徴とする3層構造編地、及び
表糸と裏糸が溶剤紡糸セルロース繊維である上記の3層
構造編地を要旨とするものである。ここで、撚係数K
は、K=Y×T1/2 であり、Yは撚数(回/m)で、
Tは繊度(デシテックス)である。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明の編地は、表糸、裏糸及び継ぎ糸からなる3層構造
編地である。本発明は、継ぎ糸として用いられている糸
条が、嵩高加工を施した合成繊維糸に撚係数700〜1
0000の追撚を施した嵩高加工撚糸であることに最大
の特徴がある。本発明にいう合成繊維糸とは、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル等の繊維形成
性熱可塑性重合体からなる長繊維糸である。また、嵩高
加工とは、加撚−熱セット−解撚を一連工程で行なう仮
撚加工や高圧エアジェットによりループを形成させる高
圧エアジェット嵩高加工である。本発明における継ぎ糸
用の糸条としては、繊維の安定性と取り扱いやすさ、高
バルキーのものや高伸縮性のもの等種々の特性を持つ加
工糸が得やすい等の観点から、ポリエステル仮撚加工糸
であるのが好ましい。
発明の編地は、表糸、裏糸及び継ぎ糸からなる3層構造
編地である。本発明は、継ぎ糸として用いられている糸
条が、嵩高加工を施した合成繊維糸に撚係数700〜1
0000の追撚を施した嵩高加工撚糸であることに最大
の特徴がある。本発明にいう合成繊維糸とは、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル等の繊維形成
性熱可塑性重合体からなる長繊維糸である。また、嵩高
加工とは、加撚−熱セット−解撚を一連工程で行なう仮
撚加工や高圧エアジェットによりループを形成させる高
圧エアジェット嵩高加工である。本発明における継ぎ糸
用の糸条としては、繊維の安定性と取り扱いやすさ、高
バルキーのものや高伸縮性のもの等種々の特性を持つ加
工糸が得やすい等の観点から、ポリエステル仮撚加工糸
であるのが好ましい。
【0008】本発明の3層構造編地は、上記の嵩高加工
を施した合成繊維糸に撚係数700〜10000の追撚
を施した嵩高加工撚糸が継ぎ糸として用いられている。
追撚は、アップツイスター、ダウンツイスター、ダブル
ツイスター等の公知の追撚機で行なわれてよい。撚係数
700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚糸を継ぎ
糸とすることにより、嵩高加工を施した合成繊維糸の各
単繊維に拘束力を与え、着用時等の摩擦等により、表裏
編地にタック組織で緩く接結している合成繊維糸の単繊
維の一部が引っ張り出され毛玉の芯になることを抑制す
ることができる。撚係数700未満の追撚では、合成繊
維糸の各単繊維への拘束力が弱くて抗ピリング性、抗ス
ナッギング性を十分に付与することができない。また、
撚係数が10000を超える追撚では、各単繊維への拘
束力は十分であるが、嵩高加工撚糸の嵩高性が乏しくな
り、編地の嵩高感、ソフト感が損なわれ、撚りトルクの
ため編成管理も難しくなる。以上のことから追撚は、撚
係数2500〜5000の追撚であるのが好ましい。追
撚の撚方向は、撚の甘い場合には、S撚、Z撚のいずれ
か一方でよいが、一般にはS撚、Z撚の両方の撚糸をし
て、これらを交互に配置して編成するのが、撚トルクの
バランスがとれて、編地に捩れが発生しにくくなり、ダ
ンボールニットのように表地と裏地が離れている場合に
も、継ぎ糸が倒れにくくなり、好ましい。また、嵩高加
工撚糸には、2種以上の合成繊維糸を用いて追撚された
ものであっても、嵩高加工された合成繊維糸と紡績糸と
の交撚糸であってもよい。繋ぎなぎ糸の繊度としては、
編機のゲージ等の制約もあり、衣料用途が中心の場合に
は55〜165デシテックスが好ましい。
を施した合成繊維糸に撚係数700〜10000の追撚
を施した嵩高加工撚糸が継ぎ糸として用いられている。
追撚は、アップツイスター、ダウンツイスター、ダブル
ツイスター等の公知の追撚機で行なわれてよい。撚係数
700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚糸を継ぎ
糸とすることにより、嵩高加工を施した合成繊維糸の各
単繊維に拘束力を与え、着用時等の摩擦等により、表裏
編地にタック組織で緩く接結している合成繊維糸の単繊
維の一部が引っ張り出され毛玉の芯になることを抑制す
ることができる。撚係数700未満の追撚では、合成繊
維糸の各単繊維への拘束力が弱くて抗ピリング性、抗ス
ナッギング性を十分に付与することができない。また、
撚係数が10000を超える追撚では、各単繊維への拘
束力は十分であるが、嵩高加工撚糸の嵩高性が乏しくな
