JP2002158369A - 半導体受光装置 - Google Patents

半導体受光装置

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JP2002158369A
JP2002158369A JP2000351443A JP2000351443A JP2002158369A JP 2002158369 A JP2002158369 A JP 2002158369A JP 2000351443 A JP2000351443 A JP 2000351443A JP 2000351443 A JP2000351443 A JP 2000351443A JP 2002158369 A JP2002158369 A JP 2002158369A
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semiconductor light
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Nami Yasuoka
奈美 安岡
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一キャリア走行型半導体受光装置の応答特
性を向上させる。 【解決手段】 単一キャリア走行型半導体受光装置にお
いて、p+型光吸収層とn-型キャリア走行層との界面近
傍に、n+型領域を形成し、もって光吸収層からキャリ
ア走行層へのp型不純物の拡散を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に光半導体装置
に係り、特に半導体受光装置に関する。
【0002】情報処理技術の普及に伴い、今日の光ファ
イバ通信システムは非常に大きい、しかも急激に増大し
つつあるトラヒックに対処できることが要求されてい
る。この要求に対応する方策として、光ファイバ通信シ
ステム中の光信号伝送速度を、従来の10Gbps程度
の値から40Gbps以上の値に高めることがあり、そ
の一環として光信号の検出に使われる半導体受光装置の
応答速度を増大させる努力がなされている。
【0003】
【従来の技術】従来より、光ファイバ通信システムにお
いては高速・高感度半導体受光装置としてPINフォト
ダイオードあるいはアバランシェフォトダイオードが広
く使われている。一方、最近の40Gbps以上の伝送
速度を有する光ファイバ通信システムでは、従来のよう
に光信号をいったん電気信号に変換して増幅し、さらに
これを光信号に変換することにより増幅する光電変換プ
ロセスを含む光信号増幅方式に代えて、光信号を光増幅
器により、あるいは光増幅機能を有する光ファイバによ
り、直接に、すなわち電気信号に変換することなく増幅
する方式が使われはじめている。このような直接的な光
増幅機能を設けた光ファイバ通信システムでは、半導体
受光装置には光ファイバから十分な強度の光信号が入来
する。
【0004】このように、最近の光ファイバ通信システ
ムでは半導体受光装置は必ずしも高感度である必要はな
く、むしろ大きなパワーを有する光信号に対して非常に
速い応答速度を有することが要求されている。一方、こ
のような局面で従来の高感度PINフォトダイオードを
半導体受光装置として使った場合には、強力な入射光が
誘起する空間電荷効果により応答速度が低下してしまう
おそれがある。
【0005】そこで従来より、大きなパワーを有する光
信号を高速に検出するために、図1に示すいわゆる単一
キャリア走行型半導体受光装置10が提案されている。
【0006】図1を参照するに、単一キャリア走行型半
導体受光装置10は半絶縁性半導体基板11上に形成さ
れており、前記基板11上に形成されたn型コンタクト
層12と、前記コンタクト層12上に形成されたn-
キャリア走行層13と、前記キャリア走行層13上に形
成されたp+型光吸収層14と、前記光吸収層14上に
形成されたp型キャリアブロック層15と、前記キャリ
アブロック層15上に形成されたp型電極16とよりな
る。また前記n型コンタクト層12上にはn型電極17
が形成されている。
【0007】図2は図1の単一キャリア走行型半導体受
光装置10の動作原理を示すバンド構造図である。
【0008】図2を参照するに、p+型光吸収層14に
おいて光励起された電子e-は前記キャリア走行層13
