JP2002161428A - γ−リノレン酸含有繊維の製造方法 - Google Patents

γ−リノレン酸含有繊維の製造方法

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JP2002161428A
JP2002161428A JP2000362043A JP2000362043A JP2002161428A JP 2002161428 A JP2002161428 A JP 2002161428A JP 2000362043 A JP2000362043 A JP 2000362043A JP 2000362043 A JP2000362043 A JP 2000362043A JP 2002161428 A JP2002161428 A JP 2002161428A
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gla
emulsion
fiber
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spinning
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Hiroyuki Fujita
裕之 藤田
Tomohide Yamagami
知秀 山上
Yoshio Nakamura
佳男 中村
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Sankyo Kasei Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Sankyo Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ−リノレン酸の繊維中での残存率が良好
で、かつ着色の少ないγ−リノレン酸含有繊維の製造方
法を提供すること。 【解決手段】γ−リノレン酸又はγ−リノレン酸含有オ
イルと3,5−ジーt−ブチルヒドロキシトルエン、イ
オウ系酸化防止剤、トコフェロール類を含有する平均粒
子径が2000nm以下である乳化液を紡糸溶液に添加
し、湿式紡糸あるいは乾式紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ−リノレン酸
(以下、GLAと略称する。)又はGLA含有オイルの
安定な乳化液を使用したGLA含有繊維の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】GLAは、血管拡張、降圧作用、血小板
凝集抑制作用の他、アレルギー症状、特にアトピー性皮
膚炎等の改善の作用を有していると言われている高度不
飽和脂肪酸の一種であり、通常は食品や健康食品として
摂取されるものであるが、皮膚と直接接触する繊維製品
に付着させることによりその効能を発揮させる試みもな
されている。例えば特開平9−296322号公報で
は、GLA又はGLA含有オイルの粒径が10〜200
0nmであるGLAの乳化液をビスコースに添加し、混
和後紡糸浴で凝固再生するGLAを含有したレーヨン繊
維の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示技術ではレーヨン繊維に付着させたGLAは加湿条件
下でも1ヶ月程度は繊維中に残存するので実用に供しう
る繊維が得られるという顕著な効果が発揮されるもの
の、GLAが酸素に対して変質を起しやすいという本質
的な欠点は例えば酸化防止剤を併用してもなかなか改善
できず、加湿条件下で1ヶ月以上や天日にさらして2週
間以上にわたる長期保存ではGLAの残存を保持するこ
とができないのが実状である。事実上記公報にもGLA
に酸化防止剤を配合しうることが記載されているが、例
示された酸化防止剤単独やそれらの組合せの範囲では、
酸化防止効果がある程度発揮されてGLAの繊維中での
残存率はかなり向上するものの、上記の如く加湿条件下
や天日に長期間さらされた時は、GLAの残存率はかな
り低くなり、場合によっては繊維からオイルが漏洩して
繊維の着色を引き起こすことがある等改善の余地があ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはG
LA又はGLA含有オイルと3,5−ジ−t−ブチルヒ
