JP2002161198A - ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルシート、並びにポリエステル成形品 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルシート、並びにポリエステル成形品Info
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Abstract
熱温度が80℃以上、あるいは140℃以上であるポリ
エステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明のポリエステル樹脂組成物は、テ
レフタル酸単位が主成分のジカルボン酸成分と、テトラ
メチレングリコール単位が主成分のグリコール成分とか
らなり、総変性量が3〜20モル%であり、ポリエーテ
ルグリコールを0.5〜6モル%含有するポリエステル
樹脂(A)、テレフタル酸単位が主成分のジカルボン酸成
分と、エチレングリコ−ル単位が主成分のグリコ−ル成
分とからなるポリエステル樹脂(B)およびポリエステル
樹脂(C)を含有する。
Description
明性を有するとともに、耐熱温度が80℃以上、あるい
は140℃以上であるポリエステル樹脂組成物、及びこ
のポリエステル樹脂組成物を用いて得られるポリエステ
ルシート、並びにポリエステル成形品に関する。
るポリエステル樹脂は、機械特性、耐薬品性、透明性、
ガスバリヤー性等に優れるとともに、環境ホルモン等の
有害物質を排出する恐れがなく環境、人体への安全性も
高いことから、衣料、食品、医療等の種々の分野におい
て幅広く利用されている。その中でも特に、食品分野に
おいては、小型飲料用ボトルをはじめとして、ブリスタ
ーパックやカップ等、ポリエステル樹脂を成形して得ら
れる食品容器が急速に普及している。
は、内容物の高温殺菌や、内容物の高温充填を行うため
には80℃以上、電子レンジで使用する場合には140
℃程度の耐熱温度が必要である。しかしながら、従来の
ポリエステル樹脂からなる食品容器の耐熱温度は50〜
65℃程度と低く、このため、食品の製造工程が複雑化
したり、ポリエステル樹脂の用途が限定されているのが
現状である。
向上を目的として研究が行われている。例えば、特開昭
59−5019号公報には、成形時の金型温度をガラス
転移温度以上とし、金型内で結晶化させることによりポ
リエステル樹脂からなる耐熱容器を製造する方法が開示
されている。
報に開示された方法では、金型内で結晶化させる必要が
あるため、成形サイクルが長く成形効率が低くなるとと
もに、結晶化による白化が著しく、さらに成形条件によ
って耐熱性が変化するため、所望の耐熱性を有する耐熱
容器を安定して製造することが困難である。
としてはポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられ
る。しかしながら、ポリスチレンは、モノマーやダイマ
ー等低分子量物の環境・人体への影響が懸念されるとと
もに、耐熱性についても十分ではなく、また、食品容器
としたときに、商品陳列時の積み重ね荷重に耐えうるだ
けの十分な強度を有していないという問題点がある。ポ
リプロピレンは、ガスバリヤー性が不十分なことがあ
り、そのため内容物を長期保存したい場合には適さず、
また、ポリスチレンと同様、耐熱性についても十分では
ないという問題点がある。そこで、衛生性やガスバリヤ
ー性に優れたポリエステル樹脂の耐熱性改良を図ること
が望ましい。
有するとともに、耐熱温度が80℃以上、あるいは14
0℃以上であるポリエステル樹脂組成物、及びこのポリ
エステル樹脂組成物を用いて得られるポリエステルシー
ト、並びにポリエステル成形品を提供することである。
リエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)および
ポリエステル樹脂(C)を含有することを特徴とするポ
リエステル樹脂組成物にある。本発明のポリエステル樹
脂組成物において、ポリエステル樹脂(A)は、テレフ
タル酸単位を主成分とするジカルボン酸成分と、テトラ
メチレングリコール単位を主成分とするグリコール成分
とからなり、総変性量が3〜20モル%であるととも
に、単位モノマー中の炭素数が2以上であるポリエーテ
ルグリコールを0.5〜6モル%含有し、フェノ−ル/
1,1,2,2−テトラクロルエタン等質量混合溶媒中
に溶解させ、25℃で測定したときの固有粘度が0.5
5〜1.40dl/gである。
て、ポリエステル樹脂(B)は、テレフタル酸単位を主
成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコ−ル単
位を主成分とするグリコ−ル成分とからなり、フェノ−
ル/1,1,2,2−テトラクロルエタン等質量混合溶
媒中に溶解させ、25℃で測定したときの固有粘度が
0.55〜1.40dl/gである。
て、ポリエステル樹脂(C)は、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸単位を主成分とするジカルボン酸成分と、エ
チレングリコ−ル単位を主成分とするグリコ−ル成分と
からなり、フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロル
エタン等質量混合溶媒中に溶解させ、25℃で測定した
ときの固有粘度が0.40〜1.20dl/gである。
脂組成物は、前記ポリエステル樹脂(A)40〜65質量
部と、前記ポリエステル樹脂(B)35〜60質量部とを
合計100質量部含有し、前記ポリエステル樹脂(A)
と前記ポリエステル樹脂(B)の合計量100質量部に
対し、前記ポリエステル樹脂(C)を5〜15質量部含有
するものである。
おいて、前記ポリエステル樹脂(B)が、副成分として、
イソフタル酸、ジエチレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールのうち少なくとも1種を含有する
