JP2002157723A - 磁気ヘッドスライダの製造方法およびバーの研磨方法 - Google Patents

磁気ヘッドスライダの製造方法およびバーの研磨方法

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JP2002157723A
JP2002157723A JP2000354790A JP2000354790A JP2002157723A JP 2002157723 A JP2002157723 A JP 2002157723A JP 2000354790 A JP2000354790 A JP 2000354790A JP 2000354790 A JP2000354790 A JP 2000354790A JP 2002157723 A JP2002157723 A JP 2002157723A
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bar
polishing
magnetic head
head slider
film
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JP2000354790A
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Takashi Fujii
隆司 藤井
Morihiro Ono
盛弘 大野
Osamu Fukuroi
修 袋井
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Original Assignee
TDK Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドスライダ毎の研磨制御を可能にす
る磁気ヘッドスライダの製造方法およびバーの研磨固定
方法する。 【解決手段】 複数の磁気ヘッドスライダ2よりなるバ
ー5の長手方向両端を、真空吸着装置200A,200
Bによって吸着保持する。この状態で、磁気ヘッドスラ
イダ2と同じ数だけ設けた押圧シリンダ185A,18
5Bによって、弾性部材230を介して、バー5を各磁
気ヘッドスライダ2毎に研磨板102に押圧する。バー
5を研磨板102に対して押圧する押圧力を、磁気ヘッ
ドスライダ2毎に制御できるため、バー5の研磨量を磁
気ヘッドスライダ2毎に制御することができるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置などの磁気記録装置などで用いられる磁気ヘッドスラ
イダの製造方法、およびその磁気ヘッドスライダを製造
するためのバーの研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハードディスク装置などの磁
気記録装置では、磁気情報の記録あるいは再生を行う薄
膜磁気ヘッド素子は、磁気記録媒体の記録面に対向配置
される磁気ヘッドスライダに搭載されている。この磁気
ヘッドスライダは、ほぼ直方体形状を有しており、その
一面が、磁気記録媒体に対向するいわゆるエアベアリン
グ面となっている。
【0003】磁気ヘッドスライダは、例えば次のような
工程により製造される。まず、例えばセラミックス材料
からなるウエハの表面に、薄膜プロセスによって薄膜磁
気ヘッド素子を多数個形成する。続いて、そのウエハを
ダイシングソーなどを用いて短冊状に切断して複数のバ
ーを形成する。こうして得られたそれぞれのバーには、
複数の薄膜磁気ヘッド素子が一列に並んで形成されてい
る。続いて、バーの被研磨面(エアベアリング面となる
面)を研磨する。研磨が完了したのち、フォトリソグラ
フィ法を用いたエッチング工程などによってバーの被研
磨面に所定形状のスライダレールを形成し、さらにバー
を切断することにより、薄膜磁気ヘッドが1つずつ形成
された複数の磁気ヘッドスライダを得る。
【0004】ここで、薄膜磁気ヘッド素子は、MR(Ma
gneto-Resistive)膜と呼ばれる、磁気情報を検出する
単層または多層の膜を有している。薄膜磁気ヘッド素子
は、エアベアリング面と直交する端面におけるエアベア
リング面側に形成されるため、薄膜磁気ヘッド素子のM
R膜のMRハイトは、エアベアリング面の研磨によって
変化する。そこで、正確なMRハイトを得るため、バー
の研磨は、そのバーに形成された各薄膜磁気ヘッド素子
のMR膜の抵抗特性を測定しながら行うようになってい
る。このような研磨は、RLG(Resistance Lapping G
uide)研磨と呼ばれる。
【0005】従来より、RLG研磨を行う際には、バー
の被研磨面と反対側の面を剛体よりなる治具に接着し、
その治具を、バーの被研磨面を研磨板に押し当てる方向
に押圧するようになっており、これにより、バーは長手
方向においてほぼ均一に研磨される。
【0006】ここで、近年、ハードディスク装置におけ
る記録密度の向上などに伴い、このMR膜のサイズを小
さくし、寸法精度を向上させることが望まれている。例
えば、MR膜の磁気記録媒体に対向する方向の長さ(M
Rハイトとする。)は、約0.3μmであり、その寸法
精度は、±0.06μmが必要とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、バーの被研磨面と反対側の面を治具に接着するよう
にしていたので、バーに加える押圧力を磁気ヘッドスラ
イダ毎に変化させることが難しく、磁気ヘッドスライダ
毎の研磨制御ができないという問題があった。そのた
め、例えば薄膜磁気ヘッド素子の形成位置などにばらつ
きがあった場合、このばらつきを研磨の段階で修正する
ことができず、寸法精度の向上に資することができない
という問題があった。
【0008】また、RLG研磨の他に、バーの被研磨面
に曲面形状を形成するいわゆるタッチラップ研磨も知ら
れている。このタッチラップ研磨では、バーの被研磨面
と反対側の面をゴムなどの弾性部材を介して治具に接着
するようになっている。しかしながら、このタッチラッ
プ研磨においても、RLG研磨と同様、バーに加える押
圧力を磁気ヘッドスライダ毎に変化させることはできな
いという問題があった。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、磁気ヘッドスライダ毎の研磨制御
を可能にする磁気ヘッドスライダの製造方法およびバー
の研磨方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気ヘッド
スライダの製造方法は、基板上に複数の薄膜磁気ヘッド
素子を形成する素子形成ステップと、基板を切断して、
少なくとも1つの薄膜磁気ヘッド素子がそれぞれ形成さ
れた複数の磁気ヘッドスライダを含むバーを形成するバ
ー形成ステップと、バーを研磨部材に対して磁気ヘッド
スライダ毎に押圧しつつ研磨する研磨ステップと、バー
を切断することにより磁気ヘッドスライダを得るバー切
断ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0011】本発明によるバーの研磨方法は、少なくと
も1つの薄膜磁気ヘッド素子がそれぞれ形成された複数
の磁気ヘッドスライダを含むバーを研磨する方法であっ
て、バーを研磨部材に対して磁気ヘッドスライダ毎に押
圧しつつ研磨するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明による磁気ヘッドスライダの製造方
法またはバーの研磨方法では、バーが磁気ヘッドスライ
ダ毎に研磨部材に対して押圧され、研磨される。すなわ
ち、磁気ヘッドスライダ毎に研磨制御が行われる。
【0013】本発明による磁気ヘッドスライダの製造方
法またはバーの研磨方法では、バーを、その長手方向両
端で保持するようにすることが好ましい。また、バーを
弾性部材を介して押圧するようにすることが好ましい。
さらに、バーを磁気ヘッドスライダ毎にそれぞれ押圧す
る複数の押圧手段を設け、この複数の押圧手段を互いに
独立に駆動することが好ましい。この場合、押圧手段と
して、流体圧シリンダを用いることができる。加えて、
バーを、その長手方向に対してほぼ平行な軸の周りに揺
動させつつ研磨するようにすることが好ましい。また、
