JP2002158033A - 非水電池 - Google Patents

非水電池

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JP2002158033A
JP2002158033A JP2000351791A JP2000351791A JP2002158033A JP 2002158033 A JP2002158033 A JP 2002158033A JP 2000351791 A JP2000351791 A JP 2000351791A JP 2000351791 A JP2000351791 A JP 2000351791A JP 2002158033 A JP2002158033 A JP 2002158033A
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electrolyte
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Fusaji Kita
房次 喜多
Haruki Kamisori
春樹 上剃
Junichi Yamaki
準一 山木
Takaaki Sonoda
高明 園田
Aritoshi Kimura
有寿 木村
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧に耐え、かつガスの発生を抑制し、貯
蔵安定性が優れた非水電池を提供する。 【解決手段】 正極、負極および非水電解質を用いた非
水電池において、該非水電解質がアート錯体を含み、該
非水電解質のモル導電率をアート錯体の10-4mol/
l希釈時のモル導電率で割った値が0.5以上になるよ
うにする。上記アート錯体としてはLiPF6 が好まし
く、そのアート錯体の濃度は0.5mol/l未満であ
ることが好ましい。また、非水電解質中にLi以外の対
カチオンを有する塩を含むことが好ましく、そのLi以
外の対カチオンを有する塩としてはアルキルアンモニウ
ムPF6 が好ましい。さらに、電池内には炭素数8以上
のアルキル基を有する化合物が含有されていることが好
ましく、この電池の充電は正極電位の上限値がLi基準
電位で4.3V以上になるように行うことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電池、特に非
水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非水電池、特に非水二次電池は、
パソコンや携帯電話などの電源として、あるいは電気自
動車や電力貯蔵用の電源として、なくてはならない重要
な構成要素の一つとなっている。
【0003】例えば、携帯型コンピューター(ペンコン
ピュータと呼ばれるものを含む)や携帯情報端末(Pe
rsonal Digital Communicat
or、あるいはPersonal Intellige
nt Communicator、あるいはハンドヘル
ド・コミュニケータ)といった移動体通信(モービル・
コンピューティング)に必要とされる要求として、小型
化、軽量化がある。しかしながら、液晶表示パネルのバ
ックライトや描画制御によって消費される電力が高いこ
とや、非水二次電池の容量が現状ではまだ不充分である
ことなどから、システムのコンパクト化、軽量化が難し
い状況にある。特に、パソコンにおいては、DVD搭載
などによる多機能化が進み、消費電力が増加する傾向に
あるため、電力容量、特に単電池の電圧が3.3V以上
における定電力放電容量の増大が急務となっている。
【0004】この非水電池の電解質塩としては、LiP
6 が特に二次電池において多用されているが、LiP
6 自体が熱的に不安定であって、水(H2 O)と反応
してHFを生成しやすいことが問題となっている。
【0005】このLiPF6 を含む電解液を安定化する
試みとしては従来からも多くの提案がなされている。例
えば、米国特許第5356736号明細書のようにアミ
ンやアミド系の溶媒を添加したり、特開平3−1196
67号公報のようにLiPF 6 に4級アンモニウム塩を
5〜30モル%混合して電池の貯蔵安定性を向上させる
ことが知られている。
【0006】しかしながら、最近は貯蔵安定性に関する
要求が厳しくなっている上に電池が高電圧化されてお
り、より高電圧でも優れた貯蔵安定性を示す必要があ
る。例えば、アミンの添加などでは耐電圧が不足して充
分な効果が得られない。また、特開平3−119667
号公報のようにLiPF6 に四級アンモニウム塩を5〜
30モル%混合する場合も、本発明者らの検討ではまだ
LiPF6 の割合が多く充分な効果が得られていない。
【0007】一方で、四級アンモニウム塩を非水二次電
池の電解質に用いる検討も多数行われている。例えば、
特開平11−260400号公報には、常温溶融塩タイ
プの電解質としてジアルキルイミダゾリウム塩などの四
級アンモニウム塩とLiBF 4 などのリチウム塩とエチ
レンカーボネートとの組み合わせが開示され、リチウム
塩の含有率は0.1mol/kgから1.5mol/k
gと開示されている。また、エー・ビー・マクエヴァン
(A.B.McEwen)やヴィー・アール・コッホ
(V.R.Koch)らは、J.Electoroch
