JP2002161046A - サトウキビポリフェノール含有物の製造方法 - Google Patents
サトウキビポリフェノール含有物の製造方法Info
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Abstract
作用および紫外線吸収作用を有するサトウキビポリフェ
ノールをサトウキビから抽出し、精製することにより、
サトウキビポリフェノール含有物及びそれを用いた各種
製品を提供する。 【解決手段】 サトウキビ穂を水または有機溶媒を用い
て、含有成分を抽出し、その抽出液を濃縮乾固すること
により、サトウキビポリフェノールを含有する抽出物を
製造する。また、さらにその濃縮乾固物の水溶液を溶媒
分画または、カラム分画することにより精製することに
より、より純度の高いサトウキビポリフェノール含有物
を製造する。また、これらの方法により製造された、サ
トウキビポリフェノール含有物を有効成分として配合
し、食品、化粧品、皮膚外用剤などとする。
Description
成分であるサトウキビポリフェノールを含有するサトウ
キビポリフェノール含有物の製造方法と、その含有物及
び、その有効成分を含有する食品、皮膚外用剤に関す
る。
きる植物であることから、従来、そのショ糖成分だけが
栄養学的な食資源として重視され高価値利用されてき
た。しかし、最近では、非糖成分に中性脂肪・コレステ
ロ−ル上昇抑制作用などの生活習慣病予防効果があるこ
とが明らかにされるようになり、精製白糖にない黒糖成
分が注目を浴びるようになってきた。
ルおよび中性脂肪の濃度上昇抑制作用〔Sho.H,Yamasir
o.I:J.Jpn.Soc.Food.Nutr,25,462(1972)〕、黒糖のメタ
ノ−ル抽出物〔木村善行,他:薬学雑誌,102,666(1982)〕
のラット血清の中性脂肪、インスリンの濃度上昇抑制作
用および黒糖中のアルブチン、タキオシド、3,4-ジメト
キシフェニルグリコシド(BS-1)によるグルコ-ス吸収阻
害作用、黒糖の抗酸化作用〔山口直彦,山田篤美:Nippo
n.Shokuhin.Kogyo.Gakkaishi,28,303(1981)〕、黒糖中
のフェニルプロパノイドによる抗酸化作用〔Nakasone.Y
et al.:Biosci.Biotech.Biochem,60, 1714(1996)〕、
サトウキビ圧搾汁〔玉城一,他:農化大会要旨,64,802(19
90)〕、黒糖、廃糖蜜〔高尾哲也,他:精糖技研誌,41,37
(1993)〕およびサトウキビ酢〔吉元誠,他:農化西日本支
部大会要旨,39(1998)〕の抗変異原作用、サトウキビ酢
のアンジオテンシン1変換酵素阻害作用〔吉元誠,他:農
化西日本支部大会要旨,39(1998)〕、黒糖または糖蜜中
のアルブチン、タキオシド、BS−1による美肌作用
〔山下文夫,他:精糖技研誌,41,43(1993)〕などである。
〔Gross.D,Coombs.J:Int.Sugar.J,73,100(1971)〕やア
ントシアン、カテキン、カルコン、フラボノ-ル、フラ
ボンなどのフラボノイド〔Smith.P,Paton.NH:Sugar.Tec
hnol.Reviews,12,117(1985)〕が見出され、糖製品〔Far
ber.L,Carpenter.FG:Proc.Tech.Sess.Cane.Sugar.Ref.R
es,23(1972)〕〔Legaz.ME et al.:Int.Sugar.J.-Cane.S
ugar.Ed,100,433(1998)〕からもフラボノイド、フェノ
ール酸、それらの誘導体などが見出されている。一般
に、これらのフェノール化合物の中には、抗酸化、抗変
異原、抗菌、血圧上昇抑制などの作用を示す物質が多
い。
ビおよびその製品の生理作用を有する成分の研究が数多
く行われてきているが、葉、茎、あるいは黒糖において
は、それら成分の含有率が低く、また、夾雑物が多いこ
とから、現在まで、サトウキビあるいはその製品からポ