ドロキシトルエン、イオウ系酸化防止剤、トコフェロー
ル類を含有する平均粒子径が2000nm以下である乳
化液、即ち特定の3種の酸化防止剤を併用したGLA又
はGLA含有オイルの乳化液を紡糸溶液に添加し、湿式
紡糸あるいは乾式紡糸してGLA含有繊維を製造する場
合、繊維でのGLAの残存率が飛躍的に向上し、繊維か
らのオイルの漏出も全く発現しないことを見いだし本発
明を完成した。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する乳化液は、水、好ましくは脱塩水媒体中でGL
A又はGLA含有オイル、3,5−ジ−t−ブチルヒド
ロキシトルエン、イオウ系酸化防止剤及びトコフェロー
ル類、好ましくは更にアスコルビン酸誘導体を乳化剤の
存在下で混合撹拌することにより製造される。乳化液中
のGLAあるいはGLA含有オイルの平均粒子径は20
00nm以下とする必要があり、好ましくは10〜20
00nm、更には50〜700nmである。平均粒子径
が2000nmを越えると、乳化液の安定性が劣り、ま
た紡糸溶液と混和する際に凝集が起こるため均一に分散
せず不適当である。尚、本発明で使用する酸化防止剤は
いずれもGLAあるいはGLA含有オイル中に溶解する
性質のものばかりであるので、ここでいう平均粒子径と
は酸化防止剤を含有したGLA又はGLA含有オイルの
大きさを意味する。かかる平均粒子径に調整するには、
例えば粗乳化液を製造し、これを超高圧乳化分散機にて
500〜2000kg/cm2の超高圧で圧送して分岐
させ、それぞれ分岐させた液を衝突させて目的の粒子径
としたり、超音波振動装置の付いた撹拌装置で撹拌して
もよい。
【0006】本発明で使用されるGLAはいずれの起源
のものでも可能であり、例えばハーブの一種であるボラ
ージ草の種子を搾油法にて抽出したGLA含有オイル
(ボラージオイル)を例示することができる。乳化液中
に占めるGLAの割合はGLA起源によっても異なる
が、GLA純分として1〜10重量%、好ましくは2〜
6重量%である。
【0007】本発明では乳化液の製造時に使用する酸化
防止剤を3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン
(以下、BHTと略称する)、イオウ系酸化防止剤、ト
コフェロール類という特定の組合せとする点が最大の特
徴であり、それぞれの単独使用からは全く期待できない
相乗的な効果が発揮される。かかるイオウ系酸化防止剤
とは、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジト
リデシル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げら
れ、好ましくはジラウリル−3,3’−チオジプロピオ
ネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネー
トである。トコフェロール類としては、α−トコフェロ
ール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−
トコフェロールやこれらを混合したものが挙げられ、好
ましくはδ−トコフェロールである。更に本発明ではア
スコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、特にGLAへ
の溶解性が優れている点でアスコルビン酸の高級アルキ
ルエステルを添加することも好ましく、かかるアルコル
ビン酸の高級アルキルエステルとしてはアスコルビン酸
パルミテートが好ましい。
【0008】上記BHT、イオウ系酸化防止剤の添加量
は乳化液中で、それぞれ0.1〜1重量%が好ましい。
かかる添加量が0.1重量%未満では酸化防止作用が相
乗的に働かず、1重量%を越えると紡糸時の加熱環境下
でBHTやイオウ系酸化防止剤の着色が顕在化し、繊維
が着色してしまい好ましくない。
【0009】又、トコフェロール類の添加量は乳化液中
で0.01〜0.2重量%が好ましい。0.01重量%
未満及び0.2重量%を越える場合はいずれも前記した
BHTやイオウ系酸化防止剤と同様の下限未満での難
点、上限を越えた場合の難点が生じる。
【0010】更に本発明で酸化防止剤の相乗効果を発揮
させるためのBHT、イオウ系酸化防止剤、トコフェロ
ール類の配合重量比は、10〜90/10〜90/0.