ことが望ましい。
により、良好な成形性を有し、成形後に良好な透明性を
有するとともに、耐熱温度が80℃以上、あるいは14
0℃以上であるポリエステル樹脂組成物を提供すること
ができることを見出した。
いはグリコール成分中の主成分」とは、「酸成分、ある
いはグリコール成分中に50モル%以上含有された成
分」と定義する。また、本明細書において、「ポリエス
テル樹脂(A)の総変性量」とは、「ポリエステル樹脂
(A)における、テレフタル酸単位、テトラメチレング
リコール単位以外のモノマーの合計モル%量(但し、該
モノマーが、酸成分の場合は、酸成分100モル%中の
モル%、グリコール成分の場合はグリコール成分100
モル%中のモル%、酸成分およびグリコール成分の場合
はそれぞれ100モル%中に対するモル%の合計モル
%)」を意味しているものとする。
1,1,2,2−テトラクロルエタン等質量混合溶媒中
に溶解させ、25℃で測定したときの固有粘度」とは、
「フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロルエタン等
質量混合溶媒にポリエステル樹脂の粉砕物を0.5g/
dlの濃度で溶解させ、ウベローデ粘度計を用いて25
℃で測定したときの固有粘度」であると定義する。
用いることにより、以下の本発明のポリエステルシート
を提供することができる。本発明のポリエステルシート
は、上記の本発明のポリエステル樹脂組成物からなるポ
リエステル層を少なくとも1層具備することを特徴とす
る。
あるいは140℃以上であるとともに、常温で良好な透
明性を有し、熱処理を行ってもヘイズ値の変化が小さ
く、透明性の低下が少ないポリエステルシートを提供す
ることができることを見出した。
初期ヘイズ値が10%以下であるとともに、80℃、3
0分間の熱処理後のヘイズ値に対する、140℃、30
分間の熱処理後のヘイズ値変化率が20%以下のポリエ
ステルシートを提供することができることを見出した。
また、本発明のポリエステルシートは、引張弾性率が7
00MPa以上であり、良好な弾性特性を示すことを見
出した。
成形することにより、本発明のポリエステル成形品を提
供することができる。また、上記の本発明のポリエステ
ルシートを熱成形することにより、本発明のポリエステ
ル成形品を提供することができる。
℃で熱処理を行っても変形しにくい、良好な耐熱性を有
するポリエステル成形品を提供することができることを
見出した。具体的には、80℃、30分間の熱処理後の
収縮率が2%以下であり、さらに、140℃、30分間
の熱処理後の収縮率が5%以下であるポリエステル成形
品を提供することができることを見出した。
は、耐熱温度が80℃以上、あるいは140℃以上であ
り、内容物の高温殺菌や、内容物の高温充填、あるいは
電子レンジでの使用が可能な食品容器として好適であ
る。さらに、本発明のポリエステル成形品は良好な弾性
特性を有し、機械的衝撃にも強く、商品陳列時の積み重
ね等にも耐えうる強度を有するものであることを見出し
た。
形品の収縮率とは、下記式(1)により定義されるもの
である。 「収縮率」= (「熱処理前の容量」 −「熱処理後の容量」) / 「熱処理前の 容量 」 × 100・・・(1)
好な成形性を有し、成形後に良好な透明性と十分な強度
を有するとともに、耐熱温度が80℃以上、あるいは1
40℃以上であるポリエステル樹脂組成物、及びこのポ
リエステル樹脂組成物を用いて得られるポリエステルシ
ート、並びにポリエステル成形品を提供することができ
る。
する。 [ポリエステル樹脂組成物]はじめに、本発明のポリエ
ステル樹脂組成物について説明する。本発明のポリエス
テル樹脂組成物は、後述するポリエステル樹脂(A)、
後述するポリエステル樹脂(B)および後述するポリエ
ステル樹脂(C)を含有することを特徴とする。
(A)40〜65質量部と、後述するポリエステル樹脂
(B)35〜60質量部とを合計100質量部含有し、
ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の合
計量100質量部に対し、後述するポリエステル樹脂
(C)を1〜25質量部含有することが好ましい。
脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)50〜60質量部
と、ポリエステル樹脂(B)40〜50質量部とを合計1
00質量部含有し、ポリエステル樹脂(A)とポリエス
テル樹脂(B)の合計量100質量部に対し、ポリエス
テル樹脂(C)を5〜15質量部含有するものである。
は耐熱性が低下し、65質量部を超えると成形後の透明
性が低下する恐れがある。また、ポリエステル樹脂(B)
が35質量部未満では成形性が低下し、60質量部を超
えると耐熱性が低下する恐れがある。また、ポリエステ
ル樹脂(C)が1質量部未満では耐熱性が低下し、25質
量部を超えると成形性が低下する恐れがある。
は、必要に応じて、酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、滑剤、繊維状および板状無機強化剤等
の添加剤、ポリカ−ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−
ト、ポリオレフィン樹脂等のポリエステル樹脂以外の樹
脂成分等を配合してもよい。
な成形性を有し、成形後に良好な透明性を有するととも
に、耐熱温度が80℃以上、あるいは140℃以上であ
るポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
の組成及び物性について、各々詳述する。 「ポリエステル樹脂(A)」本発明のポリエステル樹脂
組成物に含有されるポリエステル樹脂(A)のジカルボン
酸成分は、主成分がテレフタル酸であり、ポリエステル
全酸成分中に50モル%以上含有されることが好まし
い。テレフタル酸成分が50モル%未満では、ポリエス