リフェノールなどの有効成分を抽出し、特に抗酸化、活
性酸素および紫外線吸収等のために使用できるような製
品の開発には至っていない。
り注ぐ紫外線から自らを防御する手段としての抗酸化物
質、活性酸素消去物質、紫外線吸収物質などを多く含ん
でいるといわれ、特に甘味資源作物として豊富に存在す
るサトウキビから砂糖以外のポリフェノールなどの有効
成分を探索し、その利用法を開発することが、サトウキ
ビからの収益性を高める上から望まれていた。
砂糖以外の成分も積極的に使用されるべきであるが、例
えば梢頭部や葉は製糖原料とした場合、製品の貯蔵性、
着色性、嗜好性などに影響を与える理由から、家畜飼料
に使われるほかは用途がなく、畑に放置または鍬込まれ
ている。わずかに茎の表皮部分が黒糖原料の一部分とし
て利用されるだけであった。
薬の使用量が極めて少ない作物であり、成熟期に至って
から収穫されるため農薬の影響を受けることもないので
安全性が高く利用価値が非常に大きいと考えられる。
なされたものであり、安全で天然由来の抗酸化作用、活
性酸素消去作用および紫外線吸収作用を有するサトウキ
ビポリフェノールをサトウキビから抽出し、精製するこ
とにより、サトウキビポリフェノール含有物及びそれを
用いた各種製品を提供することを課題とする。
ビを原料とする黒糖が古くから健康食品として多くの人
に好まれ、また、美容にもよいとされ化粧品に用いられ
ることから、原料であるサトウキビから抗酸化作用、活
性酸素消去作用等を有し、人体に対し有害な作用を示さ
ない物質を見出すべく鋭意研究を行った結果、サトウキ
ビ穂抽出物中に極めて有効な抗酸化作用、活性酸素消去
作用および紫外線吸収作用を有するサトウキビポリフェ
ノールが高濃度に存在することを見出し、本発明を完成
するに至った。
媒を用いて、含有成分を抽出し、その抽出液を濃縮乾固
することにより、サトウキビポリフェノールを含有する
抽出物を提供できるものである。また、さらにその濃縮
乾固物の水溶液を溶媒分画または、カラム分画すること
により精製することにより、より純度の高いサトウキビ
ポリフェノール含有物を提供できる。
含有物は、抗酸化作用、活性酸素消去作用、及び紫外線
吸収作用などを有するため、液状や粉状、錠剤状などに
加工することにより、医療用や化粧用などの抗酸化剤や
活性酸素消去剤、あるいは紫外線吸収剤などとして提供
できる。また、食品類や外用薬に配合して健康食品や皮
膚外用剤などとしても提供できる。
及び乾燥処理して通水性容器にパック詰めし、健康飲料
用ティーバッグや食品用パック製品や浴用パック剤など
としても提供できる。
細に説明する。
ウキビ属(Saccharum)の植物の穂の部分である。サト
ウキビは、成熟期に達すると、成長点で花の原基を形成
して栄養生長から生殖生長へ転換し、原基は生長して穂
状花序を着ける。図1(引用文献:サトウキビとその栽
培/宮里清松著)に示すように、穂軸(図示せず)から
数多くの枝梗1および小枝梗2を出し、それに多数の小
穂(花)3を着ける。小穂(花)3の基部には、輪状に
出た穂毛4が密生している。1つの穂に生ずる小穂3の
数は品種、生育条件によって異なるが約8,000個に
及ぶと言われる。花3は黄色又は赤紫色であり、成熟す
れば褐色に変わり、受精によって種子を生ずる。
穂は、サトウキビの穂の全体、あるいは穂軸を除いた枝
梗1、2および枝梗1、2に付いた種子(図示しない)
および花(小穂)3、あるいは枝梗1、2を除いた種子
および花(小穂)3、あるいは穂全体の粉砕物、あるい
は穂毛4を除いた穂全体の粉砕物のいずれかを用いる。
メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−
ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、グリ
セリン、アセトン、酢酸エチルおよびメチルエチルケト
ンから選ばれた1種類以上の溶媒を用いることができ