真空吸着によってバーを保持するようにすることが好ま
しい。さらに、研磨部材としては、砥粒を表面に埋め込
んでなる研磨板を用いることが好ましい。加えて、薄膜
磁気ヘッド素子が、磁気抵抗効果膜(MR膜)を含むよ
うにすることが好ましい。
【0014】また、本発明による磁気ヘッドスライダの
製造方法では、研磨ステップよりも前に、さらに、バー
を剛体よりなる保持手段で保持すると共に、このバーに
含まれる各薄膜磁気ヘッド素子の抵抗特性を測定しつ
つ、このバーを研磨するステップを含むことが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】<磁気ヘッドスライダの構成>最
初に、図1ないし図3を参照して、本発明の実施の形態
に係る磁気ヘッドスライダの製造方法およびバーの研磨
方法が適用される磁気ヘッドスライダの構造について説
明する。
【0016】図1は、本実施の形態に係る磁気ヘッドス
ライダの製造方法およびバーの研磨方法が適用される磁
気ヘッドスライダ2を表すものである。磁気ヘッドスラ
イダ2は、図示しないハードディスク内に設けられたア
クチュエータアーム3の先端部に取り付けられている。
アクチュエータアーム3は、例えば、図示しないボイス
コイルモータの駆動力により回動するようになってお
り、これにより磁気ヘッドスライダ2がハードディスク
などの磁気記録媒体(図示せず)の記録面に沿ってトラ
ックラインを横切る方向xに移動するようになってい
る。
【0017】磁気ヘッドスライダ2はほぼ直方体形状の
ブロックであり、そのうちの一面(図中上側の面)が磁
気記録媒体の記録面に近接して対向するように配置され
ている。この磁気記録媒体の記録面と対向する面には、
所定形状のスライダレール2Aが形成されている。スラ
イダレール2Aの表面は、エアベアリング面(ABS)
2Eと呼ばれ、磁気記録媒体が回転する際には、磁気記
録媒体の記録面とエアベアリング面2Eとの間に生じる
空気流により、磁気ヘッドスライダ2が記録面との対向
方向yにおいて記録面から離れるように微少量移動し、
エアベアリング面2Eと磁気記録媒体との間に一定のク
リアランスができるようになっている。
【0018】磁気ヘッドスライダ2のエアベアリング面
2Eと直交する一端面(図1においては左側の側端面)
には、薄膜磁気ヘッド素子1が形成されている。
【0019】図2は、薄膜磁気ヘッド素子1の構成を分
解して表すものである。図3は、薄膜磁気ヘッド素子1
の図2に示したIII−III線に沿った矢視方向の断
面構造を表すものである。この薄膜磁気ヘッド素子1
は、磁気記録媒体に記録された磁気情報を再生する再生
ヘッド部1Aと、磁気記録媒体に磁気情報を記録する記
録ヘッド部1Bとが一体に構成されたものである。
【0020】図2および図3に示したように、再生ヘッ
ド部1Aは、例えば、スライダ2の基体2Dの上に、絶
縁層11,下部シールド層12,下部シールドギャップ
層13,上部シールドギャップ層14および上部シール
ド層15がこの順に積層された構造を有している。絶縁
層11は、例えば、厚さが2μm〜10μmであり、A
23(アルミナ)により構成されている。下部シール
ド層12は、例えば、厚さが1μm〜3μmであり、N
iFe(ニッケル鉄合金)などの磁性材料により構成さ
れている。下部シールドギャップ層13および上部シー
ルドギャップ層14は、例えば、厚さがそれぞれ10n
m〜100nmであり、Al23またはAlN(チッ化
アルミニウム)によりそれぞれ構成されている。上部シ
ールド層15は、例えば、厚さが1μm〜4μmであ
り、NiFeなどの磁性材料により構成されている。な
お、この上部シールド層15は、記録ヘッド部1Bの下
部磁極としての機能も兼ね備えている。
【0021】下部シールドギャップ層13と上部シール
ドギャップ層14との間には、MR(Magneto-Resistiv
e)素子1Cが埋設されている。MR素子1Cは、磁気
記録媒体に記録された情報を読み取るためのものであ
り、AMR(Anisotropic Magneto-Resistive )膜やG
MR(Giant Magneto-Resistive )膜からなるMR膜
(磁気抵抗効果膜)20を有している。AMR膜は、例
えばNiFeからなる磁性層を含む単層構造を有するも
のである。GMR膜は、軟磁性層のほか、例えばCoF
e(鉄コバルト合金)からなる強磁性層、例えばMnP
t(マンガン白金合金)からなる反強磁性層および例え
ばCu(銅)からなる非磁性金属層などを含む多層構造
を有するものである。
【0022】図2に示したように、MR膜20のトラッ
ク幅方向(図中x方向)における両側には、例えば硬磁
性材料からなる磁区制御膜30A,30Bが形成されて
いる。この磁区制御膜30A,30Bは、MR膜20に
一定方向のバイアス磁界を印加することでバルクハウゼ
ンノイズの発生を抑えるためのものである。MR膜20
には、トラック幅方向においてMR膜20を挟んで対向
するように配置された一対のリード層33A,33Bが
電気的にそれぞれ接続されている。これらリード層33
A,33Bは、例えばタンタル(Ta)からなり、下部
シールドギャップ層13と上部シールドギャップ層14
との間にそれぞれ形成されている。リード層33A,3
3Bは、エアベアリング面2Eと反対側に向かってそれ
ぞれ延長されており、上部シールドギャップ層14に形
成された図示しない開口部を介して、上部シールドギャ
ップ層14上に所定のパターンに形成された端子33
C,33Dに電気的に接続されている。これにより、こ
の再生ヘッド部1Aは、MR膜20にセンス電流を流
し、磁気記録媒体からの信号磁界による抵抗変化を検出
することにより、磁気記録媒体に記録されている情報を
読み出すようになっている。
【0023】図3に示したように、記録ヘッド部1B
は、例えば、上部シールド層15の上に、Al23など
の絶縁膜よりなる厚さ0.1μm〜0.5μmの記録ギ
ャップ層41を有している。この記録ギャップ層41
は、後述する薄膜コイル43,45の中心部に対応する
位置に開口部41Aを有している。この記録ギャップ層
41の上には、例えば厚さ1.0μm〜5.0μmのフ
ォトレジスト層42を介して、厚さ1μm〜3μmの薄
膜コイル43およびこれを覆うフォトレジスト層44が
それぞれ形成されている。このフォトレジスト層44の
上には、厚さ1μm〜3μmの薄膜コイル45およびこ
れを覆うフォトレジスト層46がそれぞれ形成されてい
る。
【0024】記録ギャップ層41およびフォトレジスト
層42,44,46の上には、例えば、NiFeまたは
FeN(窒化鉄)などの高飽和磁束密度を有する磁性材
料よりなる厚さ約3μmの上部磁極47が形成されてい
る。この上部磁極47は、薄膜コイル43,45の中心
部に対応して設けられた記録ギャップ層41の開口部4
1Aを介して、上部シールド層15と接触しており、磁
気的に連結している。この上部磁極47の上には、図2
および図3では図示しないが、例えば、Al23よりな
る厚さ20μm〜30μmのオーバーコート層が全体を
覆うように形成されている。これにより、この記録ヘッ
ド部1Bは、薄膜コイル43,45に流れる電流によっ
て下部磁極である上部シールド層15と上部磁極47と
の間に磁束を生じ、記録ギャップ層41の近傍に生ずる
磁束によって磁気記録媒体を磁化し、情報を記録するよ
うになっている。
【0025】[研磨装置]本実施の形態に係る磁気ヘッ
ドスライダの製造方法は、2つの研磨工程を含んでい
る。第1の研磨工程では、いわゆるRLG研磨法を用
い、薄膜磁気ヘッド素子1のMR膜20のMRハイト
(エアベアリング面からMR膜20の最遠端までの距
離)がほぼ目標値となるまでバー5の被研磨面を研磨す
る。第2の研磨工程では、第1の研磨工程で研磨された
面をさらに研磨し、例えばクラウンと呼ばれる凸曲面を
形成する。
【0026】まず、第1の研磨工程で用いるRLG研磨
装置60と、第2の研磨工程で用いる仕上げ研磨装置1
00について説明する。
【0027】<RLG研磨装置>図4は、RLG研磨装
置6の基本構成を表す図であり、図5はその要部を拡大
して表す図である。RLG研磨装置6は、バー5を保持
する剛体よりなるホルダ60と、Sn(錫)からなる円
板の表面にダイヤモンド砥粒を埋めむことにより形成さ