テル樹脂組成物の耐熱性が低下するとともに、成形後の
機械的強度が低下する恐れがあるためである。
ては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、イソフタル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸等のベンゼン環もしくはナフタレン環に直接カ
ルボシキル基を2つ有している芳香族ジカルボン酸、そ
の他p−(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−
ジカルボキシフェニ−ル、4,4’−ジカルボキシベン
ゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニ−ル)エタン
あるいはこれらのメチル、エチル、プロピル等のアルキ
ルエステル等を例示することができる。
は、主成分がテトラメチレングリコールであり、ポリエ
ステル全グリコール成分中に50モル%以上含有される
ことが好ましい。テトラメチレングリコール成分が50
モル%未満では、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が低
下する恐れがあるためである。
ル成分としては、エチレングリコール、トリメチレング
リコ−ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ
−ル、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のア
ルキレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、ビスフェノ−ルAエチレンオキサイド付加物等を1
種類若しくは複数種類、使用することができる。
は、3〜20モル%であることが好ましく、3モル%未
満ではポリエステル樹脂組成物の加工性が低下し、20
モル%を超えるとポリエステル樹脂(A)の結晶性が低
下するため、ポリエステル樹脂(A)を重合した後のチ
ップ取り出しが困難であったり、ポリエステル樹脂組成
物の耐熱性が低下する恐れがある。
ノマー中の炭素数が2以上であるポリエーテルグリコー
ルを0.5〜6モル%配合することが望ましく、ポリエ
ーテルグリコールを0.5〜6モル%配合することによ
り、ポリエステル樹脂組成物の成形性と耐熱性を向上す
ることができる。
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を
例示することができ、特にポリテトラメチレングリコー
ルが、ポリエステル樹脂(A)の熱安定性およびポリエス
テル樹脂組成物の耐熱性を向上することができるので、
好ましい。
分子量は450以上2000以下が好ましい。分子量が
450未満であるとポリエステル樹脂(A)の結晶性が
高くなり、2000を超えるとポリエーテルグリコール
自体の結晶性のため、ポリエステル樹脂組成物の透明性
が低下する恐れがある。
ラクロルエタン等質量混合溶媒中に溶解させ、25℃で
測定したときのポリエステル樹脂(A)の固有粘度が
0.55〜1.40dl/gであることが好ましい。固
有粘度が0.55dl/g未満であると、ポリエステル
樹脂(A)を重合した後のチップの取り出しが困難であ
ったり、ポリエステル樹脂組成物を成形した後の耐衝撃
性が低下する恐れがあり、1.40dl/gを超える
と、ポリエステル樹脂(A)の重合が困難となる。
エステル樹脂組成物に含有されるポリエステル樹脂(B)
のジカルボン酸成分は、主成分がテレフタル酸であり、
ポリエステル全酸成分中に50モル%以上含有されるこ
とが好ましい。テレフタル酸成分が50モル%未満で
は、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が低下するととも
に、成形後の機械的強度が低下する恐れがあるためであ
る。
ては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、イソフタル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸等のベンゼン環もしくはナフタレン環に直接カ
ルボシキル基を2つ有している芳香族ジカルボン酸、そ
の他p−(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−
ジカルボキシフェニ−ル、4,4’−ジカルボキシベン
ゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニ−ル)エタン
あるいはこれらのメチル、エチル、プロピル等のアルキ
ルエステル等を例示することができる。
主成分は、エチレングリコールであり、ポリエステル全
グリコール成分中に50モル%以上含有されることが好
ましい。エチレングリコール成分が50モル%未満で
は、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が低下する恐れが
あるためである。
としては、トリメチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
−ル、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のア
ルキレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、ビスフェノ−ルAエチレンオキサイド付加物等を1
種類若しくは複数種類、使用することができる。
して、特に、イソフタル酸、ジエチレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールのうち少なくとも
1種を含有することが重合安定性、リサイクル性、環境
安全性等の点で望ましい。
ラクロルエタン等質量混合溶媒中に溶解させ、25℃で
測定したときのポリエステル樹脂(B)の固有粘度は0.