る。特に水、エタノ−ルが好適である。
回繰り返し抽出すると良い。抽出操作は室温で行っても
よいが、好ましくは還流冷却下加熱すると、成分が効率
よく速やかに抽出される。
〜100℃の加温下で行うと抽出物が効率よく、かつ純
度よく得られる。
ま、あるいは冷風乾燥、天日乾燥等の乾燥処理をしたも
の、また、それを粉砕したものを使用する。特に、冷風
乾燥した場合には、抽出物は取り扱いが容易なサラサラ
した性状のものが得られる。
枝梗1,2やカサ比重の大きい繊維である穂毛4を除去
したものを使用する。特に、専用ブラシ等により花(小
穂)3、種子部分を穂軸、枝梗1,2から分離回収した
り、花(小穂)3や種子に結合している穂毛4部分を粉
砕・篩い処理によって除去して用いると、図2の表に示
すように花3・種子・枝梗1,2からの抽出率が高ま
り、溶媒使用量および作業量が減り、抽出操作が効率的
に行える。また、抽出しないで粉砕処理のみを行って、
ティーバッグやペット、家畜、養殖魚等の飼料とする場
合にも、穂毛4は除いた方が好ましい。
去し、常法により減圧下濃縮し、噴霧乾燥、凍結乾燥等
の通常の乾燥手段により乾燥すると、本発明のサトウキ
ビ穂抽出物であるサトウキビポリフェノール含有物が得
られる。得られたサトウキビポリフェノール含有物はそ
の精度によって、黄色から赤褐色である。
酸化作用、活性酸素抑制作用、紫外線吸収作用の有効成
分がポリフェノールまたはポリフェノールと糖を含む成
分であることを見出した。
複数有する化合物群の総称であり、さらにフラボノイド
類、フェノールカルボン酸類、タンニン類など多くの化
合物群に分類される。ポリフェノール製品の起源植物で
は、例えばぶどう、茶、りんご果実などが知られてい
る。
in−Dennis法による定量試験を行ったところ、
ポリフェノールが約14%含まれており、他の植物にお
けるよりも多量にポリフェノールが含まれることを見出
した。
が、なお、より高純度に精製したポリフェノール製品を
得たい場合には、サトウキビ穂をヘキサンなどの非極性
溶媒を用いて脱脂してから水抽出したり、さらに水のか
わりに高濃度のアルコ−ルを用いて抽出すると有効成分
の濃度を上昇させることができる。
分配することによって、あるいは抽出物を合成吸着剤カ
ラムクロマトグラフィ−に付すことによって、含まれる
有効成分を精製することが可能である。
酢酸エチルに分配される画分は、ポリフェノール量が数
倍高くなっており、強いDPPHラジカル消去作用と3
20〜400nmの紫外線(UV−A)領域および29
0〜320nmの紫外線(UV−B)領域の広い波長領
域にわたって強い吸収作用を示し、酢酸エチルで抽出さ
れない水溶性画分は強いリノ−ル酸酸化抑制作用を有し
ている。
吸着剤ダイヤイオンHP−20カラムクロマトグラフィ
−に付し、エタノ−ル濃度を替えて通液することによっ
て、ポリフェノールと糖を主体としたリノ−ル酸酸化抑
制作用の強い水溶出画分とプロアントシアニジンを主体
としたβ−カロチン退色抑制作用、DPPHラジカル消
去作用の強いエタノ−ル溶出画分に分離できる。
ェノール含有物は、液状、ペ−スト状、錠剤状、粉状、
顆粒上などに加工することができ、抗酸化、活性酸素消
去および紫外線吸収作用を有するポリフェノール製品と
して、飲料、発酵飲料、調理の原料として用いる他、一
般に使用される担体、助剤、添加剤等とともに製剤化す
ることができ、常法に従って、経口、非経口の製品とし
て、また、食品、皮膚外用剤等の分野で利用することが
できる。
梗を含む粉砕物は、家畜飼料やワイン発酵原料として用
いることができる。また、この粉砕物を乾燥処理してテ
ィバッグに封入し、各種の茶飲料やだしパックあるい
は、入浴剤パックとして用いることができる。
が、本発明はこれらにより制限されるものではない。
いた部分552gを15lの水で2時間加熱還流により
抽出した。この抽出を2回繰り返した。抽出液をろ過し
て合し、減圧濃縮したのち、乾固させ、水抽出物97.