れた研磨板61と、研磨板61を回転させる研磨板駆動
機構62とを有している。この研磨板61の研磨面は、
平坦面となっている。ホルダ60のバー5が取り付けら
れた面と反対の側には、バー5を研磨板61に対して押
圧する3つのアクチュエータ63A,63B,63Cが
設けられている。研磨板駆動機構62とアクチュエータ
63A,63B,63Cは、例えばCPU(中央処理装
置)からなる制御部65によって制御される。
【0028】ホルダ60は、長尺形状を有しており、ホ
ルダ60を長手方向に3等分する位置に2つの切り欠き
60A,60Bが形成されている。この切り欠き60
A,60Bによって、ホルダ60は長手方向に湾曲可能
になっている。アクチュエータ63A,63B,63C
は、ホルダ60の切り欠き60A,60Bにより3等分
されたそれぞれの箇所を押圧するようになっている。
【0029】図5に示したように、バー5には、例えば
5個のダミー抵抗膜7が、バー5の長手方向に一定の間
隔で形成されている。ダミー抵抗膜7は、薄膜磁気ヘッ
ド素子1のMR膜20(図3)とほぼ同一の構成を持つ
抵抗膜であり、図示しないフレキシブル基板を介して測
定回路64に接続されている。ダミー抵抗膜7は、バー
5の薄膜磁気ヘッド素子1が形成された端面と同じ端面
に形成されており、バーの研磨に伴ってダミー抵抗膜7
の寸法が小さくなりその抵抗値が変化するようになって
いる。制御部65は、ダミー抵抗膜7の抵抗値の変化に
基づいて、3つのアクチュエータ63A,63B,63
Cを駆動することで、バー5をその長手方向に亘って均
等な圧力で研磨板61に押し当てるようになっている。
このRLG研磨装置は特開平10−7231号、特開平
11−863号などに記載されている公知のものなの
で、具体的な装置構造については、詳細説明を省略す
る。
【0030】<仕上げ研磨装置>図6および図7は、仕
上げ研磨装置100の基本構成を表す正面図および平面
図である。仕上げ研磨装置100は、ほぼ直方体形状の
基台101を備えている。仕上げ研磨装置100は、基
台101の図中上側の面(上面101Aとする。)が水
平になるよう調節された状態で、床Bの上に置かれてい
るものとする。以下の説明では、基台101の上面10
1Aと平行な方向を水平とし、上面101Aに対して垂
直な方向を鉛直方向とする。さらに、鉛直方向のうち、
床Bに向かう方向を下方とし、床Bとは反対の側に向か
う方向を上方とする。
【0031】基台101の上面101Aには、ほぼ円板
形状の研磨板102が水平面内において回転可能に設け
られている。研磨板102は、例えばすり鉢形状を有し
ており、所定の球面の一部を構成する略凹面形状の研磨
面102Aを有している。この研磨板102の研磨面1
02Aは、例えばSnにより形成され、例えばダイヤモ
ンドよりなる砥粒が埋め込まれている。
【0032】研磨板102から下方に向けて、研磨板1
02と一体に形成された回転軸102Bが突出形成され
ている。この回転軸102Bは、基台101に取り付け
られた軸受部102Cによって支持されており、その下
端には、図示しないプーリが取り付けられている。一
方、基台101の内部には、研磨板102を回転駆動す
る研磨板駆動モータ104が設けられている。研磨板駆
動モータ104の出力軸104Aには図示しないプーリ
が取り付けられており、回転軸102Bのプーリとの間
にはベルト104Bが掛け渡されている。これにより、
研磨板駆動モータ104の回転が、ベルト104Bおよ
び回転軸102Bを介して、研磨板102に伝達される
ようになっている。
【0033】研磨板102の上方には、研磨板102の
研磨面102Aに潤滑液を供給するためのディスペンサ
103が設けられている。ディスペンサ103は、研磨
液を吐出可能なシリンジ103Aと、このシリンジ10
3Aを研磨板102よりも所定量高い位置に支持するス
タンド103Bとを備えており、シリンジ103Aから
適量の研磨液を定期的に研磨板102上に滴下できるよ
うになっている。
【0034】基台101の上面101Aにおいて、研磨
板102よりも図中奥側には、鉛直上方に延びる鉛直フ
レーム101Bが設けられている。この鉛直フレーム1
01Bの図中手前側(研磨板102側)の面には、鉛直
方向に所定距離離間し、水平方向に延びる一対の水平ガ
イドレール108が設けられている。この水平ガイドレ
ール108には、バー5を保持する後述のホルダ180
を搭載したスライド体110が摺動可能に支持されてい
る。図7に示したように、スライド体110は、水平ガ
イドレール108に摺動可能に係合するスライド軸受1
11と、このスライド軸受111に取り付けられ、鉛直
フレーム101Bに対して平行に設けられた板状部材よ
りなるスライド体フレーム112とを備えている。この
スライド体110の具体的な構造については後述する。
【0035】スライド体110を移動させるため、鉛直
フレーム101Bには、水平ガイドレール108と平行
に延びるボールネジ107(図6)が、一対の軸受10
9(図6)を介して回転可能に取り付けられている。こ
のボールネジ107は、例えば鉛直フレーム101Bに
取り付けられた水平移動モータ107Aによって回転駆
動されるようになっている。一方、スライド体110の
スライド体フレーム112には、ボールネジ107と係
合するナット(図示せず)が取り付けられている。これ
により、ボールネジ107を回転すると、ボールネジ1
07とナットとの係合によって、スライド体110が水
平ガイドレール108に沿って水平に直進移動するよう
になる。なお、スライド体110の移動方向は、図7に
矢印Mで示したように、研磨板102の回転中心に対し
て接近および離間する方向となっている。これは、後述
するように、バー5を研磨板102の半径方向に往復移
動させる運動を可能にするためである。
【0036】鉛直フレーム101Bの側方には、仕上げ
研磨装置100の全体の制御を司る、例えばコンピュー
タよりなる制御部250が設けられている。この制御部
250は、作業者が、図示しないスイッチを操作する
と、第2の研磨のための諸制御を開始するようになって
いる。なお、以下の説明では、図2において、基台10
1の鉛直フレーム101B側を「後方」とし、鉛直フレ
ーム101Bに対して反対の側を「前方」とする。
【0037】図8は、図6に示した仕上げ研磨装置10
0におけるスライド体110の構造を表す側面図であ
る。図9は、図8におけるスライド体110の上面図、
すなわち図8において矢印IXで示した方向からスライ
ド体110を見た図である。図10は、図8におけるス
ライド体110の正面図、すなわち図8において矢印X
で示した方向からスライド体110を見た図である。
【0038】図8に示したように、スライド体110に
は、以下に説明する昇降ステージ130が、昇降可能に
支持されている。この昇降ステージ130は、スライド
体フレーム112に対して平行に設けられた鉛直支持板
132と、鉛直支持板132の下端部から前方に(スラ
イド体フレーム112とは反対の側に)水平に延びる下
側支持板131と、鉛直支持板132の上端部から下側
支持板131と平行に延びる上側支持板133とを有し
ている。下側支持板131と垂直支持板132との間に
は、ほぼ直角三角形形状の板状部材であるリブ136が
設けられている。
【0039】昇降ステージ130を昇降案内するため、
スライド体110のスライド体フレーム112には、鉛
直方向に延びる一対の鉛直ガイドレール113(図9)
が、水平方向に一定間隔をあけて設けられている。この
鉛直ガイドレール113には、鉛直支持板132に取り
付けられたスライド軸受114(図9)が摺動可能に係
合している。スライド体フレーム112には、鉛直ガイ
ドレール113と平行に延びるボールネジ115が、軸
受115A,115Bを介して回転可能に支持されてい
る。スライド体フレーム112には、さらに、このボー
ルネジ115を回転させるための昇降モータ117およ
び減速器116が取り付けられている。ボールネジ11
5は、その上端部においてカップリング118を介して
減速器116に連結され、これにより、昇降モータ11
7がボールネジ115を回転するようになっている。一
方、鉛直支持板132のスライド体フレーム112側