り、編地の嵩高感、ソフト感が損なわれ、撚りトルクの
ため編成管理も難しくなる。以上のことから追撚は、撚
係数2500〜5000の追撚であるのが好ましい。追
撚の撚方向は、撚の甘い場合には、S撚、Z撚のいずれ
か一方でよいが、一般にはS撚、Z撚の両方の撚糸をし
て、これらを交互に配置して編成するのが、撚トルクの
バランスがとれて、編地に捩れが発生しにくくなり、ダ
ンボールニットのように表地と裏地が離れている場合に
も、継ぎ糸が倒れにくくなり、好ましい。また、嵩高加
工撚糸には、2種以上の合成繊維糸を用いて追撚された
ものであっても、嵩高加工された合成繊維糸と紡績糸と
の交撚糸であってもよい。繋ぎなぎ糸の繊度としては、
編機のゲージ等の制約もあり、衣料用途が中心の場合に
は55〜165デシテックスが好ましい。
【0009】本発明において、表糸や裏糸は、用途によ
って求められる特性により、適宜選定されればよく、通
常に紡織用に用いられる繊維のいずれであってもよい。
中でも本発明の効果を最も顕著に発揮できるのは、繊維
がフィブリル化しやすく、風合い出しのために多数の仕
上げ加工工程数を要する溶剤紡糸セルロース繊維を、表
糸と裏糸の両方、あるいはそのいずれかに用いる場合で
ある。溶剤紡糸セルロース繊維とは、パルプを原料と
し、これを溶解し得る溶剤、例えばN−メチルモルフォ
リン−N−オキサイド、ジメチルスルフォキシド、N−
メチルピペリジン−N−オキサイド、ジメチルアセトア
ミド等に溶解させ、ろ過して不純物を除去した後、溶液
を乾式または湿式紡糸法により紡糸することにより得ら
れる繊維であり、通常のレーヨン等の再生繊維と比較し
て、反発感、吸湿性、耐アルカリ性等の点で優れてい
る。
って求められる特性により、適宜選定されればよく、通
常に紡織用に用いられる繊維のいずれであってもよい。
中でも本発明の効果を最も顕著に発揮できるのは、繊維
がフィブリル化しやすく、風合い出しのために多数の仕
上げ加工工程数を要する溶剤紡糸セルロース繊維を、表
糸と裏糸の両方、あるいはそのいずれかに用いる場合で
ある。溶剤紡糸セルロース繊維とは、パルプを原料と
し、これを溶解し得る溶剤、例えばN−メチルモルフォ
リン−N−オキサイド、ジメチルスルフォキシド、N−
メチルピペリジン−N−オキサイド、ジメチルアセトア
ミド等に溶解させ、ろ過して不純物を除去した後、溶液
を乾式または湿式紡糸法により紡糸することにより得ら
れる繊維であり、通常のレーヨン等の再生繊維と比較し
て、反発感、吸湿性、耐アルカリ性等の点で優れてい
る。
【0010】本発明の3層構造編地は、両面丸編機、ダ
ブルトリコット編機、ダブルラッセル編機等によって編
成することにより得ることができる。両面丸編機を用い
る場合には、シリンダーとダイヤルに表地を形成する表
糸、裏地を形成する裏糸を供給して編成し、シリンダー
とダイヤルで主としてタック組織として表裏編組織に拘
束されない中間層を継ぎ糸で形成し、かつ表裏の編組織
を接結することにより表裏面、中間層の3層からなる3
層構造編地を編成することができる。ダンボールニット
のように厚さの厚い編地を編成する時には、シリンダー
とダイヤルのクリアランスを通常より大きく設定すれば
よく、ダブルトリコット編機やダブルラッセル編機の場
合にも針床の間隔を調整することにより、各種の厚さの
編地を得ることができる。編成組織としては、両面丸編
機を用いる場合の図1に示すようなプレーンな組織か
ら、表裏組織にタック、ニットを組み合わせた鹿子柄や
継ぎ糸のタックポジションによりピケ調を表現する等バ
リエーションに富んだ表面効果を表現する組織まで任意
に選定できる。図1は、6口の給糸口の両面丸編機で編
成する編組織の一例であり、例えば、表地を形成する表
糸を給糸口F1、F4に供給してダイヤル針Dでニット
し、裏地を形成する裏糸を給糸口F3、F6に供給して
シリンダー針Sでニットし、継ぎ糸として嵩高加工撚糸
を給糸口F2、F6に供給して双方の針でタック組織に
て編成すれば本発明の3層構造編地となる。
ブルトリコット編機、ダブルラッセル編機等によって編
成することにより得ることができる。両面丸編機を用い
る場合には、シリンダーとダイヤルに表地を形成する表
糸、裏地を形成する裏糸を供給して編成し、シリンダー
とダイヤルで主としてタック組織として表裏編組織に拘
束されない中間層を継ぎ糸で形成し、かつ表裏の編組織
を接結することにより表裏面、中間層の3層からなる3
層構造編地を編成することができる。ダンボールニット
のように厚さの厚い編地を編成する時には、シリンダー
とダイヤルのクリアランスを通常より大きく設定すれば
よく、ダブルトリコット編機やダブルラッセル編機の場
合にも針床の間隔を調整することにより、各種の厚さの
編地を得ることができる。編成組織としては、両面丸編