55〜1.40dl/gであることが好ましい。固有粘
度が0.55dl/g未満であると、ポリエステル樹脂
(B)を重合した後のチップの取り出しが困難であった
り、ポリエステル樹脂組成物を成形した後の耐衝撃性が
低下する恐れがあり、1.40dl/gを超えると、ポ
リエステル樹脂(B)重合が困難となる。
ステル樹脂組成物に含有されるポリエステル樹脂(C)の
ジカルボン酸成分は、主成分が2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸であり、ポリエステル全酸成分中に50モル%
以上含有されることが好ましい。2,6−ナフタレンジ
カルボン酸成分が50モル%未満では、ポリエステル樹
脂組成物の耐熱性が低下するとともに、成形後の機械的
強度が低下する恐れがあるためである。
カルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、5
−アルキルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等のベンゼン
環もしくはナフタレン環に直接カルボシキル基を2つ有
している芳香族ジカルボン酸、その他p−(β−オキシ
エトキシ)安息香酸、4,4’−ジカルボキシフェニ−
ル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4
−カルボキシフェニ−ル)エタンあるいはこれらのメチ
ル、エチル、プロピル等のアルキルエステル等を例示す
ることができる。
は、主成分がエチレングリコールであり、ポリエステル
全グリコール成分中に50モル%以上含有されることが
好ましい。エチレングリコール成分が50モル%未満で
は、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が低下する恐れが
あるためである。
としては、トリメチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
−ル、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のア
ルキレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、ビスフェノ−ルAエチレンオキサイド付加物等を1
種類若しくは複数種類、使用することができる。
ラクロルエタン等質量混合溶媒中に溶解させ、25℃で
測定したときのポリエステル樹脂(C)の固有粘度は0.
40〜1.20dl/gであることが好ましい。固有粘
度が0.40dl/g未満であるとポリエステル樹脂
(C)を重合した後のチップの取り出しが困難であった
り、ポリエステル樹脂組成物を成形した後の耐衝撃性が
低下する恐れがあり、1.20dl/gを超えると、ポ
リエステル樹脂(C)の重合が困難となる。
方法」上記ポリエステル樹脂(A)〜(C)は、エステル交
換法やエステル化法等、公知の重合方法によって製造す
ることができる。ポリエステル樹脂(A)〜(C)の製造方
法は同様であるので、以下、ポリエステル樹脂(A)を
例として、その製造方法の例について説明する。
ラメチレングリコ−ル等の全グリコール成分が、テレフ
タル酸のエステル形成性誘導体等の全酸成分に対してモ
ル比で1.2〜1.6倍となるように反応容器内に仕込
み、単位モノマー中の炭素数が2以上であるポリエーテ
ルグリコールおよび、テトラキス[メチレン(3,5−ジ
−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]
メタン等の酸化安定剤を添加し、テトラブトキシチタン
等の触媒の存在下で150〜220℃まで徐々に加熱し
て十分にエステル交換反応を行った後、0.7kPa以
下の減圧下で230〜260℃に加熱し、2〜5時間縮
合重合した後、ストランド状で水槽中に吐出し、ストラ
ンドカッターにてチップ状にカットしたものを速やかに
乾燥してチップに付着した水分を取り除くことによっ
て、ポリエステル樹脂(A)を製造することができる。
テトラメチレングリコ−ル等の全グリコール成分が、テ
レフタル酸等の全酸成分に対してモル比で1.2〜1.
6倍となるように反応容器内に仕込み、単位モノマー中
の炭素数が2以上であるポリエーテルグリコールおよ
び、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t-ブチル−4
−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン等の酸化安
定剤を添加し、窒素で加圧した状態で徐々に150〜2
20℃まで加熱して十分にエステル化反応を行った後、
0.7kPa以下の減圧下で230〜260℃に加熱
し、2〜5時間縮合重合した後、ストランド状で水槽中
に吐出し、ストランドカッターにてチップ状にカットし
たものを速やかに乾燥してチップに付着した水分を取り
除くことによって、ポリエステル樹脂(A)を製造する
ことができる。
いて好適な上記以外の触媒としては、エステル交換触媒
として酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等を
例示することができ、重合触媒として三酸化アンチモ
ン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、チタン
テトラブトキシド、ジブチルスズオキシド等を例示する
ことができ、全酸成分に対して、触媒を20〜1000
ppm添加することが望ましい。
エステル樹脂組成物を用いることにより、本発明のポリ
エステル樹脂組成物からなるポリエステル層を少なくと
も1層具備する本発明のポリエステルシートを提供する
ことができる。
ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル層を少な
くとも1層具備していればよいので、本発明のポリエス
テル樹脂組成物からなるポリエステル層単層から構成さ
れていてもよいし、本発明のポリエステル樹脂組成物か
らなるポリエステル層が積層形成されたものであっても
よい。また、本発明のポリエステルシートは、本発明の
ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル層と他の