(すなわち後方)には、ボールネジ115に係合するナ
ット134が取り付けられている。これにより、昇降モ
ータ117が回転すると、ボールネジ115とナット1
34との係合によって、昇降ステージ130が鉛直ガイ
ドレール113(図9)に沿って昇降するようになって
いる。
【0040】下側支持板131には、昇降ステージ13
0の移動範囲の下限を検知するためのフォトセンサ13
7が設けられている。このフォトセンサ137は、昇降
ステージ130が下降して研磨面102Aに対して所定
量の距離まで接近すると、所定の信号を発するようにな
っている。
【0041】図9に示したように、下側支持板131に
は、水平ガイドレール108(図6)の延出方向に対し
て平行な方向に間隔をあけて対向配置された一対のサイ
ドプレート141A,141Bが設けられている。この
一対のサイドプレート141A,141Bの鉛直支持板
132側(すなわち後方)には、鉛直支持板132に対
向する板状部材よりなるバックプレート142が取り付
けられている。一対のサイドプレート141A,141
Bには、それぞれのサイドプレートを貫通する軸部材で
ある一対の揺動軸144A,144Bが設けられてい
る。この一対の揺動軸144A,144Bは、いずれも
水平ガイドレール108(図6)と平行に延び、かつ、
互いに同一の軸線上に位置するように形成されている。
この揺動軸144A,144Bには、以下で説明する揺
動体150が揺動可能に支持されている。
【0042】揺動体150は、一対のサイドプレート1
41A,141Bの間に位置し、鉛直支持板132とほ
ぼ対向して設けられた板状部材よりなる揺動体フレーム
151と、この揺動体フレーム151の水平方向両端部
からサイドプレート141A,141Bと平行にそれぞ
れ延びるアーム152A,152Bとを備えている。こ
のアーム152A,152Bは、揺動軸144A,14
4Bによりそれぞれ揺動可能に支持されており、これに
より、揺動体150は揺動軸144A,144Bを中心
として揺動できるようになっている。
【0043】図11は、揺動体150とそれを揺動させ
るための機構を表す側面図である。揺動体150の後方
すなわち鉛直支持板132(図9)側には、揺動体15
0を揺動させるための操作軸154が設けられている。
この操作軸154は、その長手方向を鉛直方向に向けた
状態で、バックプレート142に設けられた取付治具1
53に取り付けられている。この取付治具153は、軸
受を内蔵しており、操作軸154はその中心軸周りに回
転可能になっている。操作軸154は、揺動モータ15
8によって回転駆動されるようになっている。操作軸1
54の下端には、ボールネジ155が直列に連結されて
おり、操作軸154と共に回転するようになっている。
一方、揺動体フレーム151には、後方すなわち鉛直支
持板132(図9)側に延びる突出アーム157が取り
付けられており、その突出アーム157には、ボールネ
ジ155に係合するナット156が取り付けられてい
る。操作軸154を回転させると、ボールネジ155お
よびナット156の係合により、揺動体150が揺動軸
144A,144B(図9)の周りに揺動するようにな
っている。
【0044】図9に示したように、揺動体フレーム15
1には、その揺動体フレーム151の前面に沿って直進
移動可能な昇降体160が支持されている。この昇降体
160は、揺動体フレーム151に対して平行に設けら
れた板状部材よりなる昇降体フレーム161と、この昇
降体フレーム161を揺動体フレーム151の前面に沿
い、かつ、揺動軸144A,144Bの延出方向とは直
交する方向に直進案内する一対のスライド軸受162
A,162Bとを有している。
【0045】図11に示したように、この昇降体フレー
ム161には、この昇降体フレーム161を貫通するよ
うに支軸163が設けられている。この支軸163は、
揺動体フレーム151に固定された円筒形状の外筒部材
164Aと、この外筒部材164Aの内側に取り付けら
れた軸受164Bとにより回転可能に支持されている。
揺動体フレーム151には、支軸163および外筒部材
164Aを挿通するための挿通孔151Aが形成されて
いる。この挿通孔151Aは、昇降体160が移動して
も外筒部材164Aが挿通孔151Aの内壁に衝突しな
いよう、十分大きく形成されている。
【0046】支軸163の前側(すなわち、鉛直支持板
132側とは反対の側)には、バー5を保持するホルダ
180が取り付けられている。ホルダ180は、支軸1
63の前側に固定された連結板181と、この連結板1
81のさらに前側に貼り合わされたホルダプレート18
2とを有している。これにより、ホルダ180は、昇降
体160に支持されていると共に、支軸163を中心と
して揺動可能になっている。
【0047】ホルダプレート182の上方には、エアシ
リンダよりなる一対のバランスシリンダ170A,17
0Bが設けられている。これらバランスシリンダ170
A,170Bは、揺動体フレーム151の上端から前側
(すなわち、鉛直支持板132側とは反対の側)に突出
して設けられたシリンダ保持部151Bに取り付けられ
ている。バランスシリンダ170A,170Bは、それ
ぞれの可動部であるプランジャ171A,171Bを下
方に向けた状態で、シリンダ保持部151Bに取り付け
られている。このバランスシリンダ170A,170B
を駆動するため、図8に示したように、上側支持板13
3には、エアシリンダよりなるバランス用バルブ240
が取り付けられている。このバランス用バルブ240と
バランスシリンダ170A,170Bとは、図示しない
エアチューブにより連結されている。
【0048】図10に示したように、プランジャ171
A,171Bの先端は、ブロック状の連結部材172
A,172Bに連結されている。連結部材172A,1
72Bは、揺動体フレーム161に形成された溝169
A,169Bの内部において、バランスシリンダ170
A,170Bに対して接近/離間する方向に(すなわ
ち、ほぼ上下に)移動可能に支持されている。また、こ
の連結部材172A,172Bは、溝169A,169
B内に設けられたコイルバネ175A,175Bによっ
て、バランスシリンダ170A,170B側に(すなわ
ち、ほぼ上方に)付勢されている。連結部材172A,
172Bは、さらに、コンロッド174A,174Bを
介して、ホルダプレート182の2箇所に設けられたピ
ン181A,181Bに連結されている。すなわち、バ
ランスシリンダ170A,170Bの押圧力は、連結部
材172A,172B、コイルバネ175A,175B
およびコンロッド174A,174Bを介して、ホルダ
180に伝達される。
【0049】これにより、バー5がすり鉢型の研磨板1
02の研磨面102Aに当接している場合でも、バラン
スシリンダ170A,170Bとコイルバネ175A,
175Bの弾性力との釣り合いによって、ホルダ180
が(支軸163を中心として)傾き、バー5を研磨面1
02Aに対してほぼ均等に接触させるようになってい
る。
【0050】揺動体150に対する昇降体160の移動
量を検知するため、揺動体フレーム151の側面には、
その側面に沿った方向に間隔をあけて上部センサ176
および下部センサ177が設けられている。これら上部
センサ176および下部センサ177は、昇降体161
フレームの側面に取り付けられたシャッタプレート16
5,166を検知するようになっている。
【0051】図12は、ホルダ180の側断面図であ
る。ホルダプレート182の下端には、揺動軸144
A,144Bの方向(図12では、紙面に対して垂直な
方向)に長い長方形形状の水平支持板183がほぼ水平
に取り付けられている。この水平支持板183の短手方
向中央部には、水平支持板183の長手方向に沿って長
く延びる中央支持板187が水平支持板183に対して
垂直に取り付けられている。水平支持板183の短手方
向両端(すなわち、水平支持板183の前側と後側)に
は、中央支持板187とそれぞれ平行に設けられた前側
支持板188Aおよび後側支持板188Bが設けられて
いる。
【0052】中央支持板187の前側支持板188A側
(すなわち前側)には、複数の押圧シリンダ185Aが
2列に配列されている。同様に、中央支持板187の後