em.Soc.,146(5)、p1687(199
9)において、やはりイミドゾリウム塩などの四級アン
モニウム塩タイプの常温溶融塩とこれに有機溶媒を加え
て伝導度を改善した例を開示している。しかしながら、
これらに開示されたジアルキルイミダゾリウム塩などの
四級アンモニウム塩は、還元安定性が悪く、リチウム系
の非水二次電池で多用されるている炭素負極やLiと反
応し、貯蔵安定性を充分に満足させることはできない。
【0008】そこで、これを改善するため特開平11−
297355号公報には、シクロアルキル基を有する四
級アンモニウム塩型常温溶融塩が提案されている。この
場合は電圧的には安定であるが、伝導度、特に低温での
伝導度が充分ではないという問題があった。
【0009】さらに、貯蔵時に注意を要するのがガスの
発生である。電池内でガスが発生すると、筒形電池では
内圧が上昇しベントが作動するおそれがあるため、ベン
ト作動圧をできるだけ高くしておく必要がある。しか
し、角形電池やラミネート電池では、ガス発生は電池の
膨れとして現れ、ベント圧力の変更だけでは対応できな
い。したがって、角形電池やラミネート電池では、筒形
電池以上に、ガスの発生を抑制する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術における問題点を解決し、高電圧に耐え、か
つガスの発生を抑制し、貯蔵安定性が優れた非水電池を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極、負極お
よび非水電解質を用いた非水電池において、該非水電解
質がアート錯体を含み、該非水電解質のモル導電率をア
ート錯体の10-4mol/l希釈時のモル導電率で割っ
た値が0.5以上になるようにすることによって、上記
課題を解決したものである。
【0012】また、本発明は、非水電解質がLi以外の
対カチオンを有する塩を含むことを好ましい形態として
いる。そのLi以外の対カチオンを有する塩の好ましい
例はアルキルアンモニウムPF6 である。
【0013】さらに、本発明は、高電圧下においても優
れた貯蔵安定性を目指しており、充電時におけるその正
極電位の上限値がLi基準電位で4.3V以上の場合や
電池内に炭素数8以上のアルキル基を有する化合物を別
に含有している場合をより好ましい形態としていた。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において用いるアート錯体
としては、例えば、PF6 、BF4 、SbF 6 、AsF
6 などのアニオンを含む化合物が挙げられるが、特にL
iPF6 が好適に用いられる。ただし、このLiPF6
はアニオンとカチオンとの結合距離が短く、P−F結合
が切れてLiFを生成しやすいが、本発明者らの研究に
よれば、意外なことに、このLiPF6 に対カチオンと
して四級アンモニウム塩などのリチウムより大きなカチ
オンを併存させると、イオンとして解離しやすくなり、
その結果、アニオンのP−F結合が安定化して、貯蔵安
定性が向上することが判明した。
【0015】また、このP−F結合の安定化の尺度とし
て、非水電解質のモル導電率と、アート錯体の10-4
ol/l希釈時(本発明において、この10-4mol/
l希釈時を無限希釈時という)のモル導電率で割った割
合とで表すことができることも判明した。この割合が
0.5以上であれば非水電解質中でPF6 イオンが安定
に存在し、この割合が0.6以上でより安定に存在し、
0.65以上でPF6 イオンがさらに安定して存在し、
この割合としては1近くまでが好ましい。
【0016】前記の対カチオンを有する塩としては、例
えば、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、オニ
ウム塩、イミダゾリウム塩、それらの誘導体などが挙げ
られるが、特に四級アンモニウム塩が好ましい。その中
でも、還元に対する安定性を確保するためには、四級ア
ンモニウムイオンとして、R1 2 3 4
+ (R 1 、R2 、R3 、R4 はアルキル基またはシクロ
アルキル基であって、互いに結合していてもよい)を有
しているものが好ましい。上記アルキル基の炭素数とし
ては、1〜20が好ましく、より好ましくは平均で2〜
6であり、さらに好ましくは平均で2〜4である。
【0017】また、非水電解質中のアート錯体の濃度と
しては、あまり濃度を大きくすると安定化効果が減少す
るので、0.5mol/l未満が好ましく、より好まし
くは0.4mol/l以下であり、0.3mol/l程
度までが好ましい。本発明のアート錯体は、一般に複塩
として知られ、電解質塩として呼ばれるものの一種に該
当するものであり、例えば、LiFとPF5 との複塩な
どで構成される。
【0018】非水電解質としては、非水系の液状電解
質、ゲル状ポリマー電解質のいずれも用いることができ
るが、本発明においては、通常、電解液と呼ばれる液状
電解質が多用される。そこで、まず、この液状電解質に
ついて「電解液」という表現で詳しく説明する。
【0019】電解液に用いる溶媒としては、例えば、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエ
チルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エス
テル、リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステ
ル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテルなどが挙げられ、アミンイミド系
有機溶媒やスルホランなどのイオウ系有機溶媒なども用
いることができるが、特に低温特性と耐電圧特性の両方
を満足できる鎖状カーボネート(例えば、メチルエチル
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネートなど)や鎖状エステル(例えば、酢酸エチル、プ
ロピオン酸メチルなど)が好ましく、鎖状カーボネート
がより好ましい。これらの鎖状カーボネートや鎖状エス
テルの電解液の全溶媒中の割合としては、上記鎖状カー
ボネートと鎖状エステルの両方を合わせて1体積%以上
が好ましく、より好ましくは50体積%以上、さらに好
ましくは60体積%以上であり、また、90体積%以下
が好ましく、より好ましくは80体積%以下、さらに好
ましくは70体積%以下である。
【0020】また、その他の溶媒として誘電率が高いエ
ステル(誘電率30以上)を前記溶媒に混合して用いる
ことが、電解液の伝導度を高くすることから好ましい。
この誘電率が高いエステルとしては、例えば、エチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、また、
エチレングリコールサルファイトなどのイオウ系エステ
ルも用いることができるが、環状構造のものが好まし
く、特にエチレンカーボネートのような環状カーボネー
トが好ましい。
【0021】上記誘電率の高いエステルは、電解液の全
溶媒中の1体積%以上が好ましく、より好ましくは5体
積%以上、さらに好ましくは20体積%以上であり、ま
た、80体積%以下が好ましく、より好ましくは50体
積%以下、さらに好ましくは40体積%以下である。
【0022】ゲル状ポリマー電解質は、上記電解液をゲ
ル化剤によってゲル化したものに相当するが、そのゲル
化にあたっては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
エチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖
状ポリマーまたはそれらのコポリマー、紫外線、電子線
などの活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノ
マー(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキ
シ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以
上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官
能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただ
し、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル
化させるのではなく、上記モノマーをポリマー化したポ
リマーがゲル化剤として作用する。
【0023】上記のように多官能モノマーを用いて電解
液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類、アミノエステルなども使用する
ことができる。
【0024】また、電池内に炭素数8以上のアルキル基
を有する化合物を含有させることによって、貯蔵安定性
をさらに向上させることができる。この炭素数8以上の
アルキル基を有する化合物としては、例えば、オレイン
酸エチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミ
リスチン酸メチル、ステアロニトリル、C8 17−C 6
5 、C1123O(CH2 CH2 O)n H、Cn 2n+1
6 4 O(CH2 CH2 O)m Hなどが挙げられ、特
にエステル(例えば、オレイン酸メチル、ステアリン酸
メチルなど)やエーテル〔例えば、C1123O(CH2
CH2 O)n H、Cn 2n+16 4 O(CH2 CH2
O)m Hなど〕が好ましく、さらにアルキルがC=C不
飽和結合を含んでいるもの(例えば、オレイン酸メチ
ル、オレイン酸エチルなど)がより好ましい。この炭素
数8以上のアルキル基を有する化合物を電解液中に含有
させる場合、その含有量はアート錯体と溶媒全体(ゲル
状ポリマー電解質の場合はポリマーを含む)に対して
0.01体積%以上が好ましく、0.05体積%以上が
より好ましく、0.1体積%以上がさらに好ましく、ま
た、5体積%以下が好ましく、1体積%以下がより好ま
しい。すなわち、炭素数8以上のアルキル基を有する化
合物の電解液中での含有量を上記のように0.01〜5
体積%とすることによって、電極表面へのブロック効果
での被膜形成によって貯蔵安定性をより向上させつつ、
電気特性の低下を抑制することができる。
【0025】従来の正極材料と電解質との組み合わせで
は、平均電圧が低いため、単電池の充電終止電圧が4.
