JP2002159299A - 物質の測定法 - Google Patents

物質の測定法

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JP2002159299A JP2001266872A JP2001266872A JP2002159299A JP 2002159299 A JP2002159299 A JP 2002159299A JP 2001266872 A JP2001266872 A JP 2001266872A JP 2001266872 A JP2001266872 A JP 2001266872A JP 2002159299 A JP2002159299 A JP 2002159299A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 臨床診断に有用な検体中の共存する他成分の
影響を軽減した測定法及び測定試薬を提供する。 【構成】 検体中の物質を酵素反応を利用して化学量論
量の過酸化水素に導き、これをパーオキシダーゼの存在
下色素源と反応させ、呈色した反応液の可視部における
吸収を測定することにより比色定量する方法において、
一般式(I) {R1及びR2は水素又は置換もしくは非置換の低級アル
キル、R3は水素或いはR3とR1とが一緒になって−R3
−R1−として−NH−(CH2n−(式中、nは2〜
4の整数)、R4は単結合又はアルキレン、R5はO-
はR6−X-(R6は置換もしくは非置換のアルキレン、
XはCOO、SO2O又はOPO2O)、YはR7−NH
−(R7は置換数1〜3のヒドロキシで置換されていて
もよいコラノイル基)}で表される化合物を存在させか
つ自動分析機を用いて測定することを特徴とする物質の
測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床診断に有用な、オ
キシダーゼ等の酵素反応系を利用し生成する過酸化水素
の定量を手段とする、物質の測定法および測定試薬に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、酵素を使用した物質の測定には、
測定するための酵素の他、正確な測定値を得るために、
検体中の妨害物を消去したり妨害物の影響を回避する目
的で、種々の界面活性剤、酵素、添加物等が使用されて
いる。例えば、検体中のアスコルビン酸は、被測定物よ
り酸化酵素によって発生する過酸化水素を還元消費し、
過酸化水素を色素に導いて測定する方法では測定値を低
下させてしまう。検体中のビリルビンも同様な過酸化水
素の妨害物としてあげられており(臨床化学、8巻、1
号、63−72頁)、その対策として、特開昭64−5
499号公報記載の酵素を用いる方法、クリニカルケミ
ストリー、26巻、2号、227−231頁(1980
年)記載の鉄シアノ化合物を用いる方法、特公昭58−
22200号公報記載の鉄キレート剤を用いる方法、特
開平3−119997号公報記載のベルリン酸あるいは
フェロセンを用いる方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法によりビリル
ビンの影響はかなり軽減されるが、含量の少ない被測定
物の場合は、やはりビリルビンの影響が大きな意味を持
ってくる。例えば、被測定物の含量が数mMのときにビ
リルビンの影響が仮に5%程度の影響であった場合、被
測定物の含量がその10分の1のときには、発生する過
酸化水素が10分の1であるのでその影響はおおよそ1
0倍の数10%程度となり、無視できない状態となる。
【0004】低含量の物質の測定において、ビリルビン
の影響をより軽減した方法および試薬が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、検体中の物質
を、酵素反応を利用して化学量論量の過酸化水素に導
き、これをパーオキシダーゼの存在下色素源と反応さ
せ、呈色した反応液の可視部における吸収を測定するこ
とにより比色定量する方法において、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】{式中、R1およびR2は同一または異なっ
て、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルを表
し、R3は水素を表すか、あるいはR3とR1とが一緒に
なって−R3−R1−として−NH−(CH2n−(式
中、nは2〜4の整数を表す)を表し、R4は単結合ま
たはアルキレンを表し、R5はO-またはR6−X-(式
中、R6は置換もしくは非置換のアルキレンを表し、X
はCOO、SO2OまたはOPO2Oを表す)を表し、Y
は水素、ポリオキシエチレンまたはR7−NH−(式
中、R7は置換数1〜3のヒドロキシで置換されていて