1〜20が好ましく、かかる範囲外ではGLAの加湿下
あるいは天日放置下で長期放置した時のGLAの繊維で
の残存率が低下する場合があり好ましくない。上記重量
比として更には30〜70/30〜70/0.5〜5が
好ましい。
【0011】本発明では上記酸化防止剤の3成分に加え
て更にアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体を併用
するとGLAの繊維での残存率を更に一層向上させるこ
とが出来、それは上記3成分の合計量100重量部に対
して0.001〜10重量部、更には0.01〜1重量
部で使用される。0.001重量部未満では、かかる付
加的効果の改善に乏しく、10重量部を越えると繊維の
着色が大きくなる場合があり好ましくない。
【0012】乳化液を製造する時に使用する乳化剤とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級アル
キルポリグリコール誘導体、高級アルコール硫酸エステ
ル塩、アルキルベンゼンスルホン酸、高級アルコールサ
ルフェート塩、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリ
ウム、ソルビットの高級脂肪酸エステル、脂肪酸モノグ
リセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル等を例
示することができるが、中でもポリオキシエチレンアル
キルエーテルが好ましい。また、必要に応じ、本発明で
規定する乳化液の粒子径を維持するために乳化安定助剤
としてグリセリン、ソルビット等を添加することもでき
る。乳化剤は乳化液中に5〜15重量%程度とするのが
好ましく、乳化安定助剤は30〜60重量%とするのが
好ましい。また、乳化液を製造する際に、GLAの酸化
を防止する目的で不活性ガス、例えば窒素ガス等により
乳化液中に残存する酸素を置換することが好ましい。
【0013】次に本発明では、上記乳化液を紡糸溶液に
添加し湿式紡糸あるいは乾式紡糸するのである。まず湿
式紡糸について述べる。湿式紡糸は繊維成分となるポリ
マーを溶媒に溶解した紡糸溶液を凝固液中で固化させて
繊維とするもので、適用される繊維としては、セルロー
スを主材とするビスコースレーヨンや銅アンモニア法レ
ーヨン、ポリアクリロニトリル系繊維、スパンデックス
(ポリウレタン繊維)、ポリビニルアルコール系繊維等
である。
【0014】紡糸溶液は常法に従ってポリマー種に応じ
て溶媒を選択し、これに溶解させて製造され、例えばセ
ルロースの場合は、ビスコース(セルロースキサントゲ
ン酸ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液)やセルロー
スの銅アンモニア溶液、ポリアクリロニトリル系ポリマ
ー(通常はアクリロニトリルと各種ビニルモノマーとの
共重合体)の場合は、硝酸やロダン塩水溶液、あるいは
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の溶液が、ポリウレタンの場合はジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド等の溶液が、ポリビニルアルコールの場合は
水溶液が用いられる。
【0015】かかる紡糸溶液はポリマー成分を5〜80
重量%含有し、粘度は0.2〜2000Pa・s(40
℃)、好ましくは2〜200Pa・s(40℃)であ
り、かかる紡糸溶液を押出すノズルの口径は0.001
〜1mm、好ましくは0.01〜0.1mm程度であ
る。
【0016】GLAの乳化液は、紡糸直前に紡糸溶液に
添加することが好ましく、インジェクション方式による
添加がGLAの分解を防ぐために特に好ましい。乳化液
と紡糸溶液との混合割合は、GLAの添加量が繊維分に
対して0.3〜5重量%程度となる範囲が好ましい。G
LAを5重量%を越えて添加すると、引張り強度等の繊
維物性が低下し、0.3重量%未満では、GLAの繊維
への含有量が少なくなり、アトピー性皮膚炎に対する効
能が充分発揮できず好ましくない。
【0017】かかる紡糸溶液はノズルから凝固液に導入
されて繊維化される。凝固液は硫酸、硝酸、硫酸ナトリ
ウム、硫酸亜鉛の1〜50重量%水溶液やその混合液か
らなり、凝固時の温度は10〜95℃程度で、温度や凝
固浴組成の異なる2種以上の凝固浴を用いてもよい。
【0018】更に、必要に応じて延伸されトウを得る。
その後カット、捲縮、精錬、乾燥され繊維(ステープ
ル)を得る。
【0019】次に乾式紡糸について説明する。乾式紡糸
は繊維成分となるポリマーを溶媒に溶解した紡糸溶液を
ノズルを通して紡糸筒内に押出して熱風により溶媒を蒸
発、乾燥させて繊維化させるもので、適用される繊維と
しては、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のアセ