側支持板188B側(すなわち後側)にも、複数の押圧
シリンダ185Bが2列に配列されている。押圧シリン
ダ185A,185Bは、それぞれ前側支持板188A
および後側支持板188Bに取付ブラケット184A,
184Bを介して取り付けられており、いずれも水平支
持板183に対して垂直に延びている。また、各押圧シ
リンダ185A,185Bは、針状の可動部であるニー
ドル186A,186Bを有しており、このニードル1
86A,186Bを取付ブラケット184A,184B
よりも下方に突出させている。押圧シリンダ185A,
185Bは、バルブブラケット215(図8)に固定さ
れた押圧用バルブ210(図8)にエアチューブ(図示
せず)を介して接続されており、押圧用バルブ210の
操作によりそれぞれ独立して駆動制御されるようになっ
ている。
【0053】図13は、ホルダ180の底面図、すなわ
ち図12における矢印XIIIで示した方向から見た図
である。取付ブラケット184A,184Bの下端面に
は、一対の可撓性の櫛状部材190A,190Bがボル
ト191A,191Bにより取り付けられている。櫛状
部材190A,190Bは、いずれも、例えばステンレ
ス鋼よりなる長方形の板状部材の一つの辺側を、多数の
短冊に加工したものである。櫛状部材190A,190
Bに形成された短冊のそれぞれを、櫛歯192A,19
2Bとする。櫛状部材190A,190Bは、それぞれ
の櫛歯192A,192Bが互いに対向し合うように配
置されている。それぞれの櫛歯192A,192Bは、
長尺形状を有しているが、その先端部193A,193
Bは幅が約半分になっている。ここでは、櫛状部材19
0Aの各先端部193Aと櫛状部材190Bの各先端部
193Bとが、交互にかつ一列に並ぶようになってい
る。このように一列に配列された各先端部193A,1
93Bの配列間隔および配列数は、バー5の各磁気ヘッ
ドスライダ2の配列間隔および配列数とほぼ同じになっ
ている。
【0054】図12に示したように、各櫛歯192A,
192Bには、押圧シリンダ185A,185Bのニー
ドル186A,186Bに係合する係合孔が形成されお
り、これにより、ニードル186A,186Bがそれぞ
れの櫛歯192A,192Bに一つずつ係合するように
なっている。ニードル186A,186Bが櫛歯192
A,192Bを下方に押圧すると、櫛歯192A,19
2Bが下方に撓み、その先端部193A,193Bが下
方に移動するようになっている。なお、押圧シリンダ1
85Aが2列に配列されているのは、櫛歯192Aの配
列間隔が狭いため、隣接する櫛歯192Aを付勢する押
圧シリンダ185A同士が衝突しないようにするためで
ある。押圧シリンダ185Bが2列に配列されているの
も同様の理由による。
【0055】図14は、ホルダ180の図12に示した
XIV−XIV線に沿った矢視方向の断面図である。中
央支持板187には、バー5の長手方向両端を吸着保持
する一対の真空吸着装置200A,200Bが取り付け
られている。真空吸着装置200A,200Bは、櫛状
部材190A,190Bの長手方向両側に配置されてお
り、その下面は、水平支持板183と平行になってい
る。真空吸着装置200A,200Bの下面には、エア
通路201A,201Bが開口しており、このエア通路
201A,201Bは、図示しないエアチューブを介し
て吸着用バルブ202に接続されている。これにより、
吸着用バルブ202を操作することにより、真空吸着装
置200A,200Bがバー5の長手方向両端を吸着保
持するようになっている。バー5と櫛歯192A,19
2Bとの間には、例えばゴムなどの弾性部材230が挟
まれる。この弾性部材230は、例えば、櫛状部材19
2A,192Bの下面に接着されていてもよい。
【0056】図15は、ホルダ180がバー5を保持し
ている状態を模式的に表す図である。真空吸着装置20
0A,200Bによりバー5を吸着すると、櫛状部材1
90A,190Bの各櫛歯192A,192Bは、それ
ぞれ、弾性部材230を介して、バー5の各磁気ヘッド
スライダ2に個別に当接するようになっている。押圧シ
リンダ185A,185Bが櫛歯192A,192Bを
下方に付勢すると、その櫛歯192A,192Bが、弾
性部材230を介して、対向する磁気ヘッドスライダ2
を研磨板102に対して押圧するようになっている。す
なわち、押圧シリンダ185A,185Bを個別に駆動
制御することによって、バー5の研磨板102への押圧
力を、磁気ヘッドスライダ2毎に制御することができる
ようになっている。なお、バー5は、厚さが約0.3m
mであって撓み易いため、ある磁気ヘッドスライダ2が
押圧されても、その押圧力が、隣接する磁気ヘッドスラ
イダ2には及ばないものとする。なお、図15では、簡
単のため、押圧シリンダ185Aと押圧シリンダ185
Bとを一列に並べて示している。
【0057】[磁気ヘッドスライダの製造方法]図16
は、本実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法
を表す流れ図である。また、図17は、図16に示した
磁気ヘッドスライダの製造方法を説明するための工程毎
の図である。
【0058】まず、図17(A)に示したように、例え
ばAl23・TiCからなる3インチ程度のウェハ4
に、薄膜プロセスにより薄膜磁気ヘッド素子1およびダ
ミー抵抗膜7を多数形成する(S10)。
【0059】ここで、薄膜磁気ヘッド素子1を形成する
ための薄膜プロセスを、図2および図3を参照して簡単
に説明する。
【0060】まず、例えば、前述のウエハ4の上に、ス
パッタリング法などにより絶縁膜11、下部シールド層
12、下部シールドギャップ層13を順次成膜する。次
に、下部シールドギャップ層13の上に、例えばスパッ
タリング法によりMR膜20を形成するための積層膜を
成膜したのち、例えばイオンミリングにより積層膜をエ
ッチングし、所定の平面形状およびサイズを有するMR
膜20を形成する。次に、下部シールドギャップ層13
の上に、例えばスパッタリング法により、磁区制御膜3
0A,30Bおよびリード層33A,33Bをそれぞれ
形成する。
【0061】次に、下部シールドギャップ層13,MR
膜20およびリード層33A,33Bを覆うように、下
部シールドギャップ層13と同様にして、上部シールド
ギャップ層14を形成する。そののち、上部シールドギ
ャップ層14の上に、例えば、スパッタリング法により
上部シールド層15を選択的に形成する。次いで、上部
シールド層15の上に、例えばスパッタリング法により
記録ギャップ41を形成し、その記録ギャップ41の上
に、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト4
2を選択的に形成する。次いで、フォトレジスト42の
上に、例えばメッキあるいはスパッタリング法により、
薄膜コイル43を選択的に形成する。続いて、フォトレ
ジスト42および薄膜コイル43の上に、フォトレジス
ト42と同様にして、フォトレジスト44を選択的に形
成し、その上に、薄膜コイル43と同様にして、薄膜コ
イル45を選択的に形成する。更に、フォトレジスト4
4および薄膜コイル45の上に、フォトレジスト42と
同様にして、フォトレジスト46を選択的に形成する。
【0062】フォトレジスト46を形成したのち、記録
ギャップ41を部分的にエッチングし、薄膜コイル4
3,45の中心部近傍に開口41Aを形成する。そのの
ち、記録ギャップ41、フォトレジスト44,46の上
に、例えばスパッタリング法により、上部磁極47を形
成する。続いて、上部磁極47をマスクとして、例えば
イオンミリング法により、記録ギャップ41および上部
シールド層15の一部をエッチングする。そののち、上
部磁極47の上に、例えばスパッタリング法により、オ
ーバーコート(図示せず)を形成する。
【0063】このようにして、図17(A)に示したよ
うに、ウエハ4上に、薄膜磁気ヘッド素子1が多数形成
される。なお、ダミー抵抗膜7は、薄膜磁気ヘッド素子
1のMR膜20とほぼ同様の構成を持つように形成す
る。
【0064】続いて、ウェハ4を例えばダイシングソー
により切断して、図17(B)に示したバー5を得る
(S12)。ここでは、バー5の長さLは例えば50.