樹脂層とが積層形成されたものであってもよい。
るものではないが、20μm〜1mm程度の範囲のもの
が実用的に使用される。
あるいは140℃以上であるとともに、常温で良好な透
明性を有し、熱処理を行ってもヘイズ値の変化が小さ
く、透明性の低下が少ないポリエステルシートを提供す
ることができる。具体的には、膜厚が200μmのとき
に、初期ヘイズ値が10%以下であるとともに、80
℃、30分間の熱処理後のヘイズ値に対する、140
℃、30分間の熱処理後のヘイズ値変化率が20%以下
のポリエステルシートを提供することができる。
には、常温下でもポリエステルシートの透明性が十分で
はなく、80℃、30分間の熱処理後のヘイズ値に対す
る、140℃、30分間の熱処理後のヘイズ値変化率が
20%を超える場合には、熱処理によって著しく透明性
が低下するため、好ましくない。
弾性率は700MPa以上であることが望ましい。引張
弾性率が700MPa未満では弾性特性が不十分であ
り、ポリエステルシートを成形して得られるポリエステ
ル成形品が商品移送、店頭陳列時の積み重ね等により変
形する恐れがあるためである。
法により製造することができる。以下、ポリエステル層
単層からなるポリエステルシートを例として、本発明の
ポリエステルシートの製造方法の例について説明する。
ポリエステル単層からなるポリエステルシートは、押出
法やカレンダー法などにより製造することができる。
エステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とポリエステ
ル樹脂(C)とのドライブレンド物、またはこれらを押出
機により溶融混練した後チップ化した樹脂組成物を、ギ
ヤポンプ、Tダイ、チルロール、巻き取り装置を備えた
押出機に投入し、一般的な条件にて製膜することで製造
することができる。
リエステル樹脂組成物、あるいは上記の本発明のポリエ
ステルシートを公知の方法を用いて所定の形状に成形す
ることにより、種々の形状の本発明のポリエステル成形
品を提供することができる。上記のポリエステルシート
からポリエステル成形品を成形する場合には、真空成形
法、圧空成形法、プレス成形法などを採用することがで
きる。
℃の熱処理を行っても収縮率が小さく、耐熱温度が80
℃以上、あるいは140℃以上であるポリエステル成形
品を提供することができる。具体的には、本発明によれ
ば、80℃、30分間の熱処理後の収縮率が2%以下で
あり、さらに、140℃、30分間の熱処理後の収縮率
が5%以下であるポリエステル成形品を提供することが
できる。
高温殺菌や、内容物の高温充填を可能とする食品容器、
あるいは電子レンジで使用可能な食品容器として好適で
ある。また、本発明のポリエステル成形品は良好な弾性
特性を有し、機械的衝撃にも強く、商品陳列時の積み重
ね等にも耐えうる強度を有するものである。
組成物を上記組成とすることにより、成形性が良く、成
形後に良好な透明性と十分な強度を有するとともに、耐
熱温度が80℃以上、あるいは140℃以上であるポリ
エステル樹脂組成物、及びこのポリエステル樹脂組成物
を用いて得られるポリエステルシート、並びにポリエス
テル成形品を提供することができる。
いて説明する。ポリエステル樹脂(A)として、ポリエ
ステル樹脂(A−1)、(A−2)、ポリエステル樹脂
(B)として、ポリエステル樹脂(B−1)、(B−
2)、ポリエステル樹脂(C)として、(C−1)、
(C−2)、(C−3)を製造した。
成分として、ポリエステル樹脂(A)と同じ成分を用
い、総変性量、あるいはポリエーテルグリコールの配合
量を変えたものをポリエステル樹脂(D)とし、総変性
量のみを本発明で規定した範囲外(20モル%超)とし
たポリエステル樹脂(D−1)と、総変性量を本発明で
規定した範囲外(20モル%超)とし、さらにポリエー
テルグリコールを本発明で規定した範囲外(6モル%
超)としたポリエステル樹脂(D−2)を製造した。
れらのポリエステル樹脂を用いて、ポリエステル樹脂組
成物を製造し、得られたポリエステル樹脂組成物を用い
て、ポリエステル層単層からなるポリエステルシートを
製膜し、さらに、ポリエステルシートを成形してポリエ
ステル成形品を製造し、得られたポリエステルシート、
ポリエステル成形品について評価を行った。
ポリエステル樹脂の製造方法について説明する。また、
得られた各ポリエステル樹脂を熱分解クロマトグラフィ
−により分析し、各ポリエステル樹脂のアルカリ分解物
を高速液体クロマトグラフィ−により分析することによ
り、各ポリエステル樹脂の組成分析を行った結果を表1
に示す。表1には、各ポリエステル樹脂の組成、及びポ
リエステル樹脂(A)、(D)の総変性量を示してい
る。また、得られた各ポリエステル樹脂の固有粘度を測
定した結果を表1に合わせて記載する。固有粘度は、フ
ェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロルエタン等質量
混合溶媒に得られたポリエステル樹脂の粉砕物を0.5
g/dlの濃度で溶解させ、ウベローデ粘度計を用いて
25℃で測定した。なお、表1においては、簡略化のた
め、ポリエステル樹脂(A)〜(D)を、樹脂(A)〜
(D)と略記している。
95モル部、ジメチルイソフタレート(以下、「DM
I」と略す。)5モル部、テトラメチレングリコ−ル
(以下、「BDO」と略す。)137.6モル部、ポリ
テトラメチレングリコール(Mw:1000;以下、
「PTMG」と略す。)2.4モル部に、テトラキス[メ
チレン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイド
ロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.50質量%と
なるように添加したものを精留塔および攪拌装置を備え
た反応容器に入れ、140℃まで昇温した。さらに、攪
拌を行いながらテトラブトキシチタンを対酸成分に対し
て600ppm添加した。
エステル交換反応を行った後、重縮合反応容器に移し、
真空度0.2kPa以下、245℃で3時間縮合重合を
行い、所定の攪拌トルクに至ったところで、ストランド
状で水槽中に吐出したものを、ストランドカッターにて
チップ化し、これを所定の温度、時間にて乾燥してポリ