テート、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル
系繊維、スパンデックス等が挙げられる。
【0020】乾式紡糸の場合、紡糸溶液としては上記繊
維のポリマー成分をアセトン、水、ジメチルホルムアミ
ド、クロロホルム、メタノール、ベンゼン等の少なくと
も1種を含有する溶媒に10〜60重量%溶解したもの
が用いられ、かかる紡糸溶液の粘度は2〜4000Pa
・s(40℃)、好ましくは20〜400Pa・s(4
0℃)であり、かかる紡糸溶液を押出すノズルの口径は
0.01〜1mm、好ましくは0.05〜0.2mm程
度である。
【0021】GLAの乳化液は、湿式紡糸の場合と同様
に紡糸直前に紡糸溶液に添加することが好ましく、イン
ジェクション方式による添加がGLAの分解を防ぐため
に特に好ましい。乳化液と紡糸溶液との混合割合は、湿
式紡糸の場合と同様である。
【0022】かかる紡糸溶液を上記ノズルを通して紡糸
筒内に押出して50〜200℃の熱風により溶媒を蒸
発、乾燥させて繊維化される。更に、必要に応じて延伸
されトウを得る。その後カット、捲縮、精錬される。
【0023】本発明で得られたGLA含有繊維は、GL
Aが長期にわたって安定に繊維中に残存するので、例え
ば肌着、パジャマ、ベビー用品、ソックス、マタニティ
用品、タオル、フトン中綿、シーツ、ファンデーショ
ン、スポーツ用品等として使用される時、皮膚炎、例え
ばアトピー性皮膚炎等に対する効果を期待し又、繊維成
分を保護して繊維そのものを柔らかくする機能も発揮す
るので、その実用性は極めて高いものである。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を詳細に説明す
る。特に断りのない限り「%」、「部」は重量%、重量
部を示す。 (乳化液1の製造)撹拌機付きの密閉ステンレスタンク
にボラージ草から抽出されたGLA含有オイル(「ボラ
ージオイル」、日本サプリメント(株)製、GLA含有
量20%)20部、BHT0.4部、イオウ系酸化防止
剤(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート)
0.4部、δ−トコフェロール0.04部、アスコルビ
ン酸パルミテート0.004部、グリセリン45部、ソ
ルビット9部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(「ノニポール120」、三洋化成(株)製)9
部、脱塩水17部を添加し混合した後、窒素を該混合液
中に吹込んだ。次いで40℃以下で8000〜1000
0rpmにて15分間撹拌し粗乳化液(平均粒子径31
00nm)を調製した。次いで超高圧乳化分散機(「P
EL−20」、ナノマイザー(株)製)にて粗乳化液を
1500kg/cm2 の高圧で圧送し、これを2つの高
速流に分岐して互いに衝突させた。この操作を3回繰り
返すことにより、平均粒子径150nmのGLA含有オ
イルの乳化液1を得た。平均粒子径はレーザー光散乱測
定装置(「DLS−700」、大塚電子(株)製)を用
いて測定した。
【0025】(乳化液2の製造)乳化剤1において、酸
化防止剤の配合割合をBHT0.5部、イオウ系酸化防
止剤(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート)
0.3部、δ−トコフェロール0.03部、アスコルビ
ン酸パルミテート0.004部にした以外は同様にして
乳化液2(平均粒子径150nm)を製造した。
【0026】(乳化液3の製造)乳化液1において、ア
スコルビン酸パルミテートの添加を省略した以外は同様
にして乳化液3(平均粒子径150nm)を製造した。
【0027】(乳化液4の製造)乳化液1の製造時に使
用した粗乳化液を乳化液4(平均粒子径3100nm)
として用いた。
【0028】(乳化液5の製造)乳化液1の製造におい
て、BHTの添加を省略した以外は同様にして乳化液5
(平均粒子径150nm)を製造した。
【0029】(乳化液6の製造)乳化液1の製造におい
て、イオウ系酸化防止剤の添加を省略した以外は同様に
して乳化液6(平均粒子径150nm)を製造した。
【0030】(乳化液7の製造)乳化液1の製造におい
て、δ−トコフェロールの添加を省略した以外は同様に
して乳化液7(平均粒子径140nm)を製造した。
【0031】実施例1 繊維成分としてセルロースを8.9%と水酸化ナトリウ
ムを5.7%含むビスコース(粘度100Pa・s/4
0℃)に、インジェクション方式を用いてGLA量がセ
ルロースに対して1%となるように上記乳化液1を注入
しつつミキサーにて連続混合して紡糸溶液を得た。かか
る溶液を0.05mmの口径のノズルから、硫酸112
g/L、硫酸ナトリウム330g/L、硫酸亜鉛13.