8mmとし、幅Wは例えば1.2mmとする。バー5の
厚さtは例えば0.3mmとする。各バー5は、薄膜磁
気ヘッド素子1がそれぞれ形成された複数の磁気ヘッド
スライダ2を有している。1本のバー5には、例えば3
8個の磁気ヘッドスライダ2が含まれているものとす
る。また、バー5には、例えば5個のダミー抵抗膜7が
一定間隔で配置されている。このバー5において、長手
方向に延び、かつ薄膜磁気ヘッド素子1が形成された面
に直交する端面Sが、第1の研磨および第2の研磨にお
ける被研磨面(エアベアリング面となる面)である。
【0065】次に、RLG加工機6を用いた第1の研磨
を行う(S14)。ここでは、まず、図4に示したよう
に、バー5の被研磨面Sと反対側の面を、RLG研磨装
置6のホルダ60に接着剤を用いて接着固定する。この
とき、測定回路64に接続した図示しないフレキシブル
基板とバー5のダミー抵抗膜7とを例えばワイヤボンデ
ィング法により接続し、ダミー抵抗膜7の抵抗値が測定
回路64で測定できるようにする。このようにバー5を
ホルダ60に接着固定したのち、RLG研磨装置6によ
る研磨加工動作を開始する。
【0066】RLG研磨装置6の制御部65は、まず、
バー5を所定の押圧力で研磨板61に押しつけると共に
研磨板61を回転させ、研磨を開始する。次いで、制御
部65は、所定の時間(例えば、5〜10秒)毎に、測
定回路64によるダミー抵抗膜7の抵抗の検出値を読み
出す。さらに、制御部65は、ダミー抵抗膜7の各抵抗
検出値からバー5の傾きを算出し、その傾きを補正すべ
くアクチュエータ63A,63B,63Cを駆動する。
制御部65は、抵抗検出値に基づいて、バー5の研磨量
が規定量に達したか否かを判断する。バー5の研磨量が
規定量に達していなければ、RLG研磨装置6による研
磨を続行し、バー5の研磨量が規定量に達していれば、
RLG研磨装置6による研磨を終了する。
【0067】RLG研磨法による第1の研磨(S14)
が完了した後、バー5のダミー抵抗膜7に接続されてい
るワイヤを除去し、バー5をホルダ60から取り外す。
これにより、第1の研磨工程が完了する。この第1の研
磨工程における研磨量は、約5〜7μmである。
【0068】この第1の研磨工程では、ダミー抵抗膜7
の抵抗値を検出し、その抵抗値に基づいてバー5の研磨
を制御するようにしているため、各薄膜磁気ヘッド素子
1のMR素子20のMRハイトを、平均的に所望の値に
近づけることができる。さらに、ダミー抵抗膜7の各抵
抗検出値からバー5の傾きを算出し、その傾きを補正す
べくアクチュエータ63A,63B,63Cを駆動する
ようにしたので、より正確なMR素子20のMRハイト
を得ることができる。
【0069】続いて、第2の研磨工程に進む前に、図示
しない測定装置を用いて、バー5の全ての薄膜磁気ヘッ
ド素子1のMR膜20の抵抗を測定する(S16)。こ
の場合、例えば、バー5の薄膜磁気ヘッド素子1の端子
33C,33D(図2)に接触子などを接触させること
によって、各薄膜磁気ヘッド素子1のMR膜の抵抗を測
定することができる。
【0070】続いて、仕上げ研磨装置100による第2
の研磨工程に進む(S20)。図18は、仕上げ研磨装
置100による第2の研磨工程を表す流れ図である。ま
ず、ホルダ180に設けられた真空吸着装置200A,
200Bにより、バー5の長手方向における両端を真空
吸着する(S30)。具体的には、例えば、作業者が、
バー5を弾性部材230を介してホルダ180に押し当
てつつ図示しないスイッチを操作し、これに応じて、制
御部250(図7)が吸着用バルブ202(図14)を
操作する。これにより、図15に示したように、バー5
は、弾性部材230を介して櫛歯192A,192Bに
当接した状態で、ホルダ180に保持される。
【0071】次いで、制御部250は、図6に示した水
平移動モータ107Aを駆動してボールネジ107を回
転させ、スライド体110を研磨板102の上まで水平
移動する(S32)。次いで、制御部250は、研磨板
駆動モータ104を駆動し、研磨板102を所定の回転
速度で回転させる(S34)。制御部250は、さら
に、図8に示したスライド体110の昇降モータ117
を駆動して、昇降ステージ130を研磨板102に向け
て下降させる(S36)。制御部250は、昇降ステー
ジ130に設けられたフォトセンサ137が研磨板10
2を検知すると、昇降ステージ130の下降を停止す
る。これにより、バー5が、研磨板102よりも僅かに
上に位置した状態で、昇降ステージ130が停止する。
【0072】次いで、制御部250は、バランス用バル
ブ240(図8)を操作してバランスシリンダ170
A,170Bを駆動し、昇降体160を下降させ、ホル
ダ180に保持されたバー5を研磨板102の研磨面1
02Aに接触させる。さらに、制御部250は、押圧用
バルブ210(図8)を操作して、押圧シリンダ185
A,185Bを駆動し、ニードル186A,186Bに
より櫛歯192A,192Bおよび櫛状部材230を介
してバー5を押圧する(S38)。
【0073】ここでは、制御部250が、バルブ210
を個別に操作してそれぞれの押圧シリンダ185A,1
85Bを個別に駆動制御し、それぞれの押圧シリンダ1
85A,185Bが櫛歯192A,192Bおよび弾性
部材230を介してバー5を磁気ヘッドスライダ2毎に
押圧することにより、磁気ヘッドスライダ2の個別の研
磨制御が行われる。すなわち、一本のバー5に含まれる
ある磁気ヘッドスライダ2の研磨量を多くし、別の磁気
ヘッドスライダ2の研磨量を少なくする(あるいは全く
研磨しない)という制御が可能になる。
【0074】この第2の研磨工程(S38)では、研磨
板102の回転数は、例えば2rpmであり、個々の押
圧シリンダ185A,185Bによる磁気ヘッドスライ
ダ2の押圧力は約30〜約100gである。また、第2
の研磨工程における研磨量は、約0.1μmである。ま
た、砥粒を表面に埋め込んだ研磨板102を用いるよう
にしたので、バー5の基体2Dと薄膜磁気ヘッド素子1
との加工段差L(図3)を小さくすることができる。
【0075】第2の研磨工程(S38)では、制御部2
50は、さらに、揺動モータ158(図11)を駆動す
ることにより、揺動体150を揺動軸144A,144
Bの周りに所定角度だけ往復揺動させる。これにより、
ホルダ180に保持されたバー5は、バー5の延出方向
とほぼ平行な軸の周りに揺動しつつ研磨させる。これに
より、バー5には、クラウンと呼ばれる、スライダレー
ルの延出方向に湾曲した曲面形状が形成される。また、
制御部250は、水平移動モータ107A(図6)を駆
動して、スライド体110を水平移動させ、バー5を研
磨板102の半径方向に沿って往復直進移動させつつ研
磨することもできる。
【0076】制御部250は、バー5の研磨を開始して
から一定時間経過すると、研磨を停止する。すなわち、
昇降モータ117を駆動して昇降ステージ130を上昇
させ(S40)、研磨板駆動モータ104を停止して研
磨板102の回転を停止し(S42)、さらに、スライ
ド体110を研磨板102から離れる方向に水平移動す
る(S44)。続いて、真空吸着装置200A,200
Bの吸着を解除して、ホルダ180からバー5を開放す
る。
【0077】なお、研磨工程を終了したのち、再び図示
しない測定装置を用いて、バー5の全ての薄膜磁気ヘッ
ド素子1のMR膜20の抵抗を測定する(S20)。M
R膜20の抵抗が許容範囲内に収まっていれば、第2の
研磨工程は完了する。MR膜20の抵抗が許容範囲内に
収まっていず、さらに研磨が必要な場合には、上述した
第2の研磨工程を繰り返す。
【0078】続いて、例えばフォトリソグラフィ法を用
いてバー5のスライダレール加工を行う(S22)。す
なわち、バー5の被研磨面に、図1に示したような凸パ
ターンよりなるスライダレール2Aを形成する。なお、
このスライダレール2Aの形成に伴って、上述のダミー
抵抗膜7(図17(B))は除去される。スライダレー
ル2Aを形成したのち、例えばダイシングソーを用いて
バー5を切断し、磁気ヘッドスライダ2を分離する(S
26)。このようにして、図1に示した形状の磁気ヘッ
ドスライダ2が得られる。
【0079】このように、押圧シリンダ185A,18
5Bが、櫛歯192A,192Bおよび弾性部材230
を介してバー5を磁気ヘッドスライダ2毎に押圧するよ
うにしたので、磁気ヘッドスライダ2毎の研磨制御が可
能になる。すなわち、ある磁気ヘッドスライダ2の研磨
量を多くし、ある磁気ヘッドスライダ2の研磨量を少な
くする(あるいは全く研磨しない)という制御が可能に
なる。従って、各磁気ヘッドスライダ2における薄膜磁