4gを得た。
in-Dennis法〔Folin,O.and Den
nis,W.:J.Biol.Chem.,22,30
5(1915)〕により、カテキン換算量として「OD
760nm」14.2%、縮合型タンニン量はバニリン
/硫酸法〔Decendit,A:Plant Cell
Reports 15,762(1996)〕により、カテ
キン換算量「OD500nm」として2.4%、プロア
ントシアニジン量をブタノ−ル/塩酸法〔Beta-S
mith,E.C,:Phytochemistry,20,
211(1981)〕により、シアンニジン換算量「OD
550nm」としてプロアントアニジン量は3.3%で
あった。
3gを300mlの水に溶解させ、それに等容量のヘキ
サンを加えて激しく振り混ぜ、ろ過により水可溶性成分
を分離した。この水可溶性成分の水溶液に等容量の酢酸
エチルを加えて激しく振り混ぜ、ろ過により酢酸エチル
可溶性成分を分離した。この操作を2回繰り返した。
し、黄色の抽出物297mg(ポリフェノール量44.
2%)を得た。また、酢酸エチルで抽出されない画分か
らは、赤褐色の抽出物2.12g(ポリフェノール量1
5.6%)を得た。
1gを脱イオン水100mlに溶解し、スチレン系吸着
樹脂を充填したカラム(ダイヤイオンHP−20;カラ
ムφ30×350cm)に室温で通液した。
過液を画分1とした。次に20%V/Vエタノ−ル水溶
液を1l通液し、その通過液を画分2とした。さらに7
0%V/Vエタノ−ル水溶液を1l通液し、その通過液
を画分3とした。得られた溶出液を減圧濃縮して乾燥
し、画分1から黄色粘質物641mg、画分2から黄褐
色粉末166mgと画分3から褐色粉末100mgを得
た。
4%、29.3%、43.6%である。これらのことを
実施例1および実施例2の結果とともに図3に示す表に
まとめた。
物の抗酸化作用、活性酸素消去作用、紫外線吸収作用に
ついての実験例を示す。
カロチンの退色法〔津志田 他:日食志,41,611
(1994)〕により調べた。この方法はリノ−ル酸の
自動酸化に伴い生じる過酸化物がβ−カロチンの二重結
合と反応することによって、β−カロチンの色が消失す
ることを利用したものである。
0mgのリノ−ル酸、100mgのツイ−ン40を含む
リノ−ル酸−β−カロチン溶液45mlに5mlのリン
酸緩衝液を加え、静かに撹拌した後、4.9mlを試験
管に分注し、これにポリフェノール5mgを含む実施例
1で得られた粗抽出物および実施例3で得られた分画物
の各35.5mg/100mlの水溶液または50%エ
タノ−ル溶液から100μlを添加し、50℃にて反応
させながら経時的にO.D470nmを測定した。
lの化学合成抗酸化剤BHA(ブチルヒドロキシアニソ
−ル)溶液を添加した区も並行して行った。対照区の1
5分処理後の吸光度に対する45分後の吸光度の減少率
を100とした場合との比較を図4に示した。
た区は明らかな酸化抑制作用を示した。また、この粗抽
出物を酢酸エチルを用いる溶媒分画およびダイヤイオン
HP−20を用いるカラム分画により、それぞれより高
い抗酸化作用を示す画分が得られることを示している。
すなわち、ポリフェノール量の高い酢酸エチル画分およ
びエタノ−ル溶出画分(EtOH−20%,70%)が
強い抗酸化作用を示している。
ン鉄法〔満田久輝 他:栄食誌,19,210(196
6)〕により調べた。この方法はリノ−ル酸の自動酸化
に伴い生じる過酸化物量を測定するものである。
ル酸含有99.5%エタノ−ルを0.05Mリン酸塩緩
衝液(PH7.0)4ml、実施例1で得られたポリフ
ェノール2mgを含む粗抽出物および実施例3で得られ