もよいコラノイル基を表す)を表す}で表される化合物
を存在させることを特徴とする物質の測定法に関する。
【0008】また本発明は、検体中の物質を酵素反応を
利用して化学量論量の過酸化水素に導く酵素、パーオキ
シダーゼ、色素源および一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】{式中、R1およびR2は同一または異なっ
て、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルを表
し、R3は水素を表すか、あるいはR3とR1とが一緒に
なって−R3−R1−として−NH−(CH2n−(式
中、nは2〜4の整数を表す)を表し、R4は単結合ま
たはアルキレンを表し、R5はO-またはR6−X-(式
中、R6は置換もしくは非置換のアルキレンを表し、X
はCOO、SO2OまたはOPO2Oを表す)を表し、Y
はR7−NH−(式中、R7は置換数1〜3のヒドロキシ
で置換されていてもよいコラノイル基を表す)を表す}
で表される化合物を含む検体中の物質の定量試薬に関す
る。
【0011】以下、式(I)で表される化合物を化合物
(I)という。式(I)の各基の定義において、低級ア
ルキルとしては、直鎖または分枝状の炭素数1〜7の、
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル
等があげられ、アルキレンとしては、直鎖または分枝状
の炭素数1〜20の、例えば、メチレン、エチレン、プ
ロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、オクチレ
ン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、
トリデシレン、ノナデシレン、エイコシレン等があげら
れ、ポリオキシエチレンとしては、重合度1〜500の
ポリオキシエチレンがあげられる。
【0012】置換低級アルキルおよび置換アルキレンの
置換基としては、同一または異なって、置換数1〜3
の、例えば、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、ハ
ロゲン等があげられる。置換基の定義において、低級ア
ルコキシの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同
意義を表し、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
の各原子を意味する。コラノイル基上のヒドロキシの置
換位置としては、3位、7位、12位等があげられる。
【0013】本発明の系が適用される生体成分中の被測
定物質と測定に使用される酵素類としては、尿酸(ウリ
カーゼ、パーオキシダーゼ)、クレアチニン(クレアチ
ニナーゼ、クレアチナーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、
パーオキシダーゼ)、コレステロール(コレステロール
オキシダーゼ、パーオキシダーゼ)、トリグリセライド
(リポプロテインリパーゼ、グリセロールキナーゼ、グ
リセロール−3−リン酸オキシダーゼ、パーオキシダー
ゼ)、ポリアミン(ポリアミンアミドヒドロラーゼ、ポ
リアミンオキシダーゼ、プトレスシンオキシダーゼ、パ
ーオキシダーゼ)、胆汁酸(3−α−ヒドロキシステロ
イドデヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、パーオキシダー
ゼ)、1,5−アンヒドログルシトール(1,5−アン
ヒドログルシトールオキシダーゼ、ピラノースオキシダ
ーゼ、パーオキシダーゼ)、ピルビン酸(ピルビン酸オ
キシダーゼ、パーオキシダーゼ)、乳酸(乳酸オキシダ
ーゼ、パーオキシダーゼ)、リン脂質(ホスホリパーゼ
D、コリンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ)、尿素
(ウレアアミドリアーゼ、ピルベートキナーゼ、ピルビ
ン酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ)等があげられ
る。
【0014】また、本発明は、酵素活性を測定する系、
例えば、N−アセチルグルコサミナーゼ(N−アセチル
グルコサミンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ)、モノ
アミンオキシダーゼ(パーオキシダーゼ)等の活性を測
定する系、あるいは、酵素活性を測定することにより検
体中の電解質の量を測定する系、例えば、カルシウム
(ホスホリパーゼD、コリンオキシダーゼ、パーオキシ
ダーゼ)、マグネシウム(グリセロールキナーゼ、グリ
セロール−3−リン酸オキシダーゼ、パーオキシダー
ゼ)、カリウム(ピルベートキナーゼ、ピルビン酸オキ