気ヘッド素子1のMR膜20のMRハイトを、より正確
に制御することが可能になる。
【0080】ここで、バー5を磁気ヘッドスライダ2毎
に研磨制御することによる効果について、図19を参照
して説明する。ウエハ4上に薄膜磁気ヘッド素子1を形
成する際にステッパを用いると、バー5の長さが、ステ
ッパの1ショットで露光できる範囲に収まらない程度に
長い場合には、バー5を長さ方向に分けて複数回のショ
ットで露光する必要がある。図19は、バー5を2回の
ショットで露光した状態を模式的に表す図である。バー
5上には、2回のショットによる露光範囲301,30
2が存在することになるが、露光誤差などにより、露光
範囲によって薄膜磁気ヘッド素子1の形成位置にばらつ
きが生じる可能性がある。
【0081】図19に示した露光範囲301,302を
比較すると、露光範囲301では、露光範囲302に比
べ、被研磨面Sから薄膜磁気ヘッド素子1の最遠端まで
の距離が長い。そのため、共通のバー5に含まれる各薄
膜磁気ヘッド素子1のMR膜20のMRハイトをほぼ同
じにするには、バー5において露光範囲301に含まれ
る磁気ヘッドスライダ2の研磨量を、露光範囲302に
含まれる磁気ヘッドスライダ2の研磨量よりも多くしな
ければならない。本実施の形態によれば、磁気ヘッドス
ライダ2毎の研磨制御が可能であるため、露光範囲30
1に含まれる磁気ヘッドスライダ2の研磨量を、露光範
囲302に含まれる磁気ヘッドスライダ2の研磨量より
も多くすることによって、露光誤差を相殺し、各薄膜磁
気ヘッド素子1のMR膜20のMRハイトをほぼ一定に
することができる。
【0082】また、砥粒を表面に埋め込んだタイプの研
磨板102を用いるようにしたことによる効果につい
て、図3を参照して説明する。薄膜磁気ヘッド素子1
は、基体2Dよりも柔らかく研磨され易い。そのため、
ダイヤモンドなどの微粒子を含むスラリーを研磨板上に
供給して研磨を行う方法では、スラリーに混入したバー
5の被研磨粉などによって、図2に示したように薄膜磁
気ヘッド素子1が大きく研磨されてしまい、基体2Dの
被研磨面と薄膜磁気ヘッド素子1の被研磨面との間には
数nmの段差Lが形成される。この段差は、一般にPT
R(Pole Tip Recession)と呼ばれる。PTRの制御
は、一般に、研磨板上に供給するスラリー中の砥粒の量
を調節することによって行われているが、近年、PTR
を5nm以下にすることが望まれており、スラリー中の
砥粒の量の調整だけでは対応できなくなっている。これ
に対し、本実施の形態では、砥粒を表面に埋め込んだタ
イプの研磨板102を用いるようにしたので、基体2D
と薄膜磁気ヘッド素子1との加工段差Lを、例えば2n
m以下にすることができる。
【0083】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、第2の工程において、押圧シリンダ185A,18
5Bによってバー5を磁気ヘッドスライダ2毎に押圧す
るようにしたので、磁気ヘッドスライダ2毎の研磨制御
が可能になる。また、ホルダ180によってバー5の両
端を保持することにより、バー5の両端以外の部分は比
較的自由に変形でき、従って押圧シリンダ185A,1
85Bによる磁気ヘッドスライダ2毎の押圧が可能にな
る。
【0084】加えて、バー5の被研磨面と反対側の面を
ホルダに接着した場合には、バーをホルダから剥離する
際に残留応力が開放されるため、被研磨面が劣化してし
まうが、本実施の形態によれば、バー5を長手方向両端
で真空吸着により保持するようにしているので、そのよ
うな被研磨面の劣化を防止できる。
【0085】さらに、バー5と櫛歯192A,192B
との間に弾性部材230を介在させるようにしたので、
バー5の被研磨面に所定の面形状(例えばクラウン)を
形成することが容易になる。
【0086】加えて、押圧シリンダ185A,185B
が櫛歯192A,192Bを介してバー5を押圧するよ
うにしたので、バー5の磁気ヘッドスライダ2の配置間
隔が小さい場合でも、磁気ヘッドスライダ2毎の押圧を
行うことができる。
【0087】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明はこの実施の形態および変形例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上
述した実施の形態においては、仕上げ研磨装置100を
用いて第2の研磨工程を行うようにしたが、他の研磨装
置を用いて第2の研磨工程を行うようにしてもよい。
【0088】また、上述した実施の形態では、バー5と
櫛状部材190A,190Bとの間に弾性部材230を
介在させているが、弾性部材230を介在させないよう
にしてもよい。また、上述した実施の形態においては、
櫛状部材190A,190Bをステンレス鋼としたが、
他の可撓性のある材質であってもよい。さらに、上述し
た実施の形態では、第1の研磨工程のあとで第2の研磨
工程を行うようにしたが、第2の研磨工程を単独で行う
ようにしてもよい。
【0089】また、薄膜磁気ヘッド素子1は、AMR膜
やGMR膜を用いたものには限定されず、他のMR膜
(例えばTMR(Tunnel-type Magneto-Resistive )
膜)を用いたものであっても良い。また、薄膜磁気ヘッ
ド素子は、再生専用ヘッドあるいは記録専用ヘッドであ
っても良い。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項10のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの製
造方法または請求項11ないし請求項19のいずれか1
に記載のバーの研磨方法によれば、磁気ヘッドスライダ
毎に研磨部材に対して押圧して研磨するようにしたの
で、磁気ヘッドスライダ毎の研磨制御が可能になるとい
う効果を奏する。
【0091】特に、請求項2記載の磁気ヘッドスライダ
の製造方法または請求項12記載のバーの研磨方法によ
れば、バーを長手方向両端で保持するようにしたので、
バーの両端以外の部分をフリーにすることができ、従っ
て、バーを磁気ヘッドスライダ毎に押圧することが可能
になるという効果を奏する。
【0092】特に、請求項3記載の磁気ヘッドスライダ
の製造方法または請求項13記載のバーの研磨方法によ
れば、バーを弾性部材を介して押圧するようにしたの
で、バーを安定して保持できる上、バーの被研磨面に曲
面形状を形成するような研磨も可能になるという効果を
奏する。
【0093】さらに、請求項4記載の磁気ヘッドスライ
ダの製造方法または請求項14記載のバーの研磨方法に
よれば、バーを、磁気ヘッドスライダ毎にそれぞれ押圧
する複数の押圧手段を設け、この複数の押圧手段を互い
に独立に駆動するようにしたので、個々の磁気ヘッドス
ライダについて押圧力を確実に制御できるという効果を
奏する。
【0094】加えて、請求項6記載の磁気ヘッドスライ
ダの製造方法または請求項16記載のバーの研磨方法に
よれば、バーの長手方向に対してほぼ平行な軸の周りに
バーを揺動させるようにしたので、バーの被研磨面に例
えばクラウンなどの曲面形状を形成することができると
いう効果を奏する。
【0095】さらに、請求項8記載の磁気ヘッドスライ
ダの製造方法または請求項18記載のバーの研磨方法に
よれば、砥粒を表面に埋め込んだ研磨板を用いるように
したので、薄膜磁気ヘッド素子とそれ以外の部分との研
磨量の差に伴う段差を小さくすることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダ
の製造方法によって製造された磁気ヘッドスライダの外
観形状を表す斜視図である。
【図2】図1に示した磁気ヘッドスライダにおける薄膜
磁気ヘッド素子の構造を拡大して表す分解斜視図であ
る。
【図3】図2に示した薄膜磁気ヘッド素子の構造を拡大
して表す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る製造方法で用いるR
LG研磨装置の基本構成を表す図である。
【図5】図4に示したRLG研磨装置の要部を拡大して
表す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダ
の製造方法またはバーの研磨方法に用いるタッチラップ
研磨装置の全体構成を表す正面図である。
【図7】図6に示した仕上げ研磨装置の全体構成を表す
上面図である。
【図8】図6に示した仕上げ研磨装置におけるスライド
体を表す側面図である。
【図9】図8に示した仕上げ研磨装置におけるスライド
体を表す側面図である。