機を用いる場合の図1に示すようなプレーンな組織か
ら、表裏組織にタック、ニットを組み合わせた鹿子柄や
継ぎ糸のタックポジションによりピケ調を表現する等バ
リエーションに富んだ表面効果を表現する組織まで任意
に選定できる。図1は、6口の給糸口の両面丸編機で編
成する編組織の一例であり、例えば、表地を形成する表
糸を給糸口F1、F4に供給してダイヤル針Dでニット
し、裏地を形成する裏糸を給糸口F3、F6に供給して
シリンダー針Sでニットし、継ぎ糸として嵩高加工撚糸
を給糸口F2、F6に供給して双方の針でタック組織に
て編成すれば本発明の3層構造編地となる。
【0011】本発明の編地の染色仕上げは、通常の染色
仕上げ工程を採用して行なわれればよい。ただし、表
糸、裏糸、継ぎ糸の繊維種が異なる場合には、それぞれ
の組み合わせに適合した染色仕上げ条件を採用して行な
うことが重要である。例えば、表裏糸に溶剤紡糸セルロ
ース繊維を用い、継ぎ糸にポリエステル仮撚加工糸を用
いる場合の染色は、液流染色機を用い、ポリエステルを
染色後、溶剤紡糸セルロース繊維を染色する2段2浴で
行なうのが好ましい。この組み合わせの糸使いの編地の
仕上加工において、溶剤紡糸セルロース繊維の特性を発
揮するようにアルカリ処理、酵素処理、カムフィット加
工、タンブル乾燥等を行なう場合には、加工中の摩擦、
揉み等によるフィブリル化、スナッギング現象の発生に
注意が必要であるが、本発明のように構成された編地で
は、この懸念も減少してくる。
仕上げ工程を採用して行なわれればよい。ただし、表
糸、裏糸、継ぎ糸の繊維種が異なる場合には、それぞれ
の組み合わせに適合した染色仕上げ条件を採用して行な
うことが重要である。例えば、表裏糸に溶剤紡糸セルロ
ース繊維を用い、継ぎ糸にポリエステル仮撚加工糸を用
いる場合の染色は、液流染色機を用い、ポリエステルを
染色後、溶剤紡糸セルロース繊維を染色する2段2浴で
行なうのが好ましい。この組み合わせの糸使いの編地の
仕上加工において、溶剤紡糸セルロース繊維の特性を発
揮するようにアルカリ処理、酵素処理、カムフィット加
工、タンブル乾燥等を行なう場合には、加工中の摩擦、
揉み等によるフィブリル化、スナッギング現象の発生に
注意が必要であるが、本発明のように構成された編地で
は、この懸念も減少してくる。
【0012】
【作用】本発明のごとく、表糸、裏糸及び継ぎ糸からな
る3層構造編地において、嵩高加工を施した合成繊維糸
に撚係数700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚
糸を継ぎ糸として用いることにより、合成繊維糸の各単
繊維に適度な拘束力が付与され、編地が着用時や洗濯時
に摩擦や揉み、こすれ等の外乱作用を受けても、合成繊
維糸の構成単繊維の一部が引っ張り出されて毛玉になる
ことを防ぎ、その結果ピリングやスナッギングの発生す
るのを防止できるようになる。
る3層構造編地において、嵩高加工を施した合成繊維糸
に撚係数700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚
糸を継ぎ糸として用いることにより、合成繊維糸の各単
繊維に適度な拘束力が付与され、編地が着用時や洗濯時
に摩擦や揉み、こすれ等の外乱作用を受けても、合成繊
維糸の構成単繊維の一部が引っ張り出されて毛玉になる
ことを防ぎ、その結果ピリングやスナッギングの発生す
るのを防止できるようになる。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。なお、実施例における編地の性能の測定、評価は、
次のようにして行った。 (1)抗ピリング性 JIS L 1076のICI形法(5時間)により級
判定し、3級以上を合格とした。 (2)抗スナッギング性 JIS L 1058のD−3法(5時間)により級判
定し、3級以上を合格とした。 (3)風合 一対比較法にてハンドリング評価を行ない、○:ソフト
でざらつき感がなくなめらかで良好、△:ざらつき感が
あり滑らかな感じが足りない、×:ざらつき感があり硬
いの3段階区分で評価した。
る。なお、実施例における編地の性能の測定、評価は、
次のようにして行った。 (1)抗ピリング性 JIS L 1076のICI形法(5時間)により級
判定し、3級以上を合格とした。 (2)抗スナッギング性 JIS L 1058のD−3法(5時間)により級判
定し、3級以上を合格とした。 (3)風合 一対比較法にてハンドリング評価を行ない、○:ソフト
でざらつき感がなくなめらかで良好、△:ざらつき感が
あり滑らかな感じが足りない、×:ざらつき感があり硬
いの3段階区分で評価した。
【0014】実施例1 表糸及び裏糸として、繊度1.3dtex、繊維長38