中を伝導帯Ecに沿ってコンタクト層12へと、伝導帯
Ecの傾斜により加速されながら流れ、前記n型電極1
7から光電流として取り出される。一方前記p+型光吸
収層14中において前記光電子e-の励起に伴って形成
されたホールは、そのままp型電極16により吸収され
る。かかる構成では、移動度の小さいホールは光検出動
作に実質的に関与せず、移動度の高い電子のみがキャリ
ア走行層を走行することになり、非常に高速の応答特性
を得ることができる。前記光吸収層14とp型電極16
との間に、図2に示すように伝導帯Ecにのみポテンシ
ャルバリアを形成するようにキャリアブロック層15を
形成しておくことにより、光励起された電子がp型電極
16へと流れるのが阻止される。
【0009】図3に示すように、前記単一キャリア走行
型半導体受光装置10は、テーパ状導波路21を有する
モード変換部20と共に前記基板11上に集積され、前
記モード変換部20に入来し、ビームスポットサイズを
前記光吸収層14の厚さに対応して変換された光ビーム
中の光信号を検出する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような単
一キャリア走行型半導体受光装置10では、一般に前記
+型光吸収層14はZn等によりドープされるが、図
3のような光集積回路を形成する際には、前記光吸収層
14を形成した後にも熱処理を繰り返し行う工程が避け
られない。その結果、図4(A)に点線で示すように、
前記光集積回路を形成した後においては前記p+型光吸
収層14からキャリア走行層13へ実質的な量のp型ド
ーパント、すなわちZnの拡散が生じるのが避けられな
い。ただし図4(A)中、細い実線は前記光吸収層14
の形成直後におけるZnの濃度分布を、一方図4(A)
中の太い実線は、前記光吸収層14の形成直後における
Seの濃度分布を示す。
【0011】図4(A)に示すようなZnの拡散が前記
キャリア走行層13中に生じると、キャリア走行層13
のバンド構造が前記光吸収層14との界面近傍において
局所的に変化し、光励起電子e-が光吸収層14からキ
ャリア走行層13にドリフトで到達した際に、図2の理
想的なバンド構造において得られるはずのキャリアの加
速が十分に得られなくなる。また、前記光吸収層14と
キャリア走行層13との界面において伝導帯Ecに障壁
として作用する高いキンクが発生してしまい、かかるキ
ンクにおいて電子e-がトラップされやすい。このよう
な事情で、従来の単一キャリア走行型半導体受光装置1
0では、本来の速い応答速度を実現することができなか
った。
【0012】そこで、本発明は上記の課題を解決した、
新規で有用な半導体受光装置を提供することを概括的課
題とする。
【0013】本発明のより具体的な課題は、単一キャリ
ア走行型半導体受光装置において、光吸収層からのキャ
リア走行層へのドーパントの拡散を抑制し、半導体受光
装置の応答特性を向上させることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を、
n型コンタクト層と、前記n型コンタクト層上に形成さ
れたn型キャリア走行層と、前記キャリア走行層上に形
成されたp型光吸収層と、前記光吸収層上に形成され、
伝導帯上にポテンシャルバリアを形成するバリア層と、
前記コンタクト層上に形成された第1の電極と、前記バ
リア層上に形成された第2の電極とを備えた半導体受光
装置において、前記キャリア走行層と前記光吸収層との
間にn型の不純物元素を導入した高濃度不純物領域を、
前記高濃度不純物領域中における前記不純物元素の不純
物濃度が、前記キャリア走行層中における不純物元素の
不純物濃度よりも実質的に大きくなるように形成したこ
とを特徴とする半導体受光装置により、解決する。
【0015】その際、前記高濃度不純物領域は、前記キ
ャリア走行層と前記光吸収層とにまたがって形成して
も、また前記キャリア走行層と前記光吸収層の一方にの
み形成してもよい。前記高濃度不純物領域は、前記不純
物元素を、関係式5.0×10 19cm-3・nm<[不純
物濃度]×[厚さ]<3.0×1021cm-3・nmを満
足するような不純物濃度および厚さで、例えば前記n型
の不純物元素が約2.0×1018cm-3濃度で、前記高
濃度不純物領域が約20nmの厚さを有するように形成
するのが好ましい。前記キャリア走行層はn型の不純物