エステル樹脂(A−1)を得た。得られたポリエステル樹
脂(A−1)の固有粘度を測定したところ、1.04dl
/gであった。
38.8モル部、PTMGを1.2モル部とし、テトラ
キス[メチレン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキ
シハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.25
質量%とした以外は、ポリエステル樹脂(A−1)と同様
にしてポリエステル樹脂(A−2)を得た。得られたポリ
エステル樹脂(A−2)の固有粘度を測定したところ、
1.01dl/gであった。
38.8モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(A−
2)と同様にしてポリエステル樹脂(D−1)を得た。得
られたポリエステル樹脂(D−1)の固有粘度を測定した
ところ、0.96dl/gであった。
30.9モル部、PTMGを9.1モル部とし、テトラ
キス[メチレン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキ
シハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー1.50
質量%とした以外は、ポリエステル樹脂(A−1)と同様
にしてポリエステル樹脂(D−2)を得た。得られたポリ
エステル樹脂(D−2)の固有粘度を測定したところ、
1.17dl/gであった。
部、イソフタル酸(以下、「IPA」と略す。)16モル
部、エチレングリコ−ル(以下、「EG」と略す。)1
50モル部を精留塔および攪拌装置を備えた反応容器に
入れ、攪拌を行いながら窒素で加圧した状態で徐々に2
60℃まで昇温した。留出する水を系外に排出しながら
エステル化を行い、重縮合反応容器に移した後、正リン
酸を対酸成分にして30ppm添加した。
モンを対酸成分にして350ppm添加し、重縮合反応
容器に移し、真空度0.2kPa以下、285℃で3時
間縮合重合を行い、所定の攪拌トルクに至ったところ
で、ストランド状で水槽中に吐出したものを、ストラン
ドカッターにてチップ化し、これを所定の温度、時間に
て乾燥してポリエステル樹脂(B−1)を得た。得られた
ポリエステル樹脂(B−1)の固有粘度を測定したとこ
ろ、0.78dl/gであった。
120モル部とし、グリコール成分として、さらに1,
4−シクロヘキサンジメタノール(以下、「CHDM」
と略す。)を 30モル部添加し、重合触媒チタンテトラ
ブトキシドを対酸成分にして700ppm添加した以外
はポリエステル樹脂(B−1)と同様にしてポリエステ
ル樹脂(B−2)を得た。得られたポリエステル樹脂(B
−2)の固有粘度を測定したところ、0.77dl/g
であった。
略す。)100モル部、エチレングリコ−ル(以下、
「EG」と略す。)150モル部を精留塔および攪拌装
置を備えた反応容器に入れ、攪拌を行いながら窒素で加
圧した状態で徐々に260℃まで昇温した。留出する水
を系外に排出しながらエステル化を行い、重縮合反応容
器に移した後、正リン酸を対酸成分にして30ppm添
加した。
モンを対酸成分にして250ppm添加し、重縮合反応
容器に移し、真空度0.2kPa以下、290℃で3時
間縮合重合を行い、所定の攪拌トルクに至ったところ
で、ストランド状で水槽中に吐出したものを、ストラン
ドカッターにてチップ化し、これを所定の温度、時間に
て乾燥してポリエステル樹脂(C−1)を得た。得られた
ポリエステル樹脂(C−1)の固有粘度を測定したとこ
ろ、0.50dl/gであった。
を16モル部添加した以外はポリエステル樹脂(C―1)
と同様にしてポリエステル樹脂(C−2)を得た。得ら
れたポリエステル樹脂(C−2)の固有粘度を測定した
ところ、0.49dl/gであった。
CHDMを20モル部添加し、重合触媒として二酸化ゲ
ルマニウムを対酸成分にして200ppm添加した以外
はポリエステル樹脂(C―1)と同様にしてポリエステル
樹脂(C−3)を得た。得られたポリエステル樹脂(C
−3)の固有粘度を測定したところ、0.48dl/g
であった。
ポリエステル樹脂(A−1)、(A−2)、(D−
1)、(D−2)、(B−1)、(B−2)、(C−
1)〜(C−3)を用いて、その配合比を変えてポリエ
ステル樹脂組成物を製造し、得られたポリエステル樹脂
組成物を用いて、ポリエステルシート、ポリエステル成
形品を製造した。実施例1〜3、比較例1、2におい
て、用いたポリエステル樹脂の種類、及びその配合比に
ついて表2に示す。
テル樹脂(A)、(B)、(C)の組み合わせと、その
配合比を本発明で規定した範囲内で変えて、ポリエステ
ル樹脂組成物、ポリエステルシート、ポリエステル成形
品を得た。
も実施例1を基本組成としているが、ある要素が本発明
で規定した範囲外に設定されている。すなわち、比較例
1、2では、ポリエステル樹脂(A)の代わりに、総変
性量、あるいは総変性量とポリエーテルグリコールの配
合量が本発明で規定した範囲外のポリエステル樹脂
(D)を用いている。
て、得られたポリエステルシート及びポリエステル成形
品についてそれぞれ評価を行い、得られた結果について
表2に合わせて記載する。
ける、ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルシート、
ポリエステル成形品の製造方法、及び得られたポリエス
テルシート、ポリエステル成形品の評価項目と評価方法
について説明する。
0質量部、ポリエステル樹脂(B−1)40質量部、ポリ
エステル樹脂(C−1)5質量部をドライブレンドして、
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を押出製膜機にて樹脂温280℃、チルロー
ル温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエステル
シートを得た。さらに、このシートを真空成形機にて、
シート加熱温度90℃、金型温度135℃で、上部径7
5mm、底部径63mm、高さ40mmのカップ形状の
成形品を得た。
5質量部、ポリエステル樹脂(B−2)45質量部、ポリ
エステル樹脂(C−2)15質量部を二軸押出機で275