mmのレンチング社製溶剤紡糸セルロース繊維「レンチ
ングリヨセル」を通常の紡績工程により紡績した紡績糸
30番単糸を用い、継ぎ糸として、ポリエステル長繊維
糸83dtex/36フィラメントを通常の条件で仮撚
加工を施した仮撚加工糸にダブルツイスターで撚数40
0回/m(撚係数3644)の追撚を施した嵩高加工撚
糸を用いて、30インチ、22ゲージの両面丸編機のシ
リンダーとダイヤルのクリアランスを通常よりも長く5
mmに設定し、図1に示す編成組織にて、給糸口F1、
F3,F4、F6にレンチングリヨセル紡績糸を供給
し、給糸口F2、F5に嵩高加工撚糸を供給して3層構
造編地を編成した。得られた編地を開反後、苛性ソーダ
12°Beでアルカリ処理し、液流染色機で酵素処理(酵
素:エンチロンCM-40L、3cc/l、PH=5、55℃×60分、
布速度300m/分)を行ない、同じ液流染色機でポリエス
テル(染料:Dianix Blue AC-E 1%owf、130℃×60分、
浴比 1:30)を染色し、還元洗浄、中和した後、溶剤
紡糸セルロース繊維(染料:Sumitfix SupraBlue BRF 1
%owf 、80℃×45分、浴比1:30)を染色する2段2浴法
による染色を行なった。ソーピング後、80℃賭ける60分
のタンブラー乾燥を行い、本発明の3層構造編地を得
た。
mmのレンチング社製溶剤紡糸セルロース繊維「レンチ
ングリヨセル」を通常の紡績工程により紡績した紡績糸
30番単糸を用い、継ぎ糸として、ポリエステル長繊維
糸83dtex/36フィラメントを通常の条件で仮撚
加工を施した仮撚加工糸にダブルツイスターで撚数40
0回/m(撚係数3644)の追撚を施した嵩高加工撚
糸を用いて、30インチ、22ゲージの両面丸編機のシ
リンダーとダイヤルのクリアランスを通常よりも長く5
mmに設定し、図1に示す編成組織にて、給糸口F1、
F3,F4、F6にレンチングリヨセル紡績糸を供給
し、給糸口F2、F5に嵩高加工撚糸を供給して3層構
造編地を編成した。得られた編地を開反後、苛性ソーダ
12°Beでアルカリ処理し、液流染色機で酵素処理(酵
素:エンチロンCM-40L、3cc/l、PH=5、55℃×60分、
布速度300m/分)を行ない、同じ液流染色機でポリエス
テル(染料:Dianix Blue AC-E 1%owf、130℃×60分、
浴比 1:30)を染色し、還元洗浄、中和した後、溶剤
紡糸セルロース繊維(染料:Sumitfix SupraBlue BRF 1
%owf 、80℃×45分、浴比1:30)を染色する2段2浴法
による染色を行なった。ソーピング後、80℃賭ける60分
のタンブラー乾燥を行い、本発明の3層構造編地を得
た。
【0015】実施例2 実施例1において、ポリエステル仮撚加工糸に追撚数4
00回/mを100回/m(撚係数911)とすること
以外は実施例1と同様にして実施例2の編地を得た。
00回/mを100回/m(撚係数911)とすること
以外は実施例1と同様にして実施例2の編地を得た。
【0016】実施例3 実施例1において、ポリエステル仮撚加工糸に追撚数4
00回/mを1000回/m(撚係数9110)とする
こと以外は実施例1と同様にして実施例3の編地を得
た。
00回/mを1000回/m(撚係数9110)とする
こと以外は実施例1と同様にして実施例3の編地を得
た。
【0017】比較例1 実施例1において、ポリエステル仮撚加工糸に追撚しな
いこと以外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得
た。
いこと以外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得
た。
【0018】比較例2 実施例1において、ポリエステル仮撚加工糸に追撚数4
00回/mを50回/m(撚係数455)とすること以
外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得た。
00回/mを50回/m(撚係数455)とすること以
外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得た。
【0019】比較例3 実施例1において、ポリエステル仮撚加工糸に追撚数4
00回/mを1200回/m(撚係数10932)とす
ること以外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得
た。得られた実施例1〜3及び比較例1〜3の編地の評
価結果を合わせて表1に示す。
00回/mを1200回/m(撚係数10932)とす
ること以外は実施例1と同様にして比較例1の編地を得
た。得られた実施例1〜3及び比較例1〜3の編地の評