元素を約1×10 15cm-3の濃度で含み、前記光吸収層
はp型の不純物元素を約1×1018cm-3の濃度で含む
ものであってもよい。
【0016】本発明によれば、前記キャリア走行層と光
吸収層との界面近傍に高濃度のn型不純物領域を形成す
ることにより、前記光吸収層から前記キャリア走行層へ
のZn等のp型不純物元素の拡散が効果的に抑制され、
かかるp型不純物元素の拡散に伴うバンド構造の変化に
起因する半導体受光装置の応答速度の低下の問題が回避
される。特にかかる高濃度不純物領域においては、前記
n型不純物元素の濃度および高濃度不純物領域の厚さ
を、上記不等式を満足するように設定することにより、
前記p型不純物元素の拡散を効果的に抑制することがで
きる。また前記n型高濃度不純物領域を形成することに
より、前記光吸収層のバンド構造がキャリア走行層との
界面近傍において下方に、すなわち電子にとって低エネ
ルギ側に湾曲するが、かかるバンド構造の湾曲に伴い光
吸収層とキャリア走行層とのヘテロ界面において生じて
いた伝導帯のキンクも下方に移動し、このため伝導帯に
沿って前記光吸収層から電子走行層へと流れる光励起電
子に対する障壁が低下する。その結果前記半導体受光装
置の内部抵抗が低減され、応答特性が向上する。
【0017】さらに本発明では、前記光吸収層のバンド
ギャップを、前記バリア層との界面から前記キャリア走
行層との界面に向って連続的に変化させるのが好まし
い。例えば前記光吸収層にNを導入し、前記光吸収層中
においてN濃度を前記光吸収層の膜厚方向に変化させる
ことにより、前記光吸収層のバンドギャップを前記バリ
ア層との界面から前記キャリア走行層との界面に向って
連続的に減少させることができる。かかる光吸収層中に
おける濃度勾配により、前記光吸収層中における光励起
電子の前記キャリア走行層中へのドリフトが促進され、
半導体受光装置の応答速度が向上する。
【0018】本発明においては、前記光吸収層とキャリ
ア走行層との界面近傍に前記n型高濃度領域が形成され
ているため熱処理が加えられても光吸収層からキャリア
走行層へのp型不純物元素の拡散は抑制され、このため
前記半導体受光装置を光導波路と、共通基板上において
一体的に集積化しても特性の劣化は生じない。かかる光
導波路としては、モード変換導波路を使うことができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】[第1実施例]図5は、本発明の
第1実施例による半導体受光装置30の構成を示す。た
だし半導体受光装置30は概略的には先に図1で説明し
た構成を有しており、従って図5には要部のみを示す。
図5中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、
説明を省略する。
【0020】5を参照するに、前記半導体受光装置30
は基板11として半絶縁性InP基板を使い、前記コン
タクト層12はSi,SあるいはSeにより約1×10
18cm-3の濃度にドープされたn+型InP層よりな
る。また前記キャリア走行層13はSi,SあるいはS
eにより約1×1015cm-3の濃度にドープされた厚さ
が約10nmのn-型InP層より形成され、一方前記
光吸収層14はZnにより約1×1018cm-3の濃度に
ドープされた厚さが約10nmのp+型GaInAsP
より形成される。さらに前記バリア層15はZnにより
約1×1018cm -3の濃度にドープされた、厚さが約5
nmのAlGaInAsより形成される。
【0021】本実施例では、さらに図5に示すように前
記光吸収層14とキャリア走行層13とにまたがって、
Si,SあるいはSeを約2×1018cm-3の濃度で含
むn +型領域18を約20nmの厚さに形成する。
【0022】図5の構造はMOVPE法等により形成す
ればよく、その際、前記n+型領域18を成長させる際
に、添加されるジシラン、セレン化水素あるいは硫化水
素等のドーパントガスの流量を増大させればよい。
【0023】図4(B)は図5の構造におけるZnおよ
びSeの濃度分布を示す。ただし、図4(B)中、図4
(A)と同様に、細い実線は前記光吸収層14形成直後
におけるZnの濃度分布を、太い実線は前記光吸収層1
4形成直後におけるSあるいはSeの濃度分布を、また
図4(B)中の点線は、前記半導体受光装置30の形成
後、同じ基板上に図3に示す光導波路20をモノリシッ