【図10】図8に示したスライド体を表す正面図であ
る。
【図11】図8に示したスライド体に設けられた揺動体
を表す側面図である。
【図12】図11に示した揺動体に設けられたホルダを
表す側面図である。
【図13】図12に示したホルダを表す底面図である。
【図14】図13に示したホルダを表す正面図である。
【図15】図13に示したホルダがバーを保持する状態
を表す概略図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る製造方法を表す流
れ図である。
【図17】図16に示した製造方法における一工程を表
す図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの製造方法における研磨工程を表す流れ図である。
【図19】本発明の実施の形態による効果を説明するた
めの概略図である。
【符号の説明】
1…薄膜磁気ヘッド素子、1A…再生ヘッド部、1B…
記録ヘッド部1B、2…磁気ヘッドスライダ、2A…ス
ライダレール、2D…基体、2E…エアベアリング面、
4…ウエハ、5…バー、7…ダミー抵抗膜、60…RL
G研磨装置、60…ホルダ、63A,63B,63C…
アクチュエータ、64…測定回路、65…制御部、10
0…タッチラップ研磨装置、101…基台、102…研
磨板、103…ディスペンサ、104…研磨板駆動モー
タ、107…ボールネジ、107A…水平移動モータ、
110…スライド体、130…昇降ステージ、132…
鉛直支持板、117…昇降モータ、144A,144B
…揺動軸、150…揺動体、151…揺動体フレーム、
158…揺動モータ、160…昇降体、161…昇降体
フレーム、170A,170B…バランスシリンダ、1
80…ホルダ、182…ホルダプレート、185A,1
85B…シリンダ、186A,186B…ニードル、1
90A,190B…櫛状部材、192A,192B…櫛
歯、200A,200B…真空吸着装置、210…バル
ブ、215…バルブブラケット、230…弾性部材、2
50…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/31 G11B 5/31 K 5/39 5/39 21/21 101 21/21 101L (72)発明者 袋井 修 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA11 AB01 AB04 AC01 BA05 CB01 CB03 DA16 5D033 BB14 BB43 DA12 DA31 5D034 BA02 BB05 BB12 DA02 DA07 5D042 NA02 PA01 PA05 PA09 RA02 RA04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に複数の薄膜磁気ヘッド素子を形
    成する素子形成ステップと、 前記基板を切断して、少なくとも1つの薄膜磁気ヘッド
    素子がそれぞれ形成された複数の磁気ヘッドスライダを
    含むバーを形成するバー形成ステップと、 前記バーを研磨部材に対して磁気ヘッドスライダ毎に押
    圧しつつ研磨する研磨ステップと、 前記バーを切断して磁気ヘッドスライダを得るバー切断
    ステップとを含むことを特徴とする磁気ヘッドスライダ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記研磨ステップにおいて、前記バー
    を、その長手方向両端で保持するようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記研磨ステップにおいて、前記バー
    を、弾性部材を介して押圧するようにしたことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の磁気ヘッドスライ
    ダの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記バーを前記磁気ヘッドスライダ毎に
    それぞれ押圧する複数の押圧手段を設け、前記研磨ステ
    ップにおいて、この複数の押圧手段を互いに独立に駆動
    するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記押圧手段として、流体圧シリンダを
    用いるようにしたことを特徴とする請求項4記載の磁気
    ヘッドスライダの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記研磨ステップにおいて、前記バー
    を、その長手方向に対してほぼ平行な軸の周りに揺動さ
    せつつ研磨するようにしたことを特徴とする請求項1な
    いし請求項5のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記研磨ステップにおいて、真空吸着に
    よって前記バーを保持するようにしたことを特徴とする
    請求項1または請求項6のいずれか1に記載の磁気ヘッ
    ドスライダの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記研磨ステップにおいて、前記研磨部
    材として、砥粒を表面に埋め込んでなる研磨板を用いる
    ようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7の
    いずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記研磨ステップよりも前に、さらに、 前記バーを剛体よりなる保持手段で保持すると共に、こ
    のバーに含まれる各薄膜磁気ヘッド素子の抵抗特性を測
    定しつつ、このバーを研磨するステップを含むことを特
    徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1に記載の
    磁気ヘッドスライダの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記薄膜磁気ヘッド素子が、磁気抵抗
    効果膜を含むようにしたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項9のいずれか1に記載の磁気ヘッドスライダの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つの薄膜磁気ヘッド素子
    がそれぞれ形成された複数の磁気ヘッドスライダを含む
    バーを研磨する方法であって、 前記バーを研磨部材に対して磁気ヘッドスライダ毎に押
    圧しつつ研磨するようにしたことを含むことを特徴とす
    るバーの研磨方法。
  12. 【請求項12】 前記バーを、その長手方向両端で保持
    するようにしたことを特徴とする請求項11記載のバー
    の研磨方法。
  13. 【請求項13】 前記バーを、弾性部材を介して押圧す
    るようにしたことを特徴とする請求項11または請求項
    12に記載のバーの研磨方法。
  14. 【請求項14】 前記バーを前記磁気ヘッドスライダ毎
    にそれぞれ押圧する複数の押圧手段を設け、この複数の
    押圧手段を互いに独立に駆動するようにしたことを特徴
    とする請求項11ないし請求項13のいずれか1に記載
    のバーの研磨方法。
  15. 【請求項15】 前記押圧手段として、流体圧シリンダ
    を用いるようにしたことを特徴とする請求項14記載の
    バーの研磨方法。
  16. 【請求項16】 前記バーを、その長手方向に対してほ
    ぼ平行な軸の周りに揺動させつつ研磨するようにしたこ
    とを特徴とする請求項11ないし請求項15のいずれか
    1に記載のバーの研磨方法。
  17. 【請求項17】 真空吸着によって前記バーを保持する
    ようにしたことを特徴とする請求項11または請求項1
    6のいずれか1に記載のバーの研磨方法。
  18. 【請求項18】 前記研磨部材として、砥粒を表面に埋
    め込んでなる研磨板を用いるようにしたことを特徴とす
    る請求項11ないし請求項17のいずれか1に記載のバ
    ーの研磨方法。
  19. 【請求項19】 前記薄膜磁気ヘッド素子が、磁気抵抗
    効果膜を含むようにしたことを特徴とする請求項11な
    いし請求項18のいずれか1に記載のバーの研磨方法。
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