シダーゼ、パーオキシダーゼ)等の量を測定する系にも
応用できる。これらの系に使用するパーオキシダーゼの
使用量としては、1〜100ku/lが好適である。
【0015】色素源としては、4−アミノアンチピリン
とトリンダー試薬のカップリング色素系が使用される。
トリンダー試薬としては、N−エチル−N−スルホプロ
ピル−m−アニシジン、N−エチル−N−スルホプロピ
ルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5
−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピル−3,5−
ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル
−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホ
プロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒ
ドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン、N
−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3
−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N
−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−
ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキ
シ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリ
ン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプ
ロピル)−m−トルイジン、N−スルホプロピルアニリ
ン、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香
酸、フェノール等があげられる。
【0016】化合物(I)は、市販品であるかまたは下
記製造法により得ることができる。化合物(I)におい
て、R5 がR6 −X- (式中、R6 およびXは前記と同
意義を表す)である化合物(Ia)は、次の反応工程に
より得られる。
【0017】
【化4】
【0018】[式中、R5aはR5 の定義中のR6 −X-
(式中、R6 およびXは前記と同意義を表す)を表し、
8 はハロゲンを表し、R9 は水素またはアルカリ金属
を表すか、R8 とR9 が一緒になって単結合を表し、R
1 、R2 、R3 、R4 、R6 、XおよびYは前記と同意
義を表す] R9 の定義におけるアルカリ金属は、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等を表し、R8 の定義におけるハロゲン
は前記と同義である。
【0019】化合物(Ia)は、アミン(II)の酸付加
塩を、塩基の存在下、水と有機溶媒との2相系中でフリ
ー体とした後、もしくはフリー体のアミン(II)を直
接、化合物(III )と、有機溶媒中、必要により塩基の
存在下反応させることにより得ることができる。アミン
(II)の酸付加塩の酸としては、塩酸、臭化水素酸等の
無機酸、フマル酸、マレイン酸等の有機酸があげられ、
酸付加塩をフリー体とするための塩基としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、
水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属等があげ
られる。有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホル
ム、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が用いられ
る。
【0020】化合物(III )との反応において用いられ
る有機溶媒および塩基としては、上記と同様のものがあ
げられる。反応は、0℃から用いた溶媒の沸点で、30
秒〜10時間で終了する。上述した製造法における目的
化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば、
濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマト
グラフィー等に付して単離精製することができる。
【0021】化合物(I)の具体例を第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】次に、本発明の測定法について説明する。
本発明を実施するに際しては、一般に、pH2〜11、