クに形成した後のZn濃度プロファイルを示す。
【0024】図4(B)を参照するに、このように高濃
度にドープされたn型領域18を前記光吸収層14とキ
ャリア走行層13との界面に形成することにより、図4
(A)において見られる前記光吸収層14からの前記キ
ャリア走行層13への、前記n型領域18を超えて進む
Znの拡散が、前記領域18において効果的に抑制され
ていることがわかる。
【0025】図4(B)のn型高濃度領域によるp型不
純物の拡散の抑制現象は、先にレーザダイオードについ
てなされた渡辺等による報告(特開平10−17823
6号公報)と両立するものであり、前記特開平10−1
78236号公報の記載を参照すると、前記拡散領域1
8は、その厚さとn型不純物濃度とが、関係式5.0×
1019cm-3<[不純物濃度]×[厚さ]<3.0×1
21cm-3を満足するように形成するのが、前記光吸収
層14からの前記キャリア走行層13へのZnの拡散を
効果的に抑制するのに好ましいことがわかる。
【0026】図6(A),(B)は図5の半導体受光装
置30のバンド構造を、先の図1の半導体受光装置10
のバンド構造と比較して示す。ただし図6(B)が半導
体受光装置30のバンド構造を示し、図6(A)は半導
体受光装置10のバンド構造を示す。
【0027】図6(B)を参照するに、前記キャリア走
行層13と光吸収層14との間にn+型拡散領域18を
形成した本実施例による半導体受光装置30では、前記
n+型拡散領域18の存在によりバンド構造が価電子帯
Evの側に湾曲し、その結果前記層13と層14との間
のヘテロ界面に対応して伝導帯Ecに生じるキンクの位
置が押し下げられる。その結果、前記光吸収層14中に
形成された光励起電子e -は前記伝導帯Ecに沿って前
記へテロ界面を実質的に妨げられることなく通過し、前
記電子走行層13に流入する。すなわち、前記半導体受
光装置30は内部抵抗が小さく、高速での動作が可能で
ある。
【0028】これに対し、図6(A)に示す従来の半導
体受光装置10では、前記へテロ界面におけるキンクが
前記光励起電子の流れに対して実効的な障壁として作用
し、内部抵抗が増大する。特に従来の半導体受光装置1
0では、先に図4(A)で説明したように、前記光吸収
層40からp型不純物がキャリア走行層13に拡散する
結果、前記キンクの位置が高エネルギ側にシフトしやす
く、光励起電子流がかかるキンクによりブロックされや
すい。
【0029】図7および図8は、本実施例の半導体受光
装置30の変形例による半導体受光装置30Aおよび3
0Bをそれぞれ示す。
【0030】図7を参照するに、半導体受光装置30A
においては前記n+型領域18が前記キャリア走行層1
3中に形成されているのに対し、図8の半導体受光装置
30Bにおいては前記n+型領域18は前記光吸収層1
4中に形成されている。このいずれにおいても、先の半
導体受光装置30と同様な効果を得ることができる。 [第2実施例]図9は、本発明の第2実施例による半導
体受光装置40の構成を示す。ただし図9中、先に説明
した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0031】図9を参照するに、前記半導体受光装置4
0は図5の半導体受光装置30と同様な構成を有する
が、前記光吸収層14がInGaAsの代わりにInG
aAsNにより形成されている。
【0032】その際、本実施例では前記光吸収層14中
に組成勾配を導入し、図10に示すように前記光吸収層
14の伝導帯Ecを、前記キャリア走行層13に向って
傾斜させる。その結果、前記光吸収層14中において光
励起された電子は前記キャリア走行層13へとドリフト
により速やかに移動し、光励起電子が主に拡散によって
キャリア走行層13に到達する前記半導体受光装置30
の場合よりも応答速度が向上する。
【0033】かかる組成勾配をInGaAs混晶層より
なる光吸収層14中に導入した場合には、InP基板1
1との格子整合を維持することができなくなるが、本実
施例においては同時に少量のNを導入し、N濃度を前記
組成勾配と共に変化させることにより、前記組成勾配を
有する光吸収層14の全体にわたって、前記InP基板
11に対する格子整合を維持することができる。また、
必要に応じて、前記光吸収層14に歪を導入することも
可能である。