た分画物の各14.2mg/2mlのエタノ−ルおよび
蒸留水2mlの混合液を試験管に入れ密栓し、40℃遮
光下にて1週間保存した。
た区(対照)、2mg/2mlのα−トコフェロ−ル、
BHA溶液を添加した区も並行して行った。保存試料
0.1ml、75%エタノ−ル水溶液4.7ml、30
%チオシアン酸アンモニウム水溶液0.1mlの混合液
に0.02Mの塩化第一鉄の3.5%塩酸溶液0.1m
lを加えてから正確に3分後、500nmにおける吸光
度測定した。
うに、対照区に比べ、サトウキビ穂からの水抽出した区
は、明らかな酸化抑制作用を示した。また、この粗抽出
物を酢酸エチルを用いる溶媒分画およびダイヤイオンH
P−20を用いるカラム分画により、それぞれより高い
抗酸化作用を示す画分が得られることを示している。こ
こでは図4の結果と異なって、水溶性画分、すなわち、
非酢酸エチル画分およびポリフェノール量の低い水溶出
画分(EtOH−0%)が強い抗酸化作用を示してい
る。
を1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DP
PH、安定ラジカル)に対する消去活性を分光光度計を
用い測定する方法で調べた。
ml、蒸留水1mlをそれぞれ6本の試験管にとり、そ
れぞれに50%エタノ−ルを600、580、560、5
40、520、500μlを加えた後、実施例1で得ら
れたポリフェノール56mgを含む粗抽出物および実施
例3で得られた分画物の各400mg/100mlの5
0%エタノ−ル溶液をそれぞれに0、20、40、6
0、80、100μlを30秒間隔で加え、それぞれ2
分間反応後に520nmを測定した。
ル、BHA溶液を添加した区も並行して行った。紫色が
退色していく変化が認められ、図6に示すように、少量
でDPPHラジカルを半減させることから、サトウキビ
穂からの水抽出物は明らかな活性酸素消去作用を示し
た。
溶媒分画およびダイヤイオンHP−20を用いるカラム
分画により、それぞれより高い抗酸化作用を示す画分が
得られることを示している。すなわち、ポリフェノール
量の高い酢酸エチル画分およびエチルアルコ−ル溶出画
分(EtOH−20,70%)が強い活性酸素消去作用
を示している。
消去活性は低いが抗酸化活性と粗抽出物に占める割合が
最も高かった画分1の100μl(3.85mg)をW
aters Sep-Pak C18-1gカラムに室温で
通液した。
通過液を画分1とした。さらに続けて脱イオン水1ml
づつで3回通液し、それぞれのカラム通過液を順次、画
分2,画分3および画分4とした。次に50%V/Vエ
タノ−ル水溶液を1ml通液し、その通過液を画分5と
した。さらに続けて50%V/Vエタノ−ル水溶液を1
lmlづつで3回通液し、それぞれの通過液を順次、画
分6、画分7および画分8とした。
例2に準じて抗酸化活性を測定した。また、ポリフェノ
ール量とアンスロン/硫酸法〔製糖便覧,精糖技術会
編,31(1962)〕による全糖量(グルコ−ス換算)
も測定した。その結果を図7の表3に示す。この結果か
ら、ポリフェノールと糖を含む画分6が強い抗酸化作用
を示している。
ル画分抽出物を10mg秤取り、これをそれぞれ200
mlの蒸留水に溶解して調整した被験液として、分光光
度計を用いて波長200〜400nmの光を照射しなが
らスキャニングして紫外線吸収量を測定した。
対応する290nm〜320nmおよびUVA線の領域
に対応する320〜400nmに吸収スペクトルを示
す。また、実施例3で得られた画分1も290nm〜3
20nmに吸収スペクトルを示す。紫外線吸収剤とし
て、着色性の低い酢酸エチル画分または画分1よりなる