2Vよりも大きい条件下で充放電サイクル試験を繰り返
すと、正極が多量のLiイオンを出し入れする。これ
は、従来電池を過充電条件でサイクル試験することと同
じである。このような苛酷な条件では、従来の電解質を
用いると電解質が分解して貯蔵安定性が極端に悪くなる
などの不都合が生じていた。これに対して、本発明の非
水電解質〔すなわち、非水電解質のモル導電率をアート
錯体の無限希釈時(つまり、10-4mol/l希釈時)
のモル導電率で割った値が0.5以上の非水電解質〕を
用いればそのような不都合を抑制することができる。
【0026】本発明において、正極活物質としては、L
iCoO2 などの通常の4V級活物質も用いることがで
きるが、本発明の効果をより適切に発現させるためには
正極活物質としてTiなどの異種元素を限定された量含
有させることによって従来とは異なる電子構造を持つよ
うにしたものであることが好ましい。
【0027】上記のような正極活物質としては、例え
ば、一般式Ax+a Co1-b b c 4+d (Aはアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の少なくとも1種、Mは
Ti、Ge、Ta、NbなどのAおよびCo以外の金属
元素の少なくとも1種、XはC、N、S、P、Si、
F、Cl、I、Brの少なくとも1種、0<x≦1.
0、0≦a≦0.2、0.0001≦b≦0.2、0.
0001≦c≦0.2、0≦d≦0.1)で表される化
合物が挙げられる。特にMがTi、Ge、Ta、Nbの
ものが好ましく、MがTiの場合を例に採ると、少なく
とも0.0001≦c<0.2の範囲、特に0.000
5≦c<0.01の範囲においては、一般式A x+a Co
1-b b c 4+d で表される化合物の構造が高電位で
も安定化する。
【0028】負極に用いる材料としては、リチウムイオ
ンをドープ・脱ドープできるものであればよく、本発明
においてはそのようなリチウムイオンをドープ・脱ドー
プできるものを負極活物質という。そして、その負極活
物質としては、例えば、天然黒鉛、熱分解炭素類、コー
クス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、
メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの
炭素質材料が挙げられる。また、Si、Sn、Inなど
の合金またはLiに近い低電位で充放電できる酸化物あ
るいは窒化物なども用いることができる。
【0029】負極活物質として炭素質材料を用いる場
合、下記の特性を持つものが好ましい。すなわち、(0
02)面の面間距離d002 に関しては、0.35nm以
下が好ましく、より好ましくは0.345nm以下、さ
らに好ましくは0.34nm以下である。また、c軸方
向の結晶子の大きさLcは3.0nm以上が好ましく、
より好ましくは8.0nm以上、さらに好ましくは2
5.0nm以上である。そして、平均粒径は8〜20μ
m、特に10〜15μmが好ましく、純度は99.9%
以上が好ましい。
【0030】負極の集電材としては一般に銅箔が用いら
れるが、その銅箔としては、表面を粗面化した電解銅箔
が好ましい。
【0031】
【実施例】実施例1 Li2 CO3 とCo3 4 を約3対2のモル比で混合
し、TiO2 をCoに対して0.03原子比置換させる
量だけ加え、さらにアルコールと水を加えてボールミル
により室温で15時間混合した。得られた混合物を酸素
雰囲気中で200℃で1時間保持し、さらに600℃で
5時間保持した後、850℃で20時間保持して焼成す
ることによって、本実施例1で正極活物質として用いる
リチウムコバルトチタン複合酸化物を得た。
【0032】得られたリチウムコバルトチタン複合酸化
物は組成がLiCo0.97Ti0.03 2 であり、X線回折
により六方晶の回折像が確認された。このLiCo0.97
Ti 0.032 に導電助剤としてカーボンを、結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンを重量比で88:7:5となる
ようにN−メチル−2−ピロリドンの存在下でらいかい
機で30分間混合して正極活物質含有ペーストを調製し
た。得られた正極活物質含有ペーストを厚さ15μmの
アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾
燥して正極を得た。
【0033】上記とは別に、溶剤としてN−メチル−2
−ピロリドンを用い、負極活物質としての人造黒鉛を9
3重量%、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを7重
量%含有する負極合剤含有ペーストを調製し、得られた
負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負
極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極を作製した。そ