価結果を合わせて表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1からも明らかなように、本発明による
3層構造編地は、風合いに優れていて、抗ピリング性や
抗スナッギング性に優れていて実用上問題のないもので
あった。これに対して、追撚をしてない比較例1及び追
撚数の少ない比較例2は、抗ピリング性や抗スナッギン
グ性が劣っていて、追撚数の多い比較例3は、風合いの
粗硬なものであった。
3層構造編地は、風合いに優れていて、抗ピリング性や
抗スナッギング性に優れていて実用上問題のないもので
あった。これに対して、追撚をしてない比較例1及び追
撚数の少ない比較例2は、抗ピリング性や抗スナッギン
グ性が劣っていて、追撚数の多い比較例3は、風合いの
粗硬なものであった。
【0022】
【発明の効果】本発明の3層構造編地は、継ぎ糸として
嵩高加工を施した合成繊維糸に撚係数700〜1000
0の追撚を施した嵩高加工撚糸を用いているので、抗ピ
リング性や抗スナッギング性に優れていて、一般衣料用
をはじめスポーツ衣料用として有用な編地である。特
に、3層構造編地がダンボールニットのように継ぎ糸を
長く編成して厚みのある編地の場合に効果が大きく、ま
た、表糸や裏糸として、溶剤紡糸セルロース繊維を用い
た編地の場合にも有効である。
嵩高加工を施した合成繊維糸に撚係数700〜1000
0の追撚を施した嵩高加工撚糸を用いているので、抗ピ
リング性や抗スナッギング性に優れていて、一般衣料用
をはじめスポーツ衣料用として有用な編地である。特
に、3層構造編地がダンボールニットのように継ぎ糸を
長く編成して厚みのある編地の場合に効果が大きく、ま
た、表糸や裏糸として、溶剤紡糸セルロース繊維を用い
た編地の場合にも有効である。
【図1】本発明の3層構造編地を両面丸編機で編成する
場合の編成組織図の一例である。
場合の編成組織図の一例である。
F1〜F6 給糸口 D ダイヤル針 S シリンダー針
Claims (2)
- 【請求項1】 表糸、裏糸及び継ぎ糸からなる3層構造
編地であって、継ぎ糸が嵩高加工を施した合成繊維糸に
撚係数700〜10000の追撚を施した嵩高加工撚糸
であることを特徴とする3層構造編地。ここで、撚係数
Kは、K=Y×T1/2 であり、Yは撚数(回/m)
で、Tは繊度(デシテックス)である。 - 【請求項2】 表糸と裏糸が溶剤紡糸セルロース繊維で
ある請求項1に記載の3層構造編地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000357640A JP2002161457A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 3層構造編地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000357640A JP2002161457A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 3層構造編地 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002161457A true JP2002161457A (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18829665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000357640A Withdrawn JP2002161457A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 3層構造編地 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002161457A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013060693A (ja) * | 2011-08-19 | 2013-04-04 | Asahi Kasei Fibers Corp | 抗スナッグ糸及びそれを用いた布帛 |
-
2000
- 2000-11-24 JP JP2000357640A patent/JP2002161457A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013060693A (ja) * | 2011-08-19 | 2013-04-04 | Asahi Kasei Fibers Corp | 抗スナッグ糸及びそれを用いた布帛 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080205 |