℃にて溶融混練した後ペレット化して、ポリエステル樹
脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物を押
出製膜機にて樹脂温280℃、チルロール温度5℃にて
製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。
さらに、このシートを真空成形機にて、シート加熱温度
85℃、金型温度135℃で、実施例1と同様にしてカ
ップ形状の成形品を得た。
0質量部、ポリエステル樹脂(B−1)50質量部、ポリ
エステル樹脂(C−1)5質量部をドライブレンドして、
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を、押出製膜機にて樹脂温280℃、チルロ
ール温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエステ
ルシートを得た。さらに、このシートを真空成形機に
て、シート加熱温度85℃、金型温度135℃で、実施
例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。
0質量部、ポリエステル樹脂(B−1)40質量部、ポリ
エステル樹脂(C−1)5質量部をドライブレンドし
て、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエス
テル樹脂組成物を、押出製膜機にて樹脂温280℃、チ
ルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエ
ステルシートを得た。さらに、このシートを真空成形機
にて、シート加熱温度85℃、金型温度135℃で、実
施例1と同様にしてカップ形状の成形を試みたが金型離
型せず、金型温度を下げても良好な成形品を得ることは
できなかった。
0質量部、ポリエステル樹脂(B−1)40質量部、ポリ
エステル樹脂(C−1)5質量部をドライブレンドして、
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を、押出製膜機にて樹脂温280℃、チルロ
ール温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエステ
ルシートを得た。さらに、このシートを真空成形機に
て、シート加熱温度85℃、金型温度135℃で、実施
例1と同様にしてカップ形状の成形を試みたが金型離型
せず、金型温度を下げても良好な成形品を得ることはで
きなかった。
及び評価方法について説明する。 (初期ヘイズ値、ヘイズ値変化率)JIS K7105
に準拠し、調温、調湿の後、23℃において、初期値
と、80℃、30分間の熱処理後と、140℃、30分
間の熱処理後のポリエステルシート(膜厚200μm)
についてヘイズ値の測定を行った。初期ヘイズ値は10
%以下であったものを良好な透明性を有していると判定
した。また、80℃、30分間の熱処理後のヘイズ値に
対する、140℃、30分間の熱処理後のヘイズ値変化
率を算出し、下記の判定基準に基づいて判定を行った。 判定基準 ○ : 80℃、30分間の熱処理後のヘイズ値に対す
る、140℃、30分間の熱処理後のヘイズ値変化率が
20%以下であった。 × : 80℃、30分間の熱処理後のヘイズ値に対す
る、140℃、30分間の熱処理後のヘイズ値変化率が
20%より大きかった。
し、ポリエステルシート(膜厚200μm)より1号形
試験片を切り出し、調温、調湿の後、23℃において、
毎分10mmの試験速度にて引張弾性率の測定を行っ
た。引張弾性率が700MPa以上あったものを弾性特
性が良好であると判定した。
と、80℃、30分間の熱処理後と、140℃、30分
間の熱処理後のポリエステル成形品について、それぞ
れ、調温、調湿の後、23℃において、水を完全に充填
した時の容量を処理前後について測定し、下記式に基づ
いて、収縮率を算出した。 「収縮率」= (「熱処理前の容量」 −「熱処理後の容量」) / 「熱処理前の 容量 」 × 100・・・(1) 80℃の熱処理後については収縮率2%以下、140℃
の熱処理後については収縮率5%以下であったものを耐
熱性が良好であると判定した。
テルシートは、初期ヘイズ値が1.6〜1.9%と小さ
く、良好な透明性を有することが判明した。さらに、実
施例1〜3で得られたポリエステルシートは、熱処理を
行ったときのヘイズ値変化が小さく、80℃、あるいは
140℃で熱処理を行っても良好な透明性を維持できる
ことが判明した。また、実施例1〜3で得られたポリエ
ステルシートは、引張弾性率が1430〜1480MP
aと高く、弾性特性も良好であった。また、実施例1〜
3で得られたポリエステル成形品は、80℃、あるいは
140℃の熱処理後の収縮がそれぞれ0.3%、1.0
〜1.3%と小さく、耐熱温度が140℃以上であり、
耐熱性に優れていることが判明した。
代わりに、総変性量が本発明で規定した範囲よりも大き
いポリエステル樹脂(D−1)を用いた比較例1では、
得られたポリエステルシートの引張弾性率は1450M
Paと高く良好であり、初期ヘイズ値は2.4%と良好
な透明性が得られたものの、熱処理を行ったときのヘイ
ズ値の増加が大きく、熱処理後に良好な透明性を得るこ
とができないことが判明した。また、比較例1では、得
られたポリエステルシートの成形性が低く、カップ状の
成形品を得ることができないことが判明した。
に、総変性量が本発明で規定した範囲よりも大きく、さ
らに、ポリエーテルグリコールを本発明で規定した範囲
よりも多く配合したポリエステル樹脂(D−2)を用い
た比較例2では、得られたポリエステルシートの初期ヘ
イズ値が5.5%と良好な透明性が得られ、熱処理後の
ヘイズ値の増加も小さく良好であったものの、引張弾性
率は680MPaと低く、弾性特性が不十分であること
が判明した。また、比較例2では、得られたポリエステ
ルシートの成形性が低く、カップ状の成形品を得ること
ができないことが判明した。
良好な成形性を有し、成形後に良好な透明性と十分な強
度を有するとともに、耐熱温度が80℃以上、あるいは
140℃以上であるポリエステル樹脂組成物、及びこの
ポリエステル樹脂組成物を用いて得られるポリエステル