して、上記正極と負極とをそれぞれプレス機で圧延成形
し、端子をスポット溶接した後、150℃で5時間真空
乾燥した。
【0034】電解液は、エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートとオレイン酸エチルを体積比33:6
6.8:0.2で混合し、その混合溶媒中にLiPF6
と(C 2 5 4 NPF6 をそれぞれ0.4mol/l
と0.5mol/lになるように溶解させることによっ
て調製した。なお、この電解液のモル導電率をアート錯
体(LiPF6 )の無限希釈時のモル導電率で割った値
は0.67であった。これを詳しく説明すると、この電
解液のモル導電率(A)は、電解質が電解液中に0.9
mol/l含まれていることから、測定された25℃で
の導電率を0.9で割ることによって求まる。また、ア
ート錯体の無限希釈時のモル導電率は、アート錯体(こ
こでは、LiPF6 )を10-4mol/lと2×10-4
mol/lのそれぞれの導電率をモル濃度で割り、それ
ぞれのモル導電率を計算する。この値をそれぞれc、d
とすると、無限希釈時のモル導電率(e)は、e=c+
(c−d)になる。したがって、電解液のモル導電率
(A)をアート錯体の無限希釈時のモル導電率(e)で
割った値は、A/e、すなわち、0.67になる。な
お、ここでのアート錯体の無限希釈時のモル導電率は、
10-4mol/lと2×10-4mol/lのそれぞれの
モル導電率から0mol/lへの外挿値を用いることに
した。
【0035】つぎに、上記正極と負極のそれぞれに集電
タグを取り付け、それらの正極と負極を厚さ25μmの
微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介し
て重ね、巻回して電極体としたのち、絶縁テープを取り
付け、サイズが5mm×30mm×48mmの電池ケー
ス内に挿入し、リード体の溶接と電池蓋の電池ケースの
開口端部へのレーザー溶接を行い、電池蓋に設けた電解
液注入口から吸引して電池内を減圧状態にした後、上記
電解液注入口から前記の電解液を電池ケース内に注入
し、電解液の注入後、上記電解液注入口を封止して電池
内部を密閉状態にした後、予備充電を行って、角形の非
水二次電池を作製した。
【0036】比較例1 Li2 CO3 とCo3 4 を3:2のモル比で混合し、
ボールミルを使用して室温で15時間混合した。これを
空気雰囲気中で850℃で5時間保持して焼成すること
によって、正極活物質として用いるリチウムコバルト複
合酸化物を得た。このリチウムコバルト複合酸化物は組
成がLiCoO2 であり、X線回折により六方晶の単相
化が確認された。また、電解液としては四級アンモニウ
ム塩である(C2 5 4 NPF6 を添加せず、そのぶ
んジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例1と
同様のものを使用した。この電解液のモル導電率をアー
ト錯体のLiCoO2 の10-4mol/l希釈時のモル
導電率で割った値は0.1であった。
【0037】そして、上記のように正極活物質としてL
iCoO2 を用い、電解液として上記の(C2 5 4
NPF6 を添加していないものを用いた以外は、実施例
1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0038】上記実施例1の電池と比較例1の電池をそ
れぞれ0.1CmAで4.4Vまで定電流で充電した
後、4.4Vで3時間定電圧充電した。この時の電池の
インピーダンスを1kHzで測定した後、電池を60℃
で5日間貯蔵し、貯蔵後のインピーダンスを1kHzで
測定して、貯蔵によるインピーダンスの増加率(%)=
〔(貯蔵後のインピーダンス−貯蔵前のインピーダン
ス)÷貯蔵前のインピーダンス×100〕を求めた。そ
の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、実施例1の電池は、比
較例1の電池に比べて、貯蔵によるインピーダンスの増
加が少なく、高電圧に充電した状態での高温貯蔵でも貯
蔵安定性が優れていた。
【0041】また、上記実施例1の電池および比較例1
の電池のガス発生量を、電池を60℃で1時間加温した
後、流動パラフィン中で電池に孔をあけ、電池から排出
されるガスをロートを介してメスシリンダー内に集め
て、ガス量を測定したところ、実施例1の電池のガス発
生量は、比較例1の電池のガス発生量の55%であり、
ガスの発生が比較例1の電池に比べて少なかった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、高電
圧に耐え、かつガスの発生を抑制し、貯蔵安定性が優れ
た非水電池を提供することができた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月7日(2000.12.