【0034】本発明では、前記半導体受光装置30ある
いは40を使って先に図3で説明したような光導波路2
0と共に光半導体集積回路を形成した場合にも、前記光
吸収層14とキャリア走行層13との間にn型の高濃度
領域18を形成しておくことにより、前記光導波路20
の形成に伴う熱処理を行っても、前記光吸収層14から
Zn等のp型ドーパントが前記キャリア走行層13に前
記高濃度領域18を越えて拡散することがない。かかる
光導波路20としては、光導波層の厚さが入射端から前
記半導体受光装置30あるいは40に面する出射端に向
って連続的に増大するモード変換型光導波路を使うの
が、前記光導波路20の半導体受光装置30あるいは4
0との光結合効率を向上させるのに好ましい。
【0035】以上、本発明を好ましい実施例について説
明したが、本発明は特許請求の範囲に記載した要旨内に
おいて様々な変形や変更が可能である。 (付記) (付記1) n型コンタクト層と、前記n型コンタクト
層上に形成されたn型キャリア走行層と、前記キャリア
走行層上に形成されたp型光吸収層と、前記光吸収層上
に形成され、伝導帯上にポテンシャルバリアを形成する
バリア層と、前記コンタクト層上に形成された第1の電
極と、前記バリア層上に形成された第2の電極とを備え
た半導体受光装置において、前記キャリア走行層と前記
光吸収層との間にn型の不純物元素を導入した高濃度不
純物領域を、前記高濃度不純物領域中における前記不純
物元素の不純物濃度が、前記キャリア走行層中における
不純物元素の不純物濃度よりも実質的に大きくなるよう
に形成したことを特徴とする半導体受光装置。
【0036】(付記2) 前記高濃度不純物領域は、前
記キャリア走行層と前記光吸収層とにまたがって形成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の半導体受光装
置。
【0037】(付記3) 前記高濃度不純物領域は、前
記キャリア走行層と前記光吸収層の一方に形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の半導体受光装置。
【0038】(付記4) 前記高濃度不純物領域は、前
記不純物元素を、関係式5.0×1019cm-3<[不純
物濃度]×[厚さ]<3.0×1021cm-3を満足する
ような不純物濃度および厚さで含むことを特徴とする請
求項1〜3のうち、いずれか一項記載の半導体受光装
置。
【0039】(付記5) 前記光吸収層のバンドギャッ
プは、前記バリア層との界面から前記キャリア走行層と
の界面に向って連続的に変化することを特徴とする請求
項1〜4のうち、いずれか一項記載の半導体受光装置。
【0040】(付記6) 前記光吸収層はNを含み、前
記光吸収層中においてはN濃度が、前記光吸収層のバン
ドギャップが前記バリア層との界面から前記キャリア走
行層との界面に向って連続的に減少するように、前記光
吸収層の膜厚方向に変化することを特徴とする請求項1
〜5のうち、いずれか一項記載の半導体受光装置。
【0041】(付記7) 前記半導体受光装置は、基板
上において光導波路と一体的に集積化されることを特徴
とする付記1〜6のうち、いずれか一項記載の半導体受
光装置。
【0042】(付記8) 前記光導波路は、モード変換
導波路であることを特徴とする請求項7記載の半導体受
光装置。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、前記キャリア走行層と
光吸収層との界面近傍に高濃度のn型拡散領域を形成す
ることにより、前記光吸収層から前記キャリア走行層へ
のZn等のp型不純物元素の拡散が効果的に抑制され、
かかるp型不純物元素の拡散に伴うバンド構造の変化に
起因する半導体受光装置の応答速度の低下の問題が回避
される。また前記n型高濃度不純物領域を形成すること
により、前記光吸収層のバンド構造がキャリア走行層と
の界面近傍において下方に、すなわち電子にとって低エ
ネルギ側に湾曲するが、かかるバンド構造の湾曲に伴い
光吸収層とキャリア走行層とのヘテロ界面において生じ
ていた伝導帯のキンクも下方に移動し、このため伝導帯
に沿って前記光吸収層から電子走行層へと流れる光励起
電子に対する障壁が低下する。その結果前記半導体受光
装置の内部抵抗が低減され、応答特性が向上する。
【0044】さらに本発明では、前記光吸収層のバンド