好ましくは4〜10の緩衝剤、例えば、リン酸、トリス
−塩酸、グッド緩衝剤等の5〜500M溶液中に化合物
(I)を0.1〜100mM、好ましくは1〜50mM
含有させ、これに1〜100ku/lのパーオキシダー
ゼおよび4−アミノアンチピリン/トリンダー試薬等の
色素源を加え、さらに0.1〜100ku/lのウリカ
ーゼ等の酸化酵素を加えて試験液とする。この溶液に検
体を加え、30〜45℃、好ましくは37℃で1〜30
分間加温し反応させる。反応後、生成色素の極大吸収波
長(500〜800nmの範囲)で吸光度を測定し、標
準液の吸光度と比較することにより検体の濃度を算出す
る。
【0026】化合物(I)は、同一分子上に、四級アミ
ンの様にカチオンに荷電する基およびカルボキシル、ス
ルホ、リン酸基等の様にアニオンに荷電する基を有し、
化合物(I)の中には界面活性効果を有するものもあ
る。その場合は、検体中の濁りの成分を測定試薬中で可
溶化させるために他の界面活性剤を使用しない場合もあ
るが、界面活性剤を使用して可溶化することも構わな
い。界面活性剤としては、一般に可溶化に用いられるノ
ニオン、アニオンまたはカチオンの界面活性剤があげら
れる。また、通常酵素反応に用いられる緩衝液あるいは
安定化剤等も効果に関係がなく、使用しても構わない。
緩衝剤の濃度としては、10〜400mMがあげられ
る。また、従来ビリルビンの影響等を軽減するために使
用されてきた、フェロシアン化カリウム、フェロシアン
化ナトリウム、ベルリン酸塩、フェロセン化合物、ビリ
ルビンオキシダーゼ等を併用するとより良い結果を与え
る場合もあり、これらの併用も構わない。フェロシアン
化カリウム、フェロシアン化ナトリウム、ベルリン酸
塩、フェロセン化合物の濃度としては、従来これらを単
独で使用していた場合より低濃度である0.0001〜
0.1mg/mlがあげられる。
【0027】また、試薬を2部に分けて反応を2段階と
し測定する方法、例えば、第1反応で検体中のアスコル
ビン酸や濁り等を消去あるいは可溶化し、第2反応で目
的物の酸化酵素を加えて呈色反応させる方法において
は、本発明に使用される化合物(I)は目的物の酸化酵
素による呈色反応時に系内に存在すれば良く、第1、第
2試薬のいずれに含まれていても効果を発揮するが、通
常は、第1試薬に含有されている方が効果的である。
【0028】次に、実施例および参考例によって本発明
の態様を説明する。
【0029】
【実施例】 実施例1 尿酸の測定 (試薬1):下記物質を含有するpH=7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l 酢酸ナトリウム 15g/l ほう酸 0.1g/l N-エチル-N-(3-メチルフェニル)- N'- サクシニルエチレンジアミン 0.2g/l パーオキシダーゼ 5ku/l アスコルビン酸オキシダーゼ 3ku/l (試薬1’):試薬1に同仁化学研究所製CHAPS(化合物1)を4g/l 添加し、pH=7としたもの (試薬2):下記物質を含有するpH=7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l 酢酸ナトリウム 15g/l ほう酸 0.1g/l パーオキシダーゼ 10ku/l ウリカーゼ 0.7ku/l 4−アミノアンチピリン 0.35g/l フェロシアン化カリウム 0.01g/l
【0030】試験管を6本準備し、3本に試薬1を2.
25mlずつ入れとし、残り3本に試薬1’を
2.25mlずつ入れてと名づけた。まず、
にブランクとしてそれぞれ精製水0.05mlを添加、
にそれぞれ尿酸の10mg/dl標準液を0.05
ml添加、にそれぞれ尿酸の10mg/dl標準液
にビリルビンを100mg/dl溶解した液を0.05
ml添加攪拌し、さらに全ての試験管に試薬2を0.7
5ml加えてよく攪拌し、37℃の恒温槽中で加温し
た。10分後にそれぞれの溶液の555nmにおける吸
光度を測定したところ、0.036、0.204、
0.192、0.034、0.203、0.2
02であった。ビリルビンの影響度を示す指標として、
ビリルビンが添加された場合に得られる吸光度と添加さ
れてない標準液の吸光度を比較した。試薬1はCHAP
Sが無い例で(−)/(−)は0.92であ
り、CHAPSを含む試薬1’では(−)/(−
)は0.99であった(1に近い程ビリルビンの影響
は少ないことを示す)。CHAPSを含んだ系では影響
が軽減されていた。
【0031】実施例2 尿酸の測定 尿酸標準液の濃度を2mg/dl、4mg/dl、6m
g/dlおよび8mg/dlに変化させて実施例1と同
様に操作し、図1に示す検量線を作製した。