シート、並びにポリエステル成形品を提供することがで
きる。本発明のポリエステル成形品は、内容物の高温殺
菌や内容物の高温充填、電子レンジでの使用が可能な食
品容器として好適である。
Claims (11)
- 【請求項1】 下記ポリエステル樹脂(A)、ポリエス
テル樹脂(B)およびポリエステル樹脂(C)を含有す
ることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。 ポリエステル樹脂(A) テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸成分と、
テトラメチレングリコール単位を主成分とするグリコー
ル成分とからなり、総変性量が3〜20モル%であると
ともに、単位モノマー中の炭素数が2以上であるポリエ
ーテルグリコールを0.5〜6モル%含有し、フェノ−
ル/1,1,2,2−テトラクロルエタン等質量混合溶
媒中に溶解させ、25℃で測定したときの固有粘度が
0.55〜1.40dl/gであるポリエステル樹脂。 ポリエステル樹脂(B) テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸成分と、
エチレングリコ−ル単位を主成分とするグリコ−ル成分
とからなり、フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン等質量混合溶媒中に溶解させ、25℃で測定し
たときの固有粘度が0.55〜1.40dl/gである
ポリエステル樹脂。 ポリエステル樹脂(C) 2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を主成分とするジ
カルボン酸成分と、エチレングリコ−ル単位を主成分と
するグリコ−ル成分とからなり、フェノ−ル/1,1,
2,2−テトラクロルエタン等質量混合溶媒中に溶解さ
せ、25℃で測定したときの固有粘度が0.40〜1.
20dl/gであるポリエステル樹脂。 - 【請求項2】 前記ポリエステル樹脂(A)40〜65質
量部と、前記ポリエステル樹脂(B)35〜60質量部と
を合計100質量部含有し、 前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂
(B)の合計量100質量部に対し、前記ポリエステル
樹脂(C)を1〜25質量部含有することを特徴とする請
求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記ポリエステル樹脂(B)が、イソフタ
ル酸、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールのうち少なくとも1種を含有することを特
徴とするポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
項に記載のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステ
ル層を少なくとも1層具備することを特徴とするポリエ
ステルシート。 - 【請求項5】 膜厚が200μmのときに、 初期ヘイズ値が10%以下であるとともに、 80℃、30分間の熱処理後のヘイズ値に対する、14
0℃、30分間の熱処理後のヘイズ値変化率が20%以
下であることを特徴とする請求項4に記載のポリエステ
ルシート。 - 【請求項6】 引張弾性率が700MPa以上であるこ
とを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のポリエス
テルシート。 - 【請求項7】 請求項1から請求項3までのいずれか1
項に記載のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴
とするポリエステル成形品。 - 【請求項8】 請求項4から請求項6までのいずれか1
項に記載のポリエステルシートを熱成形して得られるこ
とを特徴とするポリエステル成形品。 - 【請求項9】 80℃、30分間の熱処理後の収縮率が
2%以下であることを特徴とする請求項7又は請求項8
に記載のポリエステル成形品。 - 【請求項10】 140℃、30分間の熱処理後の収縮
率が5%以下であることを特徴とする請求項7から請求
項9までのいずれか1項に記載のポリエステル成形品。 - 【請求項11】 耐熱温度が80℃以上であり、食品容
器として用いられることを特徴とする請求項7から請求
項10までのいずれか1項に記載のポリエステル成形
品。
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JP2000357834A JP3682220B2 (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルシート、並びにポリエステル成形品 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002161198A true JP2002161198A (ja) | 2002-06-04 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006206663A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Kyodo Printing Co Ltd | ポリマーアロイ |
CN103756263A (zh) * | 2013-12-20 | 2014-04-30 | 安徽国星生物化学有限公司 | 一种耐温pet复合材料 |
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2000
- 2000-11-24 JP JP2000357834A patent/JP3682220B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN103756263A (zh) * | 2013-12-20 | 2014-04-30 | 安徽国星生物化学有限公司 | 一种耐温pet复合材料 |
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