ギャップを、前記バリア層との界面から前記キャリア走
行層との界面に向って連続的に変化させるのが好まし
い。例えば前記光吸収層にNを導入し、前記光吸収層中
においてN濃度を前記光吸収層の膜厚方向に変化させる
ことにより、前記光吸収層のバンドギャップを前記バリ
ア層との界面から前記キャリア走行層との界面に向って
連続的に減少させることができる。かかる光吸収層中に
おける濃度勾配により、前記光吸収層中における光励起
電子の前記キャリア走行層中へのドリフトが促進され、
半導体受光装置の応答速度が向上する。
【0045】本発明においては、前記光吸収層とキャリ
ア走行層との界面近傍に前記n型高濃度領域が形成され
ているため熱処理が加えられても光吸収層からキャリア
走行層へのp型不純物元素の拡散は抑制され、このため
前記半導体受光装置を光導波路と、共通基板上において
一体的に集積化しても特性の劣化は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の単一キャリア走行型半導体受光装置の構
成を示す図である。
【図2】図1の半導体受光装置の動作を説明するバンド
構造図である。
【図3】図1の半導体受光装置を光導波路と一体的に集
積化した光集積回路の構成を示す図である。
【図4】(A),(B)は従来の、および本発明の半導
体受光装置における不純物濃度プロファイルを示す図で
ある。
【図5】本発明の第1実施例による半導体受光装置の構
成を示す図である。
【図6】(A),(B)は、それぞれ従来の半導体受光
装置および図5の半導体受光装置のバンド構造を示すバ
ンド構造図である。
【図7】図5の一変形例を示す図である。
【図8】図5の別の変形例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施例による半導体受光装置の構
成を示す図である。
【図10】図9の半導体受光装置のバンド構造を示すバ
ンド構造図である。
【符号の説明】
10 単一キャリア走行型半導体受光装置 11 基板 12 コンタクト層 13 電子走行層 14 光吸収層 15 バリア層 16 p型電極 17 n型電極 18 n+型領域 20 光導波路 21 光導波層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型コンタクト層と、 前記n型コンタクト層上に形成されたn型キャリア走行
    層と、 前記キャリア走行層上に形成されたp型光吸収層と、 前記光吸収層上に形成され、伝導帯上にポテンシャルバ
    リアを形成するバリア層と、 前記コンタクト層上に形成された第1の電極と、 前記バリア層上に形成された第2の電極とを備えた半導
    体受光装置において、 前記キャリア走行層と前記光吸収層との間にn型の不純
    物元素を導入した高濃度不純物領域を、前記高濃度不純
    物領域中における前記不純物元素の不純物濃度が、前記
    キャリア走行層中における不純物元素の不純物濃度より
    も実質的に大きくなるように形成したことを特徴とする
    半導体受光装置。
  2. 【請求項2】 前記光吸収層のバンドギャップは、前記
    バリア層との界面から前記キャリア走行層との界面に向
    って連続的に変化することを特徴とする請求項1記載の
    半導体受光装置。
  3. 【請求項3】 前記光吸収層はNを含み、前記光吸収層
    中においてはN濃度が、前記光吸収層のバンドギャップ
    が前記バリア層との界面から前記キャリア走行層との界
    面に向って連続的に減少するように、前記光吸収層の膜
    厚方向に変化することを特徴とする請求項1または2記
    載の半導体受光装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体受光装置は、基板上において
    光導波路と一体的に集積化されることを特徴とする請求
    項1〜3のうち、いずれか一項記載の半導体受光装置。
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WO2023233720A1 (ja) * 2022-06-03 2023-12-07 浜松ホトニクス株式会社 半導体受光素子

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