【0032】 実施例3 クレアチニンの測定 (試薬1):下記物質を含有するpH=7.7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l N-エチル-N-(3-メチルフェニル)- N'- サクシニルエチレンジアミン 0.2g/l カタラーゼ 300ku/l アスコルビン酸オキシダーゼ 3ku/l クレアチナーゼ 80ku/l ザルコシンオキシダーゼ 20ku/l アントヒール24B(化合物18) 0.3 % (試薬2):下記物質を含有するpH=7.7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l クレアチニナーゼ 300ku/l パーオキシダーゼ 10ku/l 4−アミノアンチピリン 0.35g/l アジ化ナトリウム 0.1g/l フェロセンカルボン酸 0.05g/l
【0033】試験管4本に試薬1を2.25mlずつ入
れ、これに、ブランクとして精製水0.05ml、
クレアチニンの5mg/dlの標準液を0.05ml、
3.5mg/dlのクレアチニンを含む血清を0.0
5ml、の血清にビリルビンを20mg/dlの濃
度で添加した検体を0.05ml添加して一旦攪拌し、
さらに試薬2を0.75ml加えてよく攪拌後、37℃
で10分間加温した。555nmにおける吸光度を測定
したところ、0.021、0.144、0.10
6、0.106であった。より血清中のクレア
チニンは3.46と計算され、またビリルビンの影響の
指標は1.0と計算され、影響がなかった。
【0034】 実施例4 フリーコレステロールの測定 (試薬1):下記物質を含有するpH=7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l N-エチル-N-(3-メチルフェニル)- N'- サクシニルエチレンジアミン 0.3g/l トリトン X−100 3g/l パーオキシダーゼ 5ku/l アスコルビン酸オキシダーゼ 1ku/l ベタインハイドロクロライド (化合物3・塩酸塩) 5g/l (試薬2):下記物質を含有するpH=7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l トリトン X−100 3g/l 4−アミノアンチピリン 0.5g/l パーオキシダーゼ 5ku/l ベルリン酸 0.05g/l コレステロールオキシダーゼ 3ku/l
【0035】試験管4本に試薬1を2.25mlずつ入
れ、これに、ブランクとして精製水0.20ml、
コレステロールの100mg/dlの標準液を0.02
ml、20mg/dlのコレステロールを含む血清を
0.02ml、の血清にビリルビンを20mg/d
lの濃度で添加した検体を0.02ml添加して一旦攪
拌し、さらに試薬2を0.75ml加えてよく攪拌後、
37℃で10分間加温した。555nmにおける吸光度
を測定したところ、0.010、0.320、
0.072、0.072であり、ビリルビンの影響の
指標は1.0と計算された。ベタインハイドロクロライ
ドを添加しない場合の相当する値は0.015、
0.329、0.077、0.068で、ビリルビ
ン影響指標が0.85であり、かなりのビリルビン影響
回避ができた。
【0036】 実施例5 クレアチニンの測定(自動分析機) (試薬1):下記物質を含有するpH=7.7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l Triton X−100 1g/l N-エチル-N-(3-メチルフェニル)- N'- サクシニルエチレンジアミン 0.2g/l カタラーゼ 300ku/l アスコルビン酸オキシダーゼ 3ku/l クレアチナーゼ 80ku/l ザルコシンオキシダーゼ 18ku/l CHAPS(化合物1) 表示量 (試薬2):下記物質を含有するpH=7.7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l Triton X−100 1g/l クレアチニナーゼ 310ku/l パーオキシダーゼ 30ku/l 4−アミノアンチピリン 0.5g/l アジ化ナトリウム 0.1g/l フェロシアン化カリウム 0.02g/l
【0037】CHAPSの添加量は0,1,2,3,
4,5g/lとし、上記試薬を調製し自動分析機でビリ
ルビン40mg/dlの影響を見た。 自動分析機パラメータ(日立7150型) 測定方法 2ポイント 24−50 測定主波長 546nm 測定副波長 700nm サンプルボリューム 5μl
【0038】サンプルの調製 ビリルビン無添加血清: ネスコールX,2mlに生理
食塩水0.5mlを加えた。 ビリルビン40mg/dl添加血清: ネスコールX,
2mlに200mg/dlのビリルビン0.5mlを加
えた。
【0039】結果を第2表に示す。
【0040】
【表4】