5g/Lからなる温度45℃の第一凝固浴に40m/m
inで押出して湿式紡糸し、次いで硫酸60g/Lから
なる温度90℃の第二凝固浴を通すことにより凝固再生
し、レーヨントウを得た。次いでこれを、カット、捲
縮、精錬、乾燥してレーヨンステープル(繊維)を得
た。得られた繊維中のGLA含量は7.0mg/gであ
った。かかる繊維について以下の評価を行った。
【0032】(加湿劣化試験)得られた繊維を、加湿条
件下(40℃、85%RH)に所定時間放置し、下記の
方法でGLA含有量を求めて、GLA残存率(%)を算
出した。
【0033】試料約1gを精秤し、銅、アンモニア溶液
100gを加えて溶解し、30分撹拌した。次いでクロ
ロホルム:メタノール(2:1)混液150mlを加え
抽出し、更にクロロホルム100mlで2回抽出した。
抽出液を合わせ、内部標準物を加えた後に濃縮し、濃縮
液にクロロホルムを加え5mlとした。この溶液をガス
クロマトグラフィーで分析しGLA含有量を求めた。
【0034】(耐日光試験)得られた繊維を所定の時間
天日干しして、上記と同様にしてGLA含量を測定して
GLA残存率(%)を求めた。
【0035】(着色試験)得られた繊維を7日天日干し
にした後、着色を目視で観察して以下のように評価し
た。 ○・・・天日干しの前とほどんど変らず △・・・すこし黄色に着色 ×・・・かなり黄色に着色
【0036】実施例2 乳化液1に替えて乳化液2を用いて実施例1と同様に実
験した。
【0037】実施例3 乳化液1に替えて乳化液3を用いて実施例1と同様に実
験した。
【0038】実施例4 ポリアクリロニトリルの30%ジメチルホルムアミド溶
液(粘度400Pa・s/40℃)に、インジェクショ
ン方式を用いてGLA量がポリアクリロにトリルに対し
て1%となるように上記乳化液1を注入しつつミキサー
にて連続混合した。かかる溶液を100℃でノズル径
0.1mmの口径のノズルで押し、150〜170℃の
熱風で乾燥しながら100m/minで乾式紡糸した。
次いでこれをカット、捲縮、精錬し繊維を得た。得られ
た繊維中のGLA含量は8.0mg/gであった。
【0039】比較例1 乳化液1に替えて乳化液4を用いて実施例1と同様に実
験した。
【0040】比較例2 乳化液1に替えて乳化液5を用いて実施例1と同様に実
験した。
【0041】比較例3 乳化液1に替えて乳化液6を用いて実施例1と同様に実
験した。
【0042】比較例4 乳化液1に替えて乳化液7を用いて実施例1と同様に実
験した。実施例1〜4、比較例1〜4の評価結果を表1
〜3に示した。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、GLA又は
GLA含有オイルに特定の酸化防止剤を添加した乳化液
を使用するので、それが配合された紡糸溶液からGLA
の繊維中での残存率が高く、着色のない優れたGLA含
有繊維が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山上 知秀 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 日本サプリメント株式会社内 (72)発明者 中村 佳男 大阪府大阪市中央区北久宝寺町1丁目9番 8号 三京化成株式会社内 Fターム(参考) 4L035 BB02 BB03 BB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−リノレン酸又はγ−リノレン酸含有
    オイルと3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、
    イオウ系酸化防止剤、トコフェロール類を含有する平均
    粒子径が2000nm以下である乳化液を紡糸溶液に添
    加し、湿式紡糸あるいは乾式紡糸することを特徴とする
    γ−リノレン酸含有繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 乳化液中に更にアスコルビン酸誘導体を
    含有させることを特徴とする請求項1記載のγ−リノレ
    ン酸含有繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 紡糸溶液がビスコースであり、該紡糸溶
    液を凝固浴で凝固再生して繊維を形成することを特徴と
    する請求項1あるいは2記載のγ−リノレン酸含有繊維
    の製造方法。
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