ポリフェノール群は有用であると判断された。
ウキビ穂抽出物が抗酸化、活性酸素消去および紫外線吸
収などの作用を有するので、食品や皮膚外用剤における
油脂酸化や生体内に生成した活性酸素や過酸化脂質によ
って引き起こされる傷害を抑制する能力を有するサトウ
キビポリフェノール含有物を製造することができる。
生を抑制することができ、食品、皮膚外用剤等にも応用
することが可能となり、医療用、化粧用、食品用など幅
広い産業に活用することができる。また、サトウキビの
製糖産業にかわる新たな産業創出に大きく貢献できる。
出率の表を示す図である。
カラム分画物のポリフェノール成分量の表を示す図であ
る。
る抗酸化作用を示す図である。
る抗酸化作用を示す図である。
図である。
を示す図である。
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 サトウキビ穂を水または有機溶媒を用い
て、含有成分を抽出し、その抽出液を濃縮乾固すること
を特徴とするサトウキビポリフェノール含有物の製造方
法。 - 【請求項2】 サトウキビ穂を水または有機溶媒を用い
て、含有成分を抽出し、その抽出液を濃縮乾固し、さら
にその濃縮乾固物の水溶液を溶媒分画または、カラム分
画することにより精製することを特徴とするサトウキビ
ポリフェノール含有物の製造方法。 - 【請求項3】 前記のサトウキビ穂は、サトウキビ属
(Saccharum)のサトウキビの穂である請求項1または
請求項2の項に記載のサトウキビポリフェノール含有物
の製造方法。 - 【請求項4】 前記のサトウキビ穂がサトウキビの穂全
体、あるいは穂軸を除いた枝梗および枝梗に付いた種子
および花、あるいは枝梗を除いた種子および花、あるい
はサトウキビの穂全体の粉砕物、あるいは穂毛を除いた
穂全体の粉砕物のいずれかである請求項1から請求項3
までのいずれかの項に記載のサトウキビポリフェノール
含有物の製造方法。 - 【請求項5】 前記の溶媒が水、メタノ−ル、エタノ−
ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、プロピレングリコ
−ル、ブチレングリコ−ル、グリセリン、アセトン、酢
酸エチルおよびメチルエチルケトンの少なくとも一種以
上である請求項1から請求項4までのいずれかの項に記
載のサトウキビポリフェノール含有物の製造方法。 - 【請求項6】 前記の請求項1から請求項5までのいず
れかの方法により製造されたサトウキビポリフェノール
含有物を用いたことを特徴とする抗酸化剤。 - 【請求項7】 前記の請求項1から請求項5までのいず
れかの方法により製造されたサトウキビポリフェノール
含有物を用いた活性酸素消去剤。 - 【請求項8】 前記の請求項1から請求項5までのいず
れかの方法により製造されたサトウキビポリフェノール
含有物を用いた紫外線吸収剤。 - 【請求項9】 サトウキビ穂が穂全体、あるいは穂軸を
除いた枝梗および枝梗に付いた種子および花、あるいは
枝梗を除いた種子および花、あるいは穂全体の粉砕物、
あるいは穂毛を除いた粉砕物の少なくとも一種以上を乾
燥処理し、通水性容器に封入したティーバッグ。 - 【請求項10】 前記の請求項1から請求項5までのい
ずれかの方法により製造されたサトウキビポリフェノー
ル含有物が配合されたことを特徴とする加工食品。 - 【請求項11】 前記の請求項1から請求項5までのい
ずれかの方法により製造されたサトウキビポリフェノー
ル含有物が配合されたことを特徴とする皮膚外用剤。
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