【0041】 実施例6 尿酸の測定(自動分析機) (試薬1):下記物質を含有するpH=7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l Triton X−100 1g/l N-エチル-N-(3-メチルフェニル)- N'- サクシニルエチレンジアミン 0.2g/l パーオキシダーゼ 5ku/l アスコルビン酸オキシダーゼ 3ku/l 表示物質 3g/l (試薬2):下記物質を含有するpH=7の溶液 ピペラジン-1,4- ビス(2- エタンスルホン酸) 7.6g/l Triton X−100 1g/l ウリカーゼ 0.7ku/l パーオキシダーゼ 30ku/l 4−アミノアンチピリン 0.5g/l アジ化ナトリウム 0.1g/l フェロセンカルボン酸 0.03g/l
【0042】上記試薬にアンヒトール20BS(化合物
17)、アンヒトール24B(化合物18)、アンヒト
ール20N(化合物20)、アンヒトール20Y(化合
物21)、CHAPS(化合物1)およびベタインハイ
ドロクロライド(化合物3・塩酸塩)を表示量添加し、
自動分析機でビリルビン40mg/dlの影響を見た。
【0043】自動分析機パラメータ(日立7150型) 測定方法 2ポイント 24−50 測定主波長 546nm 測定副波長 700nm サンプルボリューム 5μl
【0044】サンプルの調製 ビリルビン無添加血清: ネスコールX,2mlに生理
食塩水0.5mlを加えた。 ビリルビン40mg/dl添加血清: ネスコールX,
2mlに200mg/dlのビリルビン0.5mlを加
えた。
【0045】結果を第3表に示す。
【0046】
【表5】
【0047】参考例1:化合物4 トリメチルアミン塩酸塩9.5gを水100mlに溶解
し、これにクロロホルム150mlを加え、さらに12
N水酸化ナトリウム20mlを滴下した。激しく攪拌し
てクロロホルム層にトリメチルアミンを遊離させ、クロ
ロホルム層を分離した。このクロロホルム層50mlに
β−プロピオラクトン3.6mlを添加し、40℃で反
応させた。生成する結晶を濾取し、真空乾燥することに
より、化合物4,5.2g(収率79.4%)を得た。 Rf=0.25(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0048】参考例2:化合物5 トリメチルアミン塩酸塩の代わりにジメチルアミン塩酸
塩8.2gを用いる以外は、参考例1と同様の操作を行
うことにより、化合物5,4.3g(収率74.3%)
を得た。 Rf=0.21(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0049】参考例3:化合物6 トリメチルアミン塩酸塩の代わりにメチルアミン塩酸塩
6.7gを用いる以外は、参考例1と同様の操作を行う
ことにより、化合物6,2.2g(収率42.3%)を
得た。 Rf=0.17(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0050】参考例4:化合物7 トリメチルアミン塩酸塩9.5gを水100mlに溶解
し、これにクロロホルム150mlを加え、さらに12
N水酸化ナトリウム20mlを滴下した。激しく攪拌し
てクロロホルム層にトリメチルアミンを遊離させ、クロ
ロホルム層を分離した。このクロロホルム層50mlに
1,3−プロパンサルトン6mlを添加し、50℃で反
応させた。生成する結晶を濾取し、真空乾燥することに
より、化合物7,8.8g(収率97.2%)を得た。 Rf=0.14(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0051】参考例5:化合物8 トリメチルアミン塩酸塩の代わりにジメチルアミン塩酸
塩8.2gを用いる以外は、参考例4と同様の操作を行
うことにより、化合物8,5.1g(収率61.0%)
を得た。 Rf=0.26(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0052】参考例6:化合物9 トリメチルアミン塩酸塩の代わりにメチルアミン塩酸塩
6.7gを用いる以外は、参考例4と同様の操作を行う
ことにより、化合物9,2.6g(収率34%)を得
た。 Rf=0.23(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0053】参考例7:化合物10 トリメチルアミン塩酸塩9.5gを水100mlに溶解
し、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナ
トリウム19.7gを添加し、さらに水酸化ナトリウム
でpHを10に調整した後、50℃で反応させた。生成
する結晶を濾取し、真空乾燥することにより、化合物1
0,1.3g(収率6.6%)を得た。 Rf=0.11(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0054】参考例8:化合物11 トリメチルアミン塩酸塩の代わりにジメチルアミン塩酸