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】電解液は、エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートとオレイン酸エチルを体積比33:6
6.8:0.2で混合し、その混合溶媒中にLiPF6
と(C 2 5 4 NPF6 をそれぞれ0.4mol/l
と0.5mol/lになるように溶解させることによっ
て調製した。なお、この電解液のモル導電率をアート錯
体(LiPF6 )の無限希釈時のモル導電率で割った値
は0.67であった。これを詳しく説明すると、この電
解液のモル導電率(A)は、電解質が電解液中に0.9
mol/l含まれていることから、測定された25℃で
の導電率を0.9で割ることによって求まる。また、ア
ート錯体の無限希釈時のモル導電率(e)は、アート錯
体(ここでは、LiPF6 )を10-4mol/lまで希
釈した場合の導電率をモル濃度で割ることによって求ま
る。したがって、電解液のモル導電率(A)をアート錯
体の無限希釈時のモル導電率(e)で割った値は、A/
e、すなわち、0.67になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山木 準一 福岡県春日市春日公園6−1 九州大学機 能物質科学研究所内 (72)発明者 園田 高明 福岡県春日市春日公園6−1 九州大学機 能物質科学研究所内 (72)発明者 木村 有寿 福岡県春日市春日公園6−1 九州大学機 能物質科学研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ04 AJ07 AK03 AL01 AL02 AL06 AL07 AL08 AL11 AM00 AM02 AM03 AM04 AM06 AM07 AM16 CJ16 EJ11 HJ10 HJ18 HJ20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極および非水電解質を用いた非
    水電池において、該非水電解質がアート錯体を含み、該
    非水電解質のモル導電率をアート錯体の10 -4mol/
    l希釈時のモル導電率で割った値が0.5以上であるこ
    とを特徴とする非水電池。
  2. 【請求項2】 アート錯体がLiPF6 である請求項1
    記載の非水電池。
  3. 【請求項3】 非水電解質にLi以外の対カチオンを有
    する塩を含む請求項1または2記載の非水電池。
  4. 【請求項4】 アート錯体の濃度が0.5mol/l未
    満である請求項1または2記載の非水電池。
  5. 【請求項5】 Li以外の対カチオンを有する塩がアル
    キルアンモニウムPF6 である請求項3記載の非水電
    池。
  6. 【請求項6】 電池内に炭素数8以上のアルキル基を有
    する化合物が別に含有されている請求項1〜5のいずれ
    かに記載の非水電池。
  7. 【請求項7】 正極電位の上限値がLi基準電位で4.
    3V以上になるように充電を行った請求項1〜6のいず
    れかに記載の非水二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009021183A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Stella Chemifa Corp リチウム二次電池用電解液、及びリチウム二次電池
WO2019163882A1 (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 国立研究開発法人産業技術総合研究所 非水二次電池用電解液及び非水二次電池
WO2021153349A1 (ja) * 2020-01-28 2021-08-05 三洋電機株式会社 二次電池用非水電解質および非水電解質二次電池

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