塩8.2gを用いる以外は、参考例7と同様の操作を行
うことにより、化合物11,4.6g(収率25.1
%)を得た。 Rf=0.22(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0055】参考例9:化合物12 トリメチルアミン塩酸塩の代わりにメチルアミン塩酸塩
6.7gを用いる以外は、参考例7と同様の操作を行う
ことにより、化合物12,0.8g(収率4.7%)を
得た。 Rf=0.16(クロロホルム/メタノール/酢酸=6
0/40/2)
【0056】
【発明の効果】本発明により、検体中の物質を、酵素反
応を利用して過酸化水素に導き、これをパーオキシダー
ゼの存在下色素源と反応させ、呈色した反応液の可視部
における吸収を測定することにより比色定量する方法に
おいて、ビリルビンの影響をより軽減した測定法が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定物質として尿酸を用いたときの検量線であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 G01N 33/50 A B E // G01N 33/62 33/62 A 33/70 33/70 33/92 33/92 Fターム(参考) 2G045 BA01 BB01 BB29 DA01 DA04 DA17 DA42 DA53 DA61 DA69 DA70 DA75 DA80 FA13 FB01 FB06 FB11 GC10 4B063 QA01 QQ01 QQ22 QQ89 QR01 QR02 QR07 QR12 QR57 QR66 QS36 QX02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の物質を酵素反応を利用して化学
    量論量の過酸化水素に導く酵素、パーオキシダーゼ、色
    素源および一般式(I) 【化1】 {式中、R1およびR2は同一または異なって、水素また
    は置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、R3は水
    素を表すか、あるいはR3とR1とが一緒になって−R3
    −R1−として−NH−(CH2n−(式中、nは2〜
    4の整数を表す)を表し、R4は単結合またはアルキレ
    ンを表し、R5はO-またはR6−X-(式中、R6は置換
    もしくは非置換のアルキレンを表し、XはCOO、SO
    2OまたはOPO2Oを表す)を表し、YはR7−NH−
    (式中、R7は置換数1〜3のヒドロキシで置換されて
    いてもよいコラノイル基を表す)を表す}で表される化
    合物を含む自動分析機に使用するための検体中の物質の
    定量試薬。
  2. 【請求項2】 検体中の物質が、尿酸、クレアチニン、
    コレステロール、トリグリセライド、ポリアミン、胆汁
    酸、1,5−アンヒドログルシトール、ピルビン酸、乳
    酸、リン脂質または尿素である請求項1記載の物質の定
    量試薬。
  3. 【請求項3】 検体中の物質が、尿酸、クレアチニンま
    たはコレステロールである請求項1記載の物質の定量試
    薬。
  4. 【請求項4】 酵素反応に利用される酵素がウリカー
    ゼ、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、ザルコシンオ
    キシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、リポプロテ
    インリパーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロール−
    3−リン酸オキシダーゼ、ポリアミンアミドヒドロラー
    ゼ、ポリアミンオキシダーゼ、プトレスシンオキシダー
    ゼ、3−α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、
    ジアホラーゼ、1,5−アンヒドログルシトールオキシ
    ダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダ
    ーゼ、乳酸オキシダーゼ、ホスホリパーゼD、コリンオ
    キシダーゼ、ウレアアミドリアーゼ、ピルベートキナー
    ゼまたはピルビン酸オキシダーゼである請求項1記載の
    物